JPH09229587A - 半導体処理液用冷却加熱装置 - Google Patents

半導体処理液用冷却加熱装置

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JPH09229587A
JPH09229587A JP3205996A JP3205996A JPH09229587A JP H09229587 A JPH09229587 A JP H09229587A JP 3205996 A JP3205996 A JP 3205996A JP 3205996 A JP3205996 A JP 3205996A JP H09229587 A JPH09229587 A JP H09229587A
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Isakata Mori
勇鋼 森
Teishi Kimura
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価で、気密性が高く、有害不純物成分を含
まずまたパーティクルを生じることなく、信頼性の高い
半導体処理液用冷却加熱装置を提供する。 【構成】 本発明の第1の特徴は、熱交換基板が、少な
くとも処理液接触面側をアモルファスカーボン層で被覆
してなるグラファイト基材で構成されていることにあ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体処理液用冷却加
熱装置に係り、特に、腐食性薬液等の温度制御に用いら
れる恒温装置の冷却加熱部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体処理液に用いられる冷却加熱装置
は、熱交換基板に処理液を接触せしめ、この熱交換基板
を介して処理液を冷却または加熱するように構成されて
いる。
【0003】半導体処理液のような強腐食性薬液を用い
る場合は、液温によって反応速度が大幅に変化するのみ
ならず、微細な素子形成に用いられるため、わずかな不
純物の混入も、素子特性に大きな影響を与えることにな
る。このため、常に、液温の制御には綿密な注意を払う
必要があり、熱交換基板材料としては半導体処理液に対
する耐性の高い高純度の材料を用いる必要がある。
【0004】従来、このような半導体処理液の冷却加熱
装置としては処理液接触面にフッ素樹脂被覆を施したス
テンレス鋼製の板を使用していたが、上記被覆には微細
な孔が存在し、かつ樹脂自体が気体を透過させる性質を
もつため、わずかではあるが上記被覆を介して処理液お
よびそのガスが浸透し、その結果次に示すようないろい
ろな不都合が生じていた。
【0005】すなわち、ステンレス鋼に到達した処理液
およびそのガスがステンレス鋼と反応して新たにガスを
発生し、この反応によって生じたガスがフッ素樹脂被膜
を押し上げることによって空間が形成される。この空間
が加熱冷却効率を低下させ、さらにはガス圧によって被
膜に亀裂が生じ、このため処理液がステンレス鋼に直接
接触し、処理液とステンレス鋼との反応によって発生し
た多量の金属イオンが処理液中に混入するという問題が
あった。
【0006】そこで本発明者は、熱交換基板の、少なく
とも半導体処理液接触面側を高純度炭化硅素セラミック
スで構成した半導体処理液の冷却加熱装置を提案してい
る(実公平1−32362号公報)。
【0007】この炭化硅素セラミックスは半導体処理液
等の薬品に対して優れた耐性を持ち、万一、僅かに反応
したとしても、炭化硅素の成分がシリコンと炭素である
ことからそれらが半導体にとって有害なイオンとなるこ
とはない。
【0008】しかしながら、セラミックスには成形時に
バインダーが用いられているため、僅かながらバインダ
ー中の一部の成分が不純物として含まれることはやむを
得ない。そのため、ごく微量ではあるが、これが半導体
処理液中に溶出するという心配は避けられない。
【0009】さらにまた、冷却加熱部の少なくとも処理
液接触面側をCVD法(化学的蒸着法)で形成した炭化
硅素膜、すなわちCVD炭化硅素膜で被覆するようにし
た冷却加熱装置も提案している(特願平3−33128
号)。
【0010】また、スパッタリング法などのPVD法で
形成した炭化硅素膜で被覆するものも提案している(特
願平5−79759号)。
【0011】これらの炭化硅素膜で被覆する構造によれ
ば、基板材質として使用できる材料が、炭化硅素セラミ
ックに限定されることなく、従って加工性が容易となる
という利点がある。また、CVD炭化硅素膜は不純物の
原因となるバインダーも使用しておらず、高純度であっ
て極めて耐性が高く、特に、CVD炭化硅素膜は、半導
体処理液で有害なアルカリ金属・重金属不純物含有率を
5ppm以下にすることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記C
VD法を用いた場合、ピンホールのないCVD炭化硅素
膜を形成しようとすると、膜厚を大きくしなければなら
ず、形成に多大な時間を要することになる。また、形成
時間を短縮しようとすると基板温度を上げるなどの方法
をとることになり、膜の表面が粗くなるなど、膜質が低
下するという問題がある。この膜表面の粗さは、Oリン
グを用いて気密シールを行うため、粗いと気密性が低下
し、液もれが生じるなど、大きな問題となる。そこで従
来は、CVD炭化硅素膜を形成した後、鏡面加工を行う
という方法がとられているが、これはコストアップの一
因になるとともに加工による表面の汚染を免れ得ないと
いう問題があった。
【0013】本発明は、前記実情に鑑みてなされたもの
で、安価で、有害不純物成分を含まず加工性が容易でパ
ーティクルを生じず、信頼性の高い半導体処理液用冷却
加熱装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで本発明の第1の特
徴は、熱交換基板に半導体処理液を接触せしめて冷却ま
たは加熱するように構成された半導体処理液用冷却加熱
装置において、前記熱交換基板が、少なくとも処理液接
触面側がアモルファスカーボン層で被覆されたグラファ
イト基材で構成されていることにある。
【0015】望ましくは、このアモルファスカーボン層
は、グラファイト基板表面に熱処理を施すことによって
形成してもよいし、また、グラファイト基板表面に樹脂
膜をコーティングし、これを熱処理することによりアモ
ルファスカーボン層を形成するようにしてもよい。さら
にまたCVD法によりアモルファスカーボン層を形成し
てもよい。
【0016】また本発明の第2の特徴は、前記熱交換基
板が、アモルファスカーボンで構成されていることにあ
る。
【0017】
【作用】上記構成によれば、加工性の容易なグラファイ
ト基板を用いることにより、凹凸部の形成なども容易に
達成できる。また成形されたグラファイト基板表面に熱
処理を施すことによって、アモルファスカーボン層を形
成し、これにより、ピンホールがなく緻密で、良好な鏡
面を得ることができ、薬液やその蒸気を透過することの
ない、信頼性の高いものとなる。また、極めて耐薬品性
が高く、パーティクルを生じないものとなる。なお、こ
のグラファイト基板表面のアモルファスカーボン層は、
熱エネルギー等を加えることにより得られるが、樹脂膜
で被覆した状態で熱処理をおこなえば、より平滑で信頼
性の高いアモルファスカーボン膜を得ることができる。
また、基材表面に気相成長層等により形成してもよい。
【0018】いずれにしても、基材が金属ではなくグラ
ファイトまたはアモルファスカーボンで構成されている
ため、化学薬品による湿式洗浄の他、気相洗浄法によっ
て、いわゆる高純度化処理を施すことができ、極めて高
度の不純物除去を達成することができる。
【0019】また、特にこのようにして不純物除去のな
された基材を使用して形成されたアモルファスカーボン
被膜は、不純物を含まない処理材や炭素基材を使用すれ
ば、半導体処理液で有害なアルカリ金属・重金属不純物
含有率が5ppm以下となるようにすることができ、極
めて高純度にすることができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
つつ詳細に説明する。本発明実施例の冷却加熱装置は図
1および図2に示すように、熱交換基板1,2は、グラ
ファイト基板からなり、半導体処理薬液との反応を防ぐ
ため表面をアモルファスカーボンで被覆したことを特徴
とする。
【0021】すなわちこの冷却加熱装置は、グラファイ
ト基板20からなり、表面をアモルファスカーボン21
で被覆した熱交換基板1,2が、弗素樹脂からなる側部
壁体3を介して対向配置せしめられて冷却加熱室4を形
成し、この冷却加熱室において、処理容器からパイプ等
で導出されてくる例えば半導体処理薬液に対し温度制御
を行うように構成されている。
【0022】さらにこの装置では、サーモモジュール
5,6によって各々冷却又は加熱せしめられるように構
成され、サーモモジュール5,6の放熱側は夫々、冷却
パイプ7,8を介して導入される冷却水によって冷却さ
れる放熱ブロック9,10に接触せしめられている。そ
して、第1の配管11を介して半導体処理薬液を上記冷
却加熱室内に導入すると、冷却加熱室4内で冷却または
加熱された後第2の配管12を介して処理容器に戻され
る。さらに冷却加熱部の周囲は接液表面が弗素樹脂から
なるOリングOによって気密にシールされている。
【0023】なお、この熱交換基板の形成に際しては、
アルカリ金属・重金属含有率が5ppm以下の高純度の
グラファイト基板を所望の形状に加工したのち、表面を
弗化水素ガスと反応させ、金属元素などの不純物(汚染
物)を弗化物として気化させることにより、高純度化
し、樹脂等を塗布した後、所望の温度に加熱した反応装
置内に設置し、熱処理により樹脂中のカーボンをアモル
ファス化し、アモルファスカーボン層を形成する。この
ように樹脂膜を形成した状態で熱処理するようにすれ
ば、基材表面の凹凸に樹脂が含浸せしめられ平滑となっ
た状態でアモルファス化がなされ、より平滑な表面状態
を得ることができる。
【0024】このようにして形成された熱交換基板を用
いた装置では、熱交換基板が処理薬液と接触して不純物
を混入させるようなことも、パーティクルを生じること
もなく、長期間にわたって良好に半導体処理薬液の温度
制御を行うことが可能である。なお、この装置では、半
導体処理液として多用される弗酸、硝酸、リン酸、硫
酸、塩酸など多くの酸に対しても十分な耐性を発揮す
る。
【0025】この熱交換基板は、表面が鏡面に近い状態
となっているため、OリングOによって、気密性が極め
て良好となるようにシールされ、液もれが皆無となる。
【0026】さらに基材として用いるグラファイトに
は、できる限り気孔の少ない高密度なものが望ましく、
特に、表面を緻密化処理したものを用いれば、加工性が
良好で、鏡面加工も容易であり、アモルファスカーボン
層は、5乃至10μm程度の膜厚でかつ、表面反応によ
って形成されるため、この鏡面を良好に維持することが
でき、温度変化等に起因する剥離のおそれもない。
【0027】なお、前記実施例では、グラファイト基板
表面に、樹脂を塗布し、熱処理によるトリートメントを
施し、アモルファスカーボン層を形成したが、熱処理に
よりグラファイト基板そのものをアモルファス化し、ア
モルファスカーボン層を形成してもよいし、気相成長に
よりグラファイト基板表面に、アモルファスカーボン層
を形成しても良い。
【0028】更にまた、前記実施例ではグラファイト基
板表面にアモルファスカーボン層を形成したが、これに
換えて、基材をアモルファスカーボンで形成してもよ
い。例えば図3に示すように、熱交換基板1、2を板厚
1mm乃至3mmのアモルファスカーボン30で構成し
てもよい。この場合は、補強板として熱伝導性の良好な
金属板を併用するようにすればよい。
【0029】また、側部壁体も、表面に同様のアモルフ
ァスカーボン層を形成したグラファイト基板を用いても
よく、その形状についても適宜変形可能である。
【0030】さらにまた、前記実施例では、処理液を冷
却または加熱する手段として、サーモモジュールを用い
るようにしたが、サーモモジュールに換えて他の冷却お
よび加熱手段を用いるようにしてもよいことはいうまで
もない。
【0031】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の半導
体処理液用冷却加熱装置によれば、熱交換基板をグラフ
ァイト基材を所望の形状に加工して形成するとともに、
必要な表面に、アモルファスカーボン層を形成している
ため、加工性が良好で製造が極めて容易である。また、
研磨加工も容易に可能であるため、平滑な平面を容易に
得ることができ高いものとなる。また、緻密な表面を得
ることができ、気体の透過がなく極めて耐薬品性が高
く、さらには極めて高い平坦性を得ることができ、極め
て鏡面に近い状態を得ることができ、Oリングによって
気密性が極めて良好となるようにシールされ、液もれが
皆無となる。さらに、高純度にでき、パーティクルの発
生が無い上、極めて安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の半導体処理液用冷却加熱装置を
示す図。
【図2】同熱交換基板の要部断面図。
【図3】本発明の第2の実施例の熱交換基板の要部断面
図。
【符号の説明】
1 熱交換基板 2 熱交換基板 3 側部壁体 4 冷却加熱室 5 サーモモジュール 6 サーモモジュール 7 冷却パイプ 8 冷却パイプ 9 放熱ブロック 10 放熱ブロック 11 第1の配管 12 第2の配管 O Oリング 20 グラファイト基板 21 アモルファスカーボン層 30 アモルファスカーボン基材 31 金属補強板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱交換基板に半導体処理液を接触せしめ
    て冷却または加熱するように構成された半導体処理液用
    冷却加熱装置において、 前記熱交換基板が、少なくとも処理液接触面側をアモル
    ファスカーボン層で被覆してなるグラファイト基材で構
    成されていることを特徴とする半導体処理液用冷却加熱
    装置。
  2. 【請求項2】 熱交換基板に半導体処理液を接触せしめ
    て冷却または加熱するように構成された半導体処理液用
    冷却加熱装置において、 前記熱交換基板が、アモルファスカーボンで構成されて
    いることを特徴とする半導体処理液用冷却加熱装置。
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