JP2009204583A - 液漏れ検出センサの校正方法及び液漏れ検出センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の液漏れ検出センサ14の校正方法は、検出対象の溶液(復水)中の液質の変化を検出する一対の導体からなる液漏れ検出センサ14の校正方法であって、検出対象の溶液(水槽11a中の復水)に校正液16を注入し、その注入した電気電導度の変化から液漏れ検出センサの校正を行う。
【選択図】 図1
Description
図21及び22に示すように、液質検査装置の一例である液漏れ検出装置100は、液漏れ検出センサ104と、一対の導体の間にパルス電圧を印加してから各導体の間に反射電圧が戻るまでの時間に基づいて、対象機器の液漏れ位置を特定する液漏れ位置特定装置106とを具備するものである。復水器101は複数の冷却チューブ101aを有しており、該冷却チューブを101aに冷却水である海水102が流入されている。図示しないボイラからのスチーム103は、冷却チューブ101aで冷却され、凝縮水103aとなり、復水器101の下部側の水槽101bで回収される。なお、図21中符号107は液漏れ位置特定装置106からの結果を表示する表示装置である。
なお、前記水槽内には液漏れ検出センサ104が液面から所定の距離をもって浸漬されている。
溝部の幅は、導体よりも小さくして、該導体の飛び出しを防止している。具体的には、導体の1/3〜1/10程度とすればよい。
このため、復水器101の下部側の水槽101bから約100m程度もある検出センサ104を順次取り出す必要があるので、校正作業が大掛かりとなり、薬液槽120の設備も大きくなる、という問題がある。
これにより、代表的な点を評価することで、均一な構造の液漏れ検出センサ全体の健全性、校正量を設定可能。構造が簡便となり、使用する校正液の量も少なくてすむ。
図1は、本実施例に係る液漏れ検出センサの校正方法の概略図である。
図1に示すように、本実施例にかかる液漏れ検出センサ(以下、「検出センサ」ともいう。)14の校正方法は、検出対象の溶液(復水)中の液質の変化を検出する一対の導体からなる液漏れ検出センサ14の校正方法であって、検出対象の溶液(水槽11a中の復水)に校正液16を注入し、その注入した電気電導度の変化から液漏れ検出センサの校正を行うものである。なお、図中、符号12はボイラ、13はスチーム、15は計測器、17はpH計、L1は復水循環ライン、L2はスチーム供給ラインを図示する。
また、校正液16としては、アンモニアを用いて説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、ヒドラジンなどのアルカリ性溶液を用いてもよい。ここで、校正液としてアンモニアを用いるのは以下の理由による。
この電気伝導度の変化により、例えば「特開2006−267095号公報」のような液漏れ検出センサでは、距離に対する反射電圧率が徐々に低下する。この傾向は、電気伝導度に依存することから、復水器中のpHから想定される距離と電圧反射率の傾向に対して、液漏れ検出センサで測定される距離と反射電圧の傾向が低下していれば、液漏れ検出センサの感度が低下していると判定できる。
また、復水器全体に広がってアンモニアが供給されるので、復水器内の電気伝導度の分布から海水のリーク(局所的)を検出する方法でも、海水の有無の判断に影響を与えることがなく、適切な校正を行うことができる。
さらに、検出センサ14を復水器11の外部に取り出すことなく、作業が簡易となる。また、アンモニアを供給する際に常に監視できるので、検出センサの健全性を観察することができる。
復水器11では、入口の温度が高く、スチーム13の状態であるため、校正液が気化し易く拡散も早い。また、校正液16の注入を一箇所でなく、複数のノズルやシャワーを用いて霧状に噴出すると気化するので、拡散効率が向上する。
その際、側面からの校正液を導入する時間帯は、復水の循環を停止するようにすると良い。
また、復水の排出を停止し、校正液16の拡散・校正が完了したところで、校正液と共に復水を排出するようにしてもよい。
復水が循環している状態では、側壁からの導入液量が相対的に少なくなるため、流れを作りにくい(攪拌しにくい)。入口と出口を止めることにより(止まった期間に実施することにより)効率よく容器内に校正液を作り出すことができる。
一般的なボイラプラントの場合、復水器なども2系統(A系統、B系統)になっており、プラントを完全に停止させることなく校正をすることができる。
図4−2はその測定状況を示す。校正液16の添加により、信号レベルのA系統内での上昇分が確認されることとなる。
図5に示すように、校正液16を充満して校正液タンク60から校正液導入管61を介して、校正液16を所定の箇所に導入するようにしている。
なお、図5中、符号62はフランジ、63はOリング、64はねじ止め、65は溶接、66はバルブを図示する。
この注入の際に、液漏れ検出センサ14の校正を同時に行うこともできる。
図6−1に示すように、本実施例にかかる液漏れ検出センサ14の校正方法は、実施例1の方法において、校正液16の注入を検出対象の復水器11の水槽11a内の所望の箇所に例えば注入ノズルなどの注入手段を用いて行うものである。
図6−2はその測定結果を示す。
本実施例によれば、検出センサ14を外部に取り出すことなく、代表的な点で校正することができる。
また、校正液を循環ラインL1の系統に挿入することなく、独立していつでも評価することができる。
また、校正係数は、予め模擬実験を実施し、局所的に注入したことによる液の希釈程度を補正できるようにすればよい。
このように、本実施例では、従来のように、液漏れ検出センサのケーブルを外部に取り出すことなく、しかも代表的な点で校正することが可能となる。
図7−2はその計測結果である。遠端側(破線:以下同じ)は距離が長いので信号が減衰されている。
図8−2はその測定結果を示す。
また、本実施例では、校正液6の導入位置を変化させることができるため、より広い範囲で校正が可能となる。
図9−2はその測定結果を示す。
これにより、校正点数が増え、更に、1本のセンサで、複数の変化が発生した場合にどのような影響があるかも評価できる。
これにより、検出センサの設置時における校正、また使用時における継続した保守が容易となり、しかも検出センサ14の全体を評価することができる。
さらに、実際のプラントにおける拡散程度と、あらかじめ行った実験における拡散程度の変化を比較して、補正することでさらにセンサの検知精度を高めるようにしてもよい。
図12に示すように、本実施例に係る検出センサ30Aは、芯状の中心導体31と、該芯状の中心導体31の周囲に絶縁材33を介して配設される外被状の外部導体32と、該外被状の導体と絶縁材の一部を切欠く溝部を形成し、前記芯状の中心導体31の一部を露出すると共に、前記絶縁材33の軸方向に沿って校正液用の配管である校正液管34を形成し、該液管34に所定間隔を持って形成された細孔35から校正液を噴出させるようにしている。
細孔はセンサの外部又は内部のいずれか一方又は両方に向かって設けるようにしている。
本実施例では、校正液の導入管の配管、固定が不要となり、またずれる心配が無い。
また、図示しないがスリットを形成するようにしてもよい。
図13に示すように、本実施例では、芯状の中心導体31と、該中心導体31の周囲に絶縁材33を介して配設される外被状の外部導体32と、該外部導体32と絶縁材33の一部を切欠く溝部を形成し、前記芯状の中心導体31の一部を露出すると共に、前記絶縁材33の軸方向に沿って校正用のヒータ管36を配設している。
本実施例では、水温の変化から校正するものであり、一般に水の電気特性は、温度によって比較的変化する。
よって、水温を測定し、温度による水の電気特性変化に起因する信号変化量と実際の変化量を比較し、信号レベルの変化の校正を行うようにしている。
また、復水の循環中では、意図的に復水量や、ボイラ負荷を変化させて水温の上昇を図るようにしてもよい。
本実施例では、校正液の導入が不要となり、校正液の費用及び校正液供給設備が不要となり、経済的に有利である。
また、復水への影響が無い。
負荷変化や復水量変更は、運転中でも校正が可能である。
図17−1に示すように、本実施例では、自走式のロボット40をガイドケーブル44に沿って移動させ、所定の箇所でロボットから校正液を吐出させ、検出センサの校正を行うものである。
図17−1に示すように、本実施例の自走式のロボット40は、ロボット本体40a内に校正液を保持する校正液タンク41を設け、校正液供給管42から校正液を吐出するようにしている。
なお、符号43は、ガイドケーブル44を移動するための移動用のローラである。
また、図示しないアンテナをロボット本体40a内に挿入、またはセンサーケーブルをアンテナ代わりにすると、移動式ロボット40を無線操縦することができる。
また、広い範囲を、人手をかけずに調査できる。
図20に示すように、本実施例では、プラント停止時の復水器11の大気開放による二酸化炭素(CO2)の浸入により、液漏れ検出センサの校正を行うものである。
プラントを停止したタイミングを本体側の制御指令室から取り込み、信号変化量を利用して校正係数を決定する。
また、復水への二酸化炭素の溶け込みは復水全体にほぼ均一になるため、攪拌する必要がなくなる。
ここで、校正係数の決定の手順について説明する。
タービン稼働中、復水器は真空状態にあり、電気伝導度は低い状態(例えば2μS/cm)になっている。
タービンが停止して、真空状態から大気状態に戻ったとき、CO2が水に溶けることによって、電気伝導度が上昇する(例えば5μS/cm)。
したがって、センサケーブルの信号変化とCO2による電気伝導度変化の関係を調べることにより、校正係数を決定できる。
(1) 仮にセンサがAμS/cmで作動、通常運転中の復水の電気伝導度がBμS/cm、CO2の溶け込み時の電気伝導度がCμS/cmとする。また、正常状態でのセンサの出力がそれぞれa、b、cとする。この時、校正係数は、C/cで表される。
(2) センサの感度が低下した場合、CO2溶け込み時の電気伝導度がc’(<c)となるため、校正係数は、C/c’(>C/c)となる。
(1)一般的な空気の溶け込み量から決定する。例えば5μS/cmとする。
(2)起動時の循環水の分析を行う。なお、起動直後はCO2を含んだ水が電気伝導度計を通過するため、高い電気伝導度を確認することができる。
(3)復水器の容器内から吸引(サンプル)する。
いずれも、温度変動による溶け込み量以外に大きな差が発生しないと思われるので、初回調整時にCを決定することが可能。必要に応じて、温度補正を(1℃上昇すると、2%低下)、あるいは、実測による補正を実施する。
11 復水器
16 校正液
17 pH計
L1 復水循環ライン
L2 スチーム供給ライン
Claims (17)
- 検出対象の溶液中の液質の変化を検出する一対の導体からなる液漏れ検出センサの校正方法であって、
検出対象の溶液に校正液を注入し、その注入した電気電導度の変化から液漏れ検出センサの校正を行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。 - 請求項1において、
校正液の注入を液漏れ検出センサの一箇所に対して行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。 - 請求項2において
校正液によって変化する検出センサ信号の計測を、注入箇所から近い端部と遠い端部との両方から計測することを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。 - 請求項2又は3において、
校正液の注入を移動させつつ計測を行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。 - 請求項1乃至4のいずれか一つにおいて、
校正液の注入を複数個所で同時に行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。 - 請求項1において、
校正液の注入を液漏れ検出センサに沿って行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。 - 請求項6において、
校正液の注入を複数の細孔を有する校正液注入管より行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。 - 請求項1乃至7のいずれか一つにおいて、
液漏れ検出センサで検出した校正液の信号の分布から校正液の希釈程度を推定し、校正係数を補正することを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。 - 請求項1乃至8のいずれか一つにおいて、
溶液が復水器を循環する復水であると共に、校正液がアルカリ性溶液であることを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。 - 請求項9において、
復水の循環を停止し、校正液を用いて液漏れ検出センサの校正を行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。 - 請求項10において、
復水器の復水循環経路を2系統とし、片方の系統毎に校正を行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。 - 請求項9において、
プラント停止時の復水器の大気開放による二酸化炭素の浸入により液漏れ検出センサの校正を行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。 - 請求項9において、
復水の水温変化により液漏れ検出センサの校正を行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。 - 請求項13において、
温水を注入して水温変化により液漏れ検出センサの校正を行うことを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。 - 請求項1において、
校正液を供給する校正液供給移動体を用い、該校正液供給移動体から校正液を吐出することを特徴とする液漏れ検出センサの校正方法。 - 請求項1乃至14のいずれか一つの液漏れ検出センサの校正方法に用いる液漏れ検出センサであって、
芯状の導体と、該芯状の導体の周囲に絶縁材を介して配設される外被状の導体と、
該外被状の導体と絶縁材の一部を切欠く溝部を形成し、前記芯状の導体の一部を露出すると共に、
前記絶縁材の軸方向に沿って校正液用の配管を形成し、該配管に所定間隔を持って形成された細孔又はスリットから校正液を噴出させることを特徴とする液漏れ検出センサ。 - 請求項1乃至14のいずれか一つの液漏れ検出センサの校正方法に用いる液漏れ検出センサであって、
芯状の導体と、該芯状の導体の周囲に絶縁材を介して配設される外被状の導体と、
該外被状の導体と絶縁材の一部を切欠く溝部を形成し、前記芯状の導体の一部を露出すると共に、
前記絶縁材の軸方向に沿って校正用のヒータを配設し、該ヒータに高周波を印加して局所的に加熱することを特徴とする液漏れ検出センサ。
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