JPH09227289A - シリコン単結晶製造方法 - Google Patents

シリコン単結晶製造方法

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JPH09227289A
JPH09227289A JP6713896A JP6713896A JPH09227289A JP H09227289 A JPH09227289 A JP H09227289A JP 6713896 A JP6713896 A JP 6713896A JP 6713896 A JP6713896 A JP 6713896A JP H09227289 A JPH09227289 A JP H09227289A
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Naoki Ikeda
直紀 池田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CZ法により引上げられる単結晶の引上げ軸
方向全域において酸素析出を均等に抑制すると共に結晶
汚染を均等に抑制する。酸化膜の耐圧特性を改善する。 【解決手段】 単結晶の育成が終了するまで、育成結晶
を1200〜1000℃の温度域に保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はCZ法によるシリコ
ン単結晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ディバイスに使用されるシリコン
ウェハの素材、すなわちシリコン単結晶ロッド(本発明
ではこれを単にシリコン単結晶と称す)は、CZ法によ
って製造されることが多い。
【0003】CZ法によるシリコン単結晶の製造では、
図1に示すように、石英坩堝A内のシリコンの融液Bか
ら単結晶CがワイヤDにより回転しながら引上げられ
る。このとき、石英坩堝Aの内面から融液B中に酸素が
溶け出す。溶け出た酸素は、融液Bの表面からのSiO
の蒸発に伴って大部分が排出されるが、一部は固溶界面
を通って結晶中に格子間不純物として取り込まれる。結
晶中に取り込まれた酸素は、析出を起こすと結晶欠陥を
発生させる。ディバイスの活性層(ウェーハ表面層)で
析出が起こると、ディバイス特性を劣化させる。
【0004】一方、CZ法によって製造される単結晶
は、炉内でシリコンの融点から300℃程度にわたる広
い範囲の熱履歴を受ける。しかし、この熱履歴は単結晶
の引上げ軸方向において異なるものになる。具体的に
は、図2に実線で示すように炉内に保持される時間の長
いトップ側の部分ほど緩やかな冷却となる。他方、結晶
欠陥の原因となる酸素析出に関し、900℃以下の温度
域で析出核の形成が促進されるという事実がある。この
ため、トップ側の部分ほど析出核形成温度に長時間さら
され、酸素析出が進むことになる。
【0005】ここに、単結晶は引上げ軸方向において酸
素析出にバラツキを生じる。
【0006】この問題を解決するために、特開平2−4
8491号公報にはシリコン融液から引上げられる単結
晶を1300℃に保持する方法が開示されている。これ
によると、図2に破線で示すように、引上げ軸方向のい
ずれの部分も酸素析出核形成温度を短時間かつ一定時間
で通過し、酸素析出が均一な品質となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平2−4
8491号公報に示された方法では、1300℃という
高温保持を行う。本発明者らの調査によると、このよう
な高温保持の場合、酸素析出核の形成は抑制されるもの
の、ヒータ周辺から金属等による結晶汚染が生じ、その
保持時間の長いトップ部ほど結晶汚染が顕著になること
が判明した。
【0008】本発明の目的は、単結晶の引上げ軸方向全
域において酸素析出を均等に抑制すると共に結晶汚染を
均等に抑制し、合わせて酸化膜の耐圧特性を改善するこ
とができるシリコン単結晶製造方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のシリコン単結晶
製造方法は、図3に示すように、CZ法によって石英坩
堝内のシリコン融液から単結晶を引上げる際に、単結晶
の育成が実質的に終了するまで、1200℃以下100
0℃以上の温度域に育成結晶を保持することを特徴とす
る。
【0010】保持温度が1200℃を超えると、結晶の
汚染が問題になる。1000℃未満の温度保持では、酸
素析出核の形成が促進されるだけでなく、酸化誘起積層
欠陥が発生しやすくなる。ところが、1200〜100
0℃での温度保持は、上記の問題点がなく、酸化膜の耐
圧特性の改善にも有効である。その理由は次の通りであ
る。
【0011】酸化膜耐圧特性の劣化因子は結晶引上中に
形成される直径1000オングストローム程度の結晶欠
陥であり、その実体については諸説あり不明であるもの
の、その密度は1200〜1000℃で徐冷することに
より低減できるのである。
【0012】単結晶の融点から保持温度までの間は、ヒ
ータ周辺から金属等による結晶汚染を防ぐために、平均
1.1℃/min 以上の速度で急冷することが望ましい。
【0013】保持温度より下の温度域については、85
0℃までの間を平均0.5℃/min 以上の速度で急冷する
ことが望ましい。その理由は酸化誘起積層欠陥の核形
成、成長がこの温度域で起こるためである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図4は本発明を実施するのに適し
た単結晶製造装置の1例についてその構成を示す縦断面
図である。
【0015】本製造装置は、チャンバー内でCZ法によ
りシリコン融液10から単結晶11を引上げるものであ
り、チャンバーとしてメインチャンバー1およびプルチ
ャンバー2を具備する。メインチャンバー1内には坩堝
3が配置されている。坩堝3は内側の石英坩堝3aと外
側の支持坩堝3bとからなり、回転支持軸4の上に取り
付けられている。坩堝3の外側にはヒータ5が配置さ
れ、その更に外側には断熱材6がメインチャンバー1の
内面に沿って配置されている。
【0016】一方、坩堝3内の内側には、内側を単結晶
11が通る環状の熱遮蔽板7が、融液10の直上に位置
するように設けられている。熱遮蔽板7は遮蔽効率を高
めるために上方に向かって外周側へ傾斜している。熱遮
蔽板7の上方には小径長尺の円筒状のサブヒータ8が設
けられている。サブヒータ8はプルチャンバー2内から
メインチャンバー1内に連続して設けられている。
【0017】単結晶11の引上げにおいては、チャンバ
ー内を真空排気し、ヒータ5の制御により坩堝3内にシ
リコン融液10を生成する。サブヒータ8の内側を通っ
てメインチャンバー1内に垂下したワイヤ9の下端の種
結晶を融液10に浸ける。この状態からワイヤ9を回転
させながら上昇させる。これにより、融液10から単結
晶11を引上げる。このとき、サブヒータ8を作動させ
る。また、サブヒータ8の内側を通ってメインチャンバ
ー1内に掃気用の不活性ガスを導入する。
【0018】融液10から引上げられる単結晶11は、
まず熱遮蔽板7の内側を通る。熱遮蔽板7は、融液10
の表面からの輻射を遮蔽する。これにより、単結晶11
は融点から急冷される。次いで、単結晶11はサブヒー
タ8内に入り、加熱されることにより所定温度に保持さ
れる。この温度保持は、単結晶11のテール部の形成が
終了するまで続く。テール部の形成が終了すると、サブ
ヒータ8を停止し、結晶全体を急冷する。
【0019】かくして単結晶11は、図3に示されるよ
うに、引上げ軸方向のいずれの部分も融点から保持温度
までの温度域および保持温度より下の温度域を急冷さ
れ、保持温度でトップ部からテール部までの存炉時間差
が吸収される。保持温度は前述した通り1200〜10
00℃の間に設定される。
【0020】
【実施例】図4に示した装置を用いて直径が6インチの
シリコン単結晶を引上げた。保持温度、保持温度までの
冷却速度および保持温度からの冷却速度を種々変更し
て、本発明の有効性を調査した。結果を表1に示す。保
持前の冷却が徐冷とは熱遮蔽板のない場合で冷却速度は
約0.8℃/min であり、急冷とは熱遮蔽板ありの場合で
冷却速度は約1.3℃/min である。また、保持後の冷却
が徐冷とはサブヒータを用いて850℃までを平均0.3
℃/min 〜0.5℃/min で冷却した場合であり、急冷と
はサブヒータを用いないで平均0.5℃/min 以上で冷却
した場合である。
【0021】表1から分かるように、1200〜100
0℃で温度保持を行うことにより、結晶引上げ軸方向の
全域にわたって酸素析出核の形成が抑制されるだけでな
く、金属による結晶汚染が抑制され、更には酸化膜の耐
圧特性も向上する。温度保持前に1.1℃/min 以上の急
冷を行った場合は金属による結晶汚染がない。温度保持
後に0.5℃/min 以上の急冷を行った場合は酸化誘起積
層欠陥の発生が抑制された。
【0022】
【表1】 (○:良,△:並,×:悪い)
【0023】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のシリコン単結晶製造方法は、単結晶の育成が実質的に
終了するまで育成結晶を1200〜1000℃に温度保
持することにより、単結晶の引上げ軸方向全域において
酸素析出を均等に抑制すると共に結晶汚染を均等に抑制
し、合わせて酸化膜の耐圧特性を改善することができる
ので、単結晶の品質向上に大きな効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】CZ法による単結晶の引上げを示す模式図であ
る。
【図2】従来法による単結晶の熱履歴を示す図表であ
る。
【図3】本発明法による単結晶の熱履歴を示す図表であ
る。
【図4】本発明法を実施するのに適した装置の構成例を
示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 メインチャンバー 2 プルチャンバー 3 坩堝 4 ヒータ 7 熱遮蔽板 8 サブヒータ 9 ワイヤ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CZ法によって石英坩堝内のシリコン融
    液から単結晶を引上げる際に、単結晶の育成が実質的に
    終了するまで、1200℃以下1000℃以上の温度域
    に育成結晶を保持することを特徴とするシリコン単結晶
    製造方法。
  2. 【請求項2】 単結晶の融点から保持温度までの間を平
    均1.1℃/min 以上の速度で冷却することを特徴とする
    請求項1に記載のシリコン単結晶製造方法。
  3. 【請求項3】 単結晶の保持温度から850℃までの間
    を平均0.5℃/min以上の速度で冷却することを特徴と
    する請求項1または2に記載のシリコン単結晶製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6548886B1 (en) 1998-05-01 2003-04-15 Wacker Nsce Corporation Silicon semiconductor wafer and method for producing the same
JP2010208894A (ja) * 2009-03-10 2010-09-24 Shin Etsu Handotai Co Ltd シリコン単結晶の引き上げ方法
CN110945163A (zh) * 2017-05-26 2020-03-31 胜高股份有限公司 单晶硅的制造方法

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JP2010208894A (ja) * 2009-03-10 2010-09-24 Shin Etsu Handotai Co Ltd シリコン単結晶の引き上げ方法
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