JPH09222375A - 海水リークの検出方法及びその装置 - Google Patents

海水リークの検出方法及びその装置

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JPH09222375A
JPH09222375A JP8053829A JP5382996A JPH09222375A JP H09222375 A JPH09222375 A JP H09222375A JP 8053829 A JP8053829 A JP 8053829A JP 5382996 A JP5382996 A JP 5382996A JP H09222375 A JPH09222375 A JP H09222375A
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vacuum
carbon dioxide
water
dioxide gas
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JP8053829A
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English (en)
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Shigemi Endou
志げみ 遠藤
Shozo Ogawa
正三 小川
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Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F2265/00Safety or protection arrangements; Arrangements for preventing malfunction
    • F28F2265/16Safety or protection arrangements; Arrangements for preventing malfunction for preventing leakage
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発電プラントを一時的に停止した時でも海水
リークを監視しているため、例えば発電プラントのDS
S運転またはWSS運転により運転を一時的に停止した
場合には、減圧状態の復水器内に空気が侵入して真空破
壊を起こし、空気中の炭酸ガスが復水器4内の復水中に
溶解し、海水リークと似た現象を生じ、海水リーク検出
装置9が警報を発し、これが海水リークに起因するもの
か、真空破壊に起因するものかを判定できない。また、
運転停止時に警報が発せられた場合には、その都度復水
を採取し、Cl-を手分析で定量し海水リークによる警
報か真空破壊による警報かを確認しなくてはならず、分
析作業に手間取り、それだけ発電プラントの起動回復が
遅延する。 【解決手段】 本海水リークの検出方法は、発電プラン
トの復水器20における海水リークを復水の導電率を介
して検出する際に、復水器20から取り出した復水の導
電率を酸導電率計15で検出するに先立って、復水を膜
脱気装置14で脱気処理して復水に溶存する炭酸ガスを
除去することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電プラントの復
水器における海水リークを検出する方法及びその装置に
関し、更に詳しくは、復水器の真空破壊時に復水中に溶
解する炭酸ガスに影響されることなく海水リークを確実
に検出できる海水リークの検出方法及びその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】発電プラントの代表的なものとして例え
ば火力発電プラント及び沸騰水型原子力発電(BWR)
プラント及び加圧水型原子力発電(PWR)プラントが
ある。例えば、火力発電プラントの場合には、図5に示
すようにボイラ1で発生した蒸気をタービン2へ送り、
この蒸気でタービン2を駆動させ、発電機3により発電
するようにしている。発電に使用された蒸気はタービン
2の下流側に配置された復水器4で冷却して水に戻し、
この復水をボイラ1へ循環させて循環使用している。こ
の循環水としては高純度の水を使用し、発電プラントの
構成機器や配管の酸化腐食等を抑制したり、構成機器や
配管へのスケールの付着を防止するようにしている。ま
た、復水の減少分は補給水として高純度水を復水器4へ
供給している。
【0003】ところが、高純度水が循環する間に、微量
ではあるが金属酸化物微粒子等の懸濁物質や金属イオン
等が構成機器及び配管等から生成し、不純物として循環
水中に混入する。そのまま不純物を放置すれば、不純物
が徐々に濃縮されてボイラ1等に持ち込まれてスケール
として付着するなどして発電の障害になる。また、復水
を得る際に、図5に示すように復水器4内で蒸気の冷却
水として海水を利用しているため、復水器4の冷却管4
Aが海水により腐食してピンホール等ができることもあ
り、この場合にはピンホール等から海水がリークして復
水に混じり、構成機器及び配管等の腐食を促進して発電
の障害になることもある。そこで、上述の障害を未然に
防止するために、復水器4の下流側には濾過装置5、脱
塩装置6が順次設置され、復水が循環する間に濾過装置
5及び脱塩装置6により金属酸化物微粒子等の懸濁物質
や金属イオン等の不純物を除去し、循環水の水質を高純
度に保持している。また、濾過装置5及び脱塩装置6の
性能を長期間に渡って維持し循環水の水質を高純度に維
持するため、発電プラントを断続的に停止させ、循環水
を系外へ排出することにより不純物を排出し、循環水の
純度を高めた後、再起動する、いわゆるDSS(Dai
ly Stop and Start)、WSS(Wee
kly Stop and Start)で発電プラント
を運転するようにしている。尚、図5において7、8は
ポンプである。
【0004】特に、海水リークは発電プラントにとって
は重大であるため、復水器4には海水リーク検出装置9
が複数箇所に付設され、この海水リーク検出装置9によ
り復水器4から取り出された復水の酸導電率を測定する
ことにより海水リークを監視するようにしてある。そこ
で、従来の海水リーク検出装置9について図6を参照し
ながら説明すると、海水リーク検出装置9は、同図に示
すように、復水を取り出すためのバルブ9Aと、取り出
された復水を送水するポンプ9Bと、H形カチオン交換
樹脂が充填されたカラム9Cと、酸導電率計9Dとを備
えて構成されている。従って、万一、海水リークがあっ
た場合には、カラム9Cにおいてイオン交換反応により
復水中のカチオンをH+と交換し、H+により復水の導電
率を高め、微量なNa+でもH+を介して酸導電率計9D
により鋭敏に検出するようにしてある。
【0005】ところで、復水の通常の酸導電率(Na+
等をH+に置換して測定されるH+換算の導電率)が例え
ば約0.2μS/cm以下で運転されておれば、この酸
導電率が例えば0.5μS/cmを超えると、海水リー
クが発生したものとして海水リーク検出装置9が警報を
発するようにしてある。尚、火力発電プラント、PWR
プラントの場合には、ボイラあるいは蒸気発生器等の溶
存酸素による腐食を防止する観点からアンモニアやヒド
ラジンを添加し、火力発電プラントの場合には復水のp
Hが例えば9.4程度、PWRプラントの場合には復水
のpHが例えば8.5程度の弱アルカリ性になっている
が、アンモニアやヒドラジンは海水リークを検出する時
にH形カチオン交換樹脂によりNa+と共に捕捉され、
酸導電率への影響 は除去される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、発電プ
ラントを一時的に停止した時でも海水リークを監視して
いるため、例えば発電プラントのDSS運転またはWS
S運転により運転を一時的に停止し、真空破壊させた場
合には、減圧状態の復水器内に空気が侵入して空気中の
炭酸ガスが復水器4内の復水中に溶解してその酸導電率
が高くなって海水リークと似た現象を生じ、海水リーク
検出装置9が作動して海水リークの警報を発し、この警
報が海水リークに起因するものか、真空破壊時の溶存炭
酸ガスに起因するものかを判定できないという課題があ
った。また、運転停止時に警報が発せられた場合には、
その都度復水を採取し、Cl-を手分析で定量し海水リ
ークによる警報か真空破壊による警報かを確認しなくて
はならず、分析作業に手間取り、それだけ発電プラント
の起動回復が遅延するという課題があった。
【0007】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、復水器の真空破壊等による誤動作を防止し
て海水リークを確実に検出することができると共に、発
電プラントを時間的ロスなく速やかに再起動することが
できる海水リーク検出方法及びその装置を提供すること
を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の海水リークの検出方法は、発電プラントの復水器にお
ける海水リークを、上記復水器から取り出した復水の導
電率または電気抵抗率を介して検出する海水リークの検
出方法において、上記復水の導電率の検出に先立って上
記復水を脱気処理して上記復水に溶存する炭酸ガスを脱
気により除去することを特徴とするものである。
【0009】また、本発明の請求項2に記載の海水リー
クの検出装置は、発電プラントの復水器における海水リ
ークを、上記復水器から取り出した復水の導電率または
電気抵抗率を介して検出する海水リークの検出装置にお
いて、上記復水の導電率を測定する手段の前段に、上記
復水に溶存する炭酸ガスを除去する脱気手段を設けたこ
とを特徴とするものである。
【0010】また、本発明の請求項3に記載の海水リー
クの検出装置は、請求項2に記載の発明において、上記
脱気手段は、膜脱気装置からなることを特徴とするもの
である。
【0011】また、本発明の請求項4に記載の海水リー
クの検出方法及びその装置は、請求項3に記載の発明に
おいて、上記膜脱気装置は、上記復水を通水し且つ上記
復水中の炭酸ガスが透過する中空糸膜と、この中空糸膜
の通水側とは反対側に減圧空間を作る真空排気装置とを
備え、上記復水中の溶存炭酸ガスを上記中空糸膜を介し
て上記減圧空間側へ透過させることを特徴とするもので
ある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図4に示す実施形態
に基づいて本発明を説明する。尚、図1は(a)は本発
明の海水リーク検出装置の一実施形態を示す構成図、
(b)は本発明の海水リーク検出装置の他の一実施形態
を示す構成図、図2は図1に示す海水リーク検出装置に
適用された膜脱気装置の膜脱気モジュールを部分的に破
断して示す斜視図、図3は図2に示す膜脱気モジュール
を示す正面図、図4は膜脱気による真空度と純水中の溶
存炭酸ガスによる電気抵抗率との関係を示すグラフであ
る。
【0013】まず、本発明の海水リーク検出方法に好適
に用いられる本発明の海水リーク検出装置の一実施形態
について説明する。本実施形態の海水リーク検出装置1
0は、例えば図1に示すように、復水器20に接続され
た取水配管11を介して復水を送水する送水ポンプ12
と、この送水ポンプ12を介して送水された復水中のカ
チオンをH+にイオン交換するH形カチオン交換樹脂が
充填されたカラム13と、このカラム13の後段に配置
され且つ復水が通水する間に復水中に溶存する炭酸ガス
を脱気により除去する脱気手段としての膜脱気装置14
と、この膜脱気装置14の後段に配置された酸導電率計
15とを備えて構成されている。そして、送水ポンプ1
2、カラム13及び膜脱気装置14はこの順序で上流側
から下流側へ取水配管11を介して連結されている。復
水器20から復水を取水する時には、取水配管11の送
水ポンプ12上流側に配設されたバルブ16を介して取
水するようにしてある。図1は一箇所で取水するように
図示してあるが、例えば取水は復水器20の複数箇所で
行い、図示しない複数の箇所で取水した復水をミキサー
で混合した後、カラム13に通水するようにしてある。
また、図示してないが復水の取水流量は流量計により測
定するようにしてある。尚、図1において、21は海水
を利用した冷却管である。
【0014】上記カラム13は、イオン交換反応により
復水中のカチオン(代表的にはNa+)をH+と交換して
復水の導電率を高め、微量な海水リークでも酸導電率計
15によりH+を介して鋭敏に検出するようにしてあ
る。そして、復水の酸導電率は例えば0.2μS/cm
以下の導電率になるように調整されているが、酸導電率
計15によって検出した酸導電率が例えば許容限界値で
ある0.5μS/cmを超えると、海水リークが発生し
たものとして警報を発するようにしてある。更に、本実
施形態では、復水器20の真空破壊によって空気中から
復水あるいは補給水中に溶解する炭酸ガスの影響を除去
するために上記膜脱気装置14が酸導電率計15の前段
に配置されている。
【0015】上記膜脱気装置14は、例えば図1の
(a)、図2に示すように、中空糸膜モジュール141
と、真空配管142を介して接続された真空排気装置と
しての真空ポンプ143とを備えて構成されている。真
空ポンプとしては水分を吸入してもその機能に障害をも
たらさないものを使用する。また、上記真空排気装置
は、図1の(b)に示すようにエジェクタの使用により
構成されたものであっても良い。この真空排気装置は、
例えば同図に示すように、送水ポンプ12の下流側で取
水配管11から分岐する分岐配管143Aと、この分岐
配管143Aに上流側から下流側へ順次配設されたバル
ブ143B、エジェクタ143Cと、このエジェクタ1
43Cと中空糸膜モジュール141とを接続する接続配
管143Dとを備えて構成され、送水ポンプ12からエ
ジェクタ143Cへ駆動水を送水し、エジェクタ143
Cを駆動水が通水する間に中空糸膜モジュール141の
通水側とは反対側の空間を真空引きするようにしてあ
る。
【0016】また、中空糸膜モジュール141は、図2
に示すように、多数本(例えば、数百〜数万本)束ねら
れた中空糸膜141Aと、中空糸膜141Aを収納する
容器141Bとを備えている。多数本の中空糸膜141
Aは両端が開口し且つ両端部は互いに接着剤等により結
合されて結合部141Cが形成されている。しかも、こ
れら両端の結合部141C外周面はそれぞれ容器141
Bの内周面に密着あるいは接着されており、中空糸膜の
束を容器141B内に固定している。
【0017】一方、容器141Bには真空排気管142
に接続される真空排気口141Dが例えば2箇所に形成
され、真空ポンプ143により容器141B内の両結合
部141C間で上記減圧空間(以下、「真空空間」と称
す)を作るようにしてある。また、容器141B内の両
端と中空糸膜141A群の両端との間に流出入空間14
1Eが形成され、流入空間141Eに流入した復水が中
空糸膜141A群それぞれの左端開口から各中空糸膜1
41Aの内側へ均等に流入し、それぞれの右端開口から
流出空間へ均等に流出し、いずれの中空糸膜141Aに
おいて均等に脱気処理を行えるようにしてある。また、
膜脱気装置14として用いられる中空糸膜モジュール1
41は、1本であっても良いし、図3に示すように、複
数本であっても良い。使用本数は脱気レベルに応じて適
宜設定することがでできる。複数本の中空糸膜モジュー
ル141を用いる場合には同図に示すように復水の流出
口と流入口が接続配管141Fを介して接続されてい
る。尚、図2、図3において矢印は復水の流れる方向を
示している。
【0018】上記中空糸膜141Aは、例えば四フッ化
エチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂
等の溌水性樹脂により外径が200〜500μm、より
好適には250〜300μmで内径が150〜400μ
m、より好適には200〜250μmの中空糸状に形成
されている。そして、各中空糸膜141Aとしては気体
を透過させるが復水を透過させない微細孔例えば0.0
1〜1μmの微細孔が形成されている多孔質膜や、微細
孔を有しない均質膜と称される膜を用いることができ
る。後者の膜の場合には復水中の炭酸ガス等のガス分子
が中空糸膜を形成する高分子化合物に溶解し、引き続き
高分子骨格構造を拡散移動して膜の反対側に到達するこ
とによって脱気される。また、上記容器141Bは例え
ば硬質塩化ビニル樹脂等の合成樹脂によって形成されて
いる。
【0019】従って、例えば図2に示すように、容器1
41Bの一端(同図では左端)から流入空間141Eに
流入した復水は、各中空糸膜141Aの左端開口から各
中空糸膜141Aの内側へ流入して通水し、右端開口か
ら容器141Bの流出空間を経由して処理水として容器
141Bから流出する。一方、真空ポンプ143により
各中空糸膜141Aの外側に真空空間が形成されている
ため、各中空糸膜141Aを復水が通水する間に復水中
に溶存する炭酸ガスなどの気体が各中空糸膜141Aを
透過し、炭酸ガスが復水中から真空空間側へ除去され
る。
【0020】ところで、中空糸膜モジュール141を用
いて純水中に溶存する炭酸ガスを膜脱気した場合、中空
糸膜モジュールの真空度とその真空度における溶存炭酸
ガスを含む純水の抵抗率との関係は図4に示すような相
関関係があった。例えば大気圧下で25℃の純水に炭酸
ガスが溶解し、この溶存炭酸ガスを含む水を中空糸膜モ
ジュールを用いて脱気し、この純水の導電率を復水の酸
導電率である0.2μS/cm以下(抵抗率換算で5M
Ωcm以上)にするためには、図4に示す関係から膜脱
気装置14は約45Torr以下の真空度(以下、「真
空圧力」と称す)まで容器141B内を真空引きすれば
良いことになる。20℃の純水の場合には約30Tor
r、15℃の純水の場合には約15Torrまで真空引
きすれば良いことになる。例えば復水の水温が25℃で
あれば、炭酸ガスの溶解により酸導電率が1μS/cm
になっても45Torrの真空圧力で膜脱気すれば、復
水の酸導電率は0.2μS/cmになり、酸導電率の許
容限界値である0.5μS/cm以下になり、海水リー
ク検出装置10が警報を発する虞はないことになる。
尚、海水リークの検出方法としては電気伝導率を測定す
る方法もあり、電気抵抗率を測定する方法もある。
【0021】次に、上記海水リーク検出装置10を用い
た海水リーク検出方法について説明する。例えば、発電
プラントを一時的に停止すると、復水器20では真空破
壊が起こり、復水器20内に空気が侵入する。これによ
り空気中の炭酸ガスが復水器20内の復水に吸収されて
溶解する。この時にも海水リーク検出装置10で海水リ
ークを監視している。この海水リーク検出装置10によ
り海水リークを検出する時には、まず、取水配管11の
バルブ16を開いて送水ポンプ12が駆動すると、復水
器20の複数箇所から復水が取水配管11を介してカラ
ム13内に流入し、復水がカラム13内のH形カチオン
交換樹脂を通水する間に復水に含まれている微量の金属
イオン等のカチオンあるいは海水リークが認められ時に
はNa+も他のカチオンと一緒にH形カチオン交換樹脂
でイオン交換反応されてH+を放出するが、溶存炭酸ガ
スはH形カチオン交換樹脂では除去されない。
【0022】そこで、本実施形態の海水リーク検出装置
10の場合には、カラム13から流出した溶存炭酸ガス
を含む例えば25℃の復水の酸導電率を測定するに先立
って膜脱気装置14により復水を脱気処理し、復水中の
溶存炭酸ガスを除去する。この際膜脱気装置14の真空
ポンプ143が既に駆動し、容器141B内で所定の真
空圧力例えば45Torr以下の真空圧力の真空空間が
形成されている。この状態で、復水が図2の矢印で示す
ように容器141Bの流入空間141Eを介して各中空
糸膜141Aの内側を例えば300mL/分の流量で通
水して流出空間へ到達する。この間に、復水中の溶存炭
酸ガスの溶解度が各中空糸膜141Aの外側の真空空間
の真空圧力における溶解度に達するまで復水中の溶存炭
酸ガスが各中空糸膜141Aの微細孔を透過して真空空
間側へ到達し、あるいは各中空糸膜141A内に溶解し
その内部を拡散した後、真空空間へ到達して復水は脱気
される。
【0023】膜脱気装置14において炭酸ガスが脱気さ
れた復水は取水配管11を介して酸導電率計15に流入
し、ここで復水の酸導電率が測定される。この時、酸導
電率計15で測定される酸導電率は復水の溶存炭酸ガス
による導電率の上昇分が大幅にカットされるため、海水
リーク等による他の不純物の流入がない場合には、0.
2μS/cm以下の酸導電率であり、海水リーク検出装
置10が警報を発することがない。仮にこの時、海水リ
ーク検出装置10が警報を発するようなことがあれば、
それは海水リークに基づく警報である。
【0024】以上説明したように本実施形態によれば、
発電プラントの復水器20における海水リークを、復水
器20から取り出した復水の酸導電率を介して検出する
際に、導電率の検出に先立って膜脱気装置14により復
水を脱気処理して復水の溶存炭酸ガスを除去するように
したため、例えば発電プラントを一時的に停止した時に
復水器20において真空破壊が起こり、復水器20内の
復水中に空気中の炭酸ガスが吸収されて溶解することが
あっても、酸導電率計15で復水の酸導電率を測定する
段階では溶存炭酸ガスに起因した酸導電率の上昇は僅か
であり、溶存炭酸ガスが原因で海水リーク検出装置10
が警報を発することはない。仮に、海水リーク検出装置
10が警報を発するようなことがあれば、それは海水リ
ークに基づく警報であり、従来のように復水のCl-
別途手操作により測定するなどして海水リークの真偽を
確認する必要がなく、発電プラントの再起動までに余計
な時間を使うことなく円滑に再起動することができる。
【0025】尚、上記実施形態では、膜脱気装置14と
して中空糸膜141Aを用い、復水が中空糸膜141A
の内側を通水する場合について説明したが、復水は各中
空糸膜141Aの外側を通水し、中空糸膜141Aの内
側に真空空間を作るようにしても良い。また、本発明に
用いられる膜脱気手段としては中空糸膜の他、例えばス
パイラル状膜、管状膜あるいは平膜状のものであっても
良い。また、脱気手段は、膜脱気に制限されるものでは
なく、その他の真空脱気手段であっても良く、また、例
えば窒素ガス等のように化学的に不活性なガスを復水中
でバブリングさせて溶存炭酸ガスを除去するものであっ
ても良い。
【0026】また、上記実施形態では溶存炭酸ガスの脱
気レベルとして、25℃の復水における溶存炭酸ガスを
含む復水の酸導電率が0.2μS/cmを一つの目安に
しているが、本発明はこの脱気レベルに何等制限される
ものではなく、復水が本来示す酸導電率の値によって溶
存炭酸ガスの脱気レベルを適宜変動させることができ
る。要は、導電率計で復水の酸導電率を測定する前段階
で溶存炭酸ガスを脱気、除去し、海水リーク検出装置が
溶存炭酸ガスに基づいて警報を発しないようにしてあれ
ば良い。
【0027】
【発明の効果】本発明の請求項1〜請求項4に記載の発
明によれば、復水器の真空破壊等による誤動作を防止し
て愛水リークを確実に検出することができると共に、発
電プラントを時間的ロスなく速やかに再起動することが
できる海水リークの検出方法及びその装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の海水リーク検出装置の一実施
形態を示す構成図、(b)は本発明の海水リーク検出装
置の他の一実施形態を示す構成図である。
【図2】図1に示す海水リーク検出装置に適用された膜
脱気装置の膜脱気モジュールを部分的に破断して示す斜
視図である。
【図3】図2に示す膜脱気モジュールを示す正面図であ
る。
【図4】膜脱気による真空圧力と純水中の溶存炭酸ガス
による電気抵抗率との関係を示すグラフである。
【図5】発電プラントの復水器と脱塩装置の周辺を示す
構成図である。
【図6】従来の海水リーク検出装置を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
10 海水リーク検出装置 14 膜脱気装置(脱気手段) 15 酸導電率計 20 復水器 141 中空糸膜モジュール 141A 中空糸膜 143 真空ポンプ(真空排気装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01M 3/04 G01M 3/04 U G01N 33/18 106 G01N 33/18 106B G21D 1/02 GDB G21D 1/02 GDBT

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発電プラントの復水器における海水リー
    クを、上記復水器から取り出した復水の導電率または電
    気抵抗率を介して検出する海水リークの検出方法におい
    て、上記復水の導電率の検出に先立って上記復水を脱気
    処理して上記復水に溶存する炭酸ガスを脱気により除去
    することを特徴とする海水リークの検出方法。
  2. 【請求項2】 発電プラントの復水器における海水リー
    クを、上記復水器から取り出した復水の導電率または電
    気抵抗率を介して検出する海水リークの検出装置におい
    て、上記復水の導電率を測定する手段の前段に、上記復
    水に溶存する炭酸ガスを除去する脱気手段を設けたこと
    を特徴とする海水リークの検出装置。
  3. 【請求項3】 上記脱気手段は、膜脱気装置からなるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の海水リークの検出装
    置。
  4. 【請求項4】 上記膜脱気装置は、上記復水を通水し且
    つ上記復水中の炭酸ガスが透過する中空糸膜と、この中
    空糸膜の通水側とは反対側に減圧空間を作る真空排気装
    置とを備え、上記復水中の溶存炭酸ガスを上記中空糸膜
    を介して上記減圧空間側へ透過させることを特徴とする
    請求項3に記載の海水リークの検出装置。
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