JPH09221665A - 蓄熱材用マイクロカプセル分散液 - Google Patents

蓄熱材用マイクロカプセル分散液

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JPH09221665A
JPH09221665A JP8026543A JP2654396A JPH09221665A JP H09221665 A JPH09221665 A JP H09221665A JP 8026543 A JP8026543 A JP 8026543A JP 2654396 A JP2654396 A JP 2654396A JP H09221665 A JPH09221665 A JP H09221665A
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JP
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heat storage
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microcapsule
particle size
microcapsules
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JP8026543A
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Takatoshi Nakahira
貴年 中平
Tetsuo Setoguchi
哲夫 瀬戸口
Masaaki Yoshikawa
正晃 吉川
Akira Kishimoto
章 岸本
Akio Chikasawa
明夫 近沢
Mamoru Ishiguro
守 石黒
Yasunori Nakanishi
靖憲 中西
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散液と、この分散液が流れる熱交換流路を
構成する部材との間に於ける熱伝達率が比較的高い蓄熱
材用マイクロカプセル分散液を得る。 【解決手段】 蓄熱材料としての相変化を伴う有機化合
物をマイクロカプセル内に収容した構成の小粒径蓄熱材
用マイクロカプセルAを搬送用流動性媒体中に安定分散
してなる蓄熱材用マイクロカプセル分散液を構成する
に、前記小粒径蓄熱材用マイクロカプセルAの体積平均
粒子径が1〜5μmに選択され、前記小粒径蓄熱材用マ
イクロカプセルAに加えて、体積平均粒子径が10〜1
00μmに選択される温度境界層攪拌用粒子材Bを安定
分散させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄熱材料としての
相変化を伴う有機化合物をマイクロカプセル内に収容し
た構成の蓄熱材用マイクロカプセルを搬送用流動性媒体
中に安定分散してなる蓄熱材用マイクロカプセル分散液
に関するものであり、例えば、地域暖房システム、ビル
内冷房システム等の空調システム等に用いられる熱搬送
媒体としての蓄熱材用マイクロカプセル分散液に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の蓄熱材用マイクロカプセ
ル分散液としては、テトラデカン、パラフィンワックス
等の蓄熱材料を、メラミン樹脂等からなるマイクロカプ
セル内に収容した構造の蓄熱材用マイクロカプセルを、
水中に安定分散させたものが知られている。このような
蓄熱材用マイクロカプセル分散液の作製にあたっては、
蓄熱材料とメラミン樹脂のプレポリマーとを、共に水中
に分散乳化させつつ重合させて、蓄熱材料を主材とする
コアの外周部に、樹脂被膜からなるカプセル外層を形成
した構成の蓄熱材用マイクロカプセルが水中に安定分散
した分散液を得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】こういった蓄熱材用マ
イクロカプセル分散液は、分散液にマイクロカプセルを
分散させている等の理由により、その粘度が例えば水自
体と比較すると高い。さらに、この粘度は、使用につれ
て高くなる傾向にある。一方、分散液が備える蓄熱能に
関しては、搬送用流動性媒体、単体に比較して、これが
高いために、同一の熱搬送能力を維持したい場合、より
少ない量の分散液を、受熱側と給熱側間に設けられる循
環流路に流すだけでよい。即ち、この流路を構成する配
管径を小径としても、熱搬送能力としては、所定の能力
を得ることができる。図2に示されるように、先の蓄熱
材用マイクロカプセル分散液は、受熱側熱交換機器及び
給熱側熱交換機器において、熱の授受をおこなうことと
なるが、熱交換を良好におこなおうとすると、分散液と
この分散液が流れる熱交換流路を構成する流路壁との間
に於ける熱伝達特性が問題となる。一般に、このような
環境に於ける熱伝達率は、流れの状態を代表するレイノ
ルズ数の関数であり、レイノルズ数が低下すると熱伝達
率も低下する。この状況を図6に基づいて説明する。図
6は、横軸が分散液流れのレイノルズ数Reであり、縦
軸は、流路壁と分散液間での熱伝達率hiである。同図
において、一点鎖線が、従来から一般的に使用されてい
る水に於けるレイノルズ数Reと熱伝達率hiとの関係
を示しており、白丸破線が、従来型の蓄熱材用マイクロ
カプセル(このようなマイクロカプセルは、その体積平
均粒子径が5μm以下に設定され、図4に示す様な粒子
径分布のものである)を水に分散した分散液に於ける関
係を示している。さらに、同図において、Reold
(10000付近)と示されているのは、水のみを作動
媒体とした場合の運転に於ける代表的なレイノルズ数で
あり、Renew(1250付近)と示されているの
は、マイクロカプセルを安定分散させた分散液が使用さ
れる場合の運転に於ける代表的なレイノルズ数である。
同図からも判断できるように、水単独あるいは従来型の
マイクロカプセルの場合は、レイノルズ数の低下に伴っ
て、熱伝達率は低下しており、水単独でReoldで使
用する場合の熱伝達率hioldは、従来型のマイクロ
カプセルを分散させてRenewで使用する場合の熱伝
達率hinewよりかなり高く、この点に関しては、改
善の余地がある。即ち、熱搬送量を確保するために、蓄
熱材用カプセルを搬送用流動性媒質内に安定分散させて
使用する場合に、その分散液と、この分散液が流れる熱
交換流路壁との間に於ける熱伝達率を上げることが望ま
しい。
【0004】従って、本発明の目的は、上記欠点に鑑
み、分散液と、この分散液が流れる熱交換流路を構成す
る部材との間に於ける熱伝達率が比較的高い蓄熱材用マ
イクロカプセル分散液を得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明に於ける、蓄熱材料としての相変化を伴う有
機化合物をマイクロカプセル内に収容した構成の小粒径
蓄熱材用マイクロカプセルを搬送用流動性媒体中に安定
分散してなる蓄熱材用マイクロカプセル分散液の特徴構
成は、以下のとおりである。 〔構成1〕即ち、こういった蓄熱材用マイクロカプセル
分散液が流れる熱交換流路内に形成される温度境界層の
層厚Dに対して、1.9×D以下、0.1×D以上の体
積平均粒子径を有し、且つ、前記熱交換流路内での移流
に伴って前記温度境界層を攪拌する温度境界層攪拌用粒
子材を、さらに分散して、蓄熱材用マイクロカプセル分
散液を構成するのである。 〔作用効果1〕この蓄熱材用マイクロカプセル分散液
は、その運転状態にあって、臨界レイノルズ数以下の領
域で使用される。このような場合、熱交換流路内に於け
る分散液の流れにあっては、流路壁面近傍に、比較的厚
みのある温度境界層が形成されている。この温度境界層
は、これまで説明してきた熱伝達において、その律速と
なっている。従って、本願の目的のように、熱伝達率の
向上を図ろうとすると、この温度境界層内にある流体を
攪拌してやることが効果的である。本願の蓄熱材用マイ
クロカプセル分散液には、この温度境界層の層厚との関
係で所定の範囲内の体積平均粒子径を有する温度境界層
攪拌用粒子材が分散される。結果、温度境界層攪拌用粒
子材が、熱交換流路の壁面近傍に形成される温度境界層
を攪拌することにより、高い熱伝達率を確保できる。従
って、蓄熱材用マイクロカプセルを採用する場合にあっ
ても、より実用的な分散液を得ることができる。ここ
で、体積平均粒子径が上記の範囲より大きい場合は、分
散上の問題を発生し易く、小さい場合は、適切な攪拌効
果を得にくい。
【0006】〔構成2〕蓄熱材料としての相変化を伴う
有機化合物をマイクロカプセル内に収容した構成の小粒
径蓄熱材用マイクロカプセルを搬送用流動性媒体中に安
定分散してなる蓄熱材用マイクロカプセル分散液のさら
なる特徴構成は、以下のとおりである。即ち、前記小粒
径蓄熱材用マイクロカプセルの体積平均粒子径が1〜5
μmに選択され、前記小粒径蓄熱材用マイクロカプセル
に加えて、体積平均粒子径が5μmより大きく100μ
m以下に選択される温度境界層攪拌用粒子材を分散され
ていることにある。 〔作用効果2〕このような小粒径蓄熱材用マイクロカプ
セルとしては、その蓄熱材料として、水より比重が低
い、例えば、脂肪族炭化水素化合物が使用される場合が
ある。従って、マイクロカプセルの体積平均粒子径が所
定の範囲より大きいと、搬送用流動性媒体との分離を起
こしやすい。このような要因から、小粒径蓄熱材用マイ
クロカプセルの体積平均粒子径を所定の範囲(1〜5μ
m)内に抑えることにより、この小粒径蓄熱材用マイク
ロカプセルのみを搬送用流動性媒体に分散させる場合に
あっても、これを安定分散できるようにしている。ここ
で、この体積平均粒子径が5μmより大きいと分散が不
均一になりやすく、1μmより小さいものは製造しにく
く、熱搬送量が低い場合もある。一方、このような蓄熱
材用マイクロカプセル分散液が使用される通常運転状態
にあって、分散液流れに於ける温度境界層を攪拌できる
粒子の大きさは、5μmより大きく100μm以下と見
なせる(さらに好ましくは10〜100μm程度)。従
って、この大きさに相当する体積平均粒子径を有する温
度境界層攪拌用粒子材を、別途、分散液に分散させる。
このようにすると、この体積平均粒子径の温度境界層攪
拌用粒子材が有効に温度境界層を攪拌するため、その熱
伝達率を高めることができる。従って、蓄熱材用マイク
ロカプセルを採用する場合にあっても、より実用的な分
散液を得ることができる。
【0007】さて、これまで説明してきた蓄熱材用マイ
クロカプセル分散液において、温度境界層攪拌用粒子材
が、蓄熱材料としての相変化を伴う有機化合物をマイク
ロカプセル内に収容した構成の大粒径蓄熱材用マイクロ
カプセルであることが好ましい。この場合は、温度境界
層攪拌用粒子材が、蓄熱機能と同時に温度境界層の攪拌
機能をも備えることとなり、蓄熱材用マイクロカプセル
分散液を、従来よりも高い蓄熱機能を有しながら、その
性能上、比較的高い熱伝達率を備えたものとすることが
できる。さらに、この場合に、前記小粒径蓄熱材用マイ
クロカプセルと前記大粒径蓄熱材用マイクロカプセルと
の混合比が、49対1〜1対1であることが好ましい。
この混合比率は、搬送用流動性媒体内にあって、小粒径
蓄熱材用マイクロカプセルが安定分散する状態で、さら
に、大粒径蓄熱材用マイクロカプセルを比較的安定して
分散させるに好適な範囲である。結果、搬送用流動性媒
体との間で容易に分離し難い特性を有する蓄熱材用マイ
クロカプセル分散液を得ることができる。ここで、混合
比より、大粒径蓄熱材用マイクロカプセルの量が多いと
分離を起こす傾向が強くなる。一方、少ないと熱伝達率
を引き上げる効果が得にくい。
【0008】これまで説明してきた温度境界層攪拌用粒
子材としては、これが、マイクロカプセルからなってい
る例を示したが、従来の分散液との比較において、その
蓄熱性能はほぼ同等以上、その熱伝達率を向上させると
いう意味からは、この粒子材としては、マイクロカプセ
ルとしての機能を備える必要は必ずしもなく、単に、温
度境界層の攪拌機能を備えていれば、全体としての性能
に寄与することができる。この目的に沿ったものとし
て、温度境界層攪拌用粒子材が、メラミン樹脂粒子、尿
素樹脂粒子、ポリエチレン粒子、炭素粉末、小麦粉から
選択される一種以上であることが好ましい。この場合も
また、これらの粒子材によって、温度境界層の攪拌を促
進して、熱伝達率の向上、さらには、結果的に、搬送熱
量の増加を図ることができる。
【0009】これまで説明してきた例において、前記相
変化を伴う有機化合物が脂肪族炭化水素化合物であるこ
とが好ましい。この場合、相変化を伴う物質を蓄熱材料
とするので、単位容積当たりの蓄熱量を高くでき、蓄熱
量が大きい割りには大きな大きな温度差が生じないため
熱損失を少量に抑えられる利点がある。さらに、脂肪族
炭化水素化合物を使用する場合は、入手しやすく、安価
な材料を使用して、安定した特性の蓄熱材用マイクロカ
プセル分散液を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本願の蓄熱材用マイクロカプセル
分散液は、図1に示すように、蓄熱材料としての相変化
を伴う有機化合物1をマイクロカプセル2内に収容した
構成の小粒径蓄熱材用マイクロカプセルAを搬送用流動
性媒体3中に安定分散して構成されている。そして、分
散液中には、この小粒径蓄熱材用マイクロカプセルAの
他に、温度境界層攪拌用粒子材Bが分散されている。こ
こで、前記小粒径蓄熱材用マイクロカプセルAの体積平
均粒子径は、1〜5μm程度に設定されており、前記温
度境界層攪拌用粒子材Bの体積平均粒子径は、5μmよ
り大きく100μm以下(さらに好ましくは10〜10
0μm)程度に設定される。また、この温度境界層攪拌
用粒子材Bの構成としては、これを2種に分類すること
ができ、第1の種類は、これが、先に説明している小粒
径蓄熱材用マイクロカプセルAと同様な構成の蓄熱材用
マイクロカプセルである場合である。一方、他の類は、
粒径が所定の分布を有する単相粒状物(ダミー粒子)か
らなる場合である。
【0011】以下、それぞれの材料についてさらに詳細
に説明していく。前記蓄熱材料としての有機化合物1
は、ペンタデカン、ヘキサデカン、デトラデカン等の直
鎖のパラフィン(脂肪族炭化水素化合物)、芳香族炭化
水素化合物(ベンゼン、p−キシレン等)、脂肪酸(ノ
ナン酸、デカン酸等の直鎖のカルボン酸の単一物もしく
は混合物等)、エステル化合物等の有機化合物単一物も
しくは混合物等が使用される。前記マイクロカプセル2
を構成するカプセル材料としては、メラミン樹脂、尿素
樹脂、フェノール樹脂、ナイロン等の縮合系ポリマーや
ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系
ポリマーが使用される。前記単相粒状物(ダミー粒子)
としては、メラミン樹脂粒子、尿素樹脂粒子、ポリスチ
レン粒子、ポリエチレン粒子、炭素粉末、小麦粉等が使
用される。このようなダミー粒子としては、蓄熱能を持
たないマイクロカプセル構成のものも使用できる。さら
に、このような単相粒状物の比重は、これが分散混合さ
れる液の比重にほぼ等しいことが、安定分散の点で好ま
しい。さらに、前記搬送用流動性媒体3としては、これ
まで説明してきた水等が使用される。この場合、必要に
応じてエチレングリコール、プロピレングリコール、各
種無機塩類、防腐剤、各種劣化防止材、分散補助材、比
重調節材、湿潤材等を添加する。次に、各材料の割合
は、分散液全体に於ける分散物(小粒径蓄熱材用マイク
ロカプセルAと温度境界層攪拌用粒子材Bとを合わせた
もの)の割合は、5〜50wt%が好ましく、10〜2
0wt%がさらに好ましい。さらに、分散液全体に於け
る温度境界層攪拌用粒子材Bの割合は、0.1〜20w
t%が好ましく、1〜10wt%がさらに好ましい。こ
こで、温度境界層攪拌用粒子材Bを蓄熱材用マイクロカ
プセルとする場合であって、小粒径蓄熱材用マイクロカ
プセルAと大粒径蓄熱材用マイクロカプセルとを混合し
て使用する場合は、小粒径蓄熱材用マイクロカプセルと
大粒径蓄熱材用マイクロカプセルとの比率が、49対1
〜1対1(重量比)であることが好ましく、10対1〜
5対1がさらに好ましい。このように、温度境界層攪拌
用粒子材Bを蓄熱材用マイクロカプセルとする場合は、
分散物である蓄熱材用マイクロカプセルを全部一体とし
てみると、その粒子径分布が、1〜5μmの範囲内に第
1粒子径ピークを、5μmより大きく100μm以下
(さらに好ましくは10〜100μm)の範囲内に第2
粒子径ピークとを備えたものとされる。さらに、実質
上、第2粒子径ピーク高さが第1粒子径ピーク高さを越
えないものとされる。このような粒子径分布のものを得
る場合は、体積平均粒子径が夫々、1〜5μmの範囲内
及び5μmより大きく100μm以下(さらに好ましく
は10〜100μm)の範囲内にあるものを混合するこ
とが、最も簡便な方法であるが、混合母体となる両者の
粒子径分布は、共に、粒子径が前記体積平均粒子径から
離間する従って、その度数が単調に減少する分布のもの
を使用する。
【0012】このような分布のものを得ようとする場合
は、体積平均粒子径が1〜5μmの範囲内にあり、粒子
径が10μm以下のものが70%以上含まれる小粒径側
のものと、体積平均粒子径が5μmより大きく100μ
m以下(さらに好ましくは10〜100μm)の範囲内
にあり、粒子径が10μm以上ものが70%以上含まれ
る大粒径側のものとを混合することが好ましい。ここ
で、大粒径側のものに対する小粒径側のものの混合比率
は、2対8以上が好ましい。
【0013】さて、これまで説明してきた体積平均粒子
径とは、マイクロカプセル粒子の体積換算値の平均粒子
径を表すものであり、原理的には一定体積の粒子を小さ
いものから順に篩分けし、その50%体積の当たる粒子
が分別された時点での粒子径を意味する。体積粒子径の
測定は顕微鏡観察による実測でも算定可能であるが、市
販の電気的、光学的粒子径測定装置を用いることにより
自動的に測定可能であり、本発明による体積平均粒子径
は「コールターマルチサイザー」(英国COULTER
ELECTRONICS LIMITED社製、アバチ
ャーサイズ50μm仕様)を用いて測定をおこなった。
このような組成を有する蓄熱材用マイクロカプセル分散
液は、従来の単に、これまで説明してきた小粒径蓄熱材
用マイクロカプセルAのみを安定分散した分散液に比較
してその熱伝達率が高い。以下、実施例について説明す
る。
【0014】
【実施例】先ず、上述の蓄熱材用マイクロカプセル分散
液の使用状況について説明する。この蓄熱材用マイクロ
カプセル分散液は、吸収式空調システムの熱搬送媒体と
して用いられ、前記熱搬送媒体の蓄放熱作用がビル冷房
等に利用される。図2に示す空調システムの一例にあっ
ては、室外の蒸発器Rと室内の冷却器Sとの間に配管Q
をもって循環路を形成し、循環ポンプPによって、前記
配管Q内に収容した蓄熱材用マイクロカプセル分散液を
循環させる構成とされる。従って、この分散液により、
室外器Rで発生される冷熱を室内の冷却器Sに搬送する
とともに、室内からの排熱を室外器R導いて、これを放
出する。このようなビル冷房システムに使用される。
【0015】上述の蓄熱材用マイクロカプセル分散液の
実施例について以下に述べる。各実施例は、小粒径蓄熱
材マイクロカプセルAが安定分散された小粒径カプセル
分散液に、大粒径蓄熱材マイクロカプセルが分散された
大粒径カプセル分散液を所定の割合で混合する、或い
は、小粒径カプセル分散液に単相粒状物(ダミー粒子)
を混入、分散させることにより得られる。この小粒径カ
プセル分散液が従来の分散液に相当する。以下、小粒径
カプセル分散液の作製、大粒径カプセル分散液の作製、
さらに、所望の本願の分散液の作製順に説明する。
【0016】1 小粒径カプセル分散液の作製 メラミン粉末5gに37%ホルムアルデヒド水溶液6.
5gと水10gを加え、pHを8に調製した後、約70
℃まで加熱しメラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物水
溶液を得た。pHを4.5に調製した5%のスチレン−
無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液100g
中に、相変化を伴う有機化合物としてn−ペンタデカン
80gを激しく攪拌しながら添加し、体積平均粒子径が
1〜5μmになるまで乳化を行った。その乳化液に上記
メラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物水溶液全量を添
加し70℃で2時間攪拌した後、pHを9に調製してカ
プセル化を終了した。この粒子径分布を図4に示した。 2 大粒径カプセル分散液の作製 小粒径カプセル分散液の作製と同様の材料及びプロセス
を経て、体積平均粒子径が10〜15μmのものを得
た。この粒子径分布を図5に示した。 3 第1実施例 先に説明した大粒径カプセル分散液と小粒径カプセル分
散液とを、1対9の割合で混合して、第1の蓄熱材用マ
イクロカプセル分散液を得た。この粒子径分布を図3に
示した。同図において、粒子径分布に、第1粒子径ピー
クP1と第2粒子径ピークP2とがあることが判る。そ
して、第2粒子径ピーク高さは、第1粒子径ピーク高さ
より低くなっている。この分散液は、安定分散状態にあ
った。 4 第2実施例 先に説明した大粒径カプセル分散液と小粒径カプセル分
散液とを、2対8の割合で混合して、第2の蓄熱材用マ
イクロカプセル分散液を得た。この分散液は、安定分散
状態にあった。 5 第3実施例 先に説明した小粒径カプセル分散液に、ダミー粒子とし
て、体積平均粒子径30μmのメラミン樹脂粒子を、分
散液全重量の4wt%になるように混合することによ
り、第3の蓄熱材用マイクロカプセル分散液を得た。こ
の場合も、ダミー粒子は、液中に安定分散した。
【0017】このようにして得られた蓄熱材用マイクロ
カプセル分散液のレイノルズ数Reに対する熱伝達率h
iを図6、図7、図8に示した。図6は、×印が第1実
施例を、黒丸実線が大粒径カプセル分散液を、白丸破線
が従来物である小粒径カプセル分散液を、さらに、三角
印一点鎖線が水自体のものを示している。同図からも判
明するように、同一のレイノルズ数Reにおいて明確な
熱伝達率hiの上昇効果を得ている。図7は、図6に対
応する図面であり、黒丸実線が第2実施例のものを、白
丸破線が従来物である小粒径カプセル分散液を示してい
る。同図からも判明するように、同一のレイノルズ数R
eにおいて明確な熱伝達率hiの上昇を得ることができ
ている。図8も、図6に対応する図面であり、黒丸実線
が第3実施例のものを、白丸破線が従来物である小粒径
カプセル分散液を示している。この場合も同様に、同一
のレイノルズ数Reにおいて明確な熱伝達率hiの上昇
を得ることができている。
【0018】尚、特許請求の範囲の項に、図面との対照
を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明
は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】蓄熱材用マイクロカプセル分散液の概念図
【図2】吸収式空調システムの概念図
【図3】第1実施例に於ける蓄熱材用マイクロカプセル
の粒径分布を示す図
【図4】小粒径カプセル分散液に於ける蓄熱材用マイク
ロカプセルの粒径分布を示す図
【図5】大粒径カプセル分散液に於ける蓄熱材用マイク
ロカプセルの粒径分布を示す図
【図6】レイノルズ数と熱伝達率の関係を示す図
【図7】レイノルズ数と熱伝達率の関係を示す図
【図8】レイノルズ数と熱伝達率の関係を示す図
【符号の説明】
A 小粒径蓄熱材用マイクロカプセル B 温度境界層攪拌用粒子材 D 温度境界層の層厚
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 正晃 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 岸本 章 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 近沢 明夫 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 石黒 守 東京都千代田区丸の内3丁目4番2号 三 菱製紙株式会社内 (72)発明者 中西 靖憲 兵庫県西宮市松下町7番19号 新晃工業松 下寮

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄熱材料としての相変化を伴う有機化合
    物をマイクロカプセル内に収容した構成の小粒径蓄熱材
    用マイクロカプセル(A)を搬送用流動性媒体(3)中
    に安定分散してなる蓄熱材用マイクロカプセル分散液で
    あって、 前記蓄熱材用マイクロカプセル分散液が流れる熱交換流
    路内に形成される温度境界層の層厚(D)に対して、
    1.9×D以下、0.1×D以上の体積平均粒子径を有
    し、且つ、前記熱交換流路内での移流に伴って前記温度
    境界層を攪拌する温度境界層攪拌用粒子材(B)を、さ
    らに分散してなる蓄熱材用マイクロカプセル分散液。
  2. 【請求項2】 蓄熱材料としての相変化を伴う有機化合
    物をマイクロカプセル内に収容した構成の小粒径蓄熱材
    用マイクロカプセル(A)を搬送用流動性媒体中に安定
    分散してなる蓄熱材用マイクロカプセル分散液であっ
    て、 前記小粒径蓄熱材用マイクロカプセル(A)の体積平均
    粒子径が1〜5μmに選択され、 前記小粒径蓄熱材用マイクロカプセル(A)に加えて、
    体積平均粒子径が5μmより大きく100μm以下に選
    択される温度境界層攪拌用粒子材(B)を分散されてな
    る蓄熱材用マイクロカプセル分散液。
  3. 【請求項3】 前記温度境界層攪拌用粒子材(B)が、
    蓄熱材料としての相変化を伴う有機化合物をマイクロカ
    プセル内に収容した構成の大粒径蓄熱材用マイクロカプ
    セルである請求項1または2記載の蓄熱材用マイクロカ
    プセル分散液。
  4. 【請求項4】 前記小粒径蓄熱材用マイクロカプセル
    (A)と前記大粒径蓄熱材用マイクロカプセルとの混合
    比率が、49対1〜1対1である請求項3記載の蓄熱材
    用マイクロカプセル分散液。
  5. 【請求項5】 前記温度境界層攪拌用粒子材(B)が、
    メラミン樹脂粒子、尿素樹脂粒子、ポリエチレン粒子、
    炭素粉末、小麦粉から選択される一種以上である請求項
    1または2記載の蓄熱材用マイクロカプセル分散液。
  6. 【請求項6】 前記相変化を伴う有機化合物が脂肪族炭
    化水素化合物である請求項1〜5のいずれか1項に記載
    の蓄熱材用マイクロカプセル分散液。
  7. 【請求項7】 蓄熱材料としての相変化を伴う有機化合
    物をマイクロカプセル内に収容した構成の蓄熱材用マイ
    クロカプセルを搬送用流動性媒体中に安定分散してなる
    蓄熱材用マイクロカプセル分散液であって、 前記蓄熱材用マイクロカプセルの粒子径分布が、1〜5
    μmの範囲内に第1粒子径ピークを、5μmより大きく
    100μm以下の範囲内に第2粒子径ピークとを備えた
    ものであり、前記第2粒子径ピーク高さが前記第1粒子
    径ピーク高さを越えない蓄熱材用マイクロカプセル分散
    液。
  8. 【請求項8】 前記相変化を伴う有機化合物が脂肪族炭
    化水素化合物である請求項7記載の蓄熱材用マイクロカ
    プセル分散液。
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