JPH0922880A - ダイヤモンドへの整流電極の形成方法 - Google Patents

ダイヤモンドへの整流電極の形成方法

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JPH0922880A
JPH0922880A JP17244695A JP17244695A JPH0922880A JP H0922880 A JPH0922880 A JP H0922880A JP 17244695 A JP17244695 A JP 17244695A JP 17244695 A JP17244695 A JP 17244695A JP H0922880 A JPH0922880 A JP H0922880A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温環境であっても安定して作動する半導体
ダイヤモンドからなる電子デバイスのダイヤモンドへの
整流電極の形成方法を提供する。 【構成】 先ず、酸素終端したダイヤモンド上に酸素を
ゲッタリングする金属を蒸着して電極を形成する。その
後、300℃以上の温度で1分間以上保持する熱処理を
行う。前記電極用金属は電気陰性度が1.8以下であ
り、例えばMg、Hf又はZrを使用することができ
る。また、前記ダイヤモンドはホウ素をドーピングした
半導体ダイヤモンドであるが、この半導体ダイヤモンド
とアンドープダイヤモンドを積層したものとすることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は整流素子、発光素子、ト
ランジスタ又はセンサ等のダイヤモンドを使用したダイ
ヤモンド半導体電子デバイスを製造する場合に好適のダ
イヤモンドへの整流電極の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンドは、そのバンドギャップが
大きく(5.5eV)、高い絶縁破壊電界強度(107
V/cm)を有する。また、ダイヤモンドは熱伝導率が
従来の半導体材料に比して高いため、高温又は放射線下
等の過酷な使用環境においても動作可能な電子デバイス
としての応用が期待されている。
【0003】電子デバイスとしてダイヤモンドを使用す
る場合には、ダイヤモンド上にオーミック電極及び整流
性電極を再現性よく形成することが重要である。オーミ
ック特性を有する電極を形成することは、イオン注入に
よってダイヤモンドの表面に高濃度のp型半導体層を形
成すること等により可能である。しかし、ダイヤモンド
上に良好な整流特性を有する電極を形成することは困難
であり、如何にしてこのような電極を形成するかが大き
な課題となっている。
【0004】ところで、金属と半導体ダイヤモンドとを
接合(以下、「金属/ダイヤモンド接合」という)する
場合に、ダイヤモンドの表面を化学洗浄によって酸素終
端させておくことにより、金属電極の品種によらず、そ
の金属/ダイヤモンド接合は整流特性を有するものにな
るという報告がある(文献1:Y.Mori,H.Kawarada and
A.Hiraki, Appl.Phys.Lett.58,940(1991))。これは、
ダイヤモンドの表面を酸素終端すると、ダイヤモンドの
表面準位密度が高くなり、フェルミ準位をピニングする
からであると説明されている。
【0005】また、このような酸素終端した半導体ダイ
ヤモンドと金属とを接合する場合には、整流特性を得る
ことはできるものの、金属と半導体との接合における性
能指数であるn値は1を大きく上回り、優れた金属/ダ
イヤモンド接合を形成することができない。そこで、特
性が優れた金属/ダイヤモンド接合を形成するために、
ダイヤモンドの表面を水素終端することが提案されてい
る(文献2:H.Kawarada,M.Aoki,H.Sasaki and Tsugaw
a,Diamond and Related Materials 3,961(1994))。ダ
イヤモンドの表面を水素終端すると、表面準位密度が低
下して、フェルミ準位のピニングが解除されるため、金
属とダイヤモンドとの界面で形成される障壁は、金属の
仕事関数(電気陰性度)に大きく依存するようになる。
この場合に、電気陰性度が小さい金属を使用して金属/
ダイヤモンド接合を形成すると、図1に示すように、n
値は理論値である1に近づき、優れた整流特性を得るこ
とができる。
【0006】なお、n値は、k:ボルツマン定数、T:
絶対温度、q:素電荷、I:電流、V:電圧とし、ln
を自然対数とすると、下記数式1で定義される。
【0007】
【数1】n=(q/kT)・{∂V/∂(lnI)}
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、表面を
水素終端したダイヤモンドではフェルミ準位のピニング
が解除され、理想的な金属/ダイヤモンド整流接合を形
成することができる。しかしながら、ダイヤモンド表面
の水素は、大気中において350〜400℃の温度によ
る熱処理によって、その表面から脱離し、これらの水素
が酸素に置換され、ダイヤモンドの表面は極めて不安定
な状態となる(無機材質研究所研究報告書第80号、第
35頁)。
【0009】現在、ダイヤモンドが最も期待されている
応用分野の一つには、高温環境において動作可能な半導
体デバイスの分野があり、高温での整流接合の形成も必
要であるが、上述したように高温動作と水素終端された
ダイヤモンドとは、350℃付近を境界として両立する
ことができないという難点がある。
【0010】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、高温環境であっても安定して動作可能な電
子デバイスの製造を可能とするダイヤモンドへの整流電
極の形成方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係るダイヤモン
ドへの整流電極の形成方法は、酸素終端したダイヤモン
ド上に酸素をゲッタリングする金属を蒸着した後、30
0℃以上の温度で1分間以上熱処理することを特徴とす
る。
【0012】また、前記ダイヤモンドはホウ素をドーピ
ングした半導体ダイヤモンド、又はアンドープダイヤモ
ンドと半導体ダイヤモンドとを積層したものであること
が好ましい。
【0013】更に、前記金属の電気陰性度が1.8以下
であることが好ましく、そのような金属として、Mg、
Hf又はZrがある。
【0014】
【作用】本発明においては、ダイヤモンドの表面を酸素
終端させて、その上に電極として酸素をゲッタリングす
る金属を蒸着する。酸素終端したダイヤモンドの場合
は、その上に金属を形成すると、この金属/ダイヤモン
ド接合は、厳密には、金属とダイヤモンドとの間に、ダ
イヤモンド表面に吸着した吸着酸素が存在する金属/吸
着酸素/ダイヤモンド接合になる。この吸着酸素は単原
子層程度で存在すると考えられるが、この吸着酸素によ
り、金属と半導体ダイヤモンドとの間の電荷の授受はス
ムーズには起こらない。これは、この吸着酸素が金属電
極の形成時において、金属とダイヤモンドとの間の電荷
の授受を妨害するからである。このため、電気陰性度が
互いに大きく異なる金属を使用しても、一定の障壁が形
成されてしまう。
【0015】一方、ダイヤモンドの表面を水素終端した
場合も、厳密には金属、吸着水素及びダイヤモンドがこ
の順に接合(以下、「金属/吸着水素/ダイヤモンド接
合」という)されるが、この場合には文献2の実験結果
を考察すると、この吸着水素は金属とダイヤモンドとの
間で、電荷の授受の妨げとならず、優れた金属/半導体
ダイヤモンド接合が形成され、金属と半導体との間で生
じる障壁の高さは金属電極の電気陰性度に大きく依存す
る。しかし、この水素終端されたダイヤモンドは前述の
如く高温で不安定であるという欠点がある。
【0016】そこで、本発明では、酸素をゲッタリング
しやすく、酸素との反応性が高い金属を電極としてダイ
ヤモンド上に蒸着し、熱処理を施す。これにより、酸素
との反応性が強い金属と吸着酸素との間で反応が生じ、
酸素が金属内に拡散していく。このため、金属とダイヤ
モンドとの間で電荷の授受を妨害していた酸素原子層が
なくなり、理想的な金属/ダイヤモンド接合が形成さ
れ、自由に電荷の授受が行われるようになる。従って、
フェルミ準位のピニングは解除され、金属と半導体ダイ
ヤモンドとの間で形成される障壁高さは、金属電極の電
気陰性度に依存することとなる。
【0017】次に、本発明に係るダイヤモンドへの整流
電極の形成方法において、ダイヤモンド表面の終端の限
定理由及び熱処理条件の限定理由について説明する。
【0018】ダイヤモンド表面の終端:酸素終端 文献2で報告されているように、金属/吸着水素/ダイ
ヤモンド接合を有する電子デバイスは優れた整流特性を
有するものの、吸着水素が使用されると、その電子デバ
イスは電気的特性が不安定になるという欠点がある。つ
まり、ダイヤモンドの表面に吸着した水素は、大気中に
おいて350℃の温度までは安定しているが、400℃
を超えると水素がダイヤモンドの表面から脱離し、酸素
と置換反応を起こしてしまう。このため、電子デバイス
の電気的特性に大きな変化が現れる(H.Nakahata,T.Ima
i and N.Fujimori,in Diamond Materials,edited by K.
E.Spear et al.(The Electrochemical Society, Penni
ngton,NJ,1991)p.487参照)。従って、水素化したダイ
ヤモンドから形成した電子デバイスを、大気中において
400℃以上の高温下で安定的に動作させることはでき
ない。
【0019】一方、本発明方法においては、ダイヤモン
ド表面の終端を酸素終端とするので、大気中において4
00℃以上の高温環境でも、水素から酸素への置換反応
は起こらないため、電子デバイスを安定して動作させる
ことができる。
【0020】熱処理温度:300℃以上 熱処理温度は、電極が酸素をゲッタリングする効果に影
響を与える。即ち、酸素と最も反応性が高いと考えられ
るMg電極の場合には、300℃より低い温度で熱処理
しても、ゲッタリングの効果を得ることができない。従
って、熱処理温度は300℃以上とする。
【0021】熱処理時間:1分間以上 また、熱処理時間が1分間未満であると、低温度での熱
処理と同様に、電極がゲッタリングの効果を得ることが
できない。従って熱処理時間は1分間以上とする。な
お、熱処理手法としてRTA(Rapid Thermal anneal)
が広く利用されており、急速ランプ加熱により最短で1
分間程度の熱処理を施すことができる。
【0022】また、金属/吸着酸素/ダイヤモンド接合
において、ダイヤモンド表面のフェルミ準位は金属を蒸
着する前に一定の位置に固定され、バンドが曲がってい
る。このため、ダイヤモンド上に蒸着される金属の種類
によらず、同じ障壁高さが得られ、整流特性も同一にな
る。しかし、上述のように、熱処理を施すことにより、
フェルミ準位のピニングが解除される。なお、p型ダイ
ヤモンドの場合において、金属とダイヤモンドとの間で
生じる障壁高さφBPは、下記数式2で表すことができ
る。
【0023】
【数2】φBP=qχ+Eg−qφm 但し、qは素電荷、χは半導体の電子親和力、Egは半
導体のバンドギャップ、φmは金属の仕事関数である。
【0024】この数式2に示すように、より小さな仕事
関数を有する金属を使用することにより、大きな障壁高
さを得ることができ、逆方向のリーク電流を抑制して、
フェルミ準位がピニングされていた場合より優れた整流
特性を得ることができる。
【0025】次に、電気陰性度の限定理由について説明
する。
【0026】電気陰性度:1.8以下 酸素吸着によりフェルミ準位がピニングされた時より、
優れた整流特性を得るには、電気陰性度が1.8以下の
金属を使用することが好ましい。特に、酸素を吸着しや
すく、電気陰性度が1.2と小さいMgを電極として金
属/ダイヤモンド接合を形成すると、大気中において4
00℃以上の高温であってもリーク電流が小さく安定し
た整流素子を得ることができる。
【0027】なお、Mg電極の大気中高温での酸化を防
止するために、酸化防止キャップ層として、Pt又はA
u等を使用することも、安定した整流素子を得るために
有効である。また、Mgと同様の特性を有するZr又は
HfをMgの替わりに電極として使用することもでき
る。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0029】第1実施例 平均粒径が1/4μmのダイヤモンドペーストを使用し
て、1時間の機械研磨を施したp型低抵抗Si(11
1)基板(比抵抗:0.1Ωcm以下、横2cm×縦1
cm)上に、マイクロ波プラズマCVD法によりBをド
ーピングし、厚さが2μmのBドープ多結晶ダイヤモン
ド薄膜を形成した。このダイヤモンド薄膜の合成に使用
した原料ガスは、メタン:0.5%及び水素:99.5
%であり、ドーピングガスとしてジボランを添加した。
また、前記薄膜の形成時におけるガス中のB/C比を2
0ppmに固定した。なお、前記ダイヤモンド薄膜中に
おける原子Bの密度を二次イオン質量分析により分析し
た結果、1.5×1018cm-3であった。また、前記ダ
イヤモンド薄膜の形成における総ガス流量、ガス圧力及
び基板温度は夫々100sccm、35Torr及び8
00℃とした。
【0030】このようにしてSi基板上にダイヤモンド
薄膜を形成した後、これを真空中において、850℃の
温度で30分間保持する熱処理を施した。その後、クロ
ム酸+硫酸混酸洗浄、王水洗浄及びRCA洗浄を順に行
った。以下、前記ダイヤモンド薄膜の形成後における熱
処理及び洗浄処理を「処理1」とし、またダイヤモンド
薄膜を形成したSi基板を供試材として説明する。この
処理により、ダイヤモンド薄膜の表面における非ダイヤ
モンド成分を除去して、表面を酸素終端することができ
る。
【0031】このような処理を施した後、供試材を2分
割して、一方はそのまま保存し、他方をマイクロ波プラ
ズマCVD装置を使用して、水素プラズマ中に曝した
(水素プラズマ処理)。なお、このときの処理条件は、
水素:100%、ガス圧力:35Torr及び時間:2
分間とした。また、基板温度は780〜800℃とし
た。以下、処理1を施した後にこのような水素プラズマ
処理を施す処理を「処理1+2」とする。
【0032】図2は、縦軸に輝度をとり、横軸に結合エ
ネルギーをとって、ダイヤモンド薄膜表面におけるX線
光電子分光法(XPS)スペクトルを示すグラフ図であ
り、グラフ線図(a)は処理1、グラフ線図(b)は処
理1+2を施した場合のスペクトルである。この図2に
示すように、処理1のダイヤモンド表面において、炭素
のバンドと共に、酸素のバンドを観測することができ、
処理1によってダイヤモンドの表面が酸素終端されたこ
とがわかる。一方、処理1+2のダイヤモンド表面にお
いて、炭素以外のバンドを観測することができず、処理
1+2によってダイヤモンドの表面が水素プラズマで還
元され、酸素終端から水素終端に変化したことがわか
る。
【0033】このようにして、酸素終端及び水素終端し
た2つの供試材において、夫々半導体ダイヤモンド薄膜
の表面にフォトリソグラフィーを使用して、直径100
μm、厚さ2000Åの電極用Mg層を蒸着によって形
成し、またSi基板の裏面に銀ペーストによってオーミ
ック電極を形成した。以下、これらの電極を形成した供
試材を供試ダイオードという。
【0034】そして、2つの供試ダイオードを大気中3
00℃の温度で1分間熱処理した後、室温で電流−電圧
特性の変化を測定した。
【0035】図3及び4は、いずれも縦軸に電流をと
り、横軸に電圧をとって、夫々水素終端及び酸素終端し
た供試ダイオードの前記熱処理前後の電流−電圧特性を
示すグラフ図である。
【0036】この熱処理を施す前に上述した処理1又は
処理1+2を夫々施した2つの供試ダイオードの整流特
性を比較すると、図3及び4に示すように、水素終端し
た供試ダイオードの整流比が酸素終端した供試ダイオー
ドより約2桁優れている。しかし、水素終端した供試ダ
イオードを300℃の温度で熱処理すると、その前後の
整流特性については、図3に示すように、整流特性の変
化は殆ど観測できなかったが、酸素終端した供試ダイオ
ードは、図4に示すように、熱処理後の逆方向のリーク
電流値が約2桁減少して、整流特性が向上した。
【0037】また、図3及び4に示すように、酸素終端
した供試ダイオードの熱処理後の整流特性は、水素終端
した供試ダイオードの特性と一致している。このこと
は、熱処理によって酸素によるフェルミ準位のピニング
が解除されたことを示している。これにより、水素終端
したダイヤモンドを使用せずに、水素で終端した場合と
同様の優れた整流特性を有するダイオード得ることがで
きた。
【0038】なお、熱処理後に2つの供試ダイオードを
大気中において、450℃の温度まで昇温すると、水素
終端した供試ダイオードの整流特性は消失したが、酸素
終端した供試ダイオードの整流特性は維持され、そのダ
イオードは安定した動作が可能であった。
【0039】第2実施例 2枚の天然単結晶ダイヤモンド(TypeIIa(10
0)面方位)上に、マイクロ波プラズマCVD法を使用
して、Bをドーピングしたダイヤモンド薄膜を、その厚
さが2μmとなるようにホモエピタキシャル成長させ
た。このダイヤモンド薄膜形成時の条件は上述した第1
実施例と同様であるが、2次核の発生を抑制するため
に、成膜を開始する前に、5分間の水素プラズマ処理を
施した。その後、2枚の供試材に、上述した第1実施例
と同様に夫々「処理1」及び「処理1+2」を施し、ド
ーナツ状のフォトレジストマスク(内径:100μm、
外径:300μm)を形成した後、電極用のMg層(2
000Å)を前記ダイヤモンド薄膜上に蒸着して、ショ
ットキー接合及びオーミック電極を形成した。そして、
フォトレジストマスク上の不要なMg層をリフトオフに
より除去して、Mg電極をパターニングした。
【0040】その後、金属/ダイヤモンド接合の電流−
電圧特性を室温で測定した。また、大気中において、3
00℃の温度で1分間熱処理した後についても室温で電
流−電圧特性の変化を測定した。図5及び6は、いずれ
も縦軸に電流をとり、横軸に電圧をとって、夫々水素終
端及び酸素終端した供試ダイオードの前記熱処理前後の
電流−電圧特性を示すグラフ図である。
【0041】この熱処理を施す前に、上述した処理1又
は処理1+2を夫々施した2つの供試ダイオードの整流
特性を比較すると、図5及び6に示すように、水素終端
した供試ダイオードの整流比が酸素終端した供試ダイオ
ードより約2桁優れている。しかし、水素終端した供試
ダイオードを300℃の温度で熱処理すると、その前後
の整流特性については、図5に示すように、整流特性の
変化は殆ど観測できなかったが、酸素終端した供試ダイ
オードは、図6に示すように、熱処理後の逆方向のリー
ク電流値が約2桁減少して、整流特性が向上した。
【0042】なお、図5及び6に示すように、酸素終端
した供試ダイオードの熱処理後の整流特性は、水素終端
したダイオードの特性と極めて良く一致しており、この
ことは、熱処理によって酸素によるフェルミ準位のピニ
ングが解除されたことを示している。
【0043】第3実施例 上述した第1実施例と同様のSi基板を使用して、この
基板上に第1実施例と同様のダイヤモンド薄膜を形成し
た。このとき合成に使用した原料ガスはメタン:0.5
%及び水素:99.5%であり、ドーピングガスとして
ジボランを添加した。また、前記ダイヤモンド薄膜の形
成時におけるガス中のB/C比を800ppmに固定し
た。なお、前記ダイヤモンド薄膜中の原子Bの密度を二
次イオン質量分析により分析した結果、2×1019cm
-3であった。また、前記薄膜の形成における総ガス流
量、ガス圧力及び基板温度は夫々100sccm、35
Torr及び800℃とした。
【0044】次に、多結晶Bドープダイヤモンド薄膜上
に、ドーピングされていないダイヤモンド薄膜(以下、
「アンドープダイヤモンド薄膜」という)を0.4μm
積層した。このときの薄膜形成条件は、ジボランを添加
しなかったことを除いて、Bドープダイヤモンド薄膜を
形成した場合と同一である。このようにして製作した供
試材に上述した第1実施例と同様の処理1を施した。そ
の後、供試材を2分割して、一方はそのまま保存し、他
方をマイクロプラズマCVD装置を使用して、上述した
第1実施例と同様の処理1+2を施した。
【0045】このようにして、酸素終端及び水素終端し
た2つの供試材において、半導体ダイヤモンド薄膜の表
面にフォトリソグラフィーを使用して、直径100μ
m、厚さ2000Åの電極用のMg層を蒸着によって形
成した。そして、Si基板の裏面に銀ペーストによって
オーミック電極を形成し、金属、アンドープダイヤモン
ド及びBドーピングダイヤモンドを接合した電流−電圧
特性を室温で測定した。
【0046】そして、2つの供試ダイオードを大気中3
00℃の温度で1分間熱処理した後、室温で電流−電圧
特性の変化を測定した。
【0047】図7及び8は、いずれも縦軸に電流をと
り、横軸に電圧をとって、夫々水素終端及び酸素終端し
た供試ダイオードの前記熱処理前後の電流−電圧特性を
示すグラフ図である。
【0048】この熱処理を施す前に上述した処理1及び
処理1+2を夫々施した2つの供試ダイオードの整流特
性を比較すると、図7及び8に示すように、水素終端し
た供試ダイオードの整流比が酸素終端した供試ダイオー
ドより約2桁優れている。しかし、水素終端した供試ダ
イオードを300℃の温度で熱処理すると、その前後の
整流特性については、図7に示すように、整流特性の変
化は殆ど観測できなかったが、酸素終端した供試ダイオ
ードは、図8に示すように、熱処理後の逆方向のリーク
電流値が約2桁減少して、整流特性が向上した。
【0049】なお、図7及び8に示すように、酸素終端
した供試ダイオードの熱処理後の整流特性は、水素終端
した供試ダイオードの特性と一致している。このこと
は、熱処理によって酸素によるフェルミ準位のピニング
が解除されたことを示している。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
酸素終端したダイヤモンドに酸素をゲッタリングする金
属からなる電極を形成し、所定の熱処理を施すので、優
れた整流特性を有する金属/ダイヤモンド接合を形成す
ることができ、高温環境であっても安定した動作が可能
な電子デバイスを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】縦軸に電流をとり、横軸に順方向バイアスをと
って、点接触及び蒸着電極における電流−電圧特性を示
すグラフ図である。
【図2】縦軸に輝度をとり、横軸に結合エネルギーをと
って、ダイヤモンド薄膜表面におけるX線光電子分光法
(XPS)スペクトルを示すグラフ図である。
【図3】縦軸に電流をとり、横軸に電圧をとって、水素
終端した場合の電流−電圧特性を示すグラフ図である。
【図4】縦軸に電流をとり、横軸に電圧をとって、酸素
終端した場合の電流−電圧特性を示すグラフ図である。
【図5】縦軸に電流をとり、横軸に電圧をとって、水素
終端した場合の電流−電圧特性を示すグラフ図である。
【図6】縦軸に電流をとり、横軸に電圧をとって、酸素
終端した場合の電流−電圧特性を示すグラフ図である。
【図7】縦軸に電流をとり、横軸に電圧をとって、水素
終端した場合の電流−電圧特性を示すグラフ図である。
【図8】縦軸に電流をとり、横軸に電圧をとって、酸素
終端した場合の電流−電圧特性を示すグラフ図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素終端したダイヤモンド上に酸素をゲ
    ッタリングする金属を蒸着した後、300℃以上の温度
    で1分間以上熱処理することを特徴とするダイヤモンド
    への整流電極の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記ダイヤモンドはホウ素をドーピング
    した半導体ダイヤモンドであることを特徴とする請求項
    1に記載のダイヤモンドへの整流電極の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記ダイヤモンドはアンドープダイヤモ
    ンドと半導体ダイヤモンドとを積層したものであること
    を特徴とする請求項1に記載のダイヤモンドへの整流電
    極の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記金属の電気陰性度は1.8以下であ
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記
    載のダイヤモンドへの整流電極の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記金属はMg、Hf及びZrからなる
    群から選択された1種であることを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれか1項に記載のダイヤモンドへの整流電
    極の形成方法。
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