JPH09215631A - 手乾燥装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾燥時間の短い、また手の部位に係わらず各
部を万遍なく乾燥できる手乾燥装置を提供することを目
的としている。 【解決手段】 手を乾燥する円筒状あるいは楕円筒状の
乾燥室４に手を挿入し、乾燥室４の内面に配置した電動
送風機１の送風気流を噴出する噴出孔５から、円周方向
に傾斜させた高速の気流を噴出して、手の各部に付着し
た水分を万遍なく飛散・乾燥させ、循環流路８を設けて
気流を循環させて、電動送風機１の廃熱を得て気流の温
度を高め快適な乾燥感を得る手乾燥装置としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洗面所やトイレ・
キッチン等で使用する、水で手を洗った後手を乾かすた
めに用いる手乾燥装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、水洗等によって濡れた手をタ
オルやハンカチを使用して拭く代わりに、送風された温
風に手をかざすことによって手を乾燥する手乾燥装置が
実用化されている。例えばヘヤドライヤとしても使用で
きるもの、また水滴の飛散を防止できる構成となってい
るもの、あるいは紫外線による殺菌等の付加機能を備え
ているものや、送風空気を環流させたり、送風ファンブ
レードを発熱体で構成したりして加熱効率を向上させて
いるものも開発されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし前記従来の温風
式の手乾燥装置は、乾燥完了までに約２０秒〜１分の時
間を必要としており、使い勝手が悪いという課題を有し
ている。このため従来の手乾燥装置を使用した場合に
は、使用者は乾燥完了まで待てずに結局タオルやハンカ
チで拭いているのが実態である。また、手のひらや手の
甲は乾燥しても、手の側面・指先・指の間・指の付け根
にはまだ水分が残っていたりするものである。

【０００４】本発明はこのような従来の構成が有してい
る課題を解決するもので、乾燥時間の短い、また手の部
位に係わらず各部を万遍なく乾燥できる手乾燥装置を提
供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の第一の手段は、手を乾燥する円筒状あるいは
楕円筒状の乾燥室に手を挿入し、乾燥室の内面に配置し
た電動送風機の送風気流を噴出する噴出孔から、円周方
向に傾斜させた高速の気流を噴出して、手の各部に付着
した水分を万遍なく飛散・乾燥させ、さらに循環流路を
設けて気流を循環させることにより、より効率よく水分
を飛散・乾燥させると同時に、電動送風機の廃熱を得て
気流の温度が上がり乾燥感を向上させることができる手
乾燥装置としている。

【０００６】また本発明の第二の手段は、飛散した水滴
を排水口へ取り込んで気流から分離することにより、気
流の湿度を下げて、より効率よく乾燥を行う手乾燥装置
としている。

【０００７】また本発明の第三の手段は、乾燥室を左手
用と右手用の２個に分け、噴出孔から噴出される気流の
回転方向を、右乾燥室は時計回り方向に左乾燥室は反時
計回り方向とすることにより、手の側面・指先・指の間
・指の付け根の中でも特に水分が残りやすい、親指の付
け根から人差し指にかけての手の側面に、高速の気流が
強く衝突して手全体としてより効果的に水分を飛散させ
る手乾燥装置としている。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態について
説明する。図１は本実施形態の手乾燥装置の構成を説明
する断面図で、全体構成を示している図２のラインＤで
の断面を示している。また図３は、乾燥室４を入口側か
ら見た断面図である。１は室内の空気を送風する電動送
風機で、本体２の上部に配置している。電動送風機１が
送風する気流７は、循環流路８を通って手を乾燥する乾
燥室４まで導かれる。乾燥室４は右手用と左手用の２つ
を設けており、それぞれの断面は図３に示すように楕円
形としている。またそれぞれの乾燥室は、前記電動送風
機１が送風する気流を高速で噴出する複数の噴出孔５を
一列に有している。噴出孔５は、気流の噴出方向を円周
方向および乾燥室４の円筒軸方向に傾斜させるような形
状となっている。乾燥室４から出た気流７は、循環流路
８に導かれて電動送風機１の吸入側に、図２でいえば左
側へ連通し、気流は電動送風機１と乾燥室４との間を循
環する。

【０００９】以下本実施形態の動作について説明する。
濡れた手を乾燥室４に挿入すると、電動送風機１は図示
していない光電スイッチが作用して、自動的に動作を開
始する。電動送風機１の送風気流は、循環流路８を通っ
て乾燥室４に設けた噴出孔５から高速で噴出される。こ
のとき噴出孔５は乾燥室４の周囲に多数配置され、噴出
孔５から噴出された気流は円周方向に回転すると共に軸
方向にも速度を持つ立体的な渦流となり、あらゆる方向
から手に吹き付けられる。このため手の表面に付着して
いる水は、手首から指先にかけて極めて滑らかに流れ、
手の表面から引き剥がされる。つまり、比較的気流の当
たりやすい手のひらや手の甲だけでなく、手の側面・指
先・指の間・指の付け根といった手の各部に万遍なく高
速の気流が吹き付けられ、手を乾燥室４から抜き出して
いくにつれて、気流は手首から指先へと当たって、付着
している水滴を吹き飛ばすものである。

【００１０】こうして乾燥室４の下方から排出された気
流は、循環流路８に導かれて矢印Ａに示すように再び電
動送風機１に吸入され、電動送風機１と乾燥室４との間
を循環する。このように電動送風機１と乾燥室４との間
を気流が循環する構成としているため、乾燥室４の下部
から循環流路８に向けて吸引力が作用するものである。
この結果、上述の手表面から水を引き剥がす効果が更に
強まるものである。また、気流は前記循環を繰り返す間
に電動送風機１の廃熱を得て温度が上昇し、噴出孔５か
ら手に吹き付けられる気流の温度も上昇するものであ
る。従って、別途ヒータ等の加熱手段を設けなくても暖
かい気流を供給でき、特に気温の低い冬季にも快適な乾
燥感を得ることができるものである。

【００１１】以上のように本実施形態によれば、高速の
気流を噴出孔５から乾燥室４内に渦流が発生するよう噴
出させ、さらに循環流路８によってこの気流を循環させ
る構成として、手の各部を万遍なく乾燥でき、快い乾燥
感の得られる手乾燥装置としているものである。

【００１２】なお乾燥室４の断面形状について本実施形
態では楕円としているが、特に楕円に限定するものでは
なく円形としても支障はないものである。

【００１３】また噴出孔５について本実施形態では円周
状に１列設けたものとしているが、特に１列に限定する
必要はなく数列でもよい。また円周状とした配置につい
ても、螺旋状でもよく、また列状でなく手の形状に合わ
せた不等間隔とした配置としても良いものである。また
噴出孔５の総個数と孔径は、噴出する気流の速度と全流
量とが保たれる限り変更可能である。また孔の形状は一
般的で加工の容易な円形としているものである。

【００１４】また本実施形態とした場合の噴出孔５から
噴出する気流の傾斜角度は乾燥室４の回転方向および円
筒軸方向それぞれ約３０°未満で比較的小さいが、でき
るだけ手に垂直に近い傾斜角度とする方が水滴の飛散に
は効果的である。また、小さな傾斜角でも渦流は容易に
発生するものである。

【００１５】更にこのとき図１に示しているように、乾
燥室４の下方に循環流路８の断面積と比較して小さな断
面積を持つ排水口６を設けると、気流に乗る霧状の水分
を除いて比較的大きな水滴は、還流せずに慣性で落下し
て排出口６から排出されるものである。つまり排水口６
を設けることによって、循環する気流の水分量を低減で
き、手に噴出される気流の湿度を下げて、より効率のよ
い乾燥を行うことができる。

【００１６】また更に図４（ａ）・図４（ｂ）に示して
いるように、噴出孔５から噴出される気流の回転方向
を、左手用の乾燥室４では反時計回り方向に、右手用の
乾燥室４では時計回り方向に設定することによって、手
の側面・指先・指の間・指の付け根の中でも特に水分が
残りやすい、親指の付け根から人差し指にかけての手の
側面に、両手とも、高速の気流がより垂直に近い角度で
強く衝突して、手全体としてより効果的に水分を飛散さ
せ乾燥時間を短縮できるものである。

【００１７】

【発明の効果】本発明の第一の手段は、空気を送風する
電動送風機と、手を乾燥する円筒状あるいは楕円筒状の
乾燥室と、乾燥室の内面に配置した前記電動送風機の送
風気流を噴出する複数の噴出孔と、噴出口から噴出され
た気流を回収して前記電動送風機の吸入側へ送る循環流
路を備え、前記各噴出孔は気流の噴出方向を円周方向に
傾斜させた構成として、気流を循環させて、手の各部に
付着した水分を効率よく飛散・乾燥させると同時に温風
により乾燥感を向上させて、乾燥時間の短い手乾燥装置
を実現するものである。

【００１８】本発明の第二の手段は、特に乾燥室下方に
排水口を設けた構成として、飛散した水滴を排水口へ取
り込んで気流から分離して気流の湿度を下げて、より効
率よく乾燥を行う手乾燥装置を実現するものである。

【００１９】本発明の第三の手段は、空気を送風する電
動送風機と、片手ずつを乾燥する２個の円筒状あるいは
楕円筒状の乾燥室と、乾燥室の内面に配置した前記電動
送風機の送風気流を噴出する複数の噴出孔とを備え、前
記各噴出孔は気流の噴出方向を円周方向に傾斜させ、し
かも右乾燥室は時計回り方向に左乾燥室は反時計回り方
向に傾斜させた空気を送風する構成として、手の側面・
指先・指の間・指の付け根の中でも特に水分が残りやす
い、親指の付け根から人差し指にかけての手の側面に、
高速の気流が強く衝突してより効果的に水分を飛散さ
せ、乾燥時間を短縮する手乾燥装置を実現するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態である手乾燥装置の乾燥室を
中心とした構成を示す断面図

【図２】同、全体構成を示す正面図

【図３】同、乾燥室に発生する渦流を説明する説明図

【図４】（ａ）同、左手用の乾燥室に発生する渦流を説
明する説明図 （ｂ）同、右手用の乾燥室に発生する渦流を説明する説
明図

【符号の説明】

１ 電動送風機 ４ 乾燥室 ５ 噴出孔 ６ 排水口 ８ 循環流路

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 空気を送風する電動送風機と、手を乾燥
   する円筒状あるいは楕円筒状の乾燥室と、乾燥室の内面
   に配置した前記電動送風機の送風気流を噴出する複数の
   噴出孔と、噴出口から噴出された気流を回収して前記電
   動送風機の吸入側へ送る循環流路を備え、前記各噴出孔
   は気流の噴出方向を円周方向に傾斜させた手乾燥装置。
2. 【請求項２】 乾燥室下方に排水口を設けた請求項１記
   載の手乾燥装置。
3. 【請求項３】 空気を送風する電動送風機と、片手ずつ
   を乾燥する２個の円筒状あるいは楕円筒状の乾燥室と、
   乾燥室の内面に配置した前記電動送風機の送風気流を噴
   出する複数の噴出孔とを備え、前記各噴出孔は気流の噴
   出方向を円周方向に傾斜させ、しかも右乾燥室は時計回
   り方向に左乾燥室は反時計回り方向に傾斜させた手乾燥
   装置。