JPH09225443A - 走行用履帯の廃棄処理装置 - Google Patents

走行用履帯の廃棄処理装置

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JPH09225443A
JPH09225443A JP6376796A JP6376796A JPH09225443A JP H09225443 A JPH09225443 A JP H09225443A JP 6376796 A JP6376796 A JP 6376796A JP 6376796 A JP6376796 A JP 6376796A JP H09225443 A JPH09225443 A JP H09225443A
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JP
Japan
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crawler belt
rubber body
piece
belt piece
traveling
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JP6376796A
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Toshio Takishita
利男 滝下
Yukio Sakamoto
幸男 坂本
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29BPREPARATION OR PRETREATMENT OF THE MATERIAL TO BE SHAPED; MAKING GRANULES OR PREFORMS; RECOVERY OF PLASTICS OR OTHER CONSTITUENTS OF WASTE MATERIAL CONTAINING PLASTICS
    • B29B17/00Recovery of plastics or other constituents of waste material containing plastics
    • B29B17/02Separating plastics from other materials
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2021/00Use of unspecified rubbers as moulding material
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2705/00Use of metals, their alloys or their compounds, for preformed parts, e.g. for inserts
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行用履帯の廃棄処理時において、履帯片を
芯金とゴム体とに確実に分離し、廃棄処理作業を効率良
くできるようにする。 【解決手段】 把持具65をなす支持アーム71に設け
た下側滑止め部77と可動アーム74に設けた上側滑止
め部78とによって、履帯片Pのゴム体2を大きな摩擦
力をもって把持し、かつ、各可動アーム74に設けた各
係合突起79を、履帯片Pの角穴5内に係合させると共
に、該各係合突起79間に設けた係合梁80をゴム体2
に設けられたラグ2Aの側面に係合させる構成とする。
これにより、履帯片Pのゴム体2に対し、その変形を抑
えつつ広範囲に亘って一様な引張力を付与することがで
き、ゴム体2を芯金3の長手方向に沿って確実に2つに
引裂くことができ、履帯片Pを芯金3とゴム体2とに確
実に分離することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばゴムクロー
ラとして油圧ショベル等の建設機械に設けられる無端状
の走行用履帯に対する廃棄処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、下部走行体等を備えた油圧ショ
ベル等の建設機械では、下部走行体の左,右両側に無端
状の走行用履帯が設けられ、該各走行用履帯を走行用の
油圧モータ等で回転駆動することにより路上走行を行う
ようにしている。
【0003】そして、このような走行用履帯は、最近の
傾向として軽量化や振動・騒音の低減、舗装道路面の損
傷の防止等のために、多数のトラックリンクおよびトラ
ックシュー等からなる鋼板製の走行用履帯に代わって、
帯形状をなすゴム体中に複数(多数)個の芯金をそれぞ
れ間隔をもって埋設してなるゴム製の走行用履帯(ゴム
クローラ)が用いられるようになっている。
【0004】しかし、ゴム製の走行用履帯にあっては、
使用劣化してくると前記ゴム体の表面(接地面)側が摩
耗(摩滅)してしまうため、約3年程度の使用で新品と
交換する必要が生じる。そして、交換された走行用履帯
は破棄されることになるが、これらの廃棄物はゴム製の
走行用履帯を装着した建設機械の増加に伴って急速に増
加しており、これらの廃棄物を埋立地等に破棄すると、
これにより環境が汚染されることから、環境汚染を招か
ずにゴム製の走行用履帯を処分する方策が検討されてい
る。
【0005】そして、上述の如きゴム製の走行用履帯を
処理する装置として、例えば、特開平7−117742
号公報には、帯状に伸展した走行用履帯に埋設された芯
金を誘導加熱装置によって加熱し、該芯金とゴム体との
接着強度を低下させた状態で、油圧シリンダ等を用いた
分離装置によって走行用履帯のゴム体を長手方向に引裂
くことにより、走行用履帯をゴム体と芯金とに分離して
再利用に供するようにした走行用履帯の廃棄処理装置が
提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ゴム製の走行
用履帯は1本当り、例えば数百kgにも及ぶ重量を有し
ているのに対し、上述した従来技術による走行用履帯の
廃棄処理装置では、帯状に伸展した長大な走行用履帯
を、その内部に埋設された芯金を誘導加熱によって加熱
しつつゴム体を長手方向に引裂く構成となっているた
め、装置全体が大型化してしまうという問題がある。
【0007】また、従来技術による廃棄処理装置に備え
られた分離装置は、走行用履帯の幅方向両側に互いに接
近または離間する方向に移動可能となった一対の爪部材
を設け、走行用履帯をなすゴム体の一部に該各爪部材を
係合させて幅方向に引張力を付与することにより、芯金
とゴム体との接着部分を剪断してゴム体を幅方向中間部
から引裂き、ゴム体と芯金とを分離する構成となってい
る。
【0008】しかし、廃棄処理される走行用履帯は、通
常、接地面側のゴム体が著しく摩滅し、かつ、亀裂等も
生じている場合が多く、ゴム体自体の引張強度が大幅に
低下している。このため、上述の分離装置を用いて芯金
とゴム体とを分離しようとしても、ゴム体のうちの各爪
部材が係合した部分のみが小片単位で剥離してしまい、
効率良く芯金とゴム体とを分離することができないとい
う問題がある。
【0009】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、装置全体の小型化を図ることができ、作
業性を向上できるようにした走行用履帯の廃棄処理装置
を提供することを目的としている。
【0010】また、本発明の他の目的は、ゴム体の一部
が小片単位で剥離してしまうことなく、芯金とゴム体と
を効率良く分離できる分離装置を備えた走行用履帯の廃
棄処理装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1に記載の発明は、帯形状をなすゴム体
内に複数個の芯金をそれぞれ間隔をもって埋設してなる
走行用履帯を、該走行用履帯の長さ方向で複数の履帯片
に切断する切断手段と、該切断手段によって切断された
各履帯片の芯金を誘導加熱によって加熱する加熱手段
と、該加熱手段によって芯金が加熱された各履帯片に対
し芯金の長手方向に沿った引張力を付与し該各履帯片を
芯金とゴム体とに分離する分離手段とからなり、該分離
手段は、前記履帯片を把持し該履帯片に対し芯金の長手
方向に沿って互いに接近または離間する一対の把持具
と、該各把持具に設けられ前記履帯片に対する該各把持
具の滑りを抑える滑止め部とから構成したことにある。
【0012】上記構成によれば、取扱いの難しい長大な
走行用履帯を切断手段によって小さな履帯片に分割し、
分割された各履帯片の芯金を誘導加熱によって加熱する
ことにより該芯金とゴム体との接着強度を低下させた状
態で、分離手段をなす一対の把持具によって各履帯片を
幅方向両側から把持しつつ、該各把持具を芯金の長手方
向に沿って離間させることにより、履帯片を芯金とゴム
体とに分離することができる。この場合、廃棄処理すべ
き走行用履帯を予め小さな履帯片に分割しておくことに
より、装置全体を小型化することができる。
【0013】しかも、分離手段をなす各把持具に、履帯
片に対する該各把持具の滑りを抑える滑止め部を設ける
ことにより、履帯片のゴム体に大きな引張力を付与する
ことができ、芯金とゴム体との接着部分を確実に剪断し
て効率良く芯金とゴム体とを分離することができる。
【0014】また、請求項2の発明は、前記各把持具
は、前記履帯片を支持する支持アームと、該支持アーム
との間で前記履帯片を把持するように上下方向に駆動さ
れ、該支持アームと共に前記芯金の長手方向に沿って移
動する可動アームとから構成したことにある。
【0015】上記構成によれば、支持アームと可動アー
ムとが履帯片を把持した状態で芯金の長手方向に沿って
移動することにより、履帯片のゴム体が支持アームと可
動アームとの間で拘束されて変形が抑えられた状態で、
該ゴム体に対し広い範囲に亘って一様に引張力を付与す
ることができる。これにより、履帯片のゴム体を確実に
引裂くことができ、ゴム体と芯金とを効率良く分離する
ことができる。
【0016】そして、請求項3の発明は、帯形状をなす
ゴム体内に複数個の芯金をそれぞれ間隔をもって埋設し
てなる走行用履帯の廃棄処理装置において、前記走行用
履帯をその長さ方向で複数の履帯片に切断した状態で、
該各履帯片に対し芯金の長手方向に沿った引張力を付与
し該各履帯片を芯金とゴム体とに分離する分離手段を備
え、該分離手段は、前記履帯片を支持する一対の支持ア
ームと、該各支持アームとの間で前記履帯片を把持する
ように上下方向に駆動され、該各支持アームと共に前記
芯金の長手方向に沿って互いに接近または離間する一対
の可動アームと、前記各支持アームと該各可動アームの
うち少なくともいずれか一方に設けられ、前記履帯片と
の間で滑りが発生するのを抑える滑止め部とから構成し
たことにある。
【0017】上記構成によれば、各支持アームと各可動
アームとが履帯片を把持した状態で芯金の長手方向に沿
って互いに離間することにより、履帯片のゴム体が支持
アームと可動アームとの間で拘束されて変形が抑えられ
た状態で、該ゴム体に対し広い範囲に亘って一様に引張
力を付与することができる。これにより、履帯片のゴム
体を幅方向に引裂くことができ、ゴム体と芯金とを効率
良く分離することができる。
【0018】この場合、各支持アームと各可動アームの
うち少なくともいずれか一方には、履帯片との間で滑り
が発生するのを抑える滑止め部を設けたから、各支持ア
ームおよび各可動アームとゴム体との間の摩擦力が増大
し、履帯片のゴム体に大きな引張力を付与することがで
き、芯金とゴム体との接着部分を確実に剪断して効率良
く芯金とゴム体とを分離することができる。
【0019】また、請求項4の発明は、前記走行用履帯
のゴム体は前記各芯金の間に位置して幅方向中間部に泥
抜き穴を有し、前記一対の可動アームには、前記履帯片
を把持するときに前記泥抜き穴に係合し該履帯片に対し
て芯金の長手方向に沿った引張力を付与する係合突起を
設けたことにある。
【0020】上記構成によれば、各支持アームと各可動
アームとが履帯片を把持するときに、各可動アームに設
けられた係合突起が履帯片の泥抜き穴に係合し、各支持
アームと各可動アームとが履帯片を把持して互いに離間
するときに、該係合突起によって履帯片の幅方向中央部
に芯金の長手方向に沿った大きな引張力を付与すること
ができ、効率良く芯金とゴム体とを分離することができ
る。
【0021】さらに、請求項5の発明は、前記走行用履
帯のゴム体はその表面に外部に向けて突出する複数のラ
グを有し、前記一対の可動アームには、前記履帯片を把
持するときに前記ラグに係合し該履帯片に対し芯金の長
手方向に沿った引張力を付与する係合梁を設けたことに
ある。
【0022】上記構成によれば、各支持アームと各可動
アームとが履帯片を把持するときに、各可動アームに設
けられた係合梁が履帯片のラグに係合することにより、
各支持アームと各可動アームとが履帯片を把持して互い
に離間するときに、該係合梁によって履帯片に対し芯金
の長手方向に沿った引張力を広範囲に付与することがで
き、効率良く芯金とゴム体とを分離することができる。
【0023】そして、請求項6の発明は、前記各可動ア
ームの先端側には、前記履帯片を把持するときに該履帯
片のゴム体に切込みを入れる切込み刃を設けたことにあ
る。
【0024】上記構成によれば、各支持アームと各可動
アームとが履帯片を把持するときに、各可動アームの先
端側に設けられた切込み刃が履帯片のゴム体に切込みを
入れ、その後、各支持アームと各可動アームとが履帯片
を把持しつつ互いに離間することにより、履帯片のゴム
体を、切込みの位置から芯金の長手方向に沿って引裂く
ことができ、効率良く芯金とゴム体とを分離することが
できる。
【0025】このため、例えば分離装置によって履帯片
を芯金とゴム体とに分離する前段階として履帯片のゴム
体に切込みを入れるための格別の装置等を不要にでき、
廃棄処理装置全体の構成の簡素化および小型化を図るこ
とができる。
【0026】また、請求項7の発明は、前記各可動アー
ムの先端側には、該各可動アームを互いに最接近させた
ときに刃先が一列に並ぶように前記切込み刃をそれぞれ
形成し、該各切込み刃によって前記履帯片の長さ方向に
直線状の切込みを入れる構成としたことにある。
【0027】上記構成によれば、各支持アームと各可動
アームとが履帯片を把持するときに、各可動アームの先
端側にそれぞれ設けられた切込み刃が最接近すると、該
各切込み刃の刃先が一列に並んで履帯片のゴム体に当接
し、該ゴム体の幅方向中間部に履帯片の長さ方向に沿っ
た直線状の切込みを入れる。その後、各支持アームと各
可動アームとが履帯片を把持しつつ互いに離間すること
により、履帯片のゴム体を、直線状をなす切込みの位置
から芯金の長手方向に沿って確実に引裂くことができ、
効率良く芯金とゴム体とを分離することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って説明する。
【0029】まず、図1ないし図4は廃棄処理の対象物
である走行用履帯を示している。
【0030】図において、1はゴムクローラによって構
成された走行用履帯で、該走行用履帯1は図1ないし図
4に示す如く、弾性樹脂材料により一定の幅寸法をもっ
た帯形状の無端ベルトとして形成されたゴム体2と、該
ゴム体2内に一定の間隔をもって互いに平行となるよう
に埋設された複数(多数)個の芯金3,3,…と、該各
芯金3の上面部3Aから僅かに離間してゴム体2中に埋
設され該ゴム体2の長手方向に伸長した編込み鋼線等か
らなる補強帯4,4とによって大略構成されている。
【0031】ここで、走行用履帯1のゴム体2にはその
接地面となる表面側に、例えばほぼ四角形状をなして突
出するラグ2A,2A,…が一体形成され、該各ラグ2
Aはゴム体2の幅方向に離間して交互に配設される構成
となっている。そして、各ラグ2Aは一定の厚みを有
し、地面に接触したときに油圧ショベル等の車両に強い
グリップ力(走行用の駆動力)を伝えるようになってい
る。
【0032】また、ゴム体2の幅方向中央部には各芯金
3の間に位置して泥抜き用の角穴5,5,…が穿設さ
れ、該各角穴5は路上走行時に泥土等がゴム体2の裏面
2B側に入り込んだとしても、これらの泥土を表面側の
各ラグ2A間等に排出させるものである。
【0033】一方、走行用履帯1の各芯金3には、図2
および図3に示す如く左,右一対の突起部3B,3Bが
一体形成され、該各突起部3Bはゴム体2の裏面2B側
から突出している。そして、該各突起部3Bは油圧ショ
ベルの下部走行体等に設ける走行用減速機のスプロケッ
ト(図示せず)等に係合し、このスプロケットから走行
用履帯1が外れるのを防止する構成となっている。
【0034】次に、図5ないし図22は本発明による走
行用履帯の廃棄処理装置の第1の実施例を示している。
【0035】図において、11は走行用履帯の廃棄処理
装置を示し、該廃棄処理装置11は図5および図6に示
すように、後述する第1の搬送装置12と、切断装置2
1と、第2の搬送装置32と、切込み装置45と、誘導
加熱装置50と、履帯分離装置61とから大略構成され
ている。
【0036】12は廃棄処理すべき走行用履帯1を切断
装置21に向けて搬送する第1の搬送装置を示し、該第
1の搬送装置12は、フロア上に配設されて左,右方向
に水平に延びるフレーム13上に設けられている。そし
て、第1の搬送装置12は、フレーム13上に複数のブ
ラケット14,14,…を介して固定され、互いに平行
にフレーム13の長手方向に伸長する一対の支持板1
5,15と、該各支持板15の間に位置してフレーム1
3上に設けられた搬送シリンダ16と、該搬送シリンダ
16のロッド16A先端に配設された後述のフック18
とから構成されている。
【0037】ここで、搬送シリンダ16は、例えば油圧
源(図示せず)からの圧油の給排によりロッド16Aを
伸縮させる油圧シリンダにより構成され、フレーム13
の幅方向に架設された複数の梁17,17,…のうち切
断装置21の近傍に位置する2つの上面側に固定されて
いる。
【0038】18は搬送シリンダ16のロッド16A先
端に配設されたフックで、該フック18は図7および図
8に示すように、ほぼL字状に形成されたブロック18
Aと、該ブロック18Aの上面側に直立した係合爪18
Bとを有している。ここで、ブロック18Aの一側面に
は案内ローラ19が回転可能に取付けられ、該案内ロー
ラ19は、フレーム13上にブラケット等を介して水平
方向に延設された断面コ字状の案内レール20に沿って
転動するようになっている。従って、例えば搬送シリン
ダ16のロッド16Aが伸縮したときに、フック18は
案内レール20内を転動する案内ローラ19に案内され
つつ、ブロック18Aがフレーム13と平行に進退動す
るようになっている。
【0039】また、係合爪18Bは、その基端側がラチ
ェット機構(図示せず)等を介してブロック18Aに取
付けられ、ブロック18Aの上面側に直立した先端側が
一方向にのみ揺動するのを許すようになっている。そし
て、例えば搬送シリンダ16のロッド16Aが伸長する
ときには、後述するように係合爪18Bの先端側が直立
状態を保ち、走行用履帯1の芯金3に係合してこれを押
圧する。また、ロッド16Aが縮小するときには、係合
爪18Bが図8中に二点鎖線で示すように、芯金3に当
接して揺動し、芯金3に対する係合爪18Bの係合が解
除される。
【0040】そして、第1の搬送装置12は、直線状に
伸展させた走行用履帯1の裏面2Bを各支持板15上に
載置し、搬送シリンダ16のロッド16A先端に配設さ
れたフック18の係合爪18Bを走行用履帯1の芯金3
に係合させた状態で、搬送シリンダ16を作動させる。
これにより、走行用履帯1が切断装置21に向けて一定
のピッチL(搬送シリンダ16のストローク)毎に間欠
的に搬送されるようになっている。
【0041】21は第1の搬送装置12の下流側に配設
された切断装置を示し、該切断装置21は図7および図
8等に示す如く、フレーム13を幅方向で挟むようにフ
ロア上に立設された後述の支持フレーム22と、走行用
履帯1の下面側を支持すべくフレーム13上に配設され
た一対の支持台23,23と、支持フレーム22に配設
された一対の油圧シリンダ24,24と、各支持台23
上で走行用履帯1を複数の履帯片P,P,…に切断すべ
く各油圧シリンダ24のロッド24A先端に取付けられ
た第1のカッター刃27A,第2のカッター刃27B
と、走行用履帯1を各支持台23上に押付けるべく該各
カッター刃27A,27Bの近傍にそれぞれ設けられた
押え機構28,28とから大略構成されている。
【0042】ここで、支持フレーム22は、フレーム1
3を幅方向で挟むようにフロア上に立設された一対の支
柱22A,22Aと、該各支柱22Aの上端側に固着さ
れた上側補強梁22Bと、支柱22Aの途中部位に固着
された下側補強梁22Cとから堅固な枠構造をもって形
成されている。
【0043】23,23は走行用履帯1を下面側から支
持すべく、フレーム13上にその幅方向で対向するよう
に設けられた一対の支持台で、該各支持台23の長手方
向中間部には各カッター刃27A,27Bの刃先を逃が
すための隙間23Aが形成されている。また、各支持台
23の上面側は隙間23Aを頂点とする山形の傾斜面2
3Bとなっている。そして、各支持台23は図8に示す
ように、走行用履帯1をそのゴム体2の裏面2B側から
支持するようになっている。
【0044】24,24は支持フレーム22の上側補強
梁22Bに取付けられた駆動手段としての油圧シリンダ
で、該各油圧シリンダ24は図8に示すように、上側補
強梁22Bの下面側にボルト25,25を介して取付け
られた支持板26に下向きに固定され、ロッド24Aが
下向きに突出している。そして、該各油圧シリンダ24
は油圧源(図示せず)から圧油が給排されることによ
り、ロッド24Aを伸縮させて各カッター刃27A,2
7Bを各押え機構28と共に上,下に昇降させるもので
ある。
【0045】ここで、支持板26に形成された各ボルト
25のボルト挿通穴26A,26Aは、フレーム13の
長手方向(走行用履帯1の長さ方向)に延びる長穴とな
っている。従って、各ボルト25に対して各ボルト挿通
穴26Aを相対移動させることにより、上側補強梁22
Bに対する支持板26の取付位置を走行用履帯1の長さ
方向に調整することができ、各カッター刃27A,27
Bによる走行用履帯1の切断位置を該走行用履帯1の長
さ方向で個別に調整できる構成となっている。
【0046】27A,27Bは各油圧シリンダ24のロ
ッド24A先端側に保持具等を介して着脱可能に装着さ
れた第1,第2のカッター刃を示し、該第1,第2のカ
ッター刃27A,27Bは強靭な刃物材料等から矩形の
平板状に形成され、その先端(下端)側はエッジ形状と
なっている。ここで、各カッター刃27A,27Bは、
その幅寸法が走行用履帯1(ゴム体2)の幅寸法の約1
/2に設定され、例えば走行用履帯1(ゴム体2)の中
央部に形成された角穴5よりも小さな隙間をあけて走行
用履帯1の幅方向に連なるように配設されている。
【0047】そして、各カッター刃27A,27Bは各
油圧シリンダ24で下向きに駆動されることにより、図
9に示すように、第1のカッター刃27Aが角穴5の一
側でゴム体2を切断し、第2のカッター刃27Bが角穴
5の他側でゴム体2を切断するようになっている。そし
て、第1のカッター刃27Aの切断位置と、第2のカッ
ター刃27Bの切断位置とは、上述した各支持板26の
支持フレーム22に対する取付位置を調整することによ
り、走行用履帯1の長さ方向に関して個別に調整するこ
とができ、走行用履帯1の芯金3との干渉を防止できる
ようになっている。
【0048】28,28は各カッター刃27A,27B
による切断時に走行用履帯1を各支持台23上に押付け
る押え機構を示し、該各押え機構28は、各カッター刃
27A,27Bの両側面にそれぞれ固着され、先端側が
水平方向に突出して自由端となった一対の支承板29,
29と、上端側が該各支承板29の先端側に摺動変位可
能に取付けられ、下端側が走行用履帯1の表面側に押付
けられるパッド部30Aとなった一対の押えパッド3
0,30と、該各押えパッド30のパッド部30Aを走
行用履帯1側に向けて付勢するばね31,31とから構
成されている。
【0049】ここで、各ばね31は各支承板29の先端
側と各押えパッド30のパッド部30Aとの間にプリセ
ット状態で配設され、各押えパッド30のパッド部30
Aを常時下向きに付勢している。そして、各カッター刃
27A,27Bによる走行用履帯1の切断時には、走行
用履帯1(ゴム体2)の表面側にカッター刃27A,2
7Bの刃先が接触するに先立って、各押えパッド30の
パッド部30Aを走行用履帯1の表面側に押付けると共
に、切断途中にあっても各押えパッド30と各支持台2
3との間で走行用履帯1を強く挟持させるように、各ば
ね31を大きなばね力に設定している。
【0050】32は切断装置21の下流側に位置してフ
レーム13上に設けられた第2の搬送装置を示し、該第
2の搬送装置32は、切断装置21によって切断された
走行用履帯1の履帯片Pを誘導加熱装置50に向けて搬
送するものである。ここで、該第2の搬送装置32は図
10ないし図13等に示すように、フレーム13上に複
数のブラケット33,33,…を介して固定され、互い
に平行にフレーム13の長手方向に伸長する一対の支持
板34,34と、該各支持板34の間に位置してフレー
ム13上に設けられた後述の昇降ユニット35と、該昇
降ユニット35の基板38上に配設された搬送ユニット
39とから大略構成されている。
【0051】35は各支持板34の間に位置してフレー
ム13上に設けられた昇降ユニットで、該昇降ユニット
35は図11および図12に示すように、フレーム13
の幅方向に架設され長手方向に離間した一対の梁36,
36と、該各梁36の下面側にロッド37Aを上向きに
して取付けられた油圧式の昇降シリンダ37,37と、
該各昇降シリンダ37のロッド37A先端に固定され、
フレーム13の長手方向に延びる長方形状の基板38と
を有している。
【0052】そして、該昇降ユニット35は、各昇降シ
リンダ37への圧油の給排に応じて、基板38を図11
に示す下降位置と図12に示す上昇位置との間で昇降さ
せるものである。
【0053】39は昇降ユニット35の基板38上に設
けられた搬送ユニットで、該搬送ユニット39は、基板
38上に複数のローラ40,40,…を介して移動可能
に設けられ、フレーム13の長手方向に延びる一対のス
ライド板41,41と、該各スライド板41の間に位置
して基板38上に配設された油圧式の搬送シリンダ42
とを有している。
【0054】ここで、各スライド板41は、基板38の
幅方向両側に互いに平行となるように配設され、その外
側面の下端側には基板38上を転動する複数のローラ4
0,40,…が軸支されている。また、各スライド板4
1の上端側には、後述するように履帯片Pに埋設された
芯金3に係合する複数の係合突起41A,41A,…
が、所定のピッチLをもって上向きに突設されている。
【0055】また、搬送シリンダ42は、その基端側が
ブラケット43を介して基板38上に固定され、ロッド
42Aの先端側は連結板44を介して各スライド板41
に連結されている。そして、搬送ユニット39は、搬送
シリンダ42への圧油の給排に応じて、各スライド板4
1を図11に示す初期位置と図13に示す搬送位置との
間で移動させるものである。
【0056】そして、第2の搬送装置32は、搬送ユニ
ット39の各スライド板41を初期位置に位置決めした
状態で、昇降ユニット35の基板38を上昇位置に移行
させることにより、各スライド板41の各係合突起41
Aを各支持板34上に載置された履帯片Pの芯金3に係
合し得る位置に位置決めした後、搬送ユニット39の各
スライド板41を初期位置から搬送位置に移行させるこ
とにより、該各スライド板41の各係合突起41Aを履
帯片Pの芯金3に係合させて押圧し、各履帯片Pを誘導
加熱装置50へ向けて間欠的に搬送する構成となってい
る。
【0057】45は第2の搬送装置32の途中に位置し
てフレーム13の上方に配設された切込み装置を示し、
該切込み装置45は図10ないし図13等に示すよう
に、フレーム13の幅方向両側から上向きに立上がるコ
字状の支持枠体46と、該支持枠体46の上面側に配設
されたモータ47と、第2の搬送装置32をなす各支持
板34の中間部に位置して支持枠体46の内側に回転可
能に軸支され、ベルト48を介してモータ47の出力が
伝達されることにより回転駆動される円板状カッター4
9とからなっている。
【0058】そして、該切込み装置45は、第2の搬送
装置32によって各履帯片Pが各支持板34上を搬送さ
れてくるとき、モータ47によって円板状カッター49
を回転駆動する。これにより、各支持板34と円板状カ
ッター49との間で上,下方向から履帯片Pを挟み込む
ようにして、該履帯片P(ゴム体2)の上面側に、図1
1等に示すように搬送方向に沿って一定深さの切込み部
Cが形成されるようになっている。
【0059】次に、50は切込み装置45の下流側に位
置してフレーム13上に配設された誘導加熱装置を示
し、該誘導加熱装置50は図10ないし図14等に示す
ように、フレーム13の幅方向両側に配設された一対の
支持台51,51と、該各支持台51等に配設され、外
部の電源(図示せず)から高周波電流が印加されること
により、各支持台51上に載置された履帯片Pの芯金3
に交番磁界を発生させる誘導加熱部52とから大略構成
されている。
【0060】ここで、各支持台51は図14ないし図1
6に示すように、全体としてほぼ直方体状に形成され、
履帯片Pの芯金3に設けられた各突起部3Bの間隔より
も大なる離間距離をもって対向配置されている。そし
て、各支持台51は図15に示すように、芯金3の各突
起部3Bを下向きにした状態で履帯片Pの裏面2B側を
支持するようになっている。また、該各支持台51には
複数の冷却風通路51A,51A,…が形成されてい
る。
【0061】53は誘導加熱部52を構成する内側コイ
ル部で、該内側コイル部53は、フレーム13の長手方
向に離間した一対のソレノイド型コイル54,54と、
該各ソレノイド型コイル54を覆う樹脂モールド55と
からなっている。そして、該内側コイル部53は図15
に示すように各支持台51の間に配設され、各支持台5
1上に履帯片Pが載置されたときに、該履帯片Pの芯金
3に設けられた各突起部3B間に臨むようになってい
る。
【0062】また、各ソレノイド型コイル54は、導線
56と、該導線56が巻回されるコア57と、該コア5
7に巻回された導線56の外側に設けられたヨーク58
とから構成され、コア57とヨーク58とは強磁性体に
より一体的に形成されている。ここで、ヨーク58は図
15および図16に示すように、各支持台51上に履帯
片Pが載置された状態で、導線56が樹脂モールド55
を介して履帯片Pの芯金3と対向しない部分にのみ設け
られ、図14に示すようにほぼコ字状に形成されてい
る。これにより、各ソレノイド型コイル54の導線56
に高周波電流を印加したときに、導線56の周囲に漏れ
る磁束(漏洩磁束)が低減でき、履帯片Pの芯金3のう
ち樹脂モールド55を介して導線56に対向する部位
に、効率良く交番磁界を発生させることができるように
なっている。
【0063】59,59は内側コイル部53と共に誘導
加熱部52を構成する一対の外側コイル部で、該各外側
コイル部59は、各支持台51の上面側に位置する上面
部59Aと、各支持台51の側面側に屈曲した側面部5
9Bとを有している。ここで、各外側コイル部59は、
円形または楕円形の平板状に巻回した導線の一部をL字
状に屈曲させたL字型コイル60を樹脂モールド等で覆
うことにより形成されている。そして、図15に示すよ
うに各支持台51上に履帯片Pが載置されたときに、各
外側コイル部59の上面部59Aが、履帯片Pの芯金3
のうち各突起部3Bよりも外側の部位に対向し、各外側
コイル部59の側面部59Bが、前記内側コイル部53
との間で各突起部3Bを挟むようになっている。
【0064】そして、内側コイル部53をなす各ソレノ
イド型コイル54と、外側コイル部59をなす各L字型
コイル60とは直列に接続され、外部の電源から高周波
電流を印加することにより、履帯片Pの芯金3に交番磁
界を発生させ、芯金3を加熱(誘導加熱)するようにな
っており、内側コイル部53と各外側コイル部59と
を、各突起部3Bを有する芯金3に対応した形状とする
ことにより、該芯金3を一様に効率良く加熱できるよう
になっている。
【0065】次に、61は履帯片Pのゴム体2を引裂い
て該ゴム体2と芯金3とに分離すべく誘導加熱装置50
の下流側に配設された履帯分離装置を示し、該履帯分離
装置61は図17等に示すように、フレーム13の下流
端側に配設された後述の支持フレーム62と、該支持フ
レーム62の長手方向両側に設けられた一対の把持具6
5,65と、該各把持具65に設けられた下側滑止め部
77および上側滑止め部78とから大略構成されてい
る。
【0066】62はフレーム13の長手方向に対して直
交する方向に延びるようにフロア上に立設された支持フ
レームで、該支持フレーム62の上面側には矩形状をな
した肉厚の支持基板63が配設されている。64は支持
基板63の長手方向中間部に設けられたガイドブロック
で、該ガイドブロック64は図17に示すように、履帯
片Pの各突起部3B間に係合することにより、履帯片P
を支持基板63上で位置決めするものである。
【0067】65,65は支持フレーム62の支持基板
63上に設けられ、履帯片Pに対し芯金3の長手方向に
沿って互いに接近または離間する一対の把持具を示し、
該各把持具65は図17ないし図20等に示すように、
支持基板63の幅方向に離間して長手方向に延びる一対
のガイドロッド66,66と、該各ガイドロッド66に
直動軸受67,67を介して取付けられ、各ガイドロッ
ド66に沿って移動可能となった移動テーブル68と、
各ガイドロッド66の間に位置して支持基板63上に固
定され、ロッド69Aの先端が移動テーブル68の下面
側にブラケット70を介して固定された油圧シリンダ6
9とを有している。
【0068】また、各把持具65は、履帯片Pを支持す
べく前記各移動テーブル68上に固定され、上面側に下
側滑止め部77が設けられた一対の支持アームと、各移
動テーブル68上に固定された支持ブラケット72に軸
73を介して上下方向に揺動可能に設けられ、下面側に
上側滑止め部78が設けられた可動アーム74と、支持
ブラケット72の近傍に位置して移動テーブル68上に
配設され、ロッドの先端側が長穴継手76を介して可動
アーム74の基端側に接続された油圧式のアームシリン
ダ75とを有している。
【0069】そして、各把持具65は、油圧シリンダ6
9に圧油を給排してロッド69Aを伸縮させることによ
り、該ロッド69Aに固定された移動テーブル68を支
持基板63の長手方向に沿って互いに接近または離間さ
せつつ、アームシリンダ75に圧油を給排してロッドを
伸縮させることにより、可動アーム74を軸73を中心
として図17に示す開放位置から図20に示す把持位置
へと揺動させるようになっている。
【0070】77,77は各支持アーム71の上面側に
設けられた下側滑止め部で、該各下側滑止め部77は図
18等に示すように、履帯片Pに埋設された芯金3の長
手方向に突堤状をなして並設された、例えば3列の支持
突起77A,77A,…からなり、該各支持突起77A
は、各把持具65が履帯片Pを把持したときに、該履帯
片Pの下面側に位置する薄肉のゴム体2を大なる摩擦力
をもって下面側から支持するものである。
【0071】78,78は各可動アーム74の下面側に
設けられた上側滑止め部で、該各上側滑止め部78は図
18等に示すように、履帯片Pに埋設された芯金3の長
手方向に突堤状をなして並設された、例えば4列の把持
突起78A,78A,…からなり、該各把持突起78A
は、各把持具65が履帯片Pを把持したときに、該履帯
片Pの上面側に位置するゴム体2を大なる摩擦力をもっ
て上面側から把持するものである。ここで、各把持突起
78Aの可動アーム74の下面側からの突出長はS1に
設定されている。
【0072】このように、各支持アーム71に下側滑止
め部77を設け、かつ各可動アーム74に上側滑止め部
78を設けることにより、各把持具65が履帯片Pを把
持したときに、該履帯片Pに対する各把持具65の滑り
を抑えると共に、各支持アーム71と各可動アーム74
との間で履帯片Pのゴム体2を拘束することにより、ゴ
ム体2の変形を抑えることができる構成となっている。
【0073】79,79,…は各可動アーム74のそれ
ぞれの先端側に設けられた係合突起を示し、該各係合突
起79は図19に示すように、可動アーム74の下面側
にその幅方向で対をなすように2個設けられ、例えば走
行用履帯1に穿設された角穴5のピッチと等しい間隔を
もって下向きに突出するようになっている。そして、該
各係合突起79は、把持具65が履帯片Pを把持したと
きに、図18に示すように履帯片Pに設けられた角穴5
に係合するものである。ここで、各係合突起79の可動
アーム74の下面側からの突出長はS2に設定されてい
る。
【0074】80,80は各可動アーム74のそれぞれ
の先端側に設けられた係合梁を示し、該各係合梁80は
図19に示すように、可動アーム74の下面側に設けら
れた各係合突起79の間に配設されている。ここで、係
合梁80の可動アーム74の下面側からの突出長は、各
把持突起78Aの突出長S1よりも大きく、かつ各係合
突起79の突出長S2よりも小さい突出長S3(S1<
S3<S2)に設定されている。そして、各係合梁80
は図20に示すように、把持具65が履帯片Pを把持し
たときに、履帯片Pのゴム体2表面に設けられたラグ2
Aに係合するようになっている。
【0075】81,81は履帯分離装置61によって分
離された履帯片Pのゴム体2を外部に排出すべく、該履
帯分離装置61の各移動テーブル68の近傍に配設され
た一対の油圧式の排出シリンダを示し、該各排出シリン
ダ81は図6および図10に示すように、誘導加熱装置
50を挟むようにブラケット82を介して支持基板63
に取付けられている。そして、該各排出シリンダ81の
ロッド先端側にはパッド83が取付けられ、該パッド8
3は、各移動テーブル68が図22に示すように互いに
離間した位置に移動したときに、該各移動テーブル68
上の支持アーム71上に載置されたゴム体2と対向する
ようになっている。
【0076】そして、各排出シリンダ81は、油圧源か
らの圧油の給排に応じてロッドを伸縮させることによ
り、その先端側に固定されたパッド83によって各移動
テーブル68上のゴム体2を押圧し、該ゴム体2を履帯
分離装置61の外部に排出するものである。
【0077】本実施例による走行用履帯の廃棄処理装置
11は上述の如き構成を有するもので、以下、該廃棄処
理装置11を用いて行う走行用履帯1の廃棄処理につい
て説明する。
【0078】まず、廃棄処理すべき無端状の走行用履帯
1をゴム体2の部分で幅方向に切断して帯状に伸展させ
る。そして、図8に示すように、ゴム体2のラグ2Aが
上面側となるようにして、伸展した走行用履帯1を第1
の搬送装置12の各支持板15上に載置し、走行用履帯
1の芯金3に設けられた各突起部3Bの間に、搬送シリ
ンダ16のロッド16A先端に設けたフック18の係合
爪18Bを係合させる。
【0079】次に、搬送シリンダ16を作動させてロッ
ド16Aを伸長させ、フック18の係合爪18Bによっ
て走行用履帯1の芯金3を押圧する。これにより、走行
用履帯1は、搬送シリンダ16のストローク分(例え
ば、芯金3を2個含む長さ)だけピッチLをもって切断
装置21側に搬送され、ゴム体2が切断装置21の各カ
ッター刃27A,27Bと正対した位置にて停止する。
その後、搬送シリンダ16は次の走行用履帯1の搬送に
備えてロッド16Aを縮小させ、このとき、フック18
の係合爪18Bは、ブロック18Aとの間に設けられた
ラチェット機構により、図8中に二点鎖線で示すように
走行用履帯1の芯金3に当接して揺動しつつ、次の走行
用履帯1の搬送時に押圧すべき芯金3の後方まで移動す
る。
【0080】この状態で、切断装置21の油圧シリンダ
24を作動させてロッド24Aを伸長させることによ
り、図8中に二点鎖線で示すように各カッター刃27
A,27Bを走行用履帯1に向けて下降させ、各支持台
23上で走行用履帯1を切断し、例えば芯金3を2個含
む小さな履帯片Pを得る。
【0081】ここで、油圧シリンダ24のロッド24A
を伸長させたときには、各カッター刃27A,27Bと
共に押え機構28が下降し、該押え機構28の各押えパ
ッド30を走行用履帯1に強く押付けつつ、各カッター
刃27A,27Bで走行用履帯1を切断できるから、該
走行用履帯1のゴム体2が各カッター刃27A,27B
の刃先等に絡み付くように摩擦接触するのを防止でき、
走行用履帯1を小さな切断力(油圧力)で確実に切断す
ることができる。
【0082】また、各油圧シリンダ24が固定された各
支持板26は、長穴状のボルト挿通穴26Aに挿通され
たボルト25を介して支持フレーム22に取付けられて
いるから、各支持板26の支持フレーム22に対する取
付位置を調整することにより、各カッター刃27A,2
7Bの切断位置を走行用履帯1の長さ方向に関して個別
に調整することができる。従って、例えば図9に示すよ
うに、走行用履帯1に埋設された芯金3の一部が走行用
履帯1の長手方向に突出するような形状を有する場合で
も、各カッター刃27A,27Bによるゴム体2の切断
位置を調整することにより、該各カッター刃27A,2
7Bと芯金3との干渉を確実に防止することができる。
【0083】このようにして、切断装置21によって切
断された履帯片Pは、図11に示すように切断装置21
の支持台23上に載置された状態にある。
【0084】この状態で、第2の搬送装置32は、搬送
ユニット39の各スライド板41を初期位置に位置決め
した状態で、昇降ユニット35の基板38を上昇位置に
移行させる。これにより、図12に示すように、各スラ
イド板41の各係合突起41Aが、支持台23および各
支持板34上に載置された履帯片Pの芯金3に係合し得
る位置に位置決めされる。そして、搬送ユニット39の
各スライド板41を初期位置から搬送位置に移行させる
ことにより、該各スライド板41の各係合突起41Aが
履帯片Pの芯金3に係合してこれを押圧し、図13に示
すように各履帯片Pが誘導加熱装置50へ向けて間欠的
に搬送される。
【0085】このとき、切込み装置45がモータ47に
よって円板状カッター49を回転駆動することにより、
誘導加熱装置50に向けて搬送される各履帯片Pが、各
支持板34と円板状カッター49との間で上,下方向か
ら挟み込まれ、該履帯片P(ゴム体2)の上面側に、搬
送方向に沿って一定深さの切込み部Cが形成される。
【0086】そして、ゴム体2の上面側に切込み部Cが
形成された履帯片Pは、第2の搬送装置32によって搬
送され、図15および図16に示すように誘導加熱装置
50の各支持台51上に載置される。
【0087】この状態で、誘導加熱装置50は、誘導加
熱部52をなす内側コイル部53と各外側コイル部59
とに外部の電源から高周波電流(例えば、25kHz)
を印加する。これにより、履帯片Pの芯金3に交番磁界
が発生し、芯金3が誘導加熱によって200℃程度に加
熱されることにより、該芯金3とゴム体2との接着強度
が低下する。
【0088】このとき、内側コイル部53をなすソレノ
イド型コイル54を、導線56と、該導線56が巻回さ
れるコア57と、該コア57に巻回された導線56の外
側に設けたヨーク58とから構成し、かつコア57とヨ
ーク58とを強磁性体から形成することにより、ソレノ
イド型コイル54の導線56に高周波電流を印加したと
きに、導線56の周囲に漏れる磁束(交番磁束)を低減
できる。しかも、ヨーク58は、導線56の外側のうち
履帯片Pの芯金3と対向しない部分にのみ設けたから、
履帯片Pの芯金3のうち樹脂モールド55を介して導線
56に対向する部位に、効率良く交番磁界を発生させる
ことができる。
【0089】一方、各外側コイル部59をL字状に屈曲
させたL字型コイル60によって形成し、各支持台51
上に履帯片Pが載置されたときに、各外側コイル部59
の上面部59Aが、履帯片Pの芯金3のうち各突起部3
Bよりも外側の部位に対向し、各外側コイル部59の側
面部59Bが、前記内側コイル部53との間で各突起部
3Bを挟むようにしたから、該各外側コイル部59と内
側コイル部53とで、各突起部3Bを有する芯金3を一
様に効率良く加熱することができる。
【0090】この結果、例えば従来技術で述べた誘導加
熱装置における消費電力量が30〜50kW程度である
のに対し、本実施例による誘導加熱装置50における消
費電力量は3kW程度に低減することができ、設備規模
や消費エネルギを大幅に縮小することができる。
【0091】次に、誘導加熱装置50によって加熱され
た履帯片Pは、芯金3とゴム体2との接着強度が低下し
た状態で、第2の搬送装置32によってさらに下流側に
搬送され、図17に示すように、支持基板63上のガイ
ドブロック64上に載置される。
【0092】この状態で、履帯分離装置61は、各把持
具65の油圧シリンダ69を縮小させて各移動テーブル
68を互いに接近させると共に、アームシリンダ75を
伸長させて可動アーム74を軸73を中心として図17
に示す開放位置から図20に示す把持位置へと揺動さ
せ、履帯片Pを各把持具65によって把持する。
【0093】このとき、支持アーム71に設けた下側滑
止め部77の各支持突起77Aが、履帯片Pのゴム体2
下面側に噛み込むと共に、可動アーム74に設けた上側
滑止め部78の各把持突起78Aが、履帯片Pのゴム体
2に設けたラグ2A上面に噛み込むことにより、履帯片
Pのゴム体2を、各把持具65により大きな摩擦力をも
って把持すると共に、該ゴム体2の変形を抑えることが
できる。
【0094】また、このとき、各可動アーム74の先端
側下面に設けた各係合突起79が、履帯片Pに穿設され
た角穴5内に係合すると共に、該各係合突起79間に設
けられた係合梁80がゴム体2に設けられたラグ2Aの
側面に係合する。
【0095】この状態において、油圧シリンダ69を伸
長させ、図21に示すように各移動テーブル68を互い
に離間させることにより、履帯片Pのゴム体2に対し、
芯金3の長手方向に沿ってほぼ逆向きの引張力が作用
し、該ゴム体2はその切込み部Cから2つに引裂かれ
る。この結果、履帯片Pを芯金3とゴム体2とに分離す
ることができ、芯金3はガイドブロック64上に残留
し、引裂かれた各ゴム体2は、各移動テーブル68上に
保持される。
【0096】この場合、支持アーム71に設けた下側滑
止め部77と可動アーム74に設けた上側滑止め部78
とによって、履帯片Pのゴム体2を大きな摩擦力をもっ
て把持し、かつ、各可動アーム74に設けた各係合突起
79が、履帯片Pの角穴5内に係合すると共に、該各係
合突起79間に設けた係合梁80がゴム体2に設けられ
たラグ2Aの側面に係合する構成としたから、履帯片P
のゴム体2に対し、その変形を抑えつつ広範囲に亘って
一様な引張力を付与することができ、該ゴム体2と芯金
3との接着部分を確実に剪断することができる。この結
果、例えばゴム体2に亀裂等が生じている場合でも、該
ゴム体2を芯金3の長手方向に沿って確実に2つに引裂
くことができ、走行用履帯1の廃棄処理の作業性を向上
することができる。
【0097】そして、履帯片Pを芯金3とゴム体2とに
分離した後、履帯分離装置61は図22に示すように、
各把持具65のアームシリンダ75を縮小させ、可動ア
ーム74を図21に示す把持位置から図22に示す開放
位置へと揺動させる。これにより、2つに引裂かれたゴ
ム体2が移動テーブル68の支持アーム71上に保持さ
れる。
【0098】その後、例えば各排出シリンダ81を作動
させてパッド83を各移動テーブル68側に突出させる
ことにより、該移動テーブル68の支持アーム71上に
保持されたゴム体2が履帯分離装置61の外部に排出さ
れる。一方、ガイドブロック64上に残留した芯金3
は、第2の搬送装置32によって履帯分離装置61に搬
送されてくる次の履帯片Pによって押圧され、履帯分離
装置61の外部に排出される。これにより、履帯片Pに
対する一連の廃棄処理が終了する。
【0099】上述の如く、本実施例によれば、走行用履
帯1の廃棄処理を行うに際して、まず、長大な走行走行
用履帯1から切断装置21によって小さな履帯片Pを切
断し、この履帯片Pに対してゴム体2と芯金3とを分離
処理する構成としたから、装置全体を大幅に小型化する
ことができる。
【0100】また、切断装置21においては、履帯片P
のゴム体2を切断するカッターを第1のカッター刃27
Aと、第2のカッター刃27Bとから構成し、該各カッ
ター刃27A,27Bの切断位置を、走行用履帯1の長
さ方向に関して個別に調整することができるようにした
から、例えば走行用履帯1に埋設された芯金3の一部が
走行用履帯1の長手方向に突出するような形状を有する
場合でも、各カッター刃27A,27Bと芯金3との干
渉を確実に防止することができる。従って、埋設された
芯金3の形状にかかわらず走行用履帯1を確実に切断す
ることができる。
【0101】さらに、誘導加熱装置50においては、内
側コイル部53をなすソレノイド型コイル54に強磁性
体からなるヨーク58を設けることにより、内側コイル
部53の周囲に漏れる磁束(交番磁束)を低減する構成
とし、かつ、各外側コイル部59をL字状に屈曲させた
L字型コイル60によって形成することにより、各外側
コイル部59の上面部59Aが、履帯片Pの芯金3のう
ち各突起部3Bよりも外側の部位に対向し、各外側コイ
ル部59の側面部59Bが、前記内側コイル部53との
間で各突起部3Bを挟むようにしたから、該各外側コイ
ル部59と内側コイル部53とで、各突起部3Bを有す
る芯金3を一様に効率良く加熱することができる。この
結果、誘導加熱装置50の設備規模や消費エネルギを大
幅に縮小することができる。
【0102】さらにまた、各把持具65によって履帯片
Pのゴム体2を把持するときに、支持アーム71に設け
た下側滑止め部77と可動アーム74に設けた上側滑止
め部78とによって、履帯片Pのゴム体2に対する各把
持具65の滑りを抑え、かつ、各可動アーム74に設け
た各係合突起79を、履帯片Pの角穴5内に係合させる
と共に、該各係合突起79間に設けた係合梁80をゴム
体2に設けられたラグ2Aの側面に係合させることによ
り、履帯片Pのゴム体2に対し、広範囲に亘って一様な
引張力を付与することができ、該ゴム体2と芯金3との
接着部分を確実に剪断することができる。この結果、例
えばゴム体2に亀裂等が生じている場合でも、該ゴム体
2を芯金3の長手方向に沿って確実に2つに引裂くこと
ができ、走行用履帯1の廃棄処理の作業性を大幅に向上
することができる。
【0103】従って、切断装置21と誘導加熱装置50
との間に設けている切込み装置45を省略したとして
も、確実に履帯片Pを芯金3とゴム体2とに分離するこ
とができる。
【0104】次に、図23は本発明による第2の実施例
を示している。なお、本実施例では上述した第1の実施
例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省
略するものとする。
【0105】図において、91,91は本実施例に適用
される可動アームを示し、該各可動アーム91は、前記
第1の実施例で用いた可動アーム74とほぼ同様に、そ
の先端側下面に一対の係合突起92,92と、該各係合
突起92の間に配設された係合梁93とを備えているも
のの、後述する滑止め板94が押圧機構95を介して可
動アーム91に支持されている点で異なっている。
【0106】94,94は本実施例に適用される上側滑
止め部としての滑止め板で、該滑止め板94は全体とし
て矩形の板状体として形成され、可動アーム91の下面
側に形成された凹溝91A内に進退可能に収容されてい
る。そして、該滑止め板94の下面側には、履帯片Pに
埋設された芯金3の長手方向に突堤状をなして並設され
た4列の把持突起94A,94A,…が設けられてい
る。また、滑止め板94の上面側には、押圧機構95を
なす押圧軸96の先端側が固定され、該押圧軸96の基
端側は可動アーム91に形成された軸穴91Bを介して
該可動アーム91の上面側に伸長している。
【0107】95,95は前記各滑止め板94を各可動
アーム91の下方に向けて常時付勢する押圧機構を示
し、該押圧機構95は、先端側が可動アーム91の軸穴
91Bを介して滑止め板94の上面に固定された押圧軸
96と、該押圧軸96の基端側を覆うようにして可動ア
ーム91の上面側に固定され、上端側が閉塞端となった
筒状のホルダ97と、該ホルダ97の上端面と押圧軸9
6との間に縮装されたばね98とからなり、ホルダ97
の上端面から突出した押圧軸96の基端側にはナット9
9が固着されている。
【0108】従って、滑止め板94は、図23に示すよ
うに各可動アーム91が各支持アーム71との間で履帯
片Pを把持したときには、ばね98に抗して可動アーム
91の凹溝91A内に収容され、各把持突起94Aを履
帯片Pのゴム体2のラグ2A上面に当接させる。そし
て、各可動アーム91が把持位置から開放位置に移行し
たときには、ばね98によって押圧軸96が可動アーム
91の下方に突出することにより、滑止め板94が可動
アーム91の下方に押圧されて凹溝91Aから突出する
構成となっている。
【0109】本実施例は上述の如き構成を有するもの
で、その基本的作動および作用効果については上述した
第1の実施例と格別差異はない。
【0110】然るに、本実施例によれば、各支持アーム
71と各可動アーム91とで履帯片Pのゴム体2を把持
して2つに引裂いた後、各可動アーム91が把持位置か
ら開放位置に移行したときに滑止め板94が可動アーム
91の下方に突出することにより、引裂かれたゴム体2
が可動アーム91の下面側に付着してしまうのを確実に
防止できる。この結果、例えば引裂かれたゴム体2が履
帯分離装置61においてつまり等を生じるのを確実に防
止でき、複数の履帯片Pに対する連続的な廃棄処理作業
を行うことができる。
【0111】次に、図24ないし図26は本発明による
第3の実施例を示している。なお、本実施例では上述し
た第1の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、
その説明を省略するものとする。
【0112】図において、101,101は本実施例に
適用される一対の可動アームを示し、該各可動アーム1
01は図25に示すように、その先端側に二股状に分岐
した第1アーム102と第2アーム103とを有してい
る。ここで、第1アーム102の幅寸法と第2アーム1
03の幅寸法とは、ほぼ等しい寸法Dに設定され、さら
に、第1アーム102と第2アーム103との間の隙間
は、寸法Dよりも若干大きい寸法D′(D′>D)に設
定されている。
【0113】そして、該第1アーム102と第2アーム
103の下面側には、履帯片Pに埋設された芯金3の長
手方向に突堤状をなして並設された、4列の把持突起1
04A,104A,…からなる上側滑止め部104がそ
れぞれ設けられている。
【0114】105,106は第1アーム102,第2
アーム103の先端側にそれぞれ下向きに垂下するよう
に設けられた第1,第2の切込み刃を示し、該各切込み
刃105,106の先端部は鋭利な刃先となっている。
ここで、各可動アーム101のうちの一方に設けた各切
込み刃105,106と、他方に設けた各切込み刃10
5,106とは、図24に示すように各可動アーム10
1を最接近させたときに、互いの刃先が一列に並ぶよう
に構成されている。そして、各可動アーム101に設け
た切込み刃105,106は、図26に示すように各支
持アーム71と各可動アーム101とが履帯片Pを把持
するときに、各可動アーム101が互いに最接近し、こ
のとき、履帯片Pのゴム体2に該履帯片Pの長さ方向に
直線状の切込みを入れるようになっている。
【0115】本実施例は上述の如き構成を有するもの
で、その基本的作動および作用効果については前記各実
施例と格別差異はない。
【0116】然るに、本実施例によれば、各支持アーム
71と各可動アーム101とで履帯片Pのゴム体2を把
持したときに、各可動アーム101の先端側に設けた各
切込み刃105,106が履帯片Pのゴム体2に対し、
その長さ方向に沿って直線状の切込みを入れ、その後、
各支持アーム71と各可動アーム101とが履帯片Pの
ゴム体2を把持しつつ互いに離間することにより、該履
帯片Pのゴム体2を、直線状をなす切込みの位置から芯
金3の長手方向に沿って引裂くことができ、効率良く芯
金3とゴム体2とを分離することができる。
【0117】このため、例えば前記第1の実施例で用い
た切込み装置45の如き、履帯分離装置61によって履
帯片Pを芯金3とゴム体2とに分離する前段階として履
帯片Pのゴム体2に切込みを入れるための格別の装置等
を不要にでき、廃棄処理装置全体の構成の簡素化および
小型化を図ることができる。
【0118】なお、前記実施例では、履帯片Pを芯金3
を2個含む程度の大きさに設定したが、本発明はこれに
限らず、例えば芯金3を1個含む程度の大きさ、あるい
は3個〜6個程度含む大きさに設定してもよい。
【0119】また、前記実施例では、走行用履帯1のゴ
ム体2に各芯金3間に位置して複数の角穴5を穿設する
ものとして述べたが、本発明はこれに限るものではな
く、例えば図27に示す変形例のように、ゴム体2に各
角穴5上に位置して「X」字状の切欠きを有する弁膜1
11が設けられた走行用履帯1に対しても適用できるこ
とは勿論である。
【0120】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明によれば、取扱いの難しい長大な走行用履帯を切断手
段によって小さな履帯片に分割し、分割された各履帯片
の芯金を誘導加熱によって加熱することにより該芯金と
ゴム体との接着強度を低下させた状態で、分離手段をな
す一対の把持具によって履帯片を幅方向両側から把持
し、該各把持具を芯金の長手方向に沿って離間させるこ
とにより、該履帯片を芯金とゴム体とに分離する構成と
したから、廃棄処理すべき走行用履帯を予め小さな履帯
片に分割しておくことにより、装置全体を小型化でき、
履帯片に対する分離力等を小さくして省力化を図ること
ができる。
【0121】しかも、分離手段をなす各把持具に、履帯
片に対する該各把持具の滑りを抑える滑止め部を設ける
ことにより、履帯片のゴム体に大きな引張力を付与する
ことができ、芯金とゴム体との接着部分を確実に剪断し
て効率良く芯金とゴム体とを分離することができる。
【0122】また、請求項2に記載の発明によれば、支
持アームと可動アームとが履帯片を把持しつつ芯金の長
手方向に沿って移動することにより、履帯片のゴム体が
支持アームと可動アームとの間で拘束されて変形が抑え
られた状態で、該ゴム体に対し広い範囲に亘って一様に
引張力を付与することができるから、履帯片のゴム体を
確実に引裂くことができ、ゴム体と芯金とを効率良く分
離することができる。
【0123】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
各支持アームと各可動アームとが履帯片を把持した状態
で芯金の長手方向に沿って互いに離間することにより、
履帯片のゴム体が支持アームと可動アームとの間で拘束
されて変形が抑えられた状態で、該ゴム体に対し広い範
囲に亘って一様に引張力を付与することができる構成と
したから、履帯片のゴム体を幅方向に引裂くことがで
き、ゴム体と芯金とを効率良く分離することができる。
【0124】しかも、各支持アームと各可動アームのう
ち少なくともいずれか一方には、履帯片との間で滑りが
発生するのを抑える滑止め部を設けたから、各支持アー
ムおよび各可動アームとゴム体との間の摩擦力が増大
し、履帯片のゴム体に一層大きな引張力を付与すること
ができ、芯金とゴム体との接着部分を確実に剪断して効
率良く芯金とゴム体とを分離することができる。
【0125】そして、請求項4に記載の発明によれば、
各支持アームと各可動アームとが履帯片を把持するとき
に、各可動アームに設けられた係合突起が履帯片の泥抜
き穴に係合する構成としたから、各支持アームと各可動
アームとが履帯片を把持して互いに離間するときに、該
係合突起によって履帯片の幅方向中央部に芯金の長手方
向に沿った大きな引張力を付与することができる。
【0126】また、請求項5の発明によれば、各支持ア
ームと各可動アームとが履帯片を把持するときに、各可
動アームに設けられた係合梁が履帯片のラグ部に係合す
る構成としたから、各支持アームと各可動アームとが履
帯片を把持して互いに離間するときに、該係合梁によっ
て履帯片に対し芯金の長手方向に沿った引張力を広範囲
に付与することができ、効率良く芯金とゴム体とを分離
することができる。
【0127】さらに、請求項6の発明によれば、把持具
をなす各可動アームの先端側に、履帯片を把持するとき
に該履帯片のゴム体に切込みを入れる切込み刃を設ける
構成としたから、各支持アームと各可動アームとが履帯
片を把持するときに、各可動アームの先端側に設けられ
た切込み刃が履帯片のゴム体に切込みを入れ、その後、
各支持アームと各可動アームとが履帯片を把持しつつ互
いに離間することにより、履帯片のゴム体を、その切込
みから芯金の長手方向に沿って引裂くことができる。
【0128】このため、例えば分離装置によって履帯を
芯金とゴム体とに分離する前段階として履帯のゴム体に
切込みを入れるための格別の装置等を不要にでき、廃棄
処理装置全体の構成の簡素化および小型化を図ることが
できる。
【0129】また、請求項7の発明によれば、把持具を
なす各支持アームと各可動アームとが履帯片を把持する
ときに、該各切込み刃の刃先が一列に並んで履帯片のゴ
ム体にその長さ方向に沿った直線状の切込みを入れる構
成としたから、各支持アームと各可動アームとが履帯片
を把持しつつ互いに離間することにより、履帯片のゴム
体を、その直線状をなす切込みの位置から芯金の長手方
向に沿って確実に引裂くことができ、効率良く芯金とゴ
ム体とを分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】廃棄処理の対象物としての走行用履帯を表面側
からみた部分平面図である。
【図2】図1に示す走行用履帯の裏面図である。
【図3】図1中の矢示 III−III 方向からみた断面図で
ある。
【図4】図1中の矢示IV−IV方向からみた断面図であ
る。
【図5】本発明の第1の実施例による走行用履帯の廃棄
処理装置を示す全体図である。
【図6】図5に示す走行用履帯の廃棄処理装置の平面図
である。
【図7】図5中の搬送装置および切断装置等を示す斜視
図である。
【図8】図7中の搬送装置および切断装置等を示す縦断
面図である。
【図9】第1,第2のカッター刃の切断位置を走行用履
帯と共に示す説明図である。
【図10】図5中の第2の搬送装置、誘導加熱装置およ
び履帯分離装置等を示す斜視図である。
【図11】図10中の搬送装置および切込み装置等を示
す縦断面図である。
【図12】搬送装置の昇降ユニットが上昇した状態を示
す図11と同様位置の縦断面図である。
【図13】搬送装置によって履帯片を誘導加熱装置に搬
送した状態を示す図11と同様位置の縦断面図である。
【図14】図10中の誘導加熱装置を拡大して示す一部
破断の斜視図である。
【図15】誘導加熱装置上に履帯片を載置した状態を示
す縦断面図である。
【図16】図15中の矢示 XVI−XVI 方向からみた断面
図である。
【図17】図5中の履帯分離装置を示す正面図である。
【図18】図17中の支持アーム、可動アーム等を拡大
して示す一部破断の正面図である。
【図19】可動アームと履帯片とを拡大して示す一部破
断の斜視図である。
【図20】履帯分離装置の把持具によって履帯片のゴム
体を把持した状態を示す図17と同様位置の正面図であ
る。
【図21】履帯分離装置で履帯片のゴム体を引裂いた状
態を示す図17と同様位置の正面図である。
【図22】履帯分離装置の把持具で引裂いたゴム体を開
放した状態を示す図17と同様位置の正面図である。
【図23】本発明の第2の実施例による各可動アーム等
を示す図18と同様位置の正面図である。
【図24】本発明の第3の実施例による各可動アームを
示す斜視図である。
【図25】図24に示す各可動アームのうちの一方のみ
を示す斜視図である。
【図26】本発明の第3の実施例による各可動アーム等
を示す図18と同様位置の正面図である。
【図27】廃棄処理されるべき走行用履帯の変形例を示
す図1と同様位置の部分平面図である。
【符号の説明】
1 走行用履帯 2 ゴム体 2A ラグ 3 芯金 3B 突起部 5 角穴(泥抜き穴) 11 走行用履帯の廃棄処理装置 21 切断装置(切断手段) 50 誘導加熱装置(加熱手段) 61 履帯分離装置(分離手段) 65 把持具 71 支持アーム 74,91,101 可動アーム 77 下側滑止め部(滑止め部) 78,104 上側滑止め部(滑止め部) 79,92 係合突起 80,93 係合梁 94 滑止め板(滑止め部) 105 第1の切込み刃(切込み刃) 106 第2の切込み刃(切込み刃) P 履帯片

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯形状をなすゴム体内に複数個の芯金を
    それぞれ間隔をもって埋設してなる走行用履帯を、該走
    行用履帯の長さ方向で複数の履帯片に切断する切断手段
    と、該切断手段によって切断された各履帯片の芯金を誘
    導加熱によって加熱する加熱手段と、該加熱手段によっ
    て芯金が加熱された各履帯片に対し芯金の長手方向に沿
    った引張力を付与し該各履帯片を芯金とゴム体とに分離
    する分離手段とからなり、 該分離手段は、前記履帯片を把持し該履帯片に対し芯金
    の長手方向に沿って互いに接近または離間する一対の把
    持具と、該各把持具に設けられ前記履帯片に対する該各
    把持具の滑りを抑える滑止め部とから構成してなる走行
    用履帯の廃棄処理装置。
  2. 【請求項2】 前記各把持具は、前記履帯片を支持する
    支持アームと、該支持アームとの間で前記履帯片を把持
    するように上下方向に駆動され、該支持アームと共に前
    記芯金の長手方向に沿って移動する可動アームとから構
    成してなる請求項1に記載の走行用履帯の廃棄処理装
    置。
  3. 【請求項3】 帯形状をなすゴム体内に複数個の芯金を
    それぞれ間隔をもって埋設してなる走行用履帯の廃棄処
    理装置において、前記走行用履帯をその長さ方向で複数
    の履帯片に切断した状態で、該各履帯片に対し芯金の長
    手方向に沿った引張力を付与し該各履帯片を芯金とゴム
    体とに分離する分離手段を備え、 該分離手段は、前記履帯片を支持する一対の支持アーム
    と、該各支持アームとの間で前記履帯片を把持するよう
    に上下方向に駆動され、該各支持アームと共に前記芯金
    の長手方向に沿って互いに接近または離間する一対の可
    動アームと、前記各支持アームと該各可動アームのうち
    少なくともいずれか一方に設けられ、前記履帯片との間
    で滑りが発生するのを抑える滑止め部とから構成したこ
    とを特徴とする走行用履帯の廃棄処理装置。
  4. 【請求項4】 前記走行用履帯のゴム体は前記各芯金の
    間に位置して幅方向中間部に泥抜き穴を有し、前記一対
    の可動アームには、前記履帯片を把持するときに前記泥
    抜き穴に係合し該履帯片に対して芯金の長手方向に沿っ
    た引張力を付与する係合突起を設けてなる請求項2また
    は3に記載の走行用履帯の廃棄処理装置。
  5. 【請求項5】 前記走行用履帯のゴム体はその表面に外
    部に向けて突出する複数のラグを有し、前記一対の可動
    アームには、前記履帯片を把持するときに前記ラグに係
    合し該履帯片に対し芯金の長手方向に沿った引張力を付
    与する係合梁を設けてなる請求項2,3または4に記載
    の走行用履帯の廃棄処理装置。
  6. 【請求項6】 前記各可動アームの先端側には、前記履
    帯片を把持するときに該履帯片のゴム体に切込みを入れ
    る切込み刃を設けてなる請求項2,3,4または5に記
    載の走行用履帯の廃棄処理装置。
  7. 【請求項7】 前記各可動アームの先端側には、該各可
    動アームを互いに最接近させたときに刃先が一列に並ぶ
    ように前記切込み刃をそれぞれ形成し、該各切込み刃に
    よって前記履帯片の長さ方向に直線状の切込みを入れる
    構成としてなる請求項6に記載の走行用履帯の廃棄処理
    装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010254170A (ja) * 2009-04-27 2010-11-11 National Agriculture & Food Research Organization ゴムクローラの分離装置
JP2011037115A (ja) * 2009-08-10 2011-02-24 Yokohama Rubber Co Ltd:The 帯状コード部材のゴム分離装置
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