JP3323357B2 - 走行クローラの操向装置 - Google Patents

走行クローラの操向装置

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JP3323357B2 JP09091995A JP9091995A JP3323357B2 JP 3323357 B2 JP3323357 B2 JP 3323357B2 JP 09091995 A JP09091995 A JP 09091995A JP 9091995 A JP9091995 A JP 9091995A JP 3323357 B2 JP3323357 B2 JP 3323357B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、刈取脱穀できるコンバ
インや、農作業用または土木用のトラクタ等、左右一対
の無限軌道帯式の走行クローラを備えた走行車両におけ
る操向装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、実開平4−1077号公
報に開示されているように、コンバインやトラクタ等の
走行車両における走行部を、左右一対の無限軌道帯式の
走行クローラにて構成し、左右走行クローラへの出力軸
に動力伝達する差動傘歯車機構として、前記左右各出力
軸に太陽傘歯車を固定し、一対の出力軸に対して自由回
転するデフギヤケースに駆動源から傘歯車を介して入力
し、デフギヤケースには、前記左右両側の太陽傘歯車に
それぞれ噛み合う遊星傘歯車を回転可能に装着するにあ
たり、その一方の遊星傘歯車の回転方向及び速度をデフ
ギヤケースに装着した旋回操作用の油圧モータにて制御
することを提案している。
【0003】この構成においては、前記油圧モータにて
回転する遊星傘歯車の回転方向により、旋回外側の太陽
歯車の回転数を増加させる分だけ旋回内側の太陽歯車の
回転数を減少させて任意の旋回半径に無段階に変更させ
ることができる。また、デフギヤケースの回転を停止し
た状態で、前記旋回操作用の油圧モータを回転させる
と、一方の出力軸の回転方向と他方の出力の回転方向が
逆になり、いわゆるスピンターンができるのである。
【0004】そして、このような油圧モータの回転方向
及び回転数は、旋回用ハンドルの操作方向及び操作量に
て変更するように構成するのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前進時
と後退時とで、走行用の駆動軸の回転方向を逆転させた
場合、前進時における例えば右旋回のための油圧モータ
の操作方向と後退時における右旋回のための油圧モータ
の操作方向とが逆になるから、操向(旋回)用のハンド
ルを、前進時に回す方向と後退時に回す方向とを逆にし
ないと、同じ方向に旋回できないことになり、オペレー
タは前進時と後退時とでハンドル操作を逆するというこ
とを予め知っていなければ不便であるし、不慣れにより
操向操作が困難になるという問題があった。
【0006】また、旋回のためのハンドルの操作量を同
じにしたときの旋回半径が、前進時と後退時とで同じで
ないと、やはり旋回操作に困難が伴うという問題があっ
た。本発明は、前記従来の技術的課題を解決すべくなさ
れたものであって、第1の目的は、機械的構成により、
前進時と後退時とで、前記走行用の駆動軸の回転方向逆
転させる操作に連動して、操向用の駆動源の回転方向を
逆転させるようにすることであり、第2の目的は、ハン
ドルの操作量を同じにしたときの旋回半径が、前進時と
後退時とで同じようにできる構成を備え、走行クローラ
の操向操作の不便さを解消できるようにすることであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明の走行クローラの操向装置は、
エンジンからの動力を、前進・後退の出力に切り換え可
能な動力伝達機構を介して左右一対の走行クローラへ伝
達するように構成する一方、前記動力伝達機構には、左
右一対の遊星歯車機構を備えた差動機構を設け、操向用
ハンドルの左右旋回のための操作量に応じて出力調節可
能な油圧式駆動手段を介して旋回に必要な差動トルクを
前記差動機構に付与するように構成してなる走行クロー
ラの操向装置において、前記動力伝達機構には、第1油
圧モータと該第1油圧モータの回転方向と回転数とを前
進後退切替えレバーの操作により変更可能な第1油圧ポ
ンプとを設け、 前記油圧式駆動手段を、第2油圧モータ
と該第2油圧モータの回転方向と回転数とを変更可能な
第2油圧ポンプとにより構成し、 前記油圧式駆動手段と
前記操向用ハンドルとの間には、前記前進と後退とに切
り換えると、X軸回りの回動方向を正逆に切替えする回
動ブロックを備え、 前記操向用ハンドルの右旋回及び左
旋回の操作に応じて前記回動ブロックを前記X軸と直交
するZ軸回りに正逆方向に回動し、且つ前記操向用ハン
ドルの操作量に比例して、前記Z軸回りの回動量を増減
するように構成して、 前記第2油圧ポンプの圧油の吐出
方向と吐出量とを調節するように構成したものである。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の走
行クローラの操向装置において、前記第2油圧ポンプ
おける出力調節が、旋回時における操向用ハンドルの操
作量に比例するようにした比例機構を備えたものであ
る。
【0009】
【発明の作用・効果】従って、請求項1の発明によれ
ば、左右一対の遊星歯車機構を備えた差動機構を有する
動力伝達機構を介して左右走行クローラを駆動するもの
であり、前記両遊星歯車機構を停止させておけば走行機
体は直進する。この直進状態にて油圧式駆動手段を介し
て左右一対の遊星歯車機構を駆動させるとき、操向用ハ
ンドルの操作量に応じて油圧式駆動手段の出力を調節し
て差動トルクを変更すると、その駆動速度に応じて走行
機体の旋回半径を任意に調節することができる。また、
第1油圧ポンプの出力回転方向を逆転することにより、
走行機体の前進と後退とに切替えでき、第2油圧ポンプ
の出力回転方向を逆転することにより、前記一対の遊星
歯車機構に対する差動トルクの付与を逆にして左右旋回
を実行する。
【0010】そして、例えば前進から後退への切換に際
して動力伝達機構を介して走行クローラの回転方向を逆
転させるとき、油圧式駆動手段の駆動回転方向を逆転し
なければ、通常は前進時の操向用ハンドルの左右旋回の
操作方向と後退時の前記操作方向とを逆にしなければな
らないが、そうするとオペレータの操作が困難になる。
そこで、前記油圧式駆動手段と前記操向用ハンドルとの
間には、前記前進と後退との切り換えるとき、操向用ハ
ンドルの右旋回及び左旋回の操作に対する前記油圧式駆
動手段の出力方向を切り換えるための機械的切換手段を
設けることにより、前進時の左右旋回のための操向用ハ
ンドルの操作方向と後退時の前記操作方向とを同じにす
ることができるから、オペレータは困難なく旋回操作を
実行できるという効果を奏する。
【0011】そこで、前記動力伝達機構には、前進後退
切替えレバーの操作により第1油圧モータと該第1油圧
モータの回転方向と回転数とを変更可能な第1油圧ポン
プとを設け、前記油圧式駆動手段を、第2油圧モータと
該第2油圧モータの回転方向と回転数とを変更可能な第
2油圧ポンプとにより構成し、前記油圧式駆動手段と前
記操向用ハンドルとの間には、前記前進と後退とに切り
換えると、X軸回りの回動方向を正逆に切替えする回動
ブロックを備え、前記操向用ハンドルの右旋回及び左旋
回の操作に応じて前記回動ブロックを前記X軸と直交す
るZ軸回りに正逆方向に回動し、且つ前記操向用ハンド
ルの操作量に比例して、前記Z軸回りの回動量を増減す
るように構成して、前記第2油圧ポンプの圧油の吐出方
向と吐出量とを調節するように構成することにより、前
進時の左右旋回のための操向用ハンドルの操作方向と後
退時の前記操作方向とを同じにすることができるから、
オペレータは困難なく旋回操作を実行できるという効果
を奏する。
【0012】そして、請求項2の発明では、前記第2油
圧ポンプにおける出力調節が、旋回時における操向用ハ
ンドルの操作量に比例するようにした比例機構を備えた
ものであるから、操向用ハンドルの操作量に応じて左右
旋回半径を変更調節でき、操向用ハンドルの操作量を同
じにしたときの旋回半径が、前進時と後退時とで同じよ
うにでき、緩旋回も急旋回も任意に実行することができ
て旋回操作を至極簡単にできるという効果を奏する。
【0013】
【実施例】次に、本発明をコンバインに適用した実施例
について説明すると、図1は左右一対の走行クローラ2
a,2bを有する走行車両である汎用コンバインの走行
機体1の側面図であり、該走行機体1上には脱穀装置3
を搭載し、該脱穀装置3における扱室内の扱胴4をその
軸線が走行機体1の進行方向に沿うように配設し、その
下方には受け網とシーブ等による揺動選別装置5と唐箕
フアン6の風による風選別装置とを備え、脱穀装置3の
側方に脱穀済みの穀粒を貯留する籾タンクを搭載してあ
る。
【0014】刈取前処理装置7は、前記脱穀装置3の前
部に開口し、昇降用油圧シリンダ8にて昇降自在な角筒
状のフイーダハウス9(内部にチエンコンベヤ9aを備
える)と、該フイーダハウス9の前端に連設した横長の
バケット状のプラットホーム10と、該プラットホーム
10内に横設した横長の掻き込みオーガ11と、その前
方上部位置のタインバー付きリール12と、プラットホ
ーム10下面側に左右長手に配設したバリカン状の刈刃
14とから成る。また、刈取前処理装置7の前部左右両
端には、前向きに突出する左右一対の分草体15を備え
ている。
【0015】左右の走行クローラ2a,2bは、それぞ
れ、後述する操向装置20の左右の出力軸21a,21
bから出力される動力にて回転駆動する起動輪22,2
2と、走行機体1の後端側に後向き付勢された誘導輪2
3,23とに巻掛けられた履帯24,24と、各履帯2
4の下側内周面を支持する懸下輪(下部転輪)25等か
らなる。
【0016】次に、動力伝達機構を備えた操向装置20
の構成について説明する。図2〜図4に示す第1実施例
は、ミッションケース30内に、後述する左右一対の遊
星歯車機構31,31等からなる差動機構と、第1油圧
ポンプ33及び第1油圧モータ34からなる走行用の油
圧式駆動手段32と、第2油圧ポンプ36及び第2油圧
モータ37からなる旋回用の油圧式駆動手段35等を内
装する。
【0017】左右一対の遊星歯車機構31,31は左右
対称状であって、同一半径上に複数(実施例では3つ)
の遊星歯車39,39,39がそれぞれ回転自在に軸支
された左右一対の腕輪38,38をミッションケース3
0内にて同軸線上にて適宜隔てて相対向させて配置す
る。前記各遊星歯車39にそれぞれ噛み合う太陽歯車4
0,40を固着した太陽軸41の左右両端は、両腕輪3
8,38の内側にてその回転中心部に位置する軸受に回
転自在に軸支されている。
【0018】内周面の内歯と外周面の外歯とを備えたリ
ングギヤ42は、その内歯が前記3つの39,39,3
9にそれぞれ噛み合うように、太陽軸41と同心状に配
置されており、このリングギヤ42は、前記太陽軸41
上または、前記腕輪38の外側面から外向きに突出する
中心軸43上に軸受を介して回転自在に軸支される。前
記走行用の油圧式駆動手段32における容量可変式の第
1油圧ポンプ33の回転斜板の角度を変更調節すること
により、第1油圧モータ34への圧油の吐出方向と吐出
量を変更して、当該第1油圧モータ34の出力軸の回転
方向及び回転数が調節可能に構成されている。第1油圧
モータ34からの回転動力は、入力軸44の入力歯車4
5から副変速機構の歯車46,47,48を介して、太
陽軸41に固定したセンター歯車49に伝達される。な
お、歯車48が取付くブレーキ軸50には図示しないブ
レーキ機構が設けられている。また、歯車46に噛み合
う歯車51を介して作業機等への回転力を伝達するPT
O軸52に出力する。
【0019】そして、前記走行用の油圧式駆動手段32
からの回転動力は、前記太陽軸41上に固定した前記セ
ンター歯車49を介して、前記左右一対の遊星歯車機構
31,31に伝達され、前記左側の腕輪38の中心軸4
3に固着した伝動歯車53を、左側の出力軸21aに固
着した伝動歯車54に噛み合わせて出力する。同様に、
右側の腕輪38の中心軸43に固着した伝動歯車53
を、右側の出力軸21bに固着した伝動歯車54に噛み
合わせて出力する(図2及び図4参照)。
【0020】旋回用の油圧式駆動手段35における容量
可変式の第2油圧ポンプ36の回転斜板の角度を変更調
節することにより、第2油圧モータ37への圧油の吐出
方向及び吐出量を変更して、当該第2油圧モータ37の
出力軸の回転方向及び回転数を調節可能に構成されてい
る。第2油圧モータ37からの回転動力は、入力軸55
に取付く一対の伝動歯車56,57に伝達される。そし
て、図2に示すように左側のリングギヤ42の外歯に対
しては伝動歯車56と直接噛み合い、右側の伝動歯車5
7が逆転軸58に取付く逆転歯車59に噛み合い、この
逆転歯車59と右側のリングギヤ42の外歯とが噛み合
う。
【0021】従って、第2油圧モータ37の正回転に
て、左側のリングギヤ42が所定回転数にて逆回転する
と、右側のリングギヤ42が前記と同一回転数にて正回
転することになる。この構成により、例えば、旋回用の
油圧式駆動手段35を停止させておけば、左右両側のリ
ングギヤ42,42の回転は停止した固定状態である。
この状態で走行用の油圧式駆動手段32を駆動すると、
第1油圧モータ34からの回転力は、太陽軸41のセン
ター歯車49に入力され、その回転力は、左右両側の太
陽歯車40,40に同一回転数にて伝達され、左右両側
の遊星歯車機構の遊星歯車39、腕歯車38を介して左
右両側の出力軸21a,21bに平等に同方向の同一回
転数にて出力されるので、直進走行ができる。従って、
走行用の油圧式駆動手段32のみを正回転駆動すると、
走行機体1は直進前進し、逆回転駆動したときには直進
後退する。
【0022】反対に、走行用の油圧式駆動手段32を停
止した状態では、前記太陽軸41及び左右両側の太陽歯
車40,40は固定される。この場合、ブレーキ軸50
を固定すべくブレーキ手段を作動させるのが好ましい。
この状態にて、旋回用の油圧式駆動手段35(第2油圧
ポンプ36)を例えば正回転駆動させると、左の遊星歯
車39、腕歯車38からなる遊星歯車機構は逆回転する
一方、右の遊星歯車39、腕歯車38からなる遊星歯車
機構は正回転することになる。従って、左走行クローラ
2aは後進する一方、右走行クローラ2bは前進するの
で、走行機体1はその場で、左にスピンターンすること
になる。
【0023】同様にして、旋回用の油圧式駆動手段35
(第2油圧ポンプ36)を逆回転駆動させると、左の遊
星歯車機構31は正回転し、右の遊星歯車機構31は逆
回転して、左走行クローラ2aは前進する一方、右走行
クローラ2bは後退するので、走行機体1はその場で、
右にスピンターンすることになる。走行用の油圧式駆動
手段32を駆動しつつ旋回用の油圧式駆動手段35を
した場合には、前進時及び後退時において、前記スピ
ンターン旋回半径の大きい旋回半径で右また左に旋回で
きることになり、その旋回半径は左右走行クローラ2
a,2bの速度に応じて決定されることになる。
【0024】なお、走行機体1に搭載したエンジン17
からの回転力は、チェンスプロケットと無端チェン60
とを介して、ミッションケース30の外側にて一方の油
圧ポンプの入力軸(例えば走行用の油圧式駆動手段の第
1油圧ポンプ33の入力軸33a)に伝達し、次いで、
第1油圧ポンプ33の入力軸33aと第2油圧ポンプ3
6の入力軸36aとをミッションケース30外のチェン
スプロケットにチェン61巻掛けにて動力伝達するよう
に構成する(図2及び図3参照)。
【0025】次に、図5〜図8を参照しながら、走行ク
ローラ2a,2bの駆動方向を前進時と後退とで、切り
換える走行切換操作装置70と、走行機体1を旋回させ
る旋回操作装置71とについて説明する。図5及び図6
に示すように、走行切換操作装置70における操作レバ
ー72は、操縦部における操作板73に穿設した平面視
略Z字状の案内溝74に沿って移動可能に突出してお
り、操作レバー72は、第1横軸75にて操作板73の
前後方向に回動可能な第1ブラケット76上の第2横軸
77を介して左右方向に回動可能に枢支されている。そ
して、第1ブラケット76の下端に連結して前後方向に
延びる一対の操作ワイヤ78a,78bを前記走行用の
第1油圧ポンプ33の操作部(図示せず)に接続して、
操作レバー72を中立位置から遠ざかる前後方向に傾け
る角度が大きくなるのに比例して、圧油吐出量を増大さ
せ、走行速度を高速となるように調節する。また、操作
レバー72の左右に連結した操作ワイヤ79a,79b
の案内管を第1ブラケット76上の設けた第2ブラケッ
ト80に固定し、操作レバー72を左右方向に回動する
(傾ける)とき、前記第1油圧ポンプ33を操作して、
第1油圧モータ34の出力軸の回転方向を前進用と後退
用とに切り換える。
【0026】従って、図6に示すように、案内溝74に
おける横溝部74aの左右中央箇所に操作レバー72を
位置させるときには中立位置(停止位置)となり、操作
レバー72を右に倒して前進に切り換え、前方に傾ける
につれて前進高速となる。反対に操作レバー72を左に
倒して後退に切り換え、後方に傾けるにつれて後退高速
となる。
【0027】次に、図8〜図10を参照して、操向用
(旋回用)ハンドル81の旋回操作方向と、走行機体1
の前進時と後退時とにおける旋回方向とを一定にするた
めの、換言すると、走行機体1を前進と後退とに走行方
向を切り換えても、ハンドル81を右に傾動(回動)す
れば右方向に旋回し、左方向に傾動(回動)させると左
方向に旋回するための機械的な切換手段82について説
明する。
【0028】まず、前提として、前述したように、操向
装置20における走行用の第1油圧ポンプ33及び旋回
用(操向用)第2油圧ポンプ36の入力軸の回転方向は
前進時と後退時とで一定であり、第1油圧ポンプ33及
び旋回用(操向用)第2油圧ポンプ36からそれぞれに
対応する第1油圧モータ34及び第2油圧モータ37へ
の圧油の吐出方向が逆転可能である。
【0029】ところで、前進時に正回転していた第1油
圧モータ34のみの回転方向を逆転させると、第2油圧
モータ37による前記左右一対の遊星歯車機構31,3
1の作用(動き)は前進時と後退時とで逆になる。然る
に、第2油圧ポンプ36の圧油の吐出方向及び吐出量を
制御操作するための制御レバー(図示せず)の動きを前
進時の状態で機械的に規定していると、つまり、この制
御レバーを一方に回動するとき前進時右旋回し、他方に
回動させると前進時左旋回するというように機械的に構
成していると、後退時に前記第2油圧ポンプ36の入力
軸(出力軸)の回転方向を逆転させなければ、前記制御
レバーを一方に回動したとき、左旋回方向に作用し、他
方に回動すれば右旋回方向に作用することになる。
【0030】そこで、前記旋回操作用のハンドル81と
前記制御レバーとの間に機械的な切換手段82を設け
て、走行機体1を前進と後退とに走行方向を切り換え
て、行機体1が前進時と後退時とに拘らず、ハンドル8
1を右に傾動(回動)すれば右方向に旋回し、左方向に
傾動(回動)させると左方向に旋回するように構成する
ものである。
【0031】前記切換手段82における回動ブロック8
3は、図8等に示すように、X軸方向に延びる水平回動
軸84に軸受85を介して回動可能に被嵌し、水平回動
軸84の基端を、機体に固定したコ字状のブラケット8
7に取付けられた縦軸86に対して垂直方向(Z軸方
向)の軸線回りに回動可能に装着する。そして、前記前
進・後退切り換え用の操作レバー72に連結した一対の
操作ワイヤ79a,79bから枝別れした、もしくは並
列状に設けた一対の操作ワイヤ89a,89bの端部
を、前記回動ブロック83の外周面に対して前記水平回
動軸84の軸線を左右から囲むように下方から上向きに
延長させ、回動ブロック83の外周面の上部側でB点に
て固定する。従って、中立位置を示す図7(a)、前進
位置を示す図7(b)、後退位置を示す図7(c)から
理解できるように、操作レバー72の傾き方向(従っ
て、操作レバー72による走行機体の停止、前進、後退
の操作)に応じて、前記回動ブロック83を傾き方向を
設定させることができる。
【0032】また、前記回動ブロック83には、A点の
自在継手90を介して連動杆91を接続し、この連動杆
91の他端をX軸の延長上にて、ボール継手等の自在継
手92を介して連杆93に接続する。この連杆93はX
軸と一致して前後移動するように摺動軸受94にて移動
可能に支持され、連杆93の他端は、旋回用の第2油圧
ポンプ36の圧油の吐出方向及び吐出量を調節する制御
レバー(図示せず)に連結されている。
【0033】前記水平回動軸84の他端に固定した回動
板96に設けたボール継手等の自在継手97(C点)を
介して押し引き杆98を連結する一方、前記ハンドル8
1により回動する歯車100に噛み合わせたラック99
が図9のY軸方向に沿って左右移動するのに連動して押
し引き杆98がY1方向またはY2方向に移動するよう
に構成されている。なお、前記一対の操作ワイヤ89
a,89b案内管は回動板96に取付けられている。
【0034】ここで、操向用(旋回用)ハンドル81の
操作として、当該ハンドル81を左右に傾動するときは
その方向に走行機体1を旋回させ、且つ左右傾斜角度が
大きくなる程旋回半径を小さくする(小廻りさせる)よ
うに設定する。次に、図12(a)〜(c)を参照し
て、前記ハンドル81の回動方向と回動ブロック83の
姿勢並びにその姿勢における、旋回の態様とについて説
明すると、直進時(前進・後退時の両方)においては、
ハンドル81は図9の実線で示す垂直状に保持する。こ
の状態では、操作レバー72のみを図5及び図6の前後
方向に回動させて、前進・後退時の両方において走行速
度を低速から高速に無段階に変速できる。
【0035】また、この状態では、前記回動ブロック8
3における自在継手90の位置は、図12(a)及び
(b)のA点(Z軸線上)にあり、たとえ回動ブロック
83がZ軸線回りに回動したとしても、A点は不動であ
るので、この連動杆91と連杆93との接続点P(自在
継手92の箇所)はX軸方向に移動しないから、連杆9
3をX軸方向に押し引きすることがなく、第2油圧ポン
プ36の作動に影響を及ぼさないから、旋回作用が起こ
らない。
【0036】次に、図7に示すように、操作レバー72
を前進方向に回動させると、操作ワイヤ89bを下向き
に引き、回動ブロック83は水平回動軸84(X軸回
り)に回動して図7(b)のように左にθ角度だけ傾
(図11の実線状態参照)、B点はB′点に移動し、前
記A点はA′点、つまりX軸回りにてY1方向に移動す
る(図12(b)及び(c)参照)。
【0037】反対に、図7に示すように、操作レバー7
2を後退方向に回動させると、操作ワイヤ89aを下向
きに引き、回動ブロック83はX軸回りに回動して図7
(c)のように右にθ角度だけ傾き、B点はB″点に移
動し、前記A点はA″点、つまりX軸回りにてY2方向
に移動する(図12(b)及び(c)参照)。これらの
A′点、A″点の位置では、前述のようにハンドル81
は中立位置(左右旋回を実行していない位置)であり、
たとえ回動ブロック83がZ軸線回りに回動したとして
も、連動杆91がZY平面上を動くだけであり、この連
動杆91と連杆93との接続点P(自在継手92の箇
所)はX軸方向に移動しないから、前記連杆93をX軸
方向に移動させない状態であるので、左右旋回の中立位
置となる。なお、実施例では、操作レバー72を前進方
向及び後退方向に回動すればハンドル81も若干連動し
て偏倚する。
【0038】次いで、前記前進操作時において、ハンド
ル81を右方向(右旋回操作方向)に回動すると(図9
参照)、その回動角度に比例して押し引き杆98を介し
て回動板96及び回動ブロック83を縦軸86(Z軸)
回りに回動させ(図11の二点鎖線参照)、A′点はA
1′点方向(図12(c)で時計方向)に移動するの
で、自在継手90及び連動杆91を介して連動杆91と
連杆93との接続点Pは、図12(c)のP1点方向
(X1方向)に移動し、その移動量に比例して右旋回半
径を小さくするようにして旋回できる。前記と逆にハン
ドル81を左方向(左旋回操作方向)に回動すると(図
9参照)、その回動角度に比例して押し引き杆98を介
して回動板96及び回動ブロック83を縦軸86(Z
軸)回りに回動させ、A′点はA2′点方向(図12
(c)で反時計方向)に移動し、且つ連杆93と接続点
はP2方向に移動して(図12(c)参照)、左旋回で
きることになる。
【0039】後退操作時においては、回動ブロック83
の傾き方向が前進操作時と逆方向であるため、ハンドル
81を右方向(右旋回操作方向)に回動すると、A″点
はA1″点方向(図12(c)で時計方向)に移動し、
前記連杆93の移動方向を逆点させ、右方向への旋回が
できる。同様に後退操作時で、ハンドル81を左方向
(左旋回操作方向)に回動すると、A″点はA2″点方
向(図12(c)で反時計方向)に移動し(図12
(c)参照)、左旋回できることになる。
【0040】なお、図13は、横軸に前記操向用ハンド
ル81の回動角度を採り(最大回動角度に対するパーセ
ントで示す)、縦軸に左右の走行クローラの走行速度
(m/sec.)を採った速度線図を示す。操向用ハンドル
81の回動角度0%の位置では、左右の走行クローラの
走行速度は0であり、その状態から操向用ハンドル81
の回動角度を増大させたときの実線α1は左走行クロー
ラ2aの走行速度を示し、実線β1は右走行クローラ2
bの走行速度を示す。実線α1は前進(+符号)、実線
β1は後進(−符号)であるので、操向用ハンドル81
の右方向(旋回方向)の同一傾斜角度に対して、左右両
走行クローラの走行速度の絶対値は同じで、前進・後退
の方向のみ異なっていることを示す。従って、実線α1
と実線β1との組合せにより、右方向旋回の芯地ターン
(スピンターンの一態様)の状態を示すことになる。
【0041】そして、操向用ハンドル81の左方向回動
角度を変更することにより、任意の速さで芯地ターンを
無段階調節することができる。左旋回の芯地ターンを実
行するときには、前記と逆に右走行クローラ2bは所定
の速度で前進させ、左走行クローラ2aは所定速度で後
退させると良い。図13の破線は、緩旋回〜急旋回まで
を任意の速さで且つ旋回半径を任意に無段階調節する場
合の速度線図であって、例えば、左右両走行クローラ2
a,2bを1.0 (m/sec.)にて前進走行させている状
態から右旋回する場合、ハンドル81の単位回動角度当
たり左走行クローラ2aがx(m/sec.)の速度だけ増
速する一方(破線α2参照)、右走行クローラ2bは前
記と同じ値x(m/sec.)だけ減速することになる(破
線β2参照)。即ち、ハンドル81を一定角度θ回動さ
せると、左走行クローラ2aは、1.0 +x1・θ(m/
sec.)で走行し、右走行クローラ2bは1.0 −x1・θ
(m/sec.)にて走行して右旋回することになる。従っ
て、旋回半径は、ハンドル81の回動角度により任意に
無段階に調節できる。図13の一点鎖線は、左右両走行
クローラ2a,2bの初期走行速度(前進時)が2.0
(m/sec.)から開始した右旋回の態様を示す。
【0042】図13で示すように、左右両走行クローラ
2a,2bが前進(後退)状態であって、速度差がある
ときには緩旋回となり、一方の走行クローラと他方の走
行クローラとの進行方向が互いに逆になるときは、いわ
ゆるスピンターン(急旋回)を実行できることになる。
このような旋回態様は後退時においても実行できること
になる。
【0043】これらの場合、走行用の油圧式駆動手段3
2及び旋回用の油圧式駆動手段35のいずれも、ブレー
キもしくはクラッチのすべりによる動力損失はなく、油
圧ポンプと油圧モータの通常の油圧動力伝達損失のみで
あるので、損失馬力を大幅に少なくすることができる効
果を奏する。この種の操向装置では、走行用の油圧式駆
動手段32の第1油圧ポンプ33及び第1油圧モータ3
4を馬力(容量)の大きなものを使用し、旋回用の油圧
式駆動手段35の第2油圧ポンプ36及び第2油圧モー
タ37の馬力(容量)を小さいものに設定することがで
き、エネルギー効率が向上する。これに対して、従来の
ように左右の走行クローラを、油圧ポンプと油圧モータ
からなる2組の油圧式駆動手段で別個独立的に駆動する
場合には、直進時に左右両走行クローラを同一速度で駆
動するのに必要な大きい馬力(容量)のものを備えてお
く必要があり、緩旋回時には旋回内側の油圧式駆動手段
の馬力(容量)が余ることになり、エネルギーロスが大
きい。
【0044】他の実施例として、走行用の油圧式駆動手
段32における第1油圧ポンプ33の軸と旋回用の油圧
式駆動手段35における第2油圧ポンプ36の軸とを直
列連結しても良い。また、前記実施例では、エンジンか
らの動力を走行用の油圧式駆動手段32を介して操作装
置20に入力しているが、この手段32に代えて機械的
変速装置(ミッション)を介して入力するように構成し
ても良い。
【0045】なお、前述のように、エンジン16からの
回転力(駆動力)を第1油圧ポンプ32及び第2油圧ポ
ンプ36に対して連動して伝達するような構成である
と、走行速度を高速にすべく第1油圧ポンプ32の回転
数を上昇させるのに比例して第2油圧ポンプ36の回転
数も上昇するから、高速走行時における単位時間当たり
の第2油圧ポンプ36からの圧油の吐出量は低速状態に
おける吐出量より大きくなる。従って、走行速度が低い
状態から旋回に入ったときのハンドルの単位回動角度当
たりの左右走行クローラ2a,2bの増速・減速x1
(m/sec.)の値に比べて、高速走行時の状態から旋回
に入ったときのハンドルの単位回動角度当たりの左右走
行クローラ2a,2bの増速・減速x2(m/sec.)の
値のほうが大きくなる。換言すると、図13で示すよう
に、一点鎖線の勾配は破線の勾配より大きくなる。
【0046】これでは、高速走行時の状態から旋回に入
ったときに、操向用ハンドル81の回動角度θを大きく
した状態(旋回半径を小さくする状態)では旋回外側の
走行クローラの速度(絶対値)が大きくなり過ぎ、且つ
旋回内側の走行クローラの速度が小さくなり過ぎたり逆
方向速度が大きくなり過ぎて、走行機体の作用する遠心
力が大きくなって、搭乗者(オペレータ)が旋回外側に
振り回されるおそれがある。特に、操向用ハンドル81
の回動角度θを操作可能の最大限にしたときには、前記
の傾向が強くなりすぎる。
【0047】そこで、図14に示す実施例では、操向用
ハンドル81の回動角度をある程度大きくすると、第1
油圧ポンプ33の吐出量を旋回初期の走行時の吐出量よ
りも減少させるように制御するものであって、第1油圧
ポンプ33の吐出量を増減するための制御レバー101
は前記操作レバー72に連結した操作ワイヤ78a,7
8bにて回動するようになっている。図14の実線状態
は前進状態を示す。
【0048】前記制御レバー101の自由端側には、互
いに噛み合う一対の歯車102,103を設け、該各歯
車と一体的に回動する規制アーム104,105が、前
記制御レバー101の回動範囲を挟むように配置されて
いる。一方の規制アーム104の上側の連結ピン106
には長孔付きの第1作動杆107と、他方の規制アーム
105の下方の連結ピン108には同じく長孔付きの第
2作動杆109とを前記操向用ハンドル81の回動中心
110を挟んで上下位置に連結する。
【0049】この構成により、例えば前進時において、
操向用ハンドル81を図14の時計方向に回動して、右
旋回を実行するとき、第1作動杆104を介して規制ア
ーム104を時計方向に回動し、その操向用ハンドル8
1の回動角度が一定以上になると、規制アーム104が
前記制御レバー101に当接し、その自由端側を元の方
向に押し戻すから、その時点から、旋回外側である左走
行クローラ2aの走行速度の増大傾向が減少することに
なる一方、旋回内側である右走行クローラ2bの走行速
度の減少傾向は増大する。
【0050】その状態の速度線図を図15の太い実線で
示すと、操向用ハンドル81の回動角度が小さく、変曲
点W1までは規制アーム104が制御レバー101に当
接しない範囲であり、その変曲点W1を過ぎると、旋回
外側である左走行クローラ2aの走行速度は、何らの規
制を受けない速度線図(細い実線参照)に対して勾配γ
だけ速度線図の勾配が緩くなり、旋回内側である右走行
クローラ2bの走行速度は、何らの規制を受けない速度
線図(細い実線参照)に対して勾配γだけ速度線図の勾
配が下向きに大きくなって、全体として走行クローラの
速度が低下した状態で旋回するのである。走行機体の後
退時には、制御レバー101は図14において反時計回
りに回動しているので、第2作動杆109により他方の
規制アーム105を反時計方向に回動させて、前記と同
様に変化させることができる。
【0051】また、初期走行速度が0であって、ひいて
はその制御レバー101は垂直状態であるから、規制ア
ーム104または105が回動しても、制御レバー10
1に当接せず、従って図15に示す二点鎖線のごとくに
変曲点は発生しないのである。なお、前記操向用ハンド
ル81の回動角度に対する変曲点の位置や、その変曲点
以後の速度線図の勾配の変化の割合は、操向用ハンドル
81に対する第1作動杆107及び第2作動杆109の
連結位置、一対の歯車102,103の歯数、規制アー
ム104,105の長さ、初期段階での制御レバー10
1と規制アーム104,105との隙間量等により種々
に設定することができる。
【0052】図16及び図17に示す実施例は、旋回の
初期段階から、前記左右両走行クローラの走行速度線図
の勾配を緩やかに変化させる、換言すると、操向用ハン
ドル81の回動角度が大きくなるに従って、走行速度線
図の勾配を緩やかにするようにするための構成である。
走行用の操作レバー72と作動アーム111とが回動中
心112回りに一体的に回動するように構成され、作動
アーム111に穿設した長孔113を介して一端のピン
114aが摺動自在に連結されたロッド114の他端を
第1油圧ポンプ33の制御レバー101に連結し、例え
ば、操作レバー72を図16の時計回りに回動すると、
制御レバー101も時計方向に回動して前進速度が増大
するように構成されている。
【0053】他方、操向用ハンドル81は、前記図9等
に示す機械的切換手段82を介して第2油圧ポンプ36
の制御レバー95を回動操作するものであり、図16の
時計回りに回動するとき右旋回し、その回動角度が大き
くなるにつれて、旋回半径が小さくなるように、旋回外
側と内側との走行クローラの速度差を付けるように構成
するものである。この操向用ハンドル81と一体的に回
動するように直角方向に突設したアーム115に設けた
連結ピン116は、機枠等に回動可能にピン117枢支
された作動杆118の長孔118aに摺動自在に嵌合し
ており、作動杆118の自由端と一端が連結された操作
ワイヤ119の他端は、作動杆118の回動基端側を貫
通して、当該作動杆118の他端に設けた引張りばね1
20に連結する。また、この引張ばね120の適宜中途
部位置に前記ロッド114のピン114aを連結する。
【0054】この構成により、例えば前進走行時に、操
作レバー72を図16の時計方向に回動して所定の初期
走行速度を得るようにする。次いで、走行機体1を左旋
回させるべく操向用ハンドル81を反時計方向に回動す
ると(図16の二点鎖線参照)、その回動角度に応じて
アーム115及び作動杆118を介して操作ワイヤ11
9を引張ばね120の力に抗して引張るから、当該引張
ばね120の伸長に応じてロッド114のピン114a
の位置が操作レバー72の回動中心112側に接近する
ように移動し、ロッド114を介して前記第1油圧ポン
プ33における制御レバー101の回動角度を減速側に
変位させることになる。
【0055】つまり、操作レバー72にて所定の走行速
度に設定している場合に、操向用ハンドル81の回動角
度を増大させるのに比例して、制御レバー101を減速
方向に序序に変化させることができるから、操向用ハン
ドル81の回動角度を増大させるにつれて左右走行クロ
ーラ2a,2bの速度差を、速度線図の勾配を図18の
破線で示すように、なんらの規制を受けない速度線図
(図18の実線参照)よりも緩やかにできる。このよう
にすれば、前記実施例のような変曲点が現れないから、
旋回操作中に走行機体に搭乗するオペレータに不快感を
与えないという効果も奏する。
【0056】なお、この場合、操向用ハンドル81の回
動角度100%(旋回半径を最小にする場合)のとき、
左右の走行クローラの速度差を規定値以内となるように
制限することで、旋回時の遠心力が大きくなりすぎるこ
とを防止できるのである。特に初期の走行速度が高速で
ある場合に、前記の制限を付けることで、より一層の効
果がある。
【0057】前記実施例における作用は、操作レバー7
2を後退側に回動した状態や、操向用ハンドル81を左
旋回方向に回動したときにも同様に奏する。本発明は、
農作業機ばかりでなく、ブルドーザ等の土木用の走行車
両にも適用できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの側面図である。
【図2】第1実施例の動力伝達機構の動力伝達ブロック
図である。
【図3】第1実施例の動力伝達機構の側面図である。
【図4】第1実施例の一対の遊星歯車機構部の一部断面
図である。
【図5】走行用の操作レバーの作用説明図である。
【図6】操作レバーの案内溝の平面視形状を示すための
図5のVI−VI線矢視平面図である。
【図7】(a)は図10のVII −VII 線矢視で示す中立
位置にしたときの機械的切換手段の回動ブロックの姿勢
を示す図、(b)は前進状態の図、(c)は後退状態の
図である。
【図8】機械的切換手段の斜視図である。
【図9】操向用ハンドルと機械的切換手段との作動関係
を示す平面図である。
【図10】機械的切換手段の側断面図である。
【図11】機械的切換手段の平断面図である。
【図12】(a)は機械的切換手段の側面で示す作用説
明図、(b)は機械的切換手段の背面で示す作用説明
図、(c)は機械的切換手段の平面で示す作用説明図で
ある。
【図13】第1実施例に対する左右走行クローラの速度
線図である。
【図14】他の実施例における操向用ハンドルによる旋
回時における走行速度変更のための構成を示す側面図で
ある。
【図15】他の実施例における左右走行クローラの速度
線図である。
【図16】さらに他の実施例における操向用ハンドルに
よる旋回時における走行速度変更のための構成を示す側
面図である。
【図17】図16のXVII −XVII 線矢視断面図であ
る。
【図18】さらに他の実施例における左右走行クローラ
の速度線図である。
【符号の説明】
2a,2b 走行クローラ 20 操向装置 21a,21b 出力軸 30 ミッションケース 31,31 遊星歯車機構 32 走行用の油圧式駆動手段 33 第1油圧ポンプ 34 第1油圧モータ 35 旋回用の油圧式駆動手段 36 第2油圧ポンプ 37 第2油圧モータ 38 腕輪 39 遊星歯車 40 太陽歯車 42 リングギヤ 49 センター歯車 72 操作レバー 81 操向用ハンドル 82 機械的切換手段 83 回動ブロック 84 水平回動軸 86 縦軸 89a,89b 操作ワイヤ 91 連動杆 93 連杆 99 ラック 100 歯車

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの動力を、前進・後退の出
    力に切り換え可能な動力伝達機構を介して左右一対の走
    行クローラへ伝達するように構成する一方、前記動力伝
    達機構には、左右一対の遊星歯車機構を備えた差動機構
    を設け、操向用ハンドルの左右旋回のための操作量に応
    じて出力調節可能な油圧式駆動手段を介して旋回に必要
    な差動トルクを前記差動機構に付与するように構成して
    なる走行クローラの操向装置において、前記動力伝達機構には、第1油圧モータと該第1油圧モ
    ータの回転方向と回転数とを前進後退切替えレバーの操
    作により変更可能な第1油圧ポンプとを設け、 前記油圧式駆動手段を、第2油圧モータと該第2油圧モ
    ータの回転方向と回転数とを変更可能な第2油圧ポンプ
    とにより構成し、 前記油圧式駆動手段と前記操向用ハンドルとの間には、
    前記前進と後退とに切り換えると、X軸回りの回動方向
    を正逆に切替えする回動ブロックを備え、 前記操向用ハンドルの右旋回及び左旋回の操作に応じて
    前記回動ブロックを前記X軸と直交するZ軸回りに正逆
    方向に回動し、且つ前記操向用ハンドルの操作量に比例
    して、前記Z軸回りの回動量を増減するように構成し
    て、 前記第2油圧ポンプの圧油の吐出方向と吐出量とを調節
    するように構成した ことを特徴とする走行クローラの操
    向装置。
  2. 【請求項2】 前記第2油圧ポンプにおける出力調節
    が、旋回時における操向用ハンドルの操作量に比例する
    ようにした比例機構を備えたことを特徴とする請求項1
    記載の走行クローラの操向装置。
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