JP2602434Y2 - ロータリーバイト - Google Patents

ロータリーバイト

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JP2602434Y2
JP2602434Y2 JP1993055920U JP5592093U JP2602434Y2 JP 2602434 Y2 JP2602434 Y2 JP 2602434Y2 JP 1993055920 U JP1993055920 U JP 1993055920U JP 5592093 U JP5592093 U JP 5592093U JP 2602434 Y2 JP2602434 Y2 JP 2602434Y2
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JP1993055920U
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政美 吉井
知良 坂本
浩之 高橋
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Nissan Motor Co Ltd
Mitsubishi Materials Corp
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Nissan Motor Co Ltd
Mitsubishi Materials Corp
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  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、平面視円形で対向する
二つの面が互いに平行な円板状スローアウェイチップ
が、取り付けられたロータリーバイトに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ターニング、ボーリングシステム
において、被加工物の内外径加工に使用する切削工具が
ある。この種の工具の一例として、例えば図7及び図8
に示すような、円板状スローアウェイチップを取り付け
た切削工具がある。この切削工具は、工具本体1の先端
面に例えば平面視略矩形状の凹部からなるチップ座2が
形成されており、チップ座底面3上に円板状スローアウ
ェイチップ4が着座し、このスローアウェイチップ4は
さらねじ5によってチップ座2に固定されている。円板
状スローアウェイチップ4は、平面視円形で、着座面を
一方の面とする対向する二面が互いに平行であり、着座
面と対向する上面6の円形稜線が切刃7をなし、その中
央部にはさらねじ5の頭部が途中まで嵌入するテーパ状
の取付孔8が形成されている。しかも、このスローアウ
ェイチップ4は、周側面9が上面6から着座面方向に向
けて径が小さくなるテーパ状に形成されていて、工具本
体1のチップ座側壁10,10の角部に当接させられて
位置決めされている。
【0003】そして、被削材の切削に際しては、このよ
うに固定保持された円板状スローアウェイチップ4の切
刃7によって切削が行われ、チップが摩耗したり、切刃
が欠損したりすると、さらねじ5を緩めて、チップ4の
取付角度位置を変更して切削を行なうようにしていた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】ところで、切削加工の
生産性向上には、高速切削による実切削加工時間の短縮
が有効である。しかし、鋼等の旋削加工では、一般に高
速切削を行うと工具の切刃寿命が極端に短くなるという
欠点がある。上述のような円板状スローアウェイチップ
においても同様にチップの摩耗が大きく、チップの寿命
が短いという問題がある。
【0005】本考案は、このような課題に鑑みて、高速
切削してもスローアウェイチップの摩耗量を減少させ
て、チップ寿命を大幅に改善できるようにしたロータリ
ーバイトを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案によるロータリー
バイトは、対向する二つの面が平面視円形をなす円板状
スローアウェイチップが、取り付けられたロータリーバ
イトにおいて、円板状スローアウェイチップは、面に設
けられた中心軸が工具本体に保持されたシート部の軸孔
に回転自在に嵌合され、シート部は工具本体に対して回
転可能であると共にその周方向に複数の係合部(凹部2
6)が配列されていて、これら係合部のいずれかが工具
本体に装着された係止部材(係止ネジ27)に係止され
ることで工具本体に固定されていることを特徴とする。
【0007】
【0008】
【0009】又、円板状スローアウェイチップは、その
着座面と対向する面が、クランプ部材によって弾性的に
押圧されていることを特徴とする。
【0010】又、クランプ部材には、円板状スローアウ
ェイチップの着座面と対向する面に設けられた中心軸が
回転自在に嵌合する軸孔が設けられていることを特徴と
する。
【0011】
【作用】旋削加工時に、切削抵抗によって円板状スロー
アウェイチップがその中心軸を中心にして従動回転する
ことで、走行する切屑とチップのすくい面との摩擦抵抗
が低減するため、チップの摩耗は小さい。また円板状ス
ローアウェイチップの従動回転によって、中心軸と嵌合
する軸孔が部分的に摩耗する場合には、シート部を或る
角度回転させて中心軸との当接位置を移動させること
で、精度の高い従動回転及び切削を維持できる。
【0012】
【0013】クランプ部材で弾性的に押圧されること
で、円板状スローアウェイチップの回転は抑えられ、必
要以上に回転しないから、中心軸等を接触支持する部分
の摩耗が抑制される。
【0014】
【実施例】以下、本考案の第一実施例を図1乃至図6に
より説明する。図1乃至図4に示すロータリーバイトに
おいて、工具本体13の先端に形成された突起部14の
先端面14aを切り欠いて、切り欠け部15が形成され
ている。この切り欠け部15の一角を更に平面視略扇型
に切り欠いてチップ座16が形成されている。このチッ
プ座16には、後述するように円板状スローアウェイチ
ップ17が載置される。この円板状スローアウェイチッ
プ17は、互いに平行な上面18及び下面19と周側面
20を有する円柱形状を呈している。又、上下面18,
19の一方又は両方の稜線は切刃21を構成する。上下
面18,19の中心にはそれぞれ中心軸22a,22b
が突出して形成されている。
【0015】工具本体13のチップ座16の底面には、
突起部14を貫通する貫通孔24が穿設され、この貫通
孔24には円板状スローアウェイチップ17とほぼ同一
径の鍔部25aを有する略円柱状のシート部25が嵌挿
され、鍔部25aがチップ座16の底面上に着座してい
る。シート部25の鍔部25a表面中央には軸孔25b
が形成され、この軸孔25bに中心軸22aが回転自在
に嵌合して、円板状スローアウェイチップ17が鍔部2
5a上に着座している。シート部25の長手方向中央付
近の円周には、複数の凹部26が周方向に分散して設け
られ、突起部14から貫通孔24に貫通するネジ穴に螺
合する係止ネジ27が、1の凹部26に嵌合すること
で、シート部25は工具本体13の突起部14に固定さ
れる。
【0016】又、突起部先端面14aの切り欠け部15
にはクランプブレーカ29が嵌合し、クランプネジ30
によって固定されている。クランプブレーカ29の一部
は円板状スローアウェイチップ17の上面18の領域に
延びて、その下面にスローアウェイチップ17の中心軸
22bが回転自在に嵌合する軸孔29aを有する押圧部
29bを形成し、この押圧部29bによって円板状スロ
ーアウェイチップ17が押圧されている。又、クランプ
ブレーカ29とクランプネジ30の頭部30aとの間に
は、断面コの字型の円筒状ブレーキカラー31が設けら
れている。クランプブレーカ29のクランプネジ30の
周囲領域には、孔部32が形成されており、この孔部3
2内には、ネジ25が貫通する断面L字型の環状カラー
33が配設され、その上端がブレーキカラー31の下面
に当接している。そして、環状カラー33の外周には、
クランプブレーカ29上面にブレーキワッシャ34が嵌
合載置され、このブレーキワッシャ34とブレーキカラ
ー31との間には、ウエーブワッシャ35が圧縮状態で
介装されている。
【0017】そして、突起部14の切り欠け部15のク
ランプネジ30の周囲には円筒型の段付凹部36が形成
され、幅広部には環状カラー33の鍔部が位置し、幅狭
部には環状カラー33の鍔部を弾圧するコイルスプリン
グ37がクランプネジ30の外周に配設されて、環状カ
ラー33即ちクランプブレーカ29を円板状スローアウ
ェイチップ17から離れる方向に付勢している。そのた
め、クランプブレーカ29の押圧部29bによる円板状
スローアウェイチップ17の押圧力は、ウエーブワッシ
ャ35とコイルスプリング37の各付勢力の差に基づい
て設定されている。この押圧力を調節するには、厚みの
異なるブレーキワッシャ34に交換すればよい。
【0018】そして、この工具本体13に取り付けられ
た円板状スローアウェイチップ17は、被削材を切削加
工する位置で、バックレーキ角が−6゜に設定され(図
1参照)、横すくい角が−36゜に設定されている(図
3参照)。本実施例の場合、スローアウェイチップ17
が円柱形状であるために、そのバックレーキ角は必然的
にネガティブになる。又、円板状スローアウェイチップ
17を切削中に切削抵抗によって従動回転させるには、
横すくい角をネガティブに設定する必要がある。そし
て、バックレーキ角が−6゜の場合、円板状スローアウ
ェイチップ17を固定した切削工具を用いて、チップ1
7の摩耗及び切削抵抗が最も小さくなる横すくい角を試
験により求めると、−36゜であることがわかった。こ
の横すくい角−36゜で、切削抵抗が最も低くて、主分
力や送り分力等の各分力のバランスが最も安定している
と考えられる。尚、この好適な横すくい角は、バックレ
ーキ角の値が変化すると、変動することになる。又、円
板状スローアウェイチップ17の中心軸は、上下面1
8,19の両面でなく、一方の面にのみ設けられていて
もよい。
【0019】本実施例は上述のように構成されているか
ら、例えば図4に示すような鋼の被削材Wを本実施例に
よるロータリーバイトを用いて、高速で旋削する。する
と、横すくい角がネガティブに設定されていることで、
被削材Wの切削抵抗によって円板状スローアウェイチッ
プ17が従動回転することになる。そのため、切削によ
って生成されて走行する切屑とチップ17のすくい面と
の摩擦抵抗が低減される。この時、円板状スローアウェ
イチップ17は、シート部25及びクランプブレーカ2
9の各軸孔25b,29aに嵌合する中心軸22a,2
2bを中心に従動回転することになる。この場合、円板
状スローアウェイチップ17の中心軸22a,22bと
周側面20との同軸度が高いことで、高精度な回転及び
切削を行うことになる。そのため、被加工物の仕上げ面
粗さは円板状スローアウェイチップを固定した切削工具
と同等のものになる。
【0020】又、円板状スローアウェイチップ17はク
ランプブレーカ29の押圧部29bによって弾性的に押
圧されているから、切削抵抗による円板状スローアウェ
イチップ17の従動回転は、必要以上に速くならないよ
う抑制されることになる。尚、円板状スローアウェイチ
ップ17の従動回転速度は、押圧部29bの押圧力によ
って適宜調整することができる。この場合、押圧部29
bによる円板状スローアウェイチップ17の押圧力の調
整は、適宜の厚みのブレーキワッシャ34に取り替える
ことで行われる。これにより、クランプネジ30を締め
付けた時のウエーブワッシャ35の弾性力を増減でき
る。
【0021】又、円板状スローアウェイチップ17の切
削時に、チップ17が切削抵抗で押圧されて、中心軸2
2aに接するシート部25の軸孔25bの一部壁面等が
摩耗することになり、チップ17の同軸度の高い精密な
回転に支障を来すことが生じる。このような場合には、
係止ネジ27を緩めてシート部25を所定角度回転さ
せ、別の凹部26を係止ネジ27に対面させるようにし
て、ネジ止めし、シート部25を固定すれば、チップ回
転及び切削の精度が維持される。
【0022】尚、本実施例によるロータリーバイトと、
円板状スローアウェイチップ17を固定したバイトと、
三角チップを固定したバイトとで、鋼等の被削材を加工
した場合の、それぞれの逃げ面摩耗幅VBと、切削抵抗
Fとを比較試験すると、それぞれ図5,図6に示す結果
が得られた。図中、記号Aで示す線が本実施例によるも
の、Bで示すものが円板状スローアウェイチップ17を
固定したバイトによるもの、Cで示すものが三角チップ
を固定したバイトによるものを指す。図5に示すグラフ
では、本実施例によるロータリーバイトが他の二つのバ
イトと比較して逃げ面摩耗幅VBがきわめて小さいこと
がわかる。又、図6に示すグラフでは、本実施例による
ロータリーバイトは、円板状スローアウェイチップ17
が従動回転するために、同様のチップを固定したバイト
と比較して切削抵抗Fが若干小さくなっている。
【0023】上述のように、本実施例によるロータリー
バイトによれば、鋼等の旋削加工を高速で行う場合にお
いても、円板状スローアウェイチップ17が切削抵抗で
従動回転することで切屑とすくい面との摩擦力を小さく
して、チップ17の摩耗を減少させ、チップ17の寿命
を大幅に延長できる。しかも、被加工物の仕上げ面粗さ
は、同一のチップを固定した状態で切削した場合と同等
のものが得られる。又、円板状スローアウェイチップ1
7はクランプブレーカ29の押圧部29bによって弾性
的に押圧されているから、切削抵抗による円板状スロー
アウェイチップ17の回転は抑制され、必要以上に速く
回転しないように制御できる。そのため、円板状スロー
アウェイチップ17と、チップ17が回転時に摺動接触
する、チップ座16の側壁、シート部25の鍔部25
a、シート部25及びクランプブレーカ29の各軸孔2
5b、29a等の摩耗を防止できる。又、シート部25
の軸孔25bの摩耗に際しては、シート部25を所定角
度回転させて固定することで、円板状スローアウェイチ
ップ17の精度の良い従動回転及び切削を維持できる。
【0024】尚、上述の実施例では、バックレーキ角を
−6゜に、横すくい角を−36゜に設定したが、これに
限定されることなく適宜大きさのバックレーキ角及び横
すくい角を設定することができる。又、円板状スローア
ウェイチップ17は、必ずしも上述の実施例のように円
柱型に構成する必要はない。例えば、周側面がテーパ状
に形成されていてもよい。
【0025】
【考案の効果】上述のように、本考案に係るロータリー
バイトは、円板状スローアウェイチップは、面に設けら
れた中心軸が工具本体に保持されたシート部の軸孔に回
転自在に嵌合され、シート部は工具本体に対して回転可
能であると共にその周方向に複数の係合部が配列されて
いて、これら係合部のいずれかが工具本体に装着された
係止部材に係止されることで工具本体に固定されている
から、高速切削の際にも、切削抵抗で円板状スローアウ
ェイチップが従動回転することで、チップの摩耗を減少
させてチップ寿命を大幅に延長できる。しかも、被加工
物の仕上げ面粗さは、同一のチップを固定した状態で切
削した場合と同等のものが得られる。またスローアウェ
イチップの従動回転によって、シート部の軸孔が摩耗し
ても、シート部を所定角度回転させて他の係合部に係止
部材を係止固定することで、精度の高い従動回転及び切
削を維持できる。又、円板状スローアウェイチップは、
その着座面と対向する面に設けられた中心軸がクランプ
部材の孔に回転自在に嵌合されていると共に、クランプ
部材によって弾性的に押圧されているから、切削抵抗に
よるチップの従動回転を好適に制御でき、接触領域の摩
耗を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案によるロータリーバイトの第一実施例を
示す要部斜視図である。
【図2】図1のロータリーバイトの縦断面図である。
【図3】本考案の第一実施例によるロータリーバイトの
図1と異なる方向から見た要部斜視図である。
【図4】第一実施例によるロータリーバイトと被削材と
の関係を示す斜視図である。
【図5】各バイトによる逃げ面摩耗幅と切削時間との関
係を示す図である。
【図6】各バイトによる切削抵抗と切削時間との関係を
示す図である。
【図7】円板状スローアウェイチップを備えた従来の切
削工具の平面図である。
【図8】図7による切削工具の側面図である。
【符号の説明】
13 工具本体 14 突起部 16 チップ座 17 円板状スローアウェイチップ 22a,22b 中心軸 25 シート部 25b,29a 軸孔 29 クランプブレーカ 29b 押圧部 27 係止ネジ 30 クランプネジ 35 ウエーブワッシャ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 坂本 知良 茨城県結城郡石下町大字古間木1151番地 三菱マテリアル株式会社 筑波製作所 内 (72)考案者 高橋 浩之 茨城県結城郡石下町大字古間木1151番地 三菱マテリアル株式会社 筑波製作所 内 (56)参考文献 特開 平7−51905(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23B 27/00 B23B 27/12

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向する二つの面が平面視円形をなす円板
    状スローアウェイチップが取り付けられたロータリーバ
    イトにおいて、 前記円板状スローアウェイチップは、前記面に設けられ
    た中心軸が工具本体に保持されたシート部の軸孔に回転
    自在に嵌合され、 前記シート部は工具本体に対して回転可能であると共に
    その周方向に複数の係合部が配列されていて、該係合部
    のいずれかが工具本体に装着された係止部材に係止され
    ることで工具本体に固定されている ことを特徴とするロ
    ータリーバイト。
  2. 【請求項2】前記円板状スローアウェイチップは、その
    着座面と対向する面が、クランプ部材によって弾性的に
    押圧されていることを特徴とする請求項1に記載のロー
    タリーバイト。
  3. 【請求項3】前記クランプ部材には、円板状スローアウ
    ェイチップの着座面と対向する面に設けられた中心軸が
    回転自在に嵌合する軸孔が設けられていることを特徴と
    する請求項2に記載のロータリーバイト。
JP1993055920U 1993-10-15 1993-10-15 ロータリーバイト Expired - Lifetime JP2602434Y2 (ja)

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