JPH10166769A - Icカード - Google Patents

Icカード

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JPH10166769A
JPH10166769A JP8334012A JP33401296A JPH10166769A JP H10166769 A JPH10166769 A JP H10166769A JP 8334012 A JP8334012 A JP 8334012A JP 33401296 A JP33401296 A JP 33401296A JP H10166769 A JPH10166769 A JP H10166769A
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JP
Japan
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resin
card
sheet
chip
core sheet
Prior art date
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Pending
Application number
JP8334012A
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English (en)
Inventor
Hideo Ota
英男 太田
Tetsuo Okuyama
哲生 奥山
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 充填性が良好であり、樹脂のボイドや未充
填、およびカード表面の凹凸を防止し、内部に配置され
たICにかかる応力を緩和することの可能な構造のIC
カードを提供すること。 【構成】 ICを収容した開口部を有するコアシート
と、前記ICと前記開口部との隙間を埋める充填樹脂層
と、前記コアシートの上面および下面に貼り付けられ
た、接着用樹脂層を塗布したカバーシートとを具備する
ICカードにおいて、前記充填樹脂層の弾性率をEIC
前記カバーシートの弾性率をES 、前記コアシートの弾
性率をEC 、前記コアシートの厚さをTC 、前記ICの
厚さをTICとすると、下記の式を満たすことを特徴とす
る。 ES /EIC>1、かつEC /EIC>1 TC /TIC>1

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ICカードに係
り、特に、ICカードを封止する樹脂の組成およびカー
ドの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気カードと比較してより多くの情報量
を記憶できる機器として、無線カードやICカードと呼
ばれるものが普及しはじめている。一般に、ICカード
は、平板状のカード本体の中に、ICモジュール、およ
び導線をコイル状に複数回巻回したアンテナを樹脂で封
入した構造を有する。
【0003】かかる構造のICカードの製造方法とし
て、2枚のカバーシートの間に、樹脂および開口部を有
するコアシートを挟み、その開口部にICモジュール、
アンテナ、樹脂、コアシート等を埋め込み、上下から加
熱した金型やロールで圧縮成形する方法などがある。こ
のような方法では、ICカードを連続的に生産するため
には、樹脂の供給方法として、カバーシート上に樹脂を
予め塗布しておき、その後ロールを用いて成形する方法
が効率が良い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ICカードを
ロールを用いて成形する場合、開口部を有するコアシー
トと埋め込まれたICおよびアンテナとの隙間に、カバ
ーシートに塗布された樹脂を気泡なしに充填することは
非常に困難である。そこで、予めコアシートとICの隙
間に樹脂を充填してから、ロールを用いて成形する方が
容易である。また、充填が不十分でボイド等があると、
カード表面に凹凸が発生し、印刷性などが低下する。
【0005】一方、ICカードを携帯する際に、身体の
部分と接触することで応力が加わり、ICカードが屈曲
してしまう。この時、屈曲により外部から加わった応力
がICに直接伝わると、ICを破壊することになる。
【0006】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
で、モジュールやアンテナを樹脂を用いてカード成形す
る際に、充填性が良好であり、樹脂のボイドや未充填、
およびカード表面の凹凸を防止し、内部に配置されたI
Cにかかる応力を緩和することの可能な構造のICカー
ドを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明(請求項1)は、ICを収容した開口部を有
するコアシートと、前記ICと前記開口部との隙間を埋
める充填樹脂層と、前記コアシートの上面および下面に
貼り付けられた、接着用樹脂層を塗布したカバーシート
とを具備するICカードにおいて、前記充填樹脂層の弾
性率をEIC、前記カバーシートの弾性率をES 、前記コ
アシートの弾性率をEC 、前記コアシートの厚さをT
C 、前記ICの厚さをTICとすると、下記の式を満たす
ことを特徴とするICカードを提供する。
【0008】ES /EIC>1、かつEC /EIC>1 TC /TIC>1 また、本発明(請求項2)は、上記ICカード(請求項
1)において、下記の式を満たすことを特徴とする。
【0009】ES /EIC>10、かつEC /EIC>10 TC /TIC>1.2 更に、本発明(請求項3)は、上記ICカード(請求項
1)において、接着用樹脂の成形収縮率が1%以下であ
ることを特徴とする。
【0010】以下、本発明のICカードについて、より
具体的に説明する。本発明のICカードで使用される隙
間充填用樹脂としては、熱硬化性樹脂でも熱可撓性樹脂
でも良いが、弾性率が低いものである必要がある。弾性
率が低い樹脂を用いることにより、半導体素子やパッケ
ージへの外部からの応力の伝達を防ぐことができる。好
ましい隙間用樹脂の弾性率は、1000MPa以下であ
り、特にチップが大きい場合や、チップ厚が厚い時に
は、弾性率を低くする必要があり、弾性率が200MP
a以下であることが望ましい。
【0011】また、上述のように、隙間充填樹脂に求め
られる弾性率は、コアシートおよびカバーシートの弾性
率の1倍以下であること、すなわちES /EIC>1、か
つEC /EIC>1であることが必要である。特に、チッ
プが大きい場合や厚さが厚い場合には、1/10以下で
あること、すなわちES /EIC>10、かつEC /EIC
>10であることが望ましい。隙間充填樹脂の弾性率が
コアシートおよびカバーシートの弾性率の1倍を越える
と、外から応力が加わったときに、チップ割れが生じて
しまう。
【0012】本発明のICカードにおいては、ICチッ
プの厚さは、薄く、かつ面積が小さい方が良く、厚さ
は、0.5mm以下であることが好ましい。特に、チッ
プ面積が大きい場合には、厚さはさらに薄い方が良く、
0.25mm以下であることが望まれる。
【0013】本発明のICカードにおいて、コアシート
の厚さとICチップの厚さとの比を1以上とすること、
すなわちTC /TIC>1とすることが必要である。従っ
て、コアシートの厚さが300μmの場合は、ICチッ
プの厚さは、約300μm未満であることが必要であ
る。ICチップが薄いことで、ICチップの上下の低弾
性率樹脂層を厚くすることができ、応力を緩和すること
ができる。また、ICチップ自身が薄いと、変形に対し
て強くなるという利点もある。特に、ICチップのサイ
ズが大きい場合には、ICチップの厚さを更に薄くする
ことが求められており、ICチップの厚さがコアシート
の厚さの83%未満であることが好ましく、50%未満
以下であることがより好ましい。
【0014】本発明のICカードでは、カバーシートを
厚くすることで表面平坦性を保つことができるものの、
カードのトータルの厚さを薄くするためには、カバーシ
ートの厚さを薄くすることが望まれる。適当なカバーシ
ートの厚さは、50〜100μmである。カードのトー
タルの厚さとしては、800μm以下であることが好ま
しく、特に、現在薄型カードの需要が伸びていることか
ら、厚さが500μm以下であることが望まれている。
【0015】本発明のICカードにおいて、カバーシー
トの接着に用いられる樹脂は、成形収縮率が小さいこと
が望まれる。成形収縮率が大きいと、成形後にカード平
面方向の熱膨張率との違いでカードが波打ってしまう。
また、カードの垂直方向の熱膨張率と樹脂の成形収縮率
の相違により、凹凸が発生し、平坦性が保たれないこと
となる。そこで、望ましい成形収縮率は、1%以下であ
り、特に、印刷性を重要視するICカードの場合には、
成形収縮率が0.3%以下であることが求められる。
【0016】本発明のICカードに使用されるカバーシ
ートとしては、耐熱性、強度、耐薬品性、表面平坦性等
が良好なものが求められる。カバーシートの材質は、熱
可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でも良いが、強度的な点か
ら、一般に熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。使用
されるカバーシートの材料としては、PPS(ポリフェ
ニレンスルファイド)、PET(ポリエチレンテレフタ
レート)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル等が考えられるが、耐熱性や強度を考慮すると、PP
SやPETを用いることが好ましい。
【0017】本発明のICカードに使用される隙間充填
用樹脂および成形用シート接着樹脂として、次のような
ものが挙げられる。すなわち、エポキシ樹脂、ポリイミ
ド樹脂、マレイミド樹脂、シリコーン樹脂、フェノール
樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、その他などが
挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いても組み合わ
せてもよく、またこれらの樹脂の中に硬化剤、硬化促進
剤、離型剤、難燃剤、着色剤、充填材、低応力添加剤そ
の他各種添加剤を含有したものでもよい。
【0018】エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以
上のエポキシ基を有するものであれば、いかなるもので
もよい。例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノー
ルノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型
エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルエステル
型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂
環式エポキシ樹脂、フェノールまたはアルキルフェノー
ル類とヒドロキシベンズアルデヒド類との縮合物をエポ
キシ化して得られるトリス(ヒドロキシフェニル)アル
カンベースのエポキシ樹脂、テトラ(ヒドロキシフェニ
ル)アルカンベースのエポキシ樹脂、2,2’,4,
4’−テトラグリシジルベンゾフェノン、バラアミノフ
ェノールのトリグリシジルエーテル、ポリアリルグリシ
ジルエーテル、1,3,5−トリグリシジルエーテル化
ベンゼル、2,2’,4,4’−テトラグリシジドキシ
ベンゼンなどが挙げられる。これらの樹脂は単独で用い
ても、2種類以上を組み合わせても良い。
【0019】本発明のICカードの製造に使用される硬
化促進剤は、エポキシ樹脂と硬化剤の反応を促進するも
のであればいかなるものであってもよく、例えば、各種
のアミン類、イミダゾール類、ジアザビシクロアルケン
類、有機ホスフィン類、ジルコニウムアルコラート、ジ
ルコニウムキレートなどが挙げられる。具体的に例示す
ると、アミン類として、N,N−ジメチルシクロヘキシ
ルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミン、トリエ
チレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジメチ
ルアミノメチルフェノール、ベンジルジメチルアミン、
トリスジメチルアミノメチルフェノール、イミダゾール
類としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイ
ミダゾール、ヘプタデシルイミダゾール、2−ヘプタデ
シルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチ
ル−4−メチルイミダゾール、ジアザビシクロアルケン
類としては、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウ
ンデンセン−7(DBU)DBUのフェノール塩(例え
ば、U−CAT SA No.1)、有機ホスフィン類
としては、トリフェニルホスフィン(TPP)、トリブ
チルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、メチ
ルジフェニルホスフィンなどが挙げられる。これらの硬
化促進剤のうちでは、電気特性の点から、トリフェニル
ホスフィン、ヘプタデシルイミダゾールが特に好まし
い。
【0020】本発明のICカードの製造に使用される無
機充填材料としては、石英ガラス、結晶性シリカ、溶融
シリカ、ガラス、アルミナ、ケイ酸カルシウム、硫酸バ
リウム、マグネシア、窒化アルミニウム、酸化アルミニ
ウム、酸化マグネシウム、雲母、金属等があり、粘度を
下げる場合には、球状もしくは亜球状であることが好ま
しく、樹脂の強度を向上させるためには、破砕状シリカ
を用いることが望ましい。
【0021】成形用シート接着樹脂中の無機充填材の割
合は、40wt%以上であることが好ましく、特に、印
刷面の凹凸を少なくするためには、60wt%以上であ
ることが望ましい。しかし、充填材の量が多過ぎると、
樹脂が脆くなり、一般にカードを携帯する時に問題とな
る曲げ強度や屈曲性等が低下するため、充填材の割合は
75wt%以下であることが望ましい。
【0022】本発明のICカードの製造において、難燃
剤を使用する場合、ハロゲン系、リン系、無機系の難燃
剤が好ましい。ハロゲン系難燃剤は、主に臭素系と塩素
系に大別され、臭素系は塩素系に比べて難燃効果が高
く、三酸化アンチモンとの併用効果が大きい。好ましい
塩素系難燃剤としては、塩素化パラフィンがある。ハロ
ゲン系難燃剤として特に使用が好ましいものは、臭素化
ビスフェノールA型エポキシ樹脂である。
【0023】本発明のICカードに用いられる隙間充填
樹脂の形態は、液状であっても固形状であっても良い。
固形樹脂を用いて隙間充填を行うときは、溶融して液状
にしてからディスペンサー等を用いて隙間に滴下する。
弾性率の低い隙間充填樹脂を作る方法として、フィラー
を少なくすることが考えられる。隙間充填樹脂中のフィ
ラーは、20wt%以下であるのが好ましく、場合によ
っては、フィラーを含まない系でも構わない。
【0024】また、樹脂系自体が低弾性率のものを用い
てもよい。低弾性率樹脂としては、特に、ゴムやエラス
トマー系等が好ましい。好ましいゴムとしては、スチレ
ンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、
アクリルニトリルブタジエン共重合ゴム、クロロプレン
ゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、多
硫化ゴム、水素化ニトリルゴム、アクリルゴム、および
天然ゴム等が挙げられる。エラストマーとしては、スチ
レン系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、
ポリアミド系、ポリブタジエン系、塩化ビニル系、およ
びフッ素系等が使用できる。
【0025】液状樹脂は、樹脂、硬化剤、硬化促進剤、
難燃剤、充填材、低応力添加剤、その他の材料を万能混
合機中で混合することにより作成することができる。ま
た、固形状樹脂は、樹脂、硬化剤、硬化促進剤、難燃
剤、充填材、低応力添加剤、その他の材料をヘンシェル
ミキサー中で混合し、加熱したロールによって混練し、
その後粉砕することにより作成することができる。
【0026】以上説明した本発明のICカードは、コア
シートにICを取り付けた後に、ICの周りの隙間に弾
性率の低い樹脂を塗布し、両面に樹脂を塗布した長尺シ
ートを配置して、例えばロールおよびキャタピラ状プレ
スで両面から圧力および熱をかけて樹脂を硬化させ、そ
の後、カードの大きさに切断することにより製造され
る。
【0027】このように、本発明によれば、カードの表
面平坦性が良好で、ボイドや未充填の発生がなく、チッ
プへかかる応力を低減することができ、さらにインライ
ン化により量産にも適するICカードが得られる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態について説明する。本発明のICカードは、例
えば、以下の工程を経て製造される。 (1)長尺シートの片面に樹脂を塗布する工程 (2)アンテナもしくはICを埋設するための孔を有す
る長尺シートを前記樹脂を塗布したシート上に張り合わ
せる工程 (3)アンテナもしくはICを前記張り合わせた長尺シ
ートの孔内に配置し、アンテナもしくはICの周りの隙
間に樹脂を充填する工程 (4)樹脂を塗布したシートを配置し、ロールまたはプ
レスで加圧および加熱し、樹脂を硬化させる工程 (5)シートをカードの大きさに切断する工程 以上のような方法によると、インラインによる量産が可
能となる。
【0029】次に、以上の各工程について図1および図
2を参照して、更に詳細に説明する。 (1)長尺シートの片面に樹脂を塗布する工程 本発明のICカードにおいて、図1(a)に示すカバー
シート1に塗布される接着用樹脂2は、ロールに巻いて
保存するためには、ある程度以上の粘度もしくは硬さが
必要である。しかし、あまり硬い樹脂を用いると、ロー
ル状に巻いた時に割れが生じるなどの問題が生ずる。従
って、ロールに巻いた状態である程度の固形状を保ち、
しかも柔らかさも兼ね備えた樹脂が必要となる。このよ
うな半固形樹脂を均一にシート1上に塗布するために
は、熱を加えて溶融し、粘度を低くした状態で塗布する
必要がある。
【0030】接着用樹脂2をシート1に塗布する方法と
して、加熱溶融した樹脂中にシートを通す方法、加熱し
たロールを用いてシート上に樹脂を塗布する方法、シー
ト上に樹脂を滴下する方法等がある。なお、塗布した樹
脂層2の厚さが重要となるが、樹脂層2を所定の厚さと
する方法として、塗布した余分な樹脂をかき取る方法、
ノズルから一定量の樹脂を供給する方法などがある。い
ずれの方法においても、温度を上げて塗布するため、そ
の間に樹脂のゲル化が進まないように、短時間で塗布を
行うなどの注意を払う必要がある。
【0031】本発明のICカードの製造方法では、塗布
工程を一連のカードインライン成形工程に含める場合
と、塗布工程をカード成形工程から分離する場合とが考
えられる。しかし、非常時にラインが途中で止まった場
合などを考慮すると、塗布工程とカード成形工程は、分
離した方が有利である。従って、樹脂2を塗布したカバ
ーシート1はロール状に巻いて保存させる必要があり、
保存安定性などを考慮した樹脂組成が必要である。な
お、図2は、塗布工程とカード成形工程とを分離したプ
ロセスを示している。
【0032】接着用樹脂2を塗布したシート1を巻き取
るにあたり、その時の樹脂2の粘性が問題となる。巻き
取る際には、シート1の樹脂2を塗布していない面と塗
布した樹脂2が接触することになる。樹脂2の粘性が低
いと、このシート1の面に樹脂2が粘着してしまうとい
う問題が生じる。しかし、粘着しないように樹脂2の粘
性を上げると、塗布時の粘度が上がるために、薄く均一
に塗布することが困難になるという問題が発生する。
【0033】そこで、塗布後、ロールに巻き付ける前に
ある程度の熱履歴を樹脂2に与えて、Bステージ化する
ことで、樹脂2の粘着性を抑制することができる。しか
し、Bステージ化が進みすぎると、成形時の溶融粘度が
上昇するという問題が生じるので、熱履歴時間を適当に
制御する必要がある。また、剥離シートをカバーシート
1の裏面に重ね合せることで、直接樹脂2がカバーシー
ト1と接触することを防ぐことができる。更に、剥離シ
ートは、樹脂と接触しても粘着しないものを用いること
で、再利用することができ、それによってコストの上昇
を防ぐことができる。
【0034】(2)アンテナおよびICを埋設するため
の開口部4a,4bを有する長尺のコアシート3を前記
樹脂2を塗布したシート1上に張り合わせる工程 図1(a)および図2に示すように、樹脂2を塗布した
樹脂シート1の上に、開口部4a,4bを有するコアシ
ート3を載せ、張り合わせる。アンテナおよびICを埋
設するための開口部4a,4bを有するコアシート3の
平面図を図3に示す。なお、図3では、ICを埋設する
ための開口部4bの位置は、図1とは逆になっている。
【0035】(3)アンテナ5およびIC6を、前記張
り合わせたコアシート3の開口部4a,4b内に配置
し、アンテナ5およびIC6の周りの隙間に樹脂7を充
填する工程 開口部4a,4bにアンテナ5、IC6を収容した後、
図1(b)に示すように、開口部4a,4bの隙間を埋
める低弾性率の樹脂7を流し込む。なお、図ではアンテ
ナ5およびIC6を先に入れて隙間に樹脂7を流し込ん
だが、開口部4a,4bに樹脂7を流し込んだ後にアン
テナ5およびIC6を入れてもよい。開口部4a,4b
に樹脂7を先に流し込むと、アンテナ5やIC6の下ま
で十分に樹脂7が充填する点では好ましいが、樹脂7を
後に入れる方法は、樹脂7の充填量を適切な量に調整す
ることができるという利点がある。
【0036】その後、低弾性率樹脂7の硬化を進めるた
めに、加熱等が行われる。 (4)樹脂9を塗布したシート8を配置し、ロールまた
はプレスで加圧および加熱し、樹脂9を硬化させる工程 アンテナ5およびIC6を配置したコアシート3上に、
接着用樹脂9を塗布したシート8を配置し、ロールまた
はプレスで両面から圧力および熱をかけて樹脂9を硬化
させる。
【0037】図2に、この工程に用いられる、ロールと
キャタピラ状に連結したプレスを具備する装置を示す。
図2に示すように、まず長尺シートの形で流れてきたシ
ート8を、加熱したロール11で圧力をかけて平らに
し、ボイドや残留空気などを押し出す。その後、金属平
板12をキャタピラ状に連結したプレス13を用い、ア
ンテナおよびICを含む多層シート10を、さらに連続
的に加熱圧縮する。この際、特にキャタピラ状プレス1
3の連結部が、長尺シートの各カード部とカード部の間
に対応するようにすることが必要である。
【0038】ここで、ロール11とキャタピラ状プレス
13の両方を用いる理由を説明する。まず、キャタピラ
状プレス13のみでは、ボイドや残留空気を押し出して
取り除くことが困難である。一方、ロール11のみで
は、樹脂が硬化するまでの時間中、熱をかけ続けること
が困難であり、また硬化中にカードの平坦性を保つ必要
があるため、平板のプレスが必要となる。またプレスを
キャタピラ状に連結した理由は、インライン化に対応さ
せるためである。
【0039】本発明のICカードは、成形後に表面印刷
を行うことが可能である。しかし、カード表面に凹凸が
あると、その凹凸のためにインクの塗布性に影響した
り、圧力ムラを引き起こすことで、印刷にムラが生じた
り、場合によっては印刷されない部分も発生する。特
に、スクリーン印刷法等で印刷する場合には、カード表
面の凹凸が平均粗さで20μm以内であることが好まし
い。さらに、熱転写法等の印刷法により印刷する場合
は、更にカード表面の凹凸の低減が求められ、10μm
以内であることが望ましい。特に、鮮明な印刷性を達成
するためには、凹凸が5μm以内であることが望まし
い。
【0040】
【実施例】以下、本発明の種々の実施例と比較例を示
し、本発明の効果をより具体的に説明する。原料とし
て、以下に示す各成分を用いた。
【0041】第1のエポキシ樹脂:エピコート825
(油化シェルエポキシ社製、ビスフェノールA型、エポ
キシ当量172〜178、粘度4〜6Pa・S) 第2のエポキシ樹脂:エピコート807(油化シェルエ
ポキシ社製、ビスフェノールF型、エポキシ当量17
4、粘度3Pa・S) 第3のエポキシ樹脂:YH−4000H(油化シェルエ
ポキシ社製、ビフェニル型、エポキシ当量186) 第1のフェノール樹脂:BRG−555(昭和高分子社
製、フェノールノボラック型、水酸基当量104、軟化
点75℃) 第2のフェノール樹脂:BRG−556(昭和高分子社
製、フェノールノボラック型、水酸基当量104、軟化
点79℃) シランカップリング剤:A−187(UCC社製) 酸化促進剤:N,N’−ジメチルベンジルアミン(DM
BA) 溶融シリカ:GR−80AK シリコンゴム:ジメチルポリシロキサン(東芝シリコー
ン社製、TSE−2000) ウレタンゴム:ウレタンアクリレート(分子量150
0、粘度2Pa・S(25℃)) 加硫剤:ベンゾイルパーオキサイド 上記樹脂系の各成分を、下記表1に示す配合割合(重量
%)で配合し、万能混合機で混練して、樹脂組成物1〜
10を得た。次いで、下記表2〜5に示す仕様に基づく
コアシート、カバーシート、接着樹脂を用い、ICを収
容するコアシートの開口部に収容されたICを接着樹脂
で封止するとともに、カバーシートを貼り付けた。次い
で、180℃で2時間アフターキュアして、実施例1〜
22および比較例1〜6のカード成形試料を得た。
【0042】ただし、表2および3のカード成形試料に
おいて用いたコアシートは、厚さが0.3mmで、チッ
プ厚が0.22mmである。また、表4のカード成形試
料に用いた接着用樹脂は、樹脂4であり、カバーシート
は厚さ50μm、弾性率1.3GPaのPETシートで
ある。更に、表5のカード成形試料において用いたコア
シートは、厚さが0.3mmである。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】以上の実施例1〜22および比較例1〜6
のカード成形試料について、種々の試験を行った。それ
らの具体的な試験方法は、下記に示す通りである。 (1)屈曲試験後のチップ割れ カードの長辺方向に24mm、短辺方向に10mmのた
わみをそれぞれ裏表250回づつかけて、その後のチッ
プの割れを判定する。
【0049】(2)カード表面の凹凸 測定方法は、次の通りである。カード21を図5に示す
ような定盤22上に反りが出ないように押しつけて、定
盤22を水平に移動し、それによって測定針23が上下
に移動する変位を読むことにより、カード成形試料21
の厚さを測定する。カード成形試料12の表面の凹凸
は、アンテナ部と樹脂部およびパッケージ部と樹脂部の
間でそれぞれ段差が生じているので、その段差を測定す
ることにより測定する。測定の範囲は、段差発生部の前
後3mmの範囲である。
【0050】(3)カード反り 測定方法は、次の通りである。カード成形試料21を図
6に示すような定盤22上に載せ(この時、カードは定
盤22には押しつけない)、定盤22を水平に移動し、
それによって測定針23が上下に移動するする変位を読
むことにより、カード成形試料21の反りを全面にわた
って測定する。
【0051】次に、試験結果について説明する。上記表
2に示すように、実施例1〜8に係る試験試料では、カ
バーシートおよびコアシートと隙間充填樹脂の弾性率の
比がいずれも1を越えており、屈曲試験後のチップ割れ
は存在しない、もしくは少なかった。これに対し、上記
表3に示すように、比較例1〜4に係る試験試料では、
カバーシートおよびコアシートと隙間充填樹脂の弾性率
の比がいずれも1以下であり、屈曲試験後にいずれもチ
ップが割れてしまった。
【0052】次に、上記表4に示すように、コアシート
厚とチップ厚の比が1を越える実施例9〜14に係る試
験試料では、いずれも屈曲試験後のチップ割れはなかっ
た、もしくはわずかであったものの、比較例5,6に係
る試験試料では、コアシート厚とチップ厚の比が1以下
であり、いずれも多くのチップ割れが存在した。
【0053】また、上記表5に示すように、成形収縮率
が1%以下の接着樹脂を用いて成形した実施例9〜1
2、15〜18に係る試験試料の表面凹凸は、基準値の
5μm以内であり、カードの反りも基準の1mm以内で
あった。これに対し、本発明の範囲内ではあるが、成形
収縮率が1%を越える接着樹脂を用いて成形した実施例
13〜14、19〜22に係る試験試料、および比較例
5,6の表面凹凸は、基準値の5μmを越え、カードの
反りも基準の1mmを越えていた。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
充填樹脂層の弾性率EIC、カバーシートの弾性率ES
コアシートの弾性率EC 、コアシートの厚さTC 、IC
の厚さTICが、不等式ES /EIC>1、EC /EIC
1、TC /TIC>1を満たしているため、表面平坦性が
良好で、ICチップへかかる応力を低減することがで
き、さらにインライン化により量産に適するICカード
を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のICカードの製造工程を示す断面図。
【図2】本発明のICカードの製造に使用される装置の
概略を示す図。
【図3】本発明のICカードに用いられるコアシートの
平面図。
【図4】本発明のICカードの製造に使用される成形装
置の概略を示す図。
【図5】ICカードの表面の凹凸を測定する装置を示す
図。
【図6】ICカードの表面の反りを測定する装置を示す
図。
【符号の説明】
1…カバーフィルム 2…接着用樹脂層 3…コアシート 4a…アンテナ収容用開口部 4b…IC収容用開口部 5…アンテナ 6…ICパッケージ 7…隙間充填用充填樹脂 8…カバーフィルム 9…接着用樹脂層 10…多層シート 11…接着用加熱圧着ロール 12…金属平板 13…接着用加熱キャタピラ式プレス 21…カード試料 22…定盤 23…測定針

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ICを収容した開口部を有するコアシー
    トと、前記ICと前記開口部との隙間を埋める充填樹脂
    層と、前記コアシートの上面および下面に貼り付けられ
    た、接着用樹脂層を塗布したカバーシートとを具備する
    ICカードにおいて、前記充填樹脂層の弾性率をEIC
    前記カバーシートの弾性率をES 、前記コアシートの弾
    性率をEC 、前記コアシートの厚さをTC 、前記ICの
    厚さをTICとすると、下記の式を満たすことを特徴とす
    るICカード。 ES /EIC>1、かつEC /EIC>1 TC /TIC>1
  2. 【請求項2】 下記の式を満たすことを特徴とする請求
    項1に記載のICカード。 ES /EIC>10、かつEC /EIC>10 TC /TIC>1.2
  3. 【請求項3】 前記接着用樹脂の成形収縮率が1%以下
    であることを特徴とする請求項1に記載のICカード。
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