JPH09227714A - 微孔性膜の製造方法 - Google Patents

微孔性膜の製造方法

Info

Publication number
JPH09227714A
JPH09227714A JP3917896A JP3917896A JPH09227714A JP H09227714 A JPH09227714 A JP H09227714A JP 3917896 A JP3917896 A JP 3917896A JP 3917896 A JP3917896 A JP 3917896A JP H09227714 A JPH09227714 A JP H09227714A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
membrane
filtration
polymer
solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3917896A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Adachi
敦 足立
Jun Sasaki
純 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP3917896A priority Critical patent/JPH09227714A/ja
Publication of JPH09227714A publication Critical patent/JPH09227714A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Filtering Materials (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒子捕捉に寄与する部分に存在する異物
を除去することにより、透過流量が高い状態で、しかも
粒子捕捉性にも優れた微孔性膜の製造技術を提供する。 【解決手段】 ポリマーを極性溶媒に溶解した製膜原液
を濾過した後に流延し、凝固浴に浸漬するかあるいは支
持体上で溶媒を蒸発させて非対称性の構造を有する微孔
性膜を製造する方法において、前記濾過を、製造される
微孔性膜の膜厚さの3.0%以下の公称孔径を有する濾
材を用いて行なうことを特徴とする微孔性膜の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精密濾過膜、限外
濾過膜等のいわゆる微孔性膜の製造において、これらの
微孔性膜の原料であるポリマー溶液の濾過方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】溶液製膜技術のみならず溶融製膜も含め
て一般に製膜技術として知られている技術分野におい
て、ポリマー溶液をしかるべき濾過装置を通してから流
延し、皮膜、フィルム等を製造するプロセスは広く知ら
れているところである。例えばスウィーティング(O.
Sweeting)著,ザ・サイエンス・アンド・テク
ノロジー・オブ・ポリマー・フィルムス 第二巻(Th
e Science andTechnology o
f Polimer Films Vol 2.)ワイ
リー社(Wiley社)発行には、多くの製膜プロセス
のプロセスフローが示されており、各高分子素材ごとの
濾過工程についても図示されている。
【0003】このような濾過操作を行う目的は次に示す
ようにいくつかの理由がある。すなわち商品価値上フィ
ルムの均質性の向上を図りたい、あるいはそのフィルム
を次工程で塗工処理するような場合に異物が表面に存在
した場合の平滑性に欠陥があるための不具合の改善、異
物の存在が流延工程においてトラブル(例えば流延ダイ
のリップの閉塞を引き起こして一枚のシートとして製膜
できなくなる様な場合)を引き起こすための予防処置等
の目的であることが多い。
【0004】一方、溶液流延技術の応用分野として微孔
性膜の製造がある。この微孔性膜は古くから知られてお
り、(例えば、アール・ケスティング(R.Kesti
ng)著,シンセティック・ポリメリック・メンブレン
(Synthetic Polymeric Memb
rane),マグロウヒル社(McGraw Hill
社)発行)濾過用フィルター等に広く利用されている。
微孔性膜は、例えば米国特許第1,421,341号、同
3,133,132号、同2,944,017号、特公昭4
3−15698号、特公昭45−33313号、同48
−39586号、同48−40050号等に記載されて
いるように、セルロースエステルを原料として製造され
るもの、米国特許第2,783,894号、同第3,40
8,315号、同第4,340,479号、同第4,3
40,480号、同第4,450,126号、ドイツ特
許DE3,138,525号、特開昭58−37842号
等に記載されているように脂肪族ポリアミドを原料とし
て製造されるもの、米国特許第4,196,070号、
同第4,340,482号、特開昭55−99934
号、特開昭58−91732号等に記載されているよう
にポリフルオロカーボンを原料として製造されているも
の、特開昭56−154051号、特開昭56−869
41号、特開昭56−12640号等に記載されている
ポリスルホンを原料とするもの、ドイツ特許OL3,0
03,400号等に記載されているポリプロピレンを原
料とするものなどがある。これら微孔性膜は電子工業用
洗浄水、医薬用水、医薬製造工程用水、食品水等の濾
過、滅菌に用いられ近年その用途と使用量は拡大してお
り、特に粒子捕捉の点から信頼性の高い微孔性膜が注目
されている。
【0005】これらの中で溶液製膜を行い微孔性膜を製
造する方式においては、特に濾過工程について格別の注
意を払ったものと明らかに示されるものはなく、おそら
く上記の一般的な理由を根拠にして濾過を行っているも
のと考えられる。
【0006】その中で唯一の例外として、この分野に関
連した技術として公開されているものは、特開昭58−
145740号公報に示されているものがある。この公
知資料によればポリアミドをポリマーとする微孔性膜の
製法において、溶媒に完溶した溶液を微孔性膜が製膜可
能となるように非溶媒を添加した時に生成したポリマー
の沈澱を除去することを述べている。しかし、このこと
は前述の濾過の目的に沿って言えば異物の除去に分類さ
れるべき内容であり、このことからは単にこのプロセス
の態様を説明したに過ぎないと読み取れる。
【0007】また、特開昭61−101211号公報で
は、複合分離膜の製法が開示されている。ここでは、膜
を形成する高分子液中に存在する異物による分離性能上
の欠点を補うため、異物と同等の孔径を有する多孔質支
持体上に高分子溶液をキャストして膜を形成する方法が
述べられている。しかし分離膜はその用途によって必ず
しも複合膜であることを望まれないケースもあり、この
方法が適用できるのはきわめて限られた系に限定される
といってよい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】精密濾過膜等の微孔性
膜に要求される品質性能として粒子捕捉性、あるいは除
菌性と呼ばれる分離性能と濾過流量や積算濾過量といっ
た透水量が代表的なものである。
【0009】高分子溶液からなる微孔性膜の製造におい
ては一般的に言って前者の性能を向上させようとする場
合、そこで形成される微孔性膜はできる限りポリマー濃
度を高めることによって空孔率を減らし、粒子を捕捉す
ることのできる捕捉サイトを増やしてしまうことが常識
であった。一方このことは膜の内部を通過する液の濾過
抵抗は増加させるので、濾過流量特性の点で不利である
ことは明白である。
【0010】特に、膜の表面と裏面の孔径の大きさがき
わめて異なる、いわゆるアニソトロピックな構造を有す
る膜は流量特性がきわめて優れているところに特徴があ
る。このような構造の膜は濾過膜としての応用がぜひと
も期待されるべき性質を有するものである。しかしなが
ら、前者の粒子捕捉性の点で特にその品質要求度の高い
製薬用途の濾過膜については所々に発生する膜の欠陥の
ため一枚の膜では実用化し得なかったことが例えば特開
昭56−154051号公報に記載されている。
【0011】本発明の目的は、微孔性膜の品質にきわめ
て重要な粒子捕捉性、あるいは除菌性に関して、その信
頼性を向上させる効果のある膜を形成することのできる
原料液の濾過方法を提供することにある。特に、非対称
性の著しいいわゆるアニソトロピックな構造を有する微
孔性膜については、粒子捕捉に寄与する部分に存在する
異物を除去することにより、透過流量が高い状態で、し
かも粒子捕捉性にも優れた微孔性膜の製造技術を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成した微孔性膜の製造方法を提供するものであり、ポリ
マーを極性溶媒に溶解した製膜原液を濾過した後に流延
し、凝固浴に浸漬するかあるいは支持体上で溶媒を蒸発
させて非対称性の構造を有する微孔性膜を製造する方法
において、前記濾過を、製造される微孔性膜の膜厚さの
3.0%以下の公称孔径を有する濾材を用いて行なうこ
とを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】ポリマーは非対称性の構造を有す
る微孔性膜(アニソトロピック微孔性膜)を形成しうる
公知のものであればよく、例えばセルロースアセテー
ト、ニトロセルロース、ポリスルホン、ポリエーテルス
ルホン、ポリアクリロニトリル、スチレン−アクリロニ
トリルコポリマー、スチレン−ブタジエンコポリマー、
エチレン−酢酸ビニルコポリマーのケン化物、ポリビニ
ルアルコール、ポリカーボネート、オルガノシロキサン
−ポリカーボネートコポリマー、ポリエステルカーボネ
ート、オルガノポリシロキサン、ポリフェニレンオキシ
ド、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミ
ドイミド、ポリベンズイミダゾール等を挙げることがで
きる。
【0014】極性溶媒は各ポリマーに対する良溶媒、良
溶媒と非溶媒の混合溶媒又はポリマーに対する溶解性の
程度が異なる複数種の溶媒の混合したものを使用するこ
とができる。
【0015】この極性溶媒は、ポリマーの種類等により
異なるが、通常該ポリマーの良溶媒であり、かつ凝固浴
に浸漬した場合に速やかに凝固液と置換されるものが使
用される。多くの場合、凝固液としては水が使用される
ので、水と相溶性のある極性溶媒を使用することが好ま
しい。例えば、該形成用ポリマーがポリスルホンの場
合、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロ
リドンあるいはこれらの混合溶媒が適当である。又、ポ
リアクリロニトリルの場合には、ジオキサン、N−メチ
ル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、ジメチルスルホキシド等が、ポリアミド
の場合にはジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミ
ド等が、セルロースアセテートの場合は、アセトン、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロ
リドン等が適当である。
【0016】非溶媒を混合する場合の、非溶媒の良溶媒
に対する割合は、混合液が均一状態を保てる範囲ならば
如何なる範囲でもよいが、重量%で5〜50%が好まし
い。
【0017】又、多孔質構造を制御するものとして膨潤
材と称される無機電解質、有機電解質または高分子電解
質をポリマー溶液に加えることもできる。
【0018】電解質としては、食塩、硝酸ナトリウム、
硝酸カリウム、硫酸ナトリウム、塩化亜鉛等の無機酸の
金属塩、酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム等の有機酸の
金属塩、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリビニ
ルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド等の高分
子電解質、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、アル
キルメチルタウリン酸ナトリウム等のイオン系界面活性
剤等が用いられる。これらの電解質は、単独で溶液に加
えてもある程度の効果を示すが、これら電解質を水溶液
として添加する時に、特に顕著な効果を示すものであ
る。電解質水溶液の添加量は添加によって溶液の均一性
が失われることがない限り、特に制限はないが、通常、
溶媒に対して0.5容量%〜10容量%である。又、電
解質水溶液の濃度についても特に制限はなく、濃度の大
きい方が効果が大きいが、通常用いられる濃度としては
1重量%〜60重量%である。
【0019】製膜原液としてのポリマー溶液の濃度は5
〜35重量%、好ましくは10〜30重量%である。3
5重量%を超えると、得られる微孔性膜の透水性が実用
的な意味を持たない程小さくなり、又5重量%より低い
濃度では十分な分離能を持った微孔性膜は得られない。
【0020】濾材は微孔性膜の膜厚さ(乾燥膜厚)の3.
0%以下、好ましくは2.5%以下の公称孔径を有する
ものを用いる。公称孔径の最小は制限されないが、好ま
しくは0.3%以上であり、特に好ましくは1.0%以
上である。微孔性膜の膜厚さは通常200μ以下である
から、濾材の孔径は通常公称孔径で6μ以下である。こ
のような濾材の例としては、PALL社製 リジメッシ
ュRK、スプラメッシュZ(いずれも商品名)、PTI
社製 421フィルターシリーズ5μ、3μ、2μタイ
プ等がある。
【0021】本発明の微孔性膜は、ポリマー溶液をウェ
ブ支持体上にスリットから一定厚みで押し出し流延した
後、溶媒の蒸発によるミクロ相分離が流延膜の表面近傍
でのみ生じた時点で凝固液に浸漬することによって、製
造することができる。
【0022】上記の製造条件は、ポリマー種、溶媒種、
ポリマー濃度及び流延時の雰囲気等により異なるので、
ミクロ相分離の時間と、膜の構造を検討し、最適の条件
を見出す必要がある。見い出された条件は、流延膜から
の溶媒の蒸発量を種々の方法により調節することによっ
て制御することができる。
【0023】流延膜から一定量の溶媒が蒸発するように
調節する方法としては、流延後凝固浴に浸漬するまでの
時間を調節したり、流延部から凝固液までのポリマー溶
液の経路に覆いをかけて、この雰囲気の溶媒蒸気圧、温
度並びに送風、排風速度等を調節するなどの方法を取る
ことができる。
【0024】凝固液から離脱したポリマー溶液は自己支
持性をもつに至り、補強のため密着していた支持体から
剥離されて水洗浴に浸漬される。水洗後は乾燥し、捲き
取るか、又は親水化などの後処理が行われる。
【0025】こうして製造される微孔性膜は平均孔径
0.05μ〜5.0μ程度、特に0.1〜1.0μ程度
のものであり、膜厚さは乾燥膜厚で80〜200μ程
度、通常120〜180μ程度である。
【0026】
【作用】本発明は、微孔性膜の分離性能に影響を及ぼす
巨大孔の存在をなくすため、高分子溶液の状態で濾過を
行い、原料液中に含まれる異物の除去を行うことをポイ
ントとするものである。
【0027】いわゆる精密濾過においては通常指標菌と
呼ばれるある一定の大きさを有するバクテリアを用いて
その粒子捕捉性を評価している。この性能はまた除菌性
とも言われる。そして、この除菌性の程度はバブルポイ
ント法で測定される膜の最大孔径と関係づけられること
は周知である。すなわち、あるしきい値(閾値)以下の
バブルポイント値であれば、そこには指標菌が漏れるの
に十分な巨大孔が存在していることを意味するものであ
る。そして、当然のことながら高度な除菌性を要求され
る製薬工業用途等の膜ではバブルポイント値の保証が品
質面での重要な項目となっている。しかし前述したよう
に、非対称性の強いアニソロトピック膜ではこの点に実
用化のネックがあった。
【0028】本発明者らはこの点について鋭意研究の結
果、この粒子捕捉性の問題は膜の構造上の欠陥であるこ
とを見いだした。そしてさらにこの欠陥が膜中に含有さ
れる異物により発生することを確認した。
【0029】例えば特開昭62−27006号公報に示
されるような膜の厚み方向に大きな孔径分布を示すよう
なアニソトロピックな構造を有する膜の場合、濾液中の
粒子を捕捉する部位は厚み方向のきわめて限定された位
置にある。もしもこのようなところに適当な大きさの異
物(これは単に製膜原液中に混入したゴミを指すのみな
らず原料ポリマーの中に含有されるモノマー結晶のよう
なものも含む)が存在するとしたら、そこに欠陥が生
じ、膜の分離性能は著しく劣ることになることは明白で
ある。すなわち膜中に存在する異物が相分離法によりき
わめて均一に形成された多孔質の網目状構造に欠陥を生
ぜせしめることになり、これによりバイパスが形成され
るのでそこを菌が通過するものと考えられる。
【0030】具体的な例として、微孔性膜の素材として
よく利用されるポリスルホンでは原料ポリマー中に溶媒
に対して不溶な成分が存在することが認められている。
(特開昭50−141700号公報)ここではこのよう
な成分も異物の範囲に含めるものとする。
【0031】これに対しそれほど非対称性を有しない膜
では、かりに膜の中のどこかにこのような欠陥があって
も粒子捕捉性能についてはその大きさが十分小さければ
決定的な欠陥とはならない可能性は高い。
【0032】そこで、この対策として濾過工程の機能を
従来から認識されてきた濾過の目的である、外観的に明
らかに欠点を有するような皮膜の形成を防止することと
いうことから、膜中に存在する欠陥の発生を防止するた
め、目視では判定できないようなきわめて微少な異物を
原料溶液から除去することにより粒子捕捉性の向上を達
成することができた。
【0033】この微粒子の除去を行うに当たっては、適
切なサイズの濾材の選定がポイントとなる。常識的に理
解できるように、濾材の孔径が小さければ小さい程効果
は確実であることは容易に推定できる。しかし、その分
濾過差圧が大きくなりポンプの動力経費や配管設備の耐
圧性確保のための費用がかさんだり、あるいはそれを回
避するために濾過面積を十分大きくすると設備コストに
多大の費用をかけることになってしまう。すなわち目的
に対して適切な濾過を行うことが肝要な点であるわけで
ある。
【0034】この点について筆者らは種々の濾材の選定
を進めた結果、その濾材のサイズとして少なくとも製膜
された後の乾膜の厚みの3.0%以下を必須の条件とし
て、望ましくは0.3%以上2.5%がこの濾過方式の
実用的な領域であるという結論に達した。
【0035】このような処理を経て製膜された微孔性膜
のうち、特に透水量の点できわめて優れているアニソト
ロピック膜に対してはよりレベルの高い粒子捕捉性を付
与することができ、このことにより高品質の精密濾過膜
が商品化が可能になった。
【0036】
【実施例】
実験1 ポリスルホン13部及びポリビニルピロリドン14部を
N−メチル−2−ピロリドン73部に均一に溶解して製
膜原液を得た。この原液を絶対濾過精度25μのフィル
ター(A)を通して濾過し、そののちガラス板上に厚み
200μとなるようにキャスティングコーターを通して
流延した。この液膜を40℃(相対湿度65パーセン
ト)風速2.0m/sの空気中で10秒間放置した後直
ちに20℃の水を張った凝固浴槽に浸漬して微孔性膜を
得た。これをサンプル1とする。またこの時キャストさ
れた濾過後の製膜原液を試料1とする。
【0037】実験2 実験1と同じ原液を今度は5μのフィルター(B)で濾
過して実験1と同一条件でキャストして得られた膜をサ
ンプル2とする。また実験1と同様に試料2の原液をサ
ンプルした。
【0038】実験3 実験1と同じ原液を今度は3μのフィルター(C)で濾
過して実験1と同一条件でキャストして製膜した。また
上記と同様にして、試料3のサンプルを得た。
【0039】サンプルの評価 サンプル1〜3はその孔径を測定したところいずれも平
均孔径で0.22μであった。またその膜厚みはいずれ
も180μであった。なお、(A)〜(C)の濾材はそ
れぞれ乾膜の14%、2.7%、1.7%の孔径を有す
るものである。次に膜の最大孔径を測定した。測定方法
は膜を純エタノールに浸漬するバブルポイントテスト法
によりおこなった。その結果を次の表に示す。また同時
に除菌性試験も行った。このバクテリアチャレンジテス
トで使用した菌はシュードモナスディミニュータ(Ps
eudomonasu dimunuta)であり、チ
ャレンジ菌数は109個である。
【0040】また試料1と試料2及び試料3を改めて1
μのフィルターで濾過し、このときフィルターの表面に
残された濾屑を電子顕微鏡写真を用いて調べた。
【0041】この結果から製膜原液中の異物がバブルポ
イントの低い膜を発現させていることは明確であること
が判明した。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、実施例記載のごとく製
膜原液中の異物を濾過し除去することにより微孔性膜内
部に存在する異物を除去できるので、濾過膜として重要
な品質である粒子捕捉性を向上させることができる。更
に流量特性の優れたアニソトロピックな構造を有する微
孔性膜は製薬用途等のきわめて除菌性に対する品質要求
が厳しい用途では従来では例えば特開昭58−1504
02号公報開示のように2枚重ねにしないとその保証が
できなかったが、実施例に示したように単膜でも十分に
その性能を保証することができ、流量特性が優れかつ粒
子捕捉性もよい微孔性膜の商品化が可能となった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマーを極性溶媒に溶解した製膜原液
    を濾過した後に流延し、凝固浴に浸漬するかあるいは支
    持体上で溶媒を蒸発させて非対称性の構造を有する微孔
    性膜を製造する方法において、前記濾過を、製造される
    微孔性膜の膜厚さの3.0%以下の公称孔径を有する濾
    材を用いて行なうことを特徴とする微孔性膜の製造方法
JP3917896A 1996-02-27 1996-02-27 微孔性膜の製造方法 Pending JPH09227714A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3917896A JPH09227714A (ja) 1996-02-27 1996-02-27 微孔性膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3917896A JPH09227714A (ja) 1996-02-27 1996-02-27 微孔性膜の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09227714A true JPH09227714A (ja) 1997-09-02

Family

ID=12545870

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3917896A Pending JPH09227714A (ja) 1996-02-27 1996-02-27 微孔性膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09227714A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002273181A (ja) * 2001-03-21 2002-09-24 Toray Ind Inc 濾過フィルター
CN104128100A (zh) * 2014-06-30 2014-11-05 淮阴师范学院 纳米凹凸棒石基中空纤维微滤膜及其制备方法
WO2020175416A1 (ja) 2019-02-26 2020-09-03 富士フイルム株式会社 親水性多孔質膜および親水性多孔質膜の製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002273181A (ja) * 2001-03-21 2002-09-24 Toray Ind Inc 濾過フィルター
CN104128100A (zh) * 2014-06-30 2014-11-05 淮阴师范学院 纳米凹凸棒石基中空纤维微滤膜及其制备方法
WO2020175416A1 (ja) 2019-02-26 2020-09-03 富士フイルム株式会社 親水性多孔質膜および親水性多孔質膜の製造方法
US12005401B2 (en) 2019-02-26 2024-06-11 Fujifilm Corporation Hydrophilic porous membrane and method for producing hydrophilic porous membrane

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6227006A (ja) 微孔性膜
EP0578210B1 (en) Porous polymeric structures and a method of making such structures by means of heat-induced phase separation
US5886059A (en) Highly asymmetric polyethersulfone filtration membranes
JP4117802B2 (ja) セルロース系限外ろ過膜
US11802200B2 (en) Isoporous self-assembled block copolymer films containing high molecular weight hydrophilic additives and methods of making the same
JP3416131B2 (ja) 超多孔性および微孔性膜並びにそれらの製法
US5958989A (en) Highly asymmetric ultrafiltration membranes
US5228994A (en) Composite microporous membranes
JPH057047B2 (ja)
US5151182A (en) Polyphenylene oxide-derived membranes for separation in organic solvents
JP2961629B2 (ja) 精密濾過膜の製法
US8518263B2 (en) Method for fabrication of elastomeric asymmetric membranes from hydrophobic polymers
JPS63139930A (ja) 微孔性膜の製造方法
JPH09227714A (ja) 微孔性膜の製造方法
JP2530133B2 (ja) 微孔性膜
JPH0561970B2 (ja)
US20220410081A1 (en) Mechanically stable ultrafiltration membrane, and method for producing same
JPS62160109A (ja) 微孔性濾過膜の製造方法
JPH01139116A (ja) 非対称性微孔性膜
JPH0359733B2 (ja)
Ahmed Preparation and Characterization of Hollow Fiber Nanofiltration Membranes
JPS63141611A (ja) 微孔性膜の製造方法
JPS636033A (ja) ポリスルホン微孔性膜
JPS63139929A (ja) 微孔性膜の製造方法
JPH02139020A (ja) 異方性を有する微孔性濾過膜の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20040531

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20040622

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20041221

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02