JPH09229623A - 飛行物体の位置測定装置及び位置測定方法 - Google Patents

飛行物体の位置測定装置及び位置測定方法

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JPH09229623A
JPH09229623A JP6202896A JP6202896A JPH09229623A JP H09229623 A JPH09229623 A JP H09229623A JP 6202896 A JP6202896 A JP 6202896A JP 6202896 A JP6202896 A JP 6202896A JP H09229623 A JPH09229623 A JP H09229623A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正確かつ簡単に飛行物体の位置を検出するこ
とができる飛行物体の位置測定装置及び位置測定方法の
提供にある。 【解決手段】 投光手段1から幕状光Lを投光し、この
幕状光Lを飛行物体2が通過する際に生じる反射光を、
画像取込手段3にて画像として取り込む。この画像に基
づいて所定方向に対する飛行物体2の方向の角度を角度
算出手段にて算出する。幕状光Lと飛行物体2の画像取
り込み位置との位置関係及び角度算出手段にて算出され
た角度から飛行物体2が幕状光Lを通過する際の飛行物
体2の位置を、位置算出手段にて算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフボール、テ
ニスボール等の飛行物体の位置測定装置及び位置測定方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ゴルフボール開発等において
は、ボール(飛行物体)の飛び(軌道)を把握すること
は非常に重要なことである。ところで、ボールの飛びは
打撃直後のボールの飛び出し条件(速度、スピン量、方
向)に大きく依存することから、従来から打撃直後のボ
ールの飛び出し条件の計測が行われてきた。
【0003】しかしながら、ボールの飛びはボールの空
力特性によっても大きく変わり、同じ飛び出し条件であ
っても飛行軌跡が大きく変わることは良く知られたとこ
ろである。なお、ボールがゴルフボールでは、この空力
特性は主としてディンプルに依存している。
【0004】しかして、設計したボールがどのような軌
跡を描いて飛ぶのかを定量的に評価することが重要であ
り、ボールの軌跡の計測は、軌跡がクラブによって異な
る、スウィング条件によっても異なる、ボールによって
も異なるなど、極めて不確定なものであり、かつ、飛行
距離が 200ヤードを越えるなど広範囲なこともあって、
非常に困難なことである。
【0005】従来、このようなボール軌跡の計測には、
例えば、複数のカメラを用いたステレオ画像撮影等の手
法が用いられてきた。即ち、同期させた複数のカメラに
よるボール軌跡の撮影映像から、各時刻のボールの位置
を三角測量の手法によって決定するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この種の測定法は、計
測対象物と各カメラの位置関係が重要で、カメラ間の距
離が測定対象物とカメラ間の距離に比べて短か過ぎると
測定精度が悪くなることから、飛行距離が 200ヤードを
越えるなど広範囲なゴルフボールの軌跡を計測する場
合、カメラ数が増加することになる。従って、遠距離か
らの映像信号の伝達などもあって、コストが高いという
欠点がある。また、位置計測のために計測領域での位置
校正が必要であるが、計測領域が広範囲であることもあ
って、非常に困難である。そこで、本発明は、正確かつ
簡単に飛行物体の位置を検出することができる飛行物体
の位置測定装置及び位置測定方法を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係る飛行物体の位置測定装置は、幕状光
を投光する投光手段と、飛行物体が該幕状光を通過する
際に生じる反射光を画像として取り込む画像取込手段
と、該画像取込手段の画像に基づいて所定方向に対する
上記飛行物体の方向の角度を算出する角度算出手段と、
上記幕状光と上記飛行物体の画像取り込み位置との位置
関係及び上記角度算出手段にて得られた角度から該飛行
物体が幕状光を通過する際の該飛行物体の位置を算出す
る位置算出手段と、を備えたものである。
【0008】この際、幕状光が成す面が、地面に対して
垂直であるようにするも、上記画像取込手段が、上記飛
行物体の飛び出し時のトリガ信号を基準として該飛行物
体の上記幕状光を通過する時刻を計測するようにするも
好ましく、また、上記投光手段が所定間隔に複数個配置
されるも好ましく、さらに、上記画像取込手段が、上記
投光手段による幕状光と上記飛行物体の軌跡とが略交わ
ると想定される方向に視野中心を向けるものとするのが
好ましい。
【0009】また、本発明に係る飛行物体の位置測定方
法は、飛行物体が通過する幕状光を投光し、該飛行物体
が幕状光を通過する際に生じる反射光を画像として取り
込み、該画像に基づいて所定方向に対する上記飛行物体
の方向の角度を算出し、その後、上記幕状光と飛行物体
の画像取り込み位置との位置関係及び算出された上記角
度から飛行物体が幕状光を通過する際の該飛行物体の位
置を算出するものである。この際、幕状光が成す面が、
地面に対して垂直であるのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳説する。
【0011】図1は本発明に係る飛行物体の位置測定装
置の概略図を示し、図2は簡略ブロック図を示し、この
装置は、幕状光Lを投光する投光手段1と、飛行物体2
(例えば、ゴルフボールやテニスボール等)がこの幕状
光Lを通過する際に生じる反射光を画像として取り込む
画像取込手段3と、該画像取込手段3の画像に基づいて
所定方向に対する飛行物体の方向の角度を算出する角度
算出手段4と、幕状光Lと飛行物体2の画像P(図5と
図6参照)取り込み位置との位置関係及び角度算出手段
4にて得られた角度から飛行物体2が幕状光Lを通過す
る際の飛行物体2の位置を算出する位置算出手段5と、
を備える。なお、幕状光Lとしては、この実施の形態に
おいては、設定容易となるように、鉛直方向に向けて投
光されるものである。即ち、幕状光Lが成す面が、地面
に対して垂直となっている。
【0012】しかして、投光手段1としては、幕状光L
を下方から鉛直上方に投光するものであって、例えば、
図3と図4の(イ)に示すように、第1・第2スリット
6,7を有する箱体8と、該箱体8に内装される複数個
のライト(例えば、スポットタイプのライト)9…と、
を備えた投光機12が使用される。各ライト9…の照明光
が第1・第2スリット6,7を介して上方へ照射され、
図1に示すような幕状光Lとなる。なお、この場合、投
光機12のライト9の数は自由に変更することができ、要
は、幕状光Lが照射されるものであればよい。
【0013】この場合、箱体8は、一対の支持板13,13
を備えた支持枠体14に水平軸心L1廻りに揺動可能とさ
れている。即ち、ライト9…は箱体8と一体として可動
するように設定され、ライト9はその自重により光軸が
常に鉛直方向に向くように設定されている。
【0014】また、画像取込手段3としては、例えば、
単位時間毎に画像Pを記録するビデオカメラやCCDカ
メラ等が用いられる。このビデオカメラやCCDカメラ
を用いれば、飛行物体2を打ち出し時のトリガ信号を基
準として幕状光Lを通過する時刻が計測できる。また、
特に、CCDカメラの場合、デジタル信号としてコンピ
ュータに取り込み易く、映像から角度を得る処理が容易
となる利点がある。
【0015】しかして、上述の投光手段1は、図1に示
すように、一の水平方向をX軸とし、これに直交する水
平方向をY軸とし、さらに、X軸とY軸とが交わる交点
Oを通る鉛直方向をZ軸とした場合において、幕状光L
を、YZ平面に平行であってかつZ軸の正方向に照射す
るものである。
【0016】また、X軸上の飛行物体(ボール)2の打
ち出し位置に、ボール2の軌跡Kと幕状光Lを含む平面
が交わると想定される方向に視野が向くように、画像取
込手段3(例えば、CCDカメラ等)を設置する。
【0017】次に、角度算出手段4とは、所定方向、つ
まり、設定した方向(例えば、X軸方向)に対する画像
Pの位置の角度校正をすることにより、飛行物体2の方
向の角度を算出するものである。例えば、図1のCCD
カメラ(画像取込手段3)から投光機12までの所定距離
と同一の距離の位置に、校正用の目印を設置し、幾何学
的な位置関係から画像上の位置と角度を校正したり、計
測場の風景(建物や電柱など位置関係が明確に測定でき
るもの)を目印に校正したりすることによって行うこと
ができる。
【0018】ところで、画像取込手段3を構成するCC
Dカメラ等の画角(映像を捕られる範囲、視野)は、大
きくとるとカメラを固定した状態で使用できるが、角度
の分解能が低下する。このため、カメラ取り付け台に、
例えば、上下左右方向の角度を任意に設定できるよう
に、ロータリーエンコーダなどの視野中心の向きを算出
できる装置を付設するのが好ましい。即ち、所望の方向
にカメラの向きを設定することで、視野を小さくとるこ
とができ、角度の分解能を向上させることができる。
【0019】しかして、幕状光Lの位置は既知であり、
幕状光Lを通過する際に生じる反射光のXY平面からの
角度及びXZ平面からの角度が計測により既知であるの
で、これらのデータから、幾何学的関係より上記位置算
出手段5がボール2の位置を算出する。
【0020】ところで、上述の投光機12の箱体8として
は、図4の(ロ)に示すように、前壁と後壁とが比較的
間隔を狭くして、その上方開口部10から幕状光Lが照射
されるようなものであっても、図4の(ハ)に示すよう
に、(図4の(イ)に示すような第1・第2スリット
6,7を設けることなく)一段のスリット11を設けたも
のであってもよい。
【0021】また、投光手段1としては、図1では、1
つであるが、X軸に沿って所定間隔に複数個配置しても
よい。即ち、投光手段1を増加させることにより、飛行
物体(ボール)2のデータが多くなり、一層詳しくボー
ルの軌跡を検出することができる。
【0022】さらに、ボール2が幕状光Lを通過する際
に生じる反射光と、背景の明るさとに大きな差がある方
がボール2の通過位置を認識し易いので、周囲が暗い状
態で計測することが好ましく、特に夜間に計測するのが
好ましいが、これに限るものではない。また、本計測に
利用する光としては、可視光に限らず、赤外光とするこ
とも可能である。ところで、幕状光Lとしては、鉛直方
向に向けて投光されるものに限らず、水平方向に向けて
投光しても、鉛直方向に対して所定の角度(例えば10度
等)に傾けて投光されるものであってもよい。なお、水
平方向に向けて投光した場合、テニスボールが計測しや
すい。
【0023】
【実施例】以下、実施例を示す。投光手段1としては、
図3に示すように、箱体8に、複数のライト(この場
合、自動車用の12V/85Wのスポットタイプのライト)
9…を内有した投光機12を使用する。この場合、ライト
9は10個有し、また、ライト9…の間隔としては 400mm
とすると共に、第1スリット6はライト9の上方 500mm
の位置に配置し、第2スリット7はライト9の上方 700
mmの位置に配置する。さらに、各第1・第2スリット
6,7の幅寸法W(図4の(イ)参照)を 300mmとし
た。
【0024】また、画像取込手段3としては、CCDカ
メラと、その映像を記録するためのメモリーボード及び
ビデオ画像を表示するモニターを有するビデオシステム
を用い、ある時間間隔で動作させることによりボール2
の反射光を映像として捕らえた。
【0025】また、ビデオシステムの動作はゴルフボー
ルの飛び出し時のトリガ信号を基に行わせることで、ビ
デオシステムの映像の時間間隔からゴルフボールが幕状
光Lの中を通過した時刻を求められるようにした。
【0026】そして、設定した方向に対する画像上の位
置関係の角度校正は、建物や電柱等位置関係が明確に測
定できるものを目印に校正した。つまり、基準方向から
上下方向の角度及び左右方向の角度が計測できるように
角度校正した。また、カメラ取り付け台としては、ロー
タリーエンコーダを備えたものを使用し、所望の方向に
カメラの向きを設定した。
【0027】さらに、ボール2としては、ゴルフボール
を使用し、5番アイアンで打ち出されたボールの位置計
測を行った。投光機12は2台使用し、ボールのティーア
ップ位置(点O)から前方(正方向)80ヤードの位置
(X軸上)に一機設置し、さらにティーアップの位置か
ら前方(正方向) 120ヤードの位置(X軸上)に一機設
置した。CCDカメラはティーアップ位置より後方(負
方向)1ヤードの位置に設置した。
【0028】この際、60Hzで動作させたCCDカメラ
は、図5と図6に示すようにボールの映像を捕らえた。
なお、図5と図6は、最もボールの反射光が明瞭に写っ
ている映像を示す。
【0029】そして、画像(CCDカメラ側の投光機
12の幕状光Lを通過した際のボールの画像P)、及び、
画像(他の投光機12の幕状光Lを通過した際のボール
の画像P)におけるボール打ち出し後の時刻と、X軸に
対する水平方向の角度及び鉛直方向の角度を表1に示
す。
【0030】
【表1】
【0031】なお、通過時刻の測定は、(1秒間に例え
ば60回の撮像を行って)ボールを写し出す画面にはフレ
ーム番号が付与されておりこのフレーム番号を数えるこ
とで計測することができ、また、カウンターインポーズ
により時刻表示やフレーム番号を画像に写し込むことに
よっても計測でき、さらには、高速ビデオを用いること
により時間精度を向上させることも可能である。
【0032】そして、これらの水平方向の角度、鉛直方
向の角度等に基づいて、位置算出手段5にてボール2の
位置を算出し、図1に示す座標系におけるX座標、Y座
標、X座標上の位置を表2に示す。例えば、画像から
得られた水平方向の角度左0.74度から次式により通過位
置のY座標が算出される。 Y=(80.0+1.0 )×tan 0.74°≒1.0 ここで、(80.0+1.0 )は投光機とCCDカメラの距離
である。即ち、ボール打ち出し1.95秒後、及びボール打
ち出し3.50秒後に、表2に示す位置にボールが通過した
ことを示している。
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】本発明は上述の如く構成されているの
で、次に記載する効果を奏する。
【0035】 (請求項1記載の飛行物体の位置測定
装置によれば、)正確に飛行物体(ボール)2の位置を
検出することができ、しかも、装置全体のシステムとし
ては簡単であってコスト高とならないと共に、演算方法
としても簡単である。 (請求項2記載の飛行物体の位置測定装置によれ
ば、)幕状光Lの角度設定が容易となる利点がある。 (請求項3記載の飛行物体の位置測定装置によれ
ば、)ボール2が、画像Pとして取り込んだ位置に達す
るまでの時刻を正確に計測することができ、時刻歴の正
確なボール2の軌跡Kを検知することができる。 (請求項4記載の飛行物体の位置測定装置によれ
ば、)多くのデータに基づいてボール2の位置を計測す
ることができ、検知されたボール軌跡がより高精度とな
る。 (請求項5記載の飛行物体の位置測定装置によれ
ば、)ボール2の画像Pを確実に捕らえることができ、
ボール位置の精度が向上する。 (請求項6記載の飛行物体の位置測定方法によれ
ば、)簡単な計測方法で正確にボール2の位置、つま
り、ボール2の軌跡Kを検知することができる。 (請求項7記載の飛行物体の位置測定方法によれ
ば、)幕状光Lの角度設定が容易となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る飛行物体の位置測定装置の概略図
である。
【図2】ブロック図である。
【図3】投光機の斜視図である。
【図4】投光機の要部断面図である。
【図5】画像を示す簡略図である。
【図6】画像を示す簡略図である。
【符号の説明】
1 投光手段 2 飛行物体 3 画像取込手段 4 角度算出手段 5 位置算出手段 K 軌跡 L 幕状光 P 画像

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 幕状光Lを投光する投光手段1と、飛行
    物体2が該幕状光Lを通過する際に生じる反射光を画像
    Pとして取り込む画像取込手段3と、該画像取込手段3
    の画像に基づいて所定方向に対する上記飛行物体2の方
    向の角度を算出する角度算出手段4と、上記幕状光Lと
    上記飛行物体2の画像取り込み位置との位置関係及び上
    記角度算出手段4にて得られた角度から該飛行物体2が
    幕状光Lを通過する際の該飛行物体2の位置を算出する
    位置算出手段5と、を備えたことを特徴とする飛行物体
    の位置測定装置。
  2. 【請求項2】 幕状光Lが成す面が、地面に対して垂直
    である請求項1記載の飛行物体の位置測定装置。
  3. 【請求項3】 上記画像取込手段3が、上記飛行物体2
    の飛び出し時のトリガ信号を基準として該飛行物体2の
    上記幕状光Lを通過する時刻を計測する請求項1記載の
    飛行物体の位置測定装置。
  4. 【請求項4】 上記投光手段1が所定間隔に複数個配置
    された請求項1記載の飛行物体の位置測定装置。
  5. 【請求項5】 上記画像取込手段3が、上記投光手段1
    による幕状光Lと上記飛行物体2の軌跡Kとが略交わる
    と想定される方向に視野中心を向ける請求項1記載の飛
    行物体の位置測定装置。
  6. 【請求項6】 飛行物体2が通過する幕状光Lを投光
    し、該飛行物体2が幕状光Lを通過する際に生じる反射
    光を画像Pとして取り込み、該画像Pに基づいて所定方
    向に対する上記飛行物体2の方向の角度を算出し、その
    後、上記幕状光Lと飛行物体2の画像取り込み位置との
    位置関係及び算出された上記角度から飛行物体2が幕状
    光Lを通過する際の該飛行物体2の位置を算出すること
    を特徴とする飛行物体の位置測定方法。
  7. 【請求項7】 幕状光Lが成す面が、地面に対して垂直
    である請求項6記載の飛行物体の位置測定方法。
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