JPH09224602A - 酸味抑制剤 - Google Patents

酸味抑制剤

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JPH09224602A
JPH09224602A JP8041228A JP4122896A JPH09224602A JP H09224602 A JPH09224602 A JP H09224602A JP 8041228 A JP8041228 A JP 8041228A JP 4122896 A JP4122896 A JP 4122896A JP H09224602 A JPH09224602 A JP H09224602A
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JP
Japan
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sourness
lysozyme
sweetness
sour taste
sour
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JP8041228A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Katsuragi
能久 桂木
Kazuya Otsuji
一也 大辻
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 リゾチーム又はこの塩を有効成分とする
酸味抑制剤及びこれを含有する経口用医薬組成物又は食
品。 【効果】 甘味を与え、酸味を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、甘味を与え、酸味
を抑制する剤に関する。
【0002】
【従来の技術】味には、甘味、塩味、酸味、旨味、苦味
の5つの基本味がある。従来、酸味を呈するビタミン
C、果汁飲料、健康酢等の健康食品、ビタミンC含有ド
リンク等の医薬品等を食べやすく、飲みやすく、また、
不快感をマスキングするため、例えば蔗糖、果糖、マル
チトール等の糖類、オリゴ糖類、糖アルコール、アラニ
ン、グリシン等のアミノ酸、ステビア、グリチルリチン
等の配糖体及びその誘導体、モネリン、ソーマチン等の
蛋白質等の天然由来の甘味料、糖アルコール類、オリゴ
糖類、アスパルテーム等のペプチドの合成甘味料が使用
されていた。更に、味覚修飾物質として、酸味を甘味に
変えるミラクリン(特開平3−218400号、同2−
227043号、同2−238857号公報等)、酸味
を甘味に変え、かつそれ自体も甘味を有するクルクリン
(特開平2−84156号、同2−84163号、同5
−292900号、同5−304901号公報等)、朝
鮮アザミから抽出され、これを口に含んだ後に水を飲ん
だ場合に甘味を感じるという作用を有するサイナリンな
どが挙げられる。
【0003】従来の甘味料はカロリーが高いものか化学
的に合成されたものが多く、健康志向の観点から問題が
あった。一方、リゾチームは、低カロリーであり、食品
添加物に日持ち向上剤又は制菌剤として約0.1%未満
の添加で使用されていることは知られているが、酸味を
抑制したり、酸味を甘味に変えることは知られていな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、酸味を呈する経口用医薬組成物又は食品の酸味を消
し、甘味だけを残す、しかも低カロリーの酸味抑制剤を
提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者は鋭意研究を行った結果、意外にも、リゾチーム
又はその塩を酸味を呈する経口用医薬組成物又は食品に
有効量配合すれば酸味が消え、甘味だけが残ることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、リゾチーム又はその
塩を有効成分とする酸味抑制剤を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いるリゾチームとして
は、動物組織、体液、植物、微生物等からの抽出物を用
いることができ、このうち、特に卵白リゾチームが好ま
しい。卵白からリゾチームを採取する方法は、公知の方
法で行えばよく、例えば、卵白に希苛性ソーダ液を加え
て約pH9.5とし、更に食塩を加え溶解させ、これに微
量の等電点リゾチーム結晶を加えてリゾチームを析出さ
せる塩析法;卵白を希塩酸でpH6に調整後、イオン交換
ゲル粉末を加え吸着したリゾチームを食塩水で抽出する
イオン交換ゲル吸着法等が挙げられる。
【0008】リゾチームの塩としては特に制限されない
が、塩酸、硫酸、硝酸との塩が挙げられ、このうち、塩
化リゾチームが好ましい。
【0009】本発明において、酸味抑制とは、酸味っぽ
さ、すっぱさ、刺激感を与える味を緩和又は改善するこ
とにより、まろやかさを与えたり、甘さを与えたりする
ことであり、特に、酸味を残すことなく、甘味に変える
ことが好ましい。
【0010】本発明の酸味抑制剤を配合する酸味等を有
する経口医薬組成物及び食品の形態は、水溶液、懸濁
物、乳化物等の液状又はペースト状あるいは粉末等の固
形物のいずれでも良いが、口中での酸味分やリゾチーム
の移動性の点から液状物が好ましい。また配合方法も特
に制限されず、これらの形態が水溶液、懸濁物、乳化物
等の液状又はペースト状の場合には、本発明の酸味抑制
剤を添加後、充分に溶解及び/又は攪拌分散する方法を
用いることができ、攪拌分散には、均一化装置、乳化
機、超音波処理装置等を用いることができる。なお得ら
れた分散物は、噴霧乾燥機、凍結乾燥機等により乾燥
後、粉末状あるいは粒状等の固形物としてもよい。また
酸味等を有する医薬組成物及び食品の形態が、粉末等の
固形物の場合には、本発明の酸味抑制剤を添加、混合す
る方法を用いることができる。また、上記酸味抑制剤を
水等に溶解及び/又は分散させ、これと固形物の形態に
ある酸味等を有する医薬組成物あるいは食品等を混合
し、均一化した後、脱水する方法を利用してもよい。な
お、上記酸味等を有する医薬組成物あるいは食品が、水
に難溶性の場合は、ヘキサンや酢酸エチル等の有機溶剤
やエタノール等のアルコール等を用い、これらの成分を
溶解させた後、本発明の酸味抑制剤を添加すればよい。
【0011】本発明の酸味抑制剤を配合する酸味等を有
する医薬組成物は特に制限されず例えば、ビタミンC、
カプトプリル、アスピリン、クエン酸ジエチルカルバミ
ン、リン酸ピペラジン、グルタチオン、クエン酸、酒石
酸、コハク酸、リンゴ酸、酢酸等の有機酸等の酸味を呈
する成分を含む経口用医薬組成物の全てが挙げられる。
【0012】本発明の酸味抑制剤を含む経口用医薬組成
物の剤形は、特に制限されず、種々の剤形とすることが
できる。剤形としては、例えばカプセル剤、顆粒剤、細
粒剤、丸剤、散剤、錠剤、トローチ剤、チュアブル剤及
びドライシロップ剤等の固形製剤、液剤、エキス剤、エ
リキシル剤、酒精剤、シロップ剤、芳香水剤、リモナー
デ剤及び流エキス剤等の液状製剤が挙げられる。
【0013】上記の製剤化は、公知の方法が利用でき、
例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、
コーティング剤、矯味剤、マスク化剤及び香料等の添加
剤を1種又は2種以上組合わせ、プラネタリーミキサ
ー、攪拌造粒機、高速混合造粒機、押し出し造粒機、流
動層造粒機、遠心転動造粒機、ローラーコンパクター等
の造粒機を用いて行うことができる。
【0014】本発明の酸味抑制剤の配合量は、経口用医
薬組成物中、好ましくは0.1〜10重量%(以下、
「%」で示す。)、特に好ましくは0.2〜5%、更に
好ましくは0.5〜2%である。
【0015】本発明の酸味抑制剤は、酸味を有する食品
(酸味成分を本来的に含有している酸味を有する食品や
酸味成分を添加することで酸味が付与された食品)に配
合することにより、その酸味を抑制できる。かかる酸味
を有する食品としては、例えば、オレンジ、レモン、グ
レープフルーツ、ゆず、すだち、はっさく等の柑橘類及
びこれらを含む果汁;リンゴ、キウイ、アセロラ、パイ
ン、イチゴ、みかん、メロン、もも、ぶどう、さくらん
ぼ等の果実及びこれらを含む果汁;トマト、セロリ、キ
ャロット、キュウリ、梅、ウリ、アスパラガス、ピーマ
ン等の野菜及びこれらを含む果汁;飴;キャンディー、
グミ、チューイングガム、チョコレート、スナック菓子
等の菓子類;パン・ケーキ類;コーヒー、ココア、紅
茶、緑茶、醗酵茶、半醗酵茶、清涼飲料、水及び機能性
飲料等の飲料;ソース、醤油、味噌、うま味調味料、ポ
ン酢、酢等の調味料類;クリーム、アイスクリーム、ホ
イップクリーム、ドレッシング、マヨネーズ及びマーガ
リン等の乳化食品;魚肉、すりみ、魚卵等の水産食品及
び水産加工品;肉及び食肉加工食品;漬物類;麺類;粉
末スープを含むスープ類;チーズ、ヨーグルト、牛乳等
の乳製品類;醗酵食品類;寿司;ビタミンCを含む健康
食品類等が挙げられる。
【0016】本発明の酸味抑制剤の配合量は、食品中、
好ましくは0.1〜10%、特に好ましくは0.2〜5
%、更に好ましくは0.5〜2%である。
【0017】また、本発明の酸味抑制剤を用いる場合に
は、上記のように酸味を有する食品に直接添加して味を
抑制する方法以外に、酸味を有する食品の食前、食後又
は食中に本発明の酸味抑制剤を口に含むか、あるいは口
に含んだ後咀嚼することにより味を抑制するという方法
を利用することもできる。例えば、酸味抑制剤を含む飲
料又はトローチ剤等を作成しておき、酸味等を有する食
品の食前、食後又は食中にこれを口に含むことにより酸
味等を緩和し、口内に残る刺激感を除去することができ
る。
【0018】
【発明の効果】本発明の酸味抑制剤は、酸味を抑制する
だけではなく、酸味を甘味に変換するという優れた作用
を示すため、酸味を有する食品又は経口用医薬組成物に
有効に配合できる。また、本剤は蛋白質であるため、糖
等に比べてカロリーが低く、糖尿病の患者等、糖の摂取
を制限されている人を対象とした食品に応用できる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、これは単に例示であって本発明を制限するも
のではない。
【0020】評価方法 酸味を抑制する効果を等価濃度試験法による官能評価に
より行った。すなわち、甘味、酸味とも以下に示す濃度
の標準液をそれぞれ用意し、評価したい食品又は医薬品
の味の強さが何番の標準液と同等であるかを選択させ
た。次に、リゾチームで処理した食品又は医薬品の味の
強さが何番であるかを選択させた。各々の数値を比較す
ることにより、甘味及び酸味の増減を評価した。味の強
さは、味覚専門パネラー4〜9名により行い、その平均
値で求めた。
【0021】
【表1】
【0022】実施例1 アスコルビン酸(ビタミンC)を1重量%含む水溶液に
リゾチームを0.1、0.3、1.0及び3.0重量%
添加した場合の酸味及び甘味の評価を行った。結果を次
に示す。
【0023】
【表2】
【0024】以上に示すように、リゾチームの添加によ
り、酸味が低減し、甘味の増加が認められた。
【0025】実施例2 酸味を有するトマトジュース(カゴメ社製)に、リゾチ
ーム(三栄源FFI社製)0.1重量%添加した場合
の、酸味の強さと甘味の強さを評価した。更に、グレー
プフルーツジュース、オレンジ果汁入り飲料についても
同様の評価を行った。結果を下表に示す。
【0026】
【表3】
【0027】以上に示すように、リゾチームを添加する
ことにより、酸味が抑えられ、まろやかな甘味を有する
飲料が得られた。
【0028】実施例3 三栄源FFI社製リゾチーム小さじ1杯を口の中に含
み、3分間、口中でなじませた後、コップ一杯程度の水
で口をすすぎ、酸味を有する以下の食品を味わった。そ
の時の酸味の強さと、甘味の強さを下表に示した。
【0029】試験した食品 市販トマトジュース(カゴメ社製)、オレンジ果汁、グ
レープフルーツジュース。
【0030】
【表4】
【0031】リゾチームを予め口に含むだけで、味覚が
修飾され、酸味が甘味に変わった。
【0032】実施例4 ビタミンCを含む顆粒剤と、これに塩化リゾチームを添
加した顆粒剤の酸味及び甘味の評価を行った。その結
果、酸味が抑制され、甘味を有する服用しやすい顆粒剤
を得た。
【0033】実施例5 市販のビタミンCを含むドリンク剤(1000mg,ビタ
ミンC配合)に、塩化リゾチームを、1.0重量%添加
したドリンク剤を作製し、酸味、甘味の評価を行った。
結果を以下に示す。
【0034】
【表5】
【0035】酸味が低減し、甘味の増加した飲み易いド
リンク剤が得られた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リゾチーム又はこの塩を有効成分とする
    酸味抑制剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の酸味抑制剤を0.1〜1
    0重量%含有する経口用医薬組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の酸味抑制剤を0.1〜1
    0重量%含有する食品。
JP8041228A 1996-02-28 1996-02-28 酸味抑制剤 Pending JPH09224602A (ja)

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JP8041228A JPH09224602A (ja) 1996-02-28 1996-02-28 酸味抑制剤

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010155855A (ja) * 2010-03-03 2010-07-15 Snow Brand Milk Prod Co Ltd 骨吸収抑制剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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