JPH09232553A - 光学デバイス - Google Patents

光学デバイス

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JPH09232553A
JPH09232553A JP8141269A JP14126996A JPH09232553A JP H09232553 A JPH09232553 A JP H09232553A JP 8141269 A JP8141269 A JP 8141269A JP 14126996 A JP14126996 A JP 14126996A JP H09232553 A JPH09232553 A JP H09232553A
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JP
Japan
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protective film
transparent protective
optical device
filter layer
color filter
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JP8141269A
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Inventor
Hiroshi Shoji
浩士 庄司
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 染料の褪色に伴うカラーフィルターの特性劣
化を防止する。 【解決手段】 光学素子のベースとなるシリコン基板1
上にカラーフィルター層4を形成してなる光学デバイス
であって、カラーフィルター層4の層上に、炭素を主成
分とする透明保護膜5を設けることにより、カラーフィ
ルター層4への水分透過量及び酸素透過量を低減させ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CCD型,MOS
型等の固体撮像素子、或いはLCD等の液晶表示素子な
どの光学素子を備えた光学デバイスに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、固体撮像素子の製造にあたって
は、ベースとなるシリコン基板上に受光部を形成したの
ち、その受光部の上に平坦化膜を形成する。さらに、平
坦化膜の上層には、3〜4種類の特定の分光特性をもつ
カラーフィルター層を単層又は多層に形成し、その上層
を平坦化する。最近では、感度アップの必要性から、集
光効率を高めるためのオンチップレンズを受光部の上方
に配置している。
【0003】図15はカラーフルター層を有する従来の
固体撮像素子の要部断面図であり、図中(a)は単層タ
イプ、(b)は積層タイプの例を示している。先ず、図
15(a)に示す単層タイプでは、受光部51の上に平
坦化膜52が形成され、その上に多色のカラーフィルタ
ー層53が平面的に配置されている。また、受光部51
の上方には、カラーフィルター層53を間に介在させて
オンチップレンズ54が形成されている。一方、図15
(b)に示す積層タイプでは、受光部51の上に平坦化
膜52を介してカラーフィルター層53が形成されてい
る。このカラーフィルター層53は、単色のカラーフィ
ルター53a,53bの一部を互いに積層したかたちで
形成されている。さらに受光部51の上方には、カラー
フルター層53を介してオンチップレンズ54が形成さ
れている。ところで、カラーフィルターの製造方法とし
て、現在ではいろいろな手法が提案されている。例え
ば、代表的な染色法では、シリコン基板上の所望の位置
に被染色体を形成したのち、所望の分光特性を有する染
料等で染色し、さらに固着強化工程を経て安定化させ積
層することにより、多色のカラーフィルターを形成して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カラー
フィルター層53の上に形成される平坦化膜(オンチッ
プレンズ材料からなる)やオンチップレンズ54等の物
質は、いずれも水分や酸素の透過率が高いため、長期に
わたる保管や、保存する環境によっては、カラーフィル
ター層53で水分や酸素により染料の褪色が起こり、光
学的な分光特性の劣化を招く。また、図16に示すよう
に、セラミックスや樹脂等からなるパッケージ本体61
に固体撮像素子62を実装し、これをエポキシ樹脂やシ
リコーン樹脂等の透明樹脂63で封止してなる固体撮像
装置においても、透明樹脂63の飽和水分量が高かった
り、水分の拡散係数が高いために、素子上のアルミ電極
部(不図示)で水分と電界の作用により酸化物あるいは
水酸化物の生成が進行し、腐食を起こす。さらに透明樹
脂63は、酸素の透過防止機能を殆どもたないため、固
体撮像素子62上にカラーフィルター層が形成されてい
ると、上記同様に水分と酸素による染料の褪色が起こ
り、フィルター特性(分光特性等)の劣化を招く。
【0005】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたもので、第1の目的は、染料の褪色に伴うカラーフ
ィルターの特性劣化を防止することにあり、第2の目的
は、固体撮像素子のアルミ電極部の腐食を抑えることに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、光学素子上
にカラーフィルター又は白黒フィルターからなるフィル
ター層を形成してなる光学デバイスにおいて、フィルタ
ー層の層上に、炭素を主成分とする透明保護膜を有した
構成を採用している。
【0007】上記構成からなる光学デバイスにおいて
は、フィルター層の層上に設けられた透明保護膜によ
り、フィルター層への水分透過量及び酸素透過量が減じ
られ、これによってフィルター層での水分や酸素による
特性劣化が軽減される。
【0008】また本発明では、光学素子に形成されたア
ルミ電極部に外部との電気的接続のための導電体を接合
してなる光学デバイスにおいて、アルミ電極部の形成領
域を含む光学素子の最表面に、炭素を主成分とする透明
保護膜を有した構成を採用している。
【0009】上記構成からなる光学デバイスにおいて
は、光学素子の最表面に設けられた透明保護膜により、
アルミ電極部への水分透過量及び酸素透過量が減じら
れ、これによってアルミ電極部の腐食速度が低減する。
また、光学素子上にカラーフィルター又は白黒フィルタ
ーからなるフィルター層が形成されている場合には、透
明保護膜によってフィルター層への水分透過量及び酸素
透過量が減じられるため、フィルター層での特性劣化が
軽減される。
【0010】さらに本発明では、光学素子を透明樹脂に
て封止してなる光学デバイスにおいて、透明樹脂の最表
面に、炭素を主成分とする透明保護膜を有した構成を採
用している。
【0011】上記構成からなる光学デバイスにおいて
は、透明樹脂の最表面に設けられた透明保護膜が透明樹
脂よりも表面硬度が格段に高いため、保存中における透
明樹脂上へのダストの付着量が低減する。また、透明保
護膜の水分透過防止機能により、透明樹脂バルクへの水
分の浸入も低減する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明に
係わる光学デバイスの第1実施形態を示す要部断面図で
あり、これは光学デバイスとしてCCD等の固体撮像デ
バイスを例にとり、その固体撮像デバイスの撮像素子
(光学素子)の要部断面構造を示している。図1におい
て、撮像素子のベースとなるシリコン基板1上には受光
部2が形成され、この受光部2上に平坦化膜3が形成さ
れている。平坦化膜3は、シリコン基板1の上面に熱硬
化性の樹脂をコーティングし、これをベークすることで
形成される。また、平坦化膜3の上には、多色のカラー
フィルター層4が形成されている。このカラーフィルタ
ー層4は、各色フィルター(カラーフィルター)4a,
4b,4cを平坦膜3上に平面的に配置することにより
形成される。
【0013】さらに、カラーフィルター層4の上には、
炭素を主成分とする透明保護膜5が形成されている。こ
の透明保護膜5は、水分透過性,酸素透過性が共に低い
ダイヤモンド状炭素(ダイヤモンド・ライク・カーボ
ン:DLC)から成るもので、被膜自体が非常に硬く、
電気的にも高い絶縁性を有している。ちなみに、ダイヤ
モンド状炭素とは、別名、アモルファス水素化炭素又は
硬質炭素とも呼ばれるもので、その骨組みとなる炭素及
び未結合炭素と結合した水素からなる非晶質炭素のこと
をいう。加えて、透明保護膜5の上には、オンチップレ
ンズ材料からなる平坦化膜6が形成され、この平坦化膜
6の上層に凸面形状をなすオンチップレンズ7が形成さ
れている。
【0014】ここで、カラーフィルター層4の形成から
オンチップレンズ7の形成に至るまでの製造手順につい
て説明する。先ず、カラーフィルター層4の形成にあた
っては、カゼインやゼラチン等の着色ベース材料に重ク
ロム酸アンモニウム(ADC)等の感光剤を添加し、こ
れによって得られた感光性レジストをシリコン基板1上
(平坦化膜3の上面)に塗布する。次に、ステッパーを
用いて感光性レジストの所望の部分を露光,現像するこ
とにより、例えばカゼインを架橋し非水溶性の被染色層
(カゼイン層染前駆体)を形成する。次いで、上記カゼ
イン層染前駆体に対し、酢酸酸性水溶液中で染色調整剤
とともに所望の染料と作用させる。すると、カゼイン層
と染料が結合し、染色が行われる。この染色後、水洗い
を行って、タンニン酸と酢酸等で固着処理を行う。この
状態で、カゼイン層の表面層はタンニン酸になってお
り、吐酒石酸等を作用させることにより、タンニン酸が
水に対して不溶化し、耐水性が向上する。こうして染料
を固着したら、ホルマリン処理等によって固着の強化と
乾燥後の膜の安定性及び強度を向上させる。
【0015】以上、感光性レジスト塗布,露光,現像、
染色,固着の各工程を、シアン、マゼンダ、イエロー等
の組み合わせ、またはレッド、グリーン、ブルー等の組
み合わせで、各色別にそれぞれ繰り返す。これにより、
シリコン基板1上に多色のカラーフィルター層4が形成
される。なお、カラーフィルターの形成方法としては、
上記の染色法の他にも、例えば着色した色材として染料
や顔料を用い、感光性組成物中に分散した多色のカラー
レジストを用いてリソグラフィー法により各色フィルタ
ーを形成してもかまわない。
【0016】続いて、カラーフィルター層4の上に、例
えばプラズマCVD法によってダイヤモンド状炭素から
成る透明保護膜5を形成する。この透明保護膜5の形成
にあたっては、ダイヤモンド状炭素そのものの水分透過
性及び酸素透過性が非常に低いため、100〜200n
m程度の薄膜でも十分な水分透過防止効果及び酸素透過
防止効果を得ることができる。また、膜材料中の水素含
有量を調整することで、きわめて透明度の高い被膜が得
られるため、上記100〜200nm程度の薄膜では光
学的な特性劣化を招くこともない。さらに、低温での膜
形成が可能であるため、カラーフィルターの熱的ダメー
ジを回避することもできる。さらに、透明保護膜5の形
成に先立って、カラーフィルター層4の上に、例えばS
i02 、TiON、Al2 3 等からなる極薄の密着層
(不図示)を形成し、その上に透明保護膜5を形成する
ようにすれば、カラーフィルター層4に対する透明保護
膜5の密着性が高まってより好適なものとなる。
【0017】その後、透明保護膜5の上に、オンチップ
レンズを形成するための感光液を数μm程度塗布し、こ
れを加熱したのち、マスク合わせと露光,現像により、
必要な部分にオンチップレンズ材料による平坦化膜6を
形成する。この場合においても、平坦化膜6の形成に先
立って、透明保護膜5の上に、例えば上記同様にSi0
2 、TiON、Al2 3 等からなる極薄の密着層(不
図示)を形成し、その上にオンチップレンズ材料からな
る平坦化膜6を形成するようにすれば、平坦化膜6に対
する透明保護膜5の密着性が高まってより好適なものと
なる。次いで、オンチップレンズ材料による平坦化膜6
の上に、ポジ型のレジストを塗布し、これを露光,現像
することにより、各画素に対応するレンズ形成位置に台
形状にレジストを残す。その後、加熱によってレジスト
をフロー変形させることにより、画素上に残したレジス
トをレンズ状に成形する。さらに、RIE装置にて酸素
プラズマによりレジスト上からエッチングを行う。これ
により、レジストのレンズ形状が下地のレンズ材料に転
写され、オンチップレンズ7が形成される。
【0018】なお、ダイヤモンド状炭素からなる透明保
護膜5の成膜法としては、プラズマCVDのプラズマ源
として、DC,RF,マイクロ波,ECRなどを採用す
ることができ、またプラズマCVD法以外にも、例えば
イオンビームスパッタ法、蒸着法、反応性スパッタリン
グ法、イオンプレーディング法などを採用することがで
きる。
【0019】上記構成からなる第1実施形態の光学デバ
イスにおいては、カラーフィルター層4の層上に、炭素
を主成分とする透明保護膜5を有した構成となっている
ため、カラーフィルター層4への水分透過量及び酸素透
過量が透明保護膜5によって大幅に減じられる。これに
より、カラーフィルター層4では水分や酸素による染料
の褪色が軽減されるため、長期保存等におけるカラーフ
ィルター層4の特性劣化を効果的に防止することが可能
となる。また、きわめて透明度の高いダイヤモンド状炭
素によって透明保護膜5を構成することにより、現行品
と分光特性を変えることなく、光学デバイスの耐湿性及
び耐候性を向上させることができる。
【0020】なお、上記第1実施形態においては、単層
タイプのカラーフィルター層4を有する光学デバイスを
例に挙げて説明したが、これ以外にも、例えば図2に示
すように、積層タイプのカラーフィルター層4を有する
光学デバイスにも適用することができる。すなわち、図
2においては、単色のフィルター4a,4b上にそれぞ
れ透明保護膜5を形成するとともに、互いの積層部分で
双方の色を合わせて多色のカラーフィルター層4を形成
している。この場合は、単色のフィルター4a,4bの
層間に透明保護膜5が介在するため、水分透過防止効果
や酸素透過防止効果に加えて、染料相互の混色を防止す
る効果も得られる。ちなみに、カラーフィルター層4の
上に透明保護膜5を形成するにあたっては、各色フィル
ター4a,4b,4cの全てに対して形成しなくても、
特に耐湿劣化、耐候劣化の激しいフィルター上にのみ形
成したり、或いは染料相互で混色が起こり得るフィルタ
ー層間にのみ形成するようにしてもよい。
【0021】また、上記第1実施形態においては、カラ
ーフィルター層4の上に直に透明保護膜5を形成するよ
うにしたが、これ以外にも、例えば図3に示すように、
カラーフィルター層4の上にオンチップレンズ7を形成
したのち、プラズマCVD法により透明保護膜5を成膜
することで、カラーフィルター層4上のオンチップレン
ズ7の最表面に透明保護膜5を形成したものであっても
よい。この場合は、オンチップレンズ7の最表面で、そ
こに形成された透明保護膜5により水分透過及び酸素透
過が阻止されるため、結果的にカラーフィルター層4へ
の水分透過量及び酸素透過量が減じられ、カラーフィル
ター層4の特性劣化が防止される。また、屈折率1.5
程度のオンチップレンズ材料の上に、屈折率2以上のダ
イヤモンド状炭素からなる透明保護膜5がレンズ状に積
層形成されることから、オンチップレンズ7の集光効率
が向上するといった効果も得られる。
【0022】さらに、図4に示すように、カラーフィル
ター層4の表面と、その上に位置するオンチップレンズ
7の最表面の双方に、それぞれ透明保護膜5を形成する
ようにすれば、デバイスそのものの耐湿性,耐候性を一
層向上させることができる。その結果、カラーフィルタ
ー層4での染料の褪色に起因したフィルター特性の劣劣
化をより効果的に防止することが可能となる。
【0023】加えて、上記第1実施形態においては、光
学素子のベースとなるシリコン基板1上に平坦化膜3を
介してカラーフィルター層4を形成してなるデバイス構
造について説明したが、本発明に係る光学デバイスはこ
れに限定されるものではなく、カラーフィルター層4に
代えて、光学素子上に白黒フィルターからなるフィルタ
ー層を形成したものであってもよい。
【0024】続いて、本発明に係わる光学デバイスの第
2実施形態について図5を参照しつつ説明する。図5に
おいては、セラミックスや樹脂等からなるパッケージ本
体11に、光学素子としての固体撮像素子12が実装さ
れている。固体撮像素子12の受光面側(素子上面)に
は、その周縁部に沿って複数のアルミ電極部(不図示)
が形成されている。これに対して、固体撮像素子12の
周辺にはインナーリード13が配置され、このインナー
リード13と固体撮像素子12のアルミ電極部とが金線
等のワイヤ(導電体)14によって電気的に接続されて
いる。また、パッケージ本体11の側面からは、上記イ
ンナーリード13に導通するアウターリード15が下方
に向けて延出している。
【0025】ここで本第2実施形態においては、上記ア
ルミ電極部の形成領域を含む固体撮像素子12の最表面
に、炭素を主成分とする透明保護膜16が形成されてい
る。この透明保護膜16は、先の第1実施形態と同様に
ダイヤモンド状炭素から成るもので、固体撮像素子12
の上面からパッケージ本体11の凹部底面にわたって形
成されている。さらに、パッケージ本体11の凹部内に
はシリコーン樹脂等の透明樹脂17が充填され、この透
明樹脂17によって固体撮像素子12が封止されてい
る。
【0026】上記構成からなる光学デバイスの製造にあ
たっては、予め所定の形状に成形されたパッケージ本体
11の凹部底面にダイボンディング装置によって固体撮
像素子12をダイボンドする。次に、ワイヤボンディン
グ装置を用いて、固体撮像素子12のアルミ電極部とイ
ンナーリード13とをワイヤ14により接続する。続い
て、インナーリード13をマスクで遮蔽しつつ、固体撮
像素子12の上面及びパッケージ本体11の凹部底面
に、プラズマCVD法等によりダイヤモンド状炭素から
なる透明保護膜16を成膜する。この場合、透明保護膜
16の膜厚としては、固体撮像素子12の光学的な特性
に悪影響を与えない程度、すなわち100〜200nm
程度の薄膜で十分な水分透過防止効果及び酸素透過防止
効果を得ることができる。最後は、パッケージ本体11
の凹部内にシリコーン樹脂等の透明樹脂17を注入し、
これを加熱硬化させることにより、図5に示す光学デバ
イスが得られる。
【0027】上記構成からなる光学デバイスにおいて
は、アルミ電極部の形成領域を含む固体撮像素子12の
最表面に、炭素を主成分とすう透明保護膜16を有した
構成となっているため、アルミ電極部への水分透過量及
び酸素透過量が透明保護膜16によって大幅に減じられ
る。これにより、アルミ電極部へのイオン種の接近が制
限されるため、酸化物あるいは水酸化物の生成に伴うア
ルミ電極部の腐食速度を低減することができる。また、
固体撮像素子12がその受光面(上面)側にカラーフィ
ルター又は白黒フィルターからなるフィルター層を有す
る場合は、そのフィルター層への水分透過量及び酸素透
過量も透明保護膜16によって減じられるため、フィル
ター層の特性劣化についても効果的に防止することがで
きる。
【0028】ところで、固体撮像素子等の光学素子をシ
リコーン樹脂からなる透明樹脂にて封止した光学デバイ
スでは、透明樹脂表面の粘着性が高いため、デバイスの
保存に際して樹脂表面にダストが付着しやすいという欠
点がある。そこで本第2実施形態の変形例として、図6
に示す光学デバイスでは、パッケージ本体11に実装し
た固体撮像素子12を透明樹脂17にて封止したうえ
で、透明樹脂17の最表面に上記同様の透明保護膜16
を形成している。
【0029】この図6に示すデバイス構成では、透明樹
脂17の最表面がそれよりも格段に硬度の高い透明保護
膜16で覆われるため、従来のように透明樹脂を露出さ
せたデバイス構成に比べて、透明樹脂17上へのダスト
の付着量を大幅に減少させることができる。また、透明
保護膜16が水分透過防止機能をもつことから、透明樹
脂バルクへの水分の浸入量を低減することもできる。
【0030】さらに第2実施形態の応用例として、図7
に示すように、パッケージ本体11に実装した固体撮像
素子12の最表面(アルミ電極部の形成領域を含む)
と、これを封止する透明樹脂17の最表面とにそれぞれ
透明保護膜16を形成するようにすれば、透明樹脂バル
クへの水分の浸入を低減させる効果も加算されるため、
固体撮像素子12上のフィルター層やアルミ電極部の双
方に対して、より一層耐湿性に優れた光学デバイスを提
供することができる。
【0031】次に、本第2実施形態での他の応用例につ
いて図8及び図9を参照しつつ説明する。先ず、図8に
示す光学デバイスでは、図5と同様にアルミ電極部の形
成領域を含む固体撮像素子12の最表面に、ダイヤモン
ド状炭素等からなる透明保護膜16を形成し、この透明
保護膜16により固体撮像素子12を封止したことで、
透明樹脂を排除している。
【0032】この図8に示すデバイス構成を採用すれ
ば、樹脂封止を行う際の、樹脂の注入と加熱硬化の2工
程が不要になり、プラズマCVD法等の乾式法1工程だ
けで、成膜性の良い均質な透明保護膜16にて固体撮像
素子12を封止することができる。そのうえ、固体撮像
素子12の樹脂封止でネックとなる、樹脂の硬度ムラ等
による画像欠陥を回避できることから、高品質な光学デ
バイスを簡単に得ることができる。さらに、オンチップ
レンズを備えた固体撮像素子12では、これを透明樹脂
にて封止した場合、レンズ材料と屈折率に殆ど差がない
透明樹脂によってオンチップレンズのギャップが埋め込
まれてしまうため、オンチップレンズによる効果(感度
アップ)が得られなくなる。しかし、図8に示すデバイ
ス構成では、オンチップレンズ上に100〜200nm
程度の薄い透明保護膜16しか存在しないため、樹脂封
止のようにレンズ形状が損なわれることがなく、よって
オンチップレンズの効果を十分に得ることができる。
【0033】ところで、図8に示すデバイス構成では、
固体撮像素子12とインナーリード13とを電気的に接
続するワイヤ14が露出していることから、デバイス実
装時に、ワイヤ間でのショートやワイヤの断線不良を招
くことも懸念される。そこで、図9に示す光学デバイス
においては、固体撮像素子12の最表面に透明保護膜1
6を形成したうえで、ワイヤ14をポッティング樹脂1
8により封止するようにしている。これにより、ワイヤ
14がポッティング樹脂18によって外部から保護され
るため、上述のような配線不良を招く心配がなくなる。
【0034】なお、上記第2実施形態では、いずれもパ
ッケージ本体11に光学素子(固体撮像素子)12を実
装したものについて説明したが、これ以外にも、例えば
光学素子をガラスエポキシ等のベース基板に実装し、ワ
イヤボンディングによる電気的な接続を行ったうえで、
光学素子を封止してなる光学デバイスに対しても適用す
ることができる。
【0035】さらに、上述したデバイス形態以外にも、
例えば図10に示すように、固体撮像素子21のアルミ
電極部にバンプ(突起電極)22を介してリード23を
接合するとともに、この接合部を高粘度の有色樹脂24
にて封止し、その有色樹脂24を樹脂ダムとして固体撮
像素子21の受光領域を低粘度の透明樹脂25にて封止
してなるTAB(Tape Automated Bonding)技術を利用し
た光学デバイスに対しても適用することができる。以下
に、その具体的な適用例を本発明の第3実施形態として
説明する。
【0036】先ず、図11に示す光学デバイスでは、固
体撮像素子21に形成されたアルミ電極部(不図示)に
バンプ22を介してリード(導電体)23が接合されて
いる。また、アルミ電極部の形成領域を含めた固体撮像
素子21の最表面には、ダイヤモンド状炭素等からなる
透明保護膜26が形成されている。さらに、固体撮像素
子21とリード23との接合部は有色樹脂24により封
止され、この有色樹脂24を樹脂ダムとして透明保護膜
26の上に透明樹脂25が積層されている。
【0037】この図11に示す光学デバイスの製造にあ
たっては、最初に固体撮像素子21単体でマスクにより
リード23との接合部を遮蔽し、この状態で固体撮像素
子21の最表面に、プラズマCVD法等によりダイヤモ
ンド状炭素等からなる透明保護膜26を形成する。一
方、TABテープ側には固体撮像素子21の電極配列に
対応したリードパターンを形成し、そのリード先端にバ
ンプ22を形成しておく。次に、固体撮像素子21とT
ABテープとを位置合わせしつつ、加熱圧着と超音波を
併用したILB装置により、固体撮像素子21のアルミ
電極部にバンプ22を介してリード23を接合する。な
お、バンプ22については、固体撮像素子21のアルミ
電極部に形成しておいてもよい。続いて、固体撮像素子
21とリード23との接合部に高粘度の有色樹脂24を
供給する。有色樹脂24としては、余分な反射光が固体
撮像素子21の受光領域に入射しないよう、黒色の樹脂
を用いるのがよい。その後、有色樹脂24を樹脂ダムと
して、固体撮像素子21の上に低粘度の透明樹脂25を
注入し、これを加熱硬化させると、図11に示す光学デ
バイスが得られる。
【0038】これに対して、図12に示す光学デバイス
では、固体撮像素子21を封止する透明樹脂25の最表
面に、ダイヤモンド状炭素等からなる透明保護膜26が
形成された構成となっている。この場合、固体撮像素子
21と透明樹脂25の間にも透明保護膜26を形成する
ようにしてもよい。さらに、図13に示す光学デバイス
では、図11の場合と同様に固体撮像素子21の最表面
に透明保護膜26を形成したうえで、透明樹脂25を排
除した構成となっている。
【0039】一方、図14(a)〜(C)に示す光学デ
バイスでは、固体撮像素子21のアルミ電極部に異方性
導電膜27を介してフィルム配線28を接合した構成を
採用している。フィルム配線28は、ベースフィルム2
8aの片面に銅等の配線層(導電体)28bを有するも
ので、この配線層28bを下向きにして固体撮像素子2
1に電気的に接合されている。なお、図14(a)には
固体撮像素子21の最表面に透明保護膜26を形成した
デバイス構成、図14(b)には透明樹脂25の最表面
に透明保護膜26を形成したデバイス構成、そして図1
4(c)には固体撮像素子21の最表面に透明保護膜2
6を形成し、透明樹脂25を排除したデバイス構成を例
示している。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、光学素子上に形成され
たフィルター層の層上に、炭素を主成分とする透明保護
膜を有した構成となっているため、フィルター層への水
分透過量及び酸素透過量が透明保護膜によって減じられ
る。これにより、フィルター層での水分や酸素による特
性劣化が軽減され、特に、カラーフィルターの場合には
染料の褪色によるフィルター特性の劣化を効果的に防止
することができる。その結果、フィルターの分光特性を
現行品と変えることなく、耐湿性,耐候性に優れた光学
デバイス(固体撮像デバイス、液晶表示デバイス等)を
提供することが可能となる。
【0041】また本発明によれば、アルミ電極部の形成
領域を含む光学素子の最表面に、炭素を主成分とする透
明保護膜を有した構成となっているため、アルミ電極部
への水分透過量及び酸素透過量が透明保護膜によって減
じられる。これにより、アルミ電極部の腐食を抑えるこ
とができる。また、光学素子上にカラーフィルター又は
白黒フィルターからなるフィルター層が形成されている
場合には、そのフィルター層への水分透過量及び酸素透
過量についても透明保護膜により減じることができるた
め、フィルター特性の劣化を防止することも可能とな
る。その結果、フィルターの分光特性を現行品と変える
ことなく、耐湿性,耐候性に優れた光学デバイスを提供
することが可能となる。
【0042】さらに本発明によれば、光学素子を封止す
る透明樹脂の最表面に、炭素を主成分とする透明保護膜
を有した構成となっているため、保存中における透明樹
脂上へのダストの付着量を低減することができる。ま
た、透明保護膜の水分透過防止機能により、透明樹脂バ
ルクへの水分の浸入も低減できることから、光学デバイ
スの耐湿性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる光学デバイスの第1実施形態を
示す要部断面図である。
【図2】第1実施形態の変形例を示す要部断面図であ
る。
【図3】第1実施形態の他の変形例を示す要部断面図で
ある。
【図4】第1実施形態の応用例を示す要部断面図であ
る。
【図5】本発明に係わる光学デバイスの第2実施形態を
示す側断面図である。
【図6】第2実施形態の変形例を示す側断面図である。
【図7】第2実施形態の応用例を示す側断面図である。
【図8】第2実施形態の他の応用例を示す側断面図(そ
の1)である。
【図9】第2実施形態の他の応用例を示す側断面図(そ
の2)である。
【図10】TAB技術を利用した光学デバイスの構成例
を示す側断面図である。
【図11】本発明に係わる光学デバイスの第3実施形態
を示す側断面図である。
【図12】第3実施形態の変形例を示す側断面図であ
る。
【図13】第3実施形態の応用例を示す側断面図であ
る。
【図14】他の電気的接合手段を用いた第3実施形態の
説明図である。
【図15】従来技術の説明図(その1)である。
【図16】従来技術の説明図(その2)である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 受光部 4 カラーフィル
ター層 5 透明保護膜 6 平坦化膜 7 オンチップレ
ンズ 11 パッケージ本体 12 固体撮像素子(光学素
子) 14 ワイヤ(導電体) 16 透明保護膜 17
透明樹脂 21 固体撮像素子(光学素子) 23 リード(導
電体) 25 透明樹脂 26 透明保護膜

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学素子上にカラーフィルター又は白黒
    フィルターからなるフィルター層を形成してなる光学デ
    バイスにおいて、 前記フィルター層の層上に、炭素を主成分とする透明保
    護膜を有することを特徴とする光学デバイス。
  2. 【請求項2】 前記透明保護膜がダイヤモンド状炭素か
    ら成ることを特徴とする請求項1記載の光学デバイス。
  3. 【請求項3】 前記フィルター層と前記透明保護膜との
    間に、両者の密着性を高めるための密着層を形成してな
    ることを特徴とする請求項1記載の光学デバイス。
  4. 【請求項4】 前記フィルター層の層上に、前記透明保
    護膜とオンチップレンズ材料からなる平坦化膜とを順次
    積層してなる請求項1記載の光学デバイスであって、 前記透明保護膜と前記平坦化膜との間に、両者の密着性
    を高めるための密着層を形成してなることを特徴とする
    光学デバイス。
  5. 【請求項5】 光学素子に形成されたアルミ電極部に外
    部との電気的接続のための導電体を接合してなる光学デ
    バイスにおいて、 前記アルミ電極部の形成領域を含む前記光学素子の最表
    面に、炭素を主成分とする透明保護膜を有することを特
    徴とする光学デバイス。
  6. 【請求項6】 前記透明保護膜がダイヤモンド状炭素か
    ら成ることを特徴とする請求項5記載の光学デバイス。
  7. 【請求項7】 光学素子を透明樹脂にて封止してなる光
    学デバイスにおいて、 前記透明樹脂の最表面に、炭素を主成分とする透明保護
    膜を有することを特徴とする光学デバイス。
  8. 【請求項8】 前記透明保護膜がダイヤモンド状炭素か
    ら成ることを特徴とする請求項7記載の光学デバイス。
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