JPH09216374A - インクジェットプリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 インクジェットプリントヘッドの小型化、お
よび高集積化を実現を課題とする。 【解決手段】 ヘッドの電気機械変換素子（ピエゾ）２
ａ，２ｂを、ピエゾ２ａ，２ｂを固定する部材１の両側
に張り付けると共に、固定部材１を中空構造であって、
しかも固定部材１の一面を共通インク室１ｂとして、共
通インク室１ｂが２室に分割された構成とし、インクの
供給を固定部材１の内部から両側のインク室に供給す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ、ＦＡ
Ｘ、複写機、プロッタなどのヘッドとして用いられるイ
ンクジェットプリントヘッドに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】インク吐出のエネルギ付与手段として電
気機械変換素子（以下ピエゾという）を利用したインク
ジェットプリントヘッドの構造は、例えば図７に示すよ
うに、１つの共通インク室１１に対して片面に複数の個
別インク室１２およびノズル（図示せず）を一列に並べ
たものを一単位として加工し、それを横に並べていく構
造をとっている。

【０００３】上記の構成において、高精細な画像を得る
べく小さなインク滴を作るためには、インク室の小型化
が必須であり、数百ミクロンの高さとなっている。よっ
て、インク供給通路は通路の幅をある程度以上必要とす
るため、ヘッドの平面積がかなり大きくなり、これが実
装密度向上を妨げ、大きいヘッドになってしまう要因で
あった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、実装密度を
従来のピエゾヘッドに比べて大幅に上げると共に、ノズ
ル数を増やして印刷速度を大幅に向上できるようなイン
クジェットプリントヘッドを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決する手段】課題を解決するために、１つの
共通インク室の両側面に夫々複数の個別インク室および
ピエゾを配列したものを一単位とし、これを複数個用い
てヘッドを構成することで達成される。

【０００６】但し、インク供給の方法を従来通りに行っ
ても、その効果を最大に引き出すことはできない。本発
明では、インクの供給流路をノズル側から見て最小にす
ることで実現できる。すなわち、上記した両側面の２列
のピエゾ列を一単位としたものの中央（固定部材の中空
部）から共通インク室へインクを流入させ、更にインク
を両側の個別インク室に流し込む構成とし、しかもその
共通インク通路のインク量は２列の個別インク室に充分
インクが供給できる量を確保するような工夫をすること
で、効果的なインク供給が可能となる。

【０００７】上記構成に加え、本発明は前記固定部材の
共通インク室を２室に分割することで達成される。その
際、２室に分割する壁として、対向するノズル列に干渉
が起こらないような干渉防止膜を用いると効果的であ
る。

【０００８】前記のように共通インク室を２室に分割す
ると、一方のノズル列を駆動してインクを吐出させた時
に隣のノズル列にインクの駆動が影響し、隣のノズル列
のインクの水位が大きく変動してしまい、そのインクの
水位変動が治まらないという現象、いわゆるクロストー
クを抑制することができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を説
明する。

【００１０】図１は本発明のインクジェットヘッドの吐
出手段の主要部である、複数のピエゾが共通インク室１
ｂの両側に配列された一単位（以下アクチュエータ６と
いう）の斜視図であり、図２はその平面模式図である。

【００１１】固定部材１はその内部が中空構造であっ
て、該中空部は共通インク通路１ａとなっている。前記
固定部材１の上部は共通インク室１ｂであり、共通イン
ク通路１ａを通って供給されたインクは共通インク室１
ｂを満たすような構成となっている。更に、共通インク
室１ｂは個別インク通路４ｄを介して個別インク室４ｅ
に連通している。

【００１２】なお、共通インク室１ｂは膜等からなる壁
部材９で２室に分割されている。

【００１３】一方、固定部材１の両側面には複数のピエ
ゾからなるピエゾアセンブリ２ａ、２ｂが接着・固定さ
れている。この際、ピエゾアセンブリ２ａ内のピエゾ列
とピエゾアセンブリ２ｂのピエゾ列は印字のドット密度
の１ドット分だけずれるように固定する。

【００１４】なお、ピエゾアセンブリ２ａ、２ｂの下方
には夫々電極５が装着されており、電極５に電圧が印加
されると前記ピエゾアセンブリ２ａ、２ｂの個々のピエ
ゾが機械的に動く。

【００１５】図３は溝部３ａ〜３ｃが形成されたハウジ
ング３を示す斜視図である。

【００１６】図１に示すアクチュエータ６の複数個を図
３のハウジング３の溝部３ａ〜３ｃに夫々挿入・固定
し、図４のような形態にする。なお、溝部３ａ、３ｂお
よび３ｃは装着された夫々のアクチュエータ６のピエゾ
列が２ドットずつずれるように予め形成しておくことに
よって、高精細印刷の可能なヘッドにすることができ
る。

【００１７】図５はインク流路アセンブリ４を示す斜視
図、図６はアクチュエータ６にインク流路アセンブリ４
を組み立てた状態を示す断面図である。

【００１８】インク流路アセンブリ４は穴部４ａ、４
ｂ、共通インク室１ｂの蓋部４ｃ、個別インク通路４
ｄ、個別インク室４ｅ、振動膜４ｆおよびノズル４ｇか
らなる。

【００１９】前記インク流路アセンブリ４とアクチュエ
ータ６を搭載したハウジング３との組み立ては、インク
流路アセンブリ４の穴部４ａ、４ｂと、ハウジング３の
凸部３ｄ、３ｅを嵌合させることで位置決めし、接着・
固定する。

【００２０】インクは共通インク通路１ａを通り共通イ
ンク室１ｂに移動する。次いで、インクは個別インク通
路４ｄ通り、個別インク室４ｅ入り、最終的にノズル４
ｇからインク滴として吐出される。

【００２１】インクを吐出するためには、振動膜４ｆに
当接されたピエゾアセンブリ２ａ、２ｂの個々のピエゾ
に電気を流すことで、機械的に振動膜４ｆを押す吐出エ
ネルギが発生し、これによってインクをノズル４ｇから
吐出することができる。

【００２２】図６において、共通インク室１ｂの掘り込
み深さをｈとした場合に、ｈに自由度を持たせることが
できる。すなわち、共通インク室１ｂを深く掘ることで
インク流路を立体的に作ることが可能なので、インクの
量をかなり自由にコントロールできる。このことがノズ
ル側から見たヘッドの面積を最小にできる要素でもあ
る。つまりインク流路の幅Ｂを小さくしてもｈを大きく
することで必要なインク供給流量を確保することができ
る。

【００２３】このように、本発明ではインク供給流路を
固定部材内に形成することで、固定部材の両側面に装着
されたノズルに対して十分なインクの流量を確保でき、
かつそのインク流量については固定部材の共通インク室
の深さをコントロールすることで自在にセットできる。
そして、ヘッドのノズル側から見たヘッド面積を小さく
することもできる。

【００２４】また、一個のノズル列を駆動してインクを
吐出させた時に対向するノズル列にインクの駆動が影響
して対向するノズル列のインクの水位が大きく変動して
しまい、そのインクの水位変動が治まらない現象、すな
わちクロストークは、共通インク室を２室に分割する壁
部材として他のノズルへの干渉を防止するような干渉防
止膜を用いることで抑制できる。

【００２５】

【発明の効果】本発明によれば、２列のピエゾアセンブ
リを一単位のアクチュエータとし、これを複数組み合わ
せた構成としたことで、インクジェットのヘッドを小型
で高密度実装することができる。

【００２６】また、インク供給流路をノズル方向から見
た幅Ｂを最小に設定し、必要なインク流量をインク溝深
さｈで作ることで、ノズル方向から見たインク流路の面
積を最小にセットすることができる。しかも、ｈの深さ
をコントロールすることでヘッドが動作したときに起こ
るクロストークの発生を小さく抑え込むことが可能にな
る。クロストークによる悪影響を小さく抑えられるので
インクのドット形状を正確に打ち出せる為印刷物をきれ
いに仕上げられる。

【００２７】更に、これらの構成の組み合わせにより、
ヘッドの高集積化が可能になることで高速プリントが可
能になる。しかもこの高集積ヘッドを使い微細なインク
量を吐出することで高精細プリントも印刷速度を落とさ
ずに可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 一単位のヘッド構成を示す斜視図

【図２】 図１の平面図

【図３】 ヘッドを装着するハウジングの斜視図

【図４】 ヘッドをハウジングに装着した状態を示す斜
視図

【図５】 インクアセンブリの構成を示す斜視図

【図６】 最終組み立て状態を示す断面図

【図７】 従来のヘッドの構成を示す平面図

【符号の説明】

１は固定部材、１ａは共通インク通路、１ｂは共通イン
ク室、２ａ、２ｂはピエゾアセンブリ、３はハウジン
グ、３ａ〜３ｃは溝部、４ａ、４ｂは穴部、４ｃは蓋
部、４ｄは個別インク通路、４ｅは個別インク室、４ｆ
は振動膜、４ｇはノズル、５は電極である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】インク吐出のエネルギ付与手段として電気
   機械変換素子を用いたインクジェットプリンタにおい
   て、中空構造であってその一面に該中空部と連通する共
   通インク室が設けられ、更に前記共通インク室が２室に
   分割されてなる固定部材と、該固定部材の両側面に夫々
   複数配された電気機械変換素子と、該電気機械変換素子
   の個々に対応して設けられた個別インク室と、前記共通
   インク室と個別インク室とを連通するために設けられた
   個別インク通路と、前記個別インク室に連通したノズル
   を有することを特徴とするインクジェットプリンタ。
2. 【請求項２】前記固定部材の共通インク室を２室に分割
   する壁は、他のノズルへの干渉を防止するような干渉防
   止膜で形成されていることを特徴とする請求項１記載の
   インクジェットプリンタ。