JPH09221449A - α位に不斉炭素を有するカルボン酸の光学分割方法 - Google Patents

α位に不斉炭素を有するカルボン酸の光学分割方法

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JPH09221449A
JPH09221449A JP2509596A JP2509596A JPH09221449A JP H09221449 A JPH09221449 A JP H09221449A JP 2509596 A JP2509596 A JP 2509596A JP 2509596 A JP2509596 A JP 2509596A JP H09221449 A JPH09221449 A JP H09221449A
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acid
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1S,3R,4R,6R-カラン-3,4- ジオ−ルの新た
な用途を提供すること。 【解決手段】(工程A) α位に不斉炭素を有するカル
ボン酸またはその反応性誘導体を、式化1 【化1】 で示される1S,3R,4R,6R-カラン-3,4- ジオ−ルと反応さ
せて、一般式 化2 【化2】 (Rはα位に不斉炭素を有するカルボン酸のカルボキシ
ル基を除いた残基を表わす。)で示されるエステル化合
物のジアテレオマー混合物とした後,(工程B)該ジア
ステレオマー混合物を各々のジアステレオマーに分離
し、(工程C)得られたジアステレオマーの一方または
各々を加水分解することを特徴とする、α位に不斉炭素
を有するカルボン酸の光学分割方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、α位に不斉炭素を
有するカルボン酸の光学分割方法に関する。
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】式
化3
【化3】 で示される1S,3R,4R,6R-カラン-3,4- ジオ−ルは、天然
物の式 化4
【化4】 で示される1S,6R-3−カレンから容易に誘導され、害虫
忌避剤の有効成分として有用であることが知られており
(特開平5−4901号公報)、本発明者らは1S,3R,4
R,6R-カラン-3,4- ジオ−ルの他の用途につき鋭意探索
した。
【0002】
【課題を解決するための手段】その結果、α位に不斉炭
素を有するカルボン酸またはその反応性誘導体を、1S,3
R,4R,6R-カラン-3,4- ジオ−ルと反応させて、下記一般
式 化5で示されるエステル化合物のジアテレオマー混
合物とした後,該ジアステレオマー混合物を各々のジア
ステレオマーに分離し、得られたジアステレオマーの一
方または各々を加水分解することにより、α位に不斉炭
素を有するカルボン酸を容易に光学分割することができ
ることを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明は、
(工程A)α位に不斉炭素を有するカルボン酸またはそ
の反応性誘導体(例えば、酸クロライド、酸無水物等)
を、上記一般式 化3で示される1S,3R,4R,6R-カラン-
3,4- ジオ−ルと反応させて、一般式 化5
【化5】 (Rはα位に不斉炭素を有するカルボン酸のカルボキシ
ル基を除いた残基を表わす。)で示されるエステル化合
物のジアテレオマー混合物とした後,(工程B)該ジア
ステレオマー混合物を各々のジアステレオマーに分離
し、(工程C)得られたジアステレオマーの一方または
各々を加水分解することを特徴とする、α位に不斉炭素
を有するカルボン酸の光学分割方法を提供する。本発明
方法は、例えば、ある種のピレスロイド酸、即ち、例え
ば、下記一般式〔1〕 (式中、Xはメチル基、塩素原子または臭素原子を表
し、Yはメチル基、塩素原子、臭素原子またはトリフル
オロメチル基を表し、Xがメチル基を表すとき、Yはメ
チル基を表し、Xが塩素原子を表すとき、Yは塩素原子
またはトリフルオロメチル基を表し、Xが臭素原子を表
すとき、Yは臭素原子を表す。)で示されるエステル類
や下記一般式〔2〕 〔式中、R1 およびR2 は同一または相異なり、ハロゲ
ン原子(塩素原子、フッ素原子等)、C1〜C6アルキ
ル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、
イソブチル基等)、C1〜C6ハロアルキル基(例え
ば、トリフルオロメチル基等)、C1〜C6アルコキシ
基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等)、C1〜C6
ハロアルコキシ基(例えば、トリフルオロメトキシ基、
ジフルオロメトキシ基等)、フェニル基、フェノキシ
基、ベンゾイル基、2−チエニルカルボニル基またはC
3〜C6アルケニルアミノ基(例えば、2−メチル−2
−プロペニルアミノ基等)を表し、R3 はC1〜C6ア
ルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル
基等)を表す。〕で示されるエステル誘導体に有利に適
用することでき、本発明は、該エステル類やエステル誘
導体をも提供する。
【0003】
【発明の実施の形態】本発明において、α位に不斉炭素
を有するカルボン酸としては、特に、α位に不斉炭素を
有するカルボン酸の不斉炭素に結合する基の一つが、水
素原子であるカルボン酸があげられ、そのようなカルボ
ン酸としては、trans-2,2- ジメチル-3-(2 - メチル-1-
プロペニル) シクロプロパンカルボン酸、cis-2,2-ジ
メチル-3-(2-メチル-1- プロペニル) シクロプロパンカ
ルボン酸、trans-2,2-ジメチル-3-(2,2-ジクロロビニ
ル) シクロプロパンカルボン酸、cis-2,2-ジメチル-3-
(2,2-ジクロロビニル) シクロプロパンカルボン酸、 tr
ans-2,2- ジメチル-3-(2,2-ジブロモビニル) シクロプ
ロパンカルボン酸、cis-2,2-ジメチル-3-(2,2-ジブロモ
ビニル) シクロプロパンカルボン酸、 cis-2,2- ジメチ
ル-3-(2-トリフルオロメチル−2-クロロビニル) シクロ
プロパンカルボン酸等のピレスロイド酸〔エステル結合
を有するピレスロイド化合物(殺虫活性を有する)のカ
ルボン酸〕;α位に不斉炭素を有するカルボン酸の不斉
炭素に結合する基が、アルキル基、シクロアルキル基、
ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコ
キシ基および水素原子から選ばれた3種であるカルボン
酸(例えば、2−ヘキシルプロピオン酸、2−(シクロ
ヘキシル)プロピオン酸等);α位に不斉炭素を有する
カルボン酸の不斉炭素に結合する基の一つが、アルキル
基、シクロアルキル基、ハロアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基またはアルコキシ基であり、もう一つ
が置換されていてもよいアリール基である{例えば、殺
虫剤の有効成分のフェンバレレートの酸部分である2−
(4−クロロフェニル)−3−メチル酪酸;下記式のIb
uprofen 、Flurbiprofen、Alminoprofen、Fenprofen 、
Keroprofen 、 Suprofen に代表される抗炎症剤の有効成分であるα- メチルフェ
ニル酢酸誘導体等}か、あるいは、α位に不斉炭素を有
するカルボン酸の不斉炭素に結合する基の二つが、相異
なる置換されていてもよいアリール基である(例えば、
2−(2−クロロフェニル)−2−フェニル酢酸、2−
(2−メチルフェニル)−2−フェニル酢酸、2−(2
−メトキシフェニル)−2−フェニル酢酸等)カルボン
酸、あるいは、α位に不斉炭素を有するカルボン酸の不
斉炭素に結合する基の一つが、アルキル基、シクロアル
キル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基
またはアルコキシ基であり、もう一つが置換されていて
もよいヘテロ環である(例えば、2−(2−フリル)プ
ロピオン酸、2−(2−ピリジル)プロピオン酸、2−
(2−チエニル)プロピオン酸)、上記式のThiaprofen
ic acid (抗炎症剤の有効成分);か、あるいは、α位
に不斉炭素を有するカルボン酸の不斉炭素に結合する基
の一つが、芳香環であり、もう一つが置換されていても
よいヘテロ環である(例えば、2−(2−フリル)−2
−フェニル酢酸、2−(2−チエニル)−2−フェニル
酢酸、2−(2−ピリジル)−2−フェニル酢酸);
か、あるいは、α位に不斉炭素を有するカルボン酸の不
斉炭素に結合する基の二つが、相異なる置換されていて
もよいヘテロ環である(例えば、2−(2−フリル)−
2−(2−ピリジル)酢酸、2−(2−チエニル)−2
−(2−ピリジル)酢酸 );カルボン酸があげられ
る。
【0004】上記において、置換されていてもよいアリ
ール基および置換されていてもよいヘテロ環における置
換基としては、例えば、ハロゲン原子(塩素原子、臭素
原子、フッ素原子等)、アルキル基(メチル基、エチル
基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル
基等のC1〜C6アルキル基等)、ハロアルキル基(例
えば、トリフルオロメチル基等のC1〜C6ハロアルキ
ル基等)、フェニル基、アルコキシ基(メトキシ基、エ
トキシ基等のC1〜C6アルコキシ基等)、ハロアルコ
キシ基(例えば、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロ
メトキシ基等のC1〜C6ハロアルコキシ基等)、フェ
ノキシ基、ベンゾイル基、2−チエニルカルボニル基ま
たはアルケニルアミノ基(例えば、2−メチル−2−プ
ロペニルアミノ基等のC3〜C6アルケニルアミノ基
等)等があげられ、アルキル基としては、メチル基、エ
チル基、イソプロピル基、ブチル基等のC1〜C10ア
ルキル基等があげられ、アルキル基としては、メチル
基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基等のC1〜C
10アルキル基等があげられ、シクロアルキル基として
は、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基等のC3〜C10シクロアルキル基等があげら
れ、ハロアルキル基としては、トリフルオロメチル基等
のC1〜C3ハロアルキル基等があげられ、アルケニル
基としては、ビニル基、アリル基等のC2〜C10アル
ケキル基等があげられ、アルキニル基としては、エチニ
ル基、プロパルギル基等のC2〜C10アルキキル基等
があげられ、アルコキシ基としては、メトキシ基等のC
1〜C10アルコキシ基等があげられる。また、上記に
おいて、アリール基としては、例えばフェニル基、α−
ナフチル基、βーナフチル基等があげられ、ヘテロ環基
としては、例えば、2−,3−フリル基、2−,3−チ
エニル基、2−,3−,4−ピリジル基等があげられ
る。
【0005】本発明において、工程Aのエステル化反応
は、通常、α位に不斉炭素を有するカルボン酸の酸クロ
ライドまたは酸無水物と1S,3R,4R,6R-カラン-3,4- ジオ
−ルとを塩基の存在下に反応させる(以下、反応A−1
と記す。)か、または、α位に不斉炭素を有するカルボ
ン酸と1S,3R,4R,6R-カラン-3,4- ジオ−ルとを反応助剤
の存在下に反応させる(以下、反応A−2と記す。)こ
とにより行う。反応A−1において、該酸クロライドや
酸無水物は、α位に不斉炭素を有するカルボン酸を各々
塩化チオニル等のクロル化剤または無水酢酸等と反応さ
せることにより得ることができ、用いられる塩基として
は、例えば、ピリジンやトリエチルアミン等の有機塩
基、水酸化ナトリウムや炭酸カリウム等の無機塩基があ
げられ、必要に応じて用いられる溶媒としては、トルエ
ン、キシレンなどの炭化水素溶媒、水等があげられ、反
応温度は、通常−10℃〜50℃の範囲であり、反応時
間は、通常10分〜24時間であり、反応に供する反応
剤の量比は、該酸クロライドまたは酸無水物1モルに対
し、1S,3R,4R,6R-カラン-3,4- ジオ−ルは通常0.8〜
1.2モルの割合であり、塩基は通常1.0〜10モル
の割合である。反応A−2において、用いられる反応助
剤としては、例えば、N,N−ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド等の脱水剤やp−トルエンスルホン酸、硫酸等
の酸等があげられ、必要に応じて用いられる溶媒として
は、トルエンなどの炭化水素溶媒等があげられ、反応温
度は、通常20℃〜120℃の範囲であり、反応時間
は、通常1時間〜48時間であり、反応に供する反応剤
の量比は、該カルボン酸1モルに対し、1S,3R,4R,6R-カ
ラン-3,4- ジオ−ルは通常0.8〜1.2モルの割合で
あり、反応助剤は通常0.001〜1.2モルの割合で
あり、脱水剤は通常1.0〜1.2モルの割合であり、
酸は通常0.001〜0.1モルの割合であり、反応は
必要に応じ、水分分離機等で生じた水を除きながら行
う。反応終了後の反応液は、有機溶媒抽出、濃縮等の通
常の後処理を行って、目的とする一般式 化5で示され
るエステル化合物(ジアテレオマー混合物)を単離する
ことができる。本発明において、工程Bの分離方法とし
ては、クロマトグラフィー(シリカゲルカラムクロマト
グラフィー、シリカゲル分取薄層クロマトグラフィー
等)や優先晶析等の物理的方法があげられる。本発明に
おいて、工程Cの加水分解反応は通常の酸(例えば、塩
酸、硫酸等)またはアルカリ(例えば、水酸化ナトリウ
ム、炭酸カリウム等)加水分解反応の条件により行うこ
とができるが、反応温度は、通常−10℃〜120℃の
範囲であり、反応時間は、通常10分〜48時間であ
り、反応に供する反応剤の量比は、エステル化合物1モ
ルに対し、酸や塩基は通常0.1〜100モルの割合で
ある。必要に応じて用いられる溶媒としては、THF
(テトラヒドロフラン)等のエーテル溶媒、メタノール
等のアルコール溶媒、トルエン、キシレンなどの炭化水
素溶媒、水等があげられる。反応終了後の反応液は、有
機溶媒抽出、濃縮等の通常の後処理を行って、目的とす
る光学活性なα位に不斉炭素を有するカルボン酸を単離
することができる。本発明方法により得られる光学活性
なα位に不斉炭素を有するカルボン酸は、例えば、医薬
(例えば、抗炎症剤等)、農薬(例えば、殺虫剤、除草
剤等)やその製造中間体、光学分割剤等として有用であ
る。
【0006】
【実施例】以下、実施例等により本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は下記の例に制限されるものではな
い。まず、本発明方法において用いられる1S,3R,4R,6R-
カラン-3,4- ジオ−ル(以下、3R,4R-カランジオールと
記す。)の製造例を示す。 (参考例) 3R,4R-カランジオールの製造 3000 ml のナスフラスコに1S,6R-3-カレン(市販品) 4
1gと塩化メチレン1000 ml を入れ、これを撹拌しながら
0℃に冷却した。これにメタクロロ過安息香酸 57gを 3
0 分間かけて加えた後、20℃で3時間撹拌した。これを
1N NaOH水1000mlで洗浄後、分液し、有機相を濃縮し
て、濃縮物 45gを得た。この濃縮物を10% 硫酸水 100 m
l に加えて3時間撹拌した後、反応溶液が透明になるま
で NaOH水を加えた。これに食塩を飽和になるまで加え
た後、酢酸エチル 1000 mlで抽出し、酢酸エチル相を硫
酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、粗3R,4R-カランジオ
ール 40gを得た。この3R,4R-カランジオールを酢酸エチ
ルで再結晶することにより、3R,4R-カランジオール(融
点86℃;[α]D 25=+3°)35g を得た。
【0007】次に、本発明方法の実施例を示す。 (実施例1)cis-2,2-ジメチル-3-(2-メチル-1- プロペ
ニル) シクロプロパンカルボン酸の光学分割 (工程A)4R- {(1RS)-cis-2,2-ジメチル-3-(2-メチル
-1- プロペニル) シクロプロパンカルボキシル}-3R-ヒ
ドロキシカランの合成。 1.7g の3R,4R-カランジオール を10 ml のトルエンと
1mlのピリジンの混合液に溶かし、これに2.3gの(1RS)-c
is-2,2-ジメチル-3-(2-メチルプロペニル) シクロプロ
パンカルボン酸クロライドを加えて室温で12hr 撹拌し
た。減圧下、溶媒を留去後、50mlのジエチルエーテル
(以下、エーテルと記す。)と5 0ml の1NHCl水を加え
て洗浄後、有機相を飽和NaHCO 3 と飽和食塩水で洗浄し
た。エーテル相を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮して
約3.0 gの当該エステルを得た。 (工程B)4R- {(1S)-cis-2,2- ジメチル-3-(2-メチル
-1- プロペニル) シクロプロパンカルボキシル}-3R-ヒ
ドロキシカランと4R- {(1R)-cis-2,2- ジメチル-3-(2-
メチル-1- プロペニル) シクロプロパンカルボキシル}
-3R-ヒドロキシカランの分離。 上記の2つのジアステレオマーの混合物2.0gを60gの
シリカゲルを用いるカラムクロマトグラフィ(トルエン
−酢酸エチル系で展開)に供した。その結果、この混合
物をトルエンー酢酸エチル=4:1の溶媒系で溶出され
る4R- {(1S)-cis-2,2- ジメチル-3-(2-メチルプロペニ
ル) シクロプロパンカルボキシル}-3R-ヒドロキシカラ
ン 0.65g とトルエン−酢酸エチル=3:1の溶媒系で
溶出される4R- {(1R)-cis-2,2- ジメチル-3-(2-メチル
-1- プロペニル) シクロプロパンカルボキシル}-3R-ヒ
ドロキシカラン0.60g に分離した。 4R- {(1S)-cis-2,2- ジメチル-3-(2-メチル-1- プロペ
ニル) シクロプロパンカルボキシル}- 3R- ヒドロキシ
カランのスペクトルデータ [α]D 25 = −38°(C=0.8)1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 5.30 (1H, d, J=9Hz), 4.50 (1H, dd, J=7Hz と11Hz),
2.20 (1H, dd, 7 Hと15Hz) 2.05 (1H, m), 2.01 (1H
, t , J=10 Hz), 1.84 (1H, d, J= 10 Hz),1.71 (1H,
m), 1.75 (3H, br. s), 1.70 (3H, br.s), 1.25 (3H,
s), 1.20 (3H,s) , 1.18 (3H, s) , 1.00 (3H,s) 0.98
(3H, s), 0.77 (1H, m), 0.69 (1H, m) 4R- {(1R)-cis-2,2- ジメチル-3-(2-メチル-1- プロペ
ニル) シクロプロパンカルボキシル}- 3R- ヒドロキシ
カランのスペクトルデータ [α]D 25 = +42°(C=1.0)1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 5.30 (1H, d, J=9Hz), 4.50 (1H, dd, J=7Hz と11Hz),
2.20 (1H, dd, 7Hz と15Hz) 2.05 (1H, m), 2.01
(1H , t , J=10 Hz), 1.84 (1H, d, J= 10Hz), 1.71 (1
H, m), 1.75 (3H, br. s), 1.70 (3H, br.s), 1.25
(3H, s), 1.20 (3H,s) , 1.18 (3H, s) , 1.00 (3H,s)
0.98 (3H, s), 0.77 (1H, m), 0.69 (1H, m) (工程C−1)(1S)-cis-2,2- ジメチル-3-(2-メチル-1
- プロペニル) シクロプロパンカルボン酸の調製。 4R- {(1S)-cis-2,2- ジメチル-3-(2-メチル-1- プロペ
ニル) シクロプロパンカルボキシル}- 3R- ヒドロキシ
カラン0.60g を 10ml のテトラヒドロフラン(THF) と 1
0ml の濃塩酸に加えて12hr reflux した。反応混合物を
室温まで冷却後、THF を留去した。これにエーテル10ml
と水10 ml を加えた後、エーテル相と水相を分液した。
水相10mlに10%NaOH 水10mlを加えた後、これを10N HCl
水で酸析し、生じた白色沈澱をエーテル20 ml ので抽出
した。エーテル相を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し
て、(1S)-cis-2,2- ジメチル-3-(2-メチル-1- プロペニ
ル) シクロプロパンカルボン酸0.15g を得た。 [α]D 25 = −33°(C=0.9)1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 5.30 (1H, d, J=9Hz), 2.15 (1H, dd, 5 Hz と9Hz) 1.
75 (3H, br. s), 1.70 (3H, br.s), 1.60 (1H, d, J=
5 Hz), 1.30 (3H, s), 1.28 (3H,s) (工程C−2)(1R)-cis-2,2- ジメチル-3-(2-メチル-1
- プロペニル) シクロプロパンカルボン酸の調製。 4R- {(1S)-cis-2,2- ジメチル-3-(2-メチル-1- プロペ
ニル) シクロプロパンカルボキシル}- 3R- ヒドロキシ
カラン0.60g をを 10ml のテトラヒドロフラン(THF) と
10ml の濃塩酸に加えて12hr reflux した。反応混合物
を室温まで冷却後、THF を留去した。これにジエチルエ
ーテル10mlと水10 ml を加えた後、エーテル相と水相を
分液した。水相10mlに10%Na OH水10mlを加えた後、これ
を10N HCl 水で酸析し、生じた白色沈澱をエーテル20 m
l ので抽出した。エーテル相を硫酸マグネシウムで乾燥
後濃縮して、( 1S)-cis-2,2-ジメチル-3-(2-メチル-1-
プロペニル) シクロプロパンカルボン酸0.12g を得た。 [α]D 25 = +30°(C=1.1)1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 5.60 (1H, d, J=9Hz), 2.15 (1H, dd, 5 Hz と9Hz) 1.
60 (1H, d, J= 5 Hz), 1.30 (3H, s), 1.10 (3H,s)
【0008】(実施例2)trans-2,2-ジメチル-3-(2-メ
チル-1- プロペニル) シクロプロパンカルボン酸の光学
分割 (工程A)4R- {(1RS)-trans-2,2-ジメチル-3-(2-メチ
ル-1- プロペニル) シクロプロパンカルボキシル}-3R-
ヒドロキシカランの合成。 0.85gの3R,4R-カランジオール を10 ml のトルエンと
1mlのピリジンの混合液に溶かし、これに1.0gの(1RS)-t
rans-2,2-ジメチル-3-(2-メチル-1- プロペニル) シク
ロプロパンカルボン酸クロライドを加えて室温で12hr
撹拌した。減圧下、溶媒を留去後、50mlのエーテルと5
0ml の1N HCl水を加えて洗浄後、有機相を飽和NaHCO 3
と飽和食塩水で洗浄した。エーテル相を硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、濃縮して1.45gの当該エステルを得た。 (工程B)4R- {(1S)-trans-2,2- ジメチル-3-(2-メチ
ル-1- プロペニル) シクロプロパンカルボキシル}-3R-
ヒドロキシカランと4R- {(1R)-trans-2,2- ジメチル-3
-(2-メチル-1- プロペニル) シクロプロパンカルボキシ
ル}-3R-ヒドロキシカランの分離。 上記の2つのジアステレオマーの混合物1.45g をシリカ
ゲル薄層クロマトグラフィ(厚さ1mm : トルエン−酢酸
エチル=3:1で展開)に供した。その結果、4R- {(1
S)-trans-2,2- ジメチル-3-(2-メチル−1−プロペニ
ル) シクロプロパンカルボキシル}-3R-ヒドロキシカラ
ン〔Rf=0.65〕 0.48g と4R- {(1R)-trans-2,2
- ジメチル-3-(2-メチル-1- プロペニル) シクロプロパ
ンカルボキシル}-3R-ヒドロキシカラン〔Rf=0.6
2〕0.45g に分離できた。 4R- {(1S)-trans-2,2- ジメチル-3-(2-メチル-1- プロ
ペニル) シクロプロパンカルボキシル}- 3R- ヒドロキ
シカランのスペクトルデータ [α]D 25 = −12°(C=0.8)1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 5.60 (1H, d, J=9Hz), 4.57 (1H, dd, J=7Hz と11Hz),
2.20 (1H, dd, 7 Hと15Hz) 2.05 (1H, m), 2.01 (1H
, t , J=10 Hz), 1.84 (1H, d, J= 10 Hz),1.71 (1H,
m), 1.35 (3H, br. d), 1.30 (3H, s), 1.26 (3H, s),
1.23 (3H,s) ,0.98 (3H, s), 0.77 (1H, m), 0.69 (1
H, m) 4R- {(1R)-trans-2,2- ジメチル-3-(2-メチル-1- プロ
ペニル) シクロプロパンカルボキシル}- 3R- ヒドロキ
シカランのスペクトルデータ [α]D 25 = +13°(C=0.9)1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 5.60 (1H, d, J=9Hz), 4.57 (1H, dd, J=7Hz と11Hz),
2.20 (1H, dd, 7 Hと15Hz) 2.05 (1H, m), 2.01 (1H
, t , J=10 Hz), 1.84 (1H, d, J= 10 Hz),1.71 (1H,
m), 1.35 (3H, br. d), 1.30 (3H, s), 1.26 (3H, s),
1.23 (3H,s) ,0.98 (3H, s), 0.77 (1H, m), 0.69 (1
H, m) (工程C−1)(1S)-trans-2,2- ジメチル-3-(2-メチル
-1- プロペニル) シクロプロパンカルボン酸の調製。 4R- {(1S)-trans-2,2- ジメチル-3-(2-メチル-1- プロ
ペニル) シクロプロパンカルボキシル}- 3R- ヒドロキ
シカラン0.48g を 10ml のテトラヒドロフラン(THF) と
10ml の濃塩酸に加えて12hr reflux した。反応混合物
を室温まで冷却後、THF を留去した。これにエーテル10
mlと水10 ml を加えた後、エーテル相と水相を分液し
た。水相10mlに10%NaOH 水10mlを加えた後、これを10N
HCl 水で酸析し、生じた白色沈澱をエーテル20 ml ので
抽出した。エーテル相を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃
縮して、(1S)-trans-2,2- ジメチル-3-(2-メチル-1- プ
ロペニル) シクロプロパンカルボン酸0.10g を得た。 [α]D 25 = −32°(C=2.0)1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 5.60 (1H, d, J=9Hz), 2.15 (1H, dd, 5 Hz と9Hz) ,
1.60 (1H, d, J= 5 Hz), 1.30 (3H, s), 1.15 (3H,s) (工程C−2)(1R)-trans-2,2- ジメチル-3-(2-メチル
-1- プロペニル) シクロプロパンカルボン酸の調製。 4R- {(1R)-trans-2,2- ジメチル-3-(2-メチル-1- プロ
ペニル) シクロプロパンカルボキシル}- 3R- ヒドロキ
シカラン0.40g を 10ml のメタノールと0.10gのK 2 CO
3 の混合液に加えて12hr撹拌した。メタノールを留去
後、10mlの1N NaOH 水と10mlのエーテルを加えて分液し
た。さらに水相を10N HCl 水で酸析し、生じた白色沈澱
を10 ml のエーテルで抽出した。エーテル相を硫酸マグ
ネシウムで乾燥後濃縮して、( 1S)-trans-2,2-ジメチル
-3-(2-メチル-1- プロペニル) シクロプロパンカルボン
酸0.08g を得た。 [α]D 25 = +35°(C=2.2)1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 5.60 (1H, d, J=9Hz), 2.15 (1H, dd, 5 Hz と9Hz) ,
1.60 (1H, d, J= 5 Hz), 1.30 (3H, s), 1.15 (3H,s)
【0009】(実施例3)cis-2,2-ジメチル-3-(2,2-ジ
クロロビニル) シクロプロパンカルボン酸の分割。 (工程A )4R- {(1RS)-cis-2,2-ジメチル-3-(2,2-ジク
ロロビニル) シクロプロパンカルボキシル}-3R-ヒドロ
キシカランの合成。 1.7g の3R,4R-カランジオール を10 ml のトルエンと
1mlのピリジンの混合液に溶かし、これに2.3gの(1RS)-c
is-2,2-ジメチル-3-(2,2-ジクロロビニル) シクロプロ
パンカルボン酸クロライドを加えて室温で12hr 撹拌し
た。減圧下、溶媒を留去後、50mlのエーテルと5 0ml の
1N HCl水をくわえて洗った後、更に有機相を飽和NaHCO
3 水と飽和食塩水で洗浄した。エーテル相を硫酸マグネ
シウムで乾燥後、濃縮して約3.5 gの当該エステルを得
た。 (工程B )4R- {(1S)-cis-2,2- ジメチル-3-(2,2-ジク
ロロビニル) シクロプロパンカルボキシル}-3R-ヒドロ
キシカランと4R- {(1R)-cis-2,2- ジメチル-3-(2,2-ジ
クロロビニル) シクロプロパンカルボキシル}-3R-ヒド
ロキシカランのエステルの分離。 上記の2つのジアステレオマーの混合物のうちの2gを
シリカゲル薄層クロマトグラフィ(厚さ 2mm:ヘキサ
ンー酢酸エチル=3:1で展開)に供した。その結果、
この混合物を4R- {(1S)-cis-2,2- ジメチル-3-(2,2-ジ
クロロビニル)シクロプロパンカルボキシル}-3R-ヒド
ロキシカラン(Rf= 0.60) 0.58g と4R-{(1R)-cis-2,2-
ジメチル-3-(2 ,2- ジクロロビニル) シクロプロパン
カルボキシル}-3R-ヒドロキシカラン (Rf= 0.50) 0.6
5gに分離した。 4R- {(1S)-cis-2,2- ジメチル-3-(2,2-ジクロロビニ
ル) シクロプロパンカルボキシル}-3R-ヒドロキシカラ
ンのスペクトルデータ [α]D 25 = ー11°(C= 1.5)1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 6.24 (1H, d, J=9Hz), 4.57 (1H, dd, J=7Hz と11Hz),
2.20 (1H, dd, 7Hz と15Hz) 2.05 (1H, m), 2.01
(1H , t , J=10 Hz), 1.85 (1H, d, J= 10Hz), 1.71 (1
H, m), 1.35 (1H, br. d), 1.30 (3H,s) 1.26 (3H,
s) 1.23 (3H,s), 1.03 (3H,s) 0.98 (3H, s) 0.77 (1
H, m), 0.69 (1H, m) 4R- {(1R)-cis-2,2- ジメチル-3-(2,2-ジクロロビニ
ル) シクロプロパンカルボキシル}-3R-ヒドロキシカラ
ンのスペクトルデータ [α]D 25=+13°(C= 1.3)1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 6.24 (1H, d, J=9Hz), 4.57 (1H, dd, J=7Hz と11Hz),
2.20 (1H, dd, 7 Hzと15Hz) 2.05 (1H, m), 2.01 (1H
, t , J=10 Hz), 1.85 (1H, d, J= 10 Hz),1.71 (1H,
m), 1.35 (1H, br. d), 1.30 (3H,s) 1.26 (3H, s)
1.23 (3H,s), 1.03 (3H,s) 0.98 (3H, s) 0.77 (1H,
m), 0.69 (1H, m) (工程C−1)(1S)-cis-2,2- ジメチル-3-(2,2-ジクロ
ロビニル) シクロプロパンカルボン酸の調製。 4R- {(1S)-cis-2,2- ジメチル-3-(2,2-ジクロロビニ
ル) シクロプロパンカルボキシル}-3R-ヒドロキシカラ
ン 0.58g を 10ml のメタノールと0.10g のK2CO3 の混
合液に加えて12hr撹拌した。メタノールを留去後、10ml
の1N NaOH 水と10mlのエチルエーテルを加えて分液し
た。さらに水相を10N HCl 水で酸析し、生じた白色沈澱
を10 ml のエチルエーテルで抽出した。エチルエーテル
相を硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮して、(1S)-cis-2,2
- ジメチル-3-(2,2-ジクロロビニル) シクロプロパンカ
ルボン酸0.20g を得た。 [α]D 25 = ー34°(C= 1.9)1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 6.24 (1H, d, J=9Hz), 2.15 (1H, dd, 5 Hz と9Hz) 1.
60 (1H, d, J= 5 Hz), 1.30 (3H, s), 1.10 (3H,s) (工程C−2)(1R)-cis-2,2- ジメチル-3-(2,2-ジクロ
ロビニル) シクロプロパンカルボン酸の調製。 4R- {(1R)-cis-2,2- ジメチル-3-(2,2-ジクロロビニ
ル) シクロプロパンカルボキシル}-3R-ヒドロキシカラ
ン 0.60g を 10ml のテトラヒドロフラン(THF) と 10m
l の濃塩酸に加えて12hr reflux した。反応混合物を室
温まで冷却後、THF を留去した。これにエーテル10mlと
水10 ml を加えた後、エーテル相と水相を分液した。水
相10mlに10% NaOH水10mlを加えた後、これを10N HCl 水
で酸析し、生じた白色沈澱をエーテル20 mlので抽出し
た。エーテル相を硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮して、
(1R)-cis-2,2- ジメチル-3-(2,2-ジクロロビニル) シク
ロプロパンカルボン酸0.19g を得た。 [α]D 25 = +33°(C= 2.1)1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 6.24 (1H, d, J=9Hz), 2.15 (1H, dd, 5 Hzと9Hz) 1.6
0 (1H, d, J= 5 Hz), 1.30 (3H, s), 1.10 (3H,s)
【0010】(実施例4)trans-2,2-ジメチル-3-(2,2-
ジクロロビニル) シクロプロパンカルボン酸の分割。 (工程A )4R- {(1RS)-trans-2,2-ジメチル-3-(2,2-ジ
クロロビニル) シクロプロパンカルボキシル}-3R-ヒド
ロキシカランの合成。 1.7g の3R,4R-カランジオール を10 ml のトルエンと
1mlのピリジンの混合液に溶かし、これに2.4gの(1RS)-t
rans-2,2-ジメチル-3-(2,2-ジクロロビニル)シクロプロ
パンカルボン酸クロライドを加えて室温で12hr 撹拌し
た。減圧下、溶媒を留去後、50mlのエーテルと5 0ml の
1N HCl水を加えて洗った後、更に有機相を飽和NaHCO3水
と飽和食塩水で洗浄した。エーテル相を硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、濃縮して3.3 gの当該エステルを得た。 (工程B )4R- {(1S)-trans-2,2- ジメチル-3-(2,2-ジ
クロロビニル) シクロプロパンカルボキシル}-3R-ヒド
ロキシカランと4R- {(1R)-trans-2,2- ジメチル-3-(2,
2-ジクロロビニル) シクロプロパンカルボキシル}-3R-
ヒドロキシカランのエステルの分離。 上記の2つのジアステレオマーの混合物のうちの2.0g
をシリカゲル薄層クロマトグラフィ(厚さ 2mm:トル
エン−酢酸エチル=4:1で展開)に供した。その結
果、この混合物を4R- {(1S)-trans-2,2- ジメチル-3-
(2,2-ジクロロビニル) シクロプロパンカルボキシル}-
3R-ヒドロキシカラン(Rf= 0.70) 0.25g と4R- {(1R)-
trans-2,2- ジメチル-3-(2 ,2- ジクロロビニル) シク
ロプロパンカルボキシル}-3R-ヒドロキシカラン (Rf=
0.65) 0.30gに分離した。 4R- {(1S)-trans-2,2- ジメチル-3-(2,2-ジクロロビニ
ル) シクロプロパンカルボキシル}-3R-ヒドロキシカラ
ンのスペクトルデータ [α]D 25 = −30°(C= 1.5)1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 4.95 (1H, br.d, J=9Hz), 4.57 (1H, dd, J=7Hz と11
Hz), 2.20 (1H, dd, 7 Hz と15Hz) 2.05 (1H, m),
2.01 (1H , t , J=10 Hz), 1.84 (1H, d, J=10 Hz), 1.
71 (1H, m), 1.35 (1H, br. d), 1.30 (3H,s) 1.26
(3H, s) 1.23 (3H,s), 1.03 (3H,s) 0.98 (3H, s) 0.
77 (1H, m), 0.69 (1H, m) 4R- {(1R)-trans-2,2- ジメチル-3-(2,2-ジクロロビニ
ル) シクロプロパンカルボキシル}-3R-ヒドロキシカラ
ンのスペクトルデータ [α]D 25=+32°(C= 1.3)1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 4.95 (1H, br.d, J=9Hz), 4.57 (1H, dd, J=7Hz と11
Hz), 2.20 (1H, dd, 7 Hz と15Hz) 2.05 (1H, m),
2.01 (1H , t , J=10 Hz), 1.84 (1H, d, J=10 Hz), 1.
71 (1H, m), 1.35 (1H, br. d), 1.30 (3H,s) 1.26
(3H, s) 1.23 (3H,s), 1.03 (3H,s) 0.98 (3H, s) 0.
77 (1H, m), 0.69 (1H, m) (工程C−1)(1S)-trans-2,2- ジメチル-3-(2,2-ジク
ロロビニル) シクロプロパンカルボン酸の調製。 4R- {(1S)-trans-2,2- ジメチル-3-(2,2-ジクロロビニ
ル) シクロプロパンカルボキシル}-3R-ヒドロキシカラ
ン 0.75g を 10ml のメタノールと0.10g のK2 CO3
合液に加えて12hr撹拌した。メタノールを留去後、10ml
の1N NaOH 水と10mlのエーテルを加えて分液した。さら
に水相を10N HCl 水で酸析し、生じた白色沈澱を10 ml
のエーテルで抽出した。エーテル相を硫酸マグネシウム
で乾燥後濃縮して、(1S)-trans-2,2- ジメチル-3-(2,2-
ジクロロビニル) シクロプロパンカルボン酸0.20g を得
た。 [α]D 25 = −35°(C= 2.2) 光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーに
よる定量分析の結果、光学純度は91.8%eeであっ
た。1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 4.90 (1H, d, J=9Hz), 2.15 (1H, dd, 5 Hz と9Hz) 1.
70 (3H x 2,br.s),1.30 (3H, s), 1.28 (3H,s) (工程C−2)(1R)-trans-2,2- ジメチル-3-(2,2-ジク
ロロビニル) シクロプロパンカルボン酸の調製。 4R- {(1R)-trans-2,2- ジメチル-3-(2,2-ジクロロビニ
ル) シクロプロパンカルボキシル}-3R-ヒドロキシカラ
ン 0.75g を 10ml のテトラヒドロフラン(THF) と 10m
l の濃塩酸に加えて12hr reflux した。反応混合物を室
温まで冷却後、THF を留去した。これにエーテル10mlと
水10 ml を加えた後、エーテル相と水相を分液した。水
相10mlに10% NaOH水10mlを加えた後、これを10N HCl 水
で酸析し、生じた白色沈澱をエーテル20 mlので抽出し
た。エーテル相を硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮して、
(1R)-trans-2,2- ジメチル-3-(2,2-ジクロロビニル) シ
クロプロパンカルボン酸0.19g を得た。 [α]D 25 = +36°(C= 2.1) 光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーに
よる定量分析の結果、光学純度は95.4%eeであっ
た。1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 4.90 (1H, d, J=9Hz), 2.15 (1H, dd, 5 Hz と9Hz) 1.
70 (3H x 2,br.s),1.30 (3H, s), 1.28 (3H,s)
【0011】(実施例5)cis-2,2-ジメチル-3-(2-トリ
フルオロメチル−2-クロロビニル) シクロプロパンカル
ボ ン酸の分割。 (工程A )4R- {(1RS)-cis-2,2-ジメチル-3-(2-トリフ
ルオロメチル−2-クロロビニル) シクロプロパンカルボ
キシル}-3R-ヒドロキシカランの合成。 0.85g の3R,4R-カランジオール を10 ml のトルエンと
1mlのピリジンの混合液に溶かし、これに1.3gの(1RS)-
cis-2,2-ジメチル-3-(2-トリフルオロメチル−2-クロロ
ビニル) シクロプロパンカルボン酸クロライドを加えて
室温で12hr 撹拌した。減圧下、溶媒を留去後、5 0ml
のエーテルと50mlの1N HCl水を加えて洗浄後、更に有機
相を飽和NaHCO3水と飽和食塩水で洗浄した。エーテル相
を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮して1.55gの当該エ
ステルを得た。 (工程B )4R- {(1S)-cis-2,2- ジメチル-3-(2-トリフ
ルオロメチル−2-クロロビニル) シクロプロパンカルボ
キシル}-3R-ヒドロキシカランと4R- {(1R)-cis-2,2-
ジメチル-3-(2-トリフルオロメチル−2-クロロビニル)
シクロプロパンカルボキシル}-3R-ヒドロキシカランの
分離。 上記の2つのジアステレオマーの混合物をシリカゲル薄
層クロマトグラフィ(ヘキサンー酢酸エチル=3:1で
展開)に供した。その結果、この混合物を4R-{(1S)-ci
s-2,2-ジメチル-3-(2-トリフルオロメチル−2-クロロ
ビニル) シクロプロパンカルボキシル}-3R - ヒドロキ
シカラン0.58g (Rf = 0.55) と4R- {(1R)-cis-2,2- ジ
メチル-3-(2-トリフルオロメチル−2-クロロビニル) シ
クロプロパンカルボキシル}-3R-ヒドロキシカラン 0.5
5g (Rf = 0.45) に分離した。 4R- {(1S)-cis-2,2- ジメチル-3-(2-トリフルオロメチ
ル−2-クロロビニル)シクロプロパンカルボキシル}-3R
-ヒドロキシカランのスペクトルデータ [α]D 25 = ー15°(C= 1.4)1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 6.90 (1H, d, J=9Hz), 4.57 (1H, dd, J=7Hz と11Hz),
2.18 (1H, dd, J=7 Hzと15Hz) 2.12 (1H, m), 2.01
(1H ,m), 1.98 (1H, d, J= 10 Hz), 1.71 (1H, m), 1.
30 (1H, br. d), 1.28 (3Hx2,s), 1.03 (3H,s) 0.98
(3H, s), 0.77 (1H, m), 0.69 (1H, m) 4R- {(1R)-c
is-2,2- ジメチル-3-(2-トリフルオロメチル−2-クロロ
ビニル) シクロプロパンカルボキシル}-3R-ヒドロキシ
カランのスペクトルデータ [α]D 25=+14°(C= 1.6)1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 6.90 (1H, d, J=9Hz), 4.57 (1H, dd, J=7Hz と11Hz),
2.18 (1H, dd, J=7Hzと15Hz) 2.12 (1H, m), 2.01
(1H ,m), 1.98 (1H, d, J= 10 Hz), 1.71 (1H, m), 1.3
3 (1H, m), 1.30 (3H, s), 1.28 (3H,s) 1.26 (3H,
s), 1.03 (3H,s) 0.98 (3H, s) 0.77 (1H, m), 0.69
(1H, m) (工程C−1)(1S)-2,2- ジメチル-3-(2-トリフルオロ
メチル−2-クロロビニル) シクロプロパンカルボン酸の
調製。 4R- {(1S)-cis2,2-ジメチル-3-(2-トリフルオロメチル
−2-クロロビニル)シクロプロパンカルボキシル}-3R-
ヒドロキシカラン0.58g を10mlのメタノールと0.10g の
K 2CO3の混合液に加えて12hr撹拌した。メタノールを留
去後、10mlの1N NaOH 水と10mlのエーテルを加えて分液
した。さらに水相を10N HCl 水で酸析し、生じた白色沈
澱を1 0 mlのエチルエーテルで抽出した。エーテル相を
硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮して、(1S)-cis-2,2- ジ
メチル-3-(2-トリフルオロメチル−2-クロロビニル) シ
クロプロパンカルボン酸0.20g を得た。 [α]D 25 = ー40°(C= 2.0)1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 6.90 (1H, br. d, J=9Hz), 2.40 (1H, dd, J=8 Hz と9
Hz) , 2.13 (1H, d,J= 8 Hz), 1.50 (3H, s), 1.50
(3H,s) (工程C−2)(1R)-cis-2,2- ジメチル-3-(2-トリフル
オロメチル−2-クロロビニル) シクロプロパンカルボン
酸の調製。 4R- {(1R)-cis-2,2- ジメチル-3-(2-トリフルオロメチ
ル−2-クロロビニル) シクロプロパンカルボキシル}-3
R-ヒドロキシカラン 0.55g を10mlのメタノールと0.10
g のK2CO3 の混合液に加えて12hr撹拌した。メタノール
を留去後、10mlの1N NaOH 水と10mlのエチルエーテルを
加えて分液した。さらに水相を10N HCl 水で酸析し、生
じた白色沈澱を10 ml のエーテルで抽出した。エーテル
相を硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮して、、(1R)-cis-
2,2- ジメチル-3-(2-トリフルオロメチル−2-クロロビ
ニル) シクロプロパンカルボン酸0.18g を得た。 [α]D 25 = +39°(C= 2.3)1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 6.90 (1H, br. d, J=9Hz), 2.40 (1H, dd, J=8 Hz と9
Hz) , 2.13 (1H,d , J= 8 Hz), 1.50 (3H, s), 1.50
(3H,s)
【0012】(実施例6)2-(4−クロロフェニル)−
3−メチル酪酸の分割 (工程A )4R- {2RS-(4−クロロフェニル)−3−メ
チルブチリルオキシ}-3R-ヒドロキシカランの合成。 1.7g の3R,4R-カランジオール を10 ml のトルエンと
1mlのピリジンの混合液に溶かし、これに2.0gの2RS-
(4−クロロフェニル)−3−メチル酪酸クロライドを
加えて室温で12hr撹拌した。減圧下、溶媒を留去後、50
mlのエーテルと50mlの1N HCl水をくわえて洗った後、有
機相を飽和NaHCO3水と飽和食塩水で順次洗浄した。エー
テル相を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮して3.0 gの
当該エステルを得た。 (工程B )4R- {2R- (4−クロロフェニル)−3−メ
チルブチリルオキシ}-3R-ヒドロキシカランと4R- {2S
- (4−クロロフェニル)−3−メチルブチリルオキ
シ}-3R-ヒドロキシカランの分離。 上記の2つのジアステレオマーの混合物3.0gをシリカゲ
ル薄層クロマトグラフィ(ヘキサンー酢酸エチル=4:
1)に供した。その結果、より低極性の4R- {2R- (4
−クロロフェニル)−3−メチルブチリルオキシ}-3R-
ヒドロキシカラン(Rf=0.60)1.25g とより高極
性の4R- {2S- (4−クロロフェニル)−3−メチルブ
チリルオキシ}-3R-ヒドロキシカラン(Rf=0.5
0) 1.30gに分離できた。 4R- {2R- (4−クロロフェニル)−3−メチルブチリ
ルオキシ}-3R-ヒドロキシカランのスペクトルデータ [α]D 25 = −30°1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 7.20〜7.40 (4H,br.s), 4.52 (1H, dd, J=7Hz と11H
z), 3.10 (1H, d, J=10 Hz) 2.30 (1H, dq), 2.1 〜
1.9(3H, m), 1.55 (1H, m), 1.30 (1H, m),1.20 (3H,
s), 1.03 (3H, d, J=6.5z), 0.97 (3H, s), 0.95 (3
H, s),0.68 (3H, d, J=6.5z), 0.68〜0.60 (2H, m) 4R- {2S- (4−クロロフェニル)−3−メチルブチリ
ルオキシ}-3R-ヒドロキシカランのスペクトルデータ [α]D 25=+ 32°1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 7.20〜7.40 (4H,br.s), 4.52 (1H, dd, J=7Hz と11H
z), 3.10 (1H, d, J=10 Hz) 2.30 (1H, dq), 2.1 〜
1.9(3H, m), 1.55 (1H, m), 1.30 (1H, m),1.20 (3H,
s), 1.03 (3H, d, J=6.5z), 0.97 (3H, s), 0.95 (3
H, s),0.68 (3H, d, J=6.5z), 0.68〜0.60 (2H, m) (工程C−1)2R- (4−クロロフェニル)−3−メチ
ル酪酸の調製。 4R- {2R- (4−クロロフェニル)−3−メチルブチリ
ルオキシ}-3R-ヒドロキシカラン0.25g を 10ml のテト
ラヒドロフラン(THF) と 10ml の濃塩酸に加えて12hr r
eflux した。反応混合物を室温まで冷却後、THF を留去
した。これにエーテル10mlと水10 ml を加えた後、エー
テル相と水相を分液した。水相10mlに10% NaOH水10mlを
加えた後、これを10N HCl 水で酸析し、生じた白色沈澱
をエーテル20 mlので抽出した。エーテル相を硫酸マグ
ネシウムで乾燥後濃縮して、2R-(4−クロロフェニ
ル)−3−メチル酪酸0.08g を得た。 [α]D 25 = −33°(C= 2.2)1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 7.20 〜7.40 (4H,br.s), 3.13 (1H, d, J=10Hz), 2.30
(1H, dq), 1.03 (3H,d, J=6.5Hz), 0.70 (3H, d, J=6.5
Hz) (工程C−2)2S- (4−クロロフェニル)−3−メチ
ル酪酸の調製。 4R- {2S(4−クロロフェニル)−3−メチルブチリル
オキシ}-3R-ヒドロキシカラン 0.30gを 10ml のテトラ
ヒドロフラン(THF) と 10ml の濃塩酸に加えて12hr ref
lux した。反応混合物を室温まで冷却後、THF を留去し
た。これにエーテル10mlと水10 ml を加えた後、エーテ
ル相と水相を分液した。水相10mlに10%NaOH水10mlを加
えた後、これを10N HCl 水で酸析し、生じた白色沈澱を
エーテル20 mlので抽出した。エーテル相を硫酸マグネ
シウムで乾燥後濃縮して、2S- (4−クロロフェニル)
−3−メチル酪酸0.10g を得た。 [α]D 25 = +35°(C= 0.9)1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 7.20 〜7.40 (4H,br.s), 3.13 (1H, d, J=10Hz), 2.30
(1H, dq), 1.03 (3H,d, J=6.5Hz), 0.70 (3H, d, J=6.5
Hz)
【0013】(実施例7)2-フェニルプロピオン酸の分
割 (工程A )4R- {2RS-フェニルプロピオニロキシ}-3R-
ヒドロキシカランの合成。 1.7g の3R,4R-カランジオール を10 ml のトルエンと
1mlのピリジンの混合液に溶かし、これに2.0gの2RS-メ
チルフェニル酢酸クロライドを加えて室温で12hr撹拌し
た。減圧下、溶媒を留去後、50mlのエーテルと50mlの1N
HCl水をくわえて洗った後、更に有機相を飽和NaHCO3水
と飽和食塩水で洗浄した。エーテル相を硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、濃縮して3.0 gの当該エステルを得た。 (工程B )4R- {2R- フェニルプロピオニロキシ}-3R-
ヒドロキシカランと4R-{ 2S- フェニル- プロピ
オニロキシ}-3R-ヒドロキシカランの分離。 上記の2つのジアステレオマーの混合物3.0gをシリカゲ
ル カラムクロマトグラフィ(ヘキサンー酢酸エチル=
10:1)に供した。その結果、この混合物を先に溶出
される4R- {2S- フェニル- プロピオニロキシ}-3R-ヒ
ドロキシカラン1.25g と後から溶出される4R- {2R- フ
ェニル- プロピオニロキシ}-3R-ヒドロキシカラン 1.3
0gに分離できた。また、反応混合物に4R- {2S- フェニ
ル- プロピオニロキシ}-3R-ヒドロキシカランの結晶を
入れて結晶を析出させることにより、本ジアステレオマ
ーを優先的に得ることができた。 4R- {2R- メチル- フェニルプロピオニロキシ}-3R-ヒ
ドロキシカランのスペクトルデータ [α]D 25 = ー66.7 °1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 7.20〜7.40 (5H,m, ), 4.49 (1H, dd, J=7Hz と11Hz),
3.72 (1H, q, J=7.5Hz) 2.15 (1H, dd, J=7Hz と14H
z)), 1.89 (1H , m ), 1.67 (1H,m), 1.50(1H, d, J=
7.5z), 1.26 (1H, J=4Hz と13Hz), 1.07 (3H,s), 1.
00 (3H, s),0.97 (3H, s), 0.70 〜0.65 (2H, m) 4R- {2S- フェニルプロピオニロキシ}-3R-ヒドロキシ
カランのスペクトルデータ [α]D 25=+ 65°1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 7.20 〜7.40 (5H,m, ), 4.49 (1H, dd, J=7Hz と11H
z), 3.70 (1H, q, J=7.5Hz) 2.15 (1H, dd, J=7Hz と1
4Hz)), 1.89 (1H , m ), 1.67 (1H,m), 1.48(1H, d,
J=7.5z), 1.26 (1H, J=4Hz と13Hz), 1.05 (3H,s),
1.02 (3H, s),0.99 (3H, s), 0.70 〜0.65 (2H, m) (工程C−2)2R- フェニルプロピオン酸の調製。 4R- {2R- フェニルプロピオニロキシ}-3R-ヒドロキシ
カラン0.80g を10mlのメタノールと0.10g のK2CO3 の混
合液に加えて12hr撹拌した。メタノールを留去後、10ml
の1NNaOH水と10mlのエーテルを加えて分液した。さらに
水相を10N HCl水で酸析し、生じた白色沈澱を10 ml の
エーテルで抽出した。エーテル相を硫酸マグネシウムで
乾燥後濃縮して、、2R- フェニルプロピオン酸0.38g を
得た。 [α]D 25 = ー71°(C= 1.1)1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 7.20 〜7.40 (5H,m ), 3.70 (1H, q, J=7.5Hz), 1.50
(1H, d, J=7.5z) (工程C−2)2S- フェニルプロピオン酸の調製。 4R- {2S--フェニルプロピオニロキシ}-3R-ヒドロキシ
カラン 0.80gを10mlのメタノールと0.10g のK2CO3 の混
合液に加えて12hr撹拌した。メタノールを留去後、10ml
の1NNaOH水と10mlのエチルエーテルを加えて分液した。
さらに水相を10N HCl 水で酸析し、生じた白色沈澱を10
ml のエチルエーテルで抽出した。エチルエーテル相を
硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮して、2S- フェニルプロ
ピオン酸0.37g を得た。 [α]D 25 = +72°(C= 0.9)1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 7.20 〜7.40 (5H,m ), 3.70 (1H, q, J=7.5Hz), 1.50
(1H, d, J=7.5z)
【0014】(実施例8)2-(3- フルオロ-4- フェニ
ル)-フェニルプロピオン酸の分割 (工程A )4R- {2RS-(3- フルオロ-4- フェニル)-フェ
ニルプロピオニルオキシ}-3R-ヒドロキシカランの合
成。 0.85g の3R,4R-カランジオール を10 ml のトルエンと
1mlのピリジンの混合液に溶かし、これに1.4gの2RS-(3
- フルオロ-4- フェニル)-フェニルプロピオン酸クロラ
イドを加えて室温で12hr 撹拌した。減圧下、溶媒を留
去後、50mlのエーテルと50mlの1N HCl水をくわえて洗っ
た後、更に有機相を飽和NaHCO3水と飽和食塩水で洗浄し
た。エーテル相を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮して
1.90gの当該エステルを得た。 (工程B )4R- {2R-(3-フルオロ-4- フェニル)-フェニ
ルプロピオニルオキシ}-3R-ヒドロキシカランと4R-
{2S-(3-フルオロ-4- フェニル)-フェニルプロピオニル
オキシ}-3R-ヒドロキシカランの分離。 上記の2つのジアステレオマーの混合物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィ(ヘキサンー酢酸エチル=6:1
で展開)に供した。その結果、この混合物を4R- {2R-
(3 - フルオロ-4- フェニル)-フェニルプロピオニルオ
キシ}-3R-ヒドロキシカラン0.85g と4R- {2S-(3-フル
オロ-4- フェニル)-フェニルプロピオニルオキシ}-3R-
ヒドロキシカラン0.90g に分離した。 4R- {2R-(3-フルオロ-4- フェニル)-フェニルプロピオ
ニルオキシ}-3R-ヒドロキシカランのスペクトルデータ [α]D 25 = ー20°1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 7.1 〜7.6 (8H,m), 4.58 (1H, dd, J=7Hz と11Hz), 3.
78 (1H, q, J=7.5 Hz), 2.0 〜2.2 (2H, m), 1.65 (1
H ,m), 1.54 (3H, d, J= 7.5 Hz), 1.30 (1H,m), 1.
28 (3H,s), 1.03 (3H,s) 0.98 (3H, s), 0.75 〜0.6
5 (2H, m). 4R- {2S-(3-フルオロ-4- フェニル)-フェニルプロピオ
ニルオキシ}-3R-ヒドロキシカランのスペクトルデータ [α]D 25=+24°1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 7.1 〜7.6 (8H,m), 4.58 (1H, dd, J=7Hz と11Hz), 3.
76 (1H, q, J=7.5 Hz ), 2.15 (1H, m), 2.01 (1H,
m), 1.75 (1H, m), 1.56 (3H, d, J= 7.5 Hz), 1.33
(1H, m), 1.16 (3H,s), 1.02 (3H,s) 0.98 (3H,
s), 0.72 〜0.69(2H, m). (工程C−1)2R-(3-フルオロ-4- フェニル)-フェニル
プロピオン酸の調製。 4R- {2R-(3-フルオロ-4- フェニル)-フェニルプロピオ
ニルオキシ}-3R-ヒドロキシカラン0.75g を 10mlのテ
トラヒドロフラン(THF) と 10ml の濃塩酸に加えて12hr
reflux した。反応混合物を室温まで冷却後、THF を留
去した。これにエーテル10mlと水10 ml を加えた後、エ
ーテル相と水相を分液した。水相10mlに10%NaOH 水10ml
を加えた後、これを10N HCl 水で酸析し、生じた白色沈
澱をエーテル20 ml ので抽出した。エーテル相を硫酸マ
グネシウムで乾燥後濃縮して、2R-(3-フルオロ-4- フェ
ニル) - フェニルプロピオン酸0.35g を得た。[α]D
25= ー15°(C= 1.4) 1H NMR (δ(CDCl3)) 7.1〜7.6 (8H,m), 3.76 (1H, q, J=7.5 Hz), 1.56
(3H, d, J= 7.5 Hz ) (工程C−2)2S-(3-フルオロ-4- フェニル)-フェニ
ルプロピオン酸の調製。 4R- {2S-(3-フルオロ-4- フェニル)-フェニルプロピオ
ニルオキシ}-3R-ヒドロキシカラン0.75g を 10ml のテ
トラヒドロフラン(THF) と 10ml の濃塩酸に加えて12hr
re fluxした。反応混合物を室温まで冷却後、THF を留
去した。これにエーテル10mlと水10 ml を加えた後、エ
ーテル相と水相を分液した。水相10mlに10%NaOH 水10ml
を加えた後、これを10N HCl 水で酸析し、生じた白色沈
澱をジエチルエーテル20 ml ので抽出した。エーテル相
を硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮して、2S-(3-フルオロ
-4- フェニル) - フェニルプロピオン酸0.40g を得た。 [α]D 25 = +17°(C= 1.2)1 H-NMR (CDCl 3 /TMS, δppm) 7.1〜7.6 (8H,m), 3.76 (1H, q, J=7.5 Hz), 1.56
(3H, d, J=7.5 Hz)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 69/612 C07C 69/612 69/65 69/65 69/747 69/747 Y E 69/92 69/92 // C07M 7:00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(工程A) α位に不斉炭素を有するカル
    ボン酸またはその反応性誘導体を、式化1 【化1】 で示される1S,3R,4R,6R-カラン-3,4- ジオ−ルと反応さ
    せて、一般式 化2 【化2】 (Rはα位に不斉炭素を有するカルボン酸のカルボキシ
    ル基を除いた残基を表わす。)で示されるエステル化合
    物のジアテレオマー混合物とした後,(工程B)該ジア
    ステレオマー混合物を各々のジアステレオマーに分離
    し、(工程C)得られたジアステレオマーの一方または
    各々を加水分解することを特徴とする、α位に不斉炭素
    を有するカルボン酸の光学分割方法。
  2. 【請求項2】α位に不斉炭素を有するカルボン酸がピレ
    スロイド酸である請求項第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】ピレスロイド酸が、 trans-2,2- ジメチル
    -3-(2 - メチル-1- プロペニル) シクロプロパンカルボ
    ン酸、cis-2,2-ジメチル-3-(2-メチル-1- プロペニル)
    シクロプロパンカルボン酸、trans-2,2-ジメチル-3-(2,
    2-ジクロロビニル) シクロプロパンカルボン酸、cis-2,
    2-ジメチル-3-(2,2-ジクロロビニル) シクロプロパンカ
    ルボン酸、 trans-2,2- ジメチル-3-(2,2-ジブロモビニ
    ル) シクロプロパンカルボン酸、cis-2,2-ジメチル-3-
    (2,2-ジブロモビニル) シクロプロパンカルボン酸およ
    び cis-2,2- ジメチル-3-(2-トリフルオロメチル−2-ク
    ロロビニル) シクロプロパンカルボン酸から選ばれる1
    種である請求項第2項記載の方法。
  4. 【請求項4】α位に不斉炭素を有するカルボン酸の不斉
    炭素に結合する基の一つが、水素原子である、請求項第
    1項記載の方法。
  5. 【請求項5】α位に不斉炭素を有するカルボン酸の不斉
    炭素に結合する基が、アルキル基、シクロアルキル基、
    ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコ
    キシ基および水素原子から選ばれた3種である、請求項
    第1項または第4項記載の方法。
  6. 【請求項6】α位に不斉炭素を有するカルボン酸の不斉
    炭素に結合する基の一つが、アルキル基、シクロアルキ
    ル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基ま
    たはアルコキシ基であり、もう一つが置換されていても
    よいアリール基であるか、あるいは、α位に不斉炭素を
    有するカルボン酸の不斉炭素に結合する基の二つが、相
    異なる置換されていてもよいアリール基である、請求項
    第4項記載の方法。
  7. 【請求項7】α位に不斉炭素を有するカルボン酸の不斉
    炭素に結合する基の一つが、アルキル基、シクロアルキ
    ル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基ま
    たはアルコキシ基であり、もう一つが置換されていても
    よいヘテロ環であるか、あるいは、α位に不斉炭素を有
    するカルボン酸の不斉炭素に結合する基の一つが、置換
    されていてもよいアリール基であり、もう一つが置換さ
    れていてもよいヘテロ環であるか、あるいは、α位に不
    斉炭素を有するカルボン酸の不斉炭素に結合する基の二
    つが、相異なる置換されていてもよいヘテロ環である、
    請求項第4項記載の方法。
  8. 【請求項8】一般式 〔1〕 (式中、Xはメチル基、塩素原子または臭素原子を表
    し、Yはメチル基、塩素原子、臭素原子またはトリフル
    オロメチル基を表し、Xがメチル基を表すとき、Yはメ
    チル基を表し、Xが塩素原子を表すとき、Yは塩素原子
    またはトリフルオロメチル基を表し、Xが臭素原子を表
    すとき、Yは臭素原子を表す。)で示されるエステル
    類。
  9. 【請求項9】一般式 〔2〕 (式中、R1 およびR2 は同一または相異なり、ハロゲ
    ン原子、C1〜C6アルキル基、C1〜C6ハロアルキ
    ル基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6ハロアルコ
    キシ基、フェニル基、フェノキシ基、ベンゾイル基、2
    −チエニルカルボニル基またはC3〜C6アルケニルア
    ミノ基を表し、R3 はC1〜C6アルキル基を表す。)
    で示されるエステル誘導体。
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JP2008195657A (ja) * 2007-02-14 2008-08-28 Sumitomo Chemical Co Ltd シクロプロパンカルボン酸の光学分割方法
CN114794105A (zh) * 2022-06-13 2022-07-29 广西民族大学 蒈烷-3,4-二醇在作为或制备除草剂方面的应用
CN114794105B (zh) * 2022-06-13 2024-03-15 广西民族大学 蒈烷-3,4-二醇在作为或制备除草剂方面的应用

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