JPH09217823A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

無段変速機の制御装置

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JPH09217823A
JPH09217823A JP8027161A JP2716196A JPH09217823A JP H09217823 A JPH09217823 A JP H09217823A JP 8027161 A JP8027161 A JP 8027161A JP 2716196 A JP2716196 A JP 2716196A JP H09217823 A JPH09217823 A JP H09217823A
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Masuo Kashiwabara
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プライマリ圧を推定する前提条件を緩和し、
簡単な構成でプライマリ圧を高精度に推定できる無段変
速機の制御装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 無段変速機の変速比が所定範囲内である
状態が所定時間継続した場合に、所定時間中のスプール
弁(変速制御弁)を制御するソレノイド弁への駆動パル
ス信号のデューティ比平均値Dtyave、及び、ライン圧の
平均値PLaveを求め(S1〜S8)、算出したデューテ
ィ比平均値Dtyaveに基づきマップ等を参照することで、
スプール弁の流入部開口面積と流出部開口面積との比で
ある開口面積比Ar を間接的に求める(S9)。そし
て、以上の処理で求めた開口面積比Ar 及びライン圧平
均値PLave からプライマリ圧Pp を次の演算式で推定す
る(S10)。 Pp =(1+Ar2)/Ar2×PLave

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無段変速機の制御
装置に関し、特に、変速圧の制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、無段変速機としては、有効径が連
続的に変化可能な駆動プーリ(プライマリプーリ)及び
被駆動プーリ(セカンダリプーリ)と、これら2つのプ
ーリの間に巻回された駆動ベルトとを有し、被駆動プー
リの有効径をライン圧に基づいて変化させる一方、前記
ライン圧を元圧とし、該元圧を変速制御弁によって減圧
調整した油圧(プライマリ圧)に基づいて駆動プーリの
有効径を変化させることで、変速比を無段階に変化させ
る構成のプーリ式無段変速機が知られている。
【0003】このようなプーリ式無段変速機では、例え
ば、特開昭62−143744号公報に開示されるよう
に、変速動作を決定するためのセンサ等の故障時にプラ
イマリ圧を推定し、推定したプライマリ圧に基づく圧力
制御で変速動作を行うフェイルセイフ技術が提案されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のプラ
イマリ圧推定方式は、変速制御弁の流量計算(流入流量
及び流出流量)に基づき油圧変化分を演算し、これを初
期油圧(変速比がローとなっているとき、即ち、変速比
i=imax のときの油圧)に加算することでプライマリ
圧を推定していた。
【0005】しかしながら、この推定方式では以下のよ
うな問題点があった。 (1) 初期油圧が定まらない可能性がある。即ち、変速比
がi=imax (初期油圧状態)のときに、変速制御弁の
可動シーブが機械的な可動範囲限界まで移動している可
能性があり、この場合には、プライマリプーリ側のプー
リ推力を、機械的なストッパとプライマリ圧とで分担し
ているので、プライマリ圧の分離が困難であった。
【0006】(2) 初期条件が限定される。即ち、変速比
がi=imax (初期油圧状態)のときからでないと、油
圧計算ができなかった。従って、従来の推定方式では、
上述した問題点があったため、プライマリ圧を高精度に
推定することができず、フェイルセイフ実行時の変速制
御が不十分であった。
【0007】そこで、本発明は以上のような従来の問題
点に鑑み、プライマリ圧を推定する前提条件を緩和し、
簡単な構成でプライマリ圧を高精度に推定できる無段変
速機の制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の発明は、図1に示すように、動力源の回転力を受ける
駆動側回転部材Aと、被駆動側回転部材Bと、これらの
間に介装され両者間で動力を伝達する動力伝達部材C
と、を備え、前記駆動側回転部材Aと前記動力伝達部材
Cとの接触位置の回転中心からの距離である駆動側接触
回転半径と、前記被駆動側回転部材Bと前記動力伝達部
材Cとの接触位置の回転中心からの距離である被駆動側
接触回転半径と、を無段階に相対変化させることで、前
記駆動側回転部材Aと前記被駆動側回転部材Bとの間の
変速比を無段階に設定できるようにした無段変速機の制
御装置において、所定のライン圧で油圧を前記駆動側回
転部材A及び被駆動側回転部材Bに供給する油圧供給手
段Dと、該油圧供給手段Dと前記駆動側回転部材Aとの
間に介装され、前記ライン圧を、該駆動側回転部材Aを
前記動力伝達部材Cへ押圧するプライマリ圧に制御する
ことにより、無段変速機の変速比の設定を行う変速制御
手段Eと、前記ライン圧を検出するライン圧検出手段F
と、前記変速制御手段Eにおける油圧の流入側開口面積
と流出側開口面積との開口面積比に関連する値を検出す
る関連値検出手段Gと、検出されたライン圧及び開口面
積比に関連する値に基づいて前記プライマリ圧を推定す
るプライマリ圧推定手段Hと、を含んで構成し,前記変
速制御手段Eは推定されたプライマリ圧に基づいて変速
制御を実行可能とした。
【0009】このようにすれば、ライン圧と開口面積比
に関連する値に基づいて高精度にプライマリ圧が推定さ
れ、推定されたプライマリ圧に基づく圧力制御によって
無段変速機の変速制御が実行可能となる。請求項2記載
の発明は、前記無段変速機の変速比が所定範囲内にある
か否かを判断する変速比判断手段を備え、前記プライマ
リ圧推定手段は、変速比判断手段により変速比が所定範
囲内にあると判断されたときに、プライマリ圧の推定を
行うようにした。
【0010】このようにすれば、プライマリ圧を推定す
る条件は厳しくなるが、推定精度が低下するおそれがあ
る非定常状態では、プライマリ圧の推定が行われること
がなくなり、推定精度が向上する。請求項3記載の発明
は、前記変速制御手段は3ポートのスプール弁であっ
て、スプールの動作により、第1ポートと第2ポートと
を連通するか、或いは、第2ポートと第3ポートとを連
通するかを切換えると共に、前記スプールとポートとが
アンダーラップの関係にある構成とした。
【0011】このようにすれば、変速制御手段を簡素な
スプール弁1つで構成できるので、無段変速機の制御装
置の構成が簡単になり、もって、信頼性が向上する。請
求項4記載の発明は、前記変速制御手段は、該変速制御
手段に付設されたソレノイド、或いは、ソレノイド弁に
よって調圧されたパイロット圧で駆動され、前記開口面
積比に関連する値は、前記変速制御手段に付設されたソ
レノイド、或いは、パイロット圧を調圧するソレノイド
弁の駆動信号である構成とした。
【0012】このようにすれば、簡単な油圧回路或いは
ソレノイドによって変速制御手段が駆動されるので、請
求項3に記載の発明と同様に、無段変速機の制御装置の
構成が簡単になり、もって、信頼性が向上する。請求項
5記載の発明は、前記駆動側回転部材が有効巻き掛け半
径変更可能なプーリであり、前記被駆動側回転部材が有
効巻き掛け半径変更可能なプーリであり、前記動力伝達
部材がこれらに巻き掛けられる巻き掛け伝動媒体である
構成とした。
【0013】このようにすれば、2つのプーリの有効径
を連続的に変化させることで無段変速が行われ、かかる
有効径を変化させる変速制御が推定されたプライマリ圧
による圧力制御によって可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付された図面を参照して
本発明を詳述する。図2は、本発明に係る無段変速機の
一実施形態のシステム構成を示す。この図2において、
内燃機関1の出力側に、ロングトラベルダンパ(回転変
動吸収用のバネ式ダンパ)2を介して、無段変速機3が
装備されている。なお、後述する発進クラッチ7が内燃
機関1と無段変速機3との間に介装される方式や、トル
クコンバータが介装される方式では、当該ロングトラベ
ルダンパ2を省略することもできる。
【0015】無段変速機3は、内燃機関1側のプライマ
リプーリ4(駆動側回転部材)と、駆動軸(デフ)側の
セカンダリプーリ5(被駆動側回転部材)と、これらの
間に巻掛けられるゴム或いは金属、若しくはこれらの組
合せ等からなるベルト6(動力伝達部材)とを備え、受
圧面積が大きく設定されているプライマリプーリ側アク
チュエータ4a(変速制御用油圧室)へのプライマリ圧
P (変速圧)、及びセカンダリプーリ側アクチュエー
タ5a(張力制御用油圧室)へのライン圧PLの調整に
より、プーリ比(セカンダリプーリ側ベルト巻き掛け有
効径/プライマリプーリ側ベルト巻き掛け有効径)を変
化させて、変速比を無段階に変化させることができるも
のである。
【0016】但し、公知のトロイダル式等の他の無段変
速機を用いることもできる。即ち、無段変速機3は、動
力源の回転力を受ける駆動側回転部材と、被駆動側回転
部材と、これらの間に介装される動力伝達部材と、を備
え、前記駆動側回転部材と前記動力伝達部材との接触位
置の回転中心からの距離である駆動側接触回転半径と、
前記被駆動側回転部材と前記動力伝達部材との接触位置
の回転中心からの距離である被駆動側接触回転半径と、
を無段階に相対変化させることで、前記駆動側回転部材
と前記被駆動側回転部材との間の変速比を無段階に設定
できるようにした無段変速機であれば良い。
【0017】また、無段変速機3の変速制御を行う油圧
回路は、無段変速機3の駆動源としてのオイルを貯留す
るオイルパン10、オイルを加圧供給するオイルポンプ
11、オイルポンプ11から加圧供給されるオイルを所
定のライン圧PL に調圧するソレノイド弁12、プライ
マリプーリ側アクチュエータ4aへ供給されるプライマ
リ圧PP の調圧を行うスプール弁13、パイロット圧PP
I を減圧したソレノイド圧PSOL によりスプール弁13
の駆動制御を行うソレノイド弁14、及び、各種油圧機
器を連通する油圧配管15a〜15dを含んで構成され
ている。なお、オイルパン10、オイルポンプ11、ソ
レノイド弁12及び油圧配管15a〜15dによって油
圧供給手段が構成され、スプール弁13及びソレノイド
弁14によって変速制御手段が構成されている。
【0018】スプール弁13は、ライン圧PL の供給を
受ける第1ポート13a、プライマリプーリ側アクチュ
エータ4aと連通しプライマリ圧PP の調整を行う第2
ポート13b、ドレンとしての第3ポート13cの3つ
のポートを有し、内蔵されるスプール13dの作動によ
り、第1ポート13aと第2ポート13bとを連通する
か、或いは、第2ポート13bと第3ポート13cとを
連通するかを切り換えることができるようになってい
る。また、スプール13dと第1ポート13a及び第3
ポート13cとは、いわゆるアンダーラップの関係にあ
り、図に示すような位置にスプール13dがある場合に
は、オイルの流入とオイルの流出が同時に行われてい
る。さらに、スプール13dの駆動制御を行うソレノイ
ド圧PSOL を導入するための制御ポート13eが形成さ
れている。
【0019】そして、ソレノイド弁12及び14は、マ
イクロコンピュータを内蔵したコントロールユニット1
6からの駆動パルス信号のデューティ比により開度制御
され、夫々、ライン圧PL 及びスプール弁13へのソレ
ノイド圧PSOL の制御が行われている。なお、コントロ
ールユニット16は、ライン圧検出手段、関連値検出手
段及びプライマリ圧推定手段としての機能を有してい
る。
【0020】このような制御を行うために、プライマリ
プーリ4側の入力回転速度Nin及びセカンダリプーリ5
側の出力回転速度Nout を夫々検出する回転速度センサ
17、18等の各種出力信号が、コントロールユニット
16に入力されている。また、無段変速機3の出力側
(セカンダリプーリ5)と駆動軸側(例えば、デフ)と
の間には発進クラッチ7を介在させてあり、この発進ク
ラッチ7は、油圧等のアクチュエータを介してコントロ
ールユニット16によって断続制御されるようになって
いる。
【0021】以上説明した構成からなる無段変速機の制
御装置は、各種センサからの出力信号が正常のときに
は、各種出力信号に基づいてソレノイド弁14への駆動
パルス信号のデューティ比を制御することで、走行条件
に適合したプーリ比、即ち変速比iとなるように変速制
御を行う。ここで、例えば、変速動作を決定するための
センサに断線等が発生した場合を考える。このときに
は、そのセンサからの出力信号が0となってしまうの
で、このままでは無段変速機3の変速制御を行うことは
できない。そこで、プライマリ圧の推定を行い、このプ
ライマリ圧に基づく圧力制御により無段変速機3の変速
制御を行う必要がある。このプライマリ圧の推定原理に
ついて以下詳説する。
【0022】最初に、変速制御中における次の3つの仮
定を立てる。 (1) 定常時においては、プライマリプーリ側アクチュエ
ータ4a(変速制御用油圧室)の体積が一定となる。 (2) このため、スプール弁13に流れ込む流量Qinと流
れ出す流量Qout は等しい。
【0023】(3) 変速制御弁(スプール弁13)は図2
のように、供給側及び排出側夫々の開口部をオリフィス
近似でき、リーク等は無視できる。 このような仮定に基づくと、定常時のプライマリ圧PP
は、例えば、スプール弁13がアンダーラップ弁の場合
には、オリフィス前後の流量の式から以下の手順で求め
ることができる。
【0024】スプール弁13に流れ込む流量Qinは、定
数をC、スプール弁13における流入部の開口面積をA
in、オイルの密度をρとすると、
【0025】
【数1】
【0026】また、スプール弁13から流れ出す流量Q
out は、スプール弁13における流出部の開口面積をA
out とすると、
【0027】
【数2】
【0028】ここで、前記仮定よりQin=Qout である
から、開口面積比Ar をAr =Ain/Aout ,ライン圧
L をPL =Prssen とおくと、プライマリ圧PP は、
【0029】
【数3】
【0030】と求めることができる。ところで、スプー
ル弁13の開口面積比Ar は、スプール13dの変位と
密接な関係があり、また、このスプール13dの変位は
ソレノイド圧Psol によって決定される。即ち、ソレノ
イド圧Psol は、パイロット圧PPI をソレノイド弁14
で減圧した値であり、このソレノイド圧Psol が決まる
とスプール13dの変位xが次の式により決定される。
【0031】
【数4】
【0032】ここで、A1 及びA2 は,スプール弁13
におけるソレノイド圧Psol 及びパイロット圧PPI の夫
々の受圧面積を、Kは定数を表す。但し、ソレノイド圧
Psol =0のときを変位x=0とし、スプール13dが
ソレノイド圧Psol 供給方向(図では右方向)になる向
きを正の向きとする。従って、開口面積比Ar は、ソレ
ノイド弁14への駆動パルス信号のデューティ比によっ
て決定され、例えば、実験データを示すと、図6に示す
ようなデューティ比−開口面積比の関係がある。
【0033】次に、本発明に係る無段変速機の制御装置
のプライマリ圧推定について、図3のフローチャートを
参照しつつ説明する。ステップ1(図では、S1と略記
する。以下同様)では、無段変速機3が定常状態、即
ち、プーリ比(変速比)iが所定範囲内であるか否かを
判定する。このプーリ比は、例えば、回転速度センサ1
7及び18により検出される入力回転速度Nin及び出力
回転速度Nout に基づきi=Nout /Ninとして求める
ことができる。そして、定常状態であると判定されたと
きはステップ2へと進み、定常状態でないと判定された
ときは本ルーチンを終了する。
【0034】ステップ2では、無段変速機3の定常状態
が所定時間継続したか否かを判定するためのカウンタCo
unt _stをインクリメントする。続くステップ3では、
所定時間内のソレノイド弁14への駆動パルス信号のデ
ューティ比の平均値を算出するために、デューティ比平
均値算出用変数Dt_sum に前記デューティ比Dutyを加算
する。また、ステップ4では、所定時間内のライン圧の
平均値を算出するために、ライン圧平均値算出用変数PL
_sum に、ソレノイド弁12への駆動パルス信号のデュ
ーティ比より図8に示すようなマップ等を参照して求め
たライン圧PLを加算する。なお、このステップ4にお
けるライン圧PL の算出処理がライン圧検出手段に相当
する。
【0035】ステップ5では、無段変速機3の定常状態
が所定時間継続したか否かを判定する。即ち、カウンタ
Count _stと所定値PPC とを比較し、Count _st≧PPC
(所定時間継続)であればステップ6へと進み、Count
_st<PPC (所定時間未継続)であれば本ルーチンを終
了する。ステップ6では、次回の推定に備え、カウンタ
Count _stをリセットする。
【0036】ステップ7では、デューティ比平均値算出
用変数Dt_sum を所定値PPC で除算することでデューテ
ィ比平均値Dtyaveを算出する。続くステップ8では、ラ
イン圧平均値算出用変数PL_sum を所定値PPC で除算す
ることでライン圧平均値PLave を算出する。ステップ9
では、算出したデューティ比平均値Dtyaveに基づき図7
に示すようなマップ等を参照することで、スプール弁1
3の開口面積比Ar を求める。なお、このステップ9に
おける開口面積比Ar の算出処理が関連値検出手段に相
当する。
【0037】ステップ10では、以上の処理で求めた開
口面積比Ar 及びライン圧平均値PLave からプライマリ
圧Pp を次の演算式で推定する。
【0038】
【数5】
【0039】以上説明した処理によれば、簡単な構成で
広範囲に渡ってプライマリ圧を推定することができるの
で、例えば、無段変速機の変速動作を決定するためのセ
ンサが断線等により故障したときのフェイルセイフを行
う際にも、プライマリ圧制御によって無段変速機を適切
な変速比に設定でき、もって、無段変速機の制御装置の
品質・信頼性等を向上することができる。
【0040】次に、本発明に係る無段変速機の制御装置
の他の実施形態のシステム構成を図4に示す。このシス
テム構成は、図2における無段変速機の制御装置のスプ
ール弁13を電流制御式のスプール弁19に代えると共
に、変速動作を決定するためのセンサとしてライン圧P
L を検出する油圧センサ20(ライン圧検出手段)を追
加した点を除き、図2のものと同一である。従って、こ
こでは相違する箇所のみを説明する。
【0041】スプール弁19は、図2におけるスプール
弁13と同様に、第1ポート19a、第2ポート19
b、第3ポート19cの3つのポートを有し、内蔵され
るスプール19dが第1ポート19a及び第3ポート1
9cといわゆるアンダーラップの関係になっている。ま
た、スプール19dの駆動のためにソレノイド19eが
内蔵されており、コントロールユニット16からの電流
の強弱に応じてスプール19dの一端に設けられたピン
19fが吸引され、スプール弁19の開口面積比Ar が
制御される。そして、スプール弁19の開口面積比Ar
に応じてプライマリプーリ側アクチュエータ4aへのプ
ライマリ圧PP が変化し、無段変速機3の変速比iが設
定される。
【0042】また、無段変速機3の変速動作を決定する
ためのセンサが故障したときのフェイルセイフ実行時に
は、図3のフローチャートのステップ10におけるプラ
イマリ圧PP の推定演算式(5) のPLaveに代わって、油
圧センサ20によって検出されるライン圧PL の平均値
を用いることで推定精度が向上する。以下、改良された
プライマリ圧推定について図5のフローチャートを参照
しつつ説明する。なお、図3のフローチャートと同一の
処理には図3と同一のステップ番号を付し、その説明は
簡潔にする。
【0043】ステップ1では、無段変速機3が定常状態
か否かを判定し、定常状態であればステップ2へと進
み、定常状態でなければ本ルーチンを終了する。ステッ
プ2では、カウンタCount _stをインクリメントする。
続くステップ3’では、所定時間内のスプール弁19に
内蔵されたソレノイド19bへの供給電流の平均値を算
出するために、供給電流平均値算出用変数Cur _sum に
前記供給電流Current を加算する。また、ステップ4で
は、ライン圧平均値算出用変数PL_sum に、ソレノイド
弁12への駆動パルス信号のデューティ比より図8に示
すようなマップ等を参照して求めたライン圧PL を加算
する。
【0044】ステップ5では、無段変速機3の定常状態
が所定時間継続したか否かを判定し、所定時間継続した
らステップ6へと進み、所定時間未継続であれば本ルー
チンを終了する。ステップ6では、次回の推定に備え、
カウンタCount _stをリセットする。ステップ7’で
は、供給電流平均値算出用変数Cur _sum を所定値PPC
で除算することで供給電流平均値Curaveを算出する。続
くステップ8では、ライン圧平均値算出用変数PL_sum
を所定値PPC で除算することでライン圧平均値PLave を
算出する。
【0045】ステップ9’では、算出した供給電流平均
値Curaveに基づき図7に示すようなマップ等を参照する
ことで、スプール弁19の開口面積比Ar を求める。ス
テップ10では、以上の処理で求めた開口面積比Ar 及
びライン圧平均値PLave から、前述した推定演算式(5)
でプライマリ圧Pp を推定する。以上説明した処理によ
れば、電流制御式のスプール弁及びライン圧検出のため
の油圧センサを使用したので、図2及び3における無段
変速機の制御装置に比べて、ライン圧の推定処理がな
く、スプール弁のバラツキ等による推定精度低下が低減
でき、プライマリ圧の推定精度がより向上する。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、ライン圧と開口面積比に関連する値に基づ
いて高精度にプライマリ圧が推定され、推定されたプラ
イマリ圧による圧力制御に基づく無段変速機の変速制御
が実行可能となるので、例えば、無段変速機の変速動作
を決定するためのセンサが断線等により故障したときの
フェイルセイフを行う際にも、無段変速機を適切な変速
比に設定でき、もって、無段変速機の制御装置の品質・
信頼性等を向上することができる。
【0047】請求項2記載の発明によれば、推定精度が
低下するおそれがある非定常状態では、プライマリ圧の
推定が行われることがなくなるので、プライマリ圧の推
定精度を向上することができる。請求項3記載の発明に
よれば、変速制御手段を簡素なスプール弁1つで構成で
きるので、無段変速機の制御装置の構成が簡単になり、
もって、信頼性の向上及びコストダウンを図ることがで
きる。
【0048】請求項4記載の発明によれば、簡単な油圧
回路或いはソレノイドによって変速制御手段が駆動され
るので、請求項3に記載の発明の効果と同様に、無段変
速機の制御装置の構成が簡単になり、もって、信頼性の
向上及びコストダウンを図ることができる。請求項5記
載の発明によれば、2つのプーリの有効径を連続的に変
化させることで無段変速が行われ、かかる有効径を変化
させる変速制御を、推定されたプライマリ圧に基づく圧
力制御によって行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のクレーム対応図
【図2】 本発明に係る無段変速機の制御装置の一実施
形態を示す図
【図3】 同上のプライマリ圧推定処理内容のフローチ
ャート
【図4】 本発明に係る無段変速機の制御装置の他の実
施形態を示す図
【図5】 同上のプライマリ圧推定処理内容のフローチ
ャート
【図6】 デューティ比と開口面積比Ar との関係の実
験データを示す線図
【図7】 デューティ比と開口面積比Ar との関係を示
す線図
【図8】 デューティ比とライン圧PL との関係を示す
線図
【符号の説明】
3 無段変速機 4 プライマリプーリ 4a プライマリプーリ側アクチュエータ 5 セカンダリプーリ 5a セカンダリプーリ側アクチュエータ 6 ベルト 10 オイルパン 11 オイルポンプ 12 ソレノイド弁 13 スプール弁 13a 第1ポート 13b 第2ポート 13c 第3ポート 13d スプール 14 ソレノイド弁 15a〜15d 油圧配管 16 コントロールユニット 17 回転速度センサ 18 回転速度センサ 19 スプール弁 19a 第1ポート 19b 第2ポート 19c 第3ポート 19d スプール 19e ソレノイド 20 油圧センサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】動力源の回転力を受ける駆動側回転部材
    と、被駆動側回転部材と、これらの間に介装され両者間
    で動力を伝達する動力伝達部材と、を備え、前記駆動側
    回転部材と前記動力伝達部材との接触位置の回転中心か
    らの距離である駆動側接触回転半径と、前記被駆動側回
    転部材と前記動力伝達部材との接触位置の回転中心から
    の距離である被駆動側接触回転半径と、を無段階に相対
    変化させることで、前記駆動側回転部材と前記被駆動側
    回転部材との間の変速比を無段階に設定できるようにし
    た無段変速機の制御装置において、 所定のライン圧で油圧を前記駆動側回転部材及び被駆動
    側回転部材に供給する油圧供給手段と、該油圧供給手段
    と前記駆動側回転部材との間に介装され、前記ライン圧
    を、該駆動側回転部材を前記動力伝達部材へ押圧するプ
    ライマリ圧に制御することにより、無段変速機の変速比
    の設定を行う変速制御手段と、前記ライン圧を検出する
    ライン圧検出手段と、前記変速制御手段における油圧の
    流入側開口面積と流出側開口面積との開口面積比に関連
    する値を検出する関連値検出手段と、検出されたライン
    圧及び開口面積比に関連する値に基づいて前記プライマ
    リ圧を推定するプライマリ圧推定手段と、を含んで構成
    され、前記変速制御手段は推定されたプライマリ圧に基
    づいて変速制御を実行可能であることを特徴とする無段
    変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】前記無段変速機の変速比が所定範囲内にあ
    るか否かを判断する変速比判断手段を備え、 前記プライマリ圧推定手段は、変速比判断手段により変
    速比が所定範囲内にあると判断されたときに、プライマ
    リ圧の推定を行うことを特徴とする請求項1に記載の無
    段変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】前記変速制御手段は3ポートのスプール弁
    であって、スプールの動作により、第1ポートと第2ポ
    ートとを連通するか、或いは、第2ポートと第3ポート
    とを連通するかを切換えると共に、前記スプールとポー
    トとがアンダーラップの関係にあることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の無段変速機の制御装置。
  4. 【請求項4】前記変速制御手段は、該変速制御手段に付
    設されたソレノイド、或いは、ソレノイド弁によって調
    圧されたパイロット圧で駆動される構成であり、前記開
    口面積比に関連する値は、前記変速制御手段に付設され
    たソレノイド、或いは、パイロット圧を調圧するソレノ
    イド弁の駆動信号であることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか1つに記載の無段変速機の制御装置。
  5. 【請求項5】前記駆動側回転部材が有効巻き掛け半径変
    更可能なプーリであり、前記被駆動側回転部材が有効巻
    き掛け半径変更可能なプーリであり、前記動力伝達部材
    がこれらに巻き掛けられる巻き掛け伝動媒体であること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の無段
    変速機の制御装置。
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