JPH09217058A - 青色発光蛍光体および陰極線管 - Google Patents

青色発光蛍光体および陰極線管

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JPH09217058A
JPH09217058A JP2399196A JP2399196A JPH09217058A JP H09217058 A JPH09217058 A JP H09217058A JP 2399196 A JP2399196 A JP 2399196A JP 2399196 A JP2399196 A JP 2399196A JP H09217058 A JPH09217058 A JP H09217058A
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JP
Japan
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phosphor
cathode ray
ray tube
zns
amount
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JP2399196A
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Inventor
Yasuhisa Makino
泰久 牧野
Mitsuhiro Oikawa
充広 及川
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 励起停止後の色調変化を起こすことなく発光
輝度の向上を達成し、かつ高い刺激電流密度下において
も発光輝度の飽和が抑制された青色発光蛍光体、および
励起停止後に色調変化による残像が残らず、高画質画面
を得ることを可能にした陰極線管を提供すること。 【解決手段】 ZnS:Ag,Αlで表される青色発光
蛍光体において、F、ClおよびBrからなる群より選
択される少なくとも1種の元素を含有したことを特徴と
する青色発光蛍光体およびパネル内面に形成された青色
発光蛍光体層が、ZnS:Ag,Αlで表されると共
に、F、ClおよびBrからなる群より選択される少な
くとも1種の元素を含有した蛍光体層であることを特徴
とする陰極線管による。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーテレビある
いはコンピュータディスプレイ等の陰極線管に用いられ
る蛍光体と、この蛍光体を用いた陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】陰極線管の一種であるカラーブラウン管
には、画面のコントラストを向上させるために、蛍光体
表面に顔料を被覆させた顔料被覆蛍光体が使用されてい
る。
【0003】この中で、青色発光蛍光体としては、銀・
塩素付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Ag,Cl)や銀・
アルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Ag,A
l)等が多用されてきた。
【0004】近年、カラーテレビ、コンピュータディス
プレイ等は高品位、高精細化してきており、特に高品位
テレビや高精細コンピュータディスプレイ等に用いる陰
極線管においては、文字や図表を表示するためにドット
が小さくされ、また、高画質を実現するために蛍光面に
対する刺激電流密度が上げられている。したがって、こ
うした状況に対応するために、蛍光体には、発光輝度が
高いことおよび刺激電流密度が高い場合にも輝度が飽和
しないこと等の特性が要求されている。
【0005】ところで、従来から使用されているΖn
S:Ag,Cl蛍光体は、発光輝度については良好であ
るが、刺激電流密度に対する特性は低い。すなわち、刺
激電流密度が高くなると発光輝度が飽和し、低電流密度
域における発光効率に比べて発光効率が低下する。
【0006】一方、ΖnS:Ag,Αl蛍光体では、刺
激電流密度に対する特性は良好であるものの、発光輝度
が低いという欠点を有している。
【0007】そこで、本発明者等は、ZnS:Ag,Α
l蛍光体に微量(0.5〜20ppm)の金を共付活さ
せることにより、青色発光蛍光体の発光輝度を向上さ
せ、かつ刺激電流密度が高い場合であっても発光輝度が
飽和しない蛍光体を発明し(特開平04−4519
1)、−部実用化もしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たZnS:Ag,Αl,Au蛍光体においては、金を共
付活させることで色調が長波長側にシフトする傾向があ
り、励起停止後に黄色の色調が残りやすいという問題が
あった。
【0009】また、この蛍光体を蛍光膜に用いた陰極線
管では、励起停止後に黄色の残像が残りやすく、高い画
質を得ることが困難であるという問題があった。
【0010】本発明は、上記課題に対処するためになさ
れたもので、励起停止後の色調変化を起こすことなく発
光輝度の向上を達成し、かつ高い刺激電流密度下におい
ても発光輝度の飽和が抑制された青色発光蛍光体、およ
び励起停止後に色調が異なる残像が残らず、高画質画面
を得ることを可能にした陰極線管を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するために、刺激電流密度に対する特性の良好な
ΖnS:Ag,Αl蛍光体をベースとして、刺激電流密
度に対する特性が良好であって高い発光輝度を有し、か
つ励起停止後の色調変化を起こすことのない蛍光体を得
るべく種々実験を行った。
【0012】その結果、ΖnS:Ag,Αl蛍光体の焼
成時に、弗素、塩素および臭素化合物の中から選択され
る少なくとも1種の化合物を適当量添加し、その後焼成
することにより、励起停止後の色調変化を起こすことな
く、従来のΖnS:Αg,Αl蛍光体と比較して著しい
輝度の向上が達成され、さらに刺激電流密度に対する特
性も良好な蛍光体が得られることを見出し、本発明に至
ったものである。
【0013】すなわち、本発明に係る青色発光蛍光体
は、ZnS:Ag,Αlで表される青色発光蛍光体にお
いて、F、ClおよびBrからなる群より選択される少
なくとも1種の元素を含有したことを特徴としている。
【0014】また、本発明に係る陰極線管は、パネル内
面に形成された青色発光蛍光体層がZnS:Ag,Αl
で表されると共に、F、ClおよびBrからなる群より
選択される少なくとも1種の元素を含有した蛍光体層で
あることを特徴としている。本発明の蛍光体において
は、母体のZnSに対して、AgおよびAlと共に、
F、ClおよびBrからなる群より選択される少なくと
も1種の元素を付活することにより、励起停止後の色調
変化を起こすことなく発光輝度の向上が達成され、かつ
高い刺激電流密度下においても発光輝度の飽和が抑制さ
れる。
【0015】Agの付活量は、母体のZnSに対して5
×10-3〜2×10-1重量%とすることが望ましい。A
gの付活量が母体のZnSに対して5×10-3重量%よ
り少ない場合には、発光輝度が低くなり、十分な刺激電
流密度の特性も得られない。また、Agの付活量が母体
のZnSに対して2×10-1重量%を超えると、発光輝
度が著しく低下する。Agの付活量のより好ましい範囲
は、1×10-2〜1×10-1重量%である。
【0016】Alの付活量は、好ましくはAgの付活量
に対して0.25倍以上の量とする。Alの付活量が、
Agの付活量に対して0.25倍より少ない場合には、
刺激電流密度に対する特性が劣化する。
【0017】F、ClおよびBrからなる群より選択さ
れる少なくとも1種の元素の付活量は、母体のZnSに
対し5×10-5〜1×10-3重量%とすることが望まし
い。F、ClおよびBrからなる群より選択される少な
くとも1種の元素の付活量が母体のZnSに対し5×1
-5重量%より少ない場合には、発光輝度の向上が顕著
には認められなくなる。一方、F、ClおよびBrから
なる群より選択される少なくとも1種の元素の付活量
が、母体のZnSに対し1×10-3重量%を超えた場合
には、刺激電流密度に対する特性が劣化する傾向があ
る。F、ClおよびBrからなる群より選択される少な
くとも1種の元素の付活量としてより好ましい範囲は、
母体のZnS量に対して1×10-4〜7×10-4重量%
である。
【0018】また、本発明の陰極線管においては、パネ
ル内面に形成された青色発光蛍光体層として、ZnS:
Ag,Αlで表されると共に、F、ClおよびBrから
なる群より選択される少なくとも1種の元素を含有した
本発明に係る蛍光体を用いている。
【0019】したがって、本発明の陰極線管では、励起
停止後の色調変化を起こすことなく発光輝度が向上し、
かつ高い刺激電流密度下においても発光輝度が飽和しな
いので、励起停止後に色調変化による残像が残らず、高
画質画面を得ることが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0021】はじめに、本発明の蛍光体を製造する工程
の概略を示す。
【0022】蛍光体を構成する元素を含む下記(1)〜
(4)の各原料 (1)ZnS(硫化亜鉛) (2)ΑgNO3 、Ag2 SあるいはAg3 ΡO4 等の
銀化合物 (3)Al(NO3 3 ・9H2 O、Al2 (SO4
3 等のアルミニウム化合物 (4)NH4 F、NH4 Cl、NH4 Br、アルカリ金
属またはアルカリ土類金属の弗素、塩素および臭素ハロ
ゲン化合物等からなる群より選択される少なくとも1つ
の化合物 を、適量秤量した後、スラリー状に混合する。
【0023】各原料の秤量にあたっては、(1)ZnS
(硫化亜鉛)100gに対し、Agが0.005〜0.
2g含まれるように(2)銀化合物を、Alの添加量が
銀の添加量に対して0.25倍以上となるように(3)
アルミニウム化合物を秤量する。また、(1)ZnS
(硫化亜鉛)100gに対して添加するF、Clおよび
Brからなる群より選択される少なくとも1種の元素
(X元素)の添加量(0.00005〜0.001g)
に対し、約1000倍量となるように(4)NH4F、
NH4 Cl、NH4 Br、アルカリ金属またはアルカリ
土類金属の弗素、塩素および臭素ハロゲン化合物等から
なる群より選択される少なくとも1つの化合物を秤量す
る。
【0024】次いで、得られた混合物を乾燥した後、還
元剤としてSを添加して全体を均一に混合する。
【0025】そして、この混合物を石英チューブあるい
はアルミナルツボ等の焼成容器に充填し、還元雰囲気
中、900〜1020℃の温度で焼成する。
【0026】最後に、得られた焼成物にミリング、洗
浄、表面処理、乾燥、篩別といった一般の処理工程を施
し、本発明の蛍光体を得る。
【0027】次に、本発明の一実施例である陰極線管の
構成を図1に示す。
【0028】図1において、陰極線管はパネル1及びパ
ネル1に一体に接合されたファンネル2からなる外囲器
を有し、このパネル1の内面には、青、緑、赤に発光す
る三色蛍光体層と、この三色蛍光体層の間隙部を埋める
黒色の光吸収層とからなる蛍光面3が形成されている。
そして、三色蛍光体層の内、青色に発光する蛍光体層に
は、本発明の青色蛍光体が使用されている。
【0029】三色蛍光体層の形状は、ストライプ状でも
ドット状でもよいが、ここではドット状とした。そし
て、蛍光面3に対向してその内側に多数の電子ビーム通
過孔の形成されたシャドウマスク4が装着されている。
【0030】また、ファンネル2のネック5の内部に
は、蛍光面3に電子ビーム6B、6G、6Rを照射する
ための電子銃7が配設されており、電子銃7によって放
出された電子ビーム6Β、6G、6Rが蛍光面3に衝突
し、三色蛍光体層を励起、発光させるものである。な
お、8はシャドウマスク4を支持する支持手段、9はフ
ァンネル2の側壁に設けられた陽極端子、10はファン
ネル2の内面に形成された内部薄電膜である。
【0031】上記実施形態による陰極線管は、本発明を
カラー陰極線管に適用した場合の例である。このとき、
残る二色を発光する蛍光体は、任意に選択される。
【0032】緑色発光の蛍光体および赤色発光の蛍光体
としては、何ら限定されるものではないが、硫化亜鉛を
母体とし銅を付活剤とする緑色蛍光体および酸硫化イッ
トリウムを母体としユーロピウムを付活剤とする赤色蛍
光体を用いると全体的な発光特性がバランスするのでよ
り好ましい。
【0033】なお、上記実施形態においては、本発明の
蛍光体をカラー受像管用の陰極線管に適用した場合を例
として説明したが、本発明の蛍光体を単色の陰極線管に
用いることも可能であることはいうまでもない。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0035】(実施例1)はじめに、ZnS100gに
対して、AgNO3 を焼成後の蛍光体中に含まれるAg
量が0.005gとなる量、Al(NO3 3 ・9H2
Oを焼成後の蛍光体中に含まれるAl量が0.0015
gとなる量、およびNH4 Clを焼成後の蛍光体中に含
まれるCl量が0.0005gとなる量を添加し、これ
らの原料を湿式法により良く混合した後、乾燥を行い、
この乾燥混合物に対して2重量%のSを乾式法により混
合した。
【0036】次いで、この混合物を石英チューブに充填
し、還元雰囲気中で950℃、2時間焼成した。
【0037】次に、この焼成物を洗浄して雑イオンを除
去した後、ビーズミリングを行って焼成物を分散させ
た。最後に、微粒子状シリカを表面にコーティングし、
洗浄した後、乾燥、篩別して、本発明の蛍光体:Zn
S:Ag,Al,Clを得た。
【0038】続いて、これらの蛍光体にクロム酸化合物
である重クロム酸アンモニウムとポリビニルアルコール
を加えて感光性スラリーを作成し、この感光性スラリー
を通常の回転塗布方法により陰極線管用パネル内面上に
塗布して蛍光膜を形成し、図1に示す陰極線管を形成し
た。なお、本実施例においては緑色発光蛍光体として
銅、アルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体が、また赤色発光
蛍光体としてユーロピウム付活酸硫化イットリウム蛍光
体が用いられている。
【0039】そして、この陰極線管を用いて発光特性を
測定した。
【0040】(実施例2)ZnS100gに対して、A
gNO3 を焼成後の蛍光体中に含まれるAg量が0.0
1gとなる量、Al(NO3 3 ・9H2 Oを焼成後の
蛍光体中に含まれるAl量が0.0026gとなる量、
およびNH4 Clを焼成後の蛍光体中に含まれるCl量
が0.0005gとなる量を添加した後、(実施例1)
と同様の方法を用いて、本発明の蛍光体:ZnS:A
g,Al,Clを得た。
【0041】そして、実施例1と全く同様にして陰極線
管を構成し、発光特性を測定した。 (実施例3)ZnS100gに対して、AgNO3 を焼
成後の蛍光体中に含まれるAg量が0.05gとなる
量、Al(NO3 3 ・9H2 Oを焼成後の蛍光体中に
含まれるAl量が0.013gとなる量、およびNH4
Clを焼成後の蛍光体中に含まれるCl量が0.000
05gとなる量を添加した後、(実施例1)と同様の方
法を用いて、本発明の蛍光体:ZnS:Ag,Al,C
lを得た。
【0042】そして、実施例1と全く同様にして陰極線
管を構成し、発光特性を測定した。 (実施例4)ZnS100gに対して、AgNO3 を焼
成後の蛍光体中に含まれるAg量が0.05gとなる
量、Al(NO3 3 ・9H2 Oを焼成後の蛍光体中に
含まれるAl量が0.013gとなる量、およびNH4
Clを焼成後の蛍光体中に含まれるCl量が0.000
1gとなる量を添加した後、(実施例1)と同様の方法
を用いて、本発明の蛍光体:ZnS:Ag,Al,Cl
を得た。
【0043】そして、実施例1と全く同様にして陰極線
管を構成し、発光特性を測定した。 (実施例5)ZnS100gに対して、AgNO3 を焼
成後の蛍光体中に含まれるAg量が0.05gとなる
量、Al(NO3 3 ・9H2 Oを焼成後の蛍光体中に
含まれるAl量が0.013gとなる量、およびNH4
Clを焼成後の蛍光体中に含まれるCl量が0.000
1gとなる量を添加した後、(実施例1)と同様の方法
を用いて、本発明の蛍光体:ZnS:Ag,Al,Cl
を得た。
【0044】そして、実施例1と全く同様にして陰極線
管を構成し、発光特性を測定した。 (実施例6)ZnS100gに対して、AgNO3 を焼
成後の蛍光体中に含まれるAg量が0.05gとなる
量、Al(NO3 3 ・9H2 Oを焼成後の蛍光体中に
含まれるAl量が0.013gとなる量、およびNH4
Clを焼成後の蛍光体中に含まれるCl量が0.001
gとなる量を添加した後、(実施例1)と同様の方法を
用いて、本発明の蛍光体:ZnS:Ag,Al,Clを
得た。
【0045】そして、実施例1と全く同様にして陰極線
管を構成し、発光特性を測定した。 (実施例7)ZnS100gに対して、AgNO3 を焼
成後の蛍光体中に含まれるAg量が0.05gとなる
量、Al(NO3 3 ・9H2 Oを焼成後の蛍光体中に
含まれるAl量が0.013gとなる量、およびNH4
Fを焼成後の蛍光体中に含まれるF量が0.0005g
となる量を添加した後、(実施例1)と同様の方法を用
いて、本発明の蛍光体:ZnS:Ag,Al,Fを得
た。
【0046】そして、実施例1と全く同様にして陰極線
管を構成し、発光特性を測定した。 (実施例8)ZnS100gに対して、AgNO3 を焼
成後の蛍光体中に含まれるAg量が0.05gとなる
量、Al(NO3 3 ・9H2 Oを焼成後の蛍光体中に
含まれるAl量が0.013gとなる量、およびNH4
Brを焼成後の蛍光体中に含まれるBr量が0.000
5gとなる量を添加した後、(実施例1)と同様の方法
を用いて、本発明の蛍光体:ZnS:Ag,Al,Br
を得た。
【0047】そして、実施例1と全く同様にして陰極線
管を構成し、発光特性を測定した。 (実施例9)ZnS100gに対して、AgNO3 を焼
成後の蛍光体中に含まれるAg量が0.1gとなる量、
Al(NO3 3 ・9H2 Oを焼成後の蛍光体中に含ま
れるAl量が0.027gとなる量、およびNH4 Cl
を焼成後の蛍光体中に含まれるCl量が0.0005g
となる量を添加した後、(実施例1)と同様の方法を用
いて、本発明の蛍光体:ZnS:Ag,Al,Clを得
た。
【0048】そして、実施例1と全く同様にして陰極線
管を構成し、発光特性を測定した。 (実施例10)ZnS100gに対して、AgNO3
焼成後の蛍光体中に含まれるAg量が0.15gとなる
量、Al(NO3 3 ・9H2 Oを焼成後の蛍光体中に
含まれるAl量が0.038gとなる量、およびNH4
Clを焼成後の蛍光体中に含まれるCl量が0.000
5gとなる量を添加した後、(実施例1)と同様の方法
を用いて、本発明の蛍光体:ZnS:Ag,Al,Cl
を得た。
【0049】そして、実施例1と全く同様にして陰極線
管を構成し、発光特性を測定した。 (実施例11)ZnS100gに対して、AgNO3
焼成後の蛍光体中に含まれるAg量が0.2gとなる
量、Al(NO3 3 ・9H2 Oを焼成後の蛍光体中に
含まれるAl量が0.053gとなる量、およびNH4
Clを焼成後の蛍光体中に含まれるCl量が0.000
5gとなる量を添加した後、(実施例1)と同様の方法
を用いて、本発明の蛍光体:ZnS:Ag,Al,Cl
を得た。
【0050】そして、実施例1と全く同様にして陰極線
管を構成し、発光特性を測定した。 (比較例1)上記実施例1〜11の対照として、F、C
lおよびBrの添加を行わず、ZnS100gに対し
て、AgNO3 を焼成後の蛍光体中に含まれるAg量が
0.05gとなる量、Al(NO3 3 ・9H2 Oを焼
成後の蛍光体中に含まれるAl量が0.013gとなる
量をそれぞれ秤量し、(実施例1)と同様の方法を用い
て、従来の蛍光体:ZnS:Ag,Alを得た。
【0051】本比較例の蛍光体においては、F、Clお
よびBrからなる群より選択される少なくとも1種の元
素を含まないことが特徴である。
【0052】そして、実施例1と全く同様にして陰極線
管を構成し、発光特性を測定した。ここで、実施例1〜
実施例11および比較例1において測定された発光特性
を表1に示す。表中においては、F、ClおよびBrか
らなる群より選択される少なくとも1種の元素をX元素
と称している。
【0053】
【表1】 なお、青色発光輝度は、蛍光面3に青色発光用の電子ビ
ーム6B(励起電圧25kV、刺激電流250μA)を
照射し、実施例1〜実施例11および比較例1の各蛍光
体をウインドウパターン状に励起して測定した。表1に
おいて、各実施例での青色発光輝度は、比較例1の蛍光
体の発光輝度を100とした場合の相対値として示し
た。
【0054】また、γ特性は、刺激電流密度の上昇に伴
う発光輝度の飽和の程度を表す指標であり、発光輝度を
刺激電流を変化させて測定し、その測定値に基づいて次
の計算式により求めた。
【0055】γ=高電流密度域(明るさ/5μA・cm
-2)/低電流密度域(明るさ/0.5μA・cm-2) さらに、白色輝度は、青色、緑色および赤色の各蛍光体
を発光させて発光色を標準白色点(ここでは9300K
+27MCPD)に調節し、その発光輝度を測定した。
表1において、各実施例での白色輝度は、比較例1の蛍
光体の白色輝度を100とした場合の相対値として示し
た。
【0056】表1から明らかなように、本発明の蛍光体
(実施例1〜11)は、比較例1と比べて青色発光輝度
が高くなっており、発光輝度の向上が達成されているこ
とが理解できる。そして、本発明の蛍光体においては、
励起停止後に黄色の色調の残留は認められなかった。
【0057】また、本発明の蛍光体は、γ特性が比較例
1と比べて高くなっており、高電流密度域においても発
光輝度が飽和に達していないことが理解できる。
【0058】さらに、本発明の陰極線管においては、白
色輝度が高くなっており、画面の明るさが向上したこと
が解る。そして、励起停止後の残像については、比較例
1の陰極線管については黄色の残像が残ったが、本発明
の陰極線管についてはこうした残像は残らなかった。
【0059】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、ZnS:Ag,Αlで表される青色発光蛍光体にお
いて、F、ClおよびBrからなる群より選択される少
なくとも1種の元素を含有したので、励起停止後の色調
変化を起こすことなく発光輝度の向上が達成され、かつ
高い刺激電流密度下においても発光輝度の飽和が抑制さ
れた青色発光蛍光体を提供することができる。
【0060】また、青色発光の蛍光体として、励起停止
後の色調変化を起こすことなく発光輝度の向上が達成さ
れ、かつ高い刺激電流密度下においても発光輝度の飽和
が抑制された上記青色発光蛍光体を用いるので、励起停
止後に色調変化による残像が残らず、高画質画面が得ら
れた陰極線管を提供することができる。
【0061】したがって、高品位テレビや高精細ディス
プレイ等、特に高輝度化とその維持が要求される各種デ
バイスに対し実用上、効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である陰極線管の構成を示す
図。
【符号の説明】
1……パネル 2……ファンネル 3……蛍光面 4……シャドウマスク 5……ネック 6B、6G、6
R……電子ビーム 7……電子銃 8……支持手段 9……陽極端子 10
……内部薄電膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ZnS:Ag,Αlで表される青色発光蛍
    光体において、 F、ClおよびBrからなる群より選択される少なくと
    も1種の元素を含有したことを特徴とする青色発光蛍光
    体。
  2. 【請求項2】前記F、ClおよびBrからなる群より選
    択される少なくとも1種の元素の含有量が、ZnS量に
    対して5×10-5〜1×10-3重量%であることを特徴
    とする請求項1記載の青色発光蛍光体。
  3. 【請求項3】前記F、ClおよびBrからなる群より選
    択される少なくとも1種の元素の含有量が、ZnS量に
    対して1×10-4〜7×10-4重量%であることを特徴
    とする請求項1記載の青色発光蛍光体。
  4. 【請求項4】パネル内面に形成された青色発光蛍光体層
    が、ZnS:Ag,Αlで表されると共に、F、Clお
    よびBrからなる群より選択される少なくとも1種の元
    素を含有した蛍光体層であることを特徴とする陰極線
    管。
  5. 【請求項5】陰極線管が、カラー受像管用の陰極線管で
    あることを特徴とする請求項4記載の陰極線管。
JP2399196A 1996-02-09 1996-02-09 青色発光蛍光体および陰極線管 Withdrawn JPH09217058A (ja)

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