JPH09215549A - 折り畳み式ソファー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 折り畳んだとき、小スペースで整然と収納で
きて、携帯性に富んだ折り畳み式ソファーを提供するこ
と。 【解決手段】 この折り畳み式ソファーは、座部１と背
もたれ部２とを別個独立に構成し、背もたれ部２を起立
位置から倒伏位置の間で揺動可能とするヒンジ部材５を
介して、座部１と背もたれ部２とを連結するとともに、
座部１のヒンジ部材連結部を、倒伏した背もたれ部２が
座部１上面と密着できる高さ位置まで延設した構成にし
てある。また、少なくとも、背もたれ部２の後面と座部
１の後面とを一体に被うカバーを設け、前記カバーのヒ
ンジ部材５と対面する位置に、上下に折り込んだダーツ
部３４を形成したものである。更に、座部１を構成する
座下クッション材１７の前下部に、座下クッション材１
７を臀部支持位置と脚部支持位置とに仕切る仕切板材３
６を埋設したものである。従って、座部１に対し背もた
れ部２を密着させて折り畳むことができ、全高が約半分
の立方体状となってコンパクトになる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、背もたれ部を座部
に対し密着させて折り畳むことのできる折り畳み式ソフ
ァーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】一般
に、ソファーは、腰をおろす座部と、座部の後端に一体
に立設された背もたれ部とからなり、背もたれ部は座部
に対し一定角度で固定されている。従って、背もたれ部
の前方は空間となっている。そのため、収納に無駄なス
ペースを要し、背もたれ部が邪魔になって積み重ねでき
なかったり、あるいは持ち運びにくいものであった。

【０００３】一方、座部に対し背もたれ部を角度可変に
折り畳めるものとして、折り畳み式座椅子がよく知られ
ている。この座椅子では、背もたれ部がラチェット式の
ヒンジ部材を介して座部の後端部に支持されているが、
折り畳んだときに背もたれ部の根元が座部と接すること
や、ヒンジ部材の揺動角度に限界があること等により、
最大折り畳み角度が座部に対し例えば約３５度程度とな
っている。従って、座部に背もたれ部が密着するまでに
は、折り畳むことができなかった。そのため、この座椅
子の場合、折り畳み状態のときも嵩張っていることにな
り、収納に広いスペースが必要であった。また、両手で
なければ持ち運びにくいという難点もあった。

【０００４】本発明は、上記した従来の問題点に鑑みて
なされたものであって、折り畳んだとき、小スペースで
整然と収納できて、携帯性に富んだ折り畳み式ソファー
の提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る折り畳み式ソファーは、座部と背もた
れ部とを別個独立に構成し、背もたれ部を起立位置から
倒伏位置の間で揺動可能とするヒンジ部材を介して、座
部と背もたれ部とを連結するとともに、座部のヒンジ部
材連結部を、倒伏した背もたれ部が座部上面と密着でき
る高さ位置まで延設した構成にしてある。

【０００６】また、上記構成において、少なくとも、背
もたれ部の後面と座部の後面とを一体に被うカバーを設
け、前記カバーのヒンジ部材と対面する位置に、上下に
折り込んだダーツ部を形成したものである。

【０００７】更に、上記各構成において、座部を構成す
る座クッションの前下部に、座クッションを臀部支持位
置と脚部支持位置とに仕切る仕切板材を埋設したもので
ある。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
折り畳み式ソファーを添付図面に基づいて説明する。図
１は折り畳み式ソファーを示す外観図、図２は折り畳み
式ソファーの背面図である。これらの図において、折り
畳み式ソファーは、底面が１辺４９ｃｍ程度の座部１
と、座部１とは別個独立に構成された厚さ約１０ｃｍの
背もたれ部２とからなっている。すなわち、この折り畳
み式ソファーは、全高が７８ｃｍ程度で、座部１の高さ
が、例えば足腰の不自由なお年寄りであっても無理なく
腰掛けることのできる２８ｃｍ程度に設定されており、
総重量が７ｋｇ弱と比較的軽量に構成されている。ま
た、背もたれ部２のカバー後面の両側には、後で詳述す
るダーツ部３４が形成されており、座部１のカバー後面
には、把手３２が縫着されている。座部１のカバー側面
には、小物ポケット布３１や雑誌ポケット布が縫着され
ている。

【０００９】図３は折り畳み式ソファーのフレーム構成
を示す斜視図である。図において、符号の３は座部１に
内蔵される側面視Ｌ字状の座フレーム、４は背もたれ部
２に内蔵される背フレーム、５は座フレーム３と背フレ
ーム４とを揺動可能に連結するヒンジ部材である。

【００１０】また、符号の６は左右の座フレーム３に接
続して設けられフレーム補強および後方転倒防止機能を
奏する連結パイプ、７は左右の背フレーム４に接続して
設けられフレーム補強機能を奏する連結パイプ、８は背
フレーム４の上辺と連結パイプ７とに接続して設けられ
マッサージ用バイブレータ等の設置用パイプである。こ
れらの座フレーム３、背フレーム４、連結パイプ６、連
結パイプ７、設置用パイプ８は、いずれも外径１９．１
mm×厚さ１．２mmの鋼管を用いて形成されている。

【００１１】図４は座フレームとこれに対し揺動する背
フレームを示す側面図である。背フレーム４は、ヒンジ
部材５により座フレーム３に対し倒伏位置（図４および
図５中の実線）から起立位置（同図中の２点鎖線）まで
の間で揺動可能に折り畳まれるようになっている。

【００１２】図５は図４におけるＡ矢視部を示す拡大斜
視図である。図に示すように、ヒンジ部材５は、平面視
略コ字状に形成された軸支部１４を先端に有する管状軸
１０と、軸支部１４に軸支された枢支ピン１２に回動自
在に取り付けられた軸１１と、軸支部１４の枢支ピン１
２軸支位置の後下方に内向きに突設された係止突起１３
とを備えてなっている。管状軸１０は座フレーム３上端
のヒンジ部材連結部３ａに嵌挿され、軸１１は背フレー
ム４の下端に嵌挿される。また、軸１１は、軸支部１４
の係止棚部３７と係止突起１３とによって倒伏姿勢に保
持され、軸支部１４の前部内面と係止突起１３とによっ
て起立姿勢に保持されるようになっている。ここで、座
フレーム３においては、倒伏した背もたれ部２が座部１
上面と密着できる高さ位置となるように、背もたれ部２
の厚みを考慮して、ヒンジ部材連結部３ａが座部１上面
よりも高くなる位置に延設して設けられている。

【００１３】図６は折り畳み式ソファーのクッション材
構成を示す斜視図である。図において、折り畳み式ソフ
ァーのクッション材構成は、座部１を構成する座クッシ
ョン１５と、背もたれ部２を構成する背クッション１６
とからなっている。座クッション１５は、基材となる座
下クッション材１７と、座下クッション材１７上面の前
・側部に貼着される座上クッション材１８，１９と、座
下クッション材１７の底面および後面から座上クッショ
ン材１８の後面にわたって貼着される座底クッション材
２０とからなっており、これらは発泡ポリウレタン等で
作られている。

【００１４】因みに、座下クッション材１７は嵩比重ほ
ぼ０．８の発泡ポリウレタンで、座上クッション材１
８，１９は嵩比重ほぼ０．２の発泡ポリウレタンで、座
底クッション材２０は嵩比重ほぼ０．２の発泡ポリウレ
タンでそれぞれ作られている。上記のように座下クッシ
ョン材１７上へ座上クッション材１８，１９を配置した
ことにより、座部１の座位に約４ｃｍ程度のくぼみが形
成されており、利用者が座りやすくされている。尚、座
フレーム３は、座クッション材１７の底面および後面
と、座底クッション材２０との間に挟み付けられて固定
されている（図４参照）。

【００１５】特に、座下クッション材１７の前下部に
は、左右両側面および底面を連通する長溝部２１が形成
されている。この長溝部２１には仕切板材３６（後出の
図８および図９参照）が埋設されて、座下クッション材
１７の下部を臀部支持位置１７ａと脚部支持位置１７ｂ
とに仕切っている。この仕切板材３６は座フレーム３上
にも支持されている。

【００１６】一方、背クッション１６は、基材となる背
内クッション材２２と、背内クッション材２２の周囲を
被う背外クッション材２３とからなっている。背内クッ
ション材２２は嵩比重ほぼ０．８の発泡ポリウレタン
で、背外クッション材２３は嵩比重ほぼ０．２の発泡ポ
リウレタンでそれぞれ作られている。

【００１７】図７は折り畳み式ソファーを被うカバーの
裁断図である。図において、符号の２４は座クッション
１５の上面を被う座上布、２５は座クッション１５の底
面を被う座底布、２６は座クッション１５の前面および
左右側面を被う座周布、２７は座クッション１５の後面
および背クッション１６の後面を一体に被う背後布、２
９は背クッション１６の前面を被う背前布である。ま
た、符号の３０は座周布２６の雑誌ポケット取付位置３
０ａに縫着される雑誌ポケット布、３１は座周布２６の
小物ポケット取付位置３１ａに縫着される小物ポケット
布、３３は背後布２７下部の補強布取付位置３３ａに裏
打ちされるハイパロン製等の補強布である。

【００１８】ここで、背後布２７のヒンジ部材５対面位
置近傍には、上下に折り込んだダーツ部３４を形成する
ためのダーツ用切欠３４ａが設けられている。また、座
底布２５の前辺および左右両辺にはファスナ３５が設け
られており、座周布２６の下辺には前記ファスナ３５と
噛合するファスナ３５ａが設けられている。そして、背
後布２７後面の把手取付位置３２ａに縫着される把手３
２は、ハイパロン等を心材とし把手布３２ｂを折り込ん
で形成されている。

【００１９】これら裁断品がそれぞれの所定位置で突き
合わされて縫製され、座側と背もたれ側とを一体とする
袋状のカバーが形成される。このカバーでは、開放した
ファスナ３５とファスナ３５ａの部分から、まず背フレ
ーム４および背クッション１６を挿入し、座フレーム３
および座クッション１５を挿入したのち、ファスナ３５
とファスナ３５ａを閉じることにより、装着が完了す
る。一方、洗濯等のためにカバーを取り外す場合は、フ
ァスナ３５，３５ａを開いたのち、座フレーム３および
座クッション１５を取り出し、次いで背フレーム４およ
び背クッション１６を取り出せばよい。

【００２０】引続き、この折り畳み式ソファーの着座状
態、折り畳み状態、持ち運び動作等につき、図８乃至図
１０に基づいて説明する。まず、図８に示すように、利
用者が座部１に深く腰掛けると、体重のほとんどは座下
クッション材１７の臀部支持位置１７ａにかかる。臀部
支持位置１７ａの座クッション材１７は広くて容量も大
であるので、変形して沈み込み、クッション性が確保さ
れて心地よく座ることができる。これに対し、脚部支持
位置１７ｂの座クッション材１７は容量が小で比較的剛
性があることから、大きく変形することなく利用者の脚
を安定に支持する。加えて、仕切板材３６上方位置の座
クッション材１７も仕切板材３６によって補強される。
従って、利用者は前方につんのめったり、あるいは側方
にぐらつきにくくなる。

【００２１】そうして、押入れ等への収納に際し折り畳
み式ソファーを折り畳む場合は、背もたれ部２を座部１
に向けて前倒しする。すると、ヒンジ部材５の軸１１は
係止突起１３を乗り越えたのち、係止棚部３７で支持さ
れる。これにより、図９に示すように、背もたれ部２は
起立位置の保持状態が解除されて倒伏位置に保持され、
座部１の上面に密着して折り畳まれる。このとき、折り
畳み式ソファーは、高さがもとの約半分となり、立方体
状にコンパクトになるので、余分の収納スペースを必要
としない。また、折り畳まれた背もたれ部２の上面はほ
ぼ水平になっているので、その上に別の折り畳み式ソフ
ァーや他の物品を積み重ねでき、整然と収納できる。ま
た、例えば車のトランクであれば、横に２つ分を収納で
き、アウトドア等用としても好適である。

【００２２】一方、この折り畳み式ソファーは折り畳み
角度が大きいので、カバーの背後部２７は背もたれ部２
に引っ張られてヒンジ部材５と対面する部分で破れやす
くなるが、その部分に形成されているダーツ部３４が伸
びて引張力を吸収する。従って、折り畳みによるカバー
の破損を防止できる。

【００２３】他方、図１０に示すように、この折り畳み
式ソファーを持ち運ぶ場合は、背もたれ部２を折り畳ん
だ状態で座部１後面を上向きにする。そうして、カバー
後側の把手３２をつかんで持ち上げれば、背もたれ部２
が座部１から開いたりすることがなくバランスがよい。
しかも、折り畳まれたソファーは全体形状が持ち上げや
すい立方体状になっており、軽量でもある。従って、こ
の折り畳み式ソファーは軽い力で持ちやすく、比較的非
力な女性やお年寄りによっても片手で容易に持ち運びで
きる携帯性の高いものである。

【００２４】

【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る折り畳
み式ソファーによれば、座部に対し背もたれ部を密着さ
せて折り畳むことができる。従って、全高が、例えば約
半分の立方体状となってコンパクトになる。また、折り
畳まれた背もたれ部の上面はほぼ水平になっているの
で、別の折り畳み式ソファーを積み重ねたり、他の物品
を載置することができる。すなわち、無駄なスペースを
生じることなく、整然と収納することができる。

【００２５】また、背もたれ部を折り畳むと、カバーは
背もたれ部に引っ張られてヒンジ部材と対面する部分で
破れやすくなるが、その部分に形成されているダーツ部
が上下に伸びて引張力を吸収する。従って、折り畳みに
よるカバーの破損を防止することができる。

【００２６】そして、仕切板材で仕切られた臀部支持位
置の座クッションは容量が大であるので、心地よいクッ
ション性を確保することができる。その反面、脚部支持
位置の座クッションは容量が小であるので、一定以上の
剛性を有することから、脚を安定に保持できて利用者の
前方や側方へのぐらつきを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係る折り畳み式ソファーを
示す外観図である。

【図２】折り畳み式ソファーの背面図である。

【図３】折り畳み式ソファーのフレーム構成を示す斜視
図である。

【図４】座フレームとこれに対し揺動する背フレームを
示す側面図である。

【図５】図４におけるＡ矢視部を示す拡大斜視図であ
る。

【図６】折り畳み式ソファーのクッション材構成を示す
斜視図である。

【図７】折り畳み式ソファーを被うカバーの裁断図であ
る。

【図８】折り畳み式ソファーに利用者が座った状態を示
す状態説明図である。

【図９】背もたれ部を座部に密着させて折り畳んだ状態
を示す状態説明図である。

【図１０】折り畳み式ソファーを持ち運んでいる状態を
示す説明図である。

【符号の説明】

１ 座部 ２ 背もたれ部 ３ 座フレーム ３ａ ヒンジ部材連結部 ４ 背フレーム ５ ヒンジ部材 １５ 座クッション １７ 座下クッション材 １７ａ 臀部支持位置 １７ｂ 脚部支持位置 ２１ 長溝部 ２７ 背後布 ３４ ダーツ部 ３４ａ ダーツ用切欠 ３６ 仕切板材

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 座部と背もたれ部とを別個独立に構成
   し、背もたれ部を起立位置から倒伏位置の間で揺動可能
   とするヒンジ部材を介して、座部と背もたれ部とを連結
   するとともに、座部のヒンジ部材連結部を、倒伏した背
   もたれ部が座部上面と密着できる高さ位置まで延設した
   ことを特徴とする折り畳み式ソファー。
2. 【請求項２】 少なくとも、背もたれ部の後面と座部の
   後面とを一体に被うカバーを設け、前記カバーのヒンジ
   部材と対面する位置に、上下に折り込んだダーツ部を形
   成したことを特徴とする請求項１に記載の折り畳み式ソ
   ファー。
3. 【請求項３】 座部を構成する座クッションの前下部
   に、座クッションを臀部支持位置と脚部支持位置とに仕
   切る仕切板材を埋設したことを特徴とする請求項１また
   は請求項２に記載の折り畳み式ソファー。