JPH09227476A - カルボン酸アミドの精製方法 - Google Patents

カルボン酸アミドの精製方法

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JPH09227476A
JPH09227476A JP3823096A JP3823096A JPH09227476A JP H09227476 A JPH09227476 A JP H09227476A JP 3823096 A JP3823096 A JP 3823096A JP 3823096 A JP3823096 A JP 3823096A JP H09227476 A JPH09227476 A JP H09227476A
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acid amide
section
crude
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Masaya Saihata
畑 真 哉 才
Makoto Nishi
誠 西
Hitoshi Nakamura
村 仁 至 中
Toshiyuki Aizawa
沢 利 行 相
Hiroyuki Kuwabara
原 弘 行 桑
Takehiko Watanabe
辺 烈 彦 渡
Nobumasa Noma
間 修 匡 野
Kazuyoshi Horibe
部 和 義 堀
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
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Showa Denko KK
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】カルボン酸アミドが50重量%以上の量で
含まれた粗カルボン酸アミドを、上部冷却晶析部と下部
結晶精製部と底部結晶融解部とを有し、上部冷却晶析部
から底部結晶融解部に向けて徐々に高い温度となるよう
に温度設定された塔型連続晶析装置に供給し、上部冷却
晶析部にて冷却晶析させ、該冷却晶析された結晶を、下
部結晶精製部にて、粗カルボン酸アミド含有液と向流接
触させて結晶の融解−再結晶を繰返させることにより結
晶精製させると共に、得られた精製カルボン酸アミド結
晶を沈降させ、該精製カルボン酸アミド結晶を底部結晶
融解部にて融解させて分離回収することを特徴とするカ
ルボン酸アミドの精製方法。 【効果】高純度のカルボン酸アミドを簡単かつ高収率で
工業的に有利に製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、溶剤、可溶化剤、可塑剤
の安定剤、染料、医薬品、その他の有機合成用材料に広
く用いられているカルボン酸アミドの精製方法に関し、
さらに詳しくは、カルボン酸アミドが50重量%以上の
量で含まれた粗カルボン酸アミドから高純度のカルボン
酸アミドが得られるようなカルボン酸アミドの精製方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】カルボン酸アミドは、例えば、カルボン
酸と、アンモニアまたはアミンとを反応させてカルボン
酸塩を合成し、これを脱水反応させることによって製造
しうることが知られている。このようにして得られる反
応物(粗カルボン酸アミド)には、カルボン酸アミドの
他に未反応原料等も含まれており、一般的な蒸留法で精
製されるが、カルボン酸アミドは熱安定性に乏しく、沸
点が比較的高いこともあり、蒸留法のみで高純度のカル
ボン酸アミドを得ることは極めて難しい。
【0003】このため、高純度のカルボン酸アミドを得
る方法としては、蒸留法と再結晶法とを組み合わせた精
製方法が一般的である。この再結晶法では、良溶媒では
ないが、比較的カルボン酸アミドの溶解性が高い貧溶媒
が溶媒として用いられ、より高純度品を得るためにはよ
り溶解性の高い溶媒が使用される。しかしながら、この
ような方法で再結晶を行うと、精製カルボン酸アミドの
収率が著しく低下してしまうという問題点がある。さら
に、このように蒸留法と再結晶法とを組み合わせた方法
にてカルボン酸アミドの精製を行う場合には、精製プロ
セスに乾燥設備、母液の再処理設備が必要となり、コス
ト的にも不利であるとの問題点もある。
【0004】このように、蒸留法と再結晶法とを組み合
わせた従来のカルボン酸アミドの精製方法には、精製カ
ルボン酸アミドの収率や製造コスト等を考慮するとさら
なる改良の余地があった。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、高純度のカル
ボン酸アミドを簡単かつ高収率で工業的に有利に製造し
うるようなカルボン酸アミドの精製方法を提供すること
を目的としている。
【0006】
【発明の概要】本発明に係るカルボン酸アミドの精製方
法では、カルボン酸アミドが50重量%以上の量で含ま
れた粗カルボン酸アミドを、上部冷却晶析部と下部結晶
精製部と底部結晶融解部とを有し、上部冷却晶析部から
底部結晶融解部に向けて徐々に高い温度となるように温
度設定された塔型連続晶析装置に供給し、上部冷却晶析
部にて冷却晶析させ、該冷却晶析された結晶を、下部結
晶精製部にて、粗カルボン酸アミド含有液と向流接触さ
せて結晶の融解−再結晶を繰返させることにより連続的
に結晶精製させると共に、得られた精製カルボン酸アミ
ド結晶を沈降させ、該精製カルボン酸アミド結晶を底部
結晶融解部にて融解させて分離回収することを特徴とし
ている。
【0007】本発明の好ましい態様においては、カルボ
ン酸アミドがアセトアミドであることが好ましい。ま
た、本発明の好ましい態様においては、粗カルボン酸ア
ミドは、酢酸とアンモニアの反応により得られる粗アセ
トアミドであることが望ましい。
【0008】本発明の好ましい態様においては、上記塔
型連続晶析装置型は、竪型塔の適宜の位置(例えば中間
部)に装入原料である粗カルボン酸アミドの供給口、該
供給口より上部に冷却手段、下部に加熱手段、上部に母
液取り出し口および底部に目的物である精製カルボン酸
アミドの取り出し口を有し、装入原料の粗カルボン酸ア
ミドを冷却し、目的物の精製カルボン酸アミドを晶析さ
せる冷却晶析部、晶析結晶と液(粗カルボン酸アミド含
有液)とを向流接触させる結晶精製部、および結晶を融
解させる融解部を、塔の上方から下方に向かって連通し
た状態で具備したものであることが望ましい。
【0009】このような本発明に係るカルボン酸アミド
の精製方法によれば、高純度のカルボン酸アミドを簡単
かつ高収率で工業的に有利に製造できる。
【0010】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るカルボン酸ア
ミドの精製方法について具体的に説明する。本発明で
は、カルボン酸アミドが50重量%以上の量で含まれた
粗カルボン酸アミドを、上方から下方にかけて上部冷却
晶析部と下部結晶精製部と底部結晶融解部とを有し、上
方の上部冷却晶析部から底部結晶融解部に向けて徐々に
高い温度となるように温度設定された塔型連続晶析装置
に供給し、上部冷却晶析部にて冷却晶析させると共に、
該冷却晶析された結晶を、下部結晶精製部にて、塔型連
続晶析装置内の粗カルボン酸アミド含有液と向流接触さ
せて結晶の融解(溶解)−再結晶を繰返させることによ
り連続的に結晶精製を行うと共に精製結晶を沈降析出さ
せ、精製カルボン酸アミド結晶を底部結晶融解部にて融
解させることにより、高純度のカルボン酸アミドを分離
回収している。
【0011】この塔型連続晶析装置では、竪型塔の中間
部に粗カルボン酸アミド供給口が形成される。換言すれ
ば通常、原料の粗カルボン酸アミド供給口より上部に上
部冷却晶析部が形成され、下部に下部結晶精製部が形成
される。
【0012】このようなカルボン酸アミドの連続精製の
際には、好ましくは特公昭55-18521号公報に示
された塔型連続晶析装置に上記粗カルボン酸アミドを導
入して連続的に結晶を析出させ、高純度のカルボン酸ア
ミドを分離回収することが望ましく、以下、この塔型連
続晶析装置を用いたカルボン酸アミドの精製方法につい
て、さらに詳細に説明する。
【0013】[精製用粗カルボン酸アミド]本発明にお
いては、カルボン酸アミドを含有する粗カルボン酸アミ
ドを精製に供することができ、具体的には、例えば下記
式(i)〜(iv)に示すカルボン酸アミドを含有する粗カル
ボン酸アミドが挙げられる。
【0014】式(i):RCONH2[Rは、水素またはア
ルキル基を示し、このアルキル基は直鎖状または分岐状
であり、このアルキル基の炭素数は通常1〜10、好ま
しくは1〜5である。]で示される、ホルムアミド、ア
セトアミド、n−プロピオンアミド、n−ブチルアミ
ド、イソブチルアミド、トリメチルアセトアミド等; 式(ii):
【0015】
【化1】
【0016】[式(ii)中、R1は、水素または上記式(i)
の場合と同様のアルキル基、好ましくはアルキル基を示
す。R2は、水素または上記と同様のアルキル基を示
す。R3は、上記と同様のアルキル基を示す。]で示さ
れる、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−エチルアセトアミド等; 式(iii):
【0017】
【化2】
【0018】[式(iii)中、R4は、水素または上記と同
様のアルキル基を示す。R5は、水素または上記と同様
のアルキル基、好ましくは水素を示す。]で示される、
N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N
−ビニルプロピオンアミドなどのN−ビニルカルボン酸
アミド; 式(iv):
【0019】
【化3】
【0020】[式(iv)中、R7は、水素または上記と同
様のアルキル基を示す。R8は、水素を示し、R9は、上
記と同様のアルキル基を示す。]で示される、N−(1
−メトキシエチル)ホルムアミド、N−(1−メトキシ
エチル)アセトアミド、N−(1−メトキシエチル)プ
ロピオンアミド、N−(1−エトキシエチル)ホルムア
ミド、N−(1−エトキシエチル)アセトアミド、N−
(1−エトキシエチル)プロピオンアミド、N−(1−
イソプロポキシエチル)ホルムアミド、N−(1−イソ
プロポキシエチル)アセトアミド、N−(1−イソプロ
ポキシエチル)プロピオンアミドなどのN−(1−アル
コキシエチル)カルボン酸アミドなどが挙げられる。
【0021】これらのカルボン酸アミドのうちでは、
「CH3CONH−」骨格を有するものすなわち、上記
式(i)中ではアセトアミド、式(ii)中ではN−(1−メ
トキシエチル)アセトアミド、式(iii)中ではN−ビニ
ルアセトアミドが好ましく、特にアセトアミドが精製効
率、精製物の純度、操作性、コスト等の点で望ましい。
【0022】本発明で用いられる粗カルボン酸アミドに
は、上記カルボン酸アミドが50重量%以上、好ましく
は80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上の
量で含まれていることが望ましい。粗カルボン酸アミド
中に含まれるカルボン酸アミド量が50重量%以上、8
0重量%未満では、カルボン酸アミドの回収率が低下す
る傾向が現れ、また得られるカルボン酸アミドの純度も
低くなる傾向が現れることがあり、特にカルボン酸アミ
ド濃度50重量%未満では、このような傾向が顕著にな
る。
【0023】なお、本発明で精製に供される粗カルボン
酸アミドの製造方法には、特に制限はなく、カルボン酸
と、アンモニアまたはアミンとからカルボン酸塩を合成
し、脱水反応させて得る方法の他、カルボン酸アルキ
ルエステルとアンモニアとを反応させてカルボン酸アミ
ドを得る方法など、従来より公知の種々の方法が挙げ
られるが、一般的な方法としては、上記に示すいわゆ
るカルボン酸塩の脱水反応による製造法が挙げられる。
【0024】このカルボン酸塩の脱水反応による方法
では、まずカルボン酸と、アンモニアまたはアミンとを
反応させて得られるカルボン酸塩を、反応容器、または
蒸留塔付き反応容器に加えて脱水反応を行い、カルボン
酸アミドを含む反応物(粗カルボン酸アミド)を回収す
る。
【0025】このようにして得られた反応物中のカルボ
ン酸アミド濃度が50重量%以上である場合には、この
反応物をそのまま精製用原料(粗カルボン酸アミド)と
して使用することができるが、好ましくは80重量%以
上、特に好ましくは90重量%以上であることが望まし
い。このようにカルボン酸アミド濃度を高めるには、蒸
留操作等によって上記反応物(液)を濃縮すればよい。
このようなカルボン酸アミド濃度の高い粗カルボン酸ア
ミドを用いると、高回収率で精製操作を行うことがで
き、製品純度も高くなるため好ましい。
【0026】粗カルボン酸アミド中に含まれるカルボン
酸アミド以外の成分には、特に制限はなく、水、カルボ
ン酸、未反応カルボン酸塩、カルボン酸アミド2量化
物、アミジン系化合物、トリアジン系化合物、ピリミジ
ン系化合物などが挙げられる。
【0027】カルボン酸アミドは水に対して不安定であ
り、空気中の水分を吸湿して徐々に分解する。したがっ
て、精製に際しては、系内を窒素や乾燥空気などの雰囲
気下に保つことが望ましい。具体的には、例えば、塔型
連続晶析装置内、さらには原料タンク内(粗カルボン酸
アミド収容タンク内)、製品タンク内(精製カルボン酸
アミド収容タンク内)、母液回収タンク内などの付帯設
備内も窒素あるいは乾燥空気などの雰囲気下に保つこと
が望ましい。
【0028】このような粗カルボン酸アミドは、下記の
塔型連続晶析装置に供給されるが、結晶、スラリー状、
溶融状態の何れの状態で供給してもよく、その供給方法
は、特に限定されない。
【0029】[結晶精製および塔型連続晶析装置]本発
明において、円筒状竪型塔1を備えた塔型連続晶析装置
20を用いて上記のような粗カルボン酸アミドを精製し
精製カルボン酸アミド(製品)を得ているが、この際に
使用される塔型連続晶析装置としては、特公昭54−3
4705号公報、特公昭55−18521号公報等に記
載された各種の装置を使用することができ、好ましくは
特公昭55−18521号公報に記載された装置が用い
られる。
【0030】この特公昭55−18521号公報に記載
の塔型連続晶析装置は、図1に示すように、竪型塔の適
宜の位置に原料(粗カルボン酸アミド)の供給口2、供
給口より上部に冷却手段3、供給口より下部に加熱手段
4、供給口より上部に母液取り出し口5、および底部に
目的物の精製カルボン酸アミド取り出し口(精製融解結
晶取出口)6を有している。
【0031】この塔型連続晶析装置20では、該装置の
適宜の位置に原料供給口2が設けられるが、この原料供
給口2と、該原料供給口2より上方に位置する冷却手段
3との間に、挿入原料2の粗カルボン酸アミドを冷却
し、目的物の精製カルボン酸アミドを晶析させる上部冷
却晶析部Xが形成され、上記原料供給口2と、該原料供
給口2より下方に位置する加熱手段4との間に、晶析結
晶と液(粗カルボン酸アミド含有液)とが向流接触する
ことにより、結晶の融解−析出が繰り返される下部結晶
精製部Yが形成され、かつ該装置の底部には、加熱手段
4でカルボン酸アミドの精製結晶を融解させる底部結晶
融解部(溶融部)Zが形成される。
【0032】しかもこの塔型連続晶析装置20では、こ
れらの上部冷却晶析部X、下部結晶精製部Yおよび底部
結晶融解部Zは上方から下方にかけて連通した状態とな
っている。さらに、この塔型連続晶析装置では、撹拌機
を備えているが、この撹拌機は、該装置の竪型塔の上下
に連通して設置されている回転軸7に棒状体からなる撹
拌翼8を多数取り付けた構造になっている。このような
攪拌機を高速回転させることにより、析出結晶に対して
上下方向への結晶移送力を実質的に与えることなく、上
部冷却晶析部から底部結晶融解部に向けて徐々に高い温
度となるように温度設定される。図1中、付番10は、
温度計を示す。
【0033】この塔型連続晶析装置によれば、冷却晶析
部で冷却され析出した粗カルボン酸アミド結晶は、上記
のように上方から底部に向かって降下する過程で粗カル
ボン酸アミド含有液と向流接触することによりミクロ的
な上下運動および融解(溶解)−再結晶を繰り返しつ
つ、次第に高純度に精製されマクロ的には徐々に沈降す
る。このようにして底部に向かって沈降してきた高純度
精製カルボン酸アミド結晶は、融点よりやや高い温度に
保たれた底部結晶融解部Zにおいて融解され、取り出し
口6から外部に取り出される。
【0034】なお、母液は沈降する結晶と向流接触しな
がら次第に上昇してくるが、再結晶などを繰り返すうち
に次第にカルボン酸アミド含有量は低減され上部(頂
部)母液抜き出し口5から抜き出される。
【0035】このときの母液は、そのまま、あるいは蒸
留法、再結晶法などによって精製した後、カルボン酸と
アンモニアまたはアミンからカルボン酸塩を合成する工
程、またはカルボン酸塩の脱水反応工程に戻すことによ
って、カルボン酸アミドの回収効率をより向上させるこ
とができる。
【0036】本発明では、このような塔型連続晶析装置
を用いてカルボン酸アミドの精製を行っているので、高
い精製効果が生じると共に、連続的にカルボン酸アミド
の精製が行われる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、高純度カルボン酸アミ
ドを簡単かつ高収率で工業的に有利に製造することがで
きる。
【0038】
【実施例】以下、本発明について実施例に基づいてさら
に具体的に説明するが、本発明はこのような実施例によ
って何ら限定されるものではない。
【0039】
【実施例1】酢酸アンモニウムの脱水反応によって得ら
れた反応物を蒸留し、アセトアミド濃度96重量%の粗
アセトアミドを得た。この粗アセトアミドを特公昭55
−18521号公報に記載された、図1に示すような連
続晶析装置20に導入して、晶析精製した。
【0040】連続晶析装置20の操作は、塔頂の母液抜
き出し口5の温度65〜70℃、塔底の製品抜き出し口
6温度85℃で行い、塔底から塔上部のジャケット下部
に向かって、図2に示すような、なだらかな温度勾配を
有するように維持しながら進めた。撹拌機回転速度5r
pm、原料挿入速度50kg/時間、製品抜き出し速度
35kg/時間、母液抜き出し速度15kg/時間で1
00時間連続運転したところ、粗アセトアミド中に含ま
れる不純物全成分が効率的に除去され、アセトアミド濃
度99.9重量%の高純度アセトアミドが得られた。粗
アセトアミド、製品(精製アセトアミド)、母液それぞ
れのアセトアミド濃度、及び不純物濃度を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【実施例2】プロピオン酸アンモニウムの脱水反応によ
って得られた反応物を蒸留し、プロピオンアミド濃度9
5重量%の粗プロピオンアミドを得た。この粗プロピオ
ンアミドを連続晶析装置に導入して、晶析精製した。
【0043】連続晶析装置の操作は、塔頂の母液抜き出
し口温度65〜70℃、塔底の製品抜き出し口温度85
℃で行い、塔底から塔上部のジャケット下部に向かって
なだらかな温度勾配を有するように維持しながら進め
た。撹拌機回転速度5rpm、原料挿入速度100kg
/時間、製品抜き出し速度70kg/時間、母液抜き出
し速度30kg/時間で100時間連続運転したとこ
ろ、実施例1と同様、粗プロピオンアミド中に含まれる
不純物全成分が効率的に除去され、プロピオンアミド濃
度99.9重量%の高純度プロピオンアミドが得られ
た。粗プロピオンアミド、製品(精製プロピオンアミ
ド)、母液それぞれのプロピオンアミド濃度、及び不純
物濃度を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
【実施例3】酢酸アンモニウムの脱水反応によって得ら
れたアセトアミド濃度85重量%の反応物をそのまま連
続晶析装置に導入して、晶析精製した。
【0046】連続晶析装置の操作は、塔頂の母液抜き出
し口温度40〜50℃、塔底の製品抜き出し口温度85
℃で行い、塔底から塔上部のジャケット下部に向かって
なだらかな温度勾配を有するように維持しながら進め
た。撹拌機回転速度5rpm、原料挿入速度100kg
/時間、製品抜き出し速度30kg/時間、母液抜き出
し速度70kg/時間で100時間連続運転したとこ
ろ、粗アセトアミド中に含まれる不純物全成分が効率的
に除去され、アセトアミド濃度99.0重量%の高純度
アセトアミドが得られた。粗アセトアミド、製品、母液
それぞれのアセトアミド濃度、及び不純物濃度を表3に
示す。
【0047】
【表3】
【0048】
【比較例1】酢酸アンモニウムの脱水反応によって得ら
れたアセトアミド濃度65重量%の反応物から低沸点分
である酢酸、水、酢酸アンモニウムなどを留去するた
め、反応液の蒸留操作を行った。得られた濃縮物のアセ
トアミド濃度は95.5重量%であった。次に、この濃
縮物中に含まれるアミジン系化合物など高沸点物を除去
するために、再度蒸留操作を行ったところ、装置上部か
らアセトアミド濃度98.3重量%のアセトアミドが回
収された。反応液、及び製品のアセトアミド濃度、及び
不純物濃度を表4に示す。
【0049】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明で用いられる塔型連続晶析装置
の好適な一例である。
【図2】図2は、実施例1における、塔型連続晶析装置
内での位置とその温度勾配の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・・円筒状竪型塔、 2・・・・原料供給口、 3・・・・冷却手段、 4・・・・加熱手段、 5・・・・母液取出口、 6・・・・融解結晶取出口、 7・・・・回転軸、 8・・・・攪拌翼、 10・・・温度計、 20・・・塔型連続晶析装置、 X・・・・冷却晶析部、 Y・・・・結晶精製部、 Z・・・・結晶融解部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中 村 仁 至 大分県大分市大字中の洲2 昭和電工株式 会社大分工場内 (72)発明者 相 沢 利 行 大分県大分市大字中の洲2 昭和電工株式 会社大分工場内 (72)発明者 桑 原 弘 行 福岡県北九州市小倉北区中井4丁目7−2 −101 (72)発明者 渡 辺 烈 彦 福岡県北九州市八幡西区春日台6丁目9− 3 (72)発明者 野 間 修 匡 福岡県北九州市小倉北区中井4丁目7−3 −201 (72)発明者 堀 部 和 義 福岡県北九州市小倉北区中井4丁目6−14 −404

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボン酸アミドが50重量%以上の量で
    含まれた粗カルボン酸アミドを、 上部冷却晶析部と下部結晶精製部と底部結晶融解部とを
    有し、上部冷却晶析部から底部結晶融解部に向けて徐々
    に高い温度となるように温度設定された塔型連続晶析装
    置に供給し、 上部冷却晶析部にて冷却晶析させ、 該冷却晶析された結晶を、下部結晶精製部にて、粗カル
    ボン酸アミド含有液と向流接触させて結晶の融解−再結
    晶を繰返させることにより結晶精製させると共に、得ら
    れた精製カルボン酸アミド結晶を沈降させ、 該精製カルボン酸アミド結晶を底部結晶融解部にて融解
    させて分離回収することを特徴とするカルボン酸アミド
    の精製方法。
  2. 【請求項2】カルボン酸アミドがアセトアミドである請
    求項1に記載の精製方法。
  3. 【請求項3】粗カルボン酸アミドが、酢酸とアンモニア
    の反応により得られる粗アセトアミドであることを特徴
    とする請求項1または2に記載の精製方法。
JP3823096A 1996-02-26 1996-02-26 カルボン酸アミドの精製方法 Withdrawn JPH09227476A (ja)

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