JPH09220298A - スリーピースソリッドゴルフボール - Google Patents
スリーピースソリッドゴルフボールInfo
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- JPH09220298A JPH09220298A JP8053827A JP5382796A JPH09220298A JP H09220298 A JPH09220298 A JP H09220298A JP 8053827 A JP8053827 A JP 8053827A JP 5382796 A JP5382796 A JP 5382796A JP H09220298 A JPH09220298 A JP H09220298A
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- intermediate layer
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Abstract
なスリーピースソリッドゴルフボールを提供する。 【解決手段】 ソリッドコアと中間層とカバーとからな
るスリーピースソリッドゴルフボールにおいて、カバー
を厚みが1〜3mmで、かつ、−30℃〜+20℃の弾
性率が5000〜20000kgf/cm2 で、損失正
接が0.15以下になるようにし、中間層を厚みが1〜
3mmで、かつ、−30℃〜+20℃の弾性率が100
0〜9000kgf/cm2 で、上記温度範囲における
弾性率の最小値がカバーの−30℃〜+20℃における
弾性率の最小値より小さく、損失正接が0.02〜0.
1になるようにし、ソリッドコアを直径が30.7〜3
8.7mmで、かつ、圧縮変形した時のバネ定数(変移
に対する荷重の比)が15〜50kgf/mmになるよ
うにする。
Description
ッドゴルフボールに関し、さらに詳しくは、従来のツー
ピースソリッドゴルフボールよりも飛距離を増大させ、
しかも打球感(打球時のフィーリング)がソフトで良好
なスリーピースソリッドゴルフボールに関する。
などのソリッドゴルフボールは、飛距離が大きいことか
らゴルファーに好まれてきた。しかし、ツーピースソリ
ッドゴルフボールはカバーに硬質のアイオノマー樹脂を
用いているため、飛距離は出るものの、打球感が硬くて
悪いという問題があった。
飛距離は、反発性能が高いこと以外にも適度なスピン生
成と高打出角を持つことに依存する部分が大きいが、こ
の特性をさらに押し進めて飛距離をさらに大きくするこ
とが期待されている。
ルフボールの飛距離をさらに向上させ、しかもソフトで
良好な打球感を有するソリッドゴルフボールを提供する
ことを目的とする。
を解決するため、ソリッドゴルフボールの構造特性と新
しい材料物性に着目して検討した結果、カバーとソリッ
ドコアとの間に中間層を設けてスリーピース構造にし、
かつ、それぞれの部材において特定の材料物性と構造特
性を組み合わせることによって、飛距離を従来のツーピ
ースソリッドゴルフボールより増大させ、しかもソフト
で良好な打球感を有するスリーピースソリッドゴルフボ
ールが得られることを見出し、本発明を完成するにいた
った。
で、かつ−30℃〜+20℃の弾性率(E* )が500
0〜20000kgf/cm2 で、−30℃〜+20℃
の損失正接(tanδ)が0.15以下のカバーと、厚
みが1〜3mmで、−30℃〜+20℃の弾性率
(E* )が1000〜9000kgf/cm2 で、その
温度範囲における弾性率(E* )の最小値が同じ温度範
囲におけるカバーの弾性率(E* )の最小値より小さ
く、−30℃〜+20℃の損失正接(tanδ)が0.
02〜0.1の中間層と、直径が30.7〜38.7m
mであり、かつ圧縮変形した時のバネ定数(変位に対す
る荷重の比)が15〜50kgf/mmであるソリッド
コアからなるスリーピースソリッドゴルフボールであ
る。
損失正接(tanδ)、厚み、中間層の弾性率、損失正
接、厚み、ソリッドコアのバネ定数、直径の順にそれら
の持つ意義について詳細に説明する。
しての作用以外に高反発性能を生み出す作用を担ってい
る。そして、本発明において、上記カバーの特定に関し
て使用した「弾性率」は、動的粘弾性の測定から得られ
る値であり、この弾性率が大きいほど反発性能が高くな
る。
〜+20℃における弾性率(E* )が5000〜200
00kgf/cm2 であることを必要としているが、こ
れは次の理由によるものである。すなわち、カバーの−
30℃〜+20℃における弾性率が5000kg/cm
2 より低い場合は、反発性能が低下して、飛距離が低下
する。また、カバーの−30℃〜+20℃の弾性率が2
0000kgf/cm2 より高くなると、ボールが硬く
なりすぎて、打球感が悪くなる。
−30℃〜+20℃における損失正接(tanδ)も特
定する。この損失正接も動的粘弾性の測定から得られる
ものであり、この損失正接が小さいほど反発性能が高く
なる。すなわち、損失正接(tanδ)が小さい場合
は、エネルギーロスが少なく、ゴルフボールの場合に
は、与えられたエネルギーの大部分を運動エネルギーに
変えることができるので、反発性能が高くなり、飛距離
が大きくなる。
20℃における損失正接(tanδ)が0.15以下で
あることを必要としているが、これは損失正接が0.1
5より大きくなると、弾性率が高くても、良好な反発性
能が期待できないからである。このカバーの損失正接
は、反発性能面からは小さくてもよいが、小さくなりす
ぎると加工性などが低下するので、0.01(ただし、
−30℃〜+20℃での損失正接)以上であることが好
ましい。
特定する温度領域を−30℃〜+20℃にしているの
は、その温度領域での損失正接や弾性率と反発性能との
相関性が深いからである。また、上記カバーや後に詳述
する中間層の損失正接や弾性率の測定は、カバー用組成
物や中間層用組成物から厚さ2mm、幅4mm、長さ3
0mmの短冊状の試験片を作製し、測定機器には例えば
(株)島津製作所の粘弾性スペクトロメータDVE−2
00改造型を用い、変形モード:引張り、動歪み:0.
25%、温度領域:−100℃〜+70℃、周波数:1
0Hzの条件下で動的損失正接と動的弾性率の温度分散
を測定することによって行われる。
を1〜3mmにする。カバーの厚みが3mmより厚くな
ると、ボールが硬くなりすぎて打球感が悪くなり、逆に
カバーの厚みが1mmより薄くなると、反発性能が低下
して飛距離が低下する。
の外側の部分の打撃による変形度を高めてソフトな打球
感とスピンの減少による飛距離の増大をもたらす目的で
設けられている。
3mmで、−30℃〜+20℃の弾性率(E* )が10
00〜9000kgf/cm2 で、かつ−30℃〜+2
0℃の損失正接(tanδ)が0.02〜0.1である
ことが必要である。
率(E* )が1000kgf/cm2 より低い場合は、
反発性能が低下して飛距離が低下し、中間層の−30℃
〜+20℃の弾性率が9000kgf/cm2 より高く
なると、ボールが硬くなり、打球感が悪くなる。また、
この中間層の−30℃〜+20℃における弾性率の最小
値はカバーの−30℃〜+20℃における弾性率の最小
値より小さいことが必要である。それによって、中間層
がカバーより軟らかくなり、所望とするスピンの減少と
ソフトな打球感が得られるようになる。
正接が0.1より大きい場合は、反発性能が低下して飛
距離が低下し、中間層の−30℃〜+20℃の損失正接
が0.02より小さい場合は、加工性が悪くなる。
を1〜3mmにする。中間層の厚みが3mmより厚い場
合は、たとえ中間層に好適な素材を用いたとしても、反
発性能が低下し、また中間層の厚みが1mmより薄い場
合は、打撃時の変形が少なくなり、スピンの減少とソフ
トな打球感が得られなくなる。
層と組み合わせて使用するソリッドコアは、スピンのか
かりやすさと適正な反発性能を得るために、そのバネ定
数(変位に対する荷重の比=荷重/変位)が15〜50
kgf/mmであることが必要であり、特に18〜45
kgf/mmであることが好ましい。
さい場合は、反発性能が低く、そのため飛距離が低下
し、また、耐久性も低下し、逆に上記範囲より大きくな
ると、硬すぎて打球感が悪くなり、スピンがかかりすぎ
て飛距離が出なくなる。
定数は、変位荷重試験機を用い、1mm圧縮変形時の荷
重と3mm圧縮変形時の荷重を記録し、その傾きから求
めたものである。
径を30.7〜38.7mmにする。これは、ボールの
外径をR&Aで規定しているゴルフボールの外径の下限
値:42.7mmとして、前記のようにカバーの厚みを
1〜3mmにし、かつ中間層の厚みを1〜3mmにした
ことに基づいている。すなわち、ソリッドコアの直径が
30.7mmより小さくなると、カバーまたは中間層、
あるいはそれらの両者が厚くなり、それに応じて前記の
ような不都合が生じ、またソリッドコアの直径が38.
7mmより大きくなると、カバーまたは中間層、あるい
はそれらの両者が薄くなり、それに応じて前記のような
不都合を生じることになる。
主要材料について説明する。カバーが前記の動的粘弾性
を持ち得るようにするには、例えば、その基材成分とし
てアイオノマー樹脂を用いることが好ましい。
三井デュポンポリケミカル(株)製のハイミラン160
5(商品名、ナトリウムイオン中和タイプのエチレン−
メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂)、ハイミラ
ン1707(商品名、ナトリウムイオン中和タイプのエ
チレン−メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂)、
ハイミラン1706(商品名、亜鉛イオン中和タイプの
エチレン−メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹
脂)、ハイミランAM7315(商品名、亜鉛イオン中
和タイプのエチレン−メタクリル酸共重合体系アイオノ
マー樹脂)、ハイミランAM7317(商品名、亜鉛イ
オン中和タイプのエチレン−メタクリル酸共重合体系ア
イオノマー樹脂)、ハイミラン1555(商品名、ナト
リウムイオン中和タイプのエチレン−メタクリル酸共重
合体系アイオノマー樹脂)、ハイミラン1557(商品
名、亜鉛イオン中和タイプのエチレン−メタクリル酸共
重合体系アイオノマー樹脂)、ハイミラン1855(商
品名、亜鉛イオン中和タイプのエチレン−ブチルアクリ
レート−メタクリル酸三元共重合体系アイオノマー樹
脂)、ハイミラン1856(商品名、ナトリウムイオン
中和タイプのエチレン−ブチルアクリレート−メタクリ
ル酸三元共重合体系アイオノマー樹脂)、エクソン化学
社製のアイオテック7010(商品名、亜鉛イオン中和
タイプのエチレン−アクリル酸共重合体系アイオノマー
樹脂)、アイオテック8000(商品名、ナトリウムイ
オン中和タイプのエチレン−アクリル酸共重合体系アイ
オノマー樹脂)、デュポン社製のサーリン7930(商
品名、リチウムイオン中和タイプのエチレン−メタクリ
ル酸共重合体系アイオノマー樹脂)、サーリンAD85
11(商品名、亜鉛イオン中和タイプのエチレン−メタ
クリル酸共重合体系アイオノマー樹脂)、サーリンAD
8512(商品名、ナトリウムイオン中和タイプのエチ
レン−メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂)など
が挙げられ、特に異種金属イオン中和タイプのものを混
合して用いることが好ましい。また、他の手段として
は、後述するソリッドコアと同様にブタジエンゴムのア
クリル酸亜鉛共架橋ゴム弾性体をカバーとして用いるこ
ともできる。ただし、それらに限定されることはない。
にするには、たとえば、その基材成分としてアイオノマ
ー樹脂とジエン系ゴムとの混合物を用いるか、またはガ
ラス転移温度が低い分子単位をソフトセグメントとする
熱可塑性エラストマーを単独でまたはアイオノマー樹脂
と混合して用いることが好ましい。
基材成分として例示したものと同様のものを使用するこ
とができ、そのアイオノマー樹脂に混合するジエン系ゴ
ムとしては、例えば、エチレンプロピレンジエンゴム
(EPDM)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴ
ム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アク
リロニトリルブタジエンゴム(NBR)などが挙げられ
るが、それらの中でもガラス転移温度が−30℃以下の
ものが適している。すなわち、ガラス転移温度では、損
失正接(tanδ)の値が極大となるため、ガラス転移
温度が−30℃より高い場合は、本発明で中間層に関し
て規定する「−30℃〜+20℃における損失正接が
0.1以下」という条件に適合しなくなるおそれがあ
る。
比は、中間層の動的粘弾性を前記範囲にできるものであ
れば特に限定されることはないし、また使用するアイオ
ノマー樹脂とジエン系ゴムの種類によっても種々に変わ
り得るが、通常、アイオノマー樹脂とジエン系ゴムとの
混合比が重量比で90:10〜40:60の範囲、特に
80:20〜50:50の範囲から選択するのが好まし
い。
混合は、ニーダー、バンバリーミキサーなどの密閉型混
合機を用いて行ってもよいし、オープンロールなどの開
放型混合機を用いて行ってもよい。また、連続的に混合
するために押出機を用いて行ってもよいし、樹脂中でゴ
ムを加硫する動的加硫と呼ばれる方法を採用して行って
もよい。
フトセグメントとする熱可塑性エラストマーとしては、
ポリブタジエン鎖、ポリイソプレン鎖、ポリジメチルシ
ロキサン鎖、ポリエーテル鎖、ポリ(ブチレン−エチレ
ン)鎖などをソフトセグメントとして有するものが挙げ
られ、その好適な具体例としては、例えば、スチレン−
ブタジエン−スチレン(SBS)系、水添スチレン−ブ
タジエン−スチレン(SEBS)系、それらのエポキシ
変性品、ポリアミド−ポリエーテル系、ポリエステル−
ポリエーテル系熱可塑性エラストマーなどが挙げられ
る。
間層を構成する中間層用組成物の調製にあたっては、上
記それぞれの基材成分に、必要に応じて、種々の添加
剤、例えば、二酸化チタンなどの顔料、分散剤、老化防
止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などを添加することがで
きるし、さらには、必要に応じて、上記基材成分以外の
エラストマーも添加することができる。
上記のバネ定数が得られる限り特に限定的ではないが、
一般のソリッドコアの組成、すなわち、ブタジエンゴム
に共架橋剤としてアクリル酸亜鉛を用いて有機パーオキ
サイドで架橋したものが、前記のバネ定数が容易に得ら
れ、また耐久性も優れていることから好ましい。
ルフボールの一例を図面を参照しつつ説明する。図1は
本発明のスリーピースソリッドゴルフボールの一例を模
式的に示す断面図であり、図中、1はソリッドコアで、
2は中間層であり、3はカバーで、3aはディンプルで
ある。
径が30.7〜38.7mmであり、かつ該ソリッドコ
アを圧縮変形した時に15〜50kgf/mmというバ
ネ定数を有するものである。
しており、この中間層2は厚みが1〜3mmで、−30
℃〜+20℃における弾性率(E* )が1000〜90
00kgf/cm2 であり、その温度範囲における弾性
率(E* )の最小値はカバーの−30℃〜+20℃にお
ける弾性率(E* )の最小値より小さく、−30℃〜+
20℃における損失正接(tanδ)が0.02〜0.
1という動的粘弾性を有するものである。
り、このカバーは厚みが1〜3mmで、かつ−30℃〜
+20℃における弾性率(E* )が5000〜2000
0kgf/cm2 で、−30℃〜+20℃における損失
正接が0.15以下であるという動的粘弾性を有するも
のである。そして、ディンプル3aは、必要に応じ、ま
た所望とする特性に合わせて、カバー3の表面に適数個
設けられるものであり、必要に応じボール表面にペイン
トや間ーキングが施される。
さらに詳細に説明する。ただし、本発明はそれらの実施
例のみに限定されるものではない。
較例1〜8のスリーピースソリッドゴルフボールを作製
した。また、本発明の実施例1〜8のスリーピースソリ
ッドゴルフボールとツーピースソリッドゴルフボールと
を比較するため、、およびの工程を経て、比較例
9〜10のツーピースソリッドゴルフボールを作製し
た。
い、共架橋剤としてアクリル酸亜鉛を用い、比重調節用
充填剤として酸化亜鉛を用い、ジクミルパーオキサイド
で架橋してソリッドコアを作製した。上記架橋は160
℃、30分で行い、ソリッドコアは各実施例および比較
例で使用するのに適するように、バネ定数が14kgf
/mm、20kgf/mm、25kgf/mm、30k
gf/mm、35kgf/mm、40kgf/mm、4
5kgf/mm、55kgf/mmとなるようにした。
そして、そのバネ定数の調整は、主としてアクリル酸亜
鉛の配合量によって行った。
した。表1〜表4中の各成分の配合量は重量部によるも
のであり、表1〜表4中に商品名で示したものについて
は、その詳細を表4の後に示す。これらの表1〜表4中
に記載のそれぞれの中間層用組成物が対応する同一番号
の実施例および比較例のゴルフボールの中間層の形成に
用いられる。なお、上記中間層用組成物の調製は二軸押
出機により加熱混合することにより行った。
0℃の温度領域における弾性率と損失正接を測定した。
測定には(株)島津製作所製の粘弾性スペクトロメータ
DVE−200改造型を用い、各中間層用組成物から、
厚さ2mm、幅4mm、長さ30mmの短冊状の試験片
を作製し、それを用いて弾性率と損失正接の測定を行っ
た。測定条件は次の通りである。
表4に中間層用組成物の組成と共に示す。なお、弾性率
と損失正接は、両者とも、−30℃〜+20℃の温度領
域における最大値と最小値の両方について示す。
クリル酸共重合体系アイオノマー樹脂 ※2:サーリンAD8512(商品名) デュポン社製のナトリウムイオン中和タイプのエチレン
−メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂 ※3:エスプレン501(商品名) 住友化学工業(株)製のエチレンプロピレンジエンゴム ※4:タッキロール(商品名) 住友化学工業(株)製のフェノール系樹脂(樹脂架橋
剤)
中和タイプのエチレン−メタクリル酸共重合体系アイオ
ノマー樹脂。 ※6:ハイミラン1706(商品名) 三井デュポンポリケミカル(株)製の亜鉛イオン中和タ
イプのエチレン−メタクリル酸共重合体系アイオノマー
樹脂。 ※7:ハイミラン1855(商品名) 三井デュポンポリケミカル(株)製の亜鉛イオン中和タ
イプのエチレン−ブチルアクリレート−メタクリル酸三
元共重合体系アイオノマー樹脂。
した。表5〜表9中の各成分の配合量は重量部によるも
のである。これらの表5〜表9中に記載のそれぞれのカ
バー用組成物が対応する実施例および比較例のゴルフボ
ールのカバーの形成に用いられる。なお、上記カバー用
組成物の調製は、二軸押出機により加熱混合することに
より行った。
0℃の温度領域における弾性率と損失正接を前記中間層
用組成物と同様に測定した。それらの測定結果を表5〜
表9にカバー用組成物の組成と共に示す。なお、弾性率
と損失正接は、両者とも、−30℃〜+20℃の温度領
域における最大値と最小値の両方について示す。
中和タイプのエチレン−メタクリル酸共重合体系アイオ
ノマー樹脂。
製 実施例1〜8および比較例1〜8においては、前記の
ソリッドコアにの中間層用組成物をインジェクション
成形法で被覆して中間層を形成し、さらにその中間層に
上記のカバー用組成物をインジェクション成形法で被
覆してカバーを形成し、それをシームバフ、ペイント前
処理した後、ペイントを2層塗装し、かつマークを施し
て、外径42.7mmのスリーピースソリッドゴルフボ
ールを作製した。そして、比較例9〜10においては、
前記のソリッドコアに上記のカバー用組成物をイン
ジェクションで被覆してカバーを形成し、以後、上記と
同様にして、外径42.7mmのツーピースソリッドゴ
ルフボールを作製した。
量、飛距離およびスピン量を測定し、また、実打テスト
によりコントロール性、打球感および飛びを調べた。表
10〜表13にこれら実施例1〜8および比較例1〜8
のスリーピースソリッドゴルフボールのカバーおよび中
間層の厚み、弾性率、損失正接ならびにソリッドコアの
直径、バネ定数を示し、表14には比較例9〜10のツ
ーピースソリッドゴルフボールのカバーの厚み、弾性
率、損失正接およびソリッドコアの直径、バネ定数を示
す。そして、上記ボール物性の測定結果を表15〜表1
9に示す。なお、上記ソリッドコアのバネ定数は変位荷
重試験機を用い、ソリッドコアを1mmおよび3mm圧
縮変形し、それぞれの圧縮変形時の荷重を測定し、その
傾きに基づいて求めたものである。
スイングロボットにウッド1番クラブを取り付け、ヘッ
ドスピード45m/sでボールを打ち出し、落下点まで
の距離を測定することによって行い、スピン量の測定
は、ツルーテンパー社製スイングロボットにウッド1番
クラブとアイアン9番クラブを取り付け、ウッド1番ク
ラブの場合はヘッドスピード45m/sでボールを打ち
出し、アイアン9番クラブの場合はヘッドスピード35
m/sでボールを打ち出し、打ち出されたボールに付さ
れたマークを連続写真撮影することによって行った。
について行い、表中には、その平均値で表示した。ま
た、表中への使用クラブの表示にあたっては、ウッド1
番クラブはW♯1で表示し、アイアン9番クラブはI♯
9で表示した。
のトップアマチュア20名により、ウッド1番クラブで
ボールを打球することによって行った。その評価結果を
下記に示す評価基準により表示した。なお、打球感、飛
びの評価基準はいずれも同じであり、また、表中への評
価結果の表示にあたっては、同一の記号で表示するが、
その場合は16名以上がその評価を下したことを示して
いる。
すように、カバーの厚みが1〜3mmの範囲内で、弾性
率が5000〜20000kgf/cm2 の範囲内で、
かつ損失正接が0.15以下で、中間層の厚みが1〜3
mmの範囲内で、弾性率が1000〜9000kgf/
cm2 の範囲内で、上記弾性率の最小値がカバーの弾性
率の最小値より小さく、かつ損失正接が0.02〜0.
1の範囲内にあり、ソリッドコアの直径が30.7〜3
8.7mmの範囲内で、バネ定数が15〜50kgf/
mmの範囲内にある実施例1〜8は、比較例9〜10の
ツーピースソリッドゴルフボールよりも飛距離が大き
く、また打球感が良好であった。
例1はソリッドコアのバネ定数が本発明で規定する範囲
より小さく、比較例2はソリッドコアのバネ定数が本発
明で規定する範囲より大きく、比較例3はカバーおよび
中間層の厚みが本発明で規定する範囲より薄く、かつソ
リッドコアの直径が本発明で規定する範囲より大きく、
比較例4はカバーおよび中間層の厚みが本発明で規定す
る範囲より厚く、かつソリッドコアの直径が本発明で規
定する範囲より小さいため、表17に示すように、それ
ぞれ飛距離が小さくなったり、打球感が悪くなってい
た。
成分として硬質のアイオノマー樹脂のみを用いているの
で、表13に示すように、中間層の弾性率の最大値が本
発明で規定する範囲より大きく、そのため、表18に示
すように、飛距離は大きいものの、打球感が悪く、比較
例7は中間層の基材成分として軟質のアイオノマー樹脂
のみを用い、また比較例8は中間層の基材成分として軟
質のアイオノマー樹脂を多量に用いているので、表13
に示すように、中間層の損失正接の最大値および弾性率
の最大値が本発明で規定する範囲より大きく、そのた
め、反発性能が低下して、表18に示すように、飛距離
が低下し、また打球感も悪くなっていた。そして、比較
例9や比較例10は、表19に示すように、ツーピース
ソリッドゴルフボールとしてはそれなりに飛距離が出て
いたが、本発明の実施例1〜8のスリーピースソリッド
ゴルフボールに比べて、飛距離が小さく、しかも打球感
が悪かった。
ーピースソリッドゴルフボールよりも飛距離が大きく、
かつ打球感がソフトで良好なスリーピースソリッドゴル
フボールを提供することができた。
ルの一例を模式的に示す断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 ソリッドコアと中間層とカバーとからな
るスリーピースソリッドゴルフボールにおいて、上記カ
バーと中間層とソリッドコアとがそれぞれ次の材料物性
と構造特性を有することを特徴とするスリーピースソリ
ッドゴルフボール。カバー: 厚み:1〜3mm 動的粘弾性:−30℃〜+20℃の弾性率(E* )が5
000〜20000kgf/cm2 であり、かつ、−3
0℃〜+20℃の損失正接(tanδ)が0.15以下
である。中間層: 厚み:1〜3mm 動的粘弾性:−30℃〜+20℃の弾性率(E* )が1
000〜9000kgf/cm2 であり、その温度範囲
における弾性率(E* )の最小値が上記カバーの−30
℃〜+20℃の弾性率(E* )の最小値より小さく、か
つ、−30℃〜+20℃の損失正接(tanδ)が0.
02〜0.1である。ソリッドコア: 直径が30.7〜38.7mmであり、
かつ、該ソリッドコアを圧縮変形した時のバネ定数(変
位に対する荷重の比)が15〜50kgf/mmであ
る。 - 【請求項2】 カバーの基材成分がアイオノマー樹脂か
らなり、中間層の基材成分がアイオノマー樹脂とジエン
系ゴムとの混合物からなる請求項1記載のソリッドゴル
フボール。 - 【請求項3】 ソリッドコアがブタジエンゴム、アクリ
ル酸亜鉛および有機パーオキサイドを必須成分とする架
橋弾性体からなる請求項1記載のスリーピースソリッド
ゴルフボール。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8053827A JPH09220298A (ja) | 1996-02-16 | 1996-02-16 | スリーピースソリッドゴルフボール |
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1996
- 1996-02-16 JP JP8053827A patent/JPH09220298A/ja active Pending
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