JP2991273B2 - 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルの製造法 - Google Patents

2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルの製造法

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JP2991273B2 JP6030242A JP3024294A JP2991273B2 JP 2991273 B2 JP2991273 B2 JP 2991273B2 JP 6030242 A JP6030242 A JP 6030242A JP 3024294 A JP3024294 A JP 3024294A JP 2991273 B2 JP2991273 B2 JP 2991273B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高機能性ポリエステル
の原料として有用な2,6−ナフタレンジカルボン酸ジ
メチルを製造する方法に関するものであり、更に詳しく
は2,6−ナフタレンジカルボン酸をメタノールでエス
テル化して2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルを
製造する方法において、未反応メタノールを効率的に回
収すると共に、高純度の2,6−ナフタレンジカルボン
酸ジメチルを回収する方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来、2,6−ナフタレンジカルボン酸
(以後、2,6−NDCAと記す)をメタノールでエス
テル化して2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル
(以後、2,6−NDCMと記す)を製造する方法とし
ては、硫酸等の鉱酸を触媒とする方法(特公昭49−1
74)、金属酸化物や塩等を触媒とする方法(特開昭5
0−83360、50−83361、51−8252、
51−48641)、無触媒下、メタノールの臨界温度
以上で反応させる方法(特開昭50−95253)等が
知られている。又、エステル化後の反応生成液からの各
成分の回収方法としては、エステル化反応生成液より、
未反応メタノールを蒸留により回収した後、蒸留又は晶
析により2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルを回
収する方法が一般的である。あるいは又、エステル化反
応生成液を冷却し、晶析により2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸ジメチルを回収した後、母液より未反応メタノ
ールを回収する方法も考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】2,6−NDCAをメ
タノールでエステル化して2,6−NDCMを製造する
場合には、2,6−NDCAがメタノールに溶解し難く
反応速度が極めて遅いこと及び平衡論的な観点から、一
般にメタノールは過剰に使用される。そしてエステル化
後の反応生成液より目的物2,6−NDCMの分離回
収、及び未反応メタノールの分離回収が行われる。 回
収されたメタノールは反応に再使用される。常識的に
は、反応生成液を蒸留操作にかけて、先ず沸点の低い未
反応メタノールを分離回収し、次いで生成水を除去し、
しかる後に2,6−NDCMを分離回収する方法が採ら
れる。 当初、この方法で検討したところ反応生成液を
そのままメタノール回収のための蒸留操作にかけた場合
には、蒸留塔内のフラッデングや更には閉塞が起こり、
長時間にわたる安定的な蒸留操作ができないと云う事態
に至ることが判明した。 そこでメタノール回収の蒸留
塔の形式や操作等について種々の検討を行ったが、充填
塔、シェッドトレー、ダウンカマー無しの多孔板トレー
等では、いずれも工業的には満足されるものではなかっ
た。
【0004】本発明者らは、2,6−NDCAのエステ
ル化反応生成液からの未反応メタノールの回収に係る上
述の如き問題を解消すべく種々の検討を行った。当該反
応生成液には、目的物の2,6−NDCMや未反応メタ
ノール、及び生成水の他に、未反応の2,6−NDCA
やエステル化中間体、及び種々の副生物や不純物が含ま
れている。 種々の副生物にはエステル化反応で生じた
ものに加えて、原料の2,6−NDCAに起因するもの
も含まれている。即ち、一般的に2,6−NDCAは、
ジアルキルナフタレンの酸化によって得られるものであ
るが、このときの種々の副生物も程度の差はあるものの
原料2,6−NDCAには含まれている。このような反
応生成液をそのままメタノール蒸留塔にかけた場合に、
最終的に起こる蒸留操作上の閉塞等の問題は、塔内にメ
タノールに難溶の物質が付着蓄積することによるもので
あり、この物質は、主として2,6−NDCMとその他
芳香族酸類及び重合物であることが判明した。これらの
原因物質は、微量づつではあるがメタノール蒸留時に同
伴して塔内に付着蓄積することが判った。 特に2,6
−NDCM分については、メタノールの沸点が低いため
に、蒸留時の塔内温度が低くなり、2,6−NDCMの
溶解度が小さくなるため析出し、付着蓄積するものと推
察される。
【0005】次に、本発明者らはエステル化反応生成液
について、先ず目的物の2,6−NDCMを晶析により
分離回収し、その母液について未反応メタノールの蒸留
による回収を試みた。 しかしながら、蒸留塔の運転可
能な時間は長くなる傾向はあったが、やはり同様な問題
を回避できないことが判った。 この原因は、当該母液
中にはメタノール及び生成水の他に、溶解分の2,6−
NDCMや各種副生物が含まれており、上述した如くメ
タノール蒸留時に同伴して塔内に付着蓄積してくること
によるものであった。
【0006】
【課題を解決しようとする手段】本発明者らは、この問
題を完全に解消する為に鋭意検討を重ねた結果、加圧及
び加熱下において溶融状態又は一部スラリー状態となし
た2,6−NDCAにメタノールを供給してエステル化
反応を行い、2,6−NDCMを製造するに際して、メ
タノールと共に芳香族炭化水素を混合し供給するか、又
はエステル化反応後の生成液に、芳香族炭化水素を添加
することにより、未反応メタノールの蒸留による安定し
た回収が可能となることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、エステル化反応生成液より未反応メタノ
ールを蒸留により回収するに当たり、芳香族炭化水素を
共存させることを特徴とするものである。更に詳しく
は、エステル化反応時又は反応後に系内に芳香族炭化水
素を共存させることより、未反応メタノールの蒸留時に
おいて2,6−NDCMや各種不純を芳香族炭化水素の
溶液として塔底部に留めることができ、これによって塔
内への付着物の発生を防止でき、効率的な未反応メタノ
−ルの回収が可能となり、全体として経済的な2,6−
NDCM製造プロセスが構築されるものである。
【0007】以下に、本発明について詳しく説明する。
本発明における芳香族炭化水素は、エステル化反応時に
原料メタノールと共に反応系に供給してもよく、またエ
ステル化後のメタノール又は反応生成液に添加してもよ
い。前者の場合の芳香族炭化水素の使用量は、供給する
メタノール当たり3〜20重量%、好ましくは3〜10
%である。 また、後者の場合には、エステル後の反応
生成液中の未反応メタノール当たり1〜10重量部、好
ましくは8〜10重量部である。これらの範囲より少な
いとメタノール回収蒸留時のトラブルを完全に解消する
ことができず、また多すぎるのは経済プロセスとして好
ましくない。本発明の方法で用いる芳香族炭化水素は、
2,6−NDCMを溶解するものであればよく、トルエ
ン、キシレン、メシチレンなどが挙げられ、特にキシレ
ンの使用が推奨される。
【0008】以下に、本発明の典型的な方法の一例を挙
げて詳しく説明する。 1) エステル化反応において、2,6−NDCAは2,
6−NDCMを溶媒としたスラリー状にしておく。 こ
のスラリー状のNDCA、NDCM液の中へ、気相のメ
タノールを通過させて反応させる。 2,6−NDCA
1重量部に対し、溶媒2,6−NDCMは1〜3重量部
がよく、これ以上のNDCMを用いても、より大きな反
応器を必要とするのみで効率はよくない。 メタノール
はNDCAに対し2〜6重量部を予め加熱蒸発して吹き
込む。 メタノールが多い程、反応速度は促進される
が、これ以上吹き込んでも効果は小さい。
【0009】2) エステル化における反応圧力は10〜
30Kg/cm2G、反応温度は200〜320℃であ
る。 反応圧力は低すぎると、反応液相中のメタノール
含量が低くなり、反応速度は低くなる。又、高すぎると
反応液中の副生水分が高くなり、エステル化反応の特徴
である逆反応が増え、反応率が低下する。反応温度は、
2,6−NDCMの融点以上で高い方がよいが、高すぎ
ると後の精製工程でのNDCMの色値のよいものが得ら
れない。 メタノールは反応温度と同じ温度に予熱して
吹き込むのがよい。 メタノールを低温で吹き込むと、
局部的なNDCMの固化が起こり易く好ましくない。
【0010】3) エステル化後、反応液は大気圧〜2K
g/cm2Gに落圧し、反応液中に含まれる未反応メタノ
ール、水等をフラッシュ蒸発させる。これ以上高圧にす
ると、フラッシュ後の粗NDCMを蒸留する場合に、蒸
留塔内で非濃縮物となり蒸留ベントコンデンサーの負荷
となる。ここでフラッシュするメタノール等は、エステ
ル化反応で、反応液を通過後のメタノール蒸気と合流さ
せ、蒸気のままメタノール蒸留塔へ供給し、同伴してい
る反応生成水を分離する。
【0011】4) メタノール蒸留塔の閉塞トラブルを回
避する目的で、エステル化反応原料メタノール中にキシ
レンを混在させる場合、メタノールに対するキシレンの
比率が過大であると、エステル化反応時に反応液中のキ
シレン濃度が過剰になり、反応速度が低下する。その
為、メタノール中のキシレン濃度は3〜20重量%がよ
く又その後のメタノール蒸留塔の能力を考えると3〜1
0重量%が最適である。これはメタノール蒸留塔での留
出メタノールが、キシレンを3〜10重量%含んでお
り、このまま反応へリサイクルするのが経済的である。
この程度の含量であれば、エステル化反応には全く支障
を来さない。
【0012】5) 次に、エステル化反応後のメタノール
にキシレンを添加する場合は、メタノールが蒸気相にあ
る時点でキシレンを注入するのがよい。 その量は注入
後の組成でキシレンが30〜90重量%となる条件がよ
く、望ましくは80重量%以上となる量の添加がよい。
この場合キシレン添加後の組成は、メタノール顕熱によ
ってかなりの部分のキシレンが蒸発し、液相に留まるキ
シレンの量が減少する。液相のキシレンは、メタノール
に同伴して来たNDCMを抽出し溶解させるに足る量及
び温度が必要である。 その為、キシレンの添加量は、
前述の如く注入後30〜90重量%となる量が望まし
い。 又、メタノール蒸気と添加キシレンを充分に接触
させることが必要であり、その効果を高める為には、ス
プレー塔、棚段塔、シェッドトレー型式のスクラバーを
用いること、又はメタノール配管内へキシレンを直接注
入し混合する方法がよい。
【0013】6) 次に、メタノール蒸留塔へキシレンを
直接添加する場合、キシレンの量は原理的には反応後の
メタノールに、蒸留塔入口前で添加する場合と同様であ
る。しかしながら蒸留塔への添加の場合には、メタノー
ル蒸気とキシレンとの接触は、添加キシレンによるより
も塔内を流下するキシレンによるところが大きい。従っ
て、メタノール蒸留塔は充分な還流量を保ち、フィード
段での組成がキシレンリッチになっていることが好まし
い。メタノール蒸留塔は大気圧〜0.1Kg/cm2Gで
操作するのがよい。
【0014】7) キシレン混入のメタノールの蒸留塔の
型式は、通常考えられるような蒸留塔でも使用できる
が、操作上の多少の変動が発生したり、NDCMが析出
しても閉塞等を起こし難いダウンカマー無しの多孔板ト
レー式などが好ましい。メタノール蒸留塔からの留出
は、メタノール、水、キシレンなる成分として、NDC
M等の閉塞性物を含まず、一方、缶出は、キシレン、N
DCMを主なる成分として、NDCM濃度も低目に抑え
るようにするのが、蒸留塔内の析出閉塞対策上として重
要である。缶出は、一部を蒸留原料メタノールに同伴す
るNDCMをバランスする量だけ系外へ抜き出し、その
他缶出の大部分を上記5) に記載の添加キシレンとして
蒸留原料メタノール蒸気相中へ循環使用される。
【0015】8) メタノール蒸留塔の留出物は別の蒸留
塔で分離し、塔頂からはメタノール、塔底からはキシレ
ン及び水を缶出させる。 留出はメタノール及び若干の
キシレンを含むが、これはこのまま原料メタノールとし
て反応に使用する。缶出は保温付きの分離器で静置分離
し、キシレン相はメタノール蒸留の添加キシレンとして
循環し、水相は廃水とする。 この蒸留塔は、一般的な
どの様な蒸留塔を採用してもよい。
【0016】9) メタノール蒸留塔の缶出物は別の蒸留
塔で分離し、塔頂からはキシレン、塔底からはNDCM
を缶出させる。 留出キシレンは、メタノール蒸留の添
加キシレンとして循環し、缶出NDCMは、反応生成液
に混合する。この蒸留塔は、一般的などの様な蒸留塔で
も構わないが、ダウンカマー無しの多孔板トレーが最適
である。 又、キシレン域を高温に保ち、混在のNDC
Mを充分溶解できる様常圧〜加圧系が好ましい。
【0017】10) 上記 7),8)は2本の蒸留塔を用いてい
るが、一本の蒸留塔で行うこともできる。 この場合に
は、留出は3〜10wt%を含むメタノ−ルであり、その
まま原料メタノ−ルとして反応に使用する。 缶出はキ
シレン、水、NDCMであり、抜き出し後、NDCMを
含むキシレン相と水相に静置分離する。 キシレン相は
上記9)と同様にNDCMを分離する。水相は廃水とす
る。
【0018】11) 次に、反応生成液は蒸留し不純物の大
半を釜残として除去した後、更に再結晶法により精製
し、目的の高純度2,6−NDCMを得る。
【0019】12) 反応生成液の蒸留は、減圧蒸留で10
〜20mmHgがよく、ボトム温度は230〜260℃と
する。 ボトム温度をこれ以上高くすると、エステルの
分解、留出NDCMの酸価の上昇を起こすので好ましく
ない。
【0020】13) 再結晶の為の有機溶媒は、メタノール
及び又は芳香族炭化水素である。これらは、粗NDCM
及び不純物を容易に溶解し、且つ冷却した場合のNDC
M溶解度が低く、不純物を選択的に抽出するものが良
い。 例えばメタノール、トルエン、キシレン各異性
体、トリメチルベンゼンがよい。これらの溶媒の中で
は、特にキシレンが優れている。 キシレンは沸点が1
40℃前後と高目の為、少な目の溶媒量のまま、常圧で
溶解できるからである。 また晶出の方法としては、冷
却晶出を用いるのがよく、この場合はジャケットを介し
ての間接冷却又は減圧下での蒸発冷却を用いる。 この
場合にも、キシレンは深冷することなく、NDCMを高
回収率で晶出できるので好ましい。又、晶出してくるN
DCMは、キシレンでは粒径が大きいのに対し、例えば
メタノールでは微細結晶になる等、次工程の固液分離操
作上もキシレンが好ましい。
【0021】14) 再結晶法で晶出したNDCMは、通常
の分離操作で分離し乾燥する。例えば、分離は遠心ろ過
器、スクリュー付き遠心沈降機、回転ドラム型濾過機、
ベルト型濾過機等であり、乾燥は間接加熱型ドライヤ
ー、スプレードライヤー等である。 特に乾燥は、間接
加熱型が最適で、加熱面のセルフクリーニング機構を持
つものが、加熱面の更新、結晶の付着防止の面から最適
である。 15) 上記1〜14の方法により、未反応メタノ−ルの効
率的な回収、及び目的とする高純度のNDCMを得るこ
とができる。
【0022】
【発明の効果】本発明の方法により、2,6−NDCA
をメタノールでエステル化して2,6−NDCMを製造
するに際して、芳香族炭化水素を共存させることによっ
て、未反応メタノールの蒸留による回収が容易になると
共に、工業的に優位な2,6−NDCM製造プロセスが
構築され、その工業的意義は大きい。
【0023】
【実施例】以下に、実施例及び比較例により本発明につ
いて更に詳しく説明する。尚、本発明はこれらの実施例
により制限されるものではない。実施例−1 内容積200L攪拌機付きのリアクター2基を用い、
2,6−NDCA7Kg/H、2,6−NDCM21K
g/Hで供給し、この液相中へメタノール蒸気を20K
g/H、キシレン蒸気を2Kg/Hで供給した。 反応
温度は285℃、圧力は15Kg/cm2Gであり、メタ
ノール及びキシレン蒸気は混合物であり285℃であ
る。 反応器出口メタノール及びキシレン蒸気を圧力制
御弁を通過後、常圧のスプレー塔に導き、ここへ200
Kg/Hのキシレン液をスプレーし接触させた後、メタ
ノール蒸留塔へ供給した。メタノール蒸留塔は、通常の
蒸留方法に従って運転を行い、塔頂からメタノール、水
及び少量のキシレンを留出させ、ボトムからキシレン及
び同伴の2,6−NDCMの混合物を缶出させた。缶出
は均一相であった。この運転を10日間行った後、各塔
の開放点検を行った。 その結果、反応率は98%であ
り充分反応が進んでいることが確認され、又、スプレー
塔及びメタノール蒸留塔では、内部への2,6−NDC
M等の析出、付着は一切認められなかった。 缶出のキ
シレン相中の2,6−NDCM濃度を分析すると、安定
した濃度を示しておりキシレンにより定常的に溶解、排
出されていることが判った。
【0024】実施例−2 実施例−1と同じ設備を用い、2,6−NDCA7Kg
/H、2,6−NDCM21Kg/Hで供給し、この液
相中へメタノール蒸気を20Kg/H、キシレン蒸気を
2Kg/Hで供給した。 反応温度は285℃、圧力1
5Kg/cm2Gで、メタノール及びキシレン蒸気は混合
物で285℃である。反応器出口メタノール及びキシレ
ン蒸気を圧力制御弁を通過後、常圧のスプレー塔を通過
させた後、メタノール蒸留塔へ供給した。スプレー塔で
の溶媒スプレーは行わなかった。 メタノール蒸留塔は
通常の蒸留方法に従って運転を行い、塔頂からメタノー
ル、水及び少量のキシレンを留出させ、ボトムからはキ
シレン及び同伴の2,6−NDCMの混合物を缶出させ
た。この運転を10日間行った後、各塔の開放点検を行
った。 その結果、反応率は98%であり充分反応が進
んでいることが確認された。 又、スプレー塔の内部で
は運転に支障のない量ではあるが極く少量の析出付着が
認められたが、メタノール蒸留塔の内部には全く付着物
は認められなかった。
【0025】比較例−1 実験例と同じ設備を用い、2,6−NDCA7Kg/
H、2,6−NDCM21Kg/Hで供給し、この液相
中へメタノール蒸気を20Kg/Hのみ供給した。 反
応温度は285℃、圧力15Kg/cm2Gで、メタノー
ル蒸気は285℃である。 反応器出口メタノール蒸気
を、実験例と同じく圧力制御弁を通過後常圧のスプレー
塔を素通りさせた後、メタノール蒸留塔へ供給した。
メタノール蒸留塔は通常の蒸留方法に従って運転を行
い、塔頂からメタノールを留出させボトムからは水を缶
出させた。この運転を2日間行った。 その結果、反応
率は98%となり、反応は充分進んでいることが確認さ
れが、運転中にはフィード段より下部での圧損の上昇が
観察され、又、リボイラースチームの圧力の上昇が観察
された。メタノール蒸留塔を分解点検したところ、フィ
ード段より下側で2,6−NDCMの付着蓄積が認めら
れた。 又、リボイラーの伝熱管にファウリングが認め
られ、これが蒸留塔の圧損、リボイラースチーム圧の上
昇の原因とみられた。
【0026】実施例−3 実施例−1で得られた反応生成液を、常法により蒸留
し、留出率90%にて高沸及び低沸を除去した。得られ
た2,6−NDCMは純度99.0%であった。このN
DCMを0.5Kgと、予め蒸留し精製したキシレン3
Kgとを混合し攪拌機及びジャケット付きのSUS製オ
ートクレープにて昇温、溶解させた。120℃で30分
間維持した後、40℃迄冷却し2,6−NDCMを再結
晶した。これをろ過器で分離し、結晶はN2 雰囲気下で
乾燥した。 この結晶をN2雰囲気下で溶解し、色価を
測定したところAPHA42、酸価は0.004で充分
満足の行く品質であると評価された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−82246(JP,A) 特開 平1−249746(JP,A) 特開 平3−258753(JP,A) 特開 平4−99750(JP,A) 特開 平7−215916(JP,A) 特表 平3−502334(JP,A) 特表 平5−508870(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 69/76 C07C 67/08 C07C 67/54 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2,6−ナフタレンジカルボン酸をメタノ
    ールでエステル化して2,6−ナフタレンジカルボン酸
    ジメチルを製造するに際し、加圧下、加熱下において溶
    融状態又は一部スラリー状態となした2,6−ナフタレ
    ンジカルボン酸にメタノールを供給してエステル化反応
    を行なう方法において、原料メタノールに芳香族炭化水
    素を添加するか、又はエステル化反応後の生成液に芳香
    族炭化水素を添加することにより、未反応メタノールの
    蒸留による回収を容易にすることを特徴とする2,6−
    ナフタレンジカルボン酸ジメチルの製造方法。
  2. 【請求項2】エステル化反応において、過剰のメタノ−
    ルを供給してエステル化反応を進行させつつ未反応メタ
    ノ−ルの大半を反応液の通過蒸気として系外に抜き出
    し、且つ残りの未反応メタノ−ルを反応後の生成液を落
    圧パージして抜き出し、この両者を合わせて未反応メタ
    ノ−ルを回収することを特徴とする請求項1に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】エステル化反応において、過剰のメタノー
    ルを液相に保ったまま反応させることを特徴とする請求
    項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】エステル化における反応圧力が10〜30
    Kg/cm2G、反応温度が100〜300℃である請求
    項1記載の方法。
  5. 【請求項5】原料メタノール、又はエステル化反応後の
    生成液に添加する芳香族炭化水素が、トルエン、キシレ
    ン、メシチレンである請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】原料メタノール当たりの芳香族炭化水素の
    添加量が3〜20重量%である請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】エステル化反応後の生成液に添加する芳香
    族炭化水素の量が生成液中のメタノールに対し1重量部
    〜10重量部である請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】エステル化反応において、系外に抜き出し
    たメタノールを蒸留回収するに際して、メタノール供給
    用の配管内にキシレンを直接注入混合すること、及びス
    プレー塔又は棚段塔又はシェッドトレー式スクラバーを
    用いることを特徴とする請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】メタノール蒸留塔の頂部よりメタノールを
    回収し、塔底より生成水、キシレン、2,6−ナフタレ
    ンジカルボン酸ジメチルを抜き出し、この缶出液を静置
    し水相を分離し、キシレン相を別途蒸留にかけてキシレ
    ンと2,6−ナフレンジカルボン酸ジメチルを分離回収
    する請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】メタノール蒸留塔からの缶出液を静置分
    離し、そのキシレン相を蒸留にかけて、キシレンと2,
    6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルを分離する場合に
    おいて、分離キシレンはメタノール蒸留塔又はメタノー
    ル蒸留塔の留出槽へリサイクルし、又分離2,6−ナフ
    タレンジカルボン酸ジメチルは反応生成液に混合する請
    求項8に記載の方法。
JP6030242A 1994-02-28 1994-02-28 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルの製造法 Expired - Fee Related JP2991273B2 (ja)

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