JPH09220297A - スリーピースソリッドゴルフボール - Google Patents

スリーピースソリッドゴルフボール

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JPH09220297A
JPH09220297A JP8053826A JP5382696A JPH09220297A JP H09220297 A JPH09220297 A JP H09220297A JP 8053826 A JP8053826 A JP 8053826A JP 5382696 A JP5382696 A JP 5382696A JP H09220297 A JPH09220297 A JP H09220297A
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JP
Japan
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cover
intermediate layer
elastic modulus
solid core
loss tangent
Prior art date
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Pending
Application number
JP8053826A
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English (en)
Inventor
Akihiko Hamada
明彦 浜田
Kohei Takemura
光平 竹村
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 飛距離が大きく、かつ打球感およびコントロ
ール性が良好なスリーピースソリッドゴルフボールを提
供する。 【解決手段】 ソリッドコアと中間層とカバーとからな
るスリーピースソリッドゴルフボールにおいて、カバー
を厚みが1〜3mmで、かつ、−30℃〜+20℃の弾
性率が1000〜9000kgf/cm2 で、損失正接
が0.02〜0.1になるようにし、中間層を厚みが1
〜3mmで、かつ、−30℃〜+20℃の弾性率が50
00〜20000kgf/cm2 で、上記温度範囲にお
ける弾性率の最小値がカバーの−30℃〜+20℃にお
ける弾性率の最小値よりも大きく、損失正接が0.15
以下になるようにし、ソリッドコアを直径が30.7〜
38.7mmで、かつ、圧縮変形した時のバネ定数(変
位に対する荷重の比)が20〜55kgf/mmになる
ようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スリーピースソリ
ッドゴルフボールに関し、さらに詳しくは、飛距離が大
きく、かつ打球感(打球時のフィーリング)およびコン
トロール性が良好なスリーピースソリッドゴルフボール
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ツーピースソリッドゴルフボール
などのソリッドゴルフボールは、飛距離が大きいことか
らゴルファーに好まれてきた。しかし、ツーピースソリ
ッドゴルフボールはカバーに硬質の樹脂を用いているた
め、飛距離は出るものの、打球感が悪く、またスピンが
かかりにくくてコントロール性が悪いという問題があっ
た。
【0003】そこで、それを解消するため、例えば特開
平1−308577号公報に見られるごとく、カバーに
軟質のアイオノマー樹脂を用いるなど、材料面からの検
討がなされてきたが、いまだ不充分であって、打球感、
コントロール性と飛距離のバランスのとれたソリッドゴ
ルフボールは得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ソリッドゴ
ルフボールにおいて、その大きな飛距離を維持しなが
ら、打球感とコントロール性の向上を達成することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、従来の材料面からの検討だけではな
く、ソリッドゴルフボールの構造特性にも着目して検討
した結果、カバーとソリッドコアとの間に中間層を設け
てスリーピース構造にし、それぞれの部材において特定
の材料物性と構造特性を組み合わせることによって、大
きな飛距離と打球感やコントロール性とを両立できるこ
とを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0006】すなわち、本発明は、厚みが1〜3mm
で、−30℃〜+20℃の弾性率(E* )が1000〜
9000kgf/cm2 で、−30℃〜+20℃の損失
正接(tanδ)が0.02〜0.1のカバーと、厚み
が1〜3mmで、−30℃〜+20℃の弾性率(E*
が5000〜20000kgf/cm2 で、その温度範
囲における弾性率(E* )の最小値が同じ温度範囲にお
けるカバーの弾性率(E* )の最小値より大きく、−3
0℃〜+20℃の損失正接(tanδ)が0.15以下
の中間層と、直径が30.7〜38.7mmであり、か
つ圧縮変形した時のバネ定数(変位に対する荷重の比)
が20〜55kgf/mmであるソリッドコアとからな
るスリーピースソリッドゴルフボールである。
【0007】以下、本発明のカバーの損失正接(tan
δ)、弾性率(E* )、厚み、中間層の損失正接、弾性
率、厚み、ソリッドコアのバネ定数、直径の順にそれら
の持つ意義について詳細に説明する。
【0008】本発明において、上記カバーの特定に関し
て使用した「損失正接」は、動的粘弾性の測定から得ら
れる値であり、この損失正接が低いほど反発性能が高く
なる。すなわち、損失正接(tanδ)が小さい場合
は、エネルギーロスが少なく、ゴルフボールの場合に
は、与えられたエネルギーの大部分を運動エネルギーに
変えることができるので、反発性能が高くなり、飛距離
が大きくなる。
【0009】本発明においては、カバーの−30℃〜+
20℃における損失正接(tanδ)が0.02〜0.
1であることを必要としているが、これは損失正接が上
記範囲内にあるときは、高反発性能であり、かつ、加工
性の良さなどを保ち得るからである。すなわち、上記損
失正接が0.02より小さい場合は、反発性能は良くな
るが、加工性などが悪くなり、また打球感も悪くなる。
そして、上記損失正接が0.1より大きい場合は、ボー
ルの反発性能が低下し、飛距離が低下する。
【0010】また、本発明においては、カバーに関して
−30℃〜+20℃における弾性率(E* )も特定す
る。この弾性率も動的粘弾性の測定から得られるもので
あり、本発明においては、前記のように、−30℃〜+
20℃における弾性率(E* )が1000〜9000k
gf/cm2 であることが必要であり、特に2000〜
8000kgf/cm2 であることが好ましいが、これ
は弾性率(E* )が上記範囲内にあるときは、適度な硬
さで、良好なコントロール性と打球感を保持できるから
である。すなわち、上記温度領域での弾性率が1000
kg/cm2 より低い場合は、スピンがかかりすぎて飛
距離が低下するとともに、軟らかくなりすぎてカバーの
表面が傷付きやすくなり、そのため耐久性が低下し、ま
た、打球感も軟らかすぎて重くなり、悪化する。そし
て、上記温度領域での弾性率が9000kgf/cm2
より高くなると、反発性能は高くなるが、打球感が硬く
なるとともに、コントロール性が低下し、また、脆くな
ってしまうため、耐久性が悪くなる。
【0011】本発明において、上記損失正接や弾性率を
特定する温度領域を−30℃〜+20℃にしているの
は、その温度領域での損失正接や弾性率と反発性能との
相関性が深いからである。また、上記カバーや後に詳述
する中間層の損失正接や弾性率の測定は、カバー用組成
物や中間層用組成物から厚さ2mm、幅4mm、長さ3
0mmの短冊状の試験片を作製し、測定機器には例えば
(株)島津製作所の粘弾性スペクトロメータDVE−2
00改造型を用い、変形モード:引張り、動歪み:0.
25%、温度域:−100℃〜+70℃、周波数:10
Hzの条件下で動的損失正接と動的弾性率の温度分散を
測定することによって行われる。
【0012】さらに、本発明においては、カバーの厚み
を1〜3mmにする。カバーの厚みが3mmより厚くな
ると、たとえ好適なカバー材料を用いたとしても、反発
弾性が低下して飛距離が低下し、また打球感が悪くな
り、逆にカバーの厚みが1mmより薄くなると、耐久性
が悪くなり、実用に耐えなくなる。
【0013】本発明において、中間層は、ボール全体の
反発性能を高め、またソリッドコアの過度の変形を抑え
てスピンをコントロールする目的で設けられる。本発明
において、この中間層は、厚みが1〜3mmで、かつ、
その動的粘弾性として、−30℃〜+20℃の弾性率
(E* )が5000〜20000kgf/cm2 で、そ
の温度範囲における弾性率(E* )の最小値が前記カバ
ーの30℃〜+20℃における弾性率(E* )の最小値
より大きく、−30℃〜+20℃の損失正接(tan
δ)が0.15以下であることが必要である。
【0014】中間層の−30℃〜+20℃の損失正接が
0.15より大きくなると、良好な反発性能が期待でき
ない。この中間層の損失正接は、反発性能面からは小さ
くてもよいが、小さくなりすぎると加工性が低下するの
で、0.01(ただし、−30℃〜+20℃での損失正
接)以上であることが好ましい。
【0015】また、中間層の−30℃〜+20℃の弾性
率が20000kgf/cm2 より高くなると、ボール
が硬くなりすぎて打球感が悪くなり、中間層の−30℃
〜+20℃の弾性率が5000kgf/cm2 より低く
なると、反発性能が低下して、飛距離が低下する。さら
に、この中間層の−30℃〜+20℃における弾性率の
最小値はカバーの−30℃〜+20℃における弾性率の
最小値より大きいことが必要である。これは、その逆に
なると、カバーより中間層の方が軟らかくなって、所望
とするコントロール性(スピン性能)が得られなくなる
ためである。
【0016】本発明においては、上記のように、中間層
の厚みを1〜3mmにするが、これは中間層の厚みが3
mmより厚くなると、ボールが硬くなりすぎて打球感が
悪くなり、逆に中間層の厚みが1mmより薄くなると、
反発性能が低下して、飛距離が低下するからである。
【0017】また、本発明において、上記カバーや中間
層と組み合わせて使用するソリッドコアは、スピンのか
かりやすさと適正な反発性能を得るために、そのバネ定
数(変位に対する荷重の比=荷重/変位)が20〜55
kgf/mmであることが必要であり、特に22〜50
kgf/mmであることが好ましい。
【0018】ソリッドコアのバネ定数が上記範囲より小
さい場合は、反発性能が低く、そのため飛距離が低下
し、逆に上記範囲より大きくなると、硬すぎて打球時の
変形量が小さくなり、スピンがかかりにくくなってコン
トロール性が悪くなる。
【0019】本発明において、上記ソリッドコアのバネ
定数は、変位荷重試験機を用い、1mm圧縮変形時の荷
重と3mm圧縮変形時の荷重を記録し、その傾きから求
めたものである。
【0020】本発明においては、上記ソリッドコアの直
径を30.7〜38.7mmにする。これは、ボールの
外径をR&Aで規定しているゴルフボールの外径の下限
値:42.7mmとして、前記のようにカバーの厚みを
1〜3mmにし、かつ中間層の厚みを1〜3mmにした
ことに基づいている。ソリッドコアの直径が30.7m
mより小さくなると、カバーまたは中間層、あるいはそ
れらの両者が厚くなり、それに応じて前記のような不都
合が生じ、またソリッドコアの直径が38.7mmより
大きくなると、カバーまたは中間層、あるいはそれらの
両者が薄くなり、それに応じて前記のような不都合が生
じることになる。
【0021】つぎに、カバー、中間層、ソリッドコアの
主要材料について説明する。カバーが前記の動的粘弾性
を持ち得るようにするには、たとえば、その基材成分と
してアイオノマー樹脂とジエン系ゴムとの混合物を用い
るか、またはガラス転移温度が低い分子単位をソフトセ
グメントとする熱可塑性エラストマーを単独でまたはア
イオノマー樹脂と混合して用いることが好ましい。
【0022】上記アイオノマー樹脂としては、例えば、
三井デュポンポリケミカル(株)製のハイミラン160
5(商品名、ナトリウムイオン中和タイプのエチレン−
メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂)、ハイミラ
ン1707(商品名、ナトリウムイオン中和タイプのエ
チレン−メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂)、
ハイミラン1706(商品名、亜鉛イオン中和タイプの
エチレン−メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹
脂)、ハイミランAM7315(商品名、亜鉛イオン中
和タイプのエチレン−メタクリル酸共重合体系アイオノ
マー樹脂)、ハイミランAM7317(商品名、亜鉛イ
オン中和タイプのエチレン−メタクリル酸共重合体系ア
イオノマー樹脂)、ハイミラン1555(商品名、ナト
リウムイオン中和タイプのエチレン−メタクリル酸共重
合体系アイオノマー樹脂)、ハイミラン1557(商品
名、亜鉛イオン中和タイプのエチレン−メタクリル酸共
重合体系アイオノマー樹脂)、ハイミラン1855(商
品名、亜鉛イオン中和タイプのエチレン−ブチルアクリ
レート−メタクリル酸三元共重合体系アイオノマー樹
脂)、ハイミラン1856(商品名、ナトリウムイオン
中和タイプのエチレン−ブチルアクリレート−メタクリ
ル酸三元共重合体系アイオノマー樹脂)、エクソン化学
社製のアイオテック7010(商品名、亜鉛イオン中和
タイプのエチレン−アクリル酸共重合体系アイオノマー
樹脂)、アイオテック8000(商品名、ナトリウムイ
オン中和タイプのエチレン−アクリル酸共重合体系アイ
オノマー樹脂)、デュポン社製のサーリン7930(商
品名、リチウムイオン中和タイプのエチレン−メタクリ
ル酸共重合体系アイオノマー樹脂)、サーリンAD85
11(商品名、亜鉛イオン中和タイプのエチレン−メタ
クリル酸共重合体系アイオノマー樹脂)、サーリンAD
8512(商品名、ナトリウムイオン中和タイプのエチ
レン−メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂)など
が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0023】このアイオノマー樹脂に混合するジエン系
ゴムとしては、例えば、エチレンプロピレンジエンゴム
(EPDM)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴ
ム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アク
リロニトリルブタジエンゴム(NBR)などが挙げられ
るが、それらの中でもガラス転移温度が−30℃以下の
ものが適している。すなわち、ガラス転移温度では、損
失正接(tanδ)の値が極大となるため、ガラス転移
温度が−30℃より高い場合は、本発明でカバーに関し
て規定する「−30℃〜+20℃における損失正接が
0.1以下」という条件に適合しなくなるおそれがあ
る。
【0024】アイオノマー樹脂とジエン系ゴムとの混合
比は、カバーの動的粘弾性を前記範囲にできるものであ
れば、特に限定されることはないし、また使用するアイ
オノマー樹脂とジエン系ゴムの種類によっても種々に変
わり得るが、通常、アイオノマー樹脂とジエン系ゴムと
の混合比が重量比で90:10〜40:60の範囲、特
に80:20〜50:50の範囲から選択するのが好ま
しい。
【0025】上記アイオノマー樹脂とジエン系ゴムとの
混合は、ニーダー、バンバリーミキサーなどの密閉型混
合機を用いて行ってもよいし、オープンロールなどの開
放型混合機を用いて行ってもよい。また、連続的に混合
するために押出機を用いて行ってもよいし、樹脂中でゴ
ムを加硫する動的加硫と呼ばれる方法を採用して行って
もよい。
【0026】また、ガラス転移温度が低い分子単位をソ
フトセグメントする熱可塑性エラストマーとしては、ポ
リブタジエン鎖、ポリイソプレン鎖、ポリジメチルシロ
キサン鎖、ポリエーテル鎖、ポリ(ブチレン−エチレ
ン)鎖などをソフトセグメントとして有するものが挙げ
られ、その好適な具体例としては、例えば、スチレン−
ブタジエン−スチレン(SBS)系、水添スチレン−ブ
タジエン−スチレン(SEBS)系、それらのエポキシ
変性品、ポリアミド−ポリエーテル系、ポリエステル−
ポリエーテル系熱可塑性エラストマーなどが挙げられ
る。
【0027】中間層も上記動的粘弾性を持ち得ることが
できれば、その組成は特に限定的ではないが、その基材
成分として前記のアイオノマー樹脂を特にその異種金属
イオン中和タイプのものを混合して用いることが好まし
い。また、他の手段としては、後述するソリッドコアと
同様にブタジエンゴムのアクリル酸亜鉛共架橋ゴム弾性
体を中間層として用いることもできる。
【0028】上記カバーを構成するカバー用組成物や中
間層を構成する中間層用組成物の調製にあたっては、上
記それぞれの基材成分に、必要に応じて、種々の添加
剤、例えば、二酸化チタンなどの顔料、分散剤、老化防
止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などを添加することがで
きるし、さらには、必要に応じて、上記基材成分以外の
エラストマーも添加することができる。
【0029】本発明において、ソリッドコアの組成は、
上記のバネ定数が得られる限り特に限定的ではないが、
一般のソリッドコアの組成、すなわち、ブタジエンゴム
に共架橋剤としてアクリル酸亜鉛を用いて有機パーオキ
サイドで架橋したものが、前記のバネ定数が容易に得ら
れ、また耐久性も優れていることから好ましい。
【0030】つぎに、本発明のスリーピースソリッドゴ
ルフボールの一例を図面を参照しつつ説明する。図1は
本発明のスリーピースソリッドゴルフボールの一例を模
式的に示す断面図であり、図中、1はソリッドコアで、
2は中間層であり、3はカバーで、3aはディンプルで
ある。
【0031】本発明において、上記ソリッドコア1は直
径が30.7〜38.7mmであり、かつ該ソリッドコ
アを圧縮変形した時に20〜55kgf/mmというバ
ネ定数を有するものである。
【0032】上記中間層2は上記ソリッドコア1を被覆
しており、この中間層2は厚みが1〜3mmで、−30
℃〜+20℃における弾性率(E* )が5000〜20
000kgf/cm2 であり、その温度範囲における弾
性率(E* )の最小値はカバーの−30℃〜+20℃に
おける弾性率(E* )の最小値より大きく、−30℃〜
+20℃における損失正接(tanδ)が0.15以下
である。
【0033】上記カバー3は上記中間層2を被覆してお
り、このカバーは厚みが1〜3mmで、かつ−30℃〜
+20℃における弾性率(E* )が1000〜9000
kgf/cm2 で、−30℃〜+20℃における損失正
接が0.02〜0.1という動的粘弾性を有するもので
ある。そして、ディンプル3aは、必要に応じ、また所
望とする特性に合わせて、カバー3の表面に適数個設け
られるものであり、必要に応じボール表面にペイントや
マーキングが施される。
【0034】
【発明の実施の形態】つぎに、実施例をあげて本発明を
さらに詳細に説明する。ただし、本発明はそれらの実施
例のみに限定されるものではない。
【0035】実施例1〜8および比較例1〜8 つぎの〜に示す工程を経て、実施例1〜8および比
較例1〜8のスリーピースソリッドゴルフボールを作製
した。
【0036】ソリッドコアの作製 基材ゴムとしてハイシスタイプのブタジエンゴムを用
い、共架橋剤としてアクリル酸亜鉛を用い、比重調節用
充填剤として酸化亜鉛を用い、ジクミルパーオキサイド
で架橋してソリッドコアを作製した。上記架橋は160
℃、30分で行い、ソリッドコアは各実施例および比較
例で使用するのに適するように、バネ定数が17kgf
/mm、30kgf/mm、35kgf/mm、40k
gf/mm、50kgf/mm、58kgf/mmとな
るようにした。そして、そのバネ定数の調整は、主とし
てアクリル酸亜鉛の配合量によって行った。
【0037】中間層用組成物の調製 つぎに、表1〜表4に示す組成の中間層用組成物を調製
した。表1〜表4中の各成分の配合量は重量部によるも
のであり、表1〜表4中に商品名で示したものについて
は、その詳細を表4の後に示す。これらの表1〜表4中
に記載のそれぞれの中間層用組成物が対応する同一番号
の実施例および比較例のゴルフボールの中間層の形成に
用いられる。なお、上記中間層用組成物の調製は二軸押
出機により加熱混合することによって行った。
【0038】得られた中間層用組成物の−30℃〜+2
0℃の温度領域における弾性率と損失正接を測定した。
測定には(株)島津製作所製の粘弾性スペクトロメータ
DVE−200改造型を用い、各中間層用組成物から、
厚さ2mm、幅4mm、長さ30mmの短冊状の試験片
を作製し、それを用いて弾性率と損失正接の測定を行っ
た。測定条件は次の通りである。
【0039】変形モード:引張り 動歪み:0.25% 温度域:−100℃〜+70℃ 周波数:10Hz
【0040】弾性率および損失正接の測定結果を表1〜
表4に中間層用組成物の組成と共に示す。なお、弾性率
と損失正接は、両者とも、−30℃〜+20℃の温度領
域における最大値と最小値の両方について示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】※1:ハイミラン1605(商品名) 三井デュポンポリケミカル(株)製のナトリウムイオン
中和タイプのエチレン−メタクリル酸共重合体系アイオ
ノマー樹脂。 ※2:ハイミラン1706(商品名) 三井デュポンポリケミカル(株)製の亜鉛イオン中和タ
イプのエチレン−メタクリル酸共重合体系アイオノマー
樹脂。 ※3:ハイミラン1707(商品名) 三井デュポンポリケミカル(株)製のナトリウムイオン
中和タイプのエチレン−メタクリル酸共重合体系アイオ
ノマー樹脂。
【0046】カバー用組成物の調製 つぎに、表5〜表8に示す組成のカバー用組成物を調製
した。表5〜表8中の各成分の配合量は重量部によるも
のであり、表5〜表8中に商品名で示したものにで、こ
れまでにその詳細を示していないものついては、その詳
細を表8の後に示す。これらの表5〜表8中に記載のそ
れぞれのカバー用組成物が対応する同一番号の実施例お
よび比較例のゴルフボールのカバーの形成に用いられ
る。なお、上記カバー用組成物の調製は二軸押出機によ
り加熱混合することによって行った。
【0047】得られたカバー用組成物の−30℃〜+2
0℃の温度領域における弾性率と損失正接を前記中間層
用組成物と同様に測定した。それらの測定結果を表5〜
表8にカバー用組成物の組成と共に示す。なお、弾性率
と損失正接は、両者とも、−30℃〜+20℃の温度領
域における最大値と最小値の両方について示す。
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】
【表7】
【0051】
【表8】
【0052】※4:サーリンAD8511(商品名) デュポン社製の亜鉛イオン中和タイプのエチレン−メタ
クリル酸共重合体系アイオノマー樹脂 ※5:サーリンAD8512(商品名) デュポン社製のナトリウムイオン中和タイプのエチレン
−メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂 ※6:エスプレン501(商品名) 住友化学工業(株)製のエチレンプロピレンジエンゴム
【0053】※7:タッキロール(商品名) 住友化学工業(株)製のフェノール系樹脂(樹脂架橋
剤) ※8:ハイミラン1855(商品名) 三井デュポンポリケミカル(株)製の亜鉛イオン中和タ
イプのエチレン−ブチルアクリレート−メタクリル酸三
元共重合体系アイオノマー樹脂。
【0054】スリーピースソリッドゴルフボールの作
製 前記のソリッドコアにの中間層用組成物をインジェ
クション成形法で被覆して中間層を形成し、さらにその
中間層に上記のカバー用組成物をインジェクション成
形法で被覆してカバーを形成し、それをシームバフ、ペ
イント前処理した後、ペイントを2層塗装し、かつマー
クを施して、外径42.7mmのスリーピースソリッド
ゴルフボールを作製した。
【0055】得られたスリーピースソリッドゴルフボー
ルについて、ボール重量、飛距離およびスピン量を測定
し、また、実打テストによりコントロール性、打球感お
よび飛びを調べた。表9〜表12にこれら実施例1〜8
および比較例1〜8のスリーピースソリッドゴルフボー
ルのカバーおよび中間層の厚み、弾性率、損失正接なら
びにソリッドコアの直径、バネ定数を示す。そして、上
記ボール物性の測定結果を表13〜表16に示す。な
お、上記ソリッドコアのバネ定数は変位荷重試験機を用
い、ソリッドコアを1mmおよび3mm圧縮変形し、そ
れぞれの圧縮変形時の荷重を測定し、その傾きに基づい
て求めたものである。
【0056】上記飛距離の測定は、ツルーテンパー社製
スイングロボットにウッド1番クラブを取り付け、ヘッ
ドスピード45m/sでボールを打ち出し、落下点まで
の距離を測定することによって行い、スピン量の測定
は、ツルーテンパー社製スイングロボットにウッド1番
クラブとアイアン9番クラブを取り付け、ウッド1番ク
ラブの場合はヘッドスピード45m/sでボールを打ち
出し、アイアン9番クラブの場合はヘッドスピード35
m/sでボールを打ち出し、打ち出されたボールに付さ
れたマークを連続写真撮影することによって行った。
【0057】飛距離、スピン量とも、各ボール8個ずつ
について行い、表中には、その平均値で表示した。ま
た、表中への使用クラブの表示にあたっては、ウッド1
番クラブはW♯1で表示し、アイアン9番クラブはI♯
9で表示した。
【0058】実打テストは、ハンディキャップ0〜15
のトップアマチュア20名により、コントロール性はア
イアンクラブで、打球感と飛びはウッドクラブでボール
を打球することによって行った。その評価結果を下記に
示す評価基準により表示した。なお、コントロール性、
打球感、飛びの評価基準はいずれも同じであり、また、
表中への評価結果の表示にあたっては、同一の記号で表
示するが、その場合は16名以上がその評価を下したこ
とを示している。
【0059】評価基準: ◎:優れている ○:良い △:普通 ×:悪い ××:非常に悪い
【0060】
【表9】
【0061】
【表10】
【0062】
【表11】
【0063】
【表12】
【0064】
【表13】
【0065】
【表14】
【0066】
【表15】
【0067】
【表16】
【0068】表9〜表10および表13〜表14に示す
ように、カバーの厚みが1〜3mmの範囲内で、弾性率
が1000〜9000kgf/cm2 の範囲内で、かつ
損失正接が0.02〜0.1の範囲内にあり、中間層の
厚みが1〜3mmの範囲内で、弾性率が5000〜20
000kgf/cm2 の範囲内で、上記弾性率の最小値
がカバーの弾性率の最小値より大きく、かつ損失正接が
0.15以下であり、ソリッドコアの直径が30.7〜
38.7mmの範囲内で、バネ定数が20〜55kgf
/cm2 の範囲内にある実施例1〜8は、飛距離が大き
く、かつコントロール性、打球感が良好であった。
【0069】これに対して、表11に示すように、比較
例1はソリッドコアのバネ定数が本発明で規定する範囲
より小さく、比較例2はソリッドコアのバネ定数が本発
明で規定する範囲より大きく、比較例3はカバーおよび
中間層の厚みが本発明で規定する範囲より薄く、かつソ
リッドコアの直径が本発明で規定する範囲より大きく、
比較例4はカバーおよび中間層の厚みが本発明で規定す
る範囲より厚く、かつソリッドコアの直径が本発明で規
定する範囲より小さいため、表15に示すように、それ
ぞれ飛距離が小さくなったり、コントロール性や打球感
が悪くなっていた。
【0070】また、比較例5や比較例6はカバーの基材
成分として硬質のアイオノマー樹脂のみを用いているの
で、表12に示すように、カバーの弾性率の最大値が本
発明で規定する範囲より大きく、そのため、表16に示
すように、飛距離は大きいものの、コントロール性や打
球感が悪く、比較例7はカバーの基材成分として軟質の
アイオノマー樹脂のみを用い、比較例8はカバーの基材
成分として軟質のアイオノマー樹脂を多量に用いている
ので、表12に示すように、カバーの損失正接の最大値
が本発明で規定する範囲より大きく、そのため、反発性
能が低下して、表16に示すように、飛距離が小さく、
また打球感が重くなっていた。
【0071】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明では、飛
距離が大きく、かつコントロール性や打球感が良好なス
リーピースソリッドゴルフボールを提供することができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスリーピースソリッドゴルフボー
ルの一例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 ソリッドコア 2 中間層 3 カバー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソリッドコアと中間層とカバーとからな
    るスリーピースソリッドゴルフボールにおいて、上記カ
    バーと中間層とソリッドコアとがそれぞれ次の材料物性
    と構造特性を有することを特徴とするスリーピースソリ
    ッドゴルフボールカバー: 厚み:1〜3mm 動的粘弾性:−30℃〜+20℃の弾性率(E* )が1
    000〜9000kgf/cm2 であり、かつ、−30
    ℃〜+20℃の損失正接(tanδ)が0.02〜0.
    1である。中間層: 厚み:1〜3mm 動的粘弾性:−30℃〜+20℃の弾性率(E* )が5
    000〜20000kgf/cm2 であり、その温度範
    囲における弾性率(E* )の最小値が上記カバーの−3
    0℃〜+20℃における弾性率(E* )の最小値よりも
    大きく、かつ、−30℃〜+20℃の損失正接(tan
    δ)が0.15以下である。ソリッドコア: 直径が30.7〜38.7mmであり、
    かつ、該ソリッドコアを圧縮変形した時のバネ定数(変
    位に対する荷重の比)が20〜55kgf/mmであ
    る。
  2. 【請求項2】 カバーの基材成分がアイオノマー樹脂と
    ジエン系ゴムとの混合物からなり、中間層の基材成分が
    アイオノマー樹脂からなる請求項1記載のソリッドゴル
    フボール。
  3. 【請求項3】 ソリッドコアがブタジエンゴム、アクリ
    ル酸亜鉛および有機パーオキサイドを必須成分とする架
    橋弾性体からなる請求項1記載のスリーピースソリッド
    ゴルフボール。
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