JPH09224339A - 永久磁石回転型モータ - Google Patents

永久磁石回転型モータ

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JPH09224339A
JPH09224339A JP8028207A JP2820796A JPH09224339A JP H09224339 A JPH09224339 A JP H09224339A JP 8028207 A JP8028207 A JP 8028207A JP 2820796 A JP2820796 A JP 2820796A JP H09224339 A JPH09224339 A JP H09224339A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】永久磁石回転型モータにおける永久磁石の保護
を完全にして、モータの信頼性を向上させる。 【解決手段】ロータのカラー4A及び永久磁石5の両端
面に密接するように保護プレート20を配設する。保護
プレート20は、内周部は回転軸4に外嵌するととも
に、永久磁石5と略同じ外径を有するリング状のプレー
トであって、アルミニウム,樹脂,鉄鋼等のように、永
久磁石5よりも機械的強度が高く且つ成形し易い材料で
形成する。保護プレート20の角部20aを削ってここ
に滑らかな丸みを持たせる。さらに、永久磁石5及び保
護プレート20の外周面と、保護プレート20の外面側
の一部分を、熱収縮チューブ21で覆う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、永久磁石回転型
モータに関し、特に、その信頼性の向上を図ったもので
ある。
【0002】
【従来の技術】外周に永久磁石が固定された回転自在の
ロータと、このロータを包囲する励磁コイルが捲線され
たステータとを有する永久磁石回転型モータは、電流供
給のためのブラシが不要であるため、ブラシを有するタ
イプのモータに比べて信頼性が高いという利点を有する
一方、一般に焼結成形の永久磁石は脆くて機械的強度が
低いため、著しい高速で長時間回転させたり、外部から
強い衝撃が加わったりすると、永久磁石が破損してしま
う可能性があった。
【0003】このため、従来の永久磁石回転型モータに
あっては、その信頼性を上げるために、例えば図4に示
すように、回転軸4の外周にカラー4Aを介して固定さ
れている永久磁石5の外周面をテープやスリーブ等の保
護材5Aで覆うことにより、その機械的強度を補うよう
にしていた。しかし、図4に示すように永久磁石5の外
周面を保護材5Aで覆うだけでは、確かに回転力に対す
る強度を高めることはできても、永久磁石5の端面を保
護するようにはなっていなかったため、その端面で剥離
等が生じてしまえば、永久磁石5から離脱した破片がモ
ータ内部に散らばってしまい、場合によっては散らばっ
た破片がロータ及びステータ間に挟まってモータロック
を招いてしまうことさえあった。
【0004】従って、永久磁石5の端面をも保護材で覆
うことが望ましく、外周面及び端面の両方を少ない手間
で覆うためには、加熱すると被覆物体の形状に収縮する
熱収縮チューブを利用するのが有効である。つまり、永
久磁石5よりも長い熱収縮チューブで、そのチューブの
両端が永久磁石5の端面よりも外側に張り出すように永
久磁石5を包囲した後に加熱すれば、チューブの永久磁
石5外周を包囲する部分が熱収縮してその永久磁石5の
外周面を覆うとともに、チューブ端部が熱収縮して永久
磁石5の端面を覆うから、少ない手間で永久磁石5の外
周面及び端面の両方を保護材で覆うことができるのであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように熱収縮チューブを利用して永久磁石5の外周面及
び端面の両方を保護材で覆う場合には、永久磁石5の外
周面及び端面間の角部では熱収縮チューブの収縮率が他
の部分と大きく異なってしまうため、角部の保護材が極
端に薄くなって保護材の強度が低くなったり、或いは角
部の内側に空隙が出来て永久磁石5と保護材との密着が
不十分になったりして、保護材としての機能が十分に果
たせないことがあった。そして、永久磁石の角部に異物
が付着していたり、加熱・冷却が繰り返されるような使
用環境であったりすると、保護材としての機能が十分に
果たせなくなっているチューブの角部から破損が生じて
しまい、最も脆い永久磁石の角部の保護が行えなくなっ
てしまう。
【0006】かかる不具合を避けるためには、永久磁石
5の角部を削って滑らかな丸みを持たせることが考えら
れるが、実際には、脆い永久磁石の角部を滑らかに削る
ことは困難であり、また性能上も好ましくない。また、
厚さ(外径)の大きい永久磁石を有するロータでは、特
にその端面を熱収縮チューブだけで完全に覆うことは困
難であった。
【0007】本発明は、このような従来の技術が有する
未解決の課題に着目してなされたものであって、永久磁
石の保護をより完全に行える構造の永久磁石回転型モー
タを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、外周に永久磁石が固定され
た回転自在のロータと、このロータを包囲する励磁コイ
ルが捲線されたステータと、を有する永久磁石回転型モ
ータにおいて、前記永久磁石の端面にその永久磁石と同
外径の保護プレートを配設するとともに、それら永久磁
石及び保護プレートの外周面を熱収縮チューブで覆っ
た。
【0009】また、請求項2に係る発明は、上記請求項
1に係る発明である永久磁石回転型モータにおいて、前
記ロータを、回転自在の回転軸と、円筒形の前記永久磁
石と、これら回転軸及び永久磁石間に介在するカラーと
を備えて構成するとともに、前記保護プレートを、前記
カラーの端部に形成された鍔部とした。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態
における永久磁石回転型モータとしてのブラシレスモー
タ1の断面図である。即ち、本実施の形態におけるブラ
シレスモータ1は、一方の底部が閉塞された円筒形のセ
ンタハウジング2Aと、このセンタハウジング2Aの他
方の開口端部を閉塞する略円板状のフロントハウジング
2Bとを有していて、センタハウジング2Aの内側に
は、その軸心に沿って、フロントハウジング2B及びセ
ンタハウジング2A底部にそれぞれ配設された軸受3
a,3bによって回転自在の回転軸4が配設されてい
る。なお、軸受け3aは、フロントハウジング2Bの内
周部のかしめ部2aとフロントハウジング2B外面側の
凸部2bとの間に挟まれて固定されており、軸受け3b
は、センタハウジング2Aの底部中央部分にはめ込まれ
て固定されている。
【0011】また、回転軸4の周囲には、円筒形のカラ
ー4Aが固定され、さらにカラー4Aの外周にはモータ
駆動用の円筒形の永久磁石5が外嵌し固定されている。
このモータ駆動用の永久磁石5は、S極及びN極が周方
向に交互に且つ等間隔に着磁された磁石であって、これ
ら回転軸4,カラー4A及び永久磁石5によってブラシ
レスモータ1の回転自在のロータ6が構成されている。
なお、カラー4Aは、肉薄の永久磁石5を用いた場合で
も永久磁石5の磁極間のの磁路を確保するための部材で
あり、低炭素鋼等のように磁気回路に好適な材料で形成
されている。
【0012】そして、センタハウジング2Aの内周面に
はコア7が固定され、このコア7には永久磁石5を包囲
するように例えば3相の励磁コイル8が捲線されてい
て、これらコア7及び励磁コイル8によってブラシレス
モータ1のステータ9が構成されている。さらに、フロ
ントハウジング2Bの内面には、回転軸4と同軸に周方
向に連続した円周溝2cが形成されていて、その円周溝
2cには基板ホルダ15が嵌め込まれている。基板ホル
ダ15は、円周溝2cの内周側の立ち上がり面2dに嵌
め込まれる円筒部15Aと、この円筒部15Aの端部外
側に一体に形成され円周溝2cの底面に当接するフラン
ジ部15Bと、軸受3aの内端面側に近接するように形
成されたフランジ部15Cと、から構成されていて、そ
の円筒部15Aの先端側は、励磁コイル8の内側に入り
込むようになっている。
【0013】なお、基板ホルダ15は、フロントハウジ
ング2Bを外面側から貫通するネジ16を締結すること
により、フランジ部15Bがフロントハウジング2B内
面に押し付けられて固定されるようになっている。一
方、回転軸4の永久磁石5よりも軸受3a側の部位であ
って励磁コイル8に包囲された部分には、位相検出用の
永久磁石10が固定されており、その永久磁石10に近
接するように、基板ホルダ15の円筒部15A先端部内
側に回路基板11が固定され、その回路基板11には検
出素子12が保持されている。なお、実際には検出素子
12は、励磁コイル8の相数に対応して周方向に等間隔
に複数設けられているが、図1は断面図であるため、そ
の内の一つのみを示している。そして、検出素子12の
出力がこれに対向する永久磁石10の磁極によって変化
することを利用してロータ6の回転位置を認識し、それ
に応じて図示しないモータ駆動回路が励磁コイル8に適
宜電流を供給して励磁状態を切り換えることにより、ロ
ータ6を回転させてモータの回転出力を得るのである。
【0014】そして、本実施の形態にあっては、ロータ
6のカラー4A及び永久磁石5の両端面に密接するよう
に保護プレート20を配設している。即ち、この保護プ
レート20は、その一方の配設状態を拡大図示した図2
に示すように、内周部は回転軸4に外嵌するとともに、
永久磁石5と略同じ外径を有するリング状のプレートで
あって、アルミニウム,樹脂,鉄鋼等のように、永久磁
石5よりも機械的強度が高く且つ成形し易い材料で形成
されている。そこで、この実施の形態では、保護プレー
ト20の角部20aを削ってここに滑らかな丸みを持た
せている。なお、図2にはカラー4Aの一方の端部のみ
を図示しているが、他方の端部についても同様の構成で
ある。
【0015】さらに、永久磁石5及び保護プレート20
の外周面と、保護プレート20の外面側(永久磁石5と
は逆側)の一部分(径方向外側の約半分)が、熱収縮チ
ューブ21で覆われている。具体的には、熱収縮チュー
ブ21は、収縮前の寸法で、その内径は永久磁石5外径
よりも若干大きく、その長さは永久磁石5及びその両端
の保護プレート20を合わせた長さよりも若干長くて、
加熱して収縮すると、永久磁石5及び保護プレート20
の外周面に密着するとともに、両端部が内側に湾曲する
ように収縮して保護プレート20の外面側の一部分に密
着するようになっている。なお、熱収縮チューブ21と
しては、一般の電線接続部の絶縁保護等に用いられてい
る公知の絶縁用熱収縮チューブが適用できる。
【0016】そして、本実施の形態にあっては、保護プ
レート20の角部20aに丸みを持たせているが、その
加工は永久磁石5を加工する場合に比べて極めて容易で
あるから加工コストが大幅に上昇することはない。しか
も、角部20aが丸みを有していれば、熱収縮チューブ
21が収縮しても、その収縮後の肉厚にはムラが生じず
に均等な厚さになるから、永久磁石5や保護プレート2
0に密着することができる。よって、熱収縮チューブ2
1は、保護材としての機能を確実に発揮し、永久磁石5
の機械的強度の低さを十分に補うことができるから、永
久磁石5の破損を防止することができるし、仮に永久磁
石5が破損したとしても、その破片がブラシレスモータ
1内に飛び散ることもないから、モータロック等を招く
可能性も小さい。
【0017】しかも、永久磁石5の両端は保護プレート
20で覆うようにしているから、永久磁石5の外径が大
きい場合のように、熱収縮チューブ21のみでは被覆が
不完全になるような条件下であっても、永久磁石5の外
周面及び端面を完全に覆うことができる。このように、
本実施の形態にあっては、保護プレート20及び熱収縮
チューブ21で永久磁石5を覆うようにしたため、永久
磁石5を完全に保護することができるから、永久磁石5
の耐久性が向上し、信頼性の高いブラシレスモータ1が
得られるのである。従って、本実施の形態のようなブラ
シレスモータ1は、例えば車両用の電動式パワーステア
リング装置の動力源のように走行時に外部から振動等が
入力される使用環境の厳しいモータとして好適である。
【0018】図3は本発明の第2の実施の形態を示す図
であって、図2と同様の拡大断面図である。即ち、本実
施の形態では、上記第1の実施の形態における保護プレ
ート20を省略し、カラー4Aの両端部に径方向外側に
広がるように鍔部4Bを形成し、その鍔部4Bの外径
を、永久磁石5の外径に一致させている。なお、図3に
はカラー4Aの一方の端部のみを図示しているが、他方
の端部についてもこれと同様の構成である。
【0019】また、このカラー4Aは、永久磁石5より
も機械的強度が高くて成形し易く、しかも磁気回路に好
適な鉄鋼等の材料で形成されていて、その鍔部4Bの角
部4aには、滑らかな丸みを持たせている。その他の構
成は上記第1の実施の形態と同様である。このような構
成であっても、鍔部4Bが上記第1の実施の形態におけ
る保護プレート20と同様の機能を発揮するから、上記
第1の実施の形態と同様の作用効果が得られる。
【0020】しかも、保護プレートとしての鍔部4Bを
カラー4Aと一体としているため、上記第1の実施の形
態に比べて、部品点数が削減され、組立時の手間が簡略
化できるという利点がある。なお、上記各実施の形態で
は、位相検出センサとしてホール素子等が適用できる検
出素子12を設けた場合について説明したが、その場
合、ホール素子により磁極を検出する簡単な構造であっ
てもよいし、或いは、分解能を上げた磁気エンコーダの
ような構造であってもよい。
【0021】また、上記各実施の形態では、カラー4A
を回転軸4に外嵌する円筒形の部材としているが、この
カラー4Aは回転軸4と一体のものであってもよい。そ
して、保護プレート20及び鍔部4Bの外径寸法は、永
久磁石5の外径寸法に厳密に一致する必要はなく、それ
ら外径寸法には、熱収縮チューブ21の収縮率に過大な
影響を与えない段差ができる程度の差があってもよい。
【0022】さらに、永久磁石5の軸方向長さ寸法とカ
ラー4Aの軸方向長さ寸法とは、厳密に一致させること
は加工上困難であるが、保護プレート20と永久磁石5
又はカラー4Aとの間に僅かな隙間があっても、永久磁
石5の保護に差し支えないし、その隙間に、永久磁石5
を固定するために用いる接着剤を充填することもでき
る。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
永久磁石の端面にその永久磁石と同外径の保護プレート
を配設するとともに、それら永久磁石及び保護プレート
の外周面を熱収縮チューブで覆ったため、永久磁石を完
全に保護することができるから、モータの信頼性が向上
するという効果がある。
【0024】特に、請求項2に係る発明にあっては、部
品点数が削減できて組立時の手間が簡略化できるという
効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の全体構成を示す断
面図である。
【図2】第1の実施の形態の要部を拡大した断面図であ
る。
【図3】第2の実施の形態の要部を拡大した断面図であ
る。
【図4】従来の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ブラシレスモータ(永久磁石回転型モー
タ) 2A センタハウジング 2B フロントハウジング 4 回転軸 4A カラー 4B 鍔部 4a 角部 5 永久磁石 6 ロータ 7 コア 8 励磁コイル 9 ステータ 20 保護プレート 20a 角部 21 熱収縮チューブ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周に永久磁石が固定された回転自在の
    ロータと、このロータを包囲する励磁コイルが捲線され
    たステータと、を有する永久磁石回転型モータにおい
    て、前記永久磁石の端面にその永久磁石と同外径の保護
    プレートを配設するとともに、それら永久磁石及び保護
    プレートの外周面を熱収縮チューブで覆ったことを特徴
    とする永久磁石回転型モータ。
  2. 【請求項2】 前記ロータは、回転自在の回転軸と、円
    筒形の前記永久磁石と、これら回転軸及び永久磁石間に
    介在するカラーとを有し、前記保護プレートは、前記カ
    ラーの端部に形成された鍔部である請求項1記載の永久
    磁石回転型モータ。
JP02820796A 1996-02-15 1996-02-15 永久磁石回転型モータ Expired - Lifetime JP3601159B2 (ja)

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