JPH09215372A - 動力発生装置及びその応用機器たる掃除機 - Google Patents

動力発生装置及びその応用機器たる掃除機

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JPH09215372A
JPH09215372A JP8019597A JP1959796A JPH09215372A JP H09215372 A JPH09215372 A JP H09215372A JP 8019597 A JP8019597 A JP 8019597A JP 1959796 A JP1959796 A JP 1959796A JP H09215372 A JPH09215372 A JP H09215372A
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和彦 麻田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 交流電源入力の単相一石(双方向スイッチン
グ回路使用)の簡単な構成で、必要な力を得ること。 【解決手段】 第1の物体51と、第2の物体52と、
交流電源53と、双方向スイッチング素子60を有し、
駆動回路60は、位置検知手段72と極性検知回路62
の排他的論理和に応じて双方向スイッチング素子60の
開閉を行うことにより、巻線66に適切な向きの電流を
供給する。以上の構成により、交流電源53を入力と
し、単相でかつ双方向スイッチング回路60が1個の簡
単な構成でありながらも必要な力(あるいはトルク)が
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭用および産業
用に使用されるモータやリニアモータなど、機械的にパ
ワーを取り出して負荷に供給する装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の技術における、一般にDCブラシ
レスモータと呼ばれる動力発生装置の回路図を図10に
示す。図10の動力発生装置は、一般に固定子と呼ばれ
る第1の物体1と、第1の物体1の内側に回転自在に設
けられ、一般に回転子と呼ばれる第2の物体2を有して
いる。第2の物体2は、永久磁石3、永久磁石4、磁性
体5、出力軸6により成り立っていて、永久磁石3は磁
性体5の表面にN極が外側になるように接着されてお
り、永久磁石4は磁性体5の表面にS極が外側になるよ
うに接着されている。出力軸6は、磁性体5の中心に取
り付けられていて、回転の動力を外部の機械的な負荷に
取り出すために設けられている。
【0003】第1の物体1は、鉄心7、巻線8a、巻線
9a、巻線10a、巻線8b、巻線9b、巻線10bに
よって構成されており、巻線8a、巻線9a、巻線10
a、巻線8b、巻線9b、巻線10bはいずれも、第2
の物体2が回転した場合、永久磁石3および永久磁石4
が発生する磁束を受ける位置に巻かれ、巻線8aと巻線
8bは直列に接続され、巻線9aと巻線9bは直列に接
続され、巻線10aと巻線10bは直列に接続されてい
る。鉄心7は、磁気回路の磁気抵抗を減らす作用をする
もので、永久磁石3および永久磁石4から発生する磁束
が巻線8a、巻線9a、巻線10a、巻線8b、巻線9
b、巻線10bに作用する際、その磁束を大にする作用
をしている。
【0004】交流電源11は、100V60Hzで、一
般に商用電源とも呼ばれるものである。交流電源11の
出力は、全波の整流回路12に接続されている。整流回
路12は、ダイオード13、ダイオード14、ダイオー
ド15、ダイオード16によって構成され、交流電源1
1の全波整流波形を出力するものである。インバータ1
7は、整流回路12の出力に接続されていて、一般に3
相インバータと呼ばれる構成となっている。インバータ
17は、トランジスタ18、トランジスタ19、トラン
ジスタ20、トランジスタ21、トランジスタ22、ト
ランジスタ23、ダイオード24、ダイオード25、ダ
イオード26、ダイオード27、ダイオード28、ダイ
オード29によって構成されている。また、フィルタ回
路40は、電解式の平滑コンデンサ41とチョークコイ
ル42によって構成され、整流回路12の出力電圧をリ
プルが少ない、ほぼ完全な直流にすることができるもの
となっている。
【0005】制御回路30は、駆動回路31と、論理回
路32によって構成され、各トランジスタのベース端子
は、すべて駆動回路31に接続されている。位置検知手
段33は、第2の物体2上に設けられたホールIC3
4、ホールIC35、ホールIC36によって構成され
ていて、第2の物体2が回転運動する際、永久磁石3お
よび永久磁石4の位置を検知して電気的に出力するもの
である。論理回路32は、位置検知手段33からの信号
を受け、それに応じて各トランジスタのオンオフ信号を
作り出す仕組みとなっている。
【0006】以上の構成により、従来の技術の動力発生
装置は、第2の物体2の回転に応じて、位置検知手段3
3から信号が出力され、その信号によって論理回路32
からHIGH又はLOW信号が出力され、その信号によ
って駆動回路31が作用し、HIGH信号の場合には、
当該トランジスタにベース電流を供給してオンさせ、L
OWの場合には、ベースに逆バイアスを印加してオフ状
態とさせる。それによって、電流が所定の巻線に供給さ
れ、その巻線は永久磁石3または永久磁石4の磁束と作
用して、力を発生し、永久磁石3と永久磁石4は、その
反作用でトルクを生み、出力軸6からそのトルクを取り
出すことができる。外部の負荷はそのトルクで回転運動
を起こし、第2の物体2もそれと連動して回転運動を行
うが、ある角度だけ回転すると、位置検知手段33の作
用により、論理回路32への信号が変化し、論理回路3
2の出力も変化して、インバータ17を構成する各トラ
ンジスタのオンオフ状態の変化が起こる。と、各巻線へ
の電流供給状態が変化し、再び永久磁石3および永久磁
石4からトルクが発生するようになる。
【0007】このような動作を繰り返すことにより、従
来の技術の動力発生装置は、出力軸6から連続的に機械
的な回転パワーを外部の負荷に供給することができるも
のである。また、このような動力発生装置を用いた掃除
機も市販されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術においては、第1の物体1に多数の巻線
が必要となり、またインバータ17の構成が非常に複
雑、かつ部品点数が多いことから、組立工数および材料
費が大となり、その結果装置の価格が高くなるという課
題があった。
【0009】また、従来の技術の動力発生装置を使用し
た掃除機は、スイッチング素子の数が多いことなどのた
めに、価格が高いものとなり、また大型となるという課
題も有していた。従来の技術で、掃除機を構成する場合
には、このようなスイッチング素子を多数使用する動力
発生装置を用いる方法のほかに、一般に整流子モータと
呼ばれる、整流子とブラシを有する動力発生装置を使用
したものも多かったが、これらは、ブラシと整流子との
機械的な摩擦と、整流作用による電気的な磨耗が発生す
るため、特に長期間の使用に対しては、信頼性に課題を
有するものであった。
【0010】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、第1の物体を構成する巻線の相数を1とするこ
とにより、第1の物体の構成を簡単とし、かつ前記巻線
に電流を供給するためのスイッチング素子の数を極力削
減することにより、電気部品の数を大幅に減少させ、も
って低コストながら十分な性能を発揮する動力発生装置
を提供するものである。また、装置の部品点数を減ら
し、構成を簡単にすることにより、信頼性を確保した上
で、小形・低価格の掃除機を実現するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明は、単相の巻線と鉄心を有する第1の物体
と、前記第1の物体に対して相対的に可動に設けられ永
久磁石を有する第2の物体と、交流電源と、双方向の電
流の開閉が可能な開閉端子対とその開閉を制御する制御
入力端子を有する双方向スイッチング回路と、位置検知
手段と、極性検知回路と、駆動回路とを備え、前記巻線
は、前記永久磁石の磁束が作用する位置に設けられ、前
記開閉端子対は、前記交流電源の一端子と前記巻線の一
端子間に接続され、前記交流電源の他端は前記巻線の他
端に接続され、前記位置検知手段は、前記第1の物体の
前記永久磁石の磁気が作用する位置に固定されて対向す
る前記永久磁石の極性を検知し、前記極性検知回路は、
前記交流電源の電圧の瞬時値の正負を判定し、前記双方
向スイッチング回路の制御端子は、前記駆動回路に接続
され、前記駆動回路は、前記位置検知手段の出力と前記
極性検知回路の出力の排他的論理和に応じて前記双方向
スイッチング回路を開閉してなるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、極性検知
回路は、交流電源の瞬時値の極性に応じた信号を出力
し、位置検知手段は対向する永久磁石の極性に応じた信
号を出力し、駆動回路は、位置検知手段と極性検知回路
の出力の排他的論理和によって、双方向スイッチング回
路を開閉することから、低速時においては、前記双方向
スイッチング素子が、ほぼ交流電源の周波数でオンオフ
し、巻線に半波の整流出力が印加されることから、およ
そ1/2の時間比率ではあるが、第1の物体と第2の物
体との間に力(あるいはトルク)を発生することができ
る。また、高速回転時において、交流電源の周波数より
も、位置検知手段の出力信号の周波数の方が高くなった
場合には、位置検知手段からの信号の周波数によって、
双方向スイッチング回路の開閉が行われることから、や
はり1/2の時間比率ではあるが、第1の物体と第2の
物体との間に力(あるいはトルク)を発生することがで
きる。したがって、単相の巻線と双方向スイッチング回
路が1つずつという、非常に簡単な構成でありながら、
動力を発生する事が可能である。
【0013】請求項2記載の発明は、第1の物体と第2
の物体の間に、磁気抵抗が最小になろうとする力(リラ
クタンス力)が作用することから、負荷に必要な力があ
る程度以下の条件であれば、死点からはずれた位置で停
止し、つぎの起動時においては、駆動回路が、交流電源
の電圧の瞬時の極性が、所定の向きの力(あるいはトル
ク)が得られる位相で開閉動作を行うことから、巻線は
適切な向きの電流を流すことができ、したがって必ず起
動力を得ることができる。したがって、非常に簡単な構
成でありながら、起動を保証することができる。
【0014】請求項3記載の発明は、トランジスタと整
流ブリッジとを組み合わせて双方向スイッチング回路を
構成したことにより、一方向の電流のスイッチングにつ
いては、前記整流ブリッジを構成するダイオードのうち
2本が導通状態、他の2本が逆阻止状態となり、逆方向
の電流のスイッチングについては、それらの立場が逆転
することにより、開閉動作がなされる。したがって特に
高速回転(あるいは走行)時に必要となる高速のオンオ
フ動作となり、かつ電圧・電流の向きが単方向しか許さ
れないトランジスタの特性をカバーすることが可能とな
るために、装置を簡単・安価な構成で実現することがで
きるものである。
【0015】請求項4記載の発明は、スイッチング素子
がオフした瞬間にダイオードがオンし、巻線に蓄えられ
た余分なエネルギーを直流電源に回生することから、ス
イッチング素子のターンオフ時のスパイク電圧を抑える
ことができ、信頼性を向上することができると同時に、
ムダな電力の消費がなくなり、高効率の装置を実現する
ことができるものである。
【0016】請求項5記載の発明は、サージ吸収回路に
よって、双方向スイッチング回路がターンオフした瞬間
の巻線の蓄積エネルギーを吸収することによって、比較
的簡単な構成で、双方向スイッチング回路に発生する過
渡的な過電圧を吸収することができることから、双方向
スイッチング回路を構成する素子には、耐圧の低い安価
なものを使用しながらも、高い信頼性を確保することが
でき、かつ前記負荷にも直流の電源を供給することがで
きるものである。
【0017】請求項6記載の発明は、スナバ回路によっ
て、双方向スイッチング回路がターンオフした瞬間の巻
線の蓄積エネルギーを吸収することによって、非常に簡
単な構成で、双方向スイッチング回路に発生する過渡的
な過電圧を吸収することができることから、双方向スイ
ッチング回路を構成する素子には、耐圧の低い安価なも
のを使用しながらも、高い信頼性を確保することができ
るものである。
【0018】請求項7記載の発明は、導通比制御回路
が、動作期間と休止期間の値を制御することによって、
巻線および双方向スイッチング回路に流れる電流の値を
増減することができることから、例えば起動時等の過電
流を抑えることが可能となり、よって巻線や双方向スイ
ッチング回路などの電流定格を低くすることによって、
装置の小形化、コストダウンが可能となり、あるいは高
い信頼性の確保が実現し得るものとなるものである。
【0019】請求項8記載の発明は、第1〜第7に述べ
た構成の動力発生手段によって送風ファンを回転駆動す
ることから、整流子やブラシのない構成で装置が実現で
き、よって長期間の使用においても信頼性の高い掃除機
が、簡単な構成で実現されるものであり、すなわち低価
格、小形の掃除機が提供することを可能とさせるもので
ある。
【0020】(実施の形態1)図1に第1の実施の形態
における回転の動力を出力する動力発生装置の回路図を
示す。図1においては、第1の物体51、第2の物体5
2、100V60Hzの出力を有する交流電源53、I
GBT式のトランジスタ54と、ダイオード55〜58
による整流ブリッジ59で構成される双方向スイッチン
グ回路60、駆動回路61、交流電源53の出力電圧V
ACの瞬時の極性を検知し、VACが正の場合にはハイ
を、負の場合にはローを出力する極性検知回路62を備
えている。双方向スイッチング回路60は、整流ブリッ
ジの入力端子d、eを開閉端子対としていて、トランジ
スタ54のゲート端子を制御端子fとしている。
【0021】なお、本実施の形態においては、駆動回路
61は、EX−OR回路63と電流バッファ64によっ
て成り立っている。電流バッファ64は、EX−OR回
路63の出力cがハイの場合に、トランジスタ54のゲ
ート・エミッタ間に20Vの順電圧を印加したオンさ
せ、cがローの場合には、ゲート・エミッタ間を0Vに
短絡することによりオフさせるものである。第2の物体
52は、第1の物体51に対して軸65により回転自由
に設けられ、第1の物体51は、直径0.75mmエナ
メル線で構成した単相の巻線66が、鉄心67に巻かれ
ている。
【0022】本実施の形態においては、鉄心67は、厚
さ0.35mmのケイ素鋼板を互いに電気的に絶縁し、
114枚積み重ねた積層構造を有しており、巻線66の
巻数は、120ターンとしている。第2の物体52は、
第2の永久磁石68、第2の永久磁石69を鉄心70の
表面に張り付けている。 第2の永久磁石68は、外側
にN極、内側にS極を有し、第2の永久磁石69は、逆
に外側にS極、内側にN極を有している。鉄心67と、
第2の物体52の間には、ギャップ71があり、ギャッ
プ71の大きさは、図1に示されるように、一定ではな
く、0.2mmから0.5mmまでの傾斜をつけてい
る。巻線66は、第2の永久磁石68・69の磁束が作
用する位置に設けられており、図1に示す向きに電流が
流れた時に、鉄心67の中に磁束Φが正となる向きに発
生せしめる様な向きに巻かれているものとなっている。
【0023】位置検知手段72は、第1の物体51に固
定されたホールICによって構成されていて、永久磁石
68・69の外側の面に対向するように設けられてい
る。位置検知手段72は、S極が対向している場合に
は、出力bをハイとし、N極が対向している場合には、
出力bをローに出力するものである。図2は、図1の動
力発生装置の低速時における動作波形図を示したもので
ある。図2において、(ア)は交流電源53の出力電圧
VACの波形、(イ)は極性検知回路62の出力aの波
形、(ウ)は位置検知手段72の出力波形、(エ)はE
X−OR回路63の出力電圧cの波形を示したものであ
る。
【0024】交流電源53の周波数が60Hzであるが
故に、aの波形は、周波数が60Hzの方形波となり、
第2の物体52が回転することにより、bの波形は
(ウ)の様になる。EX−OR回路63には、(イ)と
(ウ)が入力されることから、それらの排他的論理和を
とった(エ)の信号が出力されてくる。トランジスタ5
4は、(エ)の波形において、ハイとなっている期間に
オン状態となるが、整流ブリッジ59の作用によって、
d−e間は、正負いずれの電流についても、トランジス
タ54がオンとなっている期間において、ちょうどスイ
ッチの接点が閉じられた状態となり、双方向のスイッチ
ングが行われることになる。(エ)におけるハイ期間に
おいては、d−e間が短絡された状態となり、ロー期間
においては、d−e間が解放された状態となる。ただ
し、ハイ期間において、巻線66に流れる電流の向き
は、交流電源53の電圧VACの極性によって異なり、
VACが正の期間、すなわち(イ)がハイの期間、t5
〜t6、t7〜t8、t13〜の各期間においては、図
1のIが正となる方向であるため、Φは正となり、第2
の物体52の鉄心70には、左側にN極、右側にS極が
発生する。その期間においては、(ウ)は必ずローであ
って、位置検知手段72に対向する永久磁石68・69
の外側の面は、N極であることから、第2の物体52に
は、時計方向のトルクが発生することになる。
【0025】また、VACが負の期間、すなわち(イ)
がローの期間、t1〜t2、t3〜t4、t9〜t1
0、t11〜t12の各期間においては、図1のIが負
となる方向であるため、Φは負となり、第2の物体52
の鉄心70には、左側にS極、右側にN極が発生する。
その期間においては、(ウ)は必ずハイであって、位置
検知手段72に対向する永久磁石68・69の外側の面
は、S極であることから、第2の物体52には、やはり
時計方向のトルクが発生することになる。すなわち、発
生するトルクは、どれも時計方向(矢印に示す向き)と
なるので、この方向に回転がなされる。
【0026】なお、(エ)がローの期間には、双方向ス
イッチング回路60がオフの状態となり、巻線66の電
流がほぼ0となり、電流によるトルクは発生しないもの
である。
【0027】本実施の形態においては、ギャップ71が
一定の大きさではなく、傾斜をもったものになっている
ことから、磁気的な凹凸を有していて、第2の物体52
の回転角によってはリラクタンストルク、すなわち磁気
抵抗を最も小にしようとする様にトルクが発生する。軸
65に接続されている機械的な負荷が、必要とするトル
クが小である場合、前述のリラクタンストルクによっ
て、最も磁気抵抗が小さくなる角度、すなわちギャップ
と、N極またはS極の中心が対向する角度において、第
2の物体52が引きつけられるようにして停止するとい
う効果を得る。図1に示した状態のその1つの場合であ
り、他の場合は、図1から180度回転させ、永久磁石
68と69を逆とした状態である。いずれの状態にあっ
ても、巻線の電流Iによるトルクを全く受けることがな
くなる位置(これを死点という)から、ずれた位置で静
止する状態となっていることから、次回の起動時には、
駆動回路61の作用によって、双方向スイッチング回路
60がオンオフすれば、巻線66に電流が流れ、かつそ
の時に発生するトルクの向きは、必ず第2の物体52を
時計方向に回転させようとする向きであることから、次
回の起動が確実に行えるという特徴を有する装置が実現
できるものである。
【0028】図3は、毎分6000回転の速度で第2の
物体52が回転している状態における、各部の波形を示
したものである。本実施の形態においては、第1の物体
51および第2の物体52の構造を2極の構成としてい
るため、毎分6000回転している状態では、位置検知
手段72の出力はbは、(ウ)に示すように、100H
zとなる。この場合においても、(エ)におけるハイ期
間においては、d−e間が短絡された状態となり、ロー
期間においては、d−e間が解放された状態となり、や
はりハイ期間において、巻線66に流れる電流の向き
は、交流電源53の電圧VACの極性によって異なるも
のとなる。
【0029】つまり、VACが正の期間、すなわち
(イ)がハイの期間、t1〜t2、t3〜t4、t9〜
の各期間においては、図1のIが正となる方向であるた
め、Φは正となり、第2の物体52の鉄心70には、左
側にN極、右側にS極が発生する。その期間において
は、(ウ)は必ずローであって、位置検知手段72に対
向する永久磁石68・69の外側の面は、N極であるこ
とから、第2の物体52には、時計方向のトルクが発生
することになる。
【0030】また、VACが負の期間、すなわち(イ)
がローの期間、t5〜t6、t7〜t8の各期間におい
ては、図1のIが負となる方向であるため、Φは負とな
り、第2の物体52の鉄心70には、左側にS極、右側
にN極が発生する。その期間においては、(ウ)は必ず
ハイであって、位置検知手段72に対向する永久磁石6
8・69の外側の面は、S極であることから、第2の物
体52には、やはり時計方向のトルクが発生することに
なる。すなわち、発生するトルクは、やはり時計方向
(矢印に示す向き)となり、この方向に回転がなされ
る。
【0031】以上のようにして、本実施の形態の動力発
生装置は、単相の巻線66と、1つの双方向スイッチン
グ回路60を有する、非常に簡単な構成でありながら、
起動時、低速、高速のいずれにおいても、時計方向のト
ルクを生むことができるため、良好に動作させることが
できるものとなる。
【0032】なお、本実施の形態では、双方向スイッチ
ング回路60の構成要素として整流ブリッジを使用して
いるが、従来の技術においても、この構成要素は、交流
電源をまず直流電源に変換するために用いられる(図1
0の整流回路12に相当する)ものであることから、こ
れによる構成部品点数の増加は発生しない。
【0033】また、スイッチング時の特にターンオフに
おける動作は、IGBT式のトランジスタ54のターン
オフ特性によって決まるものであり、整流ブリッジ59
の構成要素であるダイオード55、56、57、58
は、逆回復時間が長いものであっても動作が悪くなるこ
とがないため、従来の技術によく用いられる低速用の安
価な部品で十分間に合うものである。
【0034】(実施の形態2)図4は、第2の実施の形
態における動力発生装置の回路図である。図4において
は、図1とよく似た構成となっており、しかしながら以
下の点において、図1とは異なった構成となっているも
のである。巻線78は、中間タップkを有し、交流電源
53の一端子は、kに接続されている。双方向スイッチ
ング回路60の一端子は、巻線78の一方の端のlに接
続され、巻線78の他端子mは、トライアックで構成し
た補助スイッチング素子76を通って、交流電源53の
他端子に接続されている構成となっているものである。
なお、本実施の形態においては、m−k間とk−l間の
ターン数は、いずれも120ターンの巻数を持たせてい
る。
【0035】補助スイッチング素子76のゲート端子に
は、補助駆動回路77が接続され、補助駆動回路77
は、駆動回路61からトランジスタ54のゲート電圧が
0Vの印加となり、それによって双方向スイッチング回
路60がオン状態からオフ状態にターンオフ動作を行う
タイミングにおいて、補助スイッチング素子76のゲー
トから電流パルスを引き抜くことによって、補助スイッ
チング素子76をオンさせるものである。
【0036】以上の構成において、動作の説明を行う。
双方向スイッチング回路60のオンオフについては、駆
動回路61によって行われ、したがって、そのタイミン
グ等については、図1と全くの同一動作となる。巻線7
8による、鉄心67の内部への磁束の発生については、
交流電源53から巻線78のk−l間に電流Iが通ずる
ことによってなされるものとなるが、その時にはIが正
であるならば、Φが正となるという向きに磁束の形成が
なされ、これは図1の場合と同じ動作である。
【0037】双方向スイッチング回路60がオンの状態
になっている時には、d−e間の電圧がほぼ0となって
いるが、この時には補助スイッチング素子76の両端子
間には、巻線78がオートトランス(単巻変圧器)とし
て作用し、m−k間とk−l間の電圧がほぼ同値とする
働きによって、交流電源53の出力の瞬時電圧の約2倍
が印加されている状態で、オフを保っているものとな
る。トランジスタ54が駆動回路61からの信号によっ
てターンオフされた瞬間に、本実施の形態においては、
補助駆動回路77は、補助スイッチング素子76のゲー
トからの電流引き抜き動作を行い、これによって補助ス
イッチング素子76はターンオンする。
【0038】ここで、トライアックは、ゲート電流の向
きと主回路の電流の極性によって、ターンオンさせるた
めの感度が異なり、ゲート電流を正(ゲート端子から流
し込む向き)とすると、感度の低いモードが存在して、
良好なターンオンがなされないことがあるが、本実施の
形態においては、ゲートから電流を引き抜く方向で、補
助駆動回路76はターンオンの信号を発することから、
十分なゲート感度がえられ、従って確実に補助スイッチ
ング素子76のターンオンがなされるものとなる。双方
向スイッチング回路60がオフとされると、オン期間中
において、巻線78に流れていた電流Iによって、磁気
回路内に磁気的なエネルギーの蓄積がなされており、そ
のエネルギーの放出がなされようとする動作によって、
巻線78の各端子間には、かなりの電圧がサージ的に発
生するという現象が見られる。
【0039】本実施の形態では、この期間においては、
前述したように、補助スイッチング素子76のオンが見
られることから、前述の蓄積エネルギーの大部分は、巻
線78のm−kから交流電源53へ回生されることか
ら、k−l間に発生する電圧も同様に抑えられ、よって
双方向スイッチング回路60のd−e間に印加される電
圧のピーク値を低く抑えることができるものとなる。
【0040】したがって、トランジスタ54や整流ブリ
ッジ59を構成している各ダイオードに必要な耐圧仕様
は、低減することができ、低価格のものを使用すること
ができるものとなる。当然、高耐圧の部品で構成するな
らば、信頼性を十二分に持たせた設計を行うことも可能
となるのは、いうまでもないことである。
【0041】本実施の形態においては、トライアックに
よって、補助スイッチング素子76を構成していること
により、双方向スイッチング回路60に流れる電流の極
性がいずれの場合に、ターンオフになった時にも、補助
スイッチング素子76に流れる電流が双方向としている
ので、前述の蓄積エネルギーの放出による、双方向スイ
ッチング回路への過電圧の印加を効果的に吸収すること
ができ、かつ交流電源53への蓄積エネルギーの回生動
作が終了した段階では、トライアックを通過する電流が
0となることから、自然にトライアックのターンオフが
なされる。したがって、補助駆動回路77は、非常に簡
単な構成で実現でき、かつ蓄積エネルギーの大きさによ
らず、必要なだけの期間だけ補助スイッチング素子76
のオンを行わせ、その後に自動的にオフとし、初期状態
に戻すことができるという優れた特徴を持つものとな
る。
【0042】(実施の形態3)図5は、第3の実施の形
態における動力発生装置の回路図である。図5において
も、図1と非常によく似た構成としており、双方向スイ
ッチング回路60のd−e間にスナバ回路79を接続し
た点が加えられている。スナバ回路79は、コンデンサ
80と抵抗81の直列回路によって、構成されている。
【0043】動作については、双方向スイッチング回路
60がオン状態になっている時には、コンデンサ80の
電荷はなく、電圧がほぼ0の状態となっている。双方向
スイッチング回路60が駆動回路61によってターンオ
フされると、図4の説明において述べたように、磁路内
の蓄積された磁気エネルギーの放出が行われようとし
て、巻線66の右端から電流が流出しようとする。この
電流は、スナバ回路79のコンデンサ80と抵抗81を
経て交流電源53に流れ出すことから、抵抗81による
ドロップと、コンデンサ80の充電による電圧上昇の和
がd−e間に印加されるが、これらの定数を適切に選択
することにより、d−e間の印加電圧のピーク値を低く
抑えることができる。よって、簡単な構成でありなが
ら、双方向スイッチング回路60のターンオフ時の過渡
的な過電圧の印加を抑えることができるものとなる。
【0044】本実施の形態においても、双方向スイッチ
ング回路60に流れる電流の正負を問わず、スナバ回路
79による効果が期待できるものである。なお、双方向
スイッチング回路60がオフ状態にある期間において
は、コンデンサ80には電圧がかかり、充電がなされて
いることから、次回の双方向スイッチング回路60のタ
ーンオンの際には、コンデンサ80の蓄積エネルギー
は、抵抗81を通じて放電されるものである。したがっ
て、抵抗81の電力定格値は、これらの充放電電流によ
る損失にたいして十分に耐量が確保できるものを選定す
ることになる。
【0045】なお、本実施の形態では、スナバ回路79
を双方向スイッチング素子60のd−e間に設けている
が、トランジスタ54のコレクタ・エミッタ間に接続し
た場合にあっても、効果はほぼおなじであり、その場合
には、コンデンサ80に印加される電圧の極性は一方向
のみとなる。
【0046】(実施の形態4)図6は、第4の実施の形
態における動力発生装置の回路図である。図6において
も、図1と非常によく似た構成としており、双方向スイ
ッチング回路60を構成するトランジスタ54のコレク
タ・エミッタ間にサージ吸収回路82を接続した点が加
えられている。サージ吸収回路82は、コンデンサ84
と負荷85を並列に接続し、これにダイオード83を直
列に接続した構成で成り立つものである。
【0047】次に動作の説明を行う。双方向スイッチン
グ回路60が駆動回路61によってターンオフされる
と、図4の説明において述べたように、磁路内の蓄積さ
れた磁気エネルギーの放出が行われようとして、巻線6
6の右端から電流が流出しようとする。
【0048】本実施の形態では、この電流は、整流ブリ
ッジ59を経て、トランジスタ54のコレクタ・エミッ
タ間に加わる。ここで、ダイオード83がオンし、コン
デンサ82に電流が流れ込むことにより、コレクタ・エ
ミッタ間の電圧のピーク値を、ほぼコンデンサ82の端
子電圧以下に抑える様に作用するものである。ここで、
負荷85は、ヒータ、モータ等の直流電圧で動作するも
のが使用され、これらの電圧定格が、交流電源53のピ
ーク電圧よりも若干高めのものであれば、あとは消費電
流が許される範囲で直流電源の供給が可能となるもので
ある。消費電流の大きすぎるものを接続した場合には、
トランジスタ54の印加電圧は低く抑えられる反面、蓄
積エネルギーの放出に要する時間が長く必要となること
から、実働に差し支えない範囲に抑える必要性はある。
【0049】なお、負荷85として、特に直流電圧で動
作できるものがない場合には、抵抗器を設けて、そこで
損失を行わせる方法もある。その場合には、構成部品と
してわざわざ抵抗器を別途設ける必要があるため、やや
経済的には不利となるが、磁路の蓄積エネルギーによる
双方向スイッチング回路60への過電圧の印加を抑える
作用としては、同様に期待ができるものである。
【0050】本実施の形態においても、双方向スイッチ
ング回路60に流れる電流の向きがどちら向きであって
も、整流ブリッジ59の作用によって、かならずサージ
吸収回路82によるトランジスタ54の印加電圧の過渡
的なピークに対する保護動作が行われるものである。
【0051】(実施の形態5)図7は、第5の実施の形
態における動力発生装置の回路図である。図7において
も、図1と非常によく似た構成としており、パルス列を
出力する導通比制御回路74が備え付けられており、駆
動回路73は、AND回路75によって、EX−OR回
路63出力cと導通比制御回路74の出力hとの論理積
をとって、出力gとし、それを電流バッファ64に出力
している点が相違点となっている。本実施の形態におい
ては、導通比制御手段74は、約20kHzの一定周波
数で規則的にパルス列を出力し、かつそのハイの期間の
比率(デューティ比)は、10%〜100%の範囲で連
続的に変化することができるものとなっている。
【0052】図8に、図7の構成の動力発生装置の低速
回転時における各部の動作波形を示している。(ア)〜
(エ)は、図2と全くの同一の波形となっている。
(オ)は、(エ)と導通比制御回路74の出力hの論理
積となっていることから、(エ)がハイの期間におい
て、導通比制御手段74のパルス列がそのまま出力さ
れ、(エ)がローの期間においては、ローに固定されて
出力がなされている。図8は、導通比制御回路74の出
力のデューティ比が50%としていることから、パルス
列のハイ期間は、25μsとなる。
【0053】一般に、巻線に発生する誘導起電力の値
は、回転の速度に比例し、低速時においては、誘導起電
力の値が非常に低くなるが、一方では交流電源53の出
力電圧は、回転速度によらず一定の振幅であるため、誘
導起電力の値が小さい低速時においては、非常に大きな
電流が流れてしまう傾向がある。しかし、本実施の形態
においては、低速時において、導通比制御回路74の作
用によって、駆動回路61をコントロールし、双方向ス
イッチング回路60のオン時間を25μsに制限してい
ることから、巻線66および双方向スイッチング回路6
0に流れる電流の大きさを低く抑えることができるもの
である。したがって、巻線66、および双方向スイッチ
ング回路60を構成している各部品の電流定格を低く抑
えることができ、それによって低コスト、小形の構成が
可能となっている。
【0054】なお、本実施の形態では、特に起動直後な
どの低速時においては、デューティ比を10%という低
い値とし、速度が上昇するに従い、それに応じてデュー
ティ比も増加させていく制御を行っていることから、速
度が上昇しても、電流値がほぼ一定に保たれ、良好な加
速性能を実現しているものである。
【0055】本実施の形態においては、毎分4000回
転以上となった場合には、導通比制御回路74の出力信
号hをハイに固定し、デューティ比を100%としてい
るが、必ずしもこのような制御にする必要はなく、高速
時においても引き続き100%未満のデューティ比で制
御を行ってもよい。また、本実施の形態では、磁路の蓄
積エネルギーを逃がすための特別な構成を設けていない
が、例えば図4〜図6のような構成を付け加えて、それ
を実現するようにしてもよい。その場合には、20kH
zのスイッチングの際に、そのターンオフの期間ごと
に、蓄積エネルギーを吸収することができる。したがっ
て、図4のような補助スイッチング素子を設ける場合に
は、補助駆動回路は20kHzの周波数で、ゲート信号
を発生させる。
【0056】以上のように、本実施の形態では、導通比
制御回路74が動作することにより、過電流の防止がな
されるものである。
【0057】なお、電流が抑えられることにより、当然
発生する力(トルク)も抑えられるが、起動時に特別大
きな力(もしくはトルク)を必要とする応用を除いて
は、別段の問題は発生しないものである。
【0058】なお、図1〜図8で示した各実施の形態に
おいては、第1の物体51および第2の物体52を2極
としているが、特に2極に限るものではなく、4極や6
極、さらに多い極数にしたものも当然可能である。
【0059】また、各実施の形態は、回転運動を行うい
わゆるモータと呼ばれる実施の形態を示しているが、リ
ニアモータに用いてもよい。
【0060】また、トランジスタ54をIGBTにて構
成を行っているが、特にこの種類のものでなければなら
ないという限定はなく、例えばMOSFET、バイポー
ラ石などを用いてもよく、その場合には、駆動回路をそ
れに応じた出力特性のものとすることによって実現する
ことができるものである。
【0061】また、各実施の形態においては、EX−O
R回路63を用い、その出力を電流バッファ64に入れ
て使用しているが、極性検知回路62のハイとローが逆
であったり、位置検知手段72の出力のハイとローが逆
であったり、巻線66と磁束Φの発生する方向が逆であ
ったり、ギャップ71の傾斜(もくしは回転させたい方
向)等が、EX−OR回路63だけではローとハイが逆
になってしまう場合もあり得る。
【0062】このような場合には、どこかで論理のハイ
とローを逆にすることにより、正常な動作を行わせるこ
とができるものであり、例えばそのために、EX−OR
回路63の出力などにNOT回路を挿入するなど、構成
に若干手を加えたものも、本発明の範疇と見なせるもの
である。
【0063】(実施の形態6)図9は、第6の実施の形
態における掃除機の断面図である。図9においては、請
求項1〜請求項7のいずれかによる動力発生装置86が
設けられていて、送風ファン87が動力発生装置86の
軸に接続されている。紙パック88は、吸い取ったゴミ
をためるためのもので、ホース89、ノズル90が設け
られている。電源コード91は、100Vの交流電源
(周波数は60Hz等)に接続するために設けられてい
る。なお、前輪93、後輪92は、掃除機を移動すると
きに、使い勝手が良いように設けられているものであ
る。
【0064】以上の構成における動作は、電源コード9
1によって、交流電源が動力発生装置86に供給され、
それによって送風ファン87が回転駆動され、空気と一
緒にゴミがノズル90、ホース89を経て紙パック88
に集められることにより、掃除ができるものである。こ
こで、動力発生装置86は、すでに図1〜図8による説
明で述べた請求項1〜請求項7の構成のものによって成
り立っていることから、整流子やブラシがなく、したが
って長期間の使用によっても信頼性の確保が十分にで
き、また、単相の巻線と、双方向スイッチング素子を使
用した非常に簡単な構成で実現されていることから、低
価格・小形の掃除機を実現しているものである。
【0065】また、送風ファン87を機械負荷としてい
ることから、起動に必要なトルクも数gcmと非常に小
さく、またギャップに傾斜をつけるなどして、磁気的な
凹凸を設け、死点を外した位置に引きつけておく構成を
とる場合にも、送風ファン87は例えばベアリングなど
の使用により、回転の摩擦を非常に小さくすることが可
能となることから、上記のギャップは、0.2〜0.5
mm程度のごく小さな値で十分な効果を得ることができ
ることから、起動時の動作も、確実に保証することがで
きるものとなる。
【0066】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、特に第1の物体と、第2の物体と、交流電源と、
双方向スイッチング回路と、位置検知手段と、極性検知
回路と、駆動回路からなり、前記第2の物体は、前記第
1の物体に対して相対的に可動に設けられ、前記第1の
物体は、単相の巻線と鉄心を有し、前記第2の物体は、
永久磁石を有し、前記巻線は、前記永久磁石の磁束が作
用する位置に設けられ、前記双方向スイッチング回路
は、双方向の電流の開閉が可能な開閉端子対と、その開
閉を制御する制御入力端子を有し、前記開閉端子対は、
前記交流電源の一端子と前記巻線の一端子間に接続さ
れ、前記交流電源の他端は前記巻線の他端に接続され、
前記位置検知手段は、前記第1の物体の前記永久磁石の
磁気が作用する位置に固定され、対向する前記永久磁石
の極性を検知し、前記極性検知回路は、前記交流電源の
電圧の瞬時値の正負を判定し、前記双方向スイッチング
回路の制御端子は、前記駆動回路に接続され、前記駆動
回路は、前記位置検知手段の出力と前記極性検知回路の
出力の排他的論理和に応じて前記双方向スイッチング回
路を開閉する構成としたことにより、1/2の時間比率
ではあるが、第1の物体と第2の物体との間に力(ある
いはトルク)を発生することができる。したがって、巻
線が単相であり、双方向スイッチング回路が1個しかな
い極簡単な構成であるにも関わらず、動力を発生するこ
とができるものとなる。
【0067】また、請求項2記載の発明によれば、特
に、補助スイッチング素子と、補助駆動回路を有し、前
記巻線を、中間タップを持った3端子とし、前記中間タ
ップには前記交流電源の一端を接続し、前記巻線の一端
には前記双方向スイッチング回路の一端を接続し、前記
巻線のもう一方の端子と前記交流電源の他端子の間に、
前記補助スイッチング素子を接続し、前記補助スイッチ
ング素子は、前記補助駆動回路によってオンオフされ、
前記補助駆動回路は、前記双方向スイッチング回路が、
ターンオフされた直後に導通される構成としたことによ
り、信頼性を向上することができると同時に、ムダな電
力の消費がなくなり、高効率の装置を実現することがで
きるものである。
【0068】また、請求項3記載の発明によれば、特
に、鉄心に磁気的な凹凸を設け、死点からずれた位置で
磁気抵抗が最小となる構成としたことにより、つぎの起
動時においては、駆動回路が、交流電源の電圧の瞬時の
極性が、所定の向きの力(あるいはトルク)が得られる
位相で開閉動作を行うことから、巻線は適切な向きの電
流を流すことができ、したがって必ず起動力を得ること
ができ、非常に簡単な構成でありながら、起動を保証す
ることができる。
【0069】また、請求項4記載の発明によれば、特
に、動力発生装置の双方向スイッチング回路を、整流ブ
リッジと、トランジスタで構成し、前記整流ブリッジ
を、4本のダイオードによって構成し、前記トランジス
タのコレクタとエミッタを、前記整流ブリッジの出力端
子の正負端子にそれぞれ接続し、前記整流ブリッジの入
力端子を開閉端子対とし、前記トランジスタのゲートま
たはベースを制御端子としたことにより、電圧・電流の
向きが単方向しか許されないトランジスタの特性をカバ
ーし、装置を簡単・安価な構成で実現することができる
ものである。
【0070】また、請求項5記載の発明によれば、特
に、サージ吸収回路を有し、前記サージ吸収回路は、コ
ンデンサと負荷の並列回路にダイオードを直列接続し、
前記サージ吸収回路は、前記トランジスタのコレクタと
エミッタ間に接続した構成としたことにより、双方向ス
イッチング回路を構成する素子には、耐圧の低い安価な
ものを使用しながらも、高い信頼性を確保することがで
き、かつ前記負荷にも直流の電源を供給することができ
るものである。
【0071】また、請求項6記載の発明によれば、特
に、スナバ回路を有し、前記スナバ回路は、抵抗とコン
デンサの直列回路によって構成され、前記スナバ回路
は、前記双方向スイッチング回路に並列に接続した構成
としたことにより、非常に簡単な構成で、双方向スイッ
チング回路に発生する過渡的な過電圧を吸収することが
できることから、双方向スイッチング回路を構成する素
子には、耐圧の低い安価なものを使用しながらも、高い
信頼性を確保することができるものである。
【0072】また、請求項7記載の発明によれば、特
に、導通比制御回路を有し、前記導通比制御回路は、前
記駆動回路に接続され、前記駆動回路に対して、動作信
号と休止信号を所定の比率で交互に出力し、前記駆動回
路は、前記休止信号期間には、前記双方向スイッチング
回路を非導通とする構成としたことにより、装置の小形
化、コストダウンが可能となり、あるいは高い信頼性の
確保が実現し得るものとなるものである。
【0073】さらに、請求項8記載の発明によれば、特
に、送風ファンを有し、前記送風ファンは、前記動力発
生装置によって回転駆動される構成としたことにより、
小形・低価格でありながら、優れた信頼性を得ることが
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における動力発生装
置の回路図
【図2】同、動力発生装置の低速時の動作波形図
【図3】同、動力発生装置の毎分6000回転時の動作
波形図
【図4】本発明の第2の実施の形態における動力発生装
置の回路図
【図5】本発明の第3の実施の形態における動力発生装
置の回路図
【図6】本発明の第4の実施の形態における動力発生装
置の回路図
【図7】本発明の第5の実施の形態における動力発生装
置の回路図
【図8】同、動力発生装置の低速時の動作波形図
【図9】本発明の第6の実施の形態の動力発生装置の応
用機器たる掃除機の断面図
【図10】従来の動力発生装置の回路図
【符号の説明】
51 第1の物体 52 第2の物体 53 交流電源 60 双方向スイッチング回路 72 位置検知手段 62 極性検知回路 61 駆動回路 66 巻線 67 鉄心 68 永久磁石

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単相の巻線と鉄心を有する第1の物体
    と、前記第1の物体に対して相対的に可動に設けられ永
    久磁石を有する第2の物体と、交流電源と、双方向の電
    流の開閉が可能な開閉端子対とその開閉を制御する制御
    入力端子を有する双方向スイッチング回路と、位置検知
    手段と、極性検知回路と、駆動回路とを備え、前記巻線
    は、前記永久磁石の磁束が作用する位置に設けられ、前
    記開閉端子対は、前記交流電源の一端子と前記巻線の一
    端子間に接続され、前記交流電源の他端は前記巻線の他
    端に接続され、前記位置検知手段は、前記第1の物体の
    前記永久磁石の磁気が作用する位置に固定され対向する
    前記永久磁石の極性を検知し、前記極性検知回路は、前
    記交流電源の電圧の瞬時値の正負を判定し、前記双方向
    スイッチング回路の制御端子は、前記駆動回路に接続さ
    れ、前記駆動回路は、前記位置検知手段の出力と前記極
    性検知回路の出力の排他的論理和に応じて前記双方向ス
    イッチング回路を開閉する動力発生装置。
  2. 【請求項2】 中間タップを有する単相の巻線と鉄心を
    有する第1の物体と、前記第1の物体に対して相対的に
    可動に設けられ永久磁石を有する第2の物体と、交流電
    源と、双方向の電流の開閉が可能な開閉端子対とその開
    閉を制御する制御入力端子を有する双方向スイッチング
    回路と、補助スイッチング素子と、補助駆動回路と、位
    置検知手段と、極性検知回路と、駆動回路とを備え、前
    記巻線は前記永久磁石の磁束が作用する位置に設けら
    れ、前記開閉端子対は、前記交流電源の一端子と前記巻
    線の一端子間に接続され、前記交流電源の他端は前記巻
    線の中間タップに接続され、前記巻線の別の一端子と前
    記交流電源の前記巻線の中間タップとの接続側の反対側
    の端子の間に、前記補助スイッチング素子を接続し、前
    記位置検知手段は、前記第1の物体の前記永久磁石の磁
    気が作用する位置に固定されて対向する前記永久磁石の
    極性を検知し、前記極性検知回路は、前記交流電源の電
    圧の瞬時値の正負を判定し、前記双方向スイッチング回
    路の制御端子は、前記駆動回路に接続され、前記駆動回
    路は、前記位置検知手段の出力と前記極性検知回路の出
    力の排他的論理和に応じて前記双方向スイッチング回路
    を開閉し、前記補助スイッチング素子は、前記補助駆動
    回路によってオンオフされ、前記補助駆動回路は、前記
    双方向スイッチング回路が、ターンオフされた直後に導
    通される動力発生装置。
  3. 【請求項3】 鉄心は、磁気的な凹凸を有し、死点から
    ずれた位置で磁気抵抗が最小となる請求項1または2記
    載の動力発生装置。
  4. 【請求項4】 双方向スイッチング回路は、整流ブリッ
    ジと、トランジスタを有し、前記整流ブリッジは、4本
    のダイオードを有し、前記トランジスタのコレクタとエ
    ミッタは、前記整流ブリッジの出力端子の正負端子にそ
    れぞれ接続され、前記整流ブリッジの入力端子を開閉端
    子対とし、前記トランジスタのゲートまたはベースを制
    御端子とした請求項1〜3のいずれか1項に記載の動力
    発生装置。
  5. 【請求項5】 サージ吸収回路を有し、前記サージ吸収
    回路は、コンデンサと負荷の並列回路にダイオードを直
    列接続し、トランジスタのコレクタとエミッタ間に接続
    した請求項4記載の動力発生装置。
  6. 【請求項6】 スナバ回路を有し、前記スナバ回路は、
    抵抗とコンデンサの直列回路によって構成され、双方向
    スイッチング回路に並列に接続した請求項1〜5のいず
    れか1項に記載の動力発生装置。
  7. 【請求項7】 導通比制御回路を有し、前記導通比制御
    回路は、前記駆動回路に接続され、前記駆動回路に対し
    て動作信号と休止信号の期間を所定の比率で交互に出力
    し、前記休止信号期間には双方向スイッチング回路を非
    導通とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の動力発
    生装置。
  8. 【請求項8】 送風ファンを有し、前記送風ファンは、
    動力発生装置によって回転駆動されてなる請求項1〜7
    のいずれか1項に記載の動力発生装置の応用機器たる掃
    除機。
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