JPH09220297A - スリーピースソリッドゴルフボール - Google Patents
スリーピースソリッドゴルフボールInfo
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- JPH09220297A JPH09220297A JP8053826A JP5382696A JPH09220297A JP H09220297 A JPH09220297 A JP H09220297A JP 8053826 A JP8053826 A JP 8053826A JP 5382696 A JP5382696 A JP 5382696A JP H09220297 A JPH09220297 A JP H09220297A
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Abstract
ール性が良好なスリーピースソリッドゴルフボールを提
供する。 【解決手段】 ソリッドコアと中間層とカバーとからな
るスリーピースソリッドゴルフボールにおいて、カバー
を厚みが1〜3mmで、かつ、−30℃〜+20℃の弾
性率が1000〜9000kgf/cm2 で、損失正接
が0.02〜0.1になるようにし、中間層を厚みが1
〜3mmで、かつ、−30℃〜+20℃の弾性率が50
00〜20000kgf/cm2 で、上記温度範囲にお
ける弾性率の最小値がカバーの−30℃〜+20℃にお
ける弾性率の最小値よりも大きく、損失正接が0.15
以下になるようにし、ソリッドコアを直径が30.7〜
38.7mmで、かつ、圧縮変形した時のバネ定数(変
位に対する荷重の比)が20〜55kgf/mmになる
ようにする。
Description
ッドゴルフボールに関し、さらに詳しくは、飛距離が大
きく、かつ打球感(打球時のフィーリング)およびコン
トロール性が良好なスリーピースソリッドゴルフボール
に関する。
などのソリッドゴルフボールは、飛距離が大きいことか
らゴルファーに好まれてきた。しかし、ツーピースソリ
ッドゴルフボールはカバーに硬質の樹脂を用いているた
め、飛距離は出るものの、打球感が悪く、またスピンが
かかりにくくてコントロール性が悪いという問題があっ
た。
平1−308577号公報に見られるごとく、カバーに
軟質のアイオノマー樹脂を用いるなど、材料面からの検
討がなされてきたが、いまだ不充分であって、打球感、
コントロール性と飛距離のバランスのとれたソリッドゴ
ルフボールは得られていない。
ルフボールにおいて、その大きな飛距離を維持しなが
ら、打球感とコントロール性の向上を達成することを目
的とする。
を解決するため、従来の材料面からの検討だけではな
く、ソリッドゴルフボールの構造特性にも着目して検討
した結果、カバーとソリッドコアとの間に中間層を設け
てスリーピース構造にし、それぞれの部材において特定
の材料物性と構造特性を組み合わせることによって、大
きな飛距離と打球感やコントロール性とを両立できるこ
とを見出し、本発明を完成するにいたった。
で、−30℃〜+20℃の弾性率(E* )が1000〜
9000kgf/cm2 で、−30℃〜+20℃の損失
正接(tanδ)が0.02〜0.1のカバーと、厚み
が1〜3mmで、−30℃〜+20℃の弾性率(E* )
が5000〜20000kgf/cm2 で、その温度範
囲における弾性率(E* )の最小値が同じ温度範囲にお
けるカバーの弾性率(E* )の最小値より大きく、−3
0℃〜+20℃の損失正接(tanδ)が0.15以下
の中間層と、直径が30.7〜38.7mmであり、か
つ圧縮変形した時のバネ定数(変位に対する荷重の比)
が20〜55kgf/mmであるソリッドコアとからな
るスリーピースソリッドゴルフボールである。
δ)、弾性率(E* )、厚み、中間層の損失正接、弾性
率、厚み、ソリッドコアのバネ定数、直径の順にそれら
の持つ意義について詳細に説明する。
て使用した「損失正接」は、動的粘弾性の測定から得ら
れる値であり、この損失正接が低いほど反発性能が高く
なる。すなわち、損失正接(tanδ)が小さい場合
は、エネルギーロスが少なく、ゴルフボールの場合に
は、与えられたエネルギーの大部分を運動エネルギーに
変えることができるので、反発性能が高くなり、飛距離
が大きくなる。
20℃における損失正接(tanδ)が0.02〜0.
1であることを必要としているが、これは損失正接が上
記範囲内にあるときは、高反発性能であり、かつ、加工
性の良さなどを保ち得るからである。すなわち、上記損
失正接が0.02より小さい場合は、反発性能は良くな
るが、加工性などが悪くなり、また打球感も悪くなる。
そして、上記損失正接が0.1より大きい場合は、ボー
ルの反発性能が低下し、飛距離が低下する。
−30℃〜+20℃における弾性率(E* )も特定す
る。この弾性率も動的粘弾性の測定から得られるもので
あり、本発明においては、前記のように、−30℃〜+
20℃における弾性率(E* )が1000〜9000k
gf/cm2 であることが必要であり、特に2000〜
8000kgf/cm2 であることが好ましいが、これ
は弾性率(E* )が上記範囲内にあるときは、適度な硬
さで、良好なコントロール性と打球感を保持できるから
である。すなわち、上記温度領域での弾性率が1000
kg/cm2 より低い場合は、スピンがかかりすぎて飛
距離が低下するとともに、軟らかくなりすぎてカバーの
表面が傷付きやすくなり、そのため耐久性が低下し、ま
た、打球感も軟らかすぎて重くなり、悪化する。そし
て、上記温度領域での弾性率が9000kgf/cm2
より高くなると、反発性能は高くなるが、打球感が硬く
なるとともに、コントロール性が低下し、また、脆くな
ってしまうため、耐久性が悪くなる。
特定する温度領域を−30℃〜+20℃にしているの
は、その温度領域での損失正接や弾性率と反発性能との
相関性が深いからである。また、上記カバーや後に詳述
する中間層の損失正接や弾性率の測定は、カバー用組成
物や中間層用組成物から厚さ2mm、幅4mm、長さ3
0mmの短冊状の試験片を作製し、測定機器には例えば
(株)島津製作所の粘弾性スペクトロメータDVE−2
00改造型を用い、変形モード:引張り、動歪み:0.
25%、温度域:−100℃〜+70℃、周波数:10
Hzの条件下で動的損失正接と動的弾性率の温度分散を
測定することによって行われる。
を1〜3mmにする。カバーの厚みが3mmより厚くな
ると、たとえ好適なカバー材料を用いたとしても、反発
弾性が低下して飛距離が低下し、また打球感が悪くな
り、逆にカバーの厚みが1mmより薄くなると、耐久性
が悪くなり、実用に耐えなくなる。
反発性能を高め、またソリッドコアの過度の変形を抑え
てスピンをコントロールする目的で設けられる。本発明
において、この中間層は、厚みが1〜3mmで、かつ、
その動的粘弾性として、−30℃〜+20℃の弾性率
(E* )が5000〜20000kgf/cm2 で、そ
の温度範囲における弾性率(E* )の最小値が前記カバ
ーの30℃〜+20℃における弾性率(E* )の最小値
より大きく、−30℃〜+20℃の損失正接(tan
δ)が0.15以下であることが必要である。
0.15より大きくなると、良好な反発性能が期待でき
ない。この中間層の損失正接は、反発性能面からは小さ
くてもよいが、小さくなりすぎると加工性が低下するの
で、0.01(ただし、−30℃〜+20℃での損失正
接)以上であることが好ましい。
率が20000kgf/cm2 より高くなると、ボール
が硬くなりすぎて打球感が悪くなり、中間層の−30℃
〜+20℃の弾性率が5000kgf/cm2 より低く
なると、反発性能が低下して、飛距離が低下する。さら
に、この中間層の−30℃〜+20℃における弾性率の
最小値はカバーの−30℃〜+20℃における弾性率の
最小値より大きいことが必要である。これは、その逆に
なると、カバーより中間層の方が軟らかくなって、所望
とするコントロール性(スピン性能)が得られなくなる
ためである。
の厚みを1〜3mmにするが、これは中間層の厚みが3
mmより厚くなると、ボールが硬くなりすぎて打球感が
悪くなり、逆に中間層の厚みが1mmより薄くなると、
反発性能が低下して、飛距離が低下するからである。
層と組み合わせて使用するソリッドコアは、スピンのか
かりやすさと適正な反発性能を得るために、そのバネ定
数(変位に対する荷重の比=荷重/変位)が20〜55
kgf/mmであることが必要であり、特に22〜50
kgf/mmであることが好ましい。
さい場合は、反発性能が低く、そのため飛距離が低下
し、逆に上記範囲より大きくなると、硬すぎて打球時の
変形量が小さくなり、スピンがかかりにくくなってコン
トロール性が悪くなる。
定数は、変位荷重試験機を用い、1mm圧縮変形時の荷
重と3mm圧縮変形時の荷重を記録し、その傾きから求
めたものである。
径を30.7〜38.7mmにする。これは、ボールの
外径をR&Aで規定しているゴルフボールの外径の下限
値:42.7mmとして、前記のようにカバーの厚みを
1〜3mmにし、かつ中間層の厚みを1〜3mmにした
ことに基づいている。ソリッドコアの直径が30.7m
mより小さくなると、カバーまたは中間層、あるいはそ
れらの両者が厚くなり、それに応じて前記のような不都
合が生じ、またソリッドコアの直径が38.7mmより
大きくなると、カバーまたは中間層、あるいはそれらの
両者が薄くなり、それに応じて前記のような不都合が生
じることになる。
主要材料について説明する。カバーが前記の動的粘弾性
を持ち得るようにするには、たとえば、その基材成分と
してアイオノマー樹脂とジエン系ゴムとの混合物を用い
るか、またはガラス転移温度が低い分子単位をソフトセ
グメントとする熱可塑性エラストマーを単独でまたはア
イオノマー樹脂と混合して用いることが好ましい。
三井デュポンポリケミカル(株)製のハイミラン160
5(商品名、ナトリウムイオン中和タイプのエチレン−
メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂)、ハイミラ
ン1707(商品名、ナトリウムイオン中和タイプのエ
チレン−メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂)、
ハイミラン1706(商品名、亜鉛イオン中和タイプの
エチレン−メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹
脂)、ハイミランAM7315(商品名、亜鉛イオン中
和タイプのエチレン−メタクリル酸共重合体系アイオノ
マー樹脂)、ハイミランAM7317(商品名、亜鉛イ
オン中和タイプのエチレン−メタクリル酸共重合体系ア
イオノマー樹脂)、ハイミラン1555(商品名、ナト
リウムイオン中和タイプのエチレン−メタクリル酸共重
合体系アイオノマー樹脂)、ハイミラン1557(商品
名、亜鉛イオン中和タイプのエチレン−メタクリル酸共
重合体系アイオノマー樹脂)、ハイミラン1855(商
品名、亜鉛イオン中和タイプのエチレン−ブチルアクリ
レート−メタクリル酸三元共重合体系アイオノマー樹
脂)、ハイミラン1856(商品名、ナトリウムイオン
中和タイプのエチレン−ブチルアクリレート−メタクリ
ル酸三元共重合体系アイオノマー樹脂)、エクソン化学
社製のアイオテック7010(商品名、亜鉛イオン中和
タイプのエチレン−アクリル酸共重合体系アイオノマー
樹脂)、アイオテック8000(商品名、ナトリウムイ
オン中和タイプのエチレン−アクリル酸共重合体系アイ
オノマー樹脂)、デュポン社製のサーリン7930(商
品名、リチウムイオン中和タイプのエチレン−メタクリ
ル酸共重合体系アイオノマー樹脂)、サーリンAD85
11(商品名、亜鉛イオン中和タイプのエチレン−メタ
クリル酸共重合体系アイオノマー樹脂)、サーリンAD
8512(商品名、ナトリウムイオン中和タイプのエチ
レン−メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂)など
が挙げられるが、これらに限定されることはない。
ゴムとしては、例えば、エチレンプロピレンジエンゴム
(EPDM)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴ
ム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アク
リロニトリルブタジエンゴム(NBR)などが挙げられ
るが、それらの中でもガラス転移温度が−30℃以下の
ものが適している。すなわち、ガラス転移温度では、損
失正接(tanδ)の値が極大となるため、ガラス転移
温度が−30℃より高い場合は、本発明でカバーに関し
て規定する「−30℃〜+20℃における損失正接が
0.1以下」という条件に適合しなくなるおそれがあ
る。
比は、カバーの動的粘弾性を前記範囲にできるものであ
れば、特に限定されることはないし、また使用するアイ
オノマー樹脂とジエン系ゴムの種類によっても種々に変
わり得るが、通常、アイオノマー樹脂とジエン系ゴムと
の混合比が重量比で90:10〜40:60の範囲、特
に80:20〜50:50の範囲から選択するのが好ま
しい。
混合は、ニーダー、バンバリーミキサーなどの密閉型混
合機を用いて行ってもよいし、オープンロールなどの開
放型混合機を用いて行ってもよい。また、連続的に混合
するために押出機を用いて行ってもよいし、樹脂中でゴ
ムを加硫する動的加硫と呼ばれる方法を採用して行って
もよい。
フトセグメントする熱可塑性エラストマーとしては、ポ
リブタジエン鎖、ポリイソプレン鎖、ポリジメチルシロ
キサン鎖、ポリエーテル鎖、ポリ(ブチレン−エチレ
ン)鎖などをソフトセグメントとして有するものが挙げ
られ、その好適な具体例としては、例えば、スチレン−
ブタジエン−スチレン(SBS)系、水添スチレン−ブ
タジエン−スチレン(SEBS)系、それらのエポキシ
変性品、ポリアミド−ポリエーテル系、ポリエステル−
ポリエーテル系熱可塑性エラストマーなどが挙げられ
る。
できれば、その組成は特に限定的ではないが、その基材
成分として前記のアイオノマー樹脂を特にその異種金属
イオン中和タイプのものを混合して用いることが好まし
い。また、他の手段としては、後述するソリッドコアと
同様にブタジエンゴムのアクリル酸亜鉛共架橋ゴム弾性
体を中間層として用いることもできる。
間層を構成する中間層用組成物の調製にあたっては、上
記それぞれの基材成分に、必要に応じて、種々の添加
剤、例えば、二酸化チタンなどの顔料、分散剤、老化防
止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などを添加することがで
きるし、さらには、必要に応じて、上記基材成分以外の
エラストマーも添加することができる。
上記のバネ定数が得られる限り特に限定的ではないが、
一般のソリッドコアの組成、すなわち、ブタジエンゴム
に共架橋剤としてアクリル酸亜鉛を用いて有機パーオキ
サイドで架橋したものが、前記のバネ定数が容易に得ら
れ、また耐久性も優れていることから好ましい。
ルフボールの一例を図面を参照しつつ説明する。図1は
本発明のスリーピースソリッドゴルフボールの一例を模
式的に示す断面図であり、図中、1はソリッドコアで、
2は中間層であり、3はカバーで、3aはディンプルで
ある。
径が30.7〜38.7mmであり、かつ該ソリッドコ
アを圧縮変形した時に20〜55kgf/mmというバ
ネ定数を有するものである。
しており、この中間層2は厚みが1〜3mmで、−30
℃〜+20℃における弾性率(E* )が5000〜20
000kgf/cm2 であり、その温度範囲における弾
性率(E* )の最小値はカバーの−30℃〜+20℃に
おける弾性率(E* )の最小値より大きく、−30℃〜
+20℃における損失正接(tanδ)が0.15以下
である。
り、このカバーは厚みが1〜3mmで、かつ−30℃〜
+20℃における弾性率(E* )が1000〜9000
kgf/cm2 で、−30℃〜+20℃における損失正
接が0.02〜0.1という動的粘弾性を有するもので
ある。そして、ディンプル3aは、必要に応じ、また所
望とする特性に合わせて、カバー3の表面に適数個設け
られるものであり、必要に応じボール表面にペイントや
マーキングが施される。
さらに詳細に説明する。ただし、本発明はそれらの実施
例のみに限定されるものではない。
較例1〜8のスリーピースソリッドゴルフボールを作製
した。
い、共架橋剤としてアクリル酸亜鉛を用い、比重調節用
充填剤として酸化亜鉛を用い、ジクミルパーオキサイド
で架橋してソリッドコアを作製した。上記架橋は160
℃、30分で行い、ソリッドコアは各実施例および比較
例で使用するのに適するように、バネ定数が17kgf
/mm、30kgf/mm、35kgf/mm、40k
gf/mm、50kgf/mm、58kgf/mmとな
るようにした。そして、そのバネ定数の調整は、主とし
てアクリル酸亜鉛の配合量によって行った。
した。表1〜表4中の各成分の配合量は重量部によるも
のであり、表1〜表4中に商品名で示したものについて
は、その詳細を表4の後に示す。これらの表1〜表4中
に記載のそれぞれの中間層用組成物が対応する同一番号
の実施例および比較例のゴルフボールの中間層の形成に
用いられる。なお、上記中間層用組成物の調製は二軸押
出機により加熱混合することによって行った。
0℃の温度領域における弾性率と損失正接を測定した。
測定には(株)島津製作所製の粘弾性スペクトロメータ
DVE−200改造型を用い、各中間層用組成物から、
厚さ2mm、幅4mm、長さ30mmの短冊状の試験片
を作製し、それを用いて弾性率と損失正接の測定を行っ
た。測定条件は次の通りである。
表4に中間層用組成物の組成と共に示す。なお、弾性率
と損失正接は、両者とも、−30℃〜+20℃の温度領
域における最大値と最小値の両方について示す。
中和タイプのエチレン−メタクリル酸共重合体系アイオ
ノマー樹脂。 ※2:ハイミラン1706(商品名) 三井デュポンポリケミカル(株)製の亜鉛イオン中和タ
イプのエチレン−メタクリル酸共重合体系アイオノマー
樹脂。 ※3:ハイミラン1707(商品名) 三井デュポンポリケミカル(株)製のナトリウムイオン
中和タイプのエチレン−メタクリル酸共重合体系アイオ
ノマー樹脂。
した。表5〜表8中の各成分の配合量は重量部によるも
のであり、表5〜表8中に商品名で示したものにで、こ
れまでにその詳細を示していないものついては、その詳
細を表8の後に示す。これらの表5〜表8中に記載のそ
れぞれのカバー用組成物が対応する同一番号の実施例お
よび比較例のゴルフボールのカバーの形成に用いられ
る。なお、上記カバー用組成物の調製は二軸押出機によ
り加熱混合することによって行った。
0℃の温度領域における弾性率と損失正接を前記中間層
用組成物と同様に測定した。それらの測定結果を表5〜
表8にカバー用組成物の組成と共に示す。なお、弾性率
と損失正接は、両者とも、−30℃〜+20℃の温度領
域における最大値と最小値の両方について示す。
クリル酸共重合体系アイオノマー樹脂 ※5:サーリンAD8512(商品名) デュポン社製のナトリウムイオン中和タイプのエチレン
−メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂 ※6:エスプレン501(商品名) 住友化学工業(株)製のエチレンプロピレンジエンゴム
剤) ※8:ハイミラン1855(商品名) 三井デュポンポリケミカル(株)製の亜鉛イオン中和タ
イプのエチレン−ブチルアクリレート−メタクリル酸三
元共重合体系アイオノマー樹脂。
製 前記のソリッドコアにの中間層用組成物をインジェ
クション成形法で被覆して中間層を形成し、さらにその
中間層に上記のカバー用組成物をインジェクション成
形法で被覆してカバーを形成し、それをシームバフ、ペ
イント前処理した後、ペイントを2層塗装し、かつマー
クを施して、外径42.7mmのスリーピースソリッド
ゴルフボールを作製した。
ルについて、ボール重量、飛距離およびスピン量を測定
し、また、実打テストによりコントロール性、打球感お
よび飛びを調べた。表9〜表12にこれら実施例1〜8
および比較例1〜8のスリーピースソリッドゴルフボー
ルのカバーおよび中間層の厚み、弾性率、損失正接なら
びにソリッドコアの直径、バネ定数を示す。そして、上
記ボール物性の測定結果を表13〜表16に示す。な
お、上記ソリッドコアのバネ定数は変位荷重試験機を用
い、ソリッドコアを1mmおよび3mm圧縮変形し、そ
れぞれの圧縮変形時の荷重を測定し、その傾きに基づい
て求めたものである。
スイングロボットにウッド1番クラブを取り付け、ヘッ
ドスピード45m/sでボールを打ち出し、落下点まで
の距離を測定することによって行い、スピン量の測定
は、ツルーテンパー社製スイングロボットにウッド1番
クラブとアイアン9番クラブを取り付け、ウッド1番ク
ラブの場合はヘッドスピード45m/sでボールを打ち
出し、アイアン9番クラブの場合はヘッドスピード35
m/sでボールを打ち出し、打ち出されたボールに付さ
れたマークを連続写真撮影することによって行った。
について行い、表中には、その平均値で表示した。ま
た、表中への使用クラブの表示にあたっては、ウッド1
番クラブはW♯1で表示し、アイアン9番クラブはI♯
9で表示した。
のトップアマチュア20名により、コントロール性はア
イアンクラブで、打球感と飛びはウッドクラブでボール
を打球することによって行った。その評価結果を下記に
示す評価基準により表示した。なお、コントロール性、
打球感、飛びの評価基準はいずれも同じであり、また、
表中への評価結果の表示にあたっては、同一の記号で表
示するが、その場合は16名以上がその評価を下したこ
とを示している。
ように、カバーの厚みが1〜3mmの範囲内で、弾性率
が1000〜9000kgf/cm2 の範囲内で、かつ
損失正接が0.02〜0.1の範囲内にあり、中間層の
厚みが1〜3mmの範囲内で、弾性率が5000〜20
000kgf/cm2 の範囲内で、上記弾性率の最小値
がカバーの弾性率の最小値より大きく、かつ損失正接が
0.15以下であり、ソリッドコアの直径が30.7〜
38.7mmの範囲内で、バネ定数が20〜55kgf
/cm2 の範囲内にある実施例1〜8は、飛距離が大き
く、かつコントロール性、打球感が良好であった。
例1はソリッドコアのバネ定数が本発明で規定する範囲
より小さく、比較例2はソリッドコアのバネ定数が本発
明で規定する範囲より大きく、比較例3はカバーおよび
中間層の厚みが本発明で規定する範囲より薄く、かつソ
リッドコアの直径が本発明で規定する範囲より大きく、
比較例4はカバーおよび中間層の厚みが本発明で規定す
る範囲より厚く、かつソリッドコアの直径が本発明で規
定する範囲より小さいため、表15に示すように、それ
ぞれ飛距離が小さくなったり、コントロール性や打球感
が悪くなっていた。
成分として硬質のアイオノマー樹脂のみを用いているの
で、表12に示すように、カバーの弾性率の最大値が本
発明で規定する範囲より大きく、そのため、表16に示
すように、飛距離は大きいものの、コントロール性や打
球感が悪く、比較例7はカバーの基材成分として軟質の
アイオノマー樹脂のみを用い、比較例8はカバーの基材
成分として軟質のアイオノマー樹脂を多量に用いている
ので、表12に示すように、カバーの損失正接の最大値
が本発明で規定する範囲より大きく、そのため、反発性
能が低下して、表16に示すように、飛距離が小さく、
また打球感が重くなっていた。
距離が大きく、かつコントロール性や打球感が良好なス
リーピースソリッドゴルフボールを提供することができ
た。
ルの一例を模式的に示す断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 ソリッドコアと中間層とカバーとからな
るスリーピースソリッドゴルフボールにおいて、上記カ
バーと中間層とソリッドコアとがそれぞれ次の材料物性
と構造特性を有することを特徴とするスリーピースソリ
ッドゴルフボールカバー: 厚み:1〜3mm 動的粘弾性:−30℃〜+20℃の弾性率(E* )が1
000〜9000kgf/cm2 であり、かつ、−30
℃〜+20℃の損失正接(tanδ)が0.02〜0.
1である。中間層: 厚み:1〜3mm 動的粘弾性:−30℃〜+20℃の弾性率(E* )が5
000〜20000kgf/cm2 であり、その温度範
囲における弾性率(E* )の最小値が上記カバーの−3
0℃〜+20℃における弾性率(E* )の最小値よりも
大きく、かつ、−30℃〜+20℃の損失正接(tan
δ)が0.15以下である。ソリッドコア: 直径が30.7〜38.7mmであり、
かつ、該ソリッドコアを圧縮変形した時のバネ定数(変
位に対する荷重の比)が20〜55kgf/mmであ
る。 - 【請求項2】 カバーの基材成分がアイオノマー樹脂と
ジエン系ゴムとの混合物からなり、中間層の基材成分が
アイオノマー樹脂からなる請求項1記載のソリッドゴル
フボール。 - 【請求項3】 ソリッドコアがブタジエンゴム、アクリ
ル酸亜鉛および有機パーオキサイドを必須成分とする架
橋弾性体からなる請求項1記載のスリーピースソリッド
ゴルフボール。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8053826A JPH09220297A (ja) | 1996-02-16 | 1996-02-16 | スリーピースソリッドゴルフボール |
US08/785,509 US5833552A (en) | 1996-01-18 | 1997-01-17 | Golf ball |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8053826A JPH09220297A (ja) | 1996-02-16 | 1996-02-16 | スリーピースソリッドゴルフボール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09220297A true JPH09220297A (ja) | 1997-08-26 |
Family
ID=12953609
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP8053826A Pending JPH09220297A (ja) | 1996-01-18 | 1996-02-16 | スリーピースソリッドゴルフボール |
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JP (1) | JPH09220297A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6575850B1 (en) * | 1999-08-31 | 2003-06-10 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Golf ball |
JP2006218049A (ja) * | 2005-02-09 | 2006-08-24 | Asics Corp | グラウンドゴルフ・パークゴルフ用のボール |
JP2010119837A (ja) * | 2008-11-18 | 2010-06-03 | Bridgestone Sports Co Ltd | ゴルフボール用材料、ゴルフボール、及びゴルフボール用材料の製造方法 |
JP2018089099A (ja) * | 2016-12-02 | 2018-06-14 | ブリヂストンスポーツ株式会社 | マルチピースソリッドゴルフボール |
-
1996
- 1996-02-16 JP JP8053826A patent/JPH09220297A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6575850B1 (en) * | 1999-08-31 | 2003-06-10 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Golf ball |
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JP4498164B2 (ja) * | 2005-02-09 | 2010-07-07 | 株式会社アシックス | グラウンドゴルフ・パークゴルフ用のボール |
JP2010119837A (ja) * | 2008-11-18 | 2010-06-03 | Bridgestone Sports Co Ltd | ゴルフボール用材料、ゴルフボール、及びゴルフボール用材料の製造方法 |
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