JPH09234842A - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム

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JPH09234842A
JPH09234842A JP6940696A JP6940696A JPH09234842A JP H09234842 A JPH09234842 A JP H09234842A JP 6940696 A JP6940696 A JP 6940696A JP 6940696 A JP6940696 A JP 6940696A JP H09234842 A JPH09234842 A JP H09234842A
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layer
film
polyester
particles
laminated
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JP6940696A
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English (en)
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Shoji Nakajima
彰二 中島
Koichi Abe
晃一 阿部
Toru Miyake
徹 三宅
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐削れ性や易滑性、耐ブロッキング性、磁性
層との接着性等に優れた、磁気記録媒体の基材フィルム
として好適な積層フィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエステルAを主成分とするA層をポ
リエステルBを主成分とするB層の少なくとも片面に積
層した二軸配向フィルムであって、該A層表面における
突起が主にポリエステルAの結晶に起因する突起であ
り、該A層側の表面粗さパラメータRzとRaとの比で
あるRz/Raが13以下である基材フィルムの少なく
とも片面に水溶性あるいは水分散性樹脂を主成分とする
被覆層(C層)を設けたことを特徴とする積層フィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層フィルムに関
し、さらに詳しくは表面に微細な突起を形成した積層フ
ィルムに関するものである。特に磁気記録材料に使用さ
れる基材フィルムとして好適な積層フィルムに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルムは、種々の用途に
幅広く用いられている。ポリエステルフィルムの加工工
程、例えば包装用途における印刷工程、磁気記録媒体用
途における磁性層塗布工程、あるいは感熱転写用途にお
ける感熱転写層塗布などの工程における加工速度の増大
に伴い、ポリエステルフィルムには、一層良好な走行
性、耐摩耗性などの表面特性が要求されつつある。良好
な走行性を得るためには、フィルム表面に微細な突起を
均一に形成することが有効であることが知られている。
フィルム表面に微細な突起を形成するために、コロイド
状シリカに起因する実質的に球形のシリカ粒子を含有せ
しめたポリエステルフィルムが知られている(例えば特
開昭59−171623号公報)。また、表面突起形成
のための粒子を含有する薄層を基層に積層したポリエス
テルフィルムも知られている(例えば特開平2−774
31号公報)。すなわち、従来のポリエステルフィルム
の表面突起形成法の基本は、粒子を添加して表面に微細
な突起を形成することである。
【0003】また、ポリエステルフィルムの用途におい
てはポリエステルフィルム単体で使用されることはな
く、フィルム表面に種々の機能層、例えば磁性体塗料、
ケミカルマット塗料、ジアゾ感光塗料、ゼラチン組成
物、ヒートシール付与組成物、インキなどを塗布あるい
は印刷、また金属蒸着により施して使用される。特に磁
気記録媒体用途のフィルムには磁気記録の高信頼性、高
密度化のために平滑性が求められていると共に、磁性層
と基材フィルムとの接着力の向上が強く求められてい
る。良好な接着性を得るためには、ポリエステルフィル
ムの製膜工程内で、種々の水分散あるいは水溶性共重合
ポリエステルおよび該共重合ポリエステルをポリエステ
ルフィルムに積層あるいは塗布することが知られている
(例えば、特開昭50−83497号公報、特開昭53
−2536号公報、特開昭54−3848号公報、特開
昭59−215318号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法で、粒子(例えば不活性粒子)を含有させ表面に突
起を形成したポリエステルには次のような問題がある。
ポリエステルとは異質の不活性粒子などの粒子が突起の
すぐ下に存在するためボイドが発生することが多く、そ
のためにガイドロールなどと接触してフィルムを走行さ
せた場合に粒子が削れとられ易く、粉状(以下削れ粉と
言う)となって接触相手の表面に付着し、汚れの問題が
生じる。あるいは、削れ粉が堆積して固まりとなりこれ
がフィルム表面を傷つける場合がある。
【0005】また、ポリエステルフィルムを磁気記録媒
体の支持体として用いる場合、最近は電磁変換特性に非
常に高度なレベルを要求するため、ますます、易滑超平
滑になっている。この相反する要求特性を満足させるた
めに超微細な突起を不活性粒子を用いて形成し高密度に
点在させることが必要になる。粒子が微細になればなる
ほど粒子の凝集が起こり易く凝集粒子による粗大突起が
生じボイドも大きく削れ易くなる。このように削れが生
じると前記の汚れ発生などの削れ粉の問題が起きる。
【0006】また一方、従来技術のような被覆層、つま
り、エステル形成性スルホン酸金属塩化合物および脂肪
族ジカルボン酸成分、さらにはジエチレングリコールを
用いた場合には接着性は発現するものの、耐ブロッキン
グ性に劣るなどの問題がある。
【0007】また、被覆層をインラインコートにより施
す場合は、塗布層をできる限り薄く均一にする必要があ
る。極薄膜均一コートするためには必然的に塗液の低濃
度化、低粘度化が必要となり、そのために前記のような
粗大突起や、従来の粒子による急峻な突起形状では、せ
っかく易接着性を付与するために施された塗布液がハジ
キ突起部分が塗布されていなっかたり、接着性が劣ると
いう問題がある。
【0008】本発明の課題は、本質的に含有粒子に頼る
ことなくポリエステルの最適な結晶化を利用してフィル
ム表面に効率よく、高密度でかつ、突起の急峻度が比較
的ブローで微細な高さの均一な突起を形成し、易滑性、
耐削れ粉性を大幅に高めることができると共に、この基
材フィルム上にさらに本発明の水性物質を少なくとも片
面にハジキが発生することなく均一に積層することで、
耐ブロッキング性、さらに接着性が大幅に向上した積層
フィルムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の積層フィルムは、ポリエステルAを主成分
とするA層をポリエステルBを主成分とするB層の少な
くとも片面に積層した二軸配向フィルムであって、該A
層表面における突起が主にポリエステルAの結晶に起因
する突起であり、該A層側の表面粗さパラメータRzと
Raとの比であるRz/Raが13以下である基材フィ
ルムの少なくとも片面に水溶性あるいは水分散性樹脂を
主成分とする被覆層(C層)を設けたことを特徴とする
ものからなる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の積層フィルムにおいて
は、ポリエステルA層はその表面の突起が主に結晶に起
因する突起であることが必要である。すなわち、表面の
突起をポリエステルA自身の結晶化を利用して形成する
のである。従って粒子を添加する場合のボイド発生の問
題は実質的になくなり、ガイドロールなどと接触してフ
ィルムを走行させた場合でも破壊され削れとられにくい
強度の高い突起が形成される。
【0011】ここで表面突起がポリエステルAの微細結
晶からなるものか否かについては、対象となる突起の下
を、フィルム厚さ方向に適切な溶媒でエッチングしてい
き、その突起を形成する起因物が不溶物として残存する
場合は、外部から添加された粒子、あるいは、内部析出
した粒子とする(I)。不溶物として残存するものが実
質的になかった場合は、その突起を形成する起因物は微
細結晶であると推定できる(II)。上記の溶媒として
は、例えば、フェノール/四塩化炭素(重量比:6/
4)の混合溶媒などが好ましく用いられる。この方法で
視野を約1mm2とした時のIの頻度、IIの頻度を求
め、II/(I+II)の値を結晶起因の突起割合とし
て用いることができる。この値が60%以上、好ましく
は70%以上、さらに好ましくは80%以上であると望
ましい。結晶起因の突起割合が60%未満であると粒子
によって形成される突起の割合が多くなり、ボイド生成
による破壊されやすい突起の割合が増大するので突起の
脱落性が高まりフィルムの耐削れ粉性が劣る。また外部
から添加された粒子、あるいは、内部析出した粒子かど
うかの判定する方法として、フィルム断面を超薄切片と
して透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した際に、観測
される粒子の厚み方向の差し渡しがフィルム表面突起の
平均高さ以上のものを粒子と判断する方法がある。ただ
し、表面突起がポリエステルAの微細結晶からなるもの
か否かの判定法については、上記の方法に限定されるも
のではなく、適切な方法を選択することができる。
【0012】本発明のポリエステルAには実質的に粒子
が含有されていないことが望ましいが、易滑性付与の目
的で粒子を補助的に添加しても構わない。この場合、ポ
リエステルA層の表層に含有される粒子が3000個/
mm2 以下、好ましくは2000個/mm2 以下である
ことが望ましい。
【0013】本発明のポリエステルA層の表面突起数は
5000個/mm2 以上であることが望ましい。表面突
起数が5000個/mm2 未満であると易滑性が劣り耐
削れ粉性が悪化する。
【0014】本発明においては、ポリエステルAの種類
は特に限定されないが、結晶化パラメータΔTcgが70
℃以下、好ましくは65℃以下さらに好ましくは60℃
以下であることが望ましい。ポリエステルAの結晶化パ
ラメータΔTcgを70℃以下とすることにより、熱処理
により容易に微細結晶を生成することができるようにな
り、該微結晶に起因する目標とする表面突起を形成する
ことができる。結晶化パラメータΔTcgが70℃よりも
大きいと本発明で目標としている表面突起が得られにく
い。たとえ得られたとしても、フィルム表面の易滑性が
劣る。
【0015】本発明の積層フィルムはポリエステルAを
主成分とするA層をポリエステルBを主成分とするB層
の少なくとも片面に積層されたフィルムであることが必
要である。
【0016】積層フィルムのポリエステルBの結晶化パ
ラメータは、ポリエステルAのそれよりも大きくしてお
くことが好ましい。ポリエステルB層は、基本的に表面
突起を形成する層ではなく基層を構成するものであるか
ら、格別に微細結晶を生成する必要はなく、基材フィル
ムとしての所定の強度を持たせるよう、ポリエステルB
層が設定されればよい。A層とB層に上記結晶化パラメ
ータの大小関係をもたせることにより、A層には所望の
表面突起形成機能を、B層には積層フィルム全体に所望
の強度を発揮させる機能をそれぞれ明確に分離して持た
せることができる。
【0017】上記のようなポリエステルAの結晶化を利
用した表面突起の形成は、次のように行われる。ポリエ
ステルAを主成分とする二軸配向フィルムを作製するに
際し、未延伸フィルムの少なくとも片面に熱処理を施
し、その後に該未延伸フィルムを二軸延伸する事によっ
て所望の表面突起が形成される。
【0018】未延伸フィルムに先ず熱処理を施すことに
より、未延伸フィルムの特に表面の結晶化が進められ、
多数の微細な結晶が生成する。この未延伸フィルムが二
軸延伸され、フィルムが二軸に配向されて目標とするフ
ィルム自身の強度が達成されるとともに、結晶とそうで
ない部分の硬さの差によって、上記微細結晶に起因する
均一な微細表面突起が形成される。
【0019】本発明においては、未延伸フィルムの少な
くとも片面に熱処理を施し、その後に二軸延伸する。こ
こで未延伸フィルムとは、口金から押し出された直後の
冷却固化される前の状態から、一軸方向にわずかに微延
伸(2倍程度まで)されたものまでを指す。この熱処理
の目的は、延伸前のフィルム表面を好ましい結晶化度に
まで結晶性を高めることであり、処理方法としては、
押出直後の温度の高いフィルムを徐冷して結晶化させる
方法、一旦冷却、固化したフィルムを再加熱して結晶
化させる方法、一軸方向に微延伸させた状態で加熱処
理する方法がある。
【0020】加熱処理方法については、加熱ロールに巻
き付けて熱処理する方法、ロールに巻き付けた状態でロ
ールと接触する反対の面から熱風処理する方法、あるい
はロールに巻き付けた状態でロールと接触する反対の面
から赤外線ヒータで熱処理する方法、ロール/ロール間
で赤外線ヒータで熱処理する方法、ステンタを用いて加
熱する方法等があるが、特にこれらの方法に限定される
ものではない。
【0021】本発明においては、ポリエステルAの種類
は特に限定されないが、エチレンテレフタレート、エチ
レンα,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−
4,4−ジカルボキシレート、エチレンナフタレート単
位から選ばれた少なくとも一種の構造単位を主要構成成
分とする場合に特に好ましい。中でもエチレンテレフタ
レートを主要構成成分とするポリエステルの場合が特に
好ましい。また短い熱処理時間で多数の突起を形成させ
るためには結晶核剤効果により、結晶化速度の速いポリ
エチレンテレフタレートが特に望ましい。結晶核剤効果
を高めるためには、エステル交換、重合時に酢酸リチウ
ム、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、亜リン酸、ホス
ホン酸、ホスフィン酸あるいはそれらの誘導体、酸化ア
ンチモン、酸化ゲルマニウムを存在させることが有効で
ある。特に望ましいのは酢酸マグネシウムとホスホン酸
(またはその誘導体)および酸化アンチモンであり、ホ
スホン酸誘導体としてフェニルホスホン酸ジメチルが挙
げられる。添加量としてはポリエステルAを用いて製膜
したフィルムの重量に対して酢酸マグネシウム2〜30
0ppm、フェニルホスホン酸ジメチル5〜700pp
m添加すると良い。ただしポリエステルAの製造方法は
上記に何等限定されるものではない。なお、本発明の目
的を阻害しない範囲内で、二種以上のポリエステルを混
合してもよいし、共重合ポリマを用いてもよい。
【0022】ポリエステルBの種類は特に限定されな
い。ポリエステルBには、粒子が含有されないことが望
ましいが、含有されていてもよい。
【0023】本発明の積層フィルムにおいて、A層側の
表面粗さパラメータRzとRaとの比であるRz/Ra
が13以下、好ましくは12以下、さらに好ましくは1
1以下であることが必要である。Rz/Raが13を越
えると粗大突起が増え耐削れ粉性や被覆層の均一性、さ
らに接着性が悪くなり良くない。また、粗大突起の有無
のもう一つの指標として、A層側の表面粗さパラメータ
である十点平均粗さRzと、表面粗さ曲線における中心
線深さRpの比であるRz/Rpが0.9以上、好まし
くは1以上、さらに好ましくは1.1以上であることが
望ましい。
【0024】本発明のA層厚みはフィルム全体厚さに対
する積層比率が0.4以下、好ましくは0.3以下、さ
らに好ましくは0.2以下であることが望ましい。
【0025】そして、上記のような、積層フィルムの少
なくとも片面に水溶性あるいは水分散性からなる被覆層
(C層)を設けることで本発明に係る積層フィルムが完
成する。
【0026】積層構成としては、A/B/C、C/A/
B/C、A/B/A/C、C/A/B/A/Cのいずれ
でもよいが、中でも平滑性、易滑性、得られたフィルム
の各種特性の観点から特に、A/B/C、A/B/A/
Cが好ましい。本発明積層フィルムを磁気記録媒体とし
て用いるときには、磁性層はC層側に設けることが望ま
しい。
【0027】上記C層の被覆は、二軸配向積層フィルム
の製造工程における各工程で可能であるが、C層が極薄
層であることから、C層塗布後C層が成形固定されるま
でに、C層表面にロール等が接触しないようにするのが
望ましい。従って、例えば長手方向延伸、つづいて幅方
向延伸を行なう逐次二軸延伸における幅方向延伸前、あ
るいは同時二軸延伸における延伸前等においてC層を被
覆することが望ましい。被覆は連続製膜工程中でコーテ
ィングする、いわゆるインラインコーティング等が工業
的には望ましいが、オフラインで専用の別工程にて行な
ってもよい。
【0028】被覆層C層の主成分は、アクリル樹脂、ビ
ニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂の少なくと
も一種の水溶性あるいは水分散性樹脂が望ましく、C層
を積層することにより、Rz/Raの比が規定されたベ
ースフィルムとの相乗効果、あるいは表面形態の転写効
果により、易滑平滑性、耐削れ粉性に優れると共に、種
々の用途に使用した場合の機能層との接着性、特に磁気
記録媒体等に使用した場合の磁性層との接着性、磁気特
性、磁性面の耐久性等をより一層向上させることができ
る。
【0029】本発明における水溶性または水分散性樹脂
は、水に溶解または分散する樹脂であればよいのであ
り、熱可塑性、熱硬化性は特に問わない。ここでいう水
溶性または水分散性とは、若干量、その量は特に限定さ
れないが通常は20重量%以下、好ましくは10重量%
以下、各種有機溶剤等の水以外の物質を含んでいてもよ
い。
【0030】本発明におけるアクリル樹脂としては、公
知のものが採用でき特に限定されないが少なくとも40
%のアクリルおよび/またはメタクリルモノマと、その
他の官能基含有モノマ0.1〜20モル%と一種または
それ以上のハロゲン非含有エチレン性不飽和モノマ約0
〜49.9モル%とコポリマ、あるいは少なくとも25
モル%のアクリル酸、メタクリル酸またはアクリル酸メ
タクリル酸のアルキルエステルの中から選ばれたコモノ
マと1〜50モル%のビニルスルホン酸およびp−スチ
レンスルホン酸ならびにこれらの酸の中から選ばれたコ
モノマから導かれる共重合体が望ましい。
【0031】本発明におけるビニル樹脂としては、公知
のものが採用でき特に限定されないが、一般式化1のよ
うなものが使用できる。
【0032】
【化1】
【0033】ただし、R1 およびR2 は水素またはアル
キル基、M1 およびM2 は水素、アルカリ金属、アルカ
リ土類金属、アンモニウム(置換アンモニウムも含む)
またはアルキル基を示し、M1 とM2 は同時にアルキル
基ではない。
【0034】ウレタン樹脂とは、公知のものが採用でき
特に限定されないが、カルボン酸塩基、スルホン酸塩基
または硫酸半エステル塩基により水への親和性が高めら
れたポリウレタンを挙げることができる。ただし、カル
ボン酸塩基、スルホン酸塩基または硫酸半エステル塩基
等の塩基の量は0.5〜15重量%が望ましい。
【0035】あるいは、アニオン性基を有するポリウレ
タン系樹脂あるいはそれらに準じたポリウレタン系樹脂
を用いることができる。
【0036】ここでポリウレタン形成成分の主要な構成
成分は、ポリイソシアネート、ポリオール、鎖長延長
剤、架橋剤等である。また、分子量300〜20000
のポリオール、ポリイソシアネート、反応性水素原子を
有する鎖長延長剤およびイソシアネート基と反応する
基、およびアニオン性基を少なくとも1個有する化合物
からなる樹脂が好ましい。ポリウレタン系樹脂中のアニ
オン性基は、好ましくは−SO3 H、−SO2 H −C
OOHおよびこれらのアンモニウム塩、リチウム塩、ナ
トリウム塩、カリウム塩あるいはマグネシウム塩として
用いられる。ポリウレタン系樹脂中のアニオン性基の量
は0.05〜8重量%が望ましい。
【0037】ポリエステル樹脂としては、公知のものが
採用でき特に限定されないが、全ジカルボン酸成分中
0.5〜15モル%がスルホン酸金属塩基含有ジカルボ
ン酸類と多価アルコール類とからなるポリエステル共重
合体を挙げることができる。ただし、上記のスルホン酸
金属塩基含有ジカボン酸としては、スルホテレフタル
酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4
−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、5[4−
スルホフェノキシ]イソフタル酸等の金属塩が挙げら
れ、特に好ましいのは5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、ナトリウムスルホテレフタル酸である。
【0038】あるいは、分子内に遊離カルボン酸および
カルボン酸塩基を少なくとも一種有する水性ポリエステ
ル樹脂と2個以上のエポキシ基を有する架橋剤、および
必要に応じて反応促進化合物を含むものを挙げることが
できる。但し、この水性ポリエステル樹脂の分子内にカ
ルボン酸基を導入するためには、例えば無水トリメリッ
ト酸、トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ピロメリ
ット酸、トリメシン酸、シクロブタンテトラカルボン
酸、ジメチロールプロピオン酸等の多価化合物をポリマ
製造原料の一つとして用いることが好ましい。また、カ
ルボン酸塩はポリマ中に導入されたカルボン酸基をアミ
ノ化合物、アンモニア、アルカリ金属等で中和すること
によって導入することができる。
【0039】なお、本発明の被覆層C層の厚みは特に限
定されないが、0.001〜1μm、特に0.01〜
0.5μmが望ましい。また必要に応じて本発明のC層
には難燃剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、脂
肪酸エステル、ワックスなどの有機滑剤を配合してもよ
い。
【0040】さらに、本発明のポリエステルフィルムの
製造方法について、より詳細な例を説明する。本発明に
おける基材フィルムの積層は、公知の溶融押出機にそれ
ぞれポリエステルA、Bを供給し、スリット状のダイか
らシート状に押出し、キャスティングロール上で冷却固
化せしめて未延伸フィルムを作る。すなわち、2または
3台の押出機、2または3層あるいはそれ以上の多層用
の合流ブロックあるいは口金を用いて、これらのポリエ
ステルを積層する。合流ブロック方式を用いる場合は積
層部分を矩形のものとし、両者A、Bの粘度の差(絶対
値)を0〜2000ポイズ、好ましくは0〜1000ポ
イズの範囲にしておくことが本発明の表面形態のフィル
ムを安定して、幅方向の斑がなく、工業的に製造するの
に有効である。
【0041】該未延伸フィルムにおいて、溶融状態のポ
リエステルを口金から押し出す場合のドラフト比(=口
金リップポリマ流速/キャスティングドラム上のフィル
ム(ポリマ)流速)が5〜30である場合に所望フィル
ム表面を得るためにより一層望ましい。
【0042】また、該未延伸フィルムの幅方向の厚みに
おいて、一般的に端部のフィルム厚み(最大厚み):t
1 を、中央部のフィルム厚みt2 より大きくするが、こ
の比t1 /t2 が1.5〜7になるように口金リップ間
隙を調整した場合に所望のフィルム表面形態を、幅方
向、長さ方向の斑がなく、安定して得るためにより一層
望ましい。
【0043】次にこの多層の未延伸フィルムの少なくと
も片面を前記いずれかの方法により熱処理する。例え
ば、未延伸フィルムの少なくとも片面の表面(または表
層)温度が、ポリエステルAの冷結晶化温度Tccより
20℃低い温度(Tcc−20℃)以上、かつ降温結晶
化温度Tmcより40℃高い(Tmc+40℃)以下
で、0.5〜100秒保たれるように熱処理し、その後
に二軸延伸し、二軸配向せしめる。二軸延伸の方法は同
時二軸延伸、逐次二軸延伸のいずれでもよいが、長手方
向、幅方向の順に延伸する逐次二軸延伸法の場合に所望
のフィルム表面形態を得るために有効である。逐次二軸
延伸の場合、長手方向の延伸を、3段階、特に4段階以
上に分けて、40〜150℃の範囲で、かつ、1000
〜5000%/分の延伸速度で2〜6倍行なう方法は、
所望のフィルム表面形態を得るために有効である。幅方
向の延伸温度、速度、延伸倍率は80〜170℃、10
00〜20000%/分、3〜10倍の範囲が好適であ
る。
【0044】また、必要に応じてさらに長手方向、幅方
向の少なくとも一方向に延伸することもできる。次にこ
の延伸フィルムを熱固定する。この場合の熱処理条件と
しては、幅方向に弛緩、微延伸、定長下のいずれかの状
態で140〜280℃、好ましくは160〜260℃の
範囲で0.5〜60秒間が好適であるが、熱処理にマイ
クロ波加熱を併用すると、本発明の表面形態を有するフ
ィルムが得られやすくなるので望ましい。
【0045】本発明におけるC層の積層時期は、フィル
ムの製造工程中に塗布し、基材フィルムとともに少なく
とも一軸方向に延伸する方法が最も好ましい。例えば、
前記の加熱処理を施した未延伸フィルムを長手方向に2
〜6倍延伸し、連続的にC層を塗布する面にコロナ放電
処理を施し、その面にC層とする塗布液を塗布する。塗
布されたフィルムは段階的に加熱されたゾーンを通過し
つつ乾燥され、幅方向に延伸される。また、必要に応じ
てさらに長手方向、幅方向の少なくとも一方向に延伸す
ることもできる。さらに連続的に熱固定ゾーンに導かれ
ることによって本発明の積層フィルムが得られる。基材
フィルム上への塗布の方法は公知の塗布方法、例えばリ
バースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、
ダイコート法、ワイアーバーコート法などを用いること
ができる。
【0046】本発明のフィルムの用途は特に限定されな
いが、磁気記録媒体用のベースフィルム、特にフィルム
表面の平滑性が要求される塗布型の高級メタルテープ、
金属薄膜型の磁気記録媒体のベースフィルムとして好適
に用いられる。また、セロファン用インク、オフセット
用インク、紫外線硬化インキなどの各種インク印刷用、
電子写真トナー易接着用、ケミカルマット塗料易接着
用、グラフィック用、包装用などにも適用できる。
【0047】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法]本発明の特性値の測定方法ならびに効果の評価方法
は次の通りである。 (1)フィルム表面の突起個数、突起高さ、 2検出方式の走査型電子顕微鏡の走査型電子顕微鏡[E
SM−3200、エリオニクス社製]と断面測定装置
[PMS−1、エリオニクス社製]においてフィルム表
面の平坦面の高さを0として走査したときの突起の高さ
測定値を画像処理装置[IBAS2000、カールツァ
イス社製]に送り、画像処理装置上にフィルム表面突起
画像を再構築する。次に、この表面突起画像で突起部分
を2値化して得られた個々の突起部分の中で最も高い値
をその突起の突起高さとし、これを個々の突起について
求める。この測定を場所を変えて500回繰り返し、1
0nm以上のものを突起とし、突起個数および平均突起
高さを求めた。また走査型電子顕微鏡の倍率は、100
0〜8000倍の間を選択する。なお、場合によって
は、高精度光干渉式3次元表面解析装置(WYKO社製
TOPO−3D、対物レンズ:40〜200倍、高精度
カメラ使用が有効)によって得られる高さ情報やピーク
カウントなどの個数情報を上記SEMの値に読み変えて
も良い。また、突起個数に関しては、突起を立体的にと
らえるため、フィルムを82.5゜傾けて、倍率1万〜
50万倍で電子顕微鏡(SEM)による写真を撮影し、
100視野測定を行った平均値から突起数を1mm2
たりに換算してもよい。また突起高さに関しては、フィ
ルム断面を超薄切片として、透過型電子顕微鏡(TE
M)で観察して求めてもよい。
【0048】(2)A層の表層に含有される粒子個数 本発明でA層の表層とは、フィルム表面より、深さ3D
までの部分をいう。ここで、3Dとは、フィルム中に含
有される粒子の平均粒径D×3を意味する。ただし、3
Dの深さよりA層厚みが薄い場合はA層厚みまでの深さ
部分を言う。またここで言う粒子とはフィルムの断面を
TEMで観察した際に、観測される粒子の厚み方向の差
し渡しが上記方法で求めた平均突起高さ以上のものを粒
子と定義し、厚み方向の差し渡しがそれより小さいもの
は粒子とはしない。フィルム断面を透過型電子顕微鏡
(TEM)により観察し、A層の表面より深さ3Dまで
の部分に存在する粒子個数を倍率3000〜10000
倍で500視野について観察し、 1mm2 あたりに換算
してもよい。
【0049】(3)結晶化パラメータΔTcg パーキンエルマー社のDSC(示差走査熱量計)II型
を用いて測定した。DSCの測定条件は次のとおりであ
る。すなわち、試料10mgをDSC装置にセットし、3
00℃の温度で5分間溶融した後、液体窒素中に急冷す
る。この急冷試料を10℃/分で昇温し、ガラス転移点
Tgを検知する。さらに昇温を続け、ガラス状態からの
結晶化発熱ピーク温度をもって冷結晶化温度Tcc、結
晶融解に基づく吸熱ピーク温度を融解温度Tm、同じよ
うに降温時の結晶化発熱ピーク温度を降温結晶化温度T
mcとした。TccとTgの差(Tcc−Tg)を結晶
化パラメータΔTcgと定義する。
【0050】(4)表面粗さパラメータRa、Rz、R
p (株)小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10
を用いて測定した。条件は下記のとおりであり、20回
の測定の平均値をもって値(共に単位はμm)とした。 ・触針先端半径 : 0.5μm ・触針荷重 : 5mg ・測定長 : 1mm ・カットオフ : 0.08mm ・触針スピード : 4μm/sec なお、Ra、Rz、Rpの定義は例えば、奈良治郎著
「表面粗さの測定・評価法」(総合技術センター、19
83)に示されているものである。
【0051】(5)A層の積層厚さ 透過型電子顕微鏡((株)日立製作所製H−600型)
を用いて、加速電圧100kVで、フィルム断面を、超
薄切片法(RuO4 染色)で観察し、その界面をとら
え、その積層厚さを求める。倍率は、判定したい積層厚
さによって選ぶことが通常であり、特に限定されない
が、1万〜10万倍が適当である。
【0052】(6)被覆層(C層)の厚さ (株)日立製作所製透過型電子顕微鏡HU−12型を用
い、積層フィルムの超薄膜面切片を観察し、厚みを求め
た。
【0053】(7)耐削れ粉性 20℃相対湿度60%の雰囲気で外径6mmφのガイド
ピン(材質:SUS、表面粗度:0.2S)に1/2イ
ンチ幅のテープ状フィルムを角度θ=π/3(ra
d)、入りテンション=50g、300m/分の速さ
で、50回繰り返し走行させた後、ガイドピン上に付着
した削れ粉を目視で観察した。全く削れ粉の付着がない
もの:5点削れ粉の付着がやや付着しているもの:3
点、削れ粉が多量に付着しているもの:1点と判定し
た。5点と3点の間を4点、3点と1点の間を2点と
し、耐削れ粉性は5点が望ましいが4点であれが実用上
は問題なく使用できる。
【0054】(8)耐ブロッキング性 フィルム同士(本発明のフィルムの裏と表)を重ね合わ
せたもの(重ね面積:3cm×4cm)に800g/1
2cm2 の荷重をかけて60℃80%RH中で24時間
放置した後、重ね合わせ部の剪断応力をテンシロン引張
り試験機を用い引張速度20cm/minで測定し、下
記基準で判定した。0kg/cm2 (全くブロッキング
しない):5点、0.1以上〜0.5kg/cm2
満:4点、0.5kg/cm2 以上〜1.0kg/cm
2 未満:3点、1以上〜1.5kg/cm2 未満:2
点、1.5kg/cm2 以上:1点、とした。耐ブロッ
キング性は、5点が望ましいが4点であれが実用上は問
題なく使用できる。
【0055】(9)被覆層のハジキによる接着性の欠点 蒸着磁性層との接着性から判定した。本発明のフィルム
の被覆層(C層)を設けた表面に、連続真空蒸着装置を
用いて、微量の酸素の存在下にコバルト・ニッケル合金
(Ni20重量%)の蒸着層を形成させた(厚み:20
0nm)。次いで、市販のポリエステル粘着テープを長
さ20cmに貼付け、一気に引きはがす。引剥した面を
透過型顕微鏡写真(50倍〜100倍)を撮り、蒸着層
のピンホールの数を、個数/cm2 に換算して判定し
た。0〜5個/cm2 :5点、6〜20個/cm2 :4
点、21〜50個/cm2 か、ピンホールより大きく蒸
着層が剥離したところがある場合:3点、51個/cm
2 以上か、蒸着層が剥離したところの面積が、引剥し面
積の10%未満の場合:2点、蒸着層が剥離したところ
の面積が、引剥し面積の10%以上の場合:1点、とし
た。ハジキによる接着性の欠点判定は、5点が望ましい
が4点であれが実用上は問題なく使用できる。
【0056】(10)塗布型磁性層との接着性 本発明のフィルムの被覆層(C層)を設けた表面に、磁
性体塗料(ダイフェラコートCAD−4301:大日精
化工業(株)製)100重量部と硬化剤であるスミジュ
ールN75(住友バイエル(株)製)1重量部からなる
塗料を乾燥後で5μmになるようにバーコーターで塗布
し、100℃、5分間乾燥し磁性層を設けた。別にPE
T(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(50μ
m)基板に大日精化工業(株)製の接着剤であるセイカ
ボンド(E270/C−26=10/2(重量比))を
乾燥後8μmになるようにバーコーターで塗布し、60
℃、1分間乾燥し、次にこの接着剤を塗布した2枚のP
ET基板の間に先の磁性塗料を塗布したサンプルを挟ん
でローラーで気泡が入らないように張り合わせる。さら
に表面温度が100℃のラミネーターのプレスロールの
間を一往複させる。このサンプルを40℃、48時間以
上エージングした後、15mmの短冊上サンプルをテン
シロン引張試験機(引張速度200mm/min)で被
覆層(C層)/磁性塗料間を90°剥離して易接着性を
測定した。次の基準により判定した。300g以上/1
5mm幅:5点、250g以上〜300g未満/15m
m:4点、200g以上〜250g未満/15mm:3
点、150g以上〜200g未満/15mm:2点、1
50g未満/15mm:1点とした。易接着性は、5点
が望ましいが4点であれが実用上は問題なく使用でき
る。
【0057】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例1〜2、比較例1〜2 ポリエステルAとして、常法により重合したポリエチレ
ンテレフタレート(重合触媒:酢酸マグネシウム0.1
0重量%、三酸化アンチモン0.03重量%、リン化合
物としてジメチルフェニルホスホネート0.35重量%
を用いた)のペレットを用いた(ΔTcg55℃)。ま
た、ポリエスレルBとして酢酸マグネシウム0.06重
量%、三酸化アンチモン0.008重量%、トリメチル
ホスフェート0.02重量%を用いて、常法により重合
したポリエチレンテレフタレートのペレットを用いた。
【0058】180℃で3時間減圧乾燥(3Torr)した
ポリエステルAのペレットとポリエステルBのペレット
を、それぞれ2台の押出機に供給し、ポリエステルAは
押出機1で285℃で溶融し、ポリエステルBは押出機
2で280℃で溶融し、これらのポリマを矩形積層部を
備えた合流ブロックで合流積層押出し、静電印加キャス
ト法を用いて、表面温度25℃のキャスティングドラム
上に巻き付けて、冷却、固化し、2層または両面にポリ
エステルA層を有する3層構造の未延伸フィルムを作っ
た。このとき、それぞれの押出機の吐出量を調節し総厚
さ、ポリエステルA層の厚さを調節した。この未延伸フ
ィルムを表面温度95〜185℃のシリコーンの加熱ロ
ール4本に通して熱処理を行なった。熱処理後フィルム
を、温度90℃にて、長手方向に3.4倍延伸した。こ
の一軸延伸フィルムにそれぞれ、表1に示す被覆層(C
層)をインラインでコーティングした。ただし比較例2
ではコーティングしなかった。コーティング一軸フィル
ムを、ステンタを用いて、延伸速度2000%/分で、
100℃で、幅方向に3.5〜4.5倍延伸し、さらに
定長下で210℃にて5秒間熱処理を行い、総厚さ10
μm(A層片側厚さ1.0μm、C層厚さ0.03μ
m)の二軸配向積層フィルムを得た。
【0059】実施例3〜4、比較例3〜4 ポリエステルAとして、常法の重合(触媒:酢酸マグネ
シウム0.15重量%、三酸化アンチモン0.03重量
%、リン化合物としてジメチルフェニルホスホネート
0.48重量%を用いた)に不活性粒子を添加(平均粒
径0.7μm の炭酸カルシウム粒子を重合時に添加)せ
しめたペレット(粒子含有量:0.01〜2.0重量
%、ΔTcg50℃)を押出機1に供給し285℃で溶
融し、ポリエステルBは、実施例1と同様のものを押出
機2に供給し280℃で押出し、上記実施例1、2と同
様のプロセスにて、総厚さ10μm(A層片側厚さ、実
施例4〜5は0.7μm、比較例3〜4は3.0μm)
の二軸配向積層フィルムを得た。被覆層(C層厚み0.
08μm)は表2に示した通りである。
【0060】比較例5 実施例1のポリエステルAに不活性粒子を添加(エチレ
ングリコール中に平均粒径0.35μm のコロイダルシ
リカ粒子を分散させ、重合時に添加)せしめたペレット
(粒子含有量:0.3重量%、ΔTcg69℃)で、実
施例1と同様のプロセスにて総厚さ10μm の単層フィ
ルムの片側にC層を設けた二軸配向積層フィルムを得
た。ただし加熱ロールの表面温度は80℃とした。
【0061】なお、C層に用いられる各樹脂の組成は以
下の通りである。 (樹脂a)メチルメタクリレートとエチルアクリレート
の65モル%、35モル%のアクリル共重合体。ただ
し、カルボン酸とメチロール基が各2モル%含まれる。 (樹脂b)テレフタル酸/5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸//エチレングリコール/ジエチレングリコール
=87.5/12.5//97/3モル%からなる水溶
性共重合ポリエステル。 (樹脂c)ポリオキシエチレングリコール(MW=20
00)−トリレンジイソシアネート−エチレンジアミン
ジメチロールプロピオン酸アミン塩系ポリウレタン。
【0062】上記実施例、比較例において調製したフィ
ルムを評価した結果を表1、2に示す。本発明の範囲に
属するフィルムは、いずれも耐削れ粉性、耐ブロッキン
グ性、易滑性、さらに磁性層との接着性すべてに良好で
あったが、そうでない場合はそれぞれの特性を全て満足
できる優れたフィルムは得られなかった。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【発明の効果】本発明の積層フィルムによれば、本質的
に含有粒子に頼ることなくポリエステルAの結晶化を利
用して、Rz/Raが所定値以下の均一な表面突起を効
率よく形成し、水溶性あるいは水分散性樹脂を主成分と
するC層を被覆したので、耐削れ粉性や易滑性、耐ブロ
ッキング性、磁性層との接着性等に優れた、磁気記録媒
体の基材フィルムとして好適な積層フィルムを得ること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルAを主成分とするA層をポ
    リエステルBを主成分とするB層の少なくとも片面に積
    層した二軸配向フィルムであって、該A層表面における
    突起が主にポリエステルAの結晶に起因する突起であ
    り、該A層側の表面粗さパラメータRzとRaとの比で
    あるRz/Raが13以下である基材フィルムの少なく
    とも片面に水溶性あるいは水分散性樹脂を主成分とする
    被覆層(C層)を設けたことを特徴とする積層フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 前記A層表面における突起の60%以上
    がポリエステルAの結晶によって形成されている、請求
    項1に記載の積層フィルム。
  3. 【請求項3】 前記A層の表層に含有される粒子の個数
    が3000個/mm2 以下である、請求項1または2に
    記載の積層フィルム。
  4. 【請求項4】 前記被覆層(C層)の主成分がアクリル
    樹脂、ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂か
    らなる少なくとも一種の水溶性あるいは水分散性樹脂で
    ある、請求項1ないし3のいずれかに記載の積層フィル
    ム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000079524A1 (fr) * 1999-06-22 2000-12-28 Teijin Limited Support d'enregistrement magnetique et film de base associe
JP4765237B2 (ja) * 1999-09-14 2011-09-07 東レ株式会社 ポリエステル組成物、それからなるフィルムおよび磁気記録媒体

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