JPH09233701A - アクティブフィルタの制御装置 - Google Patents

アクティブフィルタの制御装置

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JPH09233701A
JPH09233701A JP8042433A JP4243396A JPH09233701A JP H09233701 A JPH09233701 A JP H09233701A JP 8042433 A JP8042433 A JP 8042433A JP 4243396 A JP4243396 A JP 4243396A JP H09233701 A JPH09233701 A JP H09233701A
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gain
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current
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JP8042433A
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Toshifumi Yoshikawa
敏文 吉川
Minoru Kanai
実 叶井
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Hitachi Ltd
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    • Y02E40/40Arrangements for reducing harmonics

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  • Control Of Electrical Variables (AREA)
  • Inverter Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アクティブフィルタ制御装置に対して、高次の
高調波に対しても制御系の遅れ要素の影響を受けず高い
補償効果を維持できる制御方式の提供。 【解決手段】アクティブフィルタ制御装置6の補償電流
指令演算回路60で、五次,七次…の各次数の高調波に
同期した回転座標による三相/二相変換回路601,直
流成分抽出フィルタ603,二相/三相変換回路により
各次数の高調波分に分解する手段と、各次数成分に対し
て三相/二相変換と二相/三相変換の間で位相を進める
位相補償手段609と、二相/三相変換611後の二相
信号に対してゲインを乗算するゲイン補償手段606と
これらのゲイン補償値と位相補償値を設定する手段60
5と、各次数に対する結果を加算する手段607,60
8とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアクティブフィルタ
の制御装置に係り、特に、高次の高調波に対しても十分
な補償効果が得られるアクティブフィルタ制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】アクティブフィルタは、電流系統の高調
波電流あるいは電圧を検出し、これを抑制するようにイ
ンバータを制御して補償電流を電力系統に注入する装置
である。例えば負荷電流検出方式のアクティブフィルタ
は、負荷側に流れる電流の高調波成分を検出し、これと
同位相の高調波電流をアクティブフィルタへ流入するよ
うに制御して、電源側の高調波電流を抑制する。アクテ
ィブフィルタの構成,制御の詳細は、例えば「電気学会
技術報告「(部)第425号電力用アクティブフィルタ
技術」(1992年6月発行)に示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アクティブフィルタ
は、系統の高調波電流あるいは電圧(以下、高調波)を
検出し、検出した高調波から補償電流指令を演算して、
インバータ出力電流がこの指令に追従するように制御す
る。このアクティブフィルタの制御系では、センサの検
出遅れ,演算回路での演算遅れ,PWM制御の遅れ、イ
ンバータと系統とを結合する結合リアクトルによる遅
れ、また制御回路をディジタル化した場合にはサンプラ
の遅れ等の遅れ要素が存在するため、次の現象が現れ
る。すなわち、 (1)補償電流指令が、検出遅れ,演算遅れにより本来
必要な指令よりも遅れる。
【0004】(2)補償電流指令に対して電流制御が遅
れ、出力のゲイン低下,位相遅れが生じて定常偏差が残
る。
【0005】これらは補償対象となる高調波の次数が高
くなるほど大きく現れ、その結果、特に高次の高調波に
対して、例えば負荷電流検出方式ならば負荷側の高調波
電流を補償できず電源側に高調波電流が流出して、補償
効果が悪くなるという問題が生じる。
【0006】またこれらの遅れ要素の遅れ量は必ずしも
一定ではなく、センサの種類,結合リアクトルの特性,
PWMキャリア周波数,サンプリング周波数によって変
わりうる。従来、このような遅れ要素の補償方法として
伝達関数で補償する方法が知られているが、この方法で
は、補償値を変更する場合に所望の特性をもつ伝達関数
を再度設計しなおして補償回路ごと入れ替えなければな
らず、こまめな設定変更は不可能である。
【0007】本発明の目的は、高次の高調波に対して遅
れ要素の影響を受けず高い補償効果を維持でき、かつ遅
れ要素の遅れ量が変化した場合でも容易に対応できるア
クティブフィルタの制御方式を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するために、補償電流指令演算回路で、五次…n次の
各次数の高調波に同期した回転座標による三相/二相変
換回路,直流成分抽出フィルタ,二相/三相変換回路に
より各次数の高調波波分に分解する手段をもち、各次数
成分に対して、これと同期した回転座標による三相/二
相変換と二相/三相変換の間で位相を進める位相補償手
段と三相/二相変換後の二相信号に対してゲインを乗算
するゲイン補償手段とこれらのゲイン補償値と位相補償
値を設定する手段とを備え、さらに各次数に対する結果
を加算する手段とを具備したものである。
【0009】指令の遅れ,制御の遅れによるゲインの低
下分と位相の遅れ分は周波数の関数であり、本発明で
は、センサからの入力信号を各周波数成分に分解してそ
れぞれの次数成分に対してゲインと位相を前向き補償し
これらを合成したものを補償電流指令とすることで課題
を解決する。
【0010】まず特定次数の高調波と同期した回転座標
による三相/二相変換を行い、その結果からローパスフ
ィルタで直流分を抽出し、これに先の逆変換の二相/三
相変換を行えば対象とする高調波成分を抽出できる。こ
のとき、(1)二相/三相変換の回転位相をずらす、
(2)三相/二相変換の回転位相をずらす、(3)二相
成分に対して回転変換を行うのいずれかによりその高調
波の位相をずらすことができる。このずらす位相を適当
に設定すれば位相補償が行える。また二相成分に対し
て、係数を乗算することによりゲインを変えることがで
きるが、この係数を適当に設定することによりゲイン補
償が行える。それぞれの設定値は、あらかじめ求めたゲ
インの低下量と位相の遅れ量を相殺するように設定すれ
ばよい。この結果、指令の遅れと制御の遅れの影響はゲ
インと位相の補償により相殺され、例えば負荷電流検出
方式ならば、負荷側の高調波電流と同一の電流をアクテ
ィブフィルタ側に流入させることができ、理想的な補償
効果が得られる。さらにセンサの種類,結合リアクト
ル,PWMキャリア周波数等の変更により遅れ要素の遅
れ量が変化した場合には、それに応じて、ゲイン補償と
位相補償の補償設定値を変更することにより容易に対応
でき、補償の効果を保持できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照して説明する。図1は本発明の一実施例を示すもので
ある。アクティブフィルタは、補償電流を注入するイン
バータ装置1,インバータと系統を結合する結合リアク
トル2,系統電圧を計測する電圧センサ3,アクティブ
フィルタ接続点から負荷側の電流を計測する電流センサ
4,インバータ出力電流を計測する電流センサ5および
制御装置6より構成される。制御装置6は、電流センサ
4で計測した負荷側電流の高調波成分を検出し補償電流
指令値を演算する補償指令値演算回路60,補償電流指
令と電流センサ4で検出したインバータ出力電流との偏
差を0に近づけるように制御する電流制御回路62,電
流制御回路の出力にPWM変調を行い、インバータのゲ
ートパルスを出力するPWM制御回路63および電圧セ
ンサ3で計測した系統電圧から系統電圧位相ωtを演算
する位相検出回路61からなる。補償電流指令回路60
は、電流センサ4で計測した三相の負荷側電流値を、位
相検出回路64で検出した系統電圧位相ωtの特定の倍
数で回転する回転座標により二相成分に変換する三相/
二相変換回路601…602、この結果から直流分を抽
出するローパスフィルタ603…604と、この結果に
特定次数の高調波成分に対するゲイン補償値設定回路6
05…606の出力値を乗算するゲイン乗算回路607
…608と、さらにこの結果に特定次数の高調波成分に
対する位相補償値設定回路609…610の出力値分だ
け位相をずらして三相成分に戻す二相/三相変換回路6
11…612と、それぞれの結果を加算する加算手段61
3から構成される。ここで、601は系統電圧位相ωt
に対して+5ωtで回転する回転座標を用いる三相/二
相変換回路、602は±nωtで回転する回転座標を用
いる三相/二相変換回路(nは任意の整数)であり、こ
れに対応して、605,606はそれぞれ五次,n次の
高調波成分に対するゲイン補償値設定回路でk5,kn
はそれぞれ五次,n次の高調波成分に対するゲイン補償
値、607,608はそれぞれ五次,n次の高調波成分
に対するゲイン乗算回路、609,610はそれぞれ五
次,n次の高調波成分に対する位相補償値設定回路でθ
5,θnはそれぞれ五次,n次の高調波成分に対する位
相補償値、611,612はそれぞれ±(5ωt+θ
5), ±(7ωt+θ7),±(nωt+θn)で回転
する回転座標を用いる二相/三相変換回路である。
【0012】まず、補償電流指令回路61で行われる三
相/二相変換と二相/三相変換を用いるゲイン補償と位
相補償の原理について説明する。ここでは、まず五次の
高調波正相分に対するゲイン補償と位相補償について説
明する。数1で表される負荷電流の五次正相分に対し
て、5ωtで回転する回転座標による三相/二相変換を
行うと数2のようになる。
【0013】
【数1】
【0014】
【数2】
【0015】ここでI5 は五次高調波電流の振幅、ωは
基本波に対する角周波数、φは初期位相を表す。このよ
うに五次正相分は二相の直流分になり、その他の成分は
交流分になるので、ローパスフィルタによって五次正相
分に関する成分のみを抽出できる。この結果に5ωtで
回転する回転座標による二相/三相変換を行うと数3の
ように元の五次正相分に戻される。
【0016】
【数3】
【0017】これに対して、数4のように二相成分に係
数k5を乗算し、(5ωt+θ5)で回転する回転座標
により二相/三相変換すると、結果は元に対して、振幅
がk5倍,位相がθ5進んだ五次正相分が得られる。
【0018】
【数4】
【0019】したがって、k5とθ5を適当に設定する
ことにより、五次正相分に対するゲインと位相を補償で
きる。次に数5の五次逆相分に対しては、数6のように
−5ωtで回転する回転座標による三相/二相変換を行
い、結果の二相成分に数7のように、係数k5を乗算
し、−(5ωt+θ5)で回転する回転座標により二相/
三相変換すると、元に対して振幅がk5倍,位相がθ5
進んだ五次逆相分が得られる。
【0020】
【数5】
【0021】
【数6】
【0022】
【数7】
【0023】したがって、五次逆相分に対するゲインと
位相を補償できる。
【0024】このようにして、±5ωtで回転する回転
座標を用いる三相/二相変換と回転位相をずらした二相
/三相変換を用いて、五次成分に対するゲインと位相を
補償できる。同様にn次成分に対しても±nωtで回転
する回転座標による三相/二相変換を行い、その結果の
直流分に係数knを乗算して±(nωt+θn)で回転す
る回転座標により二相/三相変換することにより、n次
成分に対するゲインと位相を補償できる。
【0025】次に補償値の設定について説明する。図1
で示されるアクティブフィルタの制御系で、遅れ要素に
は、各演算回路での演算遅れ,センサの検出遅れ,PW
M制御の遅れ,インバータと系統とを結合する結合リア
クトルによる遅れ、また制御回路をディジタル化した場
合にはサンプラの遅れが存在する。図2(a)は負荷電流
検出のアクティブフィルタを示したものであり、負荷側
の高調波電流iLh,アクティブフィルタの電流iAF
を図の向きに取っているため、iAF=iLhならば、
電源側電流の高調波成分は0となる。このとき、iAF
/iLhの周波数特性はゲイン0dB,位相0゜の直線
となり、制御が理想的に働いた場合の特性を示す。しか
し、実際には既に述べたような遅れ要素が存在するた
め、iAF/iLhの周波数特性は図2(b)のように
なり、アクティブフィルタの電流はゲインが低下し、位
相が遅れる。このゲインの低下と位相の遅れで生じる差
は補償誤差となって電源電流に残るため、補償効果が低
減する。そこで理想的な特性との差を補償値として、ゲ
インを上げ、位相を進める補償をする。例えば五次の高
調波に対しては、図2(b)よりk5を10のα/20
乗,θ5=βと補償値を決めて、この数値をそれぞれ五
次高調波に対するゲイン補償値設定回路605と位相補
償値設定回路609に設定する。任意のn次高調波に対
しても同様の方法で補償値を設定できる。
【0026】このように各次数の高調波に対して、あら
かじめゲインと位相をその次数の高調波に応じた最適な
設定値で高精度に補償し、これらを合成したものを補償
電流指令とすることで、遅れ要素によるゲインの低下と
位相遅れを相殺できるため、高調波の補償効果を向上で
きる。また結合リアクトルなどの回路定数の変更,スイ
ッチング周波数の変更等、外部条件の変化により特性が
変わる場合には、その都度ゲインの低下分と位相の遅れ
を求め、補償値設定回路の設定値を直すことで容易に対
処できる。
【0027】図1の実施例では、二相/三相変換回路で
位相補償値設定回路から出力された設定値に基づき位相
を補償していたが、三相/二相変換回路で、位相補償値
設定回路から出力された設定値に基づき位相を補償して
もよい。この方法によるゲイン・位相補償の原理を五次
正相分を対象とする場合を例に説明する。数1で表され
る負荷電流の五次正相分に対して、(5ωt−θ5)で
回転する回転座標による三相/二相変換を行うと数8の
ようになる。
【0028】
【数8】
【0029】ローパスフィルタによってこの成分のみを
抽出したとして、この結果に係数k5を乗算し、5ωt
で回転する回転座標による二相/三相変換を行うと数9
のように元に対して、振幅がk5倍,位相がθ5進んだ
五次正相分が得られる。
【0030】
【数9】
【0031】したがって、k5とθ5を適当に設定する
ことにより、五次正相分に対するゲインと位相を補償で
きる。この方法は五次逆相分、さらに任意のn次の正相
および逆相分に対しても同様に適用できる。
【0032】また、三相/二相変換後の二相成分に対し
て、二相成分を二次元のベクトルと考え位相補償値設定
回路から出力された設定値だけ回転変換を行い、位相を
補償してもよい。この方法によるゲイン・位相補償の原
理を五次正相分を対象とする場合を例に説明する。数1
で表される負荷電流の五次正相分に対して、5ωtで回
転する回転座標による三相/二相変換を行うと数2のよ
うになる。ローパスフィルタによってこの成分のみを抽
出したとして、この結果に、数10のように回転行列に
より位相をθ5回転させて係数k5を乗算する。
【0033】
【数10】
【0034】さらにこの結果に5ωtで回転する回転座
標による二相/三相変換を行うと数11のように元に対
して、振幅がk5倍,位相がθ5進んだ五次正相分が得
られる。
【0035】
【数11】
【0036】したがって、k5とθ5を適当に設定する
ことにより、五次正相分に対するゲインと位相を補償で
きる。この方法は五次逆相分、さらに任意のn次の正相
および逆相分に対しても同様に適用できる。
【0037】本発明では負荷電流検出方式を例に説明し
たが、電源電流検出方式,電圧検出方式のアクティブフ
ィルタに対しても同様に適用できる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、制御系の遅れ要素によ
るゲインの低下と位相の遅れを各次数の高調波毎に最適
かつ高精度に補償できるため、高次の高調波に対しても
高い補償効果を維持できる。また回路定数の変更等で補
償すべき値が変化した場合でも、設定値を変更するだけ
で容易に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアクティブフィルタ制御装置の第一の
実施例を示すブロック図。
【図2】負荷電流検出方式アクティブフィルタの説明
図。
【符号の説明】
1…インバータ回路、6…アクティブフィルタ制御回
路、60…補償電流指令演算回路、62…電流制御回
路、601…三相/二相変換回路、603…ローパスフ
ィルタ、605…ゲイン補償値設定回路、607…ゲイ
ン乗算回路、609…位相補償値設定回路、611…二
相/三相変換回路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電力系統に対し結合リアクトルを介してイ
    ンバータが接続され、前記インバータが出力する補償電
    流を制御するアクティブフィルタの制御装置で、系統電
    圧または電流を検出するセンサを備え、前記センサの信
    号から前記系統電圧または電流に含まれる高調波成分を
    抽出し、これを抑制するような補償電流指令を演算する
    補償電流指令演算回路において、各次数の高調波に同期
    した回転座標による三相/二相変換,直流成分抽出フィ
    ルタ,前記三相/二相変換の逆変換の二相/三相変換に
    より各次数の高調波成分に分解する手段をもち、各次数
    の高調波に対して前記三相/二相変換と前記二相/三相
    変換の間で位相を進める位相補償手段と、前記二相信号
    に対してゲインを乗算するゲイン補償手段とこれらのゲ
    イン補償値と位相補償値を設定する手段とを備え、各次
    数に対する結果を加算する手段をもち、加算した結果を
    前記補償電流指令としたことを特徴とするアクティブフ
    ィルタ制御装置。
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