JPH09216571A - 走行作業機の操向装置 - Google Patents

走行作業機の操向装置

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JPH09216571A
JPH09216571A JP27565896A JP27565896A JPH09216571A JP H09216571 A JPH09216571 A JP H09216571A JP 27565896 A JP27565896 A JP 27565896A JP 27565896 A JP27565896 A JP 27565896A JP H09216571 A JPH09216571 A JP H09216571A
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hydraulic
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hydraulic drive
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Shigemi Hidaka
茂實 日高
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行作業機の左右の走行クローラの速度及び
回転方向を任意に無段階にて調節できる操向装置のミッ
ション構造を簡単化する。 【解決手段】 左右の走行クローラへの出力軸21a,
21bに動力伝達させるための伝達機構を、太陽歯車4
0と遊星歯車39とリングギヤ42とらなる左右一対の
遊星変速機構により構成し、太陽歯車40には、第1油
圧ポンプ33と第1油圧モータ34とから成る走行用の
油圧式駆動手段からの動力を伝達する一方、第2油圧ポ
ンプ36と第2油圧モータ37とから成る旋回用の油圧
式駆動手段からの動力を、各遊星歯車に噛み合う一対の
リングギヤ42,42に、その回転方向が互いに反対と
なる状態で伝達可能とする。このミッションケース30
に前記2対の油圧ポンプ及び油圧モータを装着するに際
して、第1油圧ポンプ33及び第2油圧モータ34の対
と、第2油圧ポンプ36及び第2油圧モータ37の対
は、各々別々の箇所に設置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、刈取脱穀できるコ
ンバインや、農作業用または土木用のトラクタ等、左右
一対の走行クローラを備えた走行作業機における操向装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、コンバインやトラクタ等の走
行作業機における走行部を、左右一対の走行クローラに
て構成し、左右各走行クローラを、一つの油圧ポンプと
油圧モータとの組により駆動する構成、換言すれば、左
右の走行クローラを左右独立の油圧駆動系統(2ポン
プ、2モータ形式)にて駆動させて、刈取作業時の作物
列に沿っての操向制御と、通常の直進走行制御とを実行
することは、例えば特公昭54−34972号公報や、
実開平3−116422号公報等に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の構成によれば、左右の油圧駆動系統をオペレータが別
々に操作しなければならず、直進の場合には、左右の油
圧駆動系統の出力が全く同じになるように調節しなけれ
ばならない。また、旋回内側の走行速度を旋回外側の走
行速度より同方向で且つ遅くするという緩旋回動作か
ら、旋回外側と旋回内側とを互いに逆方向に駆動させて
スピンターンを実行するときには、一旦両油圧駆動系統
の出力を停止して逆に切り換える操作が介在するので、
無段階速度調節や円滑な方向転換の操作性に改良の余地
があった。
【0004】そこで、本出願人は、遊星変速機構に、油
圧ポンプと油圧モータとからなる走行用の油圧駆動手段
と、同じく油圧ポンプと油圧モータとからなる旋回用の
油圧駆動手段とを連結し、この両油圧駆動手段の出力を
遊星変速機構の別別の入力部に入力させることにより、
簡単な操作で旋回半径が無段階に調節できると共に、直
進速度も無段階に調節できる操向装置を開発した。
【0005】本発明は、この種の操向装置の構造の改良
を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の走行作業機の操向装置は、油圧ポンプと油
圧モータとから成る走行用の油圧式駆動手段からの動力
を、左右一対の遊星変速機構を介して走行作業機におけ
る左右一対の走行クローラへの出力軸に伝達させるよう
に構成する一方、油圧ポンプと油圧モータとから成る旋
回用の油圧式駆動手段からの動力を、前記一方の遊星変
速機構と他方の遊星変速機構とに互いに逆方向の回転を
付与するように伝達し、前記走行用及び旋回用の両油圧
式駆動手段の出力調節量に応じて、直進走行から一方の
走行クローラと他方の走行クローラとの回転方向が互い
に逆となる旋回動作までを無段階調節可能に構成する一
方、前記走行用の油圧式駆動手段における油圧ポンプ及
び油圧モータの対と旋回用の油圧式駆動手段における油
圧ポンプ及び油圧モータの対とを、前記伝達機構を内蔵
するミッションケースの別々の箇所に装着したものであ
る。
【0007】
【発明の作用・効果】このように構成することによっ
て、旋回用の油圧式駆動手段からの動力を停止させた状
態のもとで、走行用の油圧式駆動手段の動力を、左右一
対の遊星変速機構を介して走行車両における左右一対の
走行クローラへの出力軸に伝達させると、直進走行を実
行することになり、泥濘等走行面の状態が悪くても、左
右の走行クローラの回転数を一致させて直進走行し易く
なり、直進性能が向上する。
【0008】また、旋回時には、油圧ポンプと油圧モー
タとから成る旋回用の油圧式駆動手段からの動力回転数
を無段階変更することより、その旋回時の旋回内側と旋
回外側との走行クローラの速度比率を任意(無段階)に
変更できる。つまり、走行用の油圧式駆動手段を作動さ
せた状態で、旋回用の油圧式駆動手段の出力調節作動さ
せることにより、左右の走行クローラが同方向に駆動す
る速度を任意に調節できたり、旋回内側の走行クローラ
を停止または後退方向に駆動させながら、旋回外側の走
行クローラを前進方向での速度を変更させることができ
る結果、任意の走行速度で且つ任意の旋回半径にて無段
階の旋回作業に移行できるから、旋回半径の大きい緩旋
回から旋回半径の小さい急旋回まで、その移行動作をき
わめて滑らかに実行できるという効果を奏する。
【0009】また、走行用の油圧式駆動手段を停止した
状態で、旋回用の油圧式駆動手段を作動させると、左右
の走行クローラは同一回転数で回転方向を互いに逆とし
たスピンターンを行うことができ、そのときの旋回速度
も任意に調節することができる。このように、走行作業
機の操向装置の構成も、走行用の油圧式駆動手段の出力
操作手段と旋回用の油圧式駆動手段の操作手段だけで良
いので構成が至極簡単になり、また、簡単な操作で実行
でき、方向転換の操作性が向上するという効果を奏する
のである。
【0010】そして、前記両油圧駆動手段における2対
の油圧ポンプと油圧モータとを前記伝動機構を内蔵した
ミッションケースに装着することで、各油圧モータから
伝動機構に動力を出力する箇所を接近させて配置でき
る。この場合、走行用の油圧式駆動手段における油圧ポ
ンプ及び油圧モータの対と、旋回用の油圧式駆動手段に
おける油圧ポンプ及び油圧モータの対とをミッションケ
ースの別別の箇所に装着することにより、各入力部に対
して最適箇所に油圧系の部品を配置できるので、ミッシ
ョンケース内の伝達機構の構成もコンパクトにできると
いう効果を奏する。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明をコンバインに適用
した実施例について説明すると、図1は左右一対の走行
クローラ2a,2bを有する走行車両である汎用コンバ
インの走行機体1の側面図であり、該走行機体1上には
脱穀装置3を搭載し、該脱穀装置3における扱室内の扱
胴4をその軸線が走行機体1の進行方向に沿うように配
設し、その下方には受け網とシーブ等による揺動選別装
置5と唐箕フアン6の風による風選別装置とを備え、脱
穀装置3の側方に脱穀済みの穀粒を貯留する籾タンクを
搭載してある。
【0012】刈取前処理装置7は、前記脱穀装置3の前
部に開口し、昇降用油圧シリンダ8にて昇降自在な角筒
状のフイーダハウス9(内部にチエンスコンベヤ9aを
備える)と、該フイーダハウス9の前端に連設した横長
のバケット状のプラットホーム10と、該プラットホー
ム10内に横設した横長の掻き込みオーガ11と、その
前方上部位置のタインバー付きリール12と、プラット
ホーム10下面側に左右長手に配設したバリカン状の刈
刃14とから成る。また、刈取前処理装置7の前部左右
両端には、前向きに突出する左右一対の分草体15を備
えている。
【0013】左右の走行クローラ2a,2bは、それぞ
れ、後述する操向装置20の左右の出力軸21a,21
bから出力される動力にて回転駆動する起動輪22,2
2と、走行機体1の後端側に後向き付勢された誘導輪2
3,23とに巻掛けられた履帯24,24と、各履帯2
4の下側内周面を支持する懸下輪(下部転輪)25等か
らなる。
【0014】次に、操向装置20の構成について説明す
る。図2〜図4に示す第1実施例は、ミッションケース
30内に、後述する左右一対の遊星変速機構31,31
と、第1油圧ポンプ33及び第1油圧モータ34からな
る走行用の油圧式駆動手段32と、第2油圧ポンプ36
及び第2油圧モータ37からなる旋回用の油圧式駆動手
段35等を内装する。
【0015】左右一対の遊星変速機構31,31は左右
対称状であって、同一半径上に複数(実施例では3つ)
の遊星歯車39,39,39がそれぞれ回転自在に軸支
された左右一対の腕輪38,38をミッションケース3
0内にて同軸線上にて適宜隔てて相対向させて配置す
る。前記各遊星歯車39にそれぞれ噛み合う太陽歯車4
0,40を固着した太陽軸41の左右両端は、両腕輪3
8,38の内側にてその回転中心部に位置する軸受に回
転自在に軸支されている。
【0016】内周面の内歯と外周面の外歯とを備えたリ
ングギヤ42は、その内歯が前記3つの39,39,3
9にそれぞれ噛み合うように、太陽軸41と同心状に配
置されており、このリングギヤ42は、前記太陽軸41
上または、前記腕輪38の外側面から外向きに突出する
中心軸43上に軸受を介して回転自在に軸支される。前
記走行用の油圧式駆動手段32における容量可変式の第
1油圧ポンプ33の回転斜板の角度を変更調節すること
により、第1油圧モータ34への圧油の吐出方向と吐出
量とを変更して、当該第1油圧モータ34の回転方向及
び回転数が調節可能に構成されている。第1油圧モータ
34からの回転動力は、入力軸44の入力歯車45から
副変速機構の歯車46,47,48を介して、太陽軸4
1に固定したセンター歯車49に伝達される。なお、歯
車48が取付くブレーキ軸50には図示しないブレーキ
機構が設けられている。また、歯車46に噛み合う歯車
51を介して作業機等への回転力を伝達するPTO軸5
2に出力する。
【0017】そして、前記走行用の油圧式駆動手段32
からの回転動力は、前記太陽軸41上に固定した前記セ
ンター歯車49を介して、前記左右一対の遊星変速機構
31,31に伝達され、前記左側の腕輪38の中心軸4
3に固着した伝動歯車53を、左側の出力軸21aに固
着した伝動歯車54に噛み合わせて出力する。同様に、
右側の腕輪38の中心軸43に固着した伝動歯車53
を、右側の出力軸21bに固着した伝動歯車54に噛み
合わせて出力する(図2及び図4参照)。
【0018】旋回用の油圧式駆動手段35における容量
可変式の第2油圧ポンプ36の回転斜板の角度を変更調
節することにより、第2油圧モータ37への圧油の吐出
方向と吐出量とを変更して、当該第2油圧モータ37の
回転方向及び回転数が調節可能に構成されている。第2
油圧モータ37からの回転動力は、入力軸55に取付く
一対の伝動歯車56,57に伝達される。そして、図2
に示すように左側のリングギヤ42の外歯に対しては伝
動歯車56と直接噛み合い、右側の伝動歯車57が逆転
軸58に取付く逆転歯車59に噛み合い、この逆転歯車
59と右側のリングギヤ42の外歯とが噛み合う。
【0019】従って、第2油圧モータ37の正回転に
て、左側のリングギヤ42が所定回転数にて逆回転する
と、右側のリングギヤ42が前記と同一回転数にて正回
転することになる。なお、エンジン(図示しない)から
の回転力は、ミッションケース30の外側にて一方の油
圧ポンプの軸(例えば走行用の油圧式駆動手段の第1油
圧ポンプ33の軸33a)に無端チェン60にて伝達
し、第1油圧ポンプ33の軸33aと第2油圧ポンプ3
6の軸36aとをミッションケース30にてチェン61
巻掛けにて動力伝達するように構成すれば(図3参
照)、エンジンからの動力伝達箇所が1か所で済み、操
向装置がコンパクトになる。
【0020】走行機体1の操縦部における座席に設けた
一本の操作レバー(図示せず)は、平面視で前後方向と
左右方向との互いに直交する2つの方向に動かすことが
可能で、走行速度の調節と操向操作を同時に実行できる
ようにしたものである。実施例では、前記操作レバーを
略垂直状に上向きに立てた時を中立位置とし、前方向に
回動すると走行機体1を前進させ、後方向に回動させる
と後退させ、且つその走行速度は操作レバーの前後傾斜
角度(垂直に対する傾き角度)が大きくなる程速くなる
ように設定するものであり、操作レバーを左右に傾動す
るときはその方向に走行機体1を旋回させ、左右傾斜角
度が大きくなる程旋回半径を小さくする(小廻りさせ
る)ように、走行用の油圧式駆動手段32及び旋回用の
油圧式駆動手段35の油圧ポンプ33,36の圧油吐出
方向及び吐出量を調節するものである。
【0021】この構成により、例えば、旋回用の油圧式
駆動手段35を停止させておけば、左右両側のリングギ
ヤ42,42の回転は停止した固定状態である。この状
態で走行用の油圧式駆動手段32を駆動すると、第1油
圧モータ34からの回転力は、太陽軸41のセンター歯
車49に入力され、その回転力は、左右両側の太陽歯車
40,40に同一回転数にて伝達され、左右両側の遊星
変速機構の遊星歯車39、腕歯車38を介して左右両側
の出力軸21a,21bに平等に同方向の同一回転数に
て出力されるので、直進走行ができる。
【0022】反対に、走行用の油圧式駆動手段32を停
止した状態では、前記太陽軸41及び左右両側の太陽歯
車40,40は固定される。この場合、ブレーキ軸50
を固定すべくブレーキ手段を作動させるのが好ましい。
この状態にて、旋回用の油圧式駆動手段35を例えば正
回転駆動させると、左の遊星歯車39、腕歯車38から
なる遊星変速機構は逆回転する一方、右の遊星歯車3
9、腕歯車38からなる遊星変速機構は正回転すること
になる。従って、左走行クローラ2aは後進する一方、
右走行クローラ2bは前進するので、走行機体1はその
場で、左にスピンターンすることになる。
【0023】図5は、横軸に前記操作レバーの左右傾動
角度、縦軸に左右の走行クローラの走行速度(m/se
c.)を採ったもので、実線及び点線はスピンターンの状
態を示し、実線A1、点線a1は左走行クローラ2aを
示し、実線B1、点線b1は右走行クローラ2bを示
す。実線A1、点線a1は前進(+符号)、実線B1、
点線b1は後進(−符号)であり、操作レバーの左方向
または右方向(旋回方向)の同一傾斜角度に対して、左
右両走行クローラの走行速度の絶対値は同じであること
を示す。なお、実線と点線とは操作レバーの前傾角度の
大小、つまり走行速度の大小によるものである。従っ
て、操作レバーの前傾角度、または後傾角度と左右傾斜
角度を変更することにより、任意の速さでスピンターン
を無段階調節することができる。
【0024】図5の一点鎖線及び二点鎖線は、緩旋回〜
急旋回までを任意の速さで且つ旋回半径を任意に無段階
調節する場合であって、例えば、左右両走行クローラ2
a,2bを1.5(m/sec.)にて前進走行させている
状態から右旋回する場合、左走行クローラ2aがx(m
/sec.)の速度増速する一方(一点鎖線A2参照)、右
走行クローラ2bは前記と同じ値x(m/sec.)の速度
減速することになる(一点鎖線B2参照)。即ち、左走
行クローラ2aは、1.5+x(m/sec.)で走行し、
右走行クローラ2bは1.5−x(m/sec.)にて走行
して右旋回することになる。また、この増速・減速x
(m/sec.)は、操作レバーの傾斜角度により任意に無
段階に調節でき、二点鎖線で示す左走行クローラ2aの
速度線a2及び右走行クローラ2bの速度線b2のよう
に緩旋回もできる。
【0025】この場合、左走行クローラ2aの速度線A
2や速度線a2が大きい状態で、右走行クローラ2bの
速度線B2や速度線b2のように速度0の状態や後進状
態も採ることができる。これらの場合、走行用の油圧式
駆動手段32及び旋回用の油圧式駆動手段35のいずれ
も、ブレーキもしくはクラッチのすべりによる動力損失
はなく、油圧ポンプと油圧モータの通常の油圧動力伝達
損失のみであるので、損失馬力を大幅に少なくすること
ができる効果を奏する。
【0026】この種の操向装置では、走行用の油圧式駆
動手段32の第1油圧ポンプ33及び第1油圧モータ3
4を馬力(容量)の大きなものを使用し、旋回用の油圧
式駆動手段35の第2油圧ポンプ36及び第2油圧モー
タ37の馬力(容量)を小さいものに設定することがで
き、エネルギー効率が向上する。これに対して、従来の
ように左右の走行クローラを、油圧ポンプと油圧モータ
からなる2組の油圧式駆動手段で別個独立的に駆動する
場合には、直進時に左右両走行クローラを同一速度で駆
動するのに必要な大きい馬力(容量)のものを備えてお
く必要があり、緩旋回時には旋回内側の油圧式駆動手段
の馬力(容量)が余ることになり、エネルギーロスが大
きい。
【0027】図6及び図7に示す第2実施例では、走行
用の油圧式駆動手段32における第1油圧モータ33か
らの入力軸44は、左右の走行クローラ2a,2bへの
出力軸21a,21bと平行状であり、旋回用の油圧式
駆動手段35における第2油圧モータ3からの入力軸5
5は前記入力軸44と直交して配置し、この入力軸55
の先端の傘歯車62は、相対向配置された傘歯車63,
64に噛み合い。各傘歯車63,64とそれと一体的に
回転する伝動歯車65,66がそれぞれ前記左右のリン
グギヤ42,42の外歯に噛み合って回転力が伝達され
る。従って、第2油圧モータ37の正回転に対して、傘
歯車63は正回転するとすれば傘歯車64は逆回転し、
もって左リングギヤ42は正回転して右リングギヤ42
は逆回転することになる。
【0028】なお、走行用の油圧式駆動手段32におけ
る第1油圧ポンプ33の軸と旋回用の油圧式駆動手段3
5における第2油圧ポンプ36の軸とは平行状に配置さ
れているので、エンジンからの動力は一方の油圧ポンプ
の軸に入力し、この軸から他方の油圧ポンプの軸にチェ
ン巻掛け伝動すれば良い。その他、遊星変速機構や走行
用の油圧式駆動手段32等の歯車の噛み合い関係は前記
第1実施例と同じであるので、同じ部品に対して同じ符
号を付し、構成及び作用の詳細な説明は省略する。
【0029】図8及び図9は第3実施例を示し、走行用
の油圧式駆動手段32における第1油圧ポンプ33の軸
と旋回用の油圧式駆動手段35における第2油圧ポンプ
36の軸とは共通軸70であって、この共通軸70に固
着したプーリ71にエンジンからベルト72等により動
力を入力する。この共通軸70は、図9の実施例ではミ
ッションケース30から突出する左右の出力軸21a,
21bと平行状とするが、直交するように配置しても良
いのである。他方、走行用の油圧式駆動手段32におけ
る第1油圧モータ34からの入力軸73と旋回用の油圧
式駆動手段35における第2油圧モータ37からの入力
軸74とは、前記両出力軸21a,21bに対して直交
して配置されている。そして、走行用の油圧式駆動手段
32における入力軸73の先端に取付く傘歯車75に対
向して噛み合う傘歯車対76,77は太陽軸41と一体
的に回転する。
【0030】そして、左右一対の遊星変速機構31,3
1は左右対称状であって、同一半径上に3つの遊星歯車
39,39,39がそれぞれ回転自在に軸支された左右
一対の腕輪38,38をミッションケース30内にて同
軸線上にて適宜隔てて相対向させて配置する。前記各遊
星歯車39にそれぞれ噛み合う太陽歯車40,40を固
着した前記太陽軸41の左右両端は、両腕輪38,38
の内側にてその回転中心部に位置する軸受に回転自在に
軸支されている。
【0031】また、内周面の内歯と外周面の外歯とを備
えたリングギヤ42は、その内歯が前記3つの39,3
9,39にそれぞれ噛み合うように、太陽軸41と同心
状に配置されており、このリングギヤ42は、前記太陽
軸41上または、前記腕輪38の外側面から外向きに突
出する中心軸43上に軸受を介して回転自在に軸支され
る。
【0032】旋回用の油圧式駆動手段35における第2
油圧モータ37からの回転動力は、入力軸74の先端に
取付く傘歯車78は相対向して配置された傘歯車対7
9,80と噛み合い、一方の傘歯車79と一体的に回転
する伝動歯車81が図8に示す左側のリングギヤ42の
外歯に噛み合い、他方の傘歯車80と一体的に回転する
伝動歯車82は右側のリングギヤ42の外歯と噛み合
う。
【0033】従って、第2油圧モータ37の正回転に対
して、傘歯車79が正回転するとすれば傘歯車80は逆
回転し、もって左リングギヤ42は正回転して右リング
ギヤ42は逆回転することになる。なお、前記走行用の
入力軸73の傘歯車75と噛み合う一方の傘歯車77ま
たは太陽軸41にはプーリ83を一体的に回転するよう
に設け、該プーリ83と、作業機等への回転力を伝達す
るPTO軸52のプーリ84をチェン85にて巻掛けし
て出力するように構成する。
【0034】そして、前記走行用の油圧式駆動手段32
からの回転動力は、前記太陽軸41を介して、前記左右
一対の遊星変速機構31,31に伝達され、前記左側の
腕輪38の中心軸43に固着した伝動歯車53を、左側
の出力軸21aに固着した伝動歯車54に噛み合わせて
出力する。同様に、右側の腕輪38の中心軸43に固着
した伝動歯車53を、右側の出力軸21bに固着した伝
動歯車54に噛み合わせて出力する(図8及び図9参
照)。
【0035】この構成により、例えば、旋回用の油圧駆
動手段35を停止させておけば、左右両側のリングギヤ
42,42の回転は停止した固定状態である。この状態
で走行用の油圧式駆動手段32を駆動すると、第1油圧
モータ34からの回転力は、傘歯車75、76,77を
介して太陽軸41に入力され、その回転力は、左右両側
の遊星変速機構31,31における太陽歯車40,40
に同一回転数にて伝達され、左右両側の遊星変速機構の
遊星歯車39、腕歯車38を介して左右両側の出力軸2
1a,21bに平等に出力されるので、直進走行ができ
る。
【0036】反対に、走行用の油圧式駆動手段32を停
止した状態では、前記太陽軸41及び左右両側の太陽歯
車40,40は固定される。この状態にて、旋回用の油
圧式駆動手段35を例えば正回転駆動させると、リング
ギヤ42を介して左の遊星歯車39、腕歯車38からな
る遊星変速機構は正回転する一方、リングギヤ42を介
して右の遊星歯車39、腕歯車38からなる遊星変速機
構は逆回転することになる。従って、左走行クローラ2
aは前進する一方、右走行クローラ2bは後進するの
で、走行機体1はその場で、左にスピンターンすること
になる。
【0037】そして、前記走行用の油圧式駆動手段32
における容量可変式の第1油圧ポンプ33及び、旋回用
の油圧式駆動手段35における容量可変式の第2油圧ポ
ンプ36の回転斜板の角度をそれぞれ変更調節すること
により、第1油圧モータ34第2油圧モータ37への圧
油の吐出方向と吐出量とをそれぞれ変更することができ
るので、前記第1実施例と同様にして、緩旋回から急旋
回まで無段階に旋回半径や旋回速度を変更調節できると
共にスピンターンの速度も無段階にて調節できるもので
ある。
【0038】この実施例では、第1油圧ポンプ33及び
第2油圧ポンプ37から各傘歯車75、78間での入力
軸73、74の長さを任意に設定できるから、ミッショ
ンケース30をコンパクトにできる。また、両油圧式駆
動手段と、起動輪22への出力軸までの距離も任意に設
定することができる。さらに、PTO軸52にはチェン
による動力伝達であるので、PTO軸52の配置位置を
任意に設定できるという利点がある。
【0039】なお、走行速度が一定(所定)の値以上の
とき、旋回操作をすると、遠心力が大きくなって、搭乗
者が旋回外側に振り回されて走行機体1から落ちる危険
がある。そこで、車速(走行速度)が一定以上の時に旋
回操作を実行すると、走行速度が減速されるように、第
1油圧ポンプ33の吐出量制御と第2油圧ポンプ36の
吐出量制御とを機械的、または電気的に連動させるよう
に構成することが好ましい。さらに、走行用の油圧式駆
動手段32において、操作レバーが中立位置(停止位
置)近傍にあるとき、旋回操作が出来ないようにする機
械的または電気的な制限手段を設けておけば、誤って操
作レバーに触れて、作業者が予期しないときに旋回する
という危険を防止できる。
【0040】図2の実施例に代えて、走行用の油圧式駆
動手段32からの伝動歯車48を介して左右両側のリン
グギヤ42,42に、同一方向、同一回転数にて動力伝
達する一方、前記センター歯車49を省略し、且つ左右
の太陽歯車40,40が互いに独立的に回転可能となる
ように、太陽軸41を左右に分割し、旋回用の油圧式駆
動手段35における左の伝動歯車65を左の太陽軸41
に固着した歯車(図示せず)に噛み合わせ、右の伝動歯
車65を右の太陽軸41に固着した歯車(図示せず)に
噛み合わせるように構成しても良い。
【0041】本発明は、農作業機ばかりでなく、ブルド
ーザ等の土木用の走行車両にも適用できることはいうま
でもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの側面図である。
【図2】第1実施例の操向装置の動力伝達ブロック図で
ある。
【図3】第1実施例の操向装置の側面図である。
【図4】第1実施例の操向装置の一対の遊星変速機構部
の一部断面図である。
【図5】第1実施例の作用説明図である。
【図6】第1実施例の操向装置の動力伝達ブロック図で
ある。
【図7】第2実施例の操向装置の側面図である。
【図8】第3実施例の操向装置の動力伝達ブロック図で
ある。
【図9】第3実施例の操向装置の側面図である。
【符号の説明】
20 操向装置 21a,21b 出力軸 30 ミッションケース 31,31 遊星変速機構 32 走行用の油圧式駆動手段 33 第1油圧ポンプ 34 第1油圧モータ 35 旋回用の油圧式駆動手段 36 第2油圧ポンプ 37 第2油圧モータ 38 腕輪 39 遊星歯車 40 太陽歯車 42 リングギヤ 49 センター歯車

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧ポンプと油圧モータとから成る走行
    用の油圧式駆動手段からの動力を、左右一対の遊星変速
    機構を介して走行作業機における左右一対の走行クロー
    ラへの出力軸に伝達させるように構成する一方、油圧ポ
    ンプと油圧モータとから成る旋回用の油圧式駆動手段か
    らの動力を、前記一方の遊星変速機構と他方の遊星変速
    機構とに互いに逆方向の回転を付与するように伝達し、 前記走行用及び旋回用の両油圧式駆動手段の出力調節量
    に応じて、直進走行から一方の走行クローラと他方の走
    行クローラとの回転方向が互いに逆となる旋回動作まで
    を無段階調節可能に構成する一方、 前記走行用の油圧式駆動手段における油圧ポンプ及び油
    圧モータの対と旋回用の油圧式駆動手段における油圧ポ
    ンプ及び油圧モータの対とを、前記伝達機構を内蔵する
    ミッションケースの別々の箇所に装着したことを特徴と
    する走行作業機の操向装置。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103244635A (zh) * 2012-02-03 2013-08-14 中国人民解放军63983部队 一种复合传动机构
CN104141749A (zh) * 2014-07-25 2014-11-12 湖南农业大学 机械直驱履带车辆用液控无级变速器
CN104141750A (zh) * 2014-07-25 2014-11-12 湖南农业大学 双离合器直控式履带车辆用无级变速器
CN104141748A (zh) * 2014-07-25 2014-11-12 湖南农业大学 机械直驱液压双控式履带车辆用无级变速器
CN104141747A (zh) * 2014-07-25 2014-11-12 湖南农业大学 双离合器式履带车辆用液控无级变速器
CN106641176A (zh) * 2017-02-15 2017-05-10 苏州萨伯工业设计有限公司 比例差速转向行驶装置
CN107061685A (zh) * 2017-02-15 2017-08-18 苏州萨伯工业设计有限公司 液控差速转向装置

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