JPH09216484A - 偽造・変造防止カード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 偽造・変造を防止したカードを提供する。 【解決手段】 予め定めて描かれた模様が外部より視認
出来ないように内部に描かれた模様を有する偽造・変造
防止カード。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、偽造、変造を防止
するカードに関するものであり、外からはたやすく感知
し得ない模様を内部に備えることにより偽造をし難くす
るとともに、情報を書き込むために穿孔した孔を人為的
に埋め込んで変造することを防止したカードに関する。

【０００２】

【従来の技術】クレジットカードやプリペイドカードな
どが経済行為において多用されている。高額な商取引が
カードによって行なわれるようになって、偽造や変造に
よる不正使用を防止することはますます重要な事であ
る。偽造・変造防止策としては、光の当たり方によって
立体像が浮かび上がるホログラムをカードに作り込む方
法が普及している。この方法は樹脂の上に１ミクロン以
下の微小な凹凸を刻み込み、２画面から違った像を観察
出来るようにしてある。

【０００３】近年になり、材料の製造時に特殊な超微細
繊維を無作為に混ぜると混ざり方のパターンは千差万別
になるので、これを指紋代わりに使用する方法が報じら
れている（日本経済新聞 平成８年１月３１日号）。こ
の方法は材料の中に無作為にできたパターンをそっくり
偽造するのは難しく、発行時にパターンを専用センサー
で読み取り、信号をデジタル化して蓄積しておき、使用
時に改めてパターンを判読し、両者を照合して偽造や変
造が行なわれていないかを識別する方法である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来からの偽造・変造
防止はカードの作り方を難しくすることにより防止しよ
うとする方法であって、１枚のカードを特定の人が繰り
返し使用する場合には有効であるが、プリペイドカード
の様に、多数枚を使い切る場合には高価な上に、変造防
止にはあまり効果がない。従って、従来から使用されて
きた安全確保のシステムの上に更に一層、安全確保を高
めることが課題である。プリペイドカードなどの安全確
保のシステムは多くは使用金額や使用量などの情報をカ
ードに穿孔することによって使用者に知らせると同時に
残量と照合する方法である。しかし、この穿孔を人為的
に埋めることによって変造されやすい欠点があり、これ
を防いで一層安全性を高めることが望まれていた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】即ち本発明は、予め定め
て描かれた模様が外部より視認出来ないように内部に描
かれた模様を有するカードである。本発明のカードは外
部より視認出来ないので、簡単には偽造出来ないばかり
か、情報を書き込むために穿孔された孔を不正に埋めて
変造することを極めて困難にしてセキュリティーを高め
ることができる。

【０００６】描かれた模様は予め定められた模様であれ
ばどんな模様でも良い。特に情報を書き込むための穿孔
を不正に埋め合せて変造することを防止するためには、
模様が穿孔を横切っていて、穿孔された孔を埋め合わせ
ても復元することが困難な模様が好ましい。この模様の
例としては、微細な縞模様、格子縞模様、斜め格子縞模
様、網目模様、水玉模様、特定の文字や数字等の反復模
様等、規則的周期のある模様等を挙げることが出来る。
これは単独又は２種以上組み合わせることも可能であ
る。

【０００７】模様を描く方法は印刷による方法、半導体
や微細プリント配線を描画するフォトレジストを利用し
てエッチングする方法、フォトマスクを用いて光硬化す
る方法、プラスチックフィルムやシートにあっては圧縮
成形や射出成形時に、又は２次加工時のエンボス等によ
り、凹凸の模様をつける方法等が採用される。

【０００８】カード類の内容を使用者及びその他の人が
確認出来るのは、表面及び裏面である。描かれた模様を
この表面及び裏面から見えなくするために不透明な材料
で覆われる。不透明な材料には金属箔、不透明化された
プラスチック類、不透明な紙や布が挙げられる。これら
の不透明な材料と描かれた模様とは偽造、変造が難しい
様に一体化される方が好ましい。この場合、凹凸のある
模様にあっては模様の鍵になる凹凸の部分を残して一体
化することが必要である。

【０００９】プリペイドカードの類にあっては、使用残
高等の情報を穿孔によって表示するシステムが広く普及
している。このシステムの多くは表示された穿孔の情報
と記録された磁気等による情報を照合してセキュリティ
ーを確保する例が多い。この類のカードの変造防止に
は、記録された磁気の変造を困難にするとともに、穿孔
の埋め込みによる変造を防止することが一層セキュリテ
ィーを高めるのに必要である。

【００１０】本発明は、穿孔又はその周辺ととも定めら
れた模様を入れ埋め込みによる模様の再現を困難にして
変造を防止する方法である。従って穿孔又はその周辺と
ともに模様を検知する方法と組み合わされる。印刷方式
にあっては磁気に感応する物質や赤外線や紫外線に感応
する物質を配合して模様が描かれ、それぞれに応じて検
知される凹凸模様にあっては空間の生ずることによる特
性値の変化、例えば電気抵抗や電気容量等他の各種の方
法によって検知される。また、検知の容易さから模様は
穿孔より小さな単位か又は穿孔を横切った模様が選ばれ
る。

【００１１】

【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に
説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものでは
ない。

【００１２】実施例 厚さ２００ミリミクロンで、溝の深さ５０ミリミクロ
ン、幅５０ミリミクロンで２００ミリミクロンの周期を
持つ縞模様のプラスチックシート（ポリカーボネート
「ＡＤ５５０３」帝人化成株式会社製）に希土類磁石粉
末（住友金属鉱山製サマリウムコバルト粉末）を縞模様
の溝に埋め込んだ。その上に同質の厚さ５０ミリミクロ
ンのプラスチックフィルムで覆い、熱融着によって一体
化した。得られた磁性粉入りシートを磁化するために着
磁装置に入れ磁化させた。磁化シートに直径１ミリの円
形の穿孔を設けた。この時に出来た穿孔滓の円形物を無
作為に埋め合わせ、この上に微細な鉄粉を磁力吸着さ
せ、この状態を拡大鏡により観察した。開けられた穿孔
を元通りの周辺の縞模様に復元することは極めて困難で
あった。

【００１３】

【発明の効果】叙上のとおり、本発明のカードは偽造や
変造が困難で、カードに係わる不正や犯罪を未然に防止
することができ、その有用性は頗る大である。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 予め定めて描かれた模様が外部より視認
   出来ないように内部に描かれた模様を有する偽造・変造
   防止カード。
2. 【請求項２】 書き込まれた情報を示す穿孔と予め定め
   て内部に描かれた模様とを照合することの出来る請求項
   １記載の偽造・変造防止カード。
3. 【請求項３】 内部に描かれた模様が凹凸を有する模様
   である請求項１記載の偽造・変造防止カード。
4. 【請求項４】 内部に描かれた模様が印刷によって描か
   れた模様である請求項１記載の偽造・変造防止カード。
5. 【請求項５】 内部に描かれた模様が書き込まれた情報
   を示す穿孔の大きさより小さい単位の模様であるか、ま
   たは、穿孔を横切った模様である請求項２記載の偽造・
   変造防止カード。