JPH0518565B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本発明は、水袋の形をした背もたれとなる数個
のクツシヨンをもつ、本明細書中に“ウオーター
チエアー”として言及されている椅子に関するも
のである。ウオーターチエアーは、１座席の椅子
や複数の座席の長椅子など様々な形態に構成する
ことができ、様々な用途に合わせて製造され得
る。例えば住宅用として比較的単純な様式に組立
てられることもあれば、体を横たえた時にほぼ全
身が穏やかな支持台を必要とする回復期の病人や
老人にも使用されるよう、より手の込んだ形に組
立てられることもある。

【従来の技術】

本発明に係わる一般タイプのウオーターチエア
ーは、オーストラリア特許第527133号や、それに
対応する米国特許4391466号に開示されている。
これらの特許は、スリングによつて支持されてい
る水袋で構成された背もたれクツシヨンをもつウ
オーターチエアーに関するものである。スリング
は椅子の固い平らな背面に対しそれを覆う形で付
けられており、水袋はスリングの内部に移動空間
のある形で置かれている。椅子の底部のクツシヨ
ンを水袋をもつ点では同様に形成されており、そ
の水袋は包装またはカバーの中に納められてい
る。そしてクツシヨンは固い平らな支持台によつ
て保持されている。

【発明が解決しようとする課題】

上記の引用特許中に述べられ請求されているウ
オーターチエアーは、広範囲にとくに従来のソフ
アに腰かけた時に不具合な圧点を感じていた老人
の使用時に歓迎された。しかし水袋は、１カ所に
力が集中するとその部分の水が移動し、かなりの
ストレスを受けることになり、水袋の溶接された
とじ目がその高いストレスを受けて裂けるおそれ
があることもわかつた。さらに水袋は、スリング
の中で折れ曲りしわくちやになる傾向があり、疲
弊によつて起る裂け目がその折れた線上にできる
おそれがあることもわかつた。

【課題を解決するための手段】

本発明は、台座部分と背もたれ部分をもつ枠か
らなる椅子の提起する上記問題を緩和することを
目的とする。少なくとも１個の袋状のスリングが
背もたれ部に固定され、その背もたれ部にはその
１個のスリングか、あるいは上端を次々に前のス
リングと隣接する形の複数のスリングが留めつけ
られ、その中には不浸透性の水袋が各１個納めら
れ、スリングによつて包まれている。各水袋には
部分的に水が入つており、水の入つていない部分
は排気されているので、水袋とその覆いのスリン
グは椅子の使用者の体型を支持し、それに適合す
るクツシヨンとして機能する。更にスリング内の
水袋はスリングに留められ、その中に吊るされて
いるので、自ら潰れ落ちたり、圧力が集中して折
り畳まれた線を作つたりしない。 水袋をその覆いのスリングの中に留めるのにベ
ルクロ ストリツプ（マジツクテープ）を使つて
もよいが、水袋はスリングの中の適所に付着して
いることが望ましい。 特に望ましい構造は、２つ以上のスリングが椅
子の背もたれ部に固定され、そのスリングは少し
ずつ間をあけるか、少しずつ重なるかして、次々
に下から上へ向けて配置されているものである。 各水袋の合計容量は、水袋を拡げる傾向のある
水の移動力が水袋を包んでいるスリングに伝わる
ように、その覆いのスリングの全容量とほぼ等し
いか、またはそれより僅かに大きいことが望まし
い。こうしてスリングは、水袋の局部的な拡張を
妨げ、圧力が袋にもたらす破裂を妨げるよう機能
する。 スリング及びスリングの中に包まれている水袋
は、スリングそのものが椅子に腰かけている人に
実際には接触しないよう詰め物材料で覆われてい
ることが望ましい。その通常の“覆う”機能のほ
かに、詰め物材料は、椅子に腰かけている人によ
つてもたらされる力を分散し、スリングに支持さ
れている水袋に集中した力が加わるのを妨げたり
弱めたりするのにも役立つ。 本発明に合致する椅子はまた、水をいくらか入
れた水袋をその包みとなるカバー内に納めている
形の台座クツシヨンをもつていることが望まし
い。ここでも水袋は、いかなる時にも過度の拡張
が抑止されるよう全容積の合計がそのカバーの容
積合計にほぼ等しいか、またそれより僅かに大き
いことが望ましい。

【実施例】

本発明は、ウオーターチエアーの望ましい具体
例の以下の説明から、より十分に理解されるもの
と思われる。説明は添付の図を参照してなされ
る。 第１図に示すとおりウオーターチエアーは、背
もたれ部１０と台座部１１を含む枠構造をもつ。
参照図には基本構造だけが図中が示されている。 強化プラスチツク材のシート１２は、背もたれ
の側部１３の間に拡がつており、ステープル１４
で側部に固定されている。これと類似のシート１
５も、椅子の台座部のサイドレイル１６の間に拡
がり、そこに留めつけられている。背もたれのシ
ート１２はその下端に沿つて伸びている尾部１７
をもち、その尾部は背もたれを前方に突出させ、
椅子の台座クツシヨン１８（第２図）の上に乗せ
るように意図されている。 図面の第２図、第３図に示されているとおり、
詰め物をしたヘツドレスト１９が椅子の背もたれ
部１０の上部にレイルに取付けられており、３つ
のスリング２０が椅子の背もたれ上に拡がるシー
ト１２に固定されている。スリング２０は、椅子
の背もたれ部の横幅全体にまたがつており、それ
らは互いに平行に並んで各上辺２１をシート１２
に縫いつけたり、溶接したり、糊づけしたりする
形で背もたれに固定されている。 スリング２０は、キヤンバスやギヤバジンある
いは強化プラスチツクの布材などの強い生地で作
られる。下に潰れ落ちない状態の時は、第４図に
示す通り各スリングは、一般に横長の形をしてい
る。 各スリング２０は１個の水袋２４に対し１つの
隔室を形成し、スリングは水袋２４をスリング内
に納めることのできる開閉ジツパー２５を備えて
いる。ベルクロ ストリツプ２６は各スリングの
トツプパネル２７の内面に留め付けられ、ストリ
ツプ２６は水袋２４の上方パネル２９に固定され
ている接合ストリツプ２８と接着するよう意図さ
れている。ベルクロ ストリツプ２６と２８は、
水袋２４スリング２０内に納められている時、水
袋がスリング内で潰れ落ちるのを妨げる。ベルク
ロ ストリツプを使う代りに、水袋の上方パネル
２９をスリングのトツプパネルの内面に糊づけし
てもよい（その方が望ましいこともある）。 各水袋２４は一般に長方形をとり、不浸透性の
プラスチツク生地材料で作られる。水袋の各種の
パネルは、バツクパネル２９を含めてまとめて結
合されており、フロントパネル３０はそこから水
を入れることのできる開閉キヤツプ３１を有して
いる。 各水袋２４は、それを納めているスリングの容
積にほぼ等しいか、またはそれより僅かに大きい
容積をもつ。この構成ではスリングは、水袋がス
リングの容積以上に拡大することを妨げ、それに
よつて水袋は過度の膨張に至らずに済む。このこ
とは、体重の重い人が椅子に体を投げかけたり身
体を納めたりした場合に起るような集中負荷を袋
が被つた場合にも、水袋２４の縫い目が破裂する
ようなストレスを受けないことを意味する。 外部からの負荷によつて影響されない場合、ス
リング２０は椅子の背にただ吊るされているだけ
となり、そのスリンズが内包している水袋２４の
中の静止した水の塊のために、スリングは図面の
第２図に示されるのとほぼ同じ形をとる。このよ
うに各水袋の底部にある水により、水袋とそれを
包むスリングは底部の重い球根状となる。 水袋２４は、水が袋の容積の90％よりやや少な
い部分を占めるよう水３２が詰められる。そして
残つている空気は、各袋の空き部分から排出され
る。その後、人が椅子に腰かけて背もたれにもた
れると袋内の水３２な押しやられ、水袋２４とス
リング２０の両方が使用者の体型に適合する。こ
の状態は図面の第３図に示されている。 水袋２４とそれを納めているスリング２０は、
外カバー３３によつて外からは見えないように覆
われている。カバーは１番下のスリング２０の下
に織り込まれ、椅子の頂部やベルクロ タブに沿
う背もたれの左右に留められていてもよい。カバ
ー３３は椅子の詰め物材の一部にもなり、プラス
チツクのフオーム材シート上に外張り生地や皮張
りを施した形で作られる。 台座クツシヨン１８は、全面的に包まれた水袋
３５を包むという意味で背もたれクツシヨンと幾
分類似した形式で作られている。 水袋３５は水を通さないプラスチツク素材のシ
ートでできており、このシートはそこから水をい
くらか袋に入れる開閉キヤツプ３８（第６図）を
有している。水袋３５の上面と正面にはプラスチ
ツクフオーム素材のシート３６が張られており、
構造全体が外カバー３７によつて包まれている。 外カバー３７は織布または皮生地を包み、いず
れの場合には椅子の詰め物の一部となる。図面で
は示されていない外カバー３７には、水袋３５の
アセンブリーを外カバーに入れるために開くこと
のできる周囲に伸びるジツプフアスナーが取付け
けられている。プラスチツクフオーム素材から成
る櫛形支持部３９と４０はカバー３７内に置か
れ、水袋３５の背面と側辺を支持するのに役立つ
ている。 背もたれクツシヨンの場合と同様に台座クツシ
ヨンの水袋３５は、変形力を受けた時に水袋が弾
力的に圧迫されないようにカバー３７の総容量に
ほぼ等しいか、あるいはそれより僅かに大きい容
量をもつ。人が台座に乗つた時の結果として台座
クツシヨンが受ける力、または水袋を伸ばす傾向
があるかもしれない力、水袋をカバー３７の容積
いつぱいまで占めさせ、袋が過度の伸長ストレス
を受ける前にカバーによつて抑止されるようにす
る。 台座クツシヨンは背もたれクツシヨンの下をそ
の後方まで伸び、背もたれシート１２の下辺尾部
１７は台座クツシヨンと背もたれクツシヨンとの
間にある。この結果、互いに邪魔しあうか、また
はそれぞれ別の独立した動きをする２つの分離し
たクツシヨンとなるのではなく、一体となつて１
つの機能をする組立てとなつている。台座クツシ
ヨンと背もたれクツシヨンの両方は、椅子に腰か
けた人の体型に順応するよう運動する。

【図面の簡単な説明】

第１図は俗にいうクツシヨンや詰め物材料など
の付属品に先立つ金属あるいはプラスチツクまた
は木枠の台座と背もたれを示す構造図である。第
２図は椅子に水袋のクツシヨンと詰め物を付けて
第１図の２−２面で切断した椅子の断面正面図を
示す。第３図は第２図と似ているが体を載せた形
にした椅子の変形部が示されている。第４図はス
リングを椅子の背もたれから外して、下に落ちて
潰れていない状態にした時の遠近図である。第５
図は水袋をその覆いのスリングから外して、下に
落ちて潰れていない状態にした時の遠近図であ
る。第６図は椅子の台座クツシヨンを第２図の６
−６面で切断した断面正面図を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 台座部分と背もたれ部分のある枠を含み、複
   数の袋状のスリングが背もたれ部に固定され、各
   スリングは順にその上辺に近接しながら背もたれ
   部に留められ、その中には不浸透性の袋が置かれ
   て各スリングで包まれ、各袋にはいくらかの水が
   詰められてその空間の水の詰まつていない部分は
   空気がほぼ完全に抜かれ、それにより袋とそれを
   包むスリングが椅子の使用者の体型を支持し、こ
   れに適合するクツシヨンとして機能でき、各スリ
   ング内の袋は水が部分的に詰められた時、自ら潰
   れ落ちないようスリングの中に固定され吊るされ
   ていることを特徴とするウオーターチエアー。