JP5695014B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5695014B2
JP5695014B2 JP2012244308A JP2012244308A JP5695014B2 JP 5695014 B2 JP5695014 B2 JP 5695014B2 JP 2012244308 A JP2012244308 A JP 2012244308A JP 2012244308 A JP2012244308 A JP 2012244308A JP 5695014 B2 JP5695014 B2 JP 5695014B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotating
power transmission
transmission device
wheel
brake
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012244308A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014092254A (ja
Inventor
圭一 高橋
圭一 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2012244308A priority Critical patent/JP5695014B2/ja
Publication of JP2014092254A publication Critical patent/JP2014092254A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5695014B2 publication Critical patent/JP5695014B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、車両の第1車輪及び第2車輪の間で動力を伝達可能な動力伝達装置に関する。
従来、この種の動力伝達装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この動力伝達装置は、雪上車に適用されたものであり、左側遊星歯車装置及び右側遊星歯車装置を備えている。左側及び右側遊星歯車装置は、いずれもシングルピニオン型のものであり、それらの左右のサンギヤは、互いに一体に回転可能に連結(直結)されるとともに、雪上車の動力源であるエンジンに連結されている。また、左側及び右側遊星歯車装置の左右のリングギヤは、左右のキャタピラ(登録商標)にそれぞれ連結されている。
さらに、左側遊星歯車装置には、その左キャリア及び左リングギヤをそれぞれ制動可能な第1及び第2左側ブレーキと、左側遊星歯車装置の左キャリアと左リングギヤの間を接続・遮断可能な左側クラッチが設けられている。同様に、右側遊星歯車装置には、その右キャリア及び右リングギヤをそれぞれ制動可能な第1及び第2右側ブレーキと、右側遊星歯車装置の右キャリアと右リングギヤの間を接続・遮断可能な右側クラッチが設けられている。
以上の構成の従来の動力伝達装置では、エンジン駆動中の雪上車の旋回性を向上させるために、左側クラッチ、第1及び第2左側ブレーキ、並びに右側クラッチ、第1及び第2右側ブレーキが、次のようにして制御される。すなわち、雪上車の左旋回時には、左側クラッチにより左キャリアと左リングギヤの間が遮断され、第1左側ブレーキによる左キャリアの制動が解除されるとともに、第2左側ブレーキにより左リングギヤが制動される。また、右側クラッチにより右キャリアと右リングギヤの間が接続され、第1及び第2右側ブレーキによる右キャリア及び右リングギヤの制動が解除される。
以上により、左キャタピラには、第2左側ブレーキの制動力が作用する。また、右側クラッチの接続により、右サンギヤ、右キャリア及び右リングギヤが一体に回転することによって、右サンギヤに伝達されたエンジンの駆動力が、右リングギヤを介して右キャタピラに伝達される。このように、雪上車の左旋回時、左キャタピラに制動力が作用するとともに、右キャタピラにエンジンの駆動力が伝達されることによって、雪上車の旋回性が向上する。また、雪上車の右旋回時には、左側クラッチ、第1及び第2左側ブレーキ並びに右側クラッチ、第1及び第2右側ブレーキについて、上記とは左右逆の動作が行われ、それにより、雪上車の旋回性が向上する。
実開昭49−132523号公報
上述したように、従来の動力伝達装置では、雪上車の旋回性を向上させるために、第2左側ブレーキの制動力を左キャタピラに直接、作用させることから、左キャタピラから第2左側ブレーキに作用するトルクが大きいため、第2左側ブレーキを大型化せざるを得ない。このことは、第2右側ブレーキについても同様に当てはまる。また、エンジンの駆動力を伝達するために、右キャリアと右リングギヤの間を右側クラッチによって接続するので、右側クラッチに作用するトルクが大きくなり、右側クラッチが大型化してしまう。このことは、左側クラッチについても同様に当てはまる。以上の第2左側ブレーキ、第2右側ブレーキ、右側クラッチ及び左側クラッチの大型化により、動力伝達装置全体が大型化してしまう。
また、従来の動力伝達装置では、次の理由から、エンジンの停止中に、左右のキャタピラの間での動力の授受を行うことができない。すなわち、前述したように、左右のキャタピラが左右のリングギヤにそれぞれ連結されているとともに、左右のサンギヤが互いに直結されている。この構成上、例えば左側遊星歯車装置について、第2左側ブレーキによる制動を解除し、左キャリアを第1左側ブレーキで制動することにより、左リングギヤに伝達された左キャタピラのトルクを左サンギヤに伝達したときには、左キャタピラのトルクは、左右のサンギヤに対して制動するように(左リングギヤの回転方向と逆方向に回転させるように)作用する。
この状態で、右側遊星歯車装置について、第1及び第2右側ブレーキによる制動を解除するとともに、右側クラッチにより右キャリアと右リングギヤの間を接続したときには、上記の右サンギヤに加え、右リングギヤ及び右キャタピラにも制動力が作用する。以上の動作は、各種の要素について左右を逆にして行った場合にも、同様に当てはまる。以上のように、従来の動力伝達装置では、エンジンの停止中には、第1左側(右側)ブレーキの制動力を左右のキャタピラの双方に作用させられるにすぎず、左右のキャタピラの間での動力の授受を行うことができない。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、装置全体を小型化できるとともに、第1及び第2車輪の間での動力の授受を適切に行うことができ、それにより、車両の走行性を向上させることができる動力伝達装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、車両Vの第1車輪及び第2車輪(実施形態における(以下、本項において同じ)左右の後輪WRL、WRR)の間で動力を伝達可能な動力伝達装置1、51であって、第1回転要素(第1サンギヤS1)、第2回転要素(第1キャリアC1)及び第3回転要素(第1リングギヤR1)を有し、第1〜第3回転要素の回転数が共線図において単一の直線上にこの順で並ぶ共線関係を満たすように構成された第1遊星歯車装置PS1と、第4回転要素(第2リングギヤR2)、第5回転要素(第2キャリアC2)及び第6回転要素(第2リングギヤR2)を有し、第4〜第6回転要素の回転数が共線図において単一の直線上にこの順で並ぶ共線関係を満たすように構成された第2遊星歯車装置PS2と、第3回転要素に連結され、締結により第3回転要素を制動するとともに、解放により制動を解除する第1制動手段(第1ブレーキ7、52)と、第6回転要素に連結され、締結により第6回転要素を制動するとともに、解放により制動を解除する第2制動手段(第2ブレーキ9、54)と、第1及び第3回転要素に連結され、締結・解放により第1回転要素と第3回転要素の間を接続・遮断する第1断接手段(第1クラッチ8、53)と、第4及び第6回転要素に連結され、締結・解放により第4回転要素と第6回転要素の間を接続・遮断する第2断接手段(第2クラッチ10、55)と、を備え、第1及び第4回転要素は、互いに一体に回転可能に連結されており、第2回転要素は第1車輪に連結されるとともに、第5回転要素は第2車輪に連結されていることを特徴とする。
この構成によれば、第1遊星歯車装置の第1〜第3回転要素の回転数が、互いに共線関係にあり、共線図において単一の直線上にこの順で並ぶとともに、第2遊星歯車装置の第4〜第6回転要素の回転数が、互いに共線関係にあり、共線図において単一の直線上にこの順で並ぶ。また、第3及び第6回転要素が、第1及び第2制動手段によってそれぞれ制動されるとともに、第1回転要素と第3回転要素の間が第1断接手段によって、第4回転要素と第6回転要素の間が第2断接手段によって、それぞれ接続・遮断される。さらに、第1及び第4回転要素が互いに一体に回転可能に連結されるとともに、第2回転要素が第1車輪に、第5回転要素が第2車輪に、それぞれ連結されている。
以上の構成から、動力伝達装置における各種の回転要素の間の回転数の関係は、例えば図13のように示される。なお、同図では、第2回転要素及び第1車輪と、第5回転要素及び第2車輪が、それぞれ互いに直結されている場合を示しているが、ギヤなどを介して連結してもよい。以下、図13を参照しながら、動力伝達装置の動作について説明する。
例えば、第1車輪の動力の一部を第2車輪に伝達する場合には、第1制動手段の締結により、第3回転要素を制動するとともに、第1断接手段の解放により、第1回転要素と第3回転要素の間を遮断する。これにより、第2回転要素に伝達された第1車輪のトルクは、第3回転要素に作用する第1制動手段の制動力を反力として、第1回転要素に伝達され、さらに第4回転要素に伝達される。図13において、T2は、第1車輪から第2回転要素に伝達されたトルクであり、B3は、第3回転要素に作用する第1制動手段の制動力である。また、R1は、第1回転要素に作用する反力トルクであり、T4は、第4回転要素に伝達されたトルクであり、両者の大きさは互いに等しい。
上述した動作に加え、第2制動手段の解放により、第6回転要素の制動を解除するとともに、第2断接手段の締結により、第4回転要素と第6回転要素の間を接続する。これにより、上述したように第1車輪から第2及び第1回転要素を介して第4回転要素に伝達されたトルクは、第2断接手段を介して第6回転要素にも伝達され、その結果、第4及び第6回転要素に伝達されたトルクを合成したトルクが、第5回転要素を介して第2車輪に伝達される。図13において、T6は、第6回転要素に伝達されたトルクであり、R5は、第2車輪から第5回転要素に作用する反力トルクである。
以上の動作及び図13から明らかなように、上述した第1及び第2制動手段並びに第1及び第2断接手段の動作によって、第1車輪の動力の一部は、第1及び第2遊星歯車装置を介して、第2車輪に伝達される。換言すれば、第1車輪に制動力が作用するとともに、第2車輪に駆動力が作用する。
また、上記とは逆に、第2制動手段を締結し、第2断接手段を解放し、第1制動手段を解放するとともに、第1断接手段を締結することによって、第2車輪の動力の一部が、第2及び第1遊星歯車装置を介して第1車輪に伝達される。換言すれば、第2車輪に制動力が作用するとともに、第1車輪に駆動力が作用する。以上のように、第1及び第2車輪の間での動力の授受を適切に行うことができるので、両者の動力を自由に変更でき、したがって、車両の走行性を向上させることができる。
また、図13に示すように、共線図における第1回転要素の回転数を表す縦線と第2回転要素のそれとの間の距離をαとし、第2回転要素の回転数を表す縦線と第3回転要素のそれとの間の距離をβ、第4回転要素の回転数を表す縦線と第5回転要素のそれとの間の距離をγ、第5回転要素の回転数を表す縦線と第6回転要素のそれとの間の距離をδとする。第3回転要素に作用する第1制動手段の制動力B3と、第1車輪から第2回転要素に伝達されたトルクT2(すなわち第1車輪に作用する制動力)との関係は、次式(1)で表される。
B3=T2/(1+α/β) ……(1)
この式(1)から明らかなように、前述した従来の動力伝達装置のように第2左側(右側)ブレーキの制動力を左(右)キャタピラに直接、作用させる場合と比較して、第1制動手段に作用するトルクを低減することができる。このことは、第1遊星歯車装置、第1制動手段及び第1断接手段と、第2遊星歯車装置、第2制動手段及び第2断接手段とが、第1及び第2車輪に対して互いに対称に設けられているので、第2制動手段についても同様に当てはまる。以上により、第1及び第2制動手段の小型化を図ることができる。
さらに、第2断接手段で第4回転要素と第6回転要素の間を接続するので、第2断接手段に作用するトルクは、次式(2)で表される。
T4+T6=(1+γ/δ)T4 ……(2)
一方、前述した従来の場合と同様、仮に、従来の右キャリアに対比される第5回転要素と右リングギヤに対比される第6回転要素の間を、第2断接手段によって接続した場合には、第2断接手段に作用するトルクは、次式(3)で表される。
R5+T6=(1+2×γ/δ)T4 ……(3)
これらの式(2)(本発明)と式(3)(従来)との比較から明らかなように、第2断接手段に作用するトルクを、従来の場合よりも低減できるので、第2断接手段の小型化を図ることができる。このことは、第2遊星歯車装置、第2制動手段及び第2断接手段と、第1遊星歯車装置、第1制動手段及び第1断接手段とが、第1及び第2車輪に対して互いに対称に設けられているので、第1断接手段についても同様に当てはまる。以上の第1及び第2制動手段並びに第1及び第2断接手段の小型化によって、動力伝達装置全体の小型化を図ることができる。
また、車両の走行中、第1及び第2制動手段並びに第1及び第2断接手段を解放することによって、図13から明らかなように、第1及び第2車輪を互いに差回転可能な状態に保持することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の動力伝達装置1、51において、駆動力を出力可能な第1原動機(回転電機4)をさらに備え、第1及び第4回転要素は、第1原動機に連結されていることを特徴とする。
この構成によれば、駆動力を出力可能な第1原動機が、第1及び第4回転要素に連結されている。このため、第1制動手段の制動力又は第1断接手段の締結力を調整することによって、第1原動機から第1車輪に配分(伝達)される駆動力(回転数)を自由に変更することができるとともに、第2制動手段の制動力又は第2断接手段の締結力を調整することによって、第1原動機から第2車輪に配分される駆動力(回転数)を自由に変更することができる。したがって、車両の走行性をさらに向上させることができる。
請求項に係る発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の動力伝達装置1、51において、第1及び第2制動手段並びに第1及び第2断接手段は、流体圧の供給により作動し、第1及び第4回転要素に連結され、第1及び第2制動手段並びに第1及び第2断接手段に流体圧を供給するための流体圧供給装置(油圧ポンプ15)をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、第1及び第2制動手段並びに第1及び第2断接手段が、流体圧供給装置からの流体圧の供給によって作動する。また、この流体圧供給装置が第1及び第4回転要素に連結されているので、流体圧供給装置を、第2及び第5回転要素にそれぞれ伝達された第1及び第2車輪の動力を用いて駆動することができる。また、請求項2で述べたように第1及び第4回転要素に第1原動機が連結されている場合には、第1原動機の駆動力を用いて、流体圧供給装置を駆動することができる。したがって、流体圧供給装置の駆動用に別個に駆動装置を設ける必要がなく、したがって、その分、動力伝達装置全体を小型化することができる。
また、この場合、流体圧供給装置が第1及び第4回転要素の双方に連結されているため、流体圧供給装置の負荷を、第1及び第2車輪の一方にのみ作用させずに、双方に作用させることができ、したがって、車両の高い走行安定性を確保することができる。
請求項に係る発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の動力伝達装置1、51において、第1及び第2車輪の一方の車輪の回転数を他方の車輪の回転数よりも高くするときに、一方の車輪に連結された第2及び第5回転要素の一方の回転要素と回転数が共線関係にある第3及び第6回転要素の一方の回転要素に連結された第1及び第2制動手段の一方を締結するとともに、第1及び第2制動手段の他方を解放し、第3及び第6回転要素の一方の回転要素と、一方の回転要素と共線関係にある第1及び第4回転要素の一方の回転要素とに連結された第1及び第2断接手段の一方を解放するとともに、第1及び第2断接手段の他方の締結力を制御する第1制御手段(ECU2、図4、図11のステップ3、4、6、7)をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、第1及び第2車輪の一方の車輪の回転数を他方の車輪の回転数よりも高くするときに、第1制御手段によって次の制御動作が行われる。すなわち、一方の車輪に連結された第2及び第5回転要素の一方の回転要素と回転数が共線関係にある第3及び第6回転要素の一方の回転要素に連結された第1及び第2制動手段の一方が締結され、第1及び第2制動手段の他方が解放される。また、第3及び第6回転要素の前記一方の回転要素と、この一方の回転要素と共線関係にある第1及び第4回転要素の一方の回転要素とに連結された第1及び第2断接手段の一方が解放されるとともに、第1及び第2断接手段の他方の締結力が制御される。以上の制御動作と、図13を用いた請求項1に係る発明の説明から明らかなように、第1及び第2車輪の間の動力の授受をより適切に行うことができる。
また、請求項2に係る発明の説明で述べたように第1及び第4回転要素が第1原動機に連結されているときには、第1原動機から第1及び第2車輪にそれぞれ配分される駆動力を適切に変更でき、したがって、車両の走行性をさらに向上させることができる。
請求項に係る発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の動力伝達装置1、51において、第1及び第2車輪を互いに同一の回転数で回転させるときに、第1及び第2制動手段を締結するとともに、第1及び第2断接手段を解放する第2制御手段(ECU2、図4)をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、第1及び第2車輪を互いに同一の回転数で回転させるときに、第2制御手段によって、第1及び第2制動手段が締結されるとともに、第1及び第2断接手段が解放される。これにより、前述した図13に示す共線図において、例えばα/β=γ/δであるときには、この共線図から明らかなように、第1及び第2車輪を互いに同一の回転数で回転させることができ、それにより車両のより高い走行安定性を確保することができる。
また、請求項に係る発明の説明で述べたように、流体圧供給装置からの流体圧の供給により第1及び第2制動手段が締結される場合、解放状態にある第1及び第2制動手段を締結するのに必要な時間が長くなる傾向にあり、その応答性は比較的低くなる。
これに対して、本発明によれば、上述したように第1及び第2車輪を互いに同一の回転数で回転させるときに、第1及び第2制動手段が締結状態に保持される。このため、この状態から第1及び第2車輪の一方を他方よりも高くするために、請求項1に係る発明の説明で述べた第1及び第2車輪の間の動力の授受を行う場合に、第1及び第2制動手段の一方への流体圧の供給を停止するだけでよく、第1及び第2制動手段の他方への流体圧の供給を初めから行う必要がないので、第1及び第2車輪の間の動力の授受を早期に開始することができる。同様に、請求項2の第1原動機から第1及び第2車輪に伝達される駆動力の変更を早期に開始することができる。
さらに、流体圧供給装置として油圧ポンプを用いるとともに、流体圧供給装置からの作動油の油圧の供給により、第1及び第2制動手段並びに第1及び第2断接手段が締結されるように構成されている場合において、この作動油を動力伝達装置の潤滑油として兼用したときには、次の効果が得られる。すなわち、上述したように第1及び第2車輪を互いに同一の回転数で回転させるときには常に、第1及び第2制動手段を締結するために、両者に、流体圧供給装置から作動油の油圧が供給される。これにより、動力伝達装置内に貯留された作動油の量を減少させることができるので、第1〜第6回転要素が回転する際の作動油の攪拌抵抗を抑えることができる。
請求項に係る発明は、請求項に記載の動力伝達装置1、51において、第1及び第2車輪はそれぞれ、車両Vの左右の車輪(左右の後輪WRL、WRR)であり、車両Vには、第1及び第2車輪に加え、操向方向を操作可能な第3車輪(左右の前輪WFL、WFR)と、第3車輪を駆動するための、第1原動機とは異なる第2原動機(エンジン3)とが設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、第1及び第2車輪がそれぞれ車両の左右の車輪であるので、前述した第1及び第2制動手段並びに第1及び第2断接手段の動作によって、車両の旋回性を向上させることができる。また、車両に設けられた第3車輪が、第2原動機により駆動されるとともに、操向方向を変更可能に構成されているので、車両の旋回性をさらに向上させることができる。
請求項に係る発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の動力伝達装置1において、第1及び第2制動手段(第1及び第2ブレーキ7、9)並びに第1及び第2断接手段(第1及び第2クラッチ8、10)は、第3及び第6回転要素よりも径方向の内側に配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、第1及び第2制動手段並びに第1及び第2断接手段は、第3及び第6回転要素よりも径方向の内側に配置されているので、動力伝達装置全体の径方向の大きさを小さくすることができる。
請求項に係る発明は、請求項2又は3に記載の動力伝達装置1、51において、第1原動機は回転電機4であることを特徴とする。
この構成によれば、第1原動機として、内燃機関よりも高い応答性を有する回転電機を用いるので、第1原動機による第1及び第2車輪の駆動の応答性を高めることができる。
請求項に係る発明は、請求項2ないしのいずれかに記載の動力伝達装置1において、第1及び第2遊星歯車装置PS1、PS2は、互いに同一の軸線上に配置されており、軸線の方向において、第1及び第2遊星歯車装置PS1、PS2と第1原動機とは、互いにオーバーラップするように配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、第1及び第2遊星歯車装置が互いに同一の軸線上に配置されており、その軸線の方向において、第1及び第2遊星歯車装置と第1原動機とが、互いにオーバーラップするように配置されているので、動力伝達装置全体の径方向の大きさを小さくすることができる。
本発明による動力伝達装置を、これを適用した車両とともに概略的に示す図である。 第1実施形態による動力伝達装置を示すスケルトン図である。 ECUなどを示すブロック図である。 動力伝達装置の各種の動作モードにおける各種の要素の動作を示す図である。 動力伝達装置における各種の回転要素の間の回転数の関係及びトルクの釣合関係を、直進アシストモード中について示す共線図である。 動力伝達装置における動力の伝達状況を、直進アシストモード中について示す図である。 動力伝達装置における各種の回転要素の間の回転数の関係及びトルクの釣合関係を、左旋回アシストモード中について示す共線図である。 動力伝達装置における動力の伝達状況を、左旋回アシストモード中について示す図である。 動力伝達装置における各種の回転要素の間の回転数の関係及びトルクの釣合関係を、高速左旋回モード中について示す共線図である。 動力伝達装置における動力の伝達状況を、高速左旋回モード中について示す図である。 車両の旋回時に動作モードを設定する処理を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態による動力伝達装置を示すスケルトン図である。 本発明の動力伝達装置における各種の回転要素の間の回転数の関係及びトルクの釣合関係を示す共線図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1に示す車両Vは、左右の前輪WFL、WFR及び後輪WRL、WRRを備える四輪車両であり、その前部には、その動力源としての内燃機関(以下「エンジン」という)3が搭載されている。左右の前輪WFL、WFRの操向方向は、運転者がハンドル(図示せず)を操作することによって変更され、それにより走行中の車両Vが左右に旋回する。
上記のエンジン3は、例えばガソリンエンジンであり、そのクランク軸3aが、クラッチCLや、変速機TM、差動装置DG、左右の前軸SFL、SFRを介して、左右の前輪WFL、WFRに連結されている。エンジン3の出力は、これらの変速機TMなどを介して、左右の前輪WFL、WFRに伝達される。
また、車両Vの後部には、動力伝達装置1が搭載されている。図2に示すように、動力伝達装置1は、互いに同軸状に配置された第1及び第2遊星歯車装置PS1、PS2と、回転電機4を備えており、これらの回転電機4、第1及び第2遊星歯車装置PS1、PS2は、車両Vに固定されたケースCAに収容されている。ケースCAには、第1及び第2遊星歯車装置PS1、PS2などの潤滑油であるオイルOILが貯留されている。
第1遊星歯車装置PS1は、シングルピニオンタイプの遊星歯車装置であり、第1サンギヤS1と、その周りに設けられた第1リングギヤR1と、両者S1、R1に噛み合う複数(例えば3つ)の第1ピニオンギヤP1と、これらの第1ピニオンギヤP1を回転自在に支持する第1キャリアC1を有している。第2遊星歯車装置PS2は、第1遊星歯車装置PS1と同様、シングルピニオンタイプの遊星歯車装置であり、第2サンギヤS2、第2リングギヤR2、複数の第2ピニオンギヤP2、及び第2キャリアC2を有している。
周知のように、これらの第1サンギヤS1、第1キャリアC1及び第1リングギヤR1は、それらの回転数が共線図において単一の直線上にこの順で並ぶ共線関係を満たすように構成されており、このことは、第2サンギヤS2、第2キャリアC2及び第2リングギヤR2についても同様である。また、第1サンギヤS1の歯数及び第2サンギヤS2の歯数は互いに同じ値に、第1リングギヤR1の歯数及び第2リングギヤR2の歯数は互いに同じ値に、それぞれ設定されている。
第1及び第2サンギヤS1、S2は、連結軸5を介して互いに連結されており、互いに一体に回転自在である。連結軸5には、ギヤ6が同軸状に一体に設けられており、ギヤ6は、連結軸5の左右方向の中央に配置されている。また、第1キャリアC1は、左後軸SRLを介して左後輪WRLに連結されており、第2キャリアC2は、右後軸SRRを介して右後輪WRRに連結されている。左右の後軸SRL、SRRはそれぞれ、ケースCAに回転自在に支持されており、第1及び第2キャリアC1、C2と一体に回転自在である。
また、動力伝達装置1は、油圧式の第1ブレーキ7、第1クラッチ8、第2ブレーキ9及び第2クラッチ10をさらに備えている。これらの第1ブレーキ7、第1クラッチ8、第2ブレーキ9及び第2クラッチ10は、ケースCAに収容されるとともに、上述した第1及び第2リングギヤR1、R2よりも径方向の内側に配置されている。第1遊星歯車装置PS1、第1ブレーキ7及び第1クラッチ8と、第2遊星歯車装置PS2、第2ブレーキ9及び第2クラッチ10とは、上述したギヤ6を中央として、左右対称に設けられている。
第1ブレーキ7は、湿式摩擦クラッチで構成されており、円筒状のインナー7a及びアウター7bを有している。インナー7aは、ケースCAに固定されており、左後軸SRLの周りに同軸状に配置されている。インナー7aには、軸線方向に移動可能で、かつ相対的に回転不能なドーナツ板状の複数の摩擦板(図示せず)が設けられている。
アウター7bは、中空の回転軸11を介して、第1リングギヤR1に同軸状に一体に回転自在に設けられている。アウター7bには、軸線方向に移動可能で、かつ相対的に回転不能なドーナツ板状の複数の摩擦板(図示せず)が設けられている。これらの摩擦板は、インナー7aの摩擦板と軸線方向に交互に重なるように配置されており、復帰ばね(図示せず)による付勢によって、インナー7aの摩擦板との間に若干の隙間を存した状態で保持されている。
以上の構成の第1ブレーキ7では、後述する油圧ポンプ15からの油圧が供給されていないときには、インナー7a及びアウター7bの摩擦板が、復帰ばねの付勢力で互いに離れた状態になり、第1ブレーキ7は解放状態になる。一方、油圧が第1ブレーキ7に供給されているときには、それによりインナー7a及びアウター7bの摩擦板が互いに係合した状態になり、第1ブレーキ7は締結状態になる。また、第1リングギヤR1は、第1ブレーキ7の締結によって制動され、解放によってその制動が解除される。
第1クラッチ8は、第1ブレーキ7と同様、湿式摩擦クラッチであり、円筒状のインナー8a及びアウター8bを有している。インナー8aは、連結軸5に同軸状に一体に回転自在に設けられており、ギヤ6と第1サンギヤS1の間に配置されている。インナー8aには、軸線方向に移動可能で、かつ相対的に回転不能なドーナツ板状の複数の摩擦板(図示せず)が設けられている。
アウター8bは、中空の回転軸12を介して、第1リングギヤR1に同軸状に一体に回転自在に設けられており、アウター8bは、連結軸5の周りに配置されている。アウター8bには、軸線方向に移動可能で、かつ相対的に回転不能なドーナツ板状の複数の摩擦板(図示せず)が設けられている。これらの摩擦板は、インナー8aの摩擦板と軸線方向に交互に重なるように配置されており、復帰ばね(図示せず)による付勢によって、インナー8aの摩擦板との間に若干の隙間を存した状態で保持されている。
以上の構成の第1クラッチ8では、油圧ポンプ15からの油圧が供給されていないときには、インナー8a及びアウター8bの摩擦板が、復帰ばねの付勢力で互いに離れた状態になり、第1クラッチ8は解放状態になる。一方、油圧が第1クラッチ8に供給されているときには、それによりインナー8a及びアウター8bの摩擦板が互いに係合した状態になり、第1クラッチ8は締結状態になる。また、第1サンギヤS1と第1リングギヤR1の間が、第1クラッチ8の締結によって接続され、解放によって遮断される。
第2ブレーキ9及び第2クラッチ10はそれぞれ、第1ブレーキ7及び第1クラッチ8と同様に構成されているので、以下、その構成について簡単に説明する。第2ブレーキ9及び第2クラッチ10はそれぞれ、インナー9a及び10aと、アウター9b及び10bを有している。第2ブレーキ9のインナー9aは、ケースCAに固定されており、アウター9bは、中空の回転軸13を介して、第2リングギヤR2に同軸状に一体に回転自在に設けられている。また、両者9a、9bは、右後軸SRRの周りに同軸状に配置されている。
以上の構成の第2ブレーキ9は、油圧ポンプ15からの油圧が供給されていないときには、解放状態になる一方、油圧が供給されているときには、締結状態になる。また、第2リングギヤR2は、第2ブレーキ9の締結によって制動され、解放によってその制動が解除される。
第2クラッチ10のインナー10aは、連結軸5に同軸状に一体に回転自在に設けられており、ギヤ6と第2サンギヤS2の間に配置されている。アウター10bは、中空の回転軸14を介して、第2リングギヤR2に同軸状に一体に回転自在に設けられており、連結軸5の周りに配置されている。
以上の構成の第2クラッチ10は、油圧ポンプ15からの油圧が供給されていないときには、解放状態になる一方、油圧が供給されているときには、締結状態になる。また、第2サンギヤS2と第2リングギヤR2の間が、第2クラッチ10の締結によって接続され、解放によって遮断される。
また、動力伝達装置1には、油圧ポンプ15、第1電磁弁SV1、第2電磁弁SV2、第3電磁弁SV3及び第4電磁弁SV4(図3参照)が設けられている。油圧ポンプ15は、前述したオイルOILを汲み上げて、第1クラッチ7、第1ブレーキ8、第2クラッチ9及び第2ブレーキ10に油圧を供給するためのものである。このように、オイルOILは、第1及び第2遊星歯車装置PS1、PS2の潤滑油と、第1クラッチ7、第1ブレーキ8、第2クラッチ9及び第2ブレーキ10の作動油とに兼用されている。
第1及び第2ブレーキ7、9は、油路(図示せず)、第1及び第2電磁弁SV1、SV2をそれぞれ介して、油圧ポンプ15に接続されている。第1電磁弁SV1の開度は、後述するECU2(図3参照)によって制御され、それにより油圧ポンプ15から第1ブレーキ7に供給される油圧が調整されることによって、第1ブレーキ7の締結力、すなわち、その制動力が制御される。同様に、第2電磁弁SV2の開度は、ECU2によって制御され、それにより、油圧ポンプ15から第2ブレーキ9に供給される油圧が調整されることによって、第2ブレーキ9の締結力(制動力)が制御される。
第1及び第2クラッチ8、10は、油路(図示せず)、第3及び第4電磁弁SV3、SV4をそれぞれ介して、油圧ポンプ15に接続されている。第3電磁弁SV3の開度は、ECU2によって制御され、それにより、油圧ポンプ15から第1クラッチ8に供給される油圧が調整されることによって、第1クラッチ8の締結力が制御される。同様に、第4電磁弁SV4の開度は、ECU2によって制御され、それにより、油圧ポンプ15から第2クラッチ10に供給される油圧が調整されることによって、第2クラッチ10の締結力が制御される。
前記回転電機4は、例えば誘導モータで構成されており、第1及び第2遊星歯車装置PS1、PS2の軸線方向において、両遊星歯車装置PS1、PS2とオーバーラップするように配置されている。また、回転電機4では、電力が供給されると、供給された電力は、動力に変換され、その出力軸4aに出力される。また、出力軸4aに動力が入力されると、この動力は、電力に変換される(発電)。また、回転電機4は、パワードライブユニット(以下「PDU」という)21を介して、充電・放電可能なバッテリ22に接続されており、バッテリ22との間で電力を授受可能である。このPDU21は、インバータなどの電気回路で構成されている。図3に示すように、PDU21には、ECU2が電気的に接続されており、ECU2は、PDU21を制御することによって、回転電機4に供給する電力と、回転電機4で発電する電力と、回転電機4の回転数を制御する。
以下、回転電機4に供給された電力を動力に変換し、出力軸4aから出力することを適宜「力行」という。また、出力軸4aに入力された動力を用いて回転電機4で発電し、当該動力を電力に変換することを適宜「回生」という。
また、回転電機4の出力軸4aには、ギヤ16が一体に設けられており、このギヤ16は、前述したギヤ6に噛み合っている。また、回転電機4の出力軸4aの途中に、前述した油圧ポンプ15が設けられている。油圧ポンプ15は、回転電機4の駆動力や、左右の後輪WRL、WRRから第1及び第2サンギヤS1、S2に伝達される動力によって、駆動される。
また、図3に示すように、ECU2には、操舵角センサ31から車両Vのハンドルの操舵角θを表す検出信号が、車速センサ32から車速VPを表す検出信号が、入力される。ECU2にはさらに、電流電圧センサ33から、バッテリ22に入出力される電流・電圧値を表す検出信号が入力される。ECU2は、電流電圧センサ33からの検出信号に基づいて、バッテリ22の充電状態を算出する。
ECU2は、I/Oインターフェース、CPU、RAM及びROMなどから成るマイクロコンピュータで構成されている。ECU2は、上述した各種のセンサ31〜33からの検出信号に応じ、ROMに記憶された制御プログラムに従って、回転電機4、第1クラッチ7、第1ブレーキ8、第2クラッチ9及び第2ブレーキ10を制御する。これにより、動力伝達装置1の各種の動作が行われる。
図4は、動力伝達装置1の動作モードと、各動作モードにおける各種の構成要素の動作を示している。同図に示すように、この動作モードには、「直進アシストモード」、「左旋回アシストモード」、「右旋回アシストモード」、「高速直進モード」、「高速左旋回モード」、「高速右旋回モード」及び「高速前進・後進モード」が含まれる。以下、図4〜図10を参照しながら、各動作モードにおけるECU2の制御動作を説明する。
[直進アシストモード]
この直進アシストモードは、エンジン3の運転中で、かつ車両Vが低・中速で前進・後進しているときに、左右の後輪WRL、WRRを同一の回転数で回転させ、車両Vの高い直進安定性を確保するとともに、回転電機4でエンジン3をアシストする動作モードである。
図4に示すように、直進アシストモード中、第1ブレーキ7を完全に締結することによって、第1リングギヤR1を停止状態に保持するとともに、第1クラッチ8を解放することによって、第1サンギヤS1と第1リングギヤR1の間を遮断する。また、第2ブレーキ9を完全に締結することによって、第2リングギヤR2を停止状態に保持するとともに、第2クラッチ10を解放することによって、第2サンギヤS2と第2リングギヤR2の間を遮断する。さらに、回転電機4で力行を行う。図5は、直進アシストモード中における各種の回転要素の間の回転数の関係及びトルクの釣合関係について、示している。
前述したように、第1サンギヤS1、第1キャリアC1及び第1リングギヤR1の回転数は互いに共線関係にあり、第2サンギヤS2、第2キャリアC2及び第2リングギヤR2の回転数は互いに共線関係にある。また、第1及び第2サンギヤS1、S2が互いに一体に回転可能に連結されているので、両者S1、S2の回転数は互いに等しい。
さらに、回転電機4の出力軸4aは、ギヤ16、ギヤ6及び連結軸5を介して、第1及び第2サンギヤS1、S2に連結されているので、これらのギヤ16、6による変速を無視すれば、回転電機4の回転数は、第1及び第2サンギヤS1、S2のそれと等しい。また、第1及び第2キャリアC1、C2は、左右の後軸SRL、SRRを介して左右の後輪WRL、WRRにそれぞれ連結されているので、第1及び第2キャリアC1、C2の回転数は、左後輪WRL及び右後輪WRRの回転数とそれぞれ等しい。
以上から、第1サンギヤS1、第1キャリアC1、第1リングギヤR1、第2サンギヤS2、第2キャリアC2、第2リングギヤR2、左右の後輪WRL、WRR及び回転電機4の回転数は、例えば図5や後述する共線図のように示される。なお、同図において、ZS1、ZR1、ZS2及びZR2はそれぞれ、第1サンギヤS1、第1リングギヤR1、第2サンギヤS2及び第2リングギヤR2の歯数である。
直進アシストモード中、回転電機4の出力トルク(以下「モータトルク」という)は、油圧ポンプ15に伝達され、さらに、第1及び第2サンギヤS1、S2に伝達される。図5に示すように、第1サンギヤS1に伝達されたモータトルクTSは、第1ブレーキ7から第1リングギヤR1に作用する制動力(以下「第1ブレーキ制動力BR1」という)を反力トルクとして、第1キャリアC1に伝達され、さらに左後輪WRLに伝達される。また、第2サンギヤS2に伝達されたモータトルクTSは、第2ブレーキ9から第2リングギヤR2に作用する制動力(以下「第2ブレーキ制動力BR2」という)を反力トルクとして、第2キャリアC2に伝達され、さらに右後輪WRRに伝達される。
なお、図5において、RRL及びRRRはそれぞれ、左右の後輪WRL、WRRから第1及び第2キャリアC1、C2にそれぞれ作用する反力トルクである。また、図5では、便宜上、第1及び第2サンギヤS1、S2にそれぞれ伝達されたモータトルクを同じ符号(TS)で示している。
以上により、図6に示すように、直進アシストモード中、回転電機4の駆動力が左右の後輪WRL、WRRに伝達される結果、回転電機4でエンジン3がアシストされる。また、図5から明らかなように、回転電機4の駆動力は、減速した状態で左右の後輪WRL、WRRに伝達されるので、回転電機4を左右の後輪WRL、WRRに直結した場合よりも大きなトルクを、左右の後輪WRL、WRRに伝達することができる。なお、図6、後述する図8及び図10では、動力の伝達状況を、矢印付きの太い線にハッチングを付して示している。
また、前述したように第1及び第2サンギヤS1、S2の歯数ZS1、ZS2は、互いに等しく、第1及び第2リングギヤR1、R2の歯数ZR1、ZR2は、互いに等しい。したがって、直進アシストモード中、前述したように第1及び第2ブレーキ7、9で第1及び第2リングギヤR1、R2をそれぞれ停止状態に保持することによって、左右の後輪WRL、WRRを互いに同一の回転数で回転させることができ、それにより車両Vの高い直進安定性を確保することができる。
[左旋回アシストモード]
この左旋回アシストモードは、エンジン3の運転中で、かつ車両Vが低・中速で左旋回しているときに、回転電機4の駆動力を用いて右後輪WRRの回転数を左後輪WRLの回転数よりも高くし、車両Vの左回りのヨーモーメントを増大させることによって、車両Vの旋回性を向上させる動作モードである。
図4に示すように、左旋回アシストモード中、第1ブレーキ7を完全に締結することによって、第1リングギヤR1を停止状態に保持するとともに、第1クラッチ8を解放することによって、第1サンギヤS1と第1リングギヤR1の間を遮断する。また、第2ブレーキ9を解放することによって、第2ブレーキ9による第2リングギヤR2の制動を解除するとともに、第2クラッチ10の締結力を制御する(「可変」と図示)。さらに、回転電機4で力行を行う。図7は、左旋回アシストモード中における各種の回転要素の間の回転数の関係及びトルクの釣合関係について、示している。
図7に示すように、左旋回アシストモード中、直進アシストモードの場合と同様、回転電機4のモータトルクは、油圧ポンプ15に伝達され、さらに、第1及び第2サンギヤS1、S2に伝達される。第1サンギヤS1に伝達されたトルクTSは、第1リングギヤR1に作用する第1ブレーキ制動力BR1を反力トルクとして、第1キャリアC1に伝達され、さらに左後輪WRLに伝達される。また、第2クラッチ10の締結力の制御によって、第2サンギヤS2と第2リングギヤR2の間の接続度合が調整されることによって、第2サンギヤS2に伝達されたトルクTSの一部が、第2リングギヤR2に伝達され、その結果、第2サンギヤS2及び第2リングギヤR2に伝達されたトルクを合成したトルクが、第2キャリアC2を介して右後輪WRRに伝達される。なお、図5において、TR2は、第2リングギヤR2に伝達されたトルクである。
以上により、図8に示すように、左旋回アシストモード中、回転電機4の駆動力が左右の後輪WRL、WRRに伝達される結果、回転電機4でエンジン3がアシストされる。この場合、図7に示す回転数の関係から明らかなように、回転電機4から右後輪WRRに配分(伝達)される駆動力(トルク×回転数)は、左後輪WRLに配分される駆動力よりも大きくなる。また、第2クラッチ10の締結力の制御によって、右後輪WRRに伝達される駆動力(回転数)を自由に制御することができる。以上により、車両Vの左回りのヨーモーメントを増大させ、ひいては、その旋回性を向上させることができる。なお、第2クラッチ10を完全に締結したときには、第2サンギヤS2、第2キャリアC2及び第2リングギヤR2は一体に回転する。
[右旋回アシストモード]
この右旋回アシストモードは、エンジン3の運転中で、かつ車両Vが低・中速で右旋回しているときに、回転電機4の駆動力を用いて左後輪WRLの回転数を右後輪WRRの回転数よりも高くし、車両Vの右回りのヨーモーメントを増大させることによって、車両Vの旋回性を向上させる動作モードである。
図4に示すように、右旋回アシストモード中、第1ブレーキ7を解放することによって、第1ブレーキ7による第1リングギヤR1の制動を解除するとともに、第1クラッチ8の締結力を制御する(「可変」と図示)。また、第2ブレーキ9を完全に締結することによって、第2リングギヤR2を停止状態に保持するとともに、第2クラッチ10を解放することによって、第2サンギヤS2と第2リングギヤR2の間を遮断する。さらに、回転電機4で力行を行う。
右旋回アシストモードにおける各種の回転要素の動作は、左旋回アシストモードと左右逆に行われるため、その詳細な説明は省略する。また、右旋回アシストモード中、回転電機4から左後輪WRLに配分される駆動力(回転数)は、右後輪WRRに配分される駆動力よりも大きくなる。さらに、第1クラッチ8の締結力の制御によって、左後輪WRLに伝達される動力(左後輪WRLの回転数)を自由に制御することができる。以上により、車両Vの右回りのヨーモーメントを増大させ、ひいては、その旋回性を向上させることができる。なお、第1クラッチ8を完全に締結したときには、第1サンギヤS1、第1キャリアC1及び第1リングギヤR1は一体に回転する。
[高速直進モード]
この高速直進モードは、車両Vが高速で前進しているときに、左右の後輪WRL、WRRを互いに同一の回転数で回転させ、車両Vの高い直進安定性を確保するための動作モードである。
図4に示すように、高速直進モード中、第1ブレーキ7、第1クラッチ8、第2ブレーキ9及び第2クラッチ10の制御は、前述した直進アシストモードの場合と同様に行われ、直進アシストモードと比較して、回転電機4を停止状態に制御することのみが異なっている。したがって、直進アシストモードの場合と同様、車両Vの高い直進安定性を確保することができる。
また、高速直進モードは、主として直進アシストモードの設定後に、動作モードとして設定される。この場合、直進アシストモード中に力行を行っていた回転電機4は、高速直進モードへの動作モードの移行に伴って停止されるものの、第1及び第2ブレーキ7、9による第1及び第2リングギヤR1、R2の制動によって、左右の後輪WRL、WRRの動力を、第1及び第2キャリアC1、C2並びに第1及び第2サンギヤS1、S2を介して、油圧ポンプ15に伝達することができる。これにより、直進アシストモードから高速直進モードへの移行後においても、油圧ポンプ15を継続して駆動でき、したがって、第1及び第2ブレーキ7、9への油圧の供給を、支障なく行うことができる。
また、この場合、油圧ポンプ15が第1及び第2サンギヤS1、S2の双方に連結されているため、油圧ポンプ15の負荷を、左右の後輪WRL、WRRの一方にのみ作用させずに、双方に作用させることができ、したがって、車両Vのより高い直進安定性を確保することができる。さらに、左右の後輪WRL、WRRの動力の一部が回転電機4に伝達されるものの、回転電機4が誘導モータで構成されているため、PDU21を積極的に制御しない限り、発電することがないので、発電による制動トルクが左右の後輪WRL、WRRに作用せずに済み、その連れ回り抵抗を抑えることができる。
[高速左旋回モード]
この高速左旋回モードは、車両Vが高速で左旋回しているときに、左右の後輪WRL、WRRの間で動力の授受を行うことにより、右後輪WRRの回転数を左後輪WRLの回転数よりも高くし、車両Vの左回りのヨーモーメントを増大させることによって、車両Vの旋回性を向上させるための動作モードである。
図4に示すように、高速左旋回モード中、第1クラッチ7、第1ブレーキ8、第2クラッチ9及び第2ブレーキ10の制御は、前述した左旋回アシストモードの場合と同様に行われ、左旋回アシストモードと比較して、回転電機4を停止状態に制御することのみが異なっている。図9は、高速左旋回モード中における各種の回転要素の間の回転数の関係及びトルクの釣合関係を示している。
図9に示すように、高速左旋回モード中、左後輪WRLから第1キャリアC1に伝達されたトルクTRLは、第1リングギヤR1に作用する第1ブレーキ制動トルクBR1を反力トルクとして、第1サンギヤS1に伝達され、さらに第2サンギヤS2、油圧ポンプ15及び回転電機4に伝達される(図10参照)。図9において、RS1は、第1サンギヤS1に作用する反力トルクであり、TS2は第2サンギヤS2に伝達されるトルクであり、両者の大きさは互いに等しい。
また、第2サンギヤS2に伝達されたトルクTS2は、第2クラッチ10を介して、第2リングギヤR2に伝達される。その結果、第2サンギヤS2及び第2リングギヤR2に伝達されたトルクTS2、TR2を合成したトルクが、第2キャリアC2及び右後軸SRRを介して、右後輪WRRに伝達される。
以上により、図10に示すように、左後輪WRLの動力の一部が、第1及び第2遊星歯車装置PS1、PS2を介して、右後輪WRRに伝達される。換言すれば、左後輪WRLに制動力が作用するとともに、右後輪WRRに駆動力が作用する。この場合、図9から明らかなように、第2クラッチ10の締結力を制御することによって、左後輪WRLから右後輪WRRに伝達される動力(右後輪WRRの回転数)を自由に制御することができ、したがって、車両Vの左回りのヨーモーメントを増大させ、ひいては、その旋回性を向上させることができる。なお、第2クラッチ10を完全に締結したときには、第2サンギヤS2、第2キャリアC2及び第2リングギヤR2は一体に回転する。
また、高速左旋回モード中、高速直進モードの場合と同様、回転電機4が停止されるものの、左後輪WRLから右後輪WRRへの動力の伝達に伴い、油圧ポンプ15にも、左後輪WRLの動力の一部が伝達されるので、第1ブレーキ7及び第2クラッチ10への油圧の供給を支障なく行うことができる。さらに、油圧ポンプ15の負荷を左右の後輪WRL、WRRの双方に作用させることができるので、車両Vのより高い走行安定性を確保することができる。また、左後輪WRLの動力の一部が回転電機4に伝達されるものの、回転電機4が誘導モータで構成されているので、その連れ回り抵抗を抑えることができる。
[高速右旋回モード]
この高速右旋回モードは、車両Vが高速で右旋回しているときに、左右の後輪WRL、WRRの間で動力の授受を行うことにより、左後輪WRLの回転数を右後輪WRRの回転数よりも高くし、車両Vの右回りのヨーモーメントを増大させることによって、車両Vの旋回性を向上させるための動作モードである。
図4に示すように、高速右旋回モード中、第1クラッチ7、第1ブレーキ8、第2クラッチ9及び第2ブレーキ10の制御は、前述した右旋回アシストモードの場合と同様に行われ、左旋回アシストモードと比較して、回転電機4を停止状態に制御することのみが異なっている。
高速右旋回モードにおける各種の回転要素の動作は、高速左旋回モードと左右逆に行われるため、その詳細な説明は省略する。また、高速右旋回モード中、第1クラッチ8の締結力を制御することによって、右後輪WRRから左後輪WRLに伝達される動力(左後輪WRLの回転数)を自由に制御することができ、したがって、車両Vの右回りのヨーモーメントを増大させ、ひいては、その旋回性を向上させることができる。なお、第1クラッチ8を完全に締結したときには、第1サンギヤS1、第1キャリアC1及び第1リングギヤR1は一体に回転する。
また、高速右旋回モード中、高速直進モードの場合と同様、回転電機4が停止されるものの、右後輪WRRから左後輪WRLへの動力の伝達に伴い、油圧ポンプ15にも、右後輪WRRの動力の一部が伝達されるので、第2ブレーキ9及び第1クラッチ8への油圧の供給を支障なく行うことができる。さらに、油圧ポンプ15の負荷を左右の後輪WRL、WRRの双方に作用させることができるので、車両Vのより高い走行安定性を確保することができる。さらに、右後輪WRRの動力の一部が回転電機4に伝達されるものの、回転電機4が誘導モータで構成されているので、その連れ回り抵抗を抑えることができる。
[高速前進・後進モード]
この高速前進・後進モードは、車両Vが高速で前進・後進しているときに行われる動作モードである。
図4に示すように、高速前進・後進モード中、第1ブレーキ7、第1クラッチ8、第2ブレーキ9及び第2クラッチ10をいずれも、完全に解放する。これにより、図5などに示す共線図から明らかなように、車両Vの走行中、左右の後輪WRL、WRRは、互いに差回転が可能である。
また、第1及び第2リングギヤR1、R2の反力(フリクション)よりも、第1及び第2サンギヤS1、S2に作用する油圧ポンプ15のフリクションの方が大きい。このため、左右の後輪WRL、WRRから第1及び第2キャリアC1、C2に動力が伝達されても、第1及び第2リングギヤR1、R2が空転するだけで、左右の後輪WRL、WRRの動力は、第1及び第2サンギヤS1、S2を介して、油圧ポンプ15及び回転電機4に無駄に伝達されず、両者15、4は、停止した状態に保持される。
なお、高速前進・後進モード中、上述したように左右の後輪WRL、WRRの動力を用いて油圧ポンプ15を駆動できないので、高速前進・後進モードから、高速直進モード、高速左旋回モード及び高速右旋回モードへの動作モードの移行時、油圧ポンプ15を駆動するために、回転電機4で力行が強制的に行われる。そして、高速直進モード、高速左旋回モード及び高速右旋回モードに移行した後、この回転電機4の力行によって、油圧ポンプ15の油圧が十分に立ち上がり、第1又は第2ブレーキ7、9を締結した後には、回転電機4が停止される。
また、図11は、車両Vの旋回時に動作モードを設定する処理を示している。本処理は、車両Vの旋回が開始されてから終了するまでの間に、所定時間ごとに実行される。まず、ステップ1(「S1」と図示。以下同じ)では、検出された車速VPが所定車速以上であるか否かを判別する。この答がYESのときには、車両Vの高速走行中であるとして、車両Vの旋回方向が右方向であるか否かを判別する(ステップ2)。この判別は、検出されたハンドルの操舵角θに基づいて行われる。
このステップ2の答がYESのとき、すなわち、車両Vが高速で右旋回しているときには、動作モードを前述した高速右旋回モードに設定し(ステップ3)、本処理を終了する。一方、ステップ2の答がNOのとき、すなわち、車両Vが高速で左旋回しているときには、動作モードを前述した高速左旋回モードに設定し(ステップ4)、本処理を終了する。
一方、前記ステップ1の答がNOで、車両Vの高速走行中でないときには、車両Vの旋回方向が右方向であるか否かを判別する(ステップ5)。この判別は、上記ステップ2と同様に行われる。このステップ5の答がYESのとき、すなわち、車両Vが低・中速で右旋回しているときには、動作モードを前述した右旋回アシストモードに設定し(ステップ6)、本処理を終了する。
一方、上記ステップ5の答がNOのとき、すなわち、車両Vが低・中速で左旋回しているときには、動作モードを前述した左旋回アシストモードに設定し(ステップ7)、本処理を終了する。
また、本実施形態における各種の要素と、本発明における各種の要素との対応関係は、次のとおりである。すなわち、本実施形態における左右の後輪WRL、WRRが、本発明における第1及び第2車輪にそれぞれ相当し、本実施形態におけるECU2が、本発明における第1及び第2制御手段に相当するとともに、本実施形態における回転電機4及びエンジン3が、本発明における第1及び第2原動機にそれぞれ相当する。
また、本実施形態における第1サンギヤS1、第1キャリアC1及び第1リングギヤR1が、本発明における第1回転要素、第2回転要素及び第3回転要素にそれぞれ相当するとともに、第2サンギヤS2、第2キャリアC2及び第2リングギヤR2が、本発明における第4回転要素、第5回転要素及び第6回転要素にそれぞれ相当する。さらに、本実施形態における第1ブレーキ7、第1クラッチ8、第2ブレーキ9及び第2クラッチ10が、本発明における第1制動手段、第1断接手段、第2制動手段及び第2断接手段にそれぞれ相当する。また、本実施形態における油圧ポンプ15が、本発明における流体圧供給装置に相当するとともに、本実施形態における左右の前輪WFL、WFRが、本発明における第3車輪に相当する。
以上のように、本実施形態によれば、高速左旋回モード(図9及び図10)中、右後輪WRRの回転数を左後輪WRLの回転数よりも高くするときに、第1ブレーキ7が締結され、第2ブレーキ9が解放されるとともに、第1クラッチ8が解放され、第2クラッチ10の締結力が制御される。これとは逆に、高速右旋回モード中、左後輪WRLの回転数を右後輪WRRの回転数よりも高くするときに、第2ブレーキ9が締結され、第1ブレーキ7が解放されるとともに、第2クラッチ10が解放され、第1クラッチ8の締結力が制御される。以上により、高速左旋回モード中及び高速右旋回モード中、左右の後輪WRL、WRRの間で動力の伝達を適切に行うことができるので、左右の後輪WRL、WRRの動力を自由に変更でき、車両Vの旋回性を向上させることができる。
同様に、左旋回アシストモード(図7及び図8)中、右後輪WRRの回転数を左後輪WRLの回転数よりも高くするときに、回転電機4で力行が行われ、第1ブレーキ7が締結され、第2ブレーキ9が解放されるとともに、第1クラッチ8が解放され、第2クラッチ10の締結力が制御される。これとは逆に、右旋回アシストモード中、左後輪WRLの回転数を右後輪WRRの回転数よりも高くするときに、回転電機4で力行が行われ、第2ブレーキ9が締結され、第1ブレーキ7が解放されるとともに、第2クラッチ10が解放され、第1クラッチ8の締結力が制御される。以上により、回転電機4から左右の後輪WRL、WRRに配分される駆動力(回転数)を自由に変更することができ、したがって、車両Vの旋回性を向上させることができる。
また、前述した図13と図7及び図9との比較から明らかなように、左旋回アシストモード、右旋回アシストモード、高速左旋回モード及び高速右旋回モード中、前述した従来の動力伝達装置のように第2左側(右側)ブレーキの制動力を左(右)キャタピラに直接、作用させる場合と比較して、第1及び第2ブレーキ7、9に作用するトルクを低減することができる。したがって、第1及び第2ブレーキ7、9の小型化を図ることができる。同様に、第1及び第2クラッチ8、10に作用するトルクを、従来の場合よりも低減できるので、第1及び第2クラッチ8、10の小型化を図ることができる。以上により、動力伝達装置1全体の小型化を図ることができる。
さらに、高速前進・後進モード中、第1及び第2ブレーキ7、9並びに第1及び第2クラッチ8、10を解放することによって、左右の後輪WRL、WRRを互いに差回転可能な状態に保持することができる。
また、第1及び第2ブレーキ7、9並びに第1及び第2クラッチ8、10が、油圧ポンプ15からの油圧の供給によって作動する。さらに、この油圧ポンプ15が、回転電機4が連結された第1及び第2サンギヤS1、S2に連結されているので、油圧ポンプ15を回転電機4の駆動力によって駆動することができる。したがって、油圧ポンプ15の駆動用に別個に駆動装置を設ける必要がなく、したがって、その分、動力伝達装置1全体を小型化することができる。
また、高速前進・後進モードから、高速直進モード、高速左旋回モード及び高速右旋回モードへの動作モードの移行時、油圧ポンプ15を駆動するために、回転電機4で力行が強制的に行われる。そして、高速直進モード、高速左旋回モード及び高速右旋回モードに移行した後、この回転電機4の力行によって、油圧ポンプ15の油圧が十分に立ち上がり、第1又は第2ブレーキ7、9を締結した後には、回転電機4が停止される。したがって、高速前進・後進モードから、高速直進モード、高速左旋回モード及び高速右旋回モードへの動作モードの移行後、回転電機4を停止しても、左右の後輪WRL、WRRの動力によって、油圧ポンプ15を適切に駆動することができる。
さらに、この場合、油圧ポンプ15が第1及び第2サンギヤS1、S2の双方に連結されているので、油圧ポンプ15の負荷を左右の後輪WRL、WRRの双方に作用させることができ、したがって、車両Vの高い走行安定性を確保することができる。また、回転電機4が誘導モータで構成されているので、その連れ回り抵抗を抑えることができる。
さらに、直進アシストモード(図5及び図6)中及び高速直進モード中、左右の後輪WRL、WRRを互いに同一の回転数で回転させるときに、第1及び第2ブレーキ7、9が締結されるとともに、第1及び第2クラッチ8、10が解放される。また、第1及び第2サンギヤS1、S2の歯数ZS1、ZS2が互いに同じ値に設定されるとともに、第1及び第2リングギヤR1、R2の歯数ZR1、ZR2が互いに同じ値に設定されている。以上により、左右の後輪WRL、WRRを互いに同一の回転数で回転させることができ、したがって、車両Vの高い直進安定性を確保することができる。
また、直進アシストモード中及び高速直進モード中、第1及び第2ブレーキ7、9が締結状態に保持されるため、この状態から高速左旋回モード又は高速右旋回モードに移行するときに、第1及び第2ブレーキ7、9の一方への油圧の供給を停止するだけでよく、第1及び第2ブレーキ7、9の他方への油圧の供給を初めから行う必要がないので、左右の後輪WRL、WRRの間の動力の授受を早期に開始することができる。同様に、左旋回アシストモード又は右旋回アシストモードに移行するときに、回転電機4から左右の後輪WRL、WRRに伝達される駆動力の変更を早期に開始することができる。
さらに、油圧ポンプ15の作動油であるオイルOILが、動力伝達装置1の潤滑油として兼用されており、また、直進アシストモード中及び高速直進モード中には常に、第1及び第2ブレーキ7、9を締結するために、両者7、9に、油圧ポンプ15から油圧が供給される。これにより、動力伝達装置1のケースCA内に貯留されたオイルOILの量を減少させることができるので、第1及び第2サンギヤS1、第1及び第2リングギヤR1、R2並びに第1及び第2キャリアC1、C2が回転する際のオイルOILの攪拌抵抗を抑えることができる。
また、左右の前輪WFL、WFRが、エンジン3により駆動されるとともに、操向方向を変更可能に構成されているので、車両Vの旋回性をさらに向上させることができる。
さらに、第1及び第2ブレーキ7、9並びに第1及び第2クラッチ8、10は、第1及び第2リングギヤR1、R2よりも径方向の内側に配置されているので、動力伝達装置1全体の径方向の大きさを小さくすることができる。
また、内燃機関よりも高い応答性を有する回転電機4を用いるので、回転電機4による左右の後輪WRL、WRRの駆動の応答性を高めることができる。
さらに、第1及び第2遊星歯車装置PS1、PS2が互いに同一の軸線上に配置されており、その軸線方向において、第1及び第2遊星歯車装置PS1、PS2と回転電機4とが、互いにオーバーラップするように配置されているので、動力伝達装置1全体の径方向の大きさを小さくすることができる。
次に、図12を参照しながら、本発明の第2実施形態による動力伝達装置51について説明する。この動力伝達装置51は、第1実施形態と比較して、第1ブレーキ52、第1クラッチ53、第2ブレーキ54及び第2クラッチ55の構成が主に異なっている。図12において、第1実施形態と同じ構成要素については、同じ符号を付している。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
第1ブレーキ52、第1クラッチ53、第2ブレーキ54及び第2クラッチ55は、第1実施形態の第1ブレーキ7、第1クラッチ8、第2ブレーキ9及び第2クラッチ10と同様、油圧式の湿式摩擦クラッチであり、インナー52a、53a、54a及び55a、並びにアウター52b、53b、54b及び55bをそれぞれ有している。これらのインナー52a、53a、54a及び55a並びにアウター52b、53b、54b及び55bの基本的な構成は、第1実施形態と同様である(摩擦板が設けられている)ので、以下、第1実施形態と異なる点のみを説明する。
第1ブレーキ52のインナー52aは、ケースCAに固定されており、第1リングギヤR1の周りに同軸状に配置されている。また、アウター52bは、第1リングギヤR1の外周部に同軸状に取り付けられており、第1リングギヤR1と一体に回転自在である。
第1クラッチ53のインナー53aは、中空の回転軸61及びフランジ62を介して、第1実施形態で述べた連結軸5に連結されており、連結軸5、第1及び第2サンギヤS1、S2と一体に回転自在である。また、インナー53aは、第1リングギヤR1の周りに同軸状に配置されている。アウター53bは、第1リングギヤR1の外周部に同軸状に取り付けられており、第1リングギヤR1と一体に回転自在である。また、アウター53bは、第1ブレーキ52のアウター52bと、軸線方向において重なっている。
第2ブレーキ54のインナー54aは、ケースCAに固定されており、第2リングギヤR2の周りに同軸状に配置されている。また、アウター54bは、第2リングギヤR2の外周部に同軸状に取り付けられており、第2リングギヤR2と一体に回転自在である。
第2クラッチ55のインナー55aは、中空の回転軸63及びフランジ64を介して、連結軸5に連結されており、連結軸5、第1及び第2サンギヤS1、S2と一体に回転自在である。また、インナー55aは、第2リングギヤR2の周りに同軸状に配置されている。アウター55bは、第2リングギヤR2の外周部に同軸状に取り付けられており、第2リングギヤR2と一体に回転自在である。また、アウター55bは、第2ブレーキ54のアウター54bと、軸線方向において重なっている。
以上の構成の動力伝達装置51によれば、第1ブレーキ52、第1クラッチ53、第2ブレーキ54及び第2クラッチ55について、第1実施形態で述べた制御動作が同様にして行われる。したがって、第1実施形態による効果を同様に得ることができる。また、第1ブレーキ52及び第1クラッチ53を第1リングギヤR1の周りに、第2ブレーキ54及び第2クラッチ55を第2リングギヤR2の周りに、それぞれまとめて配置することができる。これにより、第1実施形態で述べた回転軸11、13を省略できる分、動力伝達装置51全体を小型化することができる。同じ理由により、第1ブレーキ52、第1クラッチ53、第2ブレーキ54及び第2クラッチ55に油圧を供給するための油圧回路(図示せず)をまとめて配置することができる。
また、第2実施形態における第1及び第2ブレーキ52、54並びに第1及び第2クラッチ53、55が、本発明における第1及び第2制動手段並びに第1及び第2断接手段にそれぞれ相当する。
なお、本発明は、説明した第1及び第2実施形態(以下、総称して「実施形態」という)に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、第1及び第2ブレーキ7、9並びに第1及び第2クラッチ8、10は、油圧の供給により締結されるタイプのものであるが、解放されるタイプのものでもよい。また、実施形態では、左旋回アシストモード中、右旋回アシストモード中、高速左旋回モード中及び高速右旋回モード中、第1又は第2ブレーキ7、9を完全に締結しているが、完全に締結せずに、その締結力を制御してもよい。
さらに、実施形態では、油圧ポンプ15を、回転電機4の出力軸4aに直結しているが、ギヤを介して連結してもよい。また、実施形態では、第1及び第2ブレーキ7、9並びに第1及び第2クラッチ8、10として、油圧を動力源とするタイプのものを用いているが、他の流体圧を動力源とするタイプのものを用いてもよい。さらに、実施形態では、第1及び第2ブレーキ7、9並びに第1及び第2クラッチ8、10は、油圧式であるが、電磁式でもよい。
また、実施形態では、第1及び第2サンギヤS1、S2の歯数ZS1、ZS2を互いに同じ値に、第1及び第2リングギヤR1、R2の歯数ZR1、ZR2を互いに同じ値に、それぞれ設定しているが、第1サンギヤS1の歯数ZS1と第1リングギヤR1の歯数ZR1との比、及び、第2サンギヤS2の歯数ZS2と第2リングギヤR2の歯数ZR2との比が、互いに同じ値に設定されていれば、必ずしもZS1及びZS2を互いに同じ値に、ZR1及びZR2を互いに同じ値に、それぞれ設定しなくてもよい。
さらに、実施形態では、第1及び第2サンギヤS1、S2を互いに一体に回転可能に連結するとともに、第1及び第2リングギヤR1、R2を第1及び第2ブレーキ7、9にそれぞれ連結しているが、これとは逆に、第1及び第2リングギヤR1、R2を互いに一体に回転可能に連結するとともに、第1及び第2サンギヤS1、S2を第1及び第2ブレーキ7、9にそれぞれ連結してもよい。また、実施形態では、第1及び第2遊星歯車装置PS1、PS2として、シングルピニオンタイプのものを用いているが、ダブルピニオンタイプのものや、かさ歯車タイプのものを用いてもよい。
さらに、実施形態では、第1及び第2キャリアC1、C2を、左右の後軸SRL、SRRを介して、左右の後輪WRL、WRRにそれぞれ連結しているが、ギヤを介して連結してもよい。また、実施形態では、本発明の第1原動機として、誘導モータで構成された回転電機4を用いているが、駆動力を出力可能な他の原動機、例えば、同期モータや、内燃機関、外燃機関などを用いてもよい。さらに、実施形態では、本発明の第2原動機として、ガソリンエンジンであるエンジン3を用いているが、他の原動機、例えば回転電機や、外燃機関などを用いてもよい。あるいは、エンジン3又は回転電機4を省略してもよい。
また、実施形態では、本発明の第1及び第2車輪はそれぞれ、左右の後輪WRL、WRRであるが、左右の前輪WFL、WFRでもよく、あるいは、全輪駆動式車両の前輪及び後輪でもよい。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
V 車両
WFL 左前輪(第3車輪)
WFR 右前輪(第3車輪)
WRL 左後輪(第1車輪)
WRR 右後輪(第2車輪)
1 動力伝達装置
2 ECU(第1制御手段、第2制御手段)
3 エンジン(第2原動機)
4 回転電機(第1原動機)
PS1 第1遊星歯車装置
S1 第1サンギヤ(第1回転要素)
R1 第1リングギヤ(第3回転要素)
C1 第1キャリア(第2回転要素)
PS2 第2遊星歯車装置
S2 第2サンギヤ(第4回転要素)
R2 第2リングギヤ(第6回転要素)
C2 第2キャリア(第5回転要素)
7 第1ブレーキ(第1制動手段)
8 第1クラッチ(第1断接手段)
9 第2ブレーキ(第2制動手段)
10 第2クラッチ(第2断接手段)
15 油圧ポンプ(流体圧供給装置)
51 動力伝達装置
52 第1ブレーキ(第1制動手段)
53 第1クラッチ(第1断接手段)
54 第2ブレーキ(第2制動手段)
55 第2クラッチ(第2断接手段)

Claims (9)

  1. 車両の第1車輪及び第2車輪の間で動力を伝達可能な動力伝達装置であって、
    第1回転要素、第2回転要素及び第3回転要素を有し、当該第1〜第3回転要素の回転数が共線図において単一の直線上にこの順で並ぶ共線関係を満たすように構成された第1遊星歯車装置と、
    第4回転要素、第5回転要素及び第6回転要素を有し、当該第4〜第6回転要素の回転数が共線図において単一の直線上にこの順で並ぶ共線関係を満たすように構成された第2遊星歯車装置と、
    前記第3回転要素に連結され、締結により前記第3回転要素を制動するとともに、解放により当該制動を解除する第1制動手段と、
    前記第6回転要素に連結され、締結により前記第6回転要素を制動するとともに、解放により当該制動を解除する第2制動手段と、
    前記第1及び第3回転要素に連結され、締結・解放により前記第1回転要素と前記第3回転要素の間を接続・遮断する第1断接手段と、
    前記第4及び第6回転要素に連結され、締結・解放により前記第4回転要素と前記第6回転要素の間を接続・遮断する第2断接手段と、を備え、
    前記第1及び第4回転要素は、互いに一体に回転可能に連結されており、
    前記第2回転要素は前記第1車輪に連結されるとともに、前記第5回転要素は前記第2車輪に連結されていることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 駆動力を出力可能な第1原動機をさらに備え、
    前記第1及び第4回転要素は、前記第1原動機に連結されていることを特徴とする、請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記第1及び第2車輪はそれぞれ、前記車両の左右の車輪であり、
    前記車両には、前記第1及び第2車輪に加え、操向方向を操作可能な第3車輪と、当該第3車輪を駆動するための、前記第1原動機とは異なる第2原動機とが設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記第1原動機は回転電機であることを特徴とする、請求項2又は3に記載の動力伝達装置。
  5. 前記第1及び第2遊星歯車装置は、互いに同一の軸線上に配置されており、
    当該軸線の方向において、前記第1及び第2遊星歯車装置と前記第1原動機とは、互いにオーバーラップするように配置されていることを特徴とする、請求項ないし4のいずれかに記載の動力伝達装置。
  6. 前記第1及び第2制動手段並びに前記第1及び第2断接手段は、流体圧の供給により作動し、
    前記第1及び第4回転要素に連結され、前記第1及び第2制動手段並びに前記第1及び第2断接手段に流体圧を供給するための流体圧供給装置をさらに備えることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の動力伝達装置。
  7. 前記第1及び第2車輪の一方の車輪の回転数を他方の車輪の回転数よりも高くするときに、前記一方の車輪に連結された前記第2及び第5回転要素の一方の回転要素と回転数が共線関係にある前記第3及び第6回転要素の一方の回転要素に連結された前記第1及び第2制動手段の一方を締結するとともに、当該第1及び第2制動手段の他方を解放し、
    前記第3及び第6回転要素の前記一方の回転要素と、当該一方の回転要素と共線関係にある前記第1及び第4回転要素の一方の回転要素とに連結された前記第1及び第2断接手段の一方を解放するとともに、当該第1及び第2断接手段の他方の締結力を制御する第1制御手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の動力伝達装置。
  8. 前記第1及び第2車輪を互いに同一の回転数で回転させるときに、前記第1及び第2制動手段を締結するとともに、前記第1及び第2断接手段を解放する第2制御手段をさらに備えることを特徴とする、請求項ないし7のいずれかに記載の動力伝達装置。
  9. 前記第1及び第2制動手段並びに前記第1及び第2断接手段は、前記第3及び第6回転要素よりも径方向の内側に配置されていることを特徴とする、請求項ないし8のいずれかに記載の動力伝達装置。
JP2012244308A 2012-11-06 2012-11-06 動力伝達装置 Expired - Fee Related JP5695014B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012244308A JP5695014B2 (ja) 2012-11-06 2012-11-06 動力伝達装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012244308A JP5695014B2 (ja) 2012-11-06 2012-11-06 動力伝達装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014092254A JP2014092254A (ja) 2014-05-19
JP5695014B2 true JP5695014B2 (ja) 2015-04-01

Family

ID=50936472

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012244308A Expired - Fee Related JP5695014B2 (ja) 2012-11-06 2012-11-06 動力伝達装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5695014B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS501242Y1 (ja) * 1970-10-29 1975-01-14
JPS49132523U (ja) * 1973-03-12 1974-11-14
JP2002274418A (ja) * 2001-03-16 2002-09-25 Mitsubishi Agricult Mach Co Ltd クローラ走行車
JP2006205948A (ja) * 2005-01-28 2006-08-10 Yanmar Co Ltd 作業車両のトランスミッション
JP3868452B2 (ja) * 2005-03-11 2007-01-17 ヤンマー農機株式会社 コンバインの操向装置
JP2010190286A (ja) * 2009-02-17 2010-09-02 Honda Motor Co Ltd 差動装置の駆動力配分機構

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014092254A (ja) 2014-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10514087B2 (en) Driving system
CN107191553B (zh) 产品和驱动车桥差速器的方法
US7712560B2 (en) Hybrid electric vehicle powertrain
CA2810945C (en) Powertrain system for hybrid vehicles having multiple modes of operation
EP3277530B1 (en) An electrical axle
US9701187B2 (en) Drive device for a vehicle and vehicle comprising the drive device
US10415679B2 (en) Electric all-wheel drive two speed with split double reduction planetary
CN101486314B (zh) 用于车辆的扭矩分配系统
SE0950890A1 (sv) Elektriskt drivsystem
JP2008296612A (ja) 動力装置
KR101655578B1 (ko) 하이브리드 차량용 변속장치
JP2019502060A (ja) 車両のパワートレイン
JP5884916B2 (ja) ハイブリッド車両用駆動装置
JP2014503417A (ja) 車両補助装置のための駆動装置
JP2010190286A (ja) 差動装置の駆動力配分機構
CN111152650A (zh) 具有扭矩矢量控制的混合动力车桥驱动
JP2008089075A (ja) 車両の駆動力配分装置
US11034232B2 (en) Vehicle driveline system
US10767743B2 (en) Differential gearing for a motor vehicle
JP5695014B2 (ja) 動力伝達装置
JP2013132960A (ja) 車両の駆動装置
JP6783152B2 (ja) 動力装置
JP6595938B2 (ja) 動力伝達装置
JP2010159024A (ja) 動力伝達装置
JP6369481B2 (ja) パワートレイン構造

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140617

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140804

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150205

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5695014

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees