JPS6042014Y2 - 溝加工装置 - Google Patents

溝加工装置

Info

Publication number
JPS6042014Y2
JPS6042014Y2 JP3564581U JP3564581U JPS6042014Y2 JP S6042014 Y2 JPS6042014 Y2 JP S6042014Y2 JP 3564581 U JP3564581 U JP 3564581U JP 3564581 U JP3564581 U JP 3564581U JP S6042014 Y2 JPS6042014 Y2 JP S6042014Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
eccentric
cutting edge
circular hole
tool
center
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP3564581U
Other languages
English (en)
Other versions
JPS57149913U (ja
Inventor
徳得 竹内
誠治 西正
Original Assignee
富士精工株式会社
株式会社豊田自動織機製作所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 富士精工株式会社, 株式会社豊田自動織機製作所 filed Critical 富士精工株式会社
Priority to JP3564581U priority Critical patent/JPS6042014Y2/ja
Publication of JPS57149913U publication Critical patent/JPS57149913U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPS6042014Y2 publication Critical patent/JPS6042014Y2/ja
Expired legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Milling Processes (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は回転切削工具により溝を加工する装置に関し、
特に回転切削工具の切削幅が微調整可能な溝加工装置に
関する。
鋼材等の溝加工は通常、フライス盤などの工作機械に取
り付けられた回転切削工具、例えばエンドミルなどの回
転切削により行われる。
従来、切削工具或いはワークを送り移動させて溝の両側
面を同時に加工する場合、工具の切刃が新しい間は切削
幅すなわち加工される溝巾は一定であるが、その切刃が
摩耗してくると実際の切削幅が狭くなって目標寸法との
間の誤差が大きくなるため、切削工具の取り換え回数を
多くするか或いは溝の加工を片側面ずつ行うことが必要
であった。
そのため工具の耐久寿命が短かくなったり、または溝加
工時間が延びる等の問題があった。
特に溝仕上加工においては、上記のような回転切削工具
の摩耗による加工誤差の発生の問題並びに種々の目標寸
法に応じた無数の工具を常備しておくことのコスト上の
問題などから、事実上溝の両側面を同時に仕上加工する
ことには無理があり、溝の片側面づつ仕上切削が行われ
るのが普通であった。
ところが両側面を別々に仕上加工すれば、その加工時間
が長くなると共に溝巾寸法を目標の寸法にすべく工作機
械を操作して工具の位置を溝の巾方向に移動させる必要
があり、またこの操作に伴って加工誤差が発生し易かっ
た。
機械操作に伴うこの加工誤差を極力抑えようとすれば高
精度の制御機能を有する機構を必要とし、溝加工のため
のコストはいきおい上昇せざるを得ない。
本考案は以上のような技術的事情を背景として、溝加工
を両側面同時にしかも寸法誤差を極力抑えつつ威し得る
とともに、その工具の切刃が摩耗して或いは再研削が施
されて切刃径(回転直径)が縮小しても、その減少を補
正して高精度の溝加工を持続できる溝加工装置を提供す
ることを目的として為されたものであり、その要旨とす
るところは、(1)第1の円形穴を備え、工作機械の主
軸の先端に、該第1の円形穴が該主軸と同心となるよう
に固定されるケーシングと、(2)前記第1の円形穴に
回転可能に嵌合され、中心から一定寸法偏心した位置に
第2の円形穴を有する偏心リングと、(3)該偏心リン
グの前記回転に対して所定の摩擦力を付与する摩擦力付
与機構と、(4)前記第2の円形穴に回転可能に嵌合さ
れ、中心から該第2の円形穴とほぼ同量だけ偏心した位
置に工具挿入孔を有する偏心スリーブと、(5)前記工
具挿入孔にシャンク部が挿入され、前記偏心スリーブに
固定されたエンドミル等の回転切削工具と、(6)前記
偏心スリーブの中心の、前記ケーシングの中心に対する
偏心移動を許容しつつ、該偏心スリーブの該ケーシング
に対する相対的な回転を実質的に阻止する回転阻止機構
とを含むところにある。
偏心リング、偏心スリーブの孔の偏心量はほぼ等しいた
め両者の相対的な基準位置を、偏心リングの偏心する方
向に対して偏心スリーブが逆の方向に偏心するように設
定すれば、両者の偏心量は打ち消し合って偏心スリーブ
の工具挿入孔はケーシングの中心と一致させることがで
きる。
そしてケーシングと偏心スリーブとの間に嵌合され摩擦
力付与機構により所定の摩擦力が付与されて通常は回転
が阻止されている偏心リングを、その摩擦力に抗して所
定の方向へ回転させると、ケーシング及び偏心スリーブ
は実質的に回転しないで偏心リングのみが回転する状態
となり、その結果、偏心リング回転前にはケーシングの
中心に一致していた偏心スリーブの工具挿入孔はケーシ
ングの中心から遠ざかるように移動を起こす。
ケーシングの中心は工作機械の主軸の中心に等しく、ま
た偏心スリーブの工具挿入孔の中心は回転切削工具の軸
心に一致するから、結局主軸の回転中心線と工具の軸心
とが偏心することとなり、ワークの溝加工がその偏心し
た工具の回転によって行なわれることとなる。
従って、回転切削工具の切削幅はその工具が自らの軸心
を中心に回転切削する場合と比較して拡大される。
つまり、目標とする溝巾寸法よりも切刃径の小さい工具
を用いて、溝の両側面を同時に加工していくことが可能
となり、この同時加工のために目標溝巾寸法と同一の切
刃径を有する工具を用いる必要がなくなる。
しかも切刃が摩耗して或いは再研削して、切刃径が縮小
した場合でも偏心リングを所定量回転させることで実際
の切刃回転軌跡を外に膨むように大きくすることができ
、切刃径の縮小を簡単に補正できる。
これによって従来は廃棄されまたは加工精度を必要とし
ない加工にのみ使用されていた工具を充分使用すること
が可能となり、工具の使用寿命を長くでき、工具にかか
るコストを低減させる。
特に溝仕上加工においては前述のように工具の摩耗によ
り大きな誤差が発生してしまうために、溝の両側面の同
時仕上は無理とされていたものが、本考案に係る溝加工
装置によって可能となり、仕上加工時間を短縮できる一
方、両側面を同時に加工するために溝巾の加工誤差を最
小限に抑えることができることとなった。
そして以上のような効果を得るために本装置は数値制御
等の高価な機構は何ら必要とせず、安価でしかもコンパ
クトに製作できる。
なお本考案にあっては、主軸の回転中心線と工具の軸心
とを一致させた状態でも、′所望の量だけ偏心させた状
態でもいずれも使用でき、溝加工の状況に応じて適宜に
選択し得るものである。
本考案の目的、構成及び効果を一層明確にするために、
以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図及び第2図において、2は装置本体であり、テー
パ状のシャンク部材4と、その端部フランジ6に4本の
六角穴付ボルト8により同心的に固定されたテーパ付円
筒部材(ケーシング)10とからなっている。
この円筒部材10は、偏心していない円形孔12を備え
るとともにこの円形孔12のシャンク部材4とは反対側
の端部が先端側はど直径の減少するテーパ孔部14とさ
れ、また円筒部材10の截頭円錐面状の先端面にはその
周縁に沿って目盛15が刻まれている。
一方、シャンク部材4は、図示しない工作機械の主軸の
先端形状に合致した形状をなすとともに円筒部材10の
円形穴12が主軸と同心となるようにその主軸の先端に
固定される。
円筒部材10の円形穴12には偏心リング16が回転可
能に嵌合されている。
偏心リング16の先端寄りの外周面には円筒部材10の
テーパ孔部14に対応するテーパ面18が形成されてお
り、このテーパ面18がテーパ孔部14に係合して円筒
部材10からの抜は出しが防止されている。
そのテーパ面18に続く偏心リング16の最も先端部に
は円筒部材10からやや外方に突出した六角部20が形
成されており、ここにスパナなどの工具を係合させて偏
心リング16を回転させるようになっている。
さらに偏心リング16は第3図に明瞭に示されるように
その中心から一定寸法即ちαだけ偏心した円形穴22を
有している。
その偏心量αは本実施例においては0.1mmに設定さ
れているが、製作の段階で溝加工されるワークの加工条
件に応じて種々設定できることは勿論である。
偏心リング16の偏心した円形穴22には偏心スリーブ
24が回転可能に嵌合されている。
偏心スリーブ24は第5図に明瞭に示されるようにその
中心から寸法αだけ偏心した円形の工具挿入孔26を有
しており、工具挿入孔26は前記偏心リング16の円形
穴22と同量偏心させられている。
偏心リング16と偏心スリーブ24との相対位置は、両
者の基準位置において、第2図に示すように偏心リング
16の円形穴22が偏心する方向とは丁度逆の方向に偏
心スリーブ24の工具挿入孔26が偏心するように位置
させられ、この時両者の偏心量は相殺されるために工具
挿入孔26は円筒部材10の円形穴12並びに図示しな
い工作機械の主軸と同心となる。
偏心スリーブ24の先端部28は第1図に示すように偏
心リング16の前記六角部20から突出する一方、基端
部のフランジ30は前記シャンク部材4の前端面32と
偏心リング16の後端面との間に挾まれて保持されてい
る。
そしててフランジ30の厚さ方向に貫通し半径方向外側
に開放された長大状の切欠34には、シャンク部材4の
前端面32の有底孔に圧入立設されたピン36が僅かの
隙間をもって係合し、このピン36と切欠34の係合に
よって偏心スリーブ24の円筒部材10に対する回転は
実質的に阻止される反面、円筒部材10の中心に対する
偏心スリーブ24の偏心移動は許容されるようになって
いる。
なお、偏心スリーブ24における切欠34の位置は第5
図に示すように工具挿入孔26の偏心する方向とは直角
の方向の位置とされている。
偏心スリーブ24の工具挿入孔26には回転切削工具と
してのエンドミル38のシャンク部40が挿入され、シ
ャンク部40はストレート軸状を威すとともに後端部に
は当接ボルト42が螺合されて、エンドミル38の挿入
限度はこの当接ボルト42の頭部やシャンク部材4の前
端面に形成された係合孔44の底部に当接することによ
り規制される。
そして当接ボルト42を工具挿入孔26への挿入に先立
って螺進或いは螺退させることによりエンドミル38の
挿入量が調節されるようになっている。
一方、エンドミルシャンク部40の先端部は900ごと
に平面取りが施された4つの平面取り部46を備えてお
り、これら平面取り部46には偏心スリーブ先端部28
の切ねじ孔に螺合された4本の平先止ネジ47が四方向
から押し付けられ、もってエンドミル38は偏心スリー
ブ24に固定されている。
また、偏心スリーブ24から突出したエンドミル38の
先端部には4枚の直刃を備えた断面十字形状の切刃部4
8が形成され、各切刃の偏心スリーブ24に対する位置
は平先止ネジ47を緩めてエンドミル38を回すことに
より90度ごとに変更されるようになっている。
なお溝加工時にエンドミル38に生じる回転切削トルク
は、偏心スリーブ24の切欠34に係合してシャンク部
材4に立設された前記ピン36が受けることとなる。
ところで、実質的に回転が阻止された二つの部材、つま
り円筒部材10と偏心スリーブ24との間で回転可能に
保持されている前記偏心リング16のその回転に対して
は、摩擦力付与機構によって摩擦力が付与されており、
その摩擦力に打ち勝つだけの回転力を加えないと偏心リ
ング16は回転できないようになっている。
本実施例における摩擦力付与機構は、第1ばね機構50
及び第2ばね機構52から構成される。
第1ばね機構50は円筒部材10との間で偏心リング1
6に摩擦力を付与するもので、第4図に示すように偏心
リング16の後端部において中心線と平行な方向に、有
底孔54が8個等角度間隔に形成され、この有底孔54
には当てピン56及び鋼球58が収容されており、鋼板
58は有底孔54から僅かに突出した状態で当てピン5
6と偏心スリーブ24の前記フランジ30との間に挾ま
れて位置している。
モして有底孔54の底と当てピン56との間に所定の予
荷重をもって配設されたコイルスプリング60の付勢力
により鋼球58はフランジ30に回転可能に押し付けら
れる一方、その反作用によって偏心リング16の先端部
外周に形成された前記テーパ面18は円筒部材10のテ
ーパ孔部14に押圧され、偏心リング16の回転に対し
て所定の摩擦力が付与される。
第2ばね機構52は偏心スリーブ24との間で偏心リン
グ16に摩擦力を付与するもので、第4図に示すように
偏心リング16のテーパ面18の近傍には偏心リング1
6の軸心に向って貫通するねじ孔62が3個等角度間隔
に形成されている。
ねじ孔62には当金64が挿入されるとともにネジ部材
66が螺合され、当金64は、自身とネジ部材66との
間に所定の予荷重をもって配設されたコイルスプリング
68の付勢力により、偏心スリーブ24の外周面に各々
押し付けられ、その結果偏心リング16の回転に対して
所定の摩擦力が付与される。
ここでネジ部材66を螺進又は螺退させることによりコ
イルスプリング68の圧縮荷重を変更すれば、付与され
る上記摩擦力もまた変えることができる。
次に以上のような溝加工装置の作動を説明する。
上述のように偏心リング16が円筒部材10に対して基
準位置にある場合、即ち第2図に示すように偏心リング
16の合マークGが円筒部材10の目盛15のゼロ位置
に合致している場合には、第7図に示すように工作機械
の主軸の回転中心Pと偏心スリーブ24の内径中心PO
1言い換ればエンドミル38の軸心とが一致し、加工さ
れる溝巾は切刃部48の直径に等しいWlとなる。
この時4枚の各切刃A、 B、 C,Dは同じ程度で溝
切削に参加し、溝を切削する切刃が特定されることは無
い。
次に偏心リング16の六角部20にスパナ等の工具を係
合させ、前記第1ばね機構50及び第2ばね機構52(
摩擦力付与機構)によって付与される摩擦力に打ち勝っ
て偏心リング16を時計回り或いは反時計回りに一定量
回転させる。
この時第1ばね機構50の前記鋼球58がボールベアリ
ングのように働いて偏心リング16の回転は円滑になさ
れるとともに、円筒部材10に刻み込まれた目盛り15
によりその回転量を正確に知ることができる。
ここで例えば第2図に矢印で示す方向に偏心リング16
を回転させれば、円筒部材10は固定状態で、また偏心
スリーブ24も実質的に回転を阻止された状態で偏心リ
ング16のみが回転させられる。
この際、偏心スリーブ24はその切欠34に係合したピ
ン36を中心として時計回りに僅か回転させられるが、
偏心リング16の実際の偏心量は図に示すそれと比して
かなり小さいため、その回動量は殆んど無視でき、偏心
スリーブ24はその切欠34の長手方向に移動させられ
ると考えて差支えない。
偏心リング16が回転させられれば第7図に示すように
偏心リング16の内径中心は上記基準位置におけるPO
′からPI’さらにP2’へと移行し、他方、偏心スリ
ーブ24の内径中心(エンドミル38の軸心)は主軸の
回転中心Pに一致していた位置からしだいに遠ざかり当
初のPOからPlへさらにPlへと移行する。
この時第2図に示す目盛15のゼロ目盛に対向して位置
する切刃が、例えば第7図に示す配列順序の切刃のうち
のDだとすれば、切刃Aが偏心リング16の上記回転に
応じて実線で示す位置から二点鎖線で示す位置へ、さら
に三点鎖線で示す位置へと移行する。
つまり切刃Aは主軸の回転中心Pから遠ざかるように変
位し、その結果Pを中心とする切刃Aの回転軌跡の半径
が増大することに伴ない、加工される溝巾はWlからW
2へさらにW3へと拡大されるのである。
この際第7図における切刃部48が反時計回りに回転す
るとして、溝加工のために切刃Aが主に働き、他の切刃
は追従して回転するにとどまることとなる。
なお、切刃りは切刃Aに先行するために幾分切削加工す
る。
そして、主に働く切刃Aが摩滅して加工される溝の巾が
不足してきたら、再度偏心リング16を回転させて切刃
Aを主軸の回転中心Pから遠ざけることにより、切刃A
の切削する回転半径を拡大させて、摩滅による回転半径
の減少分を補正し目標とする溝巾寸法に合わせることが
できる。
切刃Aの摩減量が補正し得る限界に達した場合、又は切
れ味が低下して所望の仕上げ面あらさが得られなくなっ
た場合には、エンドミル38を偏心スリーブ24に固定
している前記平先止ネジ47を緩めて切刃部48を回転
させ、各切刃の偏心スリーブ24に対する位相を変化さ
せる。
例えば第7図において切刃部48を偏心スリーブ24に
対して反時計回りに90度回転させ、先に切刃Aの位置
したところに切刃Bが位置するようにする。
その後、切刃Bの切削回転径と加工される所定の溝巾寸
法とが一致するように偏心リング16を回転させ調整す
れば、切刃Bが溝加工において主に働く切刃となる。
そして切刃Bが摩滅してくれば前記切刃Aの場合と同様
に、偏心リング16を回転させてその摩減量を補正する
その後切刃Bの摩減量が補正し得る限界にきたら、上記
と同様の手順で今度は切刃Cを溝加工において主に働く
切刃となし、更に切刃Cの次には切刃りというように各
切刃の摩減量が偏心リング16により補正し得る限度に
達した時点で溝加工において主に働く切刃を順次変更し
ていき、切刃りが許容限度まで摩滅した段階でそのエン
ドミル38を別の新しいそれと交換するようにする。
なお、ひとつの切刃が一定量摩滅した後にその摩減量の
補正をしないで、すぐ切刃の位相変更を行ない、すべて
の切刃が一定量摩滅した後に偏心リング16を一定量回
転させた状態で再び各切刃を順次位相変更することによ
り、各切刃の摩減量の補正をまとめてすることもできる
このようにして、所定の加工溝巾よりも小径の切刃部4
8しか有していないエンドミル38によって、それより
巾広の所望寸法の溝を加工することができ、溝の両側面
を同時に加工することが可能となる。
本実施例にあっては上述のように、溝加工の際に主に働
く切刃を決めるとともに各切刃を位相変更して満遍なく
使用し、且つ偏心リング16を回転させることにより各
切刃の摩減量の補正を行なうため、エンドミル38の寿
命、耐久性は従来の装置と比較して飛躍的に向上する。
事実、その効果は一例は実験により確かめられており、
以下にその実験データを第8図及び表1乃至表3を用い
て説明する。
まず、第8図は、2鉢の試料としてのエンドミルを用い
て各エンドミル1本当りどれだけの製品(溝)が加工で
きたかを各々の場合について示し、多く製品を加工でき
たエンドミルの順にその加工数を棒グラフで表わしてい
る。
その加工の際には、偏心リング16を予め回転させてお
き第7図に示すようにまず切刃Aが主に溝を加工するよ
うに切刃部48をセットし、その後加工による摩滅が許
容限度に達した段階で切刃部48を順次90度ずつ位相
変更してA乃至りの順で各切刃を使用して溝加工を行な
い(第一過程)、次に各切刃の摩減量を補正する(寸法
不足を補う)ために偏心リング16を更に一定量回転さ
せた後、再びA乃至りの順で切刃を使用して溝加工を行
なった(第二過程)。
なお、各エンドミル間の製品加工数に比較的大きなバラ
ツキが生じている理由は、2鉢のエンドミルの中に実験
の途中で刃欠けするもの或いは折損してしまうものがか
なり有り、更にそれ以外でも急に切れ味が悪くなって十
分な面あらさが出なくなってしまうものもあり、それら
のエンドミルはそれ以上の使用ができなくなうからであ
る。
とにかく、実験結果によれば2鉢のエンドミル1本当り
の平均製品加工数(溝加工数)は666個となり、従来
の溝加工装置を用いた場合のエンドミル1本当りの平均
加工数29嘲と比較して非常に秀れている。
しかも従来の平均加工数29嘲というのはねじれ刃を備
えたエンドミルの場合であり、通常ねじれ刃の方が寿命
が長いため直刃同志の場合を比較したとすれば上記二つ
の平均加工数の開きはさらに拡大すると予想される。
因に、エンドミルの刃欠け、折損などはエンドミル自体
の品質の問題で本溝加工装置とは直接の関係を有してい
ないため、上記刃欠は等の不都合が発生することなくA
乃至りの四枚の切欠をすべて使用できた場合のみのエン
ドミル1本当りの平均加工数を算出したところ798個
となり、装置の効果を実質的に示すこの数字を従来の平
均加工数(ねじれ刃であることを考慮して)と再び比べ
てみれば、約3倍強の平均加工数を達威し得たこととな
るのである。
このような結果を表1〜表3においてはA乃至りの各切
刃ごとの加工数に着目して別の側面から示している。
二二で、各切刃A〜Dの切刃の数nがしだいに減少し、
また各切刃中の最大加工数と最小加工数との間に大きな
隔りが存在するのは、第8図において説明したようにエ
ンドミル自体に刃欠け、折損、切れ味悪化等が発生する
ためであり、他方で切刃りのXがやや落ち込んでいるの
は、切刃A使用時に、切刃Aに先行して回転させられる
ため、ある程度の切削加工を行ない、自身が主たる切刃
として使用されるときには既にある程度摩滅しているた
めであると推測される。
表2に示すように、各切刃A−Dが順次主に働く切刃と
して特定される結果、切刃A−Dの各々は前記第一過程
すなわち摩減量補正前において充分な平均加工数を遠戚
している。
しかも第3表い示すように、偏心リング16の回転によ
り各切刃A−Dの摩減量の補正が可能なため、前記第二
過程すなわち摩減量補正後にあっても各切刃A−Dは表
2のXと比較してその約半分近くの平均加工数を遠戚し
ており、上記第−及び第二過程を通して各切刃A−Dが
夫々加工する製品数の平均冨は、第1表に示されるよう
にいずれも高水準に保たれている。
その結果、前述のように一本のエンドミルにより従来に
比べて約3倍もの製品(溝)が加工できるのである。
以上詳記したのはあくまでも実施例であって、本考案は
これに限定されることなく種々の態様で実施し得るもの
である。
まず、エンドミル等の切刃部を偏心スリーブに対して位
相変更させ得ることは必ずしも必須の要件ではなく、切
刃部が偏心スリーブの一定位置に固定されたままでも、
溝巾より小径の切刃部により溝の両側面を同時に加工し
得る効果は得られる。
次に偏心スリーブのケーシングに対する相対回転を実質
的に阻止する回転阻止機構は、切欠とピンとの係合に限
らず他の手段も採用できる。
また切欠とピンとを係合させるにしても、偏心スリーブ
にピンを設け、装置本体側に保合溝を形成することも可
能である。
偏心リングの回転に対して所定の摩擦力を付与する摩擦
付与機構は、例えば偏心り″ングの外周面或いは内周面
に摩擦リングを装着し、その摩擦リングが他部材に所定
の面圧をもって接するようにしてもよい。
また、偏心スリーブの工具挿入孔は円穴に限らる。
挿入される工具シャンク部の形状に応じて矩形穴等も採
用可能であり、その工具も4枚刃を備えるものにはもち
ろんエンドミルに限定されるものでもない。
その他、詳述はしないが本考案は当業者の知識に基づい
て種々の態様で実施し得ることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る溝加工装置の一例を示す一部切欠
側面図であり、第2図はその正面図である。 第3図は第1図における偏心リングの正面図、第4図は
その側面図(半断面)、第5図は第1図における偏心ス
リーブの正面図であり、第6図はその側断面図である。 第7図は第1図及び第2図はおけるエンドミルの切刃部
の作動状況を示す説明図であり、第8図はその溝加工装
置の効果を示すグラフである。 2:装置本体、10:円筒部材、12:円形穴(第1の
)、16:偏心リング、20:六角部、22:円形穴(
第2の)、24:偏心スリーブ、26:工具挿入孔、3
4:切欠、36:ピン、38:エンドミル、40:シャ
ンク部、48:切刃部、50:第1ばね機構、52:第
2ばね機構。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 第1の円形穴を備え、工作機械の主軸の先端に該第1の
    円形穴が該主軸と同心となるように固定されるケーシン
    グと、 前記第1の円形穴に回転可能に嵌合され、中心から一定
    寸法偏心した位置に第2の円形穴を有する偏心リングと
    、 該偏心リングの前記回転に対して所定の摩擦力を付与す
    る摩擦力付与機構と、 前記第2の円形穴に回転可能に嵌合され、中心から該第
    2の円形穴とほぼ同量だけ偏心した位置に工具挿入孔を
    有する偏心スリーブと、 前記工具挿入孔にシャンク部が挿入され、前記偏心スリ
    ーブに固定されたエンドミル等の回転切削工具と、 前記偏心スリーブの中心の、前記ケーシングの中心に対
    する偏心移動を許容しつつ、該偏心スリーブの該ケーシ
    ングに対する相対的な回転を実質的に阻止する回転阻止
    機構と、 を含むことを特徴とする溝加工装置。
JP3564581U 1981-03-14 1981-03-14 溝加工装置 Expired JPS6042014Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3564581U JPS6042014Y2 (ja) 1981-03-14 1981-03-14 溝加工装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3564581U JPS6042014Y2 (ja) 1981-03-14 1981-03-14 溝加工装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS57149913U JPS57149913U (ja) 1982-09-20
JPS6042014Y2 true JPS6042014Y2 (ja) 1985-12-23

Family

ID=29832905

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3564581U Expired JPS6042014Y2 (ja) 1981-03-14 1981-03-14 溝加工装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6042014Y2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPS57149913U (ja) 1982-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5649794A (en) Drill
KR100371594B1 (ko) 정해진범위의직경을가진원형개구부를중실재료내부에가공하기위한밀링공구및방법
US5662445A (en) Locking nut
KR101709656B1 (ko) 절삭 엘보와 그 제조방법
TWI732087B (zh) 孔加工工具及其導墊調整機構、及用於調整在孔加工工具中之一導墊之一高度之方法
JP6627174B2 (ja) 切れ刃位置の調整機構及び刃先交換式切削工具
JP2002292515A (ja) 等高線切削用エンドミル
JP6808540B2 (ja) ポリゴン加工用工具
JP2013056396A (ja) インデキサブル式ねじ切りフライス
JPS6042014Y2 (ja) 溝加工装置
US5478178A (en) High speed rotary boring tool
JP5378748B2 (ja) 中ぐり加工工具および中ぐり加工方法
JP2016087783A (ja) 切削インサートの取り付け機構、刃先回転式ミーリング工具及び刃先回転式ターニング工具
JPH09192930A (ja) ねじ切りフライス
JP3029238U (ja) 旋盤用バイトユニット
JP6676599B2 (ja) 工具ホルダ
JP3214963B2 (ja) スローアウェイチップ
TWM581950U (zh) Cutting tool with blade fine adjustment function
JP2606415Y2 (ja) 溝加工用サイドカッタ
JPH0985533A (ja) リーマ
JP2008000829A (ja) インサート着脱式球面カッタ
US11883888B2 (en) Modular drill with enhanced bump-off capability
JP2998597B2 (ja) 切削方法および切削工具
KR20130021594A (ko) 브로칭 툴 및 브로치
JPS6133660B2 (ja)