JPH09226446A - 自動車の吊り下げ用具およびこれを用いた自動車の収 納構造 - Google Patents

自動車の吊り下げ用具およびこれを用いた自動車の収 納構造

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JPH09226446A
JPH09226446A JP6020896A JP6020896A JPH09226446A JP H09226446 A JPH09226446 A JP H09226446A JP 6020896 A JP6020896 A JP 6020896A JP 6020896 A JP6020896 A JP 6020896A JP H09226446 A JPH09226446 A JP H09226446A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コンテナ内の自動車収納台数を増やすことがで
きるとともに、収納作業が簡単であり、また、運搬中の
車体損傷のおそれのない自動車の吊り下げ用具およびこ
れを用いた自動車の収納構造を提供する。 【解決手段】吊り下げ用具Hは、貫通孔付きの取着用板
状部1と、ワイヤWを取付ける索条体取付け用板状部2
とを備える。この吊り下げ用具Hは、車軸に突設された
車輪固定用のボルトを、貫通孔に挿通させて、当該ボル
トにナットを螺合することにより、車軸21の端部へ取
着する。この車軸21の端部へ取着した吊り下げ用具H
の索条体取付け用板状部2に、ワイヤWの一端を接続
し、他端をコンテナ20の天井部に係止させることによ
り、自動車M1を傾斜させた姿勢でコンテナ内へ収納す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、運搬用のコンテ
ナに自動車を収納する際に使用される自動車の吊り下げ
用具、およびこの吊り下げ用具を用いた自動車の収納構
造に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、多
数の自動車を運搬するときには、専用の輸送船が使われ
ているが、少数の自動車を運搬するときには、一般に4
0フィートの運搬用のコンテナが使われている。このコ
ンテナによる自動車の運搬に際しては、図8に示すよう
に、自動車101を、その前輪103と後輪102とが
コンテナ床面に接した水平姿勢でもって、コンテナ10
0に収納しているので、コンテナ1台あたり2台の自動
車しか収納できない。このため、自動車1台あたりの運
搬コストが高くつくという問題があった。
【0003】上記コンテナの輸送費用は、収納されてい
る自動車の台数には関係がないため、収納台数を増やせ
ば自動車1台あたりの運搬コストを下げることができ
る。そこで、図9、および図10に示すように、自動車
101の例えば前輪102を車軸104から取り外し
て、この車軸104にワイヤ105の一端を巻き付け、
他端をコンテナ100の天井等に設置されたフック10
6に引っ掛けるなどして、車体101aを傾斜させた姿
勢で収納することにより、自動車1台あたりの必要スペ
ースを減らして、収納台数を増やすことが考えられる。
【0004】しかしながら、この場合、自動車の収納台
数は増やせても、手間のかかる難しい収納作業が必要と
なる。即ち、自動車1台毎に、車体101aの下側の作
業のし難い位置において、ワイヤ105を巻き付け難い
太い車軸104に、簡単に外れないようにワイヤ105
を巻き付けるのは困難である。また、ワイヤ105の巻
き付けに手間がかかれば、全体としては運搬コストを下
げることができなくなる。さらに、上記ワイヤー105
の巻き付けが不十分であれば、自動車101が運搬中に
落下して、損傷するおそれがある。加えて、運搬中にワ
イヤ105と車体101aとが擦れ合って、当該車体に
傷が付くおそれがある。これは、コンテナ100の幅と
の関係で、ワイヤ105を車軸104の端部から急角度
で上方に延ばす必要があるので、図10に示すように、
車体101aとワイヤ105との間隔Sが狭くなるとと
もに、車体101aと車軸104との間にサスペンショ
ンが介在されているので、運搬中において、上記車体1
01aと車軸104との間で相対的な揺れが生じて、車
体101aとワイヤ105とが擦れ合うおそれがあるた
めである。
【0005】この発明は、上記事情に鑑みてなされたも
のであり、コンテナへの自動車収納台数の増大が図れ、
しかも、収納作業が簡単で、運搬中に車体が損傷するお
それのない自動車の吊り下げ用具、およびこれを用いた
自動車の収納構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の自動車の吊り下げ用具は、自動車の車軸
端部に突設された車輪固定用ボルトを挿通させる貫通孔
が設けられ、上記車輪固定用ボルトを利用して車軸端部
に取着される取着用板状部と、上記取着用板状部の上端
から一側へ傾斜した状態で、上方へ延びているととも
に、車体吊り下げ用の索条体を取付ける索条体取付け用
板状部とを備えていることを特徴とする。
【0007】上記の構成の自動車の吊り下げ用具は、コ
ンテナに収納する自動車の、前輪と後輪の何れか一方の
車輪を車軸から取り外し、この車輪を取り外した車軸の
両端部の車輪固定用ボルトを、取着用板状部の貫通孔に
挿通させて、当該ボルトにナットをねじ込むことによ
り、車軸の両端部に取着することができる。この際、索
条体取付け用板状部の傾斜方向を、車体の外側へ向けて
おく。そして、上記自動車の車体の車輪取り外し側、つ
まり吊り下げ用具を取付けた側を、例えばフォークリフ
トを用いて持ち上げ、一端部を上記索条体取付け用板状
部に取付けた索条体の他端部を、コンテナの天井部等に
係止させることによって、当該自動車を傾斜させた姿勢
でコンテナに収納することができる。すなわち、この発
明の吊り下げ用具は、車軸端部の頑丈な車輪取付け構造
を利用して、強固に車体に取着されて、車体の吊り下げ
が可能となる点を一つの大きな特徴としている。勿論、
車体が傾斜した姿勢は、水平姿勢よりも収納に必要なス
ペースが少なくて済む。
【0008】また、この吊り下げ用具は、取着用板状部
の貫通孔を、車輪固定用ボルトに通してナット締めする
だけで、自動車に簡単に取着できる上、車体吊り下げ用
の索条体を、車軸ではなくて、吊り下げ用具の索条体取
付け用板状部に対して取付けるため、索条体を簡単かつ
確実に取付けることができる。また、索条体取付け用板
状部が車体の外側へ向かうことから、索条体と車体との
間隔を広くすることができる。このため、索条体と車体
とが擦れ合のを防止することができる。
【0009】上記自動車の吊り下げ用具は、上記取着用
板状部の下端から索条体取付け用板状部と同じ側へ傾斜
した状態で下方へ延びているとともに、車体支え用の長
尺部材を取付ける支え取付け用板状部を備えているのが
好ましく、この場合には、上記支え取付け用板状部に長
尺部材の上端部を取付け、その下端部をコンテナの床面
等に止定しておくことにより、自動車を下からも支える
ことができる。このため、自動車の収納状態がさらに安
定し、重量の重たい自動車についても、その運搬中に収
納状態が崩れるのを確実に阻止することができる。
【0010】上記自動車の吊り下げ用具は、上記取着用
板状部に、上記車輪固定用ボルトと配備態様が異なる車
輪固定用ボルトを挿通させる貫通孔が併設されているの
が好ましく、この場合には、一種類の吊り下げ用具で、
複数の車輪固定用ボルトの配備態様に適合させることが
できる。
【0011】また、上記目的を達成するため、この発明
の自動車の収納構造は、上記吊り下げ用具を用いて運搬
用のコンテナ内に自動車を収納する自動車の収納構造で
あって、自動車の前輪と後輪のいずれか一方の車輪を取
外した車軸両端部のそれぞれに、上記吊り下げ用具を、
その索条体取付け用板状部の傾斜方向を、車体の外側へ
向けた状態で取着しているとともに、一端が上記索条体
取付け用板状部に取付けられ、他端がコンテナの上部に
係止された索条体によって、車体の車輪取り外し側を浮
揚させて車体を傾斜させた姿勢で、3台の自動車を、相
互間に隙間を設けて重ね合わせた状態でコンテナの内奥
側に収納し、他の1台の自動車を、その一部を上記傾斜
させた自動車の下方空間にもぐり込ませた状態で、水平
姿勢にて収納していることを特徴とする
【0012】上記自動車の収納構造によれば、上記吊り
下げ用具によって、3台の自動車を、簡単かつ確実に傾
斜させておくことができるとともに、当該3台の自動車
を、スペース効率よく運搬用のコンテナ内に収納してお
くことができ、残るスペースには、他の1台の自動車を
水平姿勢にて簡単かつ安定性よく収納しておくことがで
きる。
【0013】さらに、上記傾斜した姿勢で収納されてい
る3台の自動車については、それぞれの各車輪が位置す
るコンテナの床面に台座が配置されていて、上記各車輪
が上記台座に乗り上げているのが好ましく、この場合に
は、台座で車輪が持ち上げられている分、自動車の下端
とコンテナ床面との間隔が大きくなるので、上記車輪と
自動車の下端との距離が長い車種であっても、運搬中に
自動車が上下に揺れることによって、自動車の下端がコ
ンテナの床面に当たるのを確実に回避することができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の自動車の吊り下
げ用具の実施の形態を添付図面を参照しながら詳述す
る。図1はこの発明の自動車の吊り下げ用具Hの一つの
実施の形態を示す斜視図、図2は、同じく正面図であ
る。この吊り下げ用具Hは、取着用板状部1と索条体取
付け用板状部2、および支え取付け用板状部3を備え、
上記取着用板状部1の上側に、索条体取付け用板状部2
が連続する一方、取着用板状部1の下側に、索条体取付
け用板状部2が連続している。この吊り下げ用具Hは、
例えば、幅150mm程度、長さ300mm程度の寸法
を有する。また、この吊り下げ用具Hの材料としては、
例えば厚み3mm前後の鉄板が使われる。
【0015】取着用板状部1は、自動車の車軸端部21
(図5参照)に設けられた車輪固定用ボルト22が挿通
可能であって、上記ボルト22の配備態様に対応して開
孔形成されている第1貫通孔4と、この第1貫通孔4よ
りやや小径の第2貫通孔5とを4個づつ有しており、し
たがって、この実施例の吊り下げ用具Hは、車輪を4個
のボルト22で車軸端部21に取付けるタイプの自動車
を、コンテナに収納するときに使われる。また、取着用
板状部1の略中央には、大径の透孔6が設けられてい
る。この大径の透孔6は、車軸端部21の円柱状突端部
21dを受け入れるためのものである。
【0016】図2に示すように、第1貫通孔4は、透孔
6の中心と同心のピッチ円Aに沿って等間隔(90°お
き)で配されており、第2貫通孔5は、上記ピッチ円A
と同心でやや小径のピッチ円Bに沿って等間隔(90°
おき)で配されている。また、第1貫通孔4と第2貫通
孔5とは、45°の角度で位相をずらしてある。このよ
うに、上記吊り下げ用具Hは、第1貫通孔4に加えて、
配置角度(位相)と孔径が異なる第2貫通孔5を併設し
ているので、車輪を4本のボルト22で車軸に固定する
タイプであれば、当該ボルト22の配置角度(位相)と
軸径が異なる自動車にも適合することができる。
【0017】索条体取付け用板状部2は、取着用板状部
1の上端から図1において手前側へ折れ曲がった状態
で、上方へ延びている。上記索条体取付け用板状部2の
折れ曲がり角度は、特定の角度に限定されないが、図に
示す実施の形態では20°程度である。この索条体取付
け用板状部2は、左右両側寄りの位置にそれぞれワイヤ
取付け孔7が開口形成されており、自動車を吊り下げる
ための索条体としてのワイヤWを取付け可能になってい
る。上記車体吊り下げ用のワイヤWとしては、特定のワ
イヤWである必要はなく、番線を始めとして必要な強度
・耐性を具備する各種のワイヤWが使用可能である。ワ
イヤ取付け孔7へワイヤWを取付けるには、シャックル
W1等の連結具を用いるのが、ワイヤWが切断し難いこ
とから好ましい(図6参照)。
【0018】支え取付け用板状部3は、取着用板状部1
の下端から索条体取付け用板状部2と同様に、図1にお
いて手前側へ折れ曲がった状態で、下方へ延びている。
この支え取付け用板状部3の折れ曲がり角度は、特定の
角度に限定されないが、図に示す実施の形態では10°
程度である。この支え取付け用板状部3の幅方向中央に
は、支え用の長尺部材29(図5参照)を取付けるため
の支え取付け孔8が、開口形成されている。
【0019】次に、吊り下げ用具Hの他の実施の形態を
図3に示す。なお、図3において、図1および図2と同
一の番号が付されているものは、先の実施の形態と同じ
ものであるため、説明を省略する。図3の吊り下げ用具
Hは、車輪を5個のボルト22で車軸端部21に取付け
るタイプの自動車をコンテナに収納するときに使われる
ものであり、その取着用板状部10には、車軸端部21
への取付け用として、第1貫通孔11およびこの第1貫
通孔11よりやや小径の第2貫通孔12が5個づつ開口
形成されている。上記第1貫通孔11は、透孔6の中心
と同心のピッチ円aに沿って等間隔(72°おき)で配
されており、第2貫通孔12は、ピッチ円aと同心でや
や小径のピッチ円bに沿って等間隔(72°おき)で配
されている。また、第1貫通孔11と第2貫通孔12と
は、36°の角度で位相をずらしてある。このように、
上記吊り下げ用具Hについても、第1貫通孔11に加え
て、配置角度(位相)と孔径が異なる第2貫通孔12を
併設しているので、車輪を5本のボルト22で車軸に固
定するタイプであれば、当該ボルト22の配置角度(位
相)と軸径が異なる自動車にも適合することができる。
【0020】次いで、上記吊り下げ用具Hを用いたこの
発明の自動車収納構造の一つの実施の形態について詳述
する。図4は運搬用のコンテナ20内における自動車収
納構造を示し、図5は、吊り下げ用具Hの使用状態を示
す。なお、この実施の形態においては、図1に示した吊
り下げ用具Hが用いられている。また、この実施の形態
で使用されているコンテナ20は、全長が40フィート
(約12m)のものである。
【0021】この実施の形態においては、図4に示すよ
うに、コンテナ20の内奥側に、後輪が車軸端部21か
ら取り外され、車体Maが傾斜した姿勢で、3台の自動
車M1が、相互間に隙間を設けて互いに重ね合わせた状
態で、つまり同図の左右方向において車体Maの一部を
互いにオーバラップさせた状態で収納されているととも
に、コンテナ20の開口扉20a側には、1台の自動車
M2が、上記傾斜姿勢の自動車M1のうちの、上記開口
扉20a側に最も近い自動車M1の下方空間に、先端側
をもぐり込ませた状態で、水平姿勢にて収納されてい
る。上記傾斜姿勢の自動車M1の車体Maの後部側(車
輪取り外し側)は、吊り下げ用具Hを用いて浮揚させて
あり、車軸に取付けられている前輪26は、コンテナ2
0の床に載置された台座27に乗り上げている。また、
水平姿勢の自動車M2は、前輪26および後輪がコンテ
ナ20の床面に直接接している。
【0022】上記自動車M1の両後輪が取り外された車
軸端部21には、図5に示すように、索条体取付け用板
状部2の傾斜方向を車体Maの外側へ向けた状態で、吊
り下げ用具Hが取着されている。この吊り下げ用具Hの
車軸端部21への取着は、取着用板状部1の透孔6を、
車軸端部21の円柱状突端部21aに遊嵌させるととも
に、各第1貫通孔4を、車輪固定用ボルト22に挿通し
てナット23で締め付けることによって、簡単に行うこ
とができる。また、上記吊り下げ用具Hの索条体取付け
用板状部2には、シャックルW1を介してワイヤWの一
端が取付けられおり、このワイヤWの他端は、コンテナ
20の天井面に配設されている係止部25に係止されて
おり、この状態で、車体Maの後輪側(吊り下げ用具取
着側)が浮揚している。上記ワイヤWは、図6に示すよ
うに、一つの吊り下げ用具Hについて、各々2本使われ
ており、各自動車M1は4本ずつのワイヤWで吊り下げ
られている。また、各ワイヤWは、索条体取付け用板状
部2を含む仮想平面に沿って斜め上方に延びている。な
お、上記コンテナ20の係止部25は、既存のコンテナ
20に標準装備されているものを利用している。また、
上記ワイヤWは、自動車M1の後部側を、フォークリフ
トによって持ち上げた状態で、コンテナ20の天井面の
係止部25に係止させる。
【0023】さらに、吊り下げ用具Hの支え取付け用板
状部3には、木材等の車体支え用の長尺部材29が取付
けられている。この長尺部材29は、図5に示すよう
に、支え取付け用板状部3の支え取付け孔8を利用し
て、ボルト31とナット32とによって、上記支え取付
け用板状部3に取着されている。上記長尺部材29の下
端は、コンテナ20の床面に突き当てられており、これ
によって、自動車M1を下から支えている。したがっ
て、自動車M1の傾斜姿勢は、重量の重たい自動車M1
であっても、ワイヤWと長尺部材29の両方によって、
確実に維持されることになる。なお、通常、コンテナ2
0の側壁は、図7に示すように、波板鋼板33が用いら
れているので、上記長尺部材29の下端は、その波間
(谷間)へ位置させるのが好ましい。これは、波板鋼板
33の波が長尺部材29の下端のすべり止めとなって、
支え機能を損なう長尺部材29の下端の移動を確実に阻
止できるからである。
【0024】以上の収納構造によれば、40フィートの
コンテナ20に、自動車が揺動した場合でも、自動車ど
うしが接触するおそれのない隙間を自動車の相互間に確
保した状態で、4台の自動車を収納することができる。
このため、自動車の輸送の安全性を損なうことなく、自
動車1台当たりの運搬コストを安くすることができる。
また、上記吊り下げ用具Hは、車軸端部21に突設され
たボルト22を利用して、当該車軸端部21に簡単に装
着できるとともに、この吊り下げ用具Hを介して、ワイ
ヤWと車軸端部21とを簡単に接続することができるの
で、自動車M1を傾斜させるための作業を、能率良く行
うことができる。しかも、上記支え取付け用板状部3
は、車軸端部21に取付けた状態で、車体Maの斜め外
側へ向いているので、ワイヤWと車体Maとの間隔Sを
広くすることができる。このため、当該ワイヤWと車体
Maとが擦れ合うおそれもない。
【0025】さらに、この実施の形態においては、自動
車M1の前輪26を台座27に乗り上げさせているた
め、車体Maの下端Mbとコンテナ20の床面との間隔
を十分に確保することができる。このため、前輪26と
車体Maの下端Mbとの距離が長い車種についても、そ
の運搬中に車体Maが上下に揺れることによって、当該
車体Maの下端Mbがコンテナ20の床にぶつかるのを
防止することができる。なお、上記自動車の車体Maと
車軸との間の相対的な揺動は、車体に設けられた牽引用
のフックと、コンテナ20の床面や側壁との間に、ワイ
ヤを張設することにより、規制しておくのが好ましい。
【0026】この発明の吊り下げ用具は、索条体取付け
用板状部2に予め車体吊り下げ用のワイヤWが取付けら
れているものであってもよい。また、自動車を吊り上げ
る索条体としては、上記ワイヤWに代えて、コンパウン
ドロープ等の他の索条体を用いてもよい。さらに、図4
に示す自動車の収納構造の場合、車種によっては、前輪
を取り外して自動車の前部側を浮揚させることも可能で
ある。
【0027】
【発明の効果】この発明の自動車の吊り下げ用具によれ
ば、自動車をコンテナ内で傾斜させた姿勢に保つことが
できることから、コンテナの自動車収納台数を増やすこ
とができる。このため、自動車1台当たりの運搬コスト
を安くすることができる。また、吊り下げ用具を自動車
の車軸端部に簡単に装着できるとともに、索条体を容易
に取付けることができるので、自動車の荷積み作業を能
率良く行うことができる。しかも、吊り下げ用具を介し
て索条体を自動車に確実に取付けることができるので、
運搬中に自動車の収納状態が崩壊するおそれがない。さ
らに、索条体取付け用板状部が、車体の外側へ向かって
取付けられることから、索条体と車体との間隔を広くす
ることができる。このため、索条体と車体とが擦れ合っ
て運搬中に車体が損傷するおそれもない。
【0028】特に、上記吊り下げ用具が、支え取付け用
板状部を備えている場合は、支え取付け用板状部に取付
けられた長尺部材によって、自動車を下からも支えるこ
とができるので、重量が重たい自動車についても、その
収納状態を安定させることができ、運搬中に収納状態が
崩壊するのを確実に阻止することができる。
【0029】また、吊り下げ用具の取着用板状部に、車
輪固定用ボルトの複数の配備態様に対応して貫通孔が設
けられている場合は、一種類の吊り下げ用具で、複数の
車輪固定用ボルトの配備態様に適合させることができ
る。
【0030】さらに、この発明の自動車の収納構造によ
れば、上記吊り下げ用具を用いることにより、4台の自
動車を収納状態の崩壊や車体損傷の心配のない状態で、
スペース効率よくコンテナ内に収納することができる。
【0031】特に、車体が傾斜した姿勢で車輪が台座に
乗り上げている場合には、自動車の車体下端とコンテナ
床面の間の間隔を大きくすることができるので、当該車
輪と車体下端との距離が長い車種についても、運搬中の
揺動によって、車体下端がコンテナの床面に当たるのを
確実に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の吊り下げ用具の一つの実施の形態を
示す斜視図である。
【図2】図1に示す吊り下げ用具の正面図である。
【図3】この発明の吊り下げ用具の他の実施の形態を示
す正面図である。
【図4】この発明の自動車の収納構造の一つの実施の形
態を示す模式図である。
【図5】吊り下げ用具の取着状態を示す側面図である。
【図6】吊り下げ用具の索条体取付け用板状部周りを示
す要部正面図である。
【図7】長尺部材の下端周りを示す要部断面図である。
【図8】従来のコンテナ内の自動車の収納形態を示す模
式図である。
【図9】参考例にかかる自動車の収納形態を示す模式図
である。
【図10】図9の自動車の収納形態の要部を示す模式図
である。
【符号の説明】
1 取着用板状部 2 索条体取付け用板状部 3 支え取付け用板状部 4 貫通孔 5 貫通孔 11 貫通孔 12 貫通孔 20 コンテナ 21 車軸端部 22 車輪固定用ボルト 26 前輪 27 台座 28 後輪 H 吊り下げ用具 W ワイヤ M1 自動車 M2 自動車 Ma 車体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車の車軸端部に突設された車輪固定用
    ボルトを挿通させる貫通孔が設けられ、上記車輪固定用
    ボルトを利用して車軸端部に取着される取着用板状部
    と、 上記取着用板状部の上端から一側へ傾斜した状態で、上
    方へ延びているとともに、車体吊り下げ用の索条体を取
    付ける索条体取付け用板状部とを備えていることを特徴
    とする自動車の吊り下げ用具。
  2. 【請求項2】上記取着用板状部の下端から索条体取付け
    用板状部と同じ側へ傾斜した状態で下方へ延びていると
    ともに、車体支え用の長尺部材を取付ける支え取付け用
    板状部を備えている請求項1記載の自動車の吊り下げ用
    具。
  3. 【請求項3】上記取着用板状部には、上記車輪固定用ボ
    ルトと配備態様が異なる車輪固定用ボルトを挿通させる
    貫通孔が併設されている請求項1記載の自動車の吊り下
    げ用具。
  4. 【請求項4】請求項1から3までのいずれかに記載の自
    動車の吊り下げ用具を用いて運搬用のコンテナ内に自動
    車を収納する自動車の収納構造であって、 自動車の前輪と後輪のいずれか一方の車輪を取外した車
    軸両端部のそれぞれに、上記吊り下げ用具を、その索条
    体取付け用板状部の傾斜方向を、車体の外側へ向けた状
    態で取着しているとともに、一端が上記索条体取付け用
    板状部に取付けられ、他端がコンテナの上部に係止され
    た索条体によって、車体の車輪取り外し側を浮揚させて
    車体を傾斜させた姿勢で、3台の自動車を、相互間に隙
    間を設けて重ね合わせた状態でコンテナの内奥側に収納
    し、他の1台の自動車を、その一部を上記傾斜させた自
    動車の下方空間にもぐり込ませた状態で、水平姿勢にて
    収納していることを特徴とする自動車の収納構造。
  5. 【請求項5】傾斜させた姿勢で収納されている3台の自
    動車のそれぞれの各車輪が位置するコンテナの床面に台
    座が配置されていて、上記各車輪が上記台座に乗り上げ
    ている請求項4記載の自動車の収納構造。
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