JPH09216103A - ロータリーバイト - Google Patents

ロータリーバイト

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JPH09216103A
JPH09216103A JP2443696A JP2443696A JPH09216103A JP H09216103 A JPH09216103 A JP H09216103A JP 2443696 A JP2443696 A JP 2443696A JP 2443696 A JP2443696 A JP 2443696A JP H09216103 A JPH09216103 A JP H09216103A
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良彦 木村
Tomoyoshi Sakamoto
知良 坂本
Sadaaki Watanabe
定明 渡辺
Kiyoshi Hasegawa
清 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特にチップ29に高い外径寸法精度を要さず
とも、高い加工精度を得ることが可能なロータリーバイ
トを提供する。 【解決手段】 バイト本体21の先端に、シート26を
その中心軸線O回りに回動自在に設けるとともに、この
シート26の上部には、底板部27Aと周壁部27Bと
を備えて円板状のチップ29が嵌挿されるチップ取付座
28が形成されたチップ取付部材27を装着する。シー
ト26の上面26Cと底板部27Aの下面27Dとの間
に外周側に向かうに従い漸次小さくなる隙間S1を、ま
たチップ取付座28の底面28Aとチップ29の着座面
29Cとの間に外周側に向かうに従い漸次大きくなる隙
間S2をそれぞれ形成し、チップ29をクランプネジ3
5によって押圧することにより、チップ取付部材27を
弾性変形せしめてチップ29を位置決めする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バイト本体の先端
に円板状のスローアウェイチップ(以下、チップと称す
る。)が回動自在に装着されたロータリーバイトに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】この種のロータリーバイトとして、本発
明の発明者等は、特開平7−112305号公報におい
て図3および図4に示すようなロータリーバイトを提案
している。このロータリーバイトは被削材の外径切削に
用いられるものであって、図3に示すように四角形軸状
のバイト本体1の先端に、円板状のチップ2がその中心
軸線O回りに回動自在に取り付けられた構成とされてお
り、このチップ2の上向きに配置される一方の円形面3
とチップ2の周面4との交差稜線部には切刃5が形成さ
れている。なお、このチップ2には、その両円形面3,
3と周面4との交差稜線部に切刃5,5が形成されてい
て、一つのチップ2で2回の切刃5の使用が可能とされ
ている。
【0003】ここで、チップ2には図4に示すように上
記両円形面3,3の中央に中心軸6,6が形成される一
方、このチップ2を挟み込んで保持するバイト本体1先
端のクランプ駒7およびシート8には、上記中心軸6,
6が挿入される軸穴9,9が形成されていて、これによ
りチップ2はその軸線O回りに回動自在とされる。ま
た、このクランプ駒7は、バイト本体1先端への取付部
のクランプネジ10の周りに緩挿されたブレーキワッシ
ャ11、ウェーブワッシャ12、およびコイルスプリン
グ13等により、チップ2をシート8側に押圧する押圧
力が所定の押圧力となるように調整可能とされており、
これによってチップ2の従動回転速度も適宜に調整可能
とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来のロータリーバイトでは、上述のようにチップ2が
その両円形面3,3に形成された中心軸6,6をクラン
プ駒7およびシート8の軸穴9,9に挿入させてバイト
本体1に取り付けられており、このため切刃5の回転軌
跡をチップ2の中心軸線Oに対して正確な円として高い
加工精度の切削を行うには、切刃5の真円度は勿論、こ
の切刃5と両中心軸6,6との同心度や、中心軸6,6
とこれらが挿入される軸穴9,9との同心度、さらには
中心軸6,6同士や軸穴9,9同士の同心度をも高い精
度で合わせなければならない。しかるに、このように精
度を要求される要素が多くなると、各要素に含まれる誤
差が累積されて上述のような高い加工精度を得ることが
困難となり、逆にかかる高い精度を得ようとすると、各
部材をきわめて高精度で加工成形しなければならないと
ともに、その組み付けにも相当の熟練を要する結果とな
る。
【0005】特に、上記ロータリーバイトでは、チップ
2がその中心軸6,6を軸穴9,9に挿入させて位置決
めされるため、この中心軸6,6に対する切刃5の外径
寸法精度、すなわち周面4の寸法精度が不十分である
と、チップ2が中心軸線Oに対して偏心して回転するこ
ととなり、被削材Wの加工面の面粗さの著しい悪化を招
いてしまう。このため、チップ2に関しては特に高い精
度で製造する必要があるが、このような要求に応じるた
めに、例えばこのチップ2の外径寸法公差のレンジを2
4μmから10μmに設定して外径寸法精度の向上を図
ろうとした場合には、その製造コストが約30%も高騰
してしまい、甚だ不経済な結果となってしまう。
【0006】本発明は、このような背景の下になされた
ものであって、特にチップに高い外径寸法精度を要さず
とも、その切刃が回転の中心軸線に対して正確に配置さ
れるようにチップを位置決めすることができ、高い加工
精度を得ることが可能なロータリーバイトを提供する目
的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決してこの
ような目的を達成するために、本発明は、バイト本体の
先端に、円柱状の軸部を有するシートを該軸部の中心軸
線回りに回動自在に設けるとともに、このシートの上部
には、底板部と周壁部とを備えて円板状のチップが嵌挿
されるチップ取付座が形成されたチップ取付部材を、上
記チップ取付座を上向きとして着脱自在に装着し、上記
チップ取付座に嵌挿されたチップをクランプ手段によっ
て押圧することにより、上記チップ取付部材を弾性変形
せしめて上記周壁部によりチップを締め付け、該チップ
を位置決めするようにしたことを特徴とするものであ
る。従って、このような構成のロータリーバイトによれ
ば、チップ取付座を構成するチップ取付部材の周壁部の
内周面が、回転の中心軸線に対して正確に形成されてい
れば、チップの中心に対する切刃の外径寸法精度が多少
粗くても、チップ取付部材の周壁部が弾性変形する際
に、チップの中心が回転の中心軸線に一致するようにチ
ップが締め付けられて位置決めされるので、切刃を中心
軸線回りに正確に回転させることができる。
【0008】ここで、上述のようにチップをクランプ手
段によってチップ取付座の底面に押圧した際に周壁部が
チップを締め付けるように構成するには、上記シートの
上部と、このシートの上部に対向するチップ取付部材の
底板部の下面との間に、チップの非クランプ状態におい
て外周側から上記中心軸線側に向かうに従い間隔が大き
くなる隙間を形成したり、または、上記チップ取付座の
底面と、この底面に対向するチップの着座面との間に、
非クランプ状態において上記中心軸線側から外周側に向
かうに従い間隔が大きくなる隙間を形成したり、あるい
はこれら両方の構成を採用したりして、チップをクラン
プ手段によってチップ取付座の底面に押圧することによ
り、この隙間が小さくなるようにチップ取付部材を弾性
変形させればよい。こうしてチップ取付部材が変形する
ことにより、チップ取付部材の底部とチップ取付座底面
との間の底板部は、非クランプ状態からその外周側が内
周側に対して相対的に押圧方向とは反対側に変位するこ
ととなり、これに伴いチップ取付座の周壁部が絞り込ま
れるように縮径してチップの外周面を締め付け、位置決
めがなされる。
【0009】また、シートやチップ取付部材の脱落等を
防ぐには、上記シートを、工具本体に設けられたシート
取付穴に上記軸部を嵌挿させて取り付けた上で、この軸
部の下端に、シート取付穴における軸部の中心軸線方向
の移動を拘束するシート拘束部材を設けたり、上記シー
トに、チップ取付部材に係合して該チップ取付部材のシ
ートからの脱落を防止する脱落防止部材を設けたりする
のが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】図1および図2は本発明の一の実
施形態を示すものであって、図1はチップが装着されて
いない非クランプ状態を、また図2はチップが装着され
たクランプ状態を示すものである。本実施形態におい
て、バイト本体21の先端部22には、その上面から下
面に向けて斜めに貫通するように取付穴23が形成され
るとともに、この取付穴23には略円筒状の軸受け部材
24が嵌挿されていて、この軸受け部材24の内周がシ
ート取付穴25とされている。そして、このシート取付
穴25に、上端部26Aが一段拡径した略円柱状のシー
ト26が、その円柱状の軸部26Bを嵌挿させて該軸部
26Bの中心軸線O回りに回動自在に取り付けられてお
り、このシート26の上端部26Aには、略有底円環状
を呈するチップ取付部材27が、その環状部を上向きに
して着脱自在に装着されていて、この環状部をチップ取
付座28として略円板状のチップ29がさらに着脱自在
に装着される。
【0011】ここで、上記軸受け部材24の上端部24
Aは、上記取付穴23に嵌挿される円筒状の胴部24B
よりも一段拡径するフランジ状に形成されており、シー
ト26はその上端部26Aの下面をこの軸受け部材24
の上端部24Aの上面に摺動可能に密着させて装着され
ている。また、この軸受け部材24の胴部24Bには円
錐状に凹む凹部24Cが形成される一方、バイト本体2
1の先端側からは、円錐状の頭部30Aを有する取付ネ
ジ30がねじ込まれて、上記頭部30Aが凹部24Cの
下側に当接しており、これによって軸受け部材24が取
付穴23内に引き込まれるとともに回り止めされるよう
になされている。
【0012】さらに、上記シート取付穴25に嵌挿され
たシート26の軸部26Bの下端には、シート取付穴2
5よりも径の大きな円板状のシート拘束部材31が、シ
ート26をシート取付穴25に嵌挿した後に取付ボルト
32,32により螺着されて取り付けられており、これ
によってシート26は、その中心軸線O回りの回動は許
容されながらも、該軸線O方向への移動は拘束されるこ
ととなる。一方、シート26の上端部26Aは、本実施
形態ではその上面26Cが軸線Oに直交する方向に形成
されているとともに、この上面26Cの中央部には、軸
線Oを中心とした円形の嵌合穴26Dが上面26Cから
一段凹むように形成され、さらにこの嵌合穴26Dの底
面中央部には、ネジ穴26Eが軸線Oに沿って形成され
ている。
【0013】このシート26の上端部26Aに取り付け
られる上記チップ取付部材27は、本実施形態では例え
ばバネ鋼などの比較的弾性変形しやすい材質より形成さ
れており、軸線Cを中心とした略円板状の底板部27A
と、その周縁部を軸線Cを中心に円環状に周回するよう
に形成された周壁部27Bとから形成されて、上述のよ
うな有底円環状を呈している。また、この底板部27A
の中央部には、軸線Cに沿って円形の挿通穴27Cが貫
通しており、さらに底板部27Aの下面27Dには上記
挿通孔27Cの周縁に、軸線Cを中心とした円環状の嵌
合部27Eが下方に突出するように形成されていて、こ
の嵌合部27Eの外径は、シート26の上記嵌合穴26
Dに嵌合可能な大きさに設定されている。
【0014】そして、この底板部27Aの下面27D
は、上記嵌合部27Eから外周側の部分が、外周側に向
かうに従い極僅かな角度で下方に向かって傾斜する上記
軸線Cを中心とした円錐面状に形成されており、これに
より図1に示すように、上記嵌合部27Eを嵌合穴26
Dに嵌合させてチップ取付部材27をシート26の上端
部26Aに装着した際に、シート取付部材27の下面2
7Dとシート26の上面26Cとの間には、その外周側
から中心軸線O,C側に向かうに従い漸次間隔が大きく
なる隙間S1が形成されることとなる。一方、上記チッ
プ取付座28は、このように構成されたチップ取付部材
27の底板部27Aの上面を底面28Aとし、また周壁
部27Bの内周面を壁面28Bとして、円板状の凹部を
画成するように形成されている。そして、さらに本実施
形態では、このチップ取付座28の底面28Aも、上記
下面27Dと同様に外周側に向かうに従い下方に向かっ
て傾斜する上記軸線Cを中心とした円錐面状に形成され
ており、その傾斜角度は上記下面27Dの傾斜角度と等
しく設定されている。従って、この底板部27Aは厳密
には円板状ではなく、軸線Cを中心とした円錐板状に形
成されていることとなる。
【0015】なお、上記チップ取付座28の壁面28B
は上記軸線Cを中心とした円筒面状に形成されており、
また周壁部27Bの外周面は上方に向かうに従い縮径す
るテーパ面状に形成されている。さらに、チップ取付部
材27の底板部27Aには、チップ取付部材27の脱落
防止部材として、上記底面27A側から皿ネジ33が挿
通されてシート26の上端部26Aに螺着されている。
ここで、この皿ネジ33が挿通されるチップ取付部材2
7の挿通穴27Fは、その底面28A側が皿ネジ33の
頭部に係合するテーパ面状に形成され、かつこの頭部の
厚さよりも深く形成される一方、下面27D側は皿ネジ
33の軸部よりも大径に形成されており、後述するチッ
プ取付部材27の弾性変形に干渉を生じないように、ま
た弾性変形した状態で皿ネジ33の頭部がチップ取付座
28の底面28Aから突出しないようになされている。
【0016】上記チップ取付座28に装着されるチップ
29は、本実施形態では超硬合金等の硬質材料から形成
されて略円板状をなし、その円形をなす上面がすくい面
29Aとされるとともに周面が逃げ面29Bとされ、こ
れらすくい面29Aと逃げ面29Bとの交差稜線部に、
円形をなす切刃34が形成されている。ここで、この逃
げ面29Bとされる周面の外径は、当該チップ29がチ
ップ取付座28に嵌挿可能なように、上記壁面28Bの
内径よりも極僅かに小さく設定されている。さらに、こ
のチップ29の上記すくい面29とは反対側の下面はチ
ップ取付座28の底面28Aに着座する着座面29Cと
されており、この着座面29Cは、チップ29がなす円
板の中心軸Xに直交する方向に形成されている。従っ
て、上記底面28Aが上述のような円錐面状に形成され
ることにより、該チップ29を、その軸線Xをチップ取
付部材27の中心軸線Cに一致させてチップ取付座28
に着座せしめたとき、非クランプ状態においてこの着座
面29Cと底面28Aとの間には、図1に示すようにチ
ップ取付部材28の中心軸線C、すなわちシート26の
中心軸線Oに対して、これら中心軸線X,C,O側から
外周側に向かうに従い漸次間隔が大きくなる隙間S2
形成されることとなる。
【0017】なお、このチップ29の中心部には、本実
施形態におけるクランプ手段としてのクランプネジ35
が挿通される挿通孔29Dが、上記軸線Xに沿って貫設
されている。ここで、このクランプネジ35は、上記チ
ップ取付部材27の脱落防止部材と同様に皿頭を有する
ものであり、これに対応して上記挿通孔29Dのすくい
面29A側の部分は着座面29C側に向かうに従い縮径
するテーパ面状に形成されている。一方、この挿通孔2
9Dの着座面29C側の部分は、逆に着座面29C側に
向かうに従い漸次拡径するように形成されていて、クラ
ンプネジ35との間に若干の隙間が形成されており、ク
ランプ時におけるチップ29の径方向への微動が許容さ
れるようになされている。また、チップ29のすくい面
29Aの外周側には、内周側に向かうに従い着座面29
C側に傾斜した後上方に切り上がるチップブレーカ29
Eが、切刃34に沿って周回するように形成されてお
り、切刃34の切れ味の向上が図られている。さらに、
逃げ面29Bの上縁部には、上方に向かうに従い内周側
に傾斜する傾斜面29Fが、やはり切刃34に沿って周
回するように形成されており、切刃34の強度の維持が
図られている。従って、切刃34は、厳密にはこれらチ
ップブレーカ29Eと傾斜面29Fとの交差稜線部に形
成されることとなる。
【0018】しかるに、このようにして構成されるロー
タリーバイトにおいては、チップ取付部材27のチップ
取付座28にチップ29を嵌挿させただけの非クランプ
状態では、上述のようにシート26の上面26Cとチッ
プ取付部材27の下面27Dとの間には上記隙間S
1が、またチップ29の着座面29Cとチップ取付座2
8の底面28Aとの間には上記隙間S2が、それぞれ形
成された状態となる。そして、この非クランプ状態から
クランプネジ35を挿通孔29D,挿通穴に挿通してシ
ート26のネジ穴26Eにねじ込むことにより、チップ
29およびチップ取付部材27はクランプネジ35の頭
部によって押圧され、これに伴いチップ取付部材27
は、その底板部27Aがシート26の上面26C側に沈
み込むように、すなわち上記隙間S1,S2が小さくなる
ように、弾性変形することとなる。すると、この弾性変
形により、チップ取付部材27の周壁部27Bは、図2
に矢線Tで示すようにその上縁部が内周側に絞り込まれ
るようにして均等に縮径し、これによってチップ取付座
28の壁面28Bも縮径してチップ29の周面を中心軸
線Cに向けて押圧するので、その結果チップ29は、そ
の軸線Xがチップ取付部材28の軸線Cに一致するよう
に位置決めされるのである。
【0019】従って、上記構成のロータリーバイトによ
れば、チップ29の外径寸法精度が比較的粗くて、設計
時に設定されたチップ29の中心軸線と、製造されたチ
ップ29の逃げ面29Bとされる周面の真の中心軸線
X、すなわち切刃34の中心軸との間に微妙な誤差があ
ったとしても、チップ29はその装着時に真の中心軸線
Xが、チップ取付部材27の中心軸線C、すなわち回転
するシート27の中心軸線Oに一致するように位置決め
されて取り付けられることとなるので、外径寸法公差の
低いチップ29を用いても、その切刃34の回転軌跡が
シート27の中心軸線Oから偏心するのを抑えることが
でき、被削材の加工面粗さの悪化を防止することができ
る。言い換えると、上記ロータリーバイトによれば、比
較的低廉なチップ29を用いても高精度の加工を行うこ
とが可能となるので、加工精度を維持しつつも、使い捨
てとなるチップ29の製造コストを抑えて、経済的なロ
ータリーバイトを提供することが可能となる。
【0020】また、本実施形態ではシート26の上面2
6Cに軸線Cを中心とした嵌合穴26Dが形成されると
ともに、チップ取付部材27にはこの嵌合穴26Dに嵌
合可能な嵌合部27Eが軸線Cを中心に形成されてお
り、これらが嵌合した状態でチップ取付部材27が弾性
変形することにより、チップ取付部材27の底板部27
Aは、嵌合部27Eが嵌合穴26Dに案内されるように
して、軸線Oに沿って真っ直ぐに沈み込んで行くことと
なる。そして、これによりチップ取付部材27の周壁部
27Bも、軸線Oに一致した軸線Cを中心として径方向
に均一に縮径してチップ29を締め付けることになるの
で、本実施形態によれば、より正確に切刃34の中心を
軸線C,Oに一致させることができ、加工精度のさらな
る向上を図ることが可能となる。なお、本実施形態とは
逆にチップ取付部材側に嵌合穴を形成するとともに、シ
ート側に嵌合部を形成するようにしてもよく、またこの
ような穴による案内に限らず、他の手段によってチップ
取付部材を軸線Oに沿って弾性変形させるようにしても
よい。
【0021】さらに本実施形態では、シート26の下端
に、その軸線O方向の移動を拘束するシート拘束部材3
1が取り付けられており、これによってシート26がシ
ート取付穴25から抜け落ちて脱落したり、加工中にシ
ート26が軸線O方向に振れて加工精度を劣化させたり
するような事態を未然に防ぐことができる。また、これ
に加えて、チップ取付部材27にはシート26に螺着さ
れた皿ネジ33が脱落防止部材として係合しており、こ
れによってチップ取付部材27のシート26からの脱落
等も防止することができるので、非クランプ時における
取り扱いを一層容易とすることができる。しかも、この
皿ネジ33は、チップ取付部材27の弾性変形には干渉
することがないので、上述した効果には何等支障を来す
ことはない。
【0022】さらにまた、本実施形態では、チップ取付
部材27の下面27Dと上面となるチップ取付座28の
底面28Aとが、ともに外周側に向かうに従い下方に向
かって傾斜する円錐面状に形成されて上記隙間S1,S2
を画成するようになされており、これによってチップ取
付部材28を確実に弾性変形せしめてチップ29を位置
決めできるという効果を奏している。また、特に上記底
面28Aが上述のような円錐面状に形成されることによ
り、チップ29を取り外す際には、この底面28Aがチ
ップ29を上方に押し出すような状態となるので、上記
弾性変形によってチップ29が周壁部27Bに強固に締
め付けられているような場合でも、容易にチップ29を
取り出すことができるという利点も得られる。
【0023】ただし、チップ29やチップ取付部材27
の寸法、形状やチップ取付部材29の弾性変形性などに
よっては、チップ取付部材27の下面27D側およびチ
ップ取付座28の底面28A側の一方のみに上記隙間S
1またはS2が形成されるようにすることも可能である。
また、これら下面27Dや底面28Aの形状について
も、本実施形態のような円錐面状に形成する他に、例え
ば軸線C上に中心を有する球面状に形成するなど、他の
曲面形状や、場合によっては角錐面状に形成してもよ
い。さらに、本実施形態では、それぞれ軸線O,Xに直
交するシート26の上面26Cおよびチップ29の着座
面29Cに対し、チップ取付部材27の下面27Dおよ
び上記底面28Aを上側に凸となる円錐面状に形成する
ことにより、上述のように外周側に向かうに従い漸次小
さくなる隙間S1および大きくなる隙間S2を画成してい
るが、例えば上記上面26Cや底面28Aをも円錐面状
に形成したり、また場合によってはこれらの面26C,
27D,28A,29Cの一部あるいは全部を、下側に
凸となるように形成することにより、上述のような隙間
1,S2を形成するようにすることも可能である。さら
にまた、上記チップ取付部材27の弾性変形を容易にす
るなどのために、その底板部27Aや周壁部27Bに径
方向にスリットを形成したりしてもよい。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のロータリ
ーバイトによれば、チップをクランプ手段によって押圧
して固定することにより、チップ取付部材が弾性変形し
てチップの軸線がシートの軸線に一致するようにチップ
が位置決めされるので、部品の組み付けに高い熟練度を
要したりすることなく、またチップ自体に厳密な精度を
必要とすることなく、切刃をシートの軸線回りに偏心さ
せずにチップを回転させることができる。従って、これ
により、当該バイトによる加工精度を維持しつつも、使
い捨てとなるチップの製造コストを抑えてバイトとして
の低廉化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロータリーバイトの一実施形態を示
す、非クランプ状態の断面図である。
【図2】図1に示すロータリーバイトのチップクランプ
状態の断面図である。
【図3】従来のロータリーバイトを示す側面図である。
【図4】図3に示すロータリーバイトの断面図である。
【符号の説明】
21 バイト本体 24 軸受け部材 25 シート取付穴 26 シート 26D 嵌合穴 27 チップ取付部材 27A チップ取付部材27の底板部 27B チップ取付部材の周壁部 27E 嵌合部 28 チップ取付座 28A チップ取付座28の底面 28B チップ取付座28の壁面 29 スローアウェイチップ 31 シート拘束部材 33 皿ネジ(脱落防止部材) 34 切刃 35 クランプネジ(クランプ手段) O シート26の中心軸線 C チップ取付部材27の中心軸線 X チップ29の中心軸線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 定明 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 長谷川 清 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バイト本体の先端に円板状のスローアウ
    ェイチップがクランプ手段によって着脱自在に装着され
    てなるロータリーバイトにおいて、上記バイト本体の先
    端には、円柱状の軸部を有するシートが該軸部の中心軸
    線回りに回動自在に設けられるとともに、このシートの
    上部には、底板部と周壁部とを備えて上記スローアウェ
    イチップが嵌挿されるチップ取付座が形成されたチップ
    取付部材が、上記チップ取付座を上向きとして着脱自在
    に装着されており、上記チップ取付座に嵌挿された上記
    スローアウェイチップを上記クランプ手段によって押圧
    することにより、上記チップ取付部材が弾性変形して上
    記周壁部が上記スローアウェイチップを締め付け、該ス
    ローアウェイチップが位置決めされることを特徴とする
    ロータリーバイト。
  2. 【請求項2】 上記シートの上部と、このシート上部に
    対向する上記チップ取付部材の底板部の下面との間に
    は、上記スローアウェイチップの非クランプ状態におい
    て外周側から上記中心軸線側に向かうに従い間隔が大き
    くなる隙間が形成されており、上記スローアウェイチッ
    プを上記クランプ手段によって押圧することにより、こ
    の隙間が小さくなるように上記チップ取付部材が弾性変
    形されることを特徴とする請求項1に記載のロータリー
    バイト。
  3. 【請求項3】 上記チップ取付座の底面と、この底面に
    対向する上記スローアウェイチップの着座面との間に
    は、上記スローアウェイチップの非クランプ状態におい
    て上記中心軸線側から外周側に向かうに従い間隔が大き
    くなる隙間が形成されており、上記スローアウェイチッ
    プを上記クランプ手段によって押圧することにより、こ
    の隙間が小さくなるように上記チップ取付部材が弾性変
    形されることを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載のロータリーバイト。
  4. 【請求項4】 上記シートは、上記工具本体に設けられ
    たシート取付穴に上記軸部を嵌挿させて取り付けられる
    とともに、この軸部の下端には、上記シート取付穴にお
    ける上記軸部の上記中心軸方向の移動を拘束するシート
    拘束部材が設けられていることを特徴とする請求項1な
    いし請求項3のいずれかに記載のロータリーバイト。
  5. 【請求項5】 上記シートには、上記チップ取付部材に
    係合して、該チップ取付部材の上記シートからの脱落を
    防止する脱落防止部材が設けられていることを特徴とす
    る請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のロータリ
    ーバイト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN117322169A (zh) * 2023-11-30 2024-01-02 忻州市农业产业发展中心 一种用于农业耕地的翻土机械

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