JPH09234983A - 電子カード - Google Patents

電子カード

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JPH09234983A
JPH09234983A JP8041133A JP4113396A JPH09234983A JP H09234983 A JPH09234983 A JP H09234983A JP 8041133 A JP8041133 A JP 8041133A JP 4113396 A JP4113396 A JP 4113396A JP H09234983 A JPH09234983 A JP H09234983A
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JP
Japan
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resin
card
resin composition
antenna
electronic card
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Withdrawn
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JP8041133A
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English (en)
Inventor
Shigeru Matake
茂 真竹
Hideo Ota
英男 太田
Tetsuo Okuyama
哲生 奥山
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い機械的強度を有すると共に、とくにカー
ド表面の優れた平坦性および優れた屈曲性を有する電子
カードを提供する。 【解決手段】 少なくとも半導体素子が樹脂組成物に埋
設され、カード状に成形されてなる電子カードであっ
て、該樹脂組成物は、 50 〜 80 重量%の無機充填材お
よび 10 〜 40 重量%の低応力添加剤を含有し、かつ無
機充填材および低応力添加剤の合計量が 60 〜 90 重量
%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子カードに係わ
り、とくに加熱圧縮成形法で良好に製造することのでき
るICカードや無線カード等の電子カードに関する。
【0002】
【従来の技術】ICカードや無線カードなどの電子カー
ドは、磁気カードなどと比較してより多くの情報データ
を記録したり送受信ができる機器として普及し始めてい
る。
【0003】無線カードを例にとり、その断面構造を図
1に示す。表面に印刷面を持つ 2枚のフィルム2を有す
る平板状のカード本体の中に、ICモジュールなどの半
導体素子3および絶縁導線を線輪状に複数回巻いたアン
テナ1を樹脂組成物4で一体にカード状に成形してあ
る。
【0004】これらの製造方法としては、トランスファ
ー成形法、射出成形法または圧縮成形法などが知られて
いる。例えば、特開平5-286292号には射出成形法でIC
カード用材料を製造することが提案されている。
【0005】しかしながら、電子カードのように薄い製
品を作る場合、トランスファー成形または射出成形法で
は、カード材料である硬質塩化ビニル積層体などに半導
体素子埋設用凹部を形成する必要があるため、金型のキ
ャビティおよびゲート部等をかなり高精度で複雑に工夫
しなければならず製造能率が低いという問題がある。ま
た、アンテナや半導体素子と金型との僅かな隙間に射出
成形で樹脂を流すことが困難であり、アンテナの変形や
半導体素子の流れといった問題が発生する。このため、
電子カードのように薄い製品の製造にあっては、圧縮成
形法が最も好ましい製造方法の一つであるものと考えら
れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電子カード
においては、該カード内の半導体素子に各種情報を記録
したり、その情報を送受信する特性以外に、カード表面
は凸凹がない高精度の平坦性が要求される。これは、カ
ード所有者に関連する名前や所属および顔写真等をカー
ド表面に表示・印刷する必要があるためであり、従来の
樹脂封止型半導体装置に要求されなかった性能である。
また、このカードは、厚みが約 0.8mmと薄いにも拘ら
ず、一般のカード類と同じ様に扱われる可能性が高いの
で、かなりの曲げ負荷が加えられても、この曲げ負荷に
耐えられる強度と復元力を有することが必要となり、充
分な屈曲性が要求される。
【0007】しかしながら、通常の樹脂封止型半導体装
置に使用されているエポキシ樹脂成形材料を用いて、厚
みの薄い電子カードを圧縮成形法で製造しようとする
と、とくに表面の平坦性および屈曲性等に劣るという問
題があった。
【0008】例えば、従来のICカードの封止断面図を
図2に示す。この場合、半導体素子3をエポキシ樹脂お
よび無機充填材などを主体とする一般的な半導体封止用
の樹脂組成物4に埋設して、ICカード上下から樹脂組
成物4に金型より圧力を加えて加熱封止を行い、成形後
に金型からカードを外すと、半導体素子3と樹脂組成物
4との熱収縮率が異なるため、半導体素子3の上部カー
ド表面に凹凸の段差6が発生することがある。一方、熱
収縮率を小さくする目的で樹脂組成物4に充填材を多く
配合するとカードの屈曲性が劣る問題が生じる。
【0009】また、従来の無線カードの封止断面図を図
3に示す。この場合、上下から樹脂組成物4に圧力を加
えて加熱封止すると、樹脂組成物4の流れで空気はカー
ドの中央から外側に向かって流れる。しかし、アンテナ
1が絶縁導線を複数回巻いた構造をしているために、表
面に数多くの凹凸が存在し、樹脂組成物4の流れで空気
を十分にカードの外側に流し出すことができない。また
アンテナ1同士の隙間に残留した空気も成形時に残留し
たままである。この後アンテナ1の凹凸面およびアンテ
ナ1の隙間に残留した空気は圧縮成形時に十分圧力を加
えられる。そこで成形後に金型からカードを外すと、カ
ード内部の高圧の空気が図3に示すようにカード表面付
近にボイド5を発生させ、結果的にカード表面に凹凸の
段差6が発生する。図2および図3に示す凹凸の段差6
は、電子カード表面の平坦性を損ない、表面印刷性や外
観を悪くする。
【0010】本発明は、このような問題に対処するため
になされたもので、高い機械的強度を有すると共に、と
くにカード表面の優れた平坦性および優れた屈曲性を有
する電子カードを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の電子
カードは、少なくとも半導体素子が樹脂組成物に埋設さ
れ、カード状に成形されてなる電子カードであって、該
樹脂組成物は、 50 〜80 重量%の無機充填材および 10
〜 40 重量%の低応力添加剤を含有し、かつ該無機充
填材および低応力添加剤の合計量が 60 〜 90 重量%で
あることを特徴とする。
【0012】本発明に係る第2の電子カードは、半導体
素子と、該半導体素子に電気的に接続された絶縁線輪と
が樹脂組成物に埋設され、カード状に成形されてなる電
子カードであって、該絶縁線輪は、少なくともその表面
が被覆樹により被包平坦化されてなることを特徴とす
る。
【0013】さらに、本発明の電子カードは表面の平坦
度が 20 μm 以下であることを特徴とする。
【0014】本発明の電子カードは、少なくとも半導体
素子が樹脂組成物に埋設されカード状に一体成形されて
なり、データの書込み、読出しのできるICカードや、
半導体素子に絶縁線輪からなるアンテナを電気的に接続
して、データの送受信ができる無線カード等として使用
できるものである。
【0015】なお、本発明における電子カード表面の平
坦性の指標である平坦度は、図4に示す装置によって測
定した値である。すなわち、電子カード10を定盤11
上に反りが出ないように押しつけて、カード表面の水平
方向の移動に伴い測定針12が上下に移動することでカ
ードの厚さを測定する。こうして、半導体素子や絶縁線
輪が埋設されている部位とそうでない樹脂組成物部位と
の間で発生する段差を、カード表面の凹凸として測定し
平坦度とする。測定の範囲は段差発生部位の前後 3mmの
範囲である。
【0016】また、本発明に係る被覆樹脂は、樹脂成分
単独からなるものや、樹脂成分に無機充填材を配合した
ものでもよいし、無機充填材および低応力添加剤を配合
してなる前述の樹脂組成物と同様のものであっても構わ
ない。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に係る樹脂組成物は、樹脂
成分に無機充填材や低応力添加剤等を配合して得られ
る。ここで樹脂成分は主材以外に架橋剤や硬化剤などを
含んでいてもよい。主材となる原料樹脂としては熱可塑
性樹脂や熱硬化性樹脂を挙げることができる。また本発
明の樹脂組成物では、これら成分以外に架橋促進剤、硬
化促進剤、触媒、可塑剤、着色剤、難燃化剤、その他各
種添加剤等を適宜配合することができる。
【0018】熱可塑性樹脂としては、エンジニアリング
プラスチックスやスーパーエンジニアリングプラスチッ
クス等として知られているプラスチックス類を使用する
ことができる。具体的には、例えばABS(アクリロニ
トリルブタジエンスチレン)樹脂、DAP(ジアリルフ
タレート)樹脂、DATP(ジアリルテレフタレート)
樹脂、EPE(テトラフルオロエチレンヘキサフルオロ
プロピレンパーフルオロビニルエーテル)樹脂、ETF
E(エチレン 4フッ化エチレンコポリマー)樹脂、EV
OH(エチレンビニルアルコールコポリマー)樹脂、F
EP(テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレ
ンコポリマー)樹脂、GPPS(汎用ポリスチレン)樹
脂、HDPE(ハイデンシティポリエチレン)樹脂、H
IPS(ハイインパクトポリスチレン)樹脂、LCP
(リキッドクリスタルポリマー)樹脂、LDPE(ロウ
デンシティポリエチレン)樹脂、PA(ポリアミド)樹
脂、PEAK(ポリアリルエーテルケトン)樹脂、PA
N(ポリアクリロニトリル)樹脂、PAR(ポリアリレ
ート)樹脂、PAS(ポリアリレンサルファイド)樹
脂、PASF(ポリアリルスルホン)樹脂、PBT(ポ
リブチレンテレフタレート)樹脂、PC(ポリカーボネ
ート)樹脂、PCT(ポリ 1、 4シクロヘキサンジメチ
レンテレフタレート)樹脂、PE(ポリエチレン)樹
脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂、P
EI(ポリエーテルイミド)樹脂、PEK(ポリエーテ
ルケトン)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)
樹脂、PES(ポリエーテルスルホン)樹脂、PET
(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PFA(パーフ
ルオロアルコキシフルオロポリマー)樹脂、PKS(ポ
リケトンサルファイド)樹脂、PMMA(ポリメチルメ
タクリレート)樹脂、PMP(ポリメチルペンテン)樹
脂、POM(ポリアセタール)樹脂、PP(ポリプロピ
レン)樹脂、PPE(ポリフェニレンエーテル)樹脂、
PPO(ポリフェニレンオキサイド)樹脂、PAS(ポ
リフェニレンサルファイド)樹脂、PS(ポリスチレ
ン)樹脂、PSF(ポリスルホン)樹脂、PTFE(ポ
リテトラフルオロエチレン)樹脂、PUR(ポリウレタ
ン)樹脂、PVA(ポリビニルアルコール)樹脂、PV
A(ポリビニルクロライド)樹脂、PVDF(ポリビニ
リデンフロライド)樹脂、PO(フェノキシ)樹脂等を
挙げることができる。
【0019】これらの中では、耐熱性に優れた熱変形温
度 100℃〜 200℃程度のエンジニアリングプラスチック
スが封止後のカードの耐熱性信頼性確保の面から好まし
い。このようなエンジニアリングプラスチックスの例と
しては、PA樹脂、POM樹脂、PBT樹脂、PC樹
脂、PPE樹脂等を挙げることができる。さらに、耐熱
性の優れた熱変形温度が 200℃以上程度のスーパーエン
ジニアリングプラスチックスも好ましく使用することが
できる。このようなスーパーエンジニアリングプラスチ
ックスの例としては、PPS樹脂、LCP樹脂、PES
樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂は単独で用
いても組み合わせてもよく、またこれらの樹脂とともに
架橋剤、架橋促進剤等を併用することもできる。
【0020】熱硬化性樹脂としては、たとえばエポキシ
樹脂、ポリイミド樹脂、マレイミド樹脂、シリコーン樹
脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂
等を挙げることができる。これらの樹脂は単独で用いて
も組み合わせてもよく、またこれらの樹脂とともに硬化
剤、硬化促進剤等を併用することもできる。
【0021】本発明で使用できるエポキシ樹脂として
は、1分子中に 2個以上のエポキシ基を有するものであ
れば使用することができる。例えば、ビフェニル型エポ
キシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン
型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、フェノールまた
はアルキルフェノール類とヒドロキシベンズアルデヒド
類との縮合物をエポキシ化して得られるトリス(ヒドロ
キシフェニル)アルカンベースのエポキシ樹脂、テトラ
(ヒドロキジフェニル)アルカンベースのエポキシ樹
脂、 2,2',4,4'−テトラグリシジルベンゾフェノン、パ
ラアミノフェノールのトリグリシジルエーテル、ポリア
リルグリシジルエーテル、 1,3,5−トリグリシジルエー
テル化ベンゼン、 2,2',4,4'−テトラグリシジドキシベ
ンゼンなどが挙げられる。これらの樹脂は単独で用いて
も、 2種類以上を組み合わせてもよい。
【0022】また、本発明で使用できるエポキシ樹脂の
形態は液状であっても固形状であってもよい。なお、こ
れらエポキシ樹脂を加熱硬化させる際には、真空引きを
併用するか、或いは、電子カードとして加熱硬化成形
後、アフターキュア処理を行うと、さらにカード表面の
平坦性および屈曲性が向上する。
【0023】以上の原料樹脂に使用することのできる硬
化剤、硬化促進剤は、硬化反応を進行促進させることの
できるものであれば、とくに制限なく使用することがで
きる。エポキシ樹脂を例にとれば、硬化剤としてフェノ
ール類、酸無水物、芳香族アミン化合物等が挙げられ
る。これらのうちフェノールノボラック樹脂、クレゾー
ルノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、アリル
フェノールノボラック樹脂、ナフトール型ノボラック樹
脂、ビフェニル型ノボラック樹脂、トリス(ヒドロキシ
フェニル)アルカン系化合物等のフェノール類や、無水
フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無
水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチル
ヘキサヒドロ無水フタル酸、ナジック酸無水物、メチル
ナジック酸無水物、クロレンディック酸無水物、ドデシ
ル無水コハク酸、メチル無水コハク酸、ベンゾフェノン
テトラカルボン酸無水物、ピロメリット酸無水物、無水
マレイン酸等の酸無水物がとくに好ましい。
【0024】一方、硬化促進剤としてはたとえば各種の
アミン類、イミダゾール類、ジアザビシクロアルケン
類、有機ホスフィン類、ジルコニウムアルコラート、ジ
ルコニウムキレート等を挙げることができる。具体的に
は、アミン類として、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミ
ン、N-メチルジシクロヘキシルアミン、トリエチレンジ
アミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジメチルアミノ
メチルフェノール、ベンジルジメチルアミン、トリスジ
メチルアミノメチルフェノール等を、イミダゾール類と
して、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾー
ル、ヘプタデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダ
ゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル -4-メチルイ
ミダゾール等を、ジアザビシクロアルケン類として、1,
8-ジアザビシクロ(5,4,0) ウンデセン-7(DBU) 、DBU の
フェノール塩(たとえば、U-CAT SA No.1)等を、有機ホ
スフィン類として、トリフェニルホスフィン(TPP) 、ト
リブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、
メチルジフェニルホスフィン等を挙げることができる。
これらの硬化促進剤のなかで、得られた樹脂組成物が電
気特性に優れるトリフェニルホスフィン(TPP) 、ヘプタ
デシルイミダゾールがとくに好ましい。
【0025】本発明に使用できる無機充填材としては、
石英ガラス、結晶性シリカ、溶融シリカ、ガラス、アル
ミナ、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、マグネシア、
窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸
化マグネシウム、雲母、金属等があり、粘度を下げる場
合には球状もしくは亜球状であることが好ましく、樹脂
の強度を向上させるためには破砕状シリカを用いること
が好ましい。本発明におけるこのような無機充填材の配
合は電子カード表面の平坦性の向上に寄与する効果があ
る。
【0026】本発明に使用できる低応力添加剤は、得ら
れる樹脂組成物に負荷される機械的応力および熱的応力
(熱収縮・硬化収縮)を緩和するものであれば使用する
ことができる。好ましい低応力添加剤としては、天然ゴ
ムや合成ゴムなどのゴム材を使用することができる。合
成ゴムとしては、例えば、ブタジエンスチレンゴム、ブ
チルゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ウレタン
ゴム、シリコーンゴム、フッソゴム、ステレオゴム、メ
チルメタクリレート・ブタジエン・スチレン・グラフト
ポリマーなどが挙げられ、これらは 2種類以上を組み合
わせて使用したものでもよい。
【0027】本発明における樹脂組成物に配合される無
機充填材および低応力添加剤の配合割合は、それぞれ、
50 〜 80 重量%および 10 〜 40 重量%で、かつ無機
充填材および低応力添加剤の合計量が 60 〜 90 重量%
である。好ましい無機充填材の配合割合は 60 〜 80 重
量%、より好ましくは 65 〜 80 重量%である。好まし
い低応力添加剤の配合割合は 10 〜 30 重量%である。
【0028】本発明において、無機充填剤の含有率が低
くなると、電子カード表面の平坦性および機械的強度が
低下する傾向にある。したがって電子カード表面の平坦
性を向上させ、印刷面の凹凸を少なくするためには無機
充填材は 60 重量%以上配合することが好ましい。一
方、とくに半導体素子との熱膨張係数の差を小さくする
ためには、無機充填材はこの範囲内で多く充填する方が
好ましいが、多すぎると樹脂が脆くなり一般にカードを
携帯するときに問題となる曲げ強度や屈曲性等が低下す
るため、 80 重量%以下であることが好ましい。
【0029】すなわち、無機充填材が 90 重量%程度配
合されている一般的な半導体封止用のエポキシ樹脂成形
材料を本発明の樹脂組成物に適用すると、電子カードに
要求される十分な曲げ強度や屈曲性は確保し難い。この
ため、無機充填材の含有率をある程度低く設定すること
が求められるが、本発明の電子カードにおける半導体素
子は通常の樹脂封止型半導体装置の場合とは異なり、一
般に半導体チップがすでに封止樹脂でパッケージされた
形態である。したがって、樹脂組成物と半導体素子との
熱膨張係数の整合を考慮しても、無機充填材の含有率を
80 重量%以下に抑えることが許容される。
【0030】また、本発明で低応力添加剤の配合量が多
すぎると、得られるカード表面の平坦性および機械的強
度が低下する傾向にある。逆に配合量が少なすぎると、
樹脂組成物は剛直で柔軟性(フレキシビリティー)が低
下する傾向となり、電子カードとして必要とされる曲げ
強度や屈曲性等が低下する。
【0031】なお、樹脂成分の配合割合は、無機充填材
および低応力添加剤との関連で定められるが、 10 〜 4
0 重量%、さらには 10 〜 25 重量%の範囲内に設定さ
れることが好ましい。またとくに、無機充填材との配合
比率がカード表面の平坦性と機械的強度特性とのバラン
ス上重要であり、樹脂成分と無機充填材との重量比率
は、( 10 : 90 )〜( 35 : 65 )が好ましい。
【0032】さらに、本発明において難燃化剤を使用す
る場合、ハロゲン系、リン系、無機系のものが好まし
い。ハロゲン系難燃化剤は、主に臭素系と塩素系に大別
され、臭素系は塩素系に比べて難燃効果が高く、三酸化
アンチモンとの併用効果が大きい。使用が好ましい塩素
系難燃化剤は塩素化パラフィンがある。ハロゲン系難燃
化剤としてとくに使用が好ましいのは臭素化ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂である。
【0033】本発明において溶媒に溶かした樹脂を作る
ときに用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、
アセトン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、メチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブ、酢酸セロソルブ、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、
メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、
アセトニトリル、エチレングリコール等が好ましく使用
できる。
【0034】本発明の電子カードは、上述の樹脂組成物
間に少なくとも半導体素子を含む能動部品を配置して、
加熱圧縮成形法でカード状に一体成形することにより得
られる。なお、樹脂組成物最外側に印刷表面または保護
面となる 2枚のフィルムをそれぞれ配置することが好ま
しい。フィルムの材質としては前述のエンジニアリング
プラスチックスやスーパーエンジニアリングプラスチッ
クス類を使用することができる。また、半導体素子に電
気的に接続するアンテナを埋設内蔵することにより、デ
ータの送受信ができる無線カードとなる。
【0035】本発明の第1の電子カードは、樹脂組成物
中の無機充填材および低応力添加剤の比率を最適化する
ことにより、電子カード表面の平坦度を 20 μm 以下に
することができる。このような平坦度とすることによ
り、良好な表面印刷が可能となる。
【0036】本発明の第2の電子カードは、とくに絶縁
導線を複数回巻いた絶縁線輪からなるアンテナ部を有す
る無線カードに関する。本発明において、絶縁線輪の表
面が被覆樹脂により被包されてなるとは、カード状に一
体成形する際に、アンテナ部位より気泡が発生できない
ように被覆樹脂により絶縁線輪の全面を覆う、あるいは
絶縁線輪内の空気を被覆樹脂で置換すること等をいう。
【0037】そのようなアンテナは、最初に絶縁材によ
って被覆された絶縁導線を複数回巻いて絶縁線輪とな
し、その後絶縁線輪を束ねるように結束し、さらにその
結束表面の凹凸を埋めるように被覆樹脂により回りを覆
うことにより得ることができる。被覆樹脂で覆う方法と
しては塗布または樹脂中にディップする方法などがあ
る。
【0038】本発明において用いられる被覆樹脂は、絶
縁線輪を束ねて表面を被包できる樹脂であれば使用でき
る。たとえば、本発明の第1の電子カードに使用できる
前述の樹脂組成物、または前述の樹脂成分と充填材との
組合わせ材、あるいは樹脂成分単体で使用することがで
きる。表面被覆時の形態は液状であっても固形状であっ
ても良い。液状樹脂を用いてアンテナ被覆を行うとき
は、一つの方法としてアンテナを液状樹脂中に漬けて取
り出し、加熱して硬化させる。液状樹脂を溶媒に溶かし
て粘度を低くしたものを用いてもよい。この場合アンテ
ナを樹脂に浸漬後に溶媒を蒸発させる必要がある。蒸発
させる方法として浸漬後の系を減圧または真空状態とす
る方法、加熱する方法、およびそれらを組み合わせる方
法などがある。また固形状の場合は加熱して溶融させ、
その中にアンテナを漬けて取り出し加熱硬化させる。さ
らに固形樹脂の場合はアンテナの形をした金型を用いト
ランスファモールド法で成形することも出来る。さらに
注型法として、アンテナの形をした金型内にアンテナを
配置し、液状樹脂を注ぎ込む方法もある。
【0039】液状樹脂の調製方法としては、例えば、エ
ポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、難燃化剤、充填材、
低応力添加剤、その他の材料を万能混合機中で混合する
ことにより調製することができる。また固形状樹脂の場
合は、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、難
燃化剤、充填材、低応力添加剤、その他の材料をヘンシ
ェルミキサー中で混合し加熱したロールによって混練し
その後粉砕することにより調製することができる。溶剤
型液状樹脂は、上記の液状樹脂もしくは固形樹脂を加熱
した溶媒に溶かすことによって調製できる。
【0040】ここで、本発明に係るアンテナの断面を図
5に示す。被覆樹脂を被覆しない従来のアンテナは図5
(a)に示すように絶縁材9を表面に有する絶縁導線8
間に凹凸がある。さらに絶縁導線8同士の隙間に空気が
残留する。しかし被覆樹脂7で被覆することで図5
(c)に示す様に全く凹凸がなくなり、さらに絶縁導線
8同士の隙間にも樹脂が十分に含浸する。ただし、被覆
樹脂7の厚さが薄いときは図5(b)に示すように凹部
が残っている。従って、被覆樹脂7の厚さは厚いほうが
好ましく、 5μm 以上であることが望ましい。また、樹
脂被覆後のアンテナ表面の凹部の深さは 10 μm 以内で
あることが望ましい。さらに、空気の残留をとくに低く
する必要がある場合は、凹部の深さが 5μm 以内である
ことが好ましく、とくにカード表面の印刷性を向上させ
る必要がある場合は、アンテナの凹部の深さを 2μm 以
内にすることが好ましい。
【0041】また、被覆樹脂を被覆した後のアンテナ断
面の形状は空気が残留するのを防止する形であればいか
なるものでもよく、望ましくは楕円もしくは円形がよ
い。さらに長方形や菱形等でも角が曲線を描いていれ
ば、これを埋設した形態で良好にカード状に成形でき
る。なお、アンテナを構成する絶縁線輪同士の間の隙間
に樹脂が十分含浸するためには、樹脂の低粘度化が必要
である。したがって、被覆樹脂の粘度は 20 Pa・s 以下
であることが望ましく、アンテナの巻き数が多い場合に
は 10 Pa・s 以下であることが好ましい。また、隙間に
十分樹脂を充填させるために真空中で含浸させることも
できる。
【0042】本発明の第2の電子カードは、このような
アンテナ部を半導体素子と組合わせて第1の電子カード
に使用できる前述の樹脂組成物等により一体成形するこ
とにより、アンテナ部分のカード表面での圧縮空気の膨
張による膨れやボイドの発生が防止できる。その結果、
電子カード表面の平坦度を 20 μm 以下とすることがで
きる。また、充填性が良好でボイドの発生がなく樹脂や
半導体素子パッケージのクラック発生を防ぎ、信頼性の
高い電子カードを成形することができる。
【0043】本発明の電子カードは成形後に表面印刷を
行うことが可能である。しかしカード表面に凹凸がある
と、その凹凸のためにインクの塗布性に影響したり圧力
ムラを引き起こすことで、印刷にムラが生じたり、場合
によっては印刷されない部分も発生する。スクリーン印
刷法等で印刷する場合は、カード表面の凹凸が 20 μm
以内であることが好ましい。さらに、熱転写法等の印刷
法により印刷する場合は、さらにカード表面の凹凸の低
減が求められ、 10 μm 以内であることが望ましい。と
くに鮮明な印刷性を達成するためには、凹凸 5μm 以内
が理想である。
【0044】本発明の電子カードは、例えば図6に示す
方法で製造される。まず、あらかじめフィルム2上に樹
脂組成物4を配置する。ここで、樹脂組成物4をフィル
ム2上に配置する方法として、塗布法がある。具体的に
は、樹脂組成物4を溶媒に溶かしてバーコータを用いて
塗布しその後加熱して溶媒を揮発させる方法(溶剤塗
布)、水中に樹脂組成物4をホモジナイザーを用いて分
散させフィルム2上に塗布した後加熱して水を揮発させ
る方法(水分散塗布)、樹脂組成物4を加熱溶融して塗
布する方法(溶融塗布)などがある。また、あらかじめ
フィルム2上に樹脂組成物4を塗布せずに、樹脂組成物
4を粉体状で供給する方法もある(粉体供給)。あるい
は樹脂組成物4をシート状に成形しカードとほぼ同等な
大きさに切断した形態で供給することもできる(シート
供給)。
【0045】ついで、樹脂組成物4の上に半導体素子3
や被覆樹脂で表面の凹凸を埋めたアンテナ1などをその
上に配置する。さらにその上に粉体状やシート状の樹脂
組成物4およびフィルム2を載せる、もしくは樹脂組成
物4を塗布したフィルム2を載せる。つぎに、加熱した
金型を用いて 2枚のフィルム2の上下から圧力をかけて
成形する。こうして樹脂組成物4を加熱することで、樹
脂組成物4が溶融しアンテナ1や半導体素子3の隙間に
充填される。このとき溶融した樹脂組成物4がカードの
側面から流れ出ないように、カード側面に金型を配置す
ることが望ましい。その後、さらに加熱することで樹脂
組成物4が硬化し、カードの成形が完了し、図1に示す
無線カードが得られる。
【0046】
【実施例】
実施例1〜実施例7、および比較例1〜比較例5 樹脂組成物の原料としては、以下に示す各成分を用い
た。
【0047】第1のエポキシ樹脂:エピコート825
(油化シェルエポキシ社製、ビスフエノールA型)エポ
キシ当量 172〜178 、粘度 4〜 6Pa・s 第2のエポキシ樹脂:エピコート807(油化シェルエ
ポキシ社製、ビスフエノールF型)エポキシ当量 174、
粘度 3Pa・s 第3のエポキシ樹脂:YX一4000H(油化シェルエ
ポキシ社製、ビフェニル型)エポキシ当量 186 酸無水物:MH−700(新日本理化社製、メチルヘキ
サヒドロ無水フタル酸)当量 85 、粘度 5〜 8Pa・s フェノール樹脂:BRG−555(昭和高分子社製)水
酸基当量 104、軟化点 85 ℃ シランカップリング剤:A−187(UCC社製) 硬化促進剤:N,N-ジメチルベンジルアミン(DMBA) 溶融シリカ:GR−80AK 低応力添加剤:シリコーンゴムTSF−451(東芝シ
リコーン社製) 上記に示す樹脂原料を用いて、シランカップリング剤
0.3重量%、硬化促進剤0.7重量%を固定して、エポキシ
樹脂の種類や量、無機充填材(フィラー)、低応力添加
剤となるゴム材の配合割合を変化させ、表1に示す組成
(重量%)で各成分を配合し、万能混合機で混練した。
このとき、樹脂組成によっては、万能混合機で混練後、
溶媒を加えて再び混合し、また、他の樹脂組成によって
は、ヘンシェルミキサーで混合した後、加熱したロール
で混練して試料No.1〜12の樹脂組成物を得た。
【0048】
【表1】 つぎに、各樹脂組成物をカード 1枚について約 7gずつ
秤量して、それぞれ表2に示す供給方法で成形用スペー
サ−( 90 × 120mm)内に半導体素子、アンテナおよび
2枚のフィルムと共に供給し、加熱された金型プレス
で、加熱圧縮成形法( 150℃× 5分)により加熱硬化し
た後、得られた厚さ約 0.8mmの成形カードを 70 ×100m
m にカットし、 180℃で 2時間のアフターキュア処理を
施して実施例1〜7および比較例1〜5の電子カードを
得た。
【0049】ついで、下記に示す方法で得られた電子カ
ードの試験評価を行った。その結果を表2に示す。 (1)表面平坦度の測定;図4に示す装置を用いて半導
体素子または絶縁線輪が埋設されている部位とそうでな
い樹脂組成物部位との間で発生する段差を測定した。測
定の範囲は段差発生部位の前後 3mmの範囲である。
【0050】(2)屈曲性試験 ;成形したカード
の長辺方向に 20mm 、短辺方向に 10mm の撓みを表裏各
250回行い、各試料についてクラックの発生やカードの
折れ曲がりなどを測定した。
【0051】(3)耐熱試験 ; 90 ℃の恒温槽
内に 7日間放置後、カードの変形および表面フィルムの
剥離を調べた。
【0052】
【表2】 表2に示すように、表面平坦性の評価では、実施例1〜
7が平坦度が 20 μm以下で良好であり、その中でも実
施例1〜4は 5μm でとくに良好であった。一方、無機
充填材(溶融シリカ)を少なくした比較例3〜5は、平
坦度が 30 〜 50 μm と劣っていると共に、耐熱試験に
おいてカードの変形(反り、曲り)が目視観察で判っ
た。また、屈曲性試験は、比較例1〜2は試験途中でカ
ードにクラックが入った。
【0053】実施例8〜実施例13、比較例6および比
較例7 被覆樹脂および樹脂組成物の原料として以下に示す各成
分を用いた。 第1のエポキシ樹脂:エピコート825(油化シェルエ
ポキシ社製、ビスフエノールA型)エポキシ当量 172〜
178 、粘度 4〜 6Pa・s 第2のエポキシ樹脂:エピコート807(油化シェルエ
ポキシ社製、ビスフエノールF型)エポキシ当量 174、
粘度 3Pa・s 第3のエポキシ樹脂:YX一4000H(油化シェルエ
ポキシ社製、ビフェニル型)エポキシ当量 186 熱可塑性樹脂:PPS 第1の酸無水物:QH−200(日本ゼオン社製、メチ
ルテトラヒドロ無水フタル酸)当量 85 、粘度 3〜 6Pa
・s 第2の酸無水物:MH−700(新日本理化社製、メチ
ルヘキサヒドロ無水フタル酸)当量 85 、粘度 5〜 8Pa
・s フェノール樹脂:BRG−555(昭和高分子社製)水
酸基当量 104、軟化点 85 ℃ シランカップリング剤:A−187(UCC社製) 硬化促進剤:N,N-ジメチルベンジルアミン(DMBA) 溶融シリカ:GR−80AK 低応力添加剤:MBS(日本合成ゴム社製、メチルメタ
クリレート・ブタジエン・スチレン・グラフトポリマ
ー) 溶媒:エチルセロソルブ 上記に示す樹脂原料を用いて、表3に示す組成(重量
%)で各成分を配合した。その後、被覆樹脂1〜3は各
成分を万能混合機で混練した。被覆樹脂4は万能混合機
で混練後、溶媒を加えて再び混合した。試料No.13
の樹脂組成物はヘンシェルミキサーで混合した後、加熱
したロールで混練した。試料No.14の樹脂組成物は
押出機で混練した。
【0054】
【表3】 つぎに、表4に示す被覆樹脂および被覆方法でアンテナ
の絶縁線輪表面を被覆し、実施例8〜13および比較例
6の電子カードに使用するアンテナを得た。ここで、塗
布法はアンテナの上にノズルを用いて被覆樹脂を塗布し
たのち加熱硬化させる方法であり、浸漬法は液状樹脂の
中にアンテナを浸漬して引き上げたのち加熱硬化する方
法であり、注型法は金型内にアンテナを配置しその後液
状樹脂を流し込ませて金型ごと加熱して硬化させる方法
であり、溶融固形樹脂浸漬法は、固形樹脂を溶融して液
状にした中にアンテナを浸漬し引き上げ後に熱硬化させ
る方法である。得られたアンテナ表面凹凸部の段差を図
4に示す平坦性測定装置を用いて測定した。その測定結
果を表4に示す。なお、比較例6はアンテナ表面への樹
脂の被覆量を極めて少なくした例である。
【0055】
【表4】 つぎに、半導体素子と表面被覆されたアンテナとを電気
的に接続して、表5に示す樹脂組成物を用いて、実施例
1〜7と同様の加熱圧縮成形法により、厚さ約0.8mm、
大きさ 70 ×100mm の実施例8〜13および比較例6の
電子カードを得た。また、表面被覆していないアンテナ
を用いた以外は上と同様にして、比較例7の電子カード
を得た。ついで、得られた電子カードの試験評価を実施
例1と同一の方法で行った。その結果を表5に示す。な
お、樹脂組成物の充填性を調べるために、カード表面を
カード面と平行な方向に研磨した後、目視によりボイド
の大きさおよび数を測定し、直径 2mm以上のボイドの個
数で表した結果を同時に表5に示す。
【0056】
【表5】 表5に示すように、実施例8〜13の電子カードは、比
較例6および7の電子カードに比較して、表面平坦性、
屈曲性、耐熱性および樹脂組成物充填性に極めて優れて
いた。比較例6および7においては、カード成形時にア
ンテナ表面に残留した空気がボイドとなって残り、そこ
から発生する樹脂欠陥がカード自体の特性を低下させて
いると考えられる。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の電子カード
は、 50 〜 80 重量%の無機充填材および 10 〜 40 重
量%の低応力添加剤を含有し、かつ無機充填材および低
応力添加剤の合計量が 60 〜 90 重量%でからなる樹脂
組成物を用いているので、カード表面の平坦性やカード
の屈曲性が極めて優れている。また、電子カードに埋設
されるアンテナ表面を予め樹脂で覆うことにより、上述
の平坦性や屈曲性がさらに向上する。その結果、表面印
刷性に優れると共に、半導体素子や樹脂のクラック発生
が抑止された信頼性の高い電子カードが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無線カードの断面図である。
【図2】従来のICカードの封止断面図である。
【図3】従来の無線カードの封止断面図である。
【図4】平坦度を測定する装置である。
【図5】絶縁線輪からなるアンテナの断面図である。
【図6】電子カードの製造方法を示す図である。
【符号の説明】
1……アンテナ、2……フィルム、3……半導体素子、
4……樹脂組成物、5……ボイド、6……段差、7……
被覆樹脂、8……絶縁導線、9……絶縁材、10……電
子カード、11……定盤、12……測定針。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも半導体素子が樹脂組成物に埋
    設され、カード状に成形されてなる電子カードであっ
    て、前記樹脂組成物は、 50 〜 80 重量%の無機充填材
    および 10 〜 40 重量%の低応力添加剤を含有し、かつ
    前記無機充填材および低応力添加剤の合計量が 60 〜 9
    0 重量%であることを特徴とする電子カード。
  2. 【請求項2】 半導体素子と、該半導体素子に電気的に
    接続された絶縁線輪とが樹脂組成物に埋設され、カード
    状に成形されてなる電子カードであって、前記絶縁線輪
    は、少なくともその表面が被覆樹脂により被包平坦化さ
    れてなることを特徴とする電子カード。
JP8041133A 1996-02-28 1996-02-28 電子カード Withdrawn JPH09234983A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101217109B1 (ko) * 2004-02-04 2012-12-31 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 아이디 라벨, 아이디 태그 및 아이디 카드

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101217109B1 (ko) * 2004-02-04 2012-12-31 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 아이디 라벨, 아이디 태그 및 아이디 카드

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