JP3868452B2 - コンバインの操向装置 - Google Patents

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Description

本発明は、刈取脱穀できるコンバインにおける操向装置に関するものである。
従来から、コンバインやトラクタ等の走行作業機における走行部を、左右一対の走行クローラにて構成し、左右各走行クローラを、一つの油圧ポンプと油圧モータとの組により
駆動する構成、換言すれば、左右の走行クローラを左右独立の油圧駆動系統(2ポンプ、2モータ形式)にて駆動させて、刈取作業時の作物列に沿っての操向制御と、通常の直進走行制御とを実行することは、例えば特許文献1や、特許文献2等に開示されている。
特公昭54−34972号公報 実開平3−116422号公報
しかしながら、これらの構成によれば、左右の油圧駆動系統をオペレータが別々に操作しなければならず、直進の場合には、左右の油圧駆動系統の出力が全く同じになるように調節しなければならない。
また、旋回内側の走行速度を旋回外側の走行速度より同方向で且つ遅くするという緩旋回動作から、旋回外側と旋回内側とを互いに逆方向に駆動させてスピンターンを実行するときには、一旦両油圧駆動系統の出力を停止して逆に切り換える操作が介在するので、無段階速度調節や円滑な方向転換の操作性に改良の余地があった。
そこで、本出願人は、遊星変速機構に、油圧ポンプと油圧モータとからなる走行用の油圧駆動手段と、同じく油圧ポンプと油圧モータとからなる旋回用の油圧駆動手段とを連結し、この両油圧駆動手段の出力を遊星変速機構の別別の入力部に入力させることにより、簡単な操作で旋回半径が無段階に調節できると共に、直進速度も無段階に調節できる操向装置を開発した。
本発明は、この種の操向装置の構造の改良を目的とするものである。
前記目的を達成するため、本発明のコンバインの操向装置は、少なくとも走行クローラ2a,2bと刈取前処理装置とを備えた走行機体にエンジン及びミッションケース30を搭載してなるコンバインにおいて、
前記ミッションケース30に、左右一対の遊星歯車機構31,31を内装する一方、第1油圧ポンプ33及び第1油圧モータ34とからなる走行用の油圧式駆動手段32と、第2油圧ポンプ36及び第2油圧モータ37とからなる旋回用の油圧式駆動手段35とを取付けし、
前記走行用の油圧式駆動手段32から左右一対の遊星歯車機構31,31を介して走行車両における左右一対の走行クローラ2a,2bへの出力軸21a,21bに動力を伝達させるように構成し、前記旋回用の油圧式駆動手段35からの動力を、前記一方の遊星歯車機構31と他方の遊星歯車機構31とに互いに逆方向の回転を付与するように伝達し、前記走行用及び旋回用の両油圧式駆動手段32,35の出力調節にて、前記左右の走行クローラ2a,2bの駆動速度及び駆動方向を任意に調節可能に構成する一方、前記ミッションケース30内には、前記走行用の油圧式駆動手段32入力軸44の入力歯車45から歯車式の副変速機構の歯車46,47,48を介して左右一対の遊星歯車機構31,31の太陽軸41に固定したセンター歯車49に動力伝達する一方、この副変速機構用の歯車46に噛合う分岐用の歯車51を介して動力伝動するPTO軸52を配置し、前記副変速機構の歯車48が取付くブレーキ軸50にはブレーキ機構が設けられているものである。
このように構成することによって、旋回用の油圧式駆動手段35からの動力を停止させた状態のもとで、走行用の油圧式駆動手段32の動力を、左右一対の遊星変速機構31,31を介して走行作業機における左右一対の走行クローラ2a,2bへの出力軸21a,21bに伝達させると、直進走行を実行することになり、泥濘等走行面の状態が悪くても、左右の走行クローラ2a,2bの回転数を一致させて直進走行し易くなり、直進性能が向上する。
また、旋回時には、第2油圧ポンプ36第2油圧モータ37とから成る旋回用の油圧式駆動手段35からの動力回転数を無段階変更することにより、その旋回時の旋回内側と旋回外側との走行クローラ2a,2bの速度比率を任意(無段階)に変更できる。
つまり、走行用の油圧式駆動手段32を作動させた状態で、旋回用の油圧式駆動手段35の出力調節作動させることにより、左右の走行クローラ2a,2bが同方向に駆動する速度を任意に調節できたり、旋回内側の走行クローラを停止または後退方向に駆動させながら、旋回外側の走行クローラを前進方向での速度を変更させることができる結果、任意の走行速度で且つ任意の旋回半径にて無段階の旋回作業に移行できるから、旋回半径の大きい緩旋回から旋回半径の小さい急旋回まで、その移行動作をきわめて滑らかに実行できるという効果を奏する。
このように、走行作業機の操向装置の構成も、走行用の油圧式駆動手段の出力操作手段と旋回用の油圧式駆動手段の操作手段だけで良いので構成が至極簡単になり、また、簡単な操作で実行でき、方向転換の操作性が向上するという効果を奏するのである。
次に、本発明をコンバインに適用した実施例について説明すると、図1は左右一対の走行クローラ2a,2bを有する走行車両である汎用コンバインの走行機体1の側面図であり、該走行機体1上には脱穀装置3を搭載し、該脱穀装置3における扱室内の扱胴4をその軸線が走行機体1の進行方向に沿うように配設し、その下方には受け網とシーブ等による揺動選別装置5と唐箕フアン6の風による風選別装置とを備え、脱穀装置3の側方に脱穀済みの穀粒を貯留する籾タンクを搭載してある。
刈取前処理装置7は、前記脱穀装置3の前部に開口し、昇降用油圧シリンダ8にて昇降自在な角筒状のフイーダハウス9(内部にチエンスコンベヤ9aを備える)と、該フイーダハウス9の前端に連設した横長のバケット状のプラットホーム10と、該プラットホーム10内に横設した横長の掻き込みオーガ11と、その前方上部位置のタインバー付きリール12と、プラットホーム10下面側に左右長手に配設したバリカン状の刈刃14とから成る。また、刈取前処理装置7の前部左右両端には、前向きに突出する左右一対の分草体15を備えている。
左右の走行クローラ2a,2bは、それぞれ、後述する操向装置20の左右の出力軸21a,21bから出力される動力にて回転駆動する起動輪22,22と、走行機体1の後端側に後向き付勢された誘導輪23,23とに巻掛けられた履帯24,24と、各履帯24の下側内周面を支持する懸下輪(下部転輪)25等からなる。
次に、操向装置20の構成について説明する。図2〜図4に示す第1実施例は、ミッションケース30内に、後述する左右一対の遊星変速機構31,31を内装する一方、ミッションケース30には、第1油圧ポンプ33及び第1油圧モータ34からなる走行用の油圧式駆動手段32と、第2油圧ポンプ36及び第2油圧モータ37からなる旋回用の油圧式駆動手段35等を取付けする。
左右一対の遊星変速機構31,31は左右対称状であって、同一半径上に複数(実施例では3つ)の遊星歯車39,39,39がそれぞれ回転自在に軸支された左右一対の腕輪38,38をミッションケース30内にて同軸線上にて適宜隔てて相対向させて配置する。前記各遊星歯車39にそれぞれ噛み合う太陽歯車40,40を固着した太陽軸41の左右両端は、両腕輪38,38の内側にてその回転中心部に位置する軸受に回転自在に軸支されている。
内周面の内歯と外周面の外歯とを備えたリングギヤ42は、その内歯が前記3つの39,39,39にそれぞれ噛み合うように、太陽軸41と同心状に配置されており、このリングギヤ42は、前記太陽軸41上または、前記腕輪38の外側面から外向きに突出する中心軸43上に軸受を介して回転自在に軸支される。
前記走行用の油圧式駆動手段32における容量可変式の第1油圧ポンプ33の回転斜板の角度を変更調節することにより、第1油圧モータ34への圧油の吐出方向と吐出量とを変更して、当該第1油圧モータ34の回転方向及び回転数が調節可能に構成されている。第1油圧モータ34からの回転動力は、入力軸44の入力歯車45から副変速機構の歯車46,47,48を介して、太陽軸41に固定したセンター歯車49に伝達される。なお、歯車48が取付くブレーキ軸50には図示しないブレーキ機構が設けられている。また、歯車46に噛み合う歯車51を介して作業機等への回転力を伝達するPTO軸52に出力する。
そして、前記走行用の油圧式駆動手段32からの回転動力は、前記太陽軸41上に固定した前記センター歯車49を介して、前記左右一対の遊星変速機構31,31に伝達され、前記左側の腕輪38の中心軸43に固着した伝動歯車53を、左側の出力軸21aに固着した伝動歯車54に噛み合わせて出力する。同様に、右側の腕輪38の中心軸43に固着した伝動歯車53を、右側の出力軸21bに固着した伝動歯車54に噛み合わせて出力する(図2及び図4参照)。
旋回用の油圧式駆動手段35における容量可変式の第2油圧ポンプ36の回転斜板の角度を変更調節することにより、第2油圧モータ37への圧油の吐出方向と吐出量とを変更して、当該第2油圧モータ37の回転方向及び回転数が調節可能に構成されている。第2油圧モータ37からの回転動力は、入力軸55に取付く一対の伝動歯車56,57に伝達される。そして、図2に示すように左側のリングギヤ42の外歯に対しては伝動歯車56と直接噛み合い、右側の伝動歯車57が逆転軸58に取付く逆転歯車59に噛み合い、この逆転歯車59と右側のリングギヤ42の外歯とが噛み合う。
従って、第2油圧モータ37の正回転にて、左側のリングギヤ42が所定回転数にて逆回転すると、右側のリングギヤ42が前記と同一回転数にて正回転することになる。
なお、エンジン(図示しない)からの回転力は、ミッションケース30の外側にて一方の油圧ポンプの軸(例えば走行用の油圧式駆動手段の第1油圧ポンプ33の軸33a)に無端チェン60にて伝達し、第1油圧ポンプ33の軸33aと第2油圧ポンプ36の軸36aとをミッションケース30にてチェン61巻掛けにて動力伝達するように構成すれば(図3参照)、エンジンからの動力伝達箇所が1か所で済み、操向装置がコンパクトになる。
走行機体1の操縦部における座席に設けた一本の操作レバー(図示せず)は、平面視で前後方向と左右方向との互いに直交する2つの方向に動かすことが可能で、走行速度の調節と操向操作を同時に実行できるようにしたものである。
実施例では、前記操作レバーを略垂直状に上向きに立てた時を中立位置とし、前方向に回動すると走行機体1を前進させ、後方向に回動させると後退させ、且つその走行速度は操作レバーの前後傾斜角度(垂直に対する傾き角度)が大きくなる程速くなるように設定するものであり、操作レバーを左右に傾動するときはその方向に走行機体1を旋回させ、左右傾斜角度が大きくなる程旋回半径を小さくする(小廻りさせる)ように、走行用の油圧式駆動手段32及び旋回用の油圧式駆動手段35の油圧ポンプ33,36の圧油吐出方向及び吐出量を調節するものである。
この構成により、例えば、旋回用の油圧式駆動手段35を停止させておけば、左右両側のリングギヤ42,42の回転は停止した固定状態である。この状態で走行用の油圧式駆動手段32を駆動すると、第1油圧モータ34からの回転力は、太陽軸41のセンター歯車49に入力され、その回転力は、左右両側の太陽歯車40,40に同一回転数にて伝達され、左右両側の遊星変速機構の遊星歯車39、腕歯車38を介して左右両側の出力軸21a,21bに平等に同方向の同一回転数にて出力されるので、直進走行ができる。
反対に、走行用の油圧式駆動手段32を停止した状態では、前記太陽軸41及び左右両側の太陽歯車40,40は固定される。この場合、ブレーキ軸50を固定すべくブレーキ手段を作動させるのが好ましい。この状態にて、旋回用の油圧式駆動手段35を例えば正回転駆動させると、左の遊星歯車39、腕歯車38からなる遊星変速機構は逆回転する一方、右の遊星歯車39、腕歯車38からなる遊星変速機構は正回転することになる。従って、左走行クローラ2aは後進する一方、右走行クローラ2bは前進するので、走行機体1はその場で、左にスピンターンすることになる。
図5は、横軸に前記操作レバーの左右傾動角度、縦軸に左右の走行クローラの走行速度(m/sec.)を採ったもので、実線及び点線はスピンターンの状態を示し、実線A1、点線a1は左走行クローラ2aを示し、実線B1、点線b1は右走行クローラ2bを示す。実線A1、点線a1は前進(+符号)、実線B1、点線b1は後進(−符号)であり、操作レバーの左方向または右方向(旋回方向)の同一傾斜角度に対して、左右両走行クローラの走行速度の絶対値は同じであることを示す。なお、実線と点線とは操作レバーの前傾角度の大小、つまり走行速度の大小によるものである。従って、操作レバーの前傾角度、または後傾角度と左右傾斜角度を変更することにより、任意の速さでスピンターンを無段階調節することができる。
図5の一点鎖線及び二点鎖線は、緩旋回〜急旋回までを任意の速さで且つ旋回半径を任意に無段階調節する場合であって、例えば、左右両走行クローラ2a,2bを1.5(m/sec.)にて前進走行させている状態から右旋回する場合、左走行クローラ2aがx(m/sec.)の速度増速する一方(一点鎖線A2参照)、右走行クローラ2bは前記と同じ値x(m/sec.)の速度減速することになる(一点鎖線B2参照)。即ち、左走行クローラ2aは、1.5+x(m/sec.)で走行し、右走行クローラ2bは1.5−x(m/sec.)にて走行して右旋回することになる。また、この増速・減速x(m/sec.)は、操作レバーの傾斜角度により任意に無段階に調節でき、二点鎖線で示す左走行クローラ2aの速度線a2及び右走行クローラ2bの速度線b2のように緩旋回もできる。
この場合、左走行クローラ2aの速度線A2や速度線a2が大きい状態で、右走行クローラ2bの速度線B2や速度線b2のように速度0の状態や後進状態も採ることができる。
これらの場合、走行用の油圧式駆動手段32及び旋回用の油圧式駆動手段35のいずれも、ブレーキもしくはクラッチのすべりによる動力損失はなく、油圧ポンプと油圧モータの通常の油圧動力伝達損失のみであるので、損失馬力を大幅に少なくすることができる効果を奏する。
この種の操向装置では、走行用の油圧式駆動手段32の第1油圧ポンプ33及び第1油圧モータ34を馬力(容量)の大きなものを使用し、旋回用の油圧式駆動手段35の第2油圧ポンプ36及び第2油圧モータ37の馬力(容量)を小さいものに設定することができ、エネルギー効率が向上する。これに対して、従来のように左右の走行クローラを、油圧ポンプと油圧モータからなる2組の油圧式駆動手段で別個独立的に駆動する場合には、直進時に左右両走行クローラを同一速度で駆動するのに必要な大きい馬力(容量)のものを備えておく必要があり、緩旋回時には旋回内側の油圧式駆動手段の馬力(容量)が余ることになり、エネルギーロスが大きい。
図6及び図7に示す第2実施例では、走行用の油圧式駆動手段32における第1油圧モータ33からの入力軸44は、左右の走行クローラ2a,2bへの出力軸21a,21bと平行状であり、旋回用の油圧式駆動手段35における第2油圧モータ3からの入力軸55は前記入力軸44と直交して配置し、この入力軸55の先端の傘歯車62は、相対向配置された傘歯車63,64に噛み合う。各傘歯車63,64とそれと一体的に回転する伝動歯車65,66がそれぞれ前記左右のリングギヤ42,42の外歯に噛み合って回転力が伝達される。従って、第2油圧モータ37の正回転に対して、傘歯車63は正回転するとすれば傘歯車64は逆回転し、もって左リングギヤ42は正回転して右リングギヤ42は逆回転することになる。
なお、走行用の油圧式駆動手段32における第1油圧ポンプ33の軸と旋回用の油圧式駆動手段35における第2油圧ポンプ36の軸とは平行状に配置されているので、エンジンからの動力は一方の油圧ポンプの軸に入力し、この軸から他方の油圧ポンプの軸にチェン巻掛け伝動すれば良い。その他、遊星変速機構や走行用の油圧式駆動手段32等の歯車の噛み合い関係は前記第1実施例と同じであるので、同じ部品に対して同じ符号を付し、構成及び作用の詳細な説明は省略する。
図8及び図9は参考例を示し、走行用の油圧式駆動手段32における第1油圧ポンプ33の軸と旋回用の油圧式駆動手段35における第2油圧ポンプ36の軸とは共通軸70であって、この共通軸70に固着したプーリ71にエンジンからベルト72等により動力を入力する。この共通軸70は、図9の実施例ではミッションケース30から突出する左右の出力軸21a,21bと平行状とするが、直交するように配置しても良いのである。他方、走行用の油圧式駆動手段32における第1油圧モータ34からの入力軸73と旋回用の油圧式駆動手段35における第2油圧モータ37からの入力軸74とは、前記両出力軸21a,21bに対して直交して配置されている。そして、走行用の油圧式駆動手段32における入力軸73の先端に取付く傘歯車75に対向して噛み合う傘歯車対76,77は太陽軸41と一体的に回転する。
そして、左右一対の遊星変速機構31,31は左右対称状であって、同一半径上に3つの遊星歯車39,39,39がそれぞれ回転自在に軸支された左右一対の腕輪38,38をミッションケース30内にて同軸線上にて適宜隔てて相対向させて配置する。前記各遊星歯車39にそれぞれ噛み合う太陽歯車40,40を固着した前記太陽軸41の左右両端は、両腕輪38,38の内側にてその回転中心部に位置する軸受に回転自在に軸支されている。
また、内周面の内歯と外周面の外歯とを備えたリングギヤ42は、その内歯が前記3つの39,39,39にそれぞれ噛み合うように、太陽軸41と同心状に配置されており、このリングギヤ42は、前記太陽軸41上または、前記腕輪38の外側面から外向きに突出する中心軸43上に軸受を介して回転自在に軸支される。
旋回用の油圧式駆動手段35における第2油圧モータ37からの回転動力は、入力軸74の先端に取付く傘歯車78は相対向して配置された傘歯車対79,80と噛み合い、一方の傘歯車79と一体的に回転する伝動歯車81が図8に示す左側のリングギヤ42の外歯に噛み合い、他方の傘歯車80と一体的に回転する伝動歯車82は右側のリングギヤ42の外歯と噛み合う。
従って、第2油圧モータ37の正回転に対して、傘歯車79が正回転するとすれば傘歯車80は逆回転し、もって左リングギヤ42は正回転して右リングギヤ42は逆回転することになる。
なお、前記走行用の入力軸73の傘歯車75と噛み合う一方の傘歯車77または太陽軸41にはプーリ83を一体的に回転するように設け、該プーリ83と、作業機等への回転力を伝達するPTO軸52のプーリ84をチェン85にて巻掛けして出力するように構成する。
そして、前記走行用の油圧式駆動手段32からの回転動力は、前記太陽軸41を介して、前記左右一対の遊星変速機構31,31に伝達され、前記左側の腕輪38の中心軸43に固着した伝動歯車53を、左側の出力軸21aに固着した伝動歯車54に噛み合わせて出力する。同様に、右側の腕輪38の中心軸43に固着した伝動歯車53を、右側の出力軸21bに固着した伝動歯車54に噛み合わせて出力する(図8及び図9参照)。
この構成により、例えば、旋回用の油圧駆動手段35を停止させておけば、左右両側のリングギヤ42,42の回転は停止した固定状態である。この状態で走行用の油圧式駆動手段32を駆動すると、第1油圧モータ34からの回転力は、傘歯車75、76,77を介して太陽軸41に入力され、その回転力は、左右両側の遊星変速機構31,31における太陽歯車40,40に同一回転数にて伝達され、左右両側の遊星変速機構の遊星歯車39、腕歯車38を介して左右両側の出力軸21a,21bに平等に出力されるので、直進走行ができる。
反対に、走行用の油圧式駆動手段32を停止した状態では、前記太陽軸41及び左右両側の太陽歯車40,40は固定される。この状態にて、旋回用の油圧式駆動手段35を例えば正回転駆動させると、リングギヤ42を介して左の遊星歯車39、腕歯車38からなる遊星変速機構は正回転する一方、リングギヤ42を介して右の遊星歯車39、腕歯車38からなる遊星変速機構は逆回転することになる。従って、左走行クローラ2aは前進する一方、右走行クローラ2bは後進するので、走行機体1はその場で、左にスピンターンすることになる。
そして、前記走行用の油圧式駆動手段32における容量可変式の第1油圧ポンプ33及び、旋回用の油圧式駆動手段35における容量可変式の第2油圧ポンプ36の回転斜板の角度をそれぞれ変更調節することにより、第1油圧モータ34及び第2油圧モータ37への圧油の吐出方向と吐出量とをそれぞれ変更することができるので、前記第1実施例と同様にして、緩旋回から急旋回まで無段階に旋回半径や旋回速度を変更調節できると共にスピンターンの速度も無段階にて調節できるものである。
この参考例では、第1油圧ポンプ33及び第2油圧ポンプ37から各傘歯車75、78間での入力軸73、74の長さを任意に設定できるから、ミッションケース30をコンパクトにできる。また、両油圧式駆動手段と、起動輪22への出力軸までの距離も任意に設定することができる。さらに、PTO軸52にはチェンによる動力伝達であるので、PTO軸52の配置位置を任意に設定できるという利点がある。
なお、走行速度が一定(所定)の値以上のとき、旋回操作をすると、遠心力が大きくなって、搭乗者が旋回外側に振り回されて走行機体1から落ちる危険がある。そこで、車速(走行速度)が一定以上の時に旋回操作を実行すると、走行速度が減速されるように、第1油圧ポンプ33の吐出量制御と第2油圧ポンプ36の吐出量制御とを機械的、または電気的に連動させるように構成することが好ましい。さらに、走行用の油圧式駆動手段32において、操作レバーが中立位置(停止位置)近傍にあるとき、旋回操作が出来ないようにする機械的または電気的な制限手段を設けておけば、誤って操作レバーに触れて、作業者が予期しないときに旋回するという危険を防止できる。
図2の実施例に代えて、走行用の油圧式駆動手段32からの伝動歯車48を介して左右両側のリングギヤ42,42に、同一方向、同一回転数にて動力伝達する一方、前記センター歯車49を省略し、且つ左右の太陽歯車40,40が互いに独立的に回転可能となるように、太陽軸41を左右に分割し、旋回用の油圧式駆動手段35における左の伝動歯車65を左の太陽軸41に固着した歯車(図示せず)に噛み合わせ、右の伝動歯車65を右の太陽軸41に固着した歯車(図示せず)に噛み合わせるように構成しても良い。
本発明は、農作業機ばかりでなく、ブルドーザ等の土木用の走行作業機(車両)にも適用できることはいうまでもない。
コンバインの側面図である。 第1実施例の操向装置の動力伝達ブロック図である。 第1実施例の操向装置の側面図である。 第1実施例の操向装置の一対の遊星変速機構部の一部断面図である。 第1実施例の作用説明図である。 第1実施例の操向装置の動力伝達ブロック図である。 第2実施例の操向装置の側面図である。 参考例の操向装置の動力伝達ブロック図である。 参考例の操向装置の側面図である。
符号の説明
20 操向装置
21a,21b 出力軸
30 ミッションケース
31,31 遊星変速機構
32 走行用の油圧式駆動手段
33 第1油圧ポンプ
34 第1油圧モータ
35 旋回用の油圧式駆動手段
36 第2油圧ポンプ
37 第2油圧モータ
38 腕輪
39 遊星歯車
40 太陽歯車
42 リングギヤ
49 センター歯車

Claims (1)

  1. 少なくとも走行クローラ2a,2bと刈取前処理装置とを備えた走行機体にエンジン及びミッションケース30を搭載してなるコンバインにおいて、
    前記ミッションケース30に、左右一対の遊星歯車機構31,31を内装する一方、第1油圧ポンプ33及び第1油圧モータ34とからなる走行用の油圧式駆動手段32と、第2油圧ポンプ36及び第2油圧モータ37とからなる旋回用の油圧式駆動手段35とを取付けし、
    前記走行用の油圧式駆動手段32から左右一対の遊星歯車機構31,31を介して走行車両における左右一対の走行クローラ2a,2bへの出力軸21a,21bに動力を伝達させるように構成し、前記旋回用の油圧式駆動手段35からの動力を、前記一方の遊星歯車機構31と他方の遊星歯車機構31とに互いに逆方向の回転を付与するように伝達し、前記走行用及び旋回用の両油圧式駆動手段32,35の出力調節にて、前記左右の走行クローラ2a,2bの駆動速度及び駆動方向を任意に調節可能に構成する一方、
    前記ミッションケース30内には、前記走行用の油圧式駆動手段32入力軸44の入力歯車45から歯車式の副変速機構の歯車46,47,48を介して左右一対の遊星歯車機構31,31の太陽軸41に固定したセンター歯車49に動力伝達する一方、この副変速機構用の歯車46に噛合う分岐用の歯車51を介して動力伝動するPTO軸52を配置し、
    前記副変速機構の歯車48が取付くブレーキ軸50にはブレーキ機構が設けられていることを特徴とするコンバインの操向装置。
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