JPH09214570A - 4値fsk復調回路 - Google Patents

4値fsk復調回路

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JPH09214570A
JPH09214570A JP3708596A JP3708596A JPH09214570A JP H09214570 A JPH09214570 A JP H09214570A JP 3708596 A JP3708596 A JP 3708596A JP 3708596 A JP3708596 A JP 3708596A JP H09214570 A JPH09214570 A JP H09214570A
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英人 山口
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健三 占部
Hiroki Suzuki
裕樹 鈴木
Morihito Sugiura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】4値FSK変調の変調指数の差が小さい場合で
も回転速度の大小の判定出力のジッターやあいまいさの
発生を軽減し、復調精度の向上を図る。 【解決手段】4値FSK変調された入力を直交検波して
得られる同相成分Iと直交成分Qをそれぞれ2値整形し
た信号の移動平均を求め、それをアドレスとしてROM
5に与え対応する位相角θをとり出す。その位相角とn
サンプル遅延させた遅延位相角との位相差分Δθを求め
て積分放電するとともに、位相差分の絶対値を求めて積
分放電する。これらの2つの積分放電値を用いて4値判
定し、復調出力とするように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無線受信機等に用
いられる復調回路に係わり、特に、4値FSK変調され
たキャリア信号を変調指数の大小に係わらず適正に復調
し、且つIC化に適する4値FSK復調回路に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に周波数偏移(FSK:Frequency
Shift Keying)変調は、入力信号に応じて、予め定めら
れた量だけ出力波の周波数をシフトさせる周波数変調の
一方式で、変調時には出力波中に位相の不連続が生じな
いようになっている。そして、FSK復調の一つの方法
として、FSK変調されたキャリア信号の受信波につい
て、その周波数と同一の局部発振周波数を用いてキャリ
ア信号を直交検波し、直交ベースバンド信号I(同相成
分)及びQ(直交成分)を得た後にFSK復調を行う所
謂零IF検波方式がある。
【0003】まず、直交検波形(零IF検波方式)の2
値FSK復調回路について、図14によって説明する。
図14は、従来の2値FSK復調回路の構成ブロック図
である。従来の2値FSK復調回路は、図14に示すよ
うに、零IF検波回路1と、2つのコンパレータ2と、
位相比較回路20とから構成されている。
【0004】次に、従来の2値FSK復調回路の各部に
ついて具体的に説明する。零IF検波回路1は、FSK
変調されている入力キャリア信号INを入力して、該入
力と同一の周波数を有する局部発振信号を用いて直交検
波し、同相成分Iと直交成分Qを出力する。コンパレー
タ2は、零IF検波回路1から出力された直交検波出力
を2値整形するもので、コンパレータ2−1は同相成分
Iを2値整形し、コンパレータ2−2は直交成分Qを2
値整形する。具体的には、次の(1)式の2値整形関数
sgn(x)を用いて2値整形し、2値整形された矩形波
の信号 sgn(I)及び sgn(Q)を出力する。
【0005】
【数1】
【0006】位相比較回路20は、コンパレータ2−1
の出力とコンパレータ2−2の出力を比較し、一方が他
方に対して位相が進んでいるか遅れているかを2値判定
し、判定結果の2値(0か1か)を検波出力DETとし
て出力する。具体的には、入力キャリア信号INと同一
の局部発振周波数を基準として、入力キャリア信号IN
の瞬時周波数が高い場合と低い場合のそれぞれで、2値
整形された同相成分Iと直交成分Qとで表現される2次
元ベクトルの回転方向が逆になることから、この回転方
向を判別することにより入力キャリア信号INの瞬時周
波数の高,低の2値を検波して出力するようになってい
る。
【0007】次に、従来の2値FSK復調回路の動作を
図15によって説明する。従来の2値FSK復調回路
は、入力キャリア信号INが入力されると、零IF検波
回路1が入力キャリア信号INと同一の周波数を有する
局部発振信号を用いて直交検波し、同相成分Iと直交成
分Qとを出力し、コンパレータ2−1とコンパレータ2
−2とがそれぞれ同相成分Iと直交成分Qを2値整形す
る。そして、位相比較回路20は、コンパレータ2で2
値整形された同相成分Iと直交成分Qを入力とし、2値
整形された同相成分Iと直交成分Qとで表現される2次
ベクトルの回転方向を判別するように構成されている。
【0008】次に、従来の直交検波形(零IF検波方
式)の4値FSK復調回路について説明する。従来の4
値FSK復調回路で使われている復調方法については、
斎藤、赤岩「4値FSK信号のダイレクトコンバージョ
ン受信方式」電子情報通信学会技術研究報告RC94−
124 pp.43〜48に記載されている復調方法が知ら
れている。この復調方式では、同相成分Iと直交成分Q
(但し、いずれも2値整形されている)の2軸で構成さ
れるIQ平面上の信号点の回転に着目し、信号点の回転
方向と回転速度とを別々に検波し、その検波結果を組合
せることで、4値FSK信号を復調している。
【0009】従来の4値FSK復調回路における復調方
法について、図15〜図17によって具体的に説明す
る。図15は、従来の4値FSK復調方法における直交
検波信号のIQ平面上の信号点の動きを示す説明図であ
り、図16は、従来の4値FSK復調方法における直交
検波信号と2値整形された信号の例を示す説明図であ
り、図17は、従来の4値FSK復調方法における直交
検波信号を2値整形した信号のIQ平面上の信号点の動
きを示す説明図である。
【0010】4値FSKにおいて、直交検波出力では、
4値のシンボル00,01,11,10を、2つの回転
方向と2種類の回転速度との組合せで表現する。ここ
で、回転方向は、左回転(回転角がプラス方向)と右回
転(回転角がマイナス方向)とであり、回転速度は、次
式で定義される変調指数mを用いて表す。
【0011】
【数2】
【0012】例えば、大小2種類の変調指数mをm=
1,3としてFSK変調すると、直交検波出力における
各シンボルのIQ平面上での動きは、シンボル“00”
が右方向、m=3で1.5回転(図15(a)の破線)
であり、シンボル“01”が右方向、m=1で0.5回
転(図15(a)の実線)であり、シンボル“11”が
左方向、m=1で0.5回転(図15(b)の実線)で
あり、シンボル“10”が左方向、m=3で1.5回転
(図15(b)破線)である。つまり、各シンボルの上
位のビットと回転方向が対応し、下位のビットと変調指
数mの大小が対応しており、且つ回転量はmπ[rad] で
ある。
【0013】上記のような方法でシンボル系列11,1
0,01を4値FSK変調すると、直交検波後の直交成
分Qは図16(a)に示すように変化し、同相成分Iは
図16(b)に示すように変化する。そして、上記の直
交成分Qと同相成分Iとをそれぞれコンパレータ2で値
整形した信号 sgn(I)と sgn(Q)は、図16
(c),(d)のように、+1,−1の2値を持つ信号
になる。
【0014】具体的には、時間aで sgn(I)と sgn
(Q)はともに+1で始まり、時間bで sgn(I)が−
1に変化し、時間cで sgn(Q)が−1に変化する。そ
して、時間dで sgn(I)が+1に変化し、時間eで s
gn(Q)が+1に変化する。さらに、時間fで sgn
(I)が−1に変化し、時間gで sgn(Q)が−1に変
化する。そして、時間hで sgn(I)が+1に変化し、
時間iで sgn(I)が−1に変化する。
【0015】次に、2値整形した信号 sgn(I)と sgn
(Q)の動きを、 sgn(I)と sgn(Q)の2軸で表現
される信号平面上に示すと、図17のようになる。つま
り、●印は sgn(I)と sgn(Q)の値の組合せに対応
する信号点の位置であり、●印を結ぶ破線は、信号の値
が変化する瞬間の信号点の軌跡を示しており、信号の値
が変化する際に sgn(I)軸または sgn(Q)と交差す
ることになる。
【0016】具体的には、時間aから時間bの間は●A
であり、時間bの瞬間に●Bに移動し、時間bから時間
cの間は●Bであり、時間cの瞬間に●Cに移動し、時
間cから時間dの間は●Cであり、時間dの瞬間に●D
に移動する。そして、以下同様に、 sgn(I)及び sgn
(Q)が変化する毎に、その瞬間、●印を移動する。
【0017】そこで、従来の4値FSK復調回路を用い
た復調方法では、従来の2値FSK復調と同様に、まず
sgn(I)と sgn(Q)の位相関係から回転方向(左回
転または右回転)を判定する。そして、次に、1シンボ
ル毎の信号点の回転速度をカウンタを用いてカウントす
る。即ち、図17において、信号点の回転速度が速いほ
ど1シンボル間に sgn(I)軸及び sgn(Q)軸と交差
する回数も多くなるので、この回数をカウンタでカウン
トし、所定のしきい値との比較で回転速度、即ち変調指
数の大小を判定する。例えば、4値FSKの大小の変調
指数がm=3、1の場合、回転の速さはそれぞれ1シン
ボルあたり1.5回および0.5回の回転であるので、
sgn(I)軸及び sgn(Q)軸と交差する合計回数は、
それぞれ(6±1)回、(2±1)回に相当する。
【0018】これを図16に示した例で具体的に説明す
ると、変調指数がm=3の例では、シンボル“10”
で、時間c,d,e,f,g,hにおいて計6回各軸と
交差しており、変調指数がm=1の例では、シンボル
“11”で、時間a,bにおいて計2回各軸と交差して
いる。また、各々の±1回の誤差は、信号点の動作の始
点や終点が図17の●印のごく近傍にある場合、つま
り、信号の値が変化する瞬間の状態にあって、タイミン
グジッターや歪みによるあいまいさにより発生するもの
である。一方、カウントした交差回数の大小判定を行う
しきい値は、明らかに(6+2)/2=4回であり、大
小判定のマージンは、わずかに±1回のカウント値の差
になる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の2値FSK復調回路では、2値FSK復調動作に限
定されており、2値以外のFSKにはそのままでは適用
できないという問題があった。また、従来の2値FSK
が4値FSKに適用できる場合であっても、FSKの変
調指数mが小さくなるにつれて、変調信号の周期を基準
としたとき、位相角の回転方向を判別するタイミングの
周期が粗くなるため、判定出力のジッターが大きくなり
検波特性が著しく劣化するという問題点があった。一
方、上記従来の4値FSK復調回路の復調方法では、変
調指数の差が小さくなるほど回転速度の大小を判定する
ためのマージンが小さくなり、また信号点の微小な動き
が2値量子化によって消去されてしまうので、回転速度
の大小判定精度が粗くなってしまうという問題点があっ
た。
【0020】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
で、FSK変調の変調指数の差が小さい場合でも回転速
度の大小の判定出力のジッターやあいまいさの発生を軽
減し、復調精度を向上できる4値FSK復調回路を提供
することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、本発明の4値FSK復調回路は、4値FSK変調さ
れた受信信号を直交検波しベースバンド信号の同相成分
Iと直交成分Qを出力する零IF検波回路と、該零IF
検波回路から出力される同相成分Iと直交成分Qをそれ
ぞれ2値整形し2値整形信号 sgn(I)と sgn(Q)を
それぞれ出力する第1及び第2のコンパレータと、該第
1及び第2のコンパレータから出力される2値整形信号
sgn(I)及び sgn(Q)を所定の動作クロックのタイ
ミングで特定時間区間の移動平均を求めてディジタル移
動平均値〈I〉及び〈Q〉を出力する第1及び第2の移
動平均回路と、予め移動平均値〈I〉と〈Q〉のアーク
タンゼントから求めた位相角をテーブルにして記憶し、
前記第1及び第2の移動平均回路の出力をアドレスとし
て該テーブルの対応する位相角を出力するテーブルRO
Mと、前記動作クロックに従って動作し該テーブルRO
Mからの位相角をnサンプル(nは自然数)遅延させた
遅延位相角を出力する遅延回路と、前記テーブルROM
からの位相角と前記遅延位相角との位相差分を求めて出
力する位相差分回路と、該位相差分の絶対値を求めて出
力する絶対値演算回路と、前記位相差分回路からの位相
差分が入力され該位相差分が0の値を交差するタイミン
グに位相同期した受信シンボルタイミングを出力するデ
ィジタルPLLと、前記動作クロックに従って動作し前
記位相差分回路からの位相差分を前記受信シンボルタイ
ミングによる特定期間内で積分放電する第1の積分放電
回路と、前記動作クロックに従って動作し前記絶対値演
算回路からの位相差分の絶対値を前記受信シンボルタイ
ミングによる特定期間内で積分放電する第2の積分放電
回路と、前記第1の積分放電回路からの第1の積分放電
出力と前記第2の積分放電回路からの第2の積分放電出
力とが入力され、前記受信シンボルタイミングのタイミ
ングで、前記第1の積分放電出力の正負を判定するとと
もに、前記第2の積分放電出力と所定のしきい値とを比
較して該第2の積分放電出力の値域を判定することによ
り4値FSKのシンボル判定を行った復調出力を得る判
定回路とを備えたことを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】その実施の形態を図面を参照しな
がら説明する。まず、本発明に係る4値FSK復調回路
の構成について図1によって説明する。図1は、本発明
に係る4値FSK復調回路の構成ブロック図である。な
お、図14と同様の構成をとる部分については同一の符
号を付して説明する。
【0023】本発明の4値FSK復調回路は、零IF検
波回路1と2つのコンパレータ2は従来の2値FSK復
調回路と同じであるが、本発明の特徴部分として、クロ
ック発生回路3と、2つの移動平均回路4と、テーブル
ROM5と、遅延回路6と、位相差分回路7と、絶対値
演算回路8と、DPLL9と、2つの積分放電回路10
と、判定回路11とが設けられている。
【0024】次に、上記本発明回路の各部について具体
的に説明する。零IF検波回路1は、従来と同様に、F
SK変調された入力キャリア信号INが入力されたと
き、該入力と同一の周波数を有する局部発振信号を用い
て直交検波し、同相成分Iと直交成分Qとを出力する。
ここで、零IF検波回路1の詳細について図2によって
説明する。図2は、本発明の零IF検波回路1の内部構
成の一例を示す構成ブロック図である。この零IF検波
回路1は、90°分配回路12と、2つのミキサー回路
13−1,13−2と、2つのLPF14−1,14−
2と、局部発振回路15とから構成されている。
【0025】局部発振回路15は、4値FSK変調され
伝送された受信データである入力キャリア信号INと同
一の周波数の信号を発振する発振回路である。90°分
配回路12は、局部発振回路15からの信号を同相(0
°)と、90°位相シフトした直交(90°)の2信号
に分配してそれぞれ出力する分配回路である。ミキサー
回路13は、2つの入力信号を乗算して周波数混合する
乗算回路であり、ミキサー回路13−1は入力キャリア
信号INと90°分配回路12からの同相(0°)信号
とを乗算し、ミキサー回路13−2は入力キャリア信号
INと90°分配回路12からの直交(90°)信号と
を乗算する。LPF14は、高周波成分を除去する低域
ろ波器(Low Pass Filter :LPF)であり、LPF1
4−1はミキサー回路13−1からの信号の高周波成分
を除去して入力キャリア信号INの同相成分Iを出力
し、LPF14−2はミキサー回路13−2からの信号
の高周波成分を除去して入力キャリア信号INの直交成
分Qを出力する。
【0026】零IF検波回路1の動作は、局部発振回路
15から出力される入力キャリア信号INと同一周波数
の信号を90°分配回路12が同相(0°)と直交(9
0°)の2信号に分配して出力する。そして、入力キャ
リア信号INが入力されると、ミキサー回路13−1は
入力キャリア信号INと90°分配回路12からの同相
信号とを乗算し、LPF14−1は高周波成分を除去し
て同相成分Iを出力する。一方、ミキサー回路13−2
は入力キャリア信号INと90°分配回路12からの直
交信号とを乗算し、LPF14−2は高周波成分を除去
して直交成分Qを出力する。
【0027】図1のコンパレータ2は、従来と同様に
(1)式の2値整形関数 sgn(x)を用いて零IF検波
回路1から出力された直交検波出力を2値整形する。コ
ンパレータ2−1は同相成分Iを2値整形して2値整形
信号 sgn(I)を出力し、コンパレータ2−2は直交成
分Qを2値整形して2値整形信号 sgn(Q)を出力す
る。クロック発生回路3は、FSK復調回路全体のディ
ジタル動作クロックCLKを発生し、移動平均回路4と
遅延回路6と積分放電回路10とに供給する。
【0028】移動平均回路4は、コンパレータ2からの
2値整形出力が入力され、クロック発生回路3から供給
されるクロックCLKのタイミングで、特定時間区間の
ディジタル移動平均値を算出する移動平均化を行う。な
お、ここで特定時間区間とは、4値FSK変調信号の1
シンボル長以内の任意の時間区間である。移動平均回路
4−1はコンパレータ2−1からの2値整形信号 sgn
(I)のディジタル移動平均値(I)を出力し、移動平
均回路4−2はコンパレータ2−2からの2値整形信号
sgn(Q)のディジタル移動平均値(Q)を出力する。
【0029】ここで、移動平均回路4の詳細について、
図3によって説明する。図3は、本発明の移動平均回路
4の内部構成の一例を示す構成ブロック図である。この
移動平均回路4は、Mビットシフトレジスタ41とアッ
プダウンカウンタ42とから構成されている。Mビット
シフトレジスタ41は、クロック発生回路3から供給さ
れるクロックCLKに従って動作するMビットのシフト
レジスタで、コンパレータ2−1の出力 sgn(I)又は
コンパレータ2−2の出力 sgn(Q)を入力データとし
て入力し、Mクロック分遅延させて出力する。アップダ
ウンカウンタ42は、クロック発生回路3から供給され
るクロックCLKに従って動作するカウント回路であ
り、アップカウント端子(UP端子)に入力される信号
の値が1である毎にカウント値をプラス1し、ダウンカ
ウント端子(DOWN端子)に入力される信号の値が1
である毎にカウント値をマイナス1してカウント値を出
力する。
【0030】アップダウンカウンタ42では、UP端子
にコンパレータ2−1の出力 sgn(I)(又はコンパレ
ータ2−2の出力 sgn(Q))が入力されて、信号の値
が1である毎にカウント値がプラス1され、一方、DO
WN端子には sgn(I)(又は sgn(Q))がMビット
シフトレジスタ41によってMクロック分遅延された信
号が入力されて、信号の値が1である毎にカウント値が
マイナス1される。従って、DOWN端子に入力される
信号の値が1の時は、必然的にそれよりもMクロックだ
け前(過去)にUP端子に入力された信号の値が1であ
ったことになり、UP端子によってプラス1されたカウ
ント値がMクロック後にDOWN端子によってマイナス
1されて相殺される。即ち、このアップダウンカウンタ
42は、常に、コンパレータ2からの信号 sgn(I)
(又は sgn(Q))に対して過去M回のサンプリングに
おいてサンプル値が1であった頻度(回数)をディジタ
ル移動平均値<I>(又は<Q>)として出力するよう
に構成されている。
【0031】図1に戻って、テーブルROM5は、2つ
の入力値(同相成分及び直交成分)に対応する位相角θ
を予め記憶しているテーブル形式の記憶部であり、移動
平均回路4−1からのディジタル移動平均値<I>と、
移動平均回路4−2からのディジタル移動平均値<Q>
をアドレスとして入力し、次式に示す2つのアドレスに
対応する位相角θ(ラジアン,−π≦θ≦π)を出力す
る。
【0032】
【数3】
【0033】遅延回路6は、クロック発生回路3から供
給されるクロックCLKに従って動作し、テーブルRO
M5から出力される位相角θが入力され、nサンプル
(n=1,2…自然数)だけ遅延させた遅延位相角θ’
を出力する。位相差分回路7は、テーブルROM5から
出力される位相角θと遅延回路6からの遅延位相角θ’
とが入力され、それらの位相差分Δθを次式によって求
め、出力する。
【0034】
【数4】
【0035】ここで、本発明の位相差分回路7の詳細に
ついて、図4によって説明する。図4は本発明の位相差
分回路7の内部構成の一例を示す構成ブロック図であ
る。この位相差分回路7は、3つの加算器71とモジュ
ロ2π演算回路72とから構成されている。すなわち、
テーブルROM5からの位相角θと、遅延回路6からの
遅延位相角θ’とが入力され、加算器71−1で位相角
θから遅延位相角θ’を減算し、加算器71−2で3π
を加算し、モジュロ2π演算回路72で mod2πの演算
を行い、最後に加算器71−3でπを減算することによ
り、位相差分Δθを出力する。なお、位相角を2進数で
表現する場合、2πラジアンを2のn乗(nは自然数)
に対応させれば、加算器71−2の出力のオーバーフロ
ー(2のn乗)を無視することがモジュロ2π演算と等
価となるので、モジュロ2π演算回路72は事実上不要
となる。
【0036】再び図1に戻って、絶対値演算回路8は、
位相差分回路7から出力される位相差分Δθが入力さ
れ、その絶対値を求め、位相差分絶対値|Δθ|を出力
する。DPLL9は、位相差分回路7から出力される位
相差分Δθを入力とし、位相差分Δθが0の値を交差す
るタイミングに位相同期した受信シンボルタイミングR
Tを出力するディジタルPLL(Digital Phase Locked
Loop :DPLL)であり、出力された受信シンボルタ
イミングRTは積分放電回路10及び判定回路11に供
給される。
【0037】積分放電回路10は、クロック発生回路3
から供給されるクロックCLKに従って動作し、位相差
分回路7から出力される位相差分Δθ又は絶対値演算回
路8から出力される位相差分絶対値|Δθ|を入力し
て、DPLL9から供給される受信シンボルタイミング
RTによって得られる1シンボルの時間周期以内で前記
位相差分Δθ又は前記位相差分絶対値|Δθ|を積分放
電する。すなわち、積分放電回路10−1は位相差分Δ
θの積分放電値ΣΔθを出力し、積分放電回路10−2
は位相差分絶対値|Δθ|の積分放電値Σ|Δθ|を出
力する。
【0038】ここで、本発明の積分放電回路10の詳細
について、図5によって説明する。図5は本発明の積分
放電回路10の内部構成の一例を示すブロック図であ
る。この積分放電回路10は、加算器101とレジスタ
102とから構成され、クロック発生回路3からのクロ
ックCLKとDPLL9からの受信シンボルタイミング
RTとがレジスタ102に供給され、位相差分回路7か
らの出力Δθ又は絶対値演算回路8からの出力|Δθ|
が加算器101の一方に入力され、レジスタ102から
の出力が加算器101の他方の入力となるように接続さ
れ、それらの加算結果はレジスタ102に入力されると
同時に積分放電値ΣΔθ又はΣ|Δθ|として出力さ
れ。
【0039】レジスタ102は、クロック発生回路3か
ら供給されるクロックCLKのタイミングで動作し、加
算器101からの出力をサンプリングすると共に、DP
LL9から供給される受信シンボルタイミングRTの1
周期毎に記憶している内容を零にリセットするリセット
機能付きのレジスタである。その結果、積分放電回路1
0では、クロックCLKのタイミングで位相差分回路7
からの位相差分Δθとレジスタ102からの出力とが加
算器101で加算されて再びレジスタ102に蓄積さ
れ、この動作をDPLL9から受信シンボルタイミング
RTが与えられるまで繰り返され、受信シンボルタイミ
ングRTでレジスタ102が零クリアされるので、リセ
ット機能付きのアキュムレータ、即ち積分放電回路が実
現できる。
【0040】図1の判定回路11は、予め記憶している
しきい値を用いて4値FSKのシンボル判定を行う判定
回路であり、具体的には、DPLL9から供給される受
信シンボルタイミングRTのタイミングで、一方で積分
放電回路10−1からの積分放電出力ΣΔθの正負を判
定し、他方で積分放電回路10−2からの積分放電出力
Σ|Δθ|としきい値とを比較して積分放電出力Σ|Δ
θ|の値域を判定し、それらの2つの判定結果から4値
FSKのシンボル判定を行うように構成されている。
【0041】ここで、本発明の判定回路11の詳細につ
いて、図6によって説明する。図6は、本発明の判定回
路11の内部構成の一例を示す構成ブロック図である。
この判定回路11は、2つのレジスタ111と2つのデ
ィジタルコンパレータ112とデコーダ113とから構
成され、DPLL9からの受信シンボルタイミングRT
が2つのレジスタ111に供給されている。レジスタ1
11−1には積分放電回路10−1からの積分放電出力
ΣΔθが入力され、受信シンボルタイミングRTのタイ
ミングでサンプリングされる。そして、ディジタルコン
パレータ112−1は、レジスタ111−1からのサン
プリング値を、0値をしきい値として正負の2値判定を
し、その判定結果を出力する。一方、レジスタ111−
2には積分放電回路10−2からの積分放電出力Σ|Δ
θ|が入力され、受信シンボルタイミングRTのタイミ
ングでサンプリングする。そして、ディジタルコンパレ
ータ112−1は、レジスタ111−2からのサンプリ
ング値と予め定められたしきい値THとを比較し、しき
い値より大きいか小さいかを2値判定し、その判定結果
を出力する。デコーダ113は、ディジタルコンパレー
タ112−1および112−2からの2つの2値判定結
果を入力し、デコードし、その結果からシンボル判定を
行い、検波復調出力DETとして出力する。
【0042】
【作用】次に、本発明の4値FSK復調回路の動作につ
いて、図1,図7,図8によって具体的に説明する。図
7は、本発明の4値FSK復調回路における移動平均回
路4で移動平均化した信号の例を示す説明図であり、図
8は、本発明の4値FSK復調回路における<I><Q
>平面上の信号点の動きを示す説明図である。
【0043】本発明の4値FSK復調回路では、4値F
SK変調された入力キャリア信号INが入力され、零I
F検波回路1で直交検波されて同相成分IおよびQが出
力される。同相成分Iは、コンパレータ2−1で2値整
形されて sgn(I)が出力され、移動平均回路4−1で
移動平均化されてディジタル移動平均値<I>となる。
一方、直交成分Qは、コンパレータ2−2で2値整形さ
れて sgn(Q)が出力され、移動平均回路4−2で移動
平均化されてディジタル移動平均値<Q>となる。
【0044】ここで、移動平均回路4で行われる移動平
均化について、具体例によって説明する。移動平均回路
4−1及び移動平均回路4−2に入力される sgn(I)
及びsgn(Q)が図16(c),(d)と同様であると
すると、移動平均化されたディジタル移動平均値<I>
及び<Q>は、図7(c),(d)に破線で示すよう
に、 sgn(I)及び sgn(Q)の矩形波が平滑化され滑
らかな曲線になる。具体的には、時間a1以前で sgn
(Q)は−1、 sgn(I)は+1だったとすると、a1
からa2までの間に sgn(Q)が−1から+1まで徐々
に変化し、a2からb1までの間は、 sgn(Q)と sgn
(I)はともに+1である。そして、b1からb2まで
の間に sgn(I)が+1から−1まで徐々に変化し、b
2からc1までの間は、 sgn(Q)は+1であり、 sgn
(I)は−1である。以下同様に、c1からc2、d1
からd2、e1からe2、f1からf2、g1からg
2、h1からh2、i1からi2までの間は、 sgn
(Q)あるいは sgn(I)が−1から+1へ、また+1
から−1へ徐々に変化し、c2からd1、d2からe
1、e2からf1、f2からg1、g2からh1、h2
からi1までの間は、 sgn(Q)と sgn(I)は+1ま
たは−1の一定値である。
【0045】そして、ディジタル移動平均値<I>及び
<Q>の2軸で表現される信号平面上の<I>及び<Q
>の組合せに対応する信号点の軌跡は、図8の実線で示
すように、 sgn(I)及び sgn(Q)の組合せに対応す
る信号点の軌跡に比べて動きが平滑化される。具体的に
は、a1からa2の間に●Dから●Aまで徐々に移動
し、a2からb1の間は●Aであり、b1からb2の間
に●Aから●Bまで徐々に移動し、b2からc1の間は
●Bである。さらにc1からc2の間に●Bから●Cま
で徐々に移動し、c2からd1の間は●Cであり、d1
からd2の間に●Cから●Dまで徐々に移動し、d2か
らe1の間は●Dである。以下同様に、信号点が時間と
ともに徐々に移動する。従って、コンパレータ2による
2値量子化で失われる信号点の微妙な動きを基本的に回
復することができる。
【0046】次に、移動平均回路4−1からのディジタ
ル移動平均値<I>と移動平均回路4−2からのディジ
タル移動平均値<Q>が、アドレスとしてテーブルRO
M5に入力されて対応する位相角θが出力され、その位
相角θと、該位相角θが遅延回路6によって遅延された
遅延位相角θ’とが位相差分回路7に入力されて、位相
差分Δθが出力される。ここで、入力キャリア信号IN
の瞬時位相をφ(t)、FSKによる瞬時周波数偏移を
m (t)(tは時間)とおくと、零IF検波の場合、
次式が成立する。
【0047】
【数5】
【0048】そして、テーブルROM5から出力される
位相角θは、−π〜+πの範囲でφ(t)の動きを反映
しており、位相差分回路7による位相差分Δθは、θに
現れる見かけ上の±2πラジアンの位相ジャンプを
(4)式によって消去するので、Δθは次式に示すよう
にφ(t)のnサンプル区間(nは遅延回路6の遅延サ
ンプル数)の真の差分値となる。
【0049】
【数6】
【0050】さらに、(5)式および(6)式により、
Δθは次に示す近似式で表現される。
【0051】
【数7】
【0052】従って、Δθは時系列番号kにおける瞬時
周波数偏移fm (k・ΔT)に比例する量であることが
わかる。換言すると、Δθは時間軸上で離散化された周
波数検波出力となっている。
【0053】次に、位相差分回路7から出力される位相
差分Δθは、積分放電回路10−1によってDPLL9
からの受信シンボルタイミングRTによって得られる1
シンボルの時間周期以内で積分放電されるとともに、絶
対値演算回路8で絶対値化された後、積分放電回路10
−2によって同様にDPLL9からの受信シンボルタイ
ミングRTによって得られる1シンボルの時間周期以内
で積分放電される。ここで、積分放電回路10−1は、
(7)式に示した位相差分Δθを時系列番号kの刻みで
1シンボル周期以内の時間長T(積分時間)の間蓄積す
ることになり、その出力は次式で示す式になる。
【0054】
【数8】
【0055】(8)式において、矩形波によるFM変調
と等価であるFSK変調の場合、fm (k・ΔT)は任
意の1シンボル周期内ではその当該のシンボルに割り当
てられた周波数偏移ΔF(i)(iはシンボル系列番
号)となり、一定となるので(8)式は次式のように変
形できる。
【0056】
【数9】
【0057】また、積分放電回路10−2は、(7)式
に示した位相差分Δθの絶対値|Δθ|を時系列番号k
の刻みで1シンボル周期以内の時間長T(積分時間)の
間蓄積することになり、その出力は(8),(9)式を
導いたときと同様に、(10)式に示す式になる。
【0058】
【数10】
【0059】次に、判定回路11は、積分放電回路10
−1からの積分放電出力ΣΔθと、積分放電回路10−
2からの積分放電出力Σ|Δθ|を入力とし、シンボル
判定を行う。(9)式から、ΣΔθはFSKの周波数偏
移ΔF(i)に比例した積分値であるので、その正負を
判定することにより、<I>及び<Q>の2軸で構成さ
れる信号平面上の<I>及び<Q>の組み合わせに対応
する信号点の軌跡の回転方向を得ることができる。そし
て、(10)式から、Σ|Δθ|はFSKの周波数偏移
の絶対値|ΔF(i)|に比例した積分値であるので、
その値域を判定することにより、<I>及び<Q>の2
軸で構成される信号平面上の<I>及び<Q>の組み合
わせに対応する信号点の軌跡の1シンボル分の回転量を
得ることができる。これらの回転方向と回転量から、4
値FSKの検波機能が実現できる。
【0060】次に、本発明を4値FSKに適応したとき
の動作を、計算機シミュレーションの結果を示した図9
〜図13を用いて説明する。ここで、計算に用いたパラ
メータとしては、伝送速度6.4kbps(変調速度:R=
3.2kbaud )、周波数偏移ΔFmax =4.8kHz (m
=3)、1.6kHz (m=1)、遅延サンプル数n=
1、積分時間T=1シンボル長、積分サンプル数T/Δ
T=64としている。また、移動平均回路4−1,4−
2の平均値算出サンプル数を16サンプルとしている。
【0061】図9は、受信波にノイズがほとんどない場
合の、本発明の4値FSK復調回路における積分放電回
路10−1からの積分放電出力ΣΔθを示したものであ
る。図は、横軸を時間とし、積分放電出力ΣΔθのとり
得るパターンを同じタイミングで重ねて描いたものであ
る。前述のように、1シンボルの時間周期で積分放電し
ている。図に示されるように、積分放電出力ΣΔθは零
値を境に2分されており、零値をしきい値にすることに
よって各シンボルの回転方向が判定できる。
【0062】図10は、受信波にノイズがほとんどない
場合の、本発明の4値FSK復調回路における積分放電
回路10−2からの積分放電出力Σ|Δθ|を示したも
のである。図は、横軸を時間とし、積分放電出力Σ|Δ
θ|のとり得るパターンを同じタイミングで重ねて描い
たものである。図9同様、1シンボルの時間周期で積分
放電している。図に示されるように、積分放電出力Σ|
Δθ|はTH値を境に2分されており、TH値をしきい
値にすることによって各シンボルの回転量の大小が判定
できる。
【0063】図11は、受信波に一定の割合でノイズが
加わっている場合の、直交検波出力の1シンボルの出力
例(シンボル“10”:左方向、1.5回転)を示して
いる。この出力例でのシンボルは、図11中aで始ま
り、b,c経てdで終わっている。図12は、図11に
示した直交検波信号が得られた場合の、本発明の4値F
SK復調回路における積分放電回路10−1からの積分
放電出力ΣΔθを破線で、積分放電回路10−2からの
積分放電出力Σ|Δθ|を実線でそれぞれ示したもので
ある。図12中a,b,c,dは、図11におけるa,
b,c,dと同じ時間を示している。図11を詳細に観
察すると、このシンボルは、IQ平面上の原点を基準
に、aからbまでは左回転し、bからcまでは右回転
し、cからdまでは再び左回転している。従って、この
図から、確率的に最も“起こりそうな”パターンとし
て、ノイズが加わった影響でbからcまでの間が右回転
になってしまったがもともとbからcも破線のように左
回転だったと考えられ、このシンボルは左方向、1.5
回転(シンボル“10”)であると推測できる。
【0064】ところが、シンボルの最終点dにおける積
分放電回路10−1からの積分放電出力ΣΔθ(図12
の破線)の値は、図10と比較してわかるように、この
シンボルが左方向、0.5回転(シンボル“11”)と
判定されるような値になっている。なぜならば、図11
中bからcまでの右回転によって左回転の回転量がキャ
ンセルされ、実際の回転量より小さくなってしまうから
である。一方、シンボルの最終点dにおける積分放電回
路10−2からの積分放電出力Σ|Δθ|の値は、この
シンボルが左方向、1.5回転(シンボル“10”)と
判定するのに十分な値となっている。
【0065】図13は、同じシンボル(シンボル“1
0”:左方向、1.5回転)を繰り返し送信し、さらに
一定の割合でノイズが加わっている場合の、本発明の4
値FSK復調回路における判定回路11での被判定値の
度数分布を示したものである。図中(a)(実線)は積
分放電出力Σ|Δθ|に関する被判定値であり、(b)
(破線)は積分放電出力ΣΔθに関する被判定値であ
る。(b)には分布のピークとなるところが2つある
が、このうち内側のピークは、先の例で述べたように、
回転方向の変化によって回転量がキャンセルされたもの
であり、従ってこの値を用いてシンボルの回転量の大小
を判定するのは不適切であるが、この値を用いてシンボ
ルの回転方向を判定することはできる。
【0066】一方、(a)は非負なのでシンボルの回転
方向の判定はできないが、シンボルの回転量を高い精度
で判定することができる。このことから、所望する信号
に対しノイズの割合が大きく、シンボルの途中で回転方
向が変化してしまっても、本発明の4値FSK復調回路
のように積分放電出力ΣΔθと積分放電出力Σ|Δθ|
の2つの値を用いてシンボル判定を行えば、シンボル誤
りを防ぐことができる。また、送信側から時間的なイン
ターバルをおいて多数回送信するタイムダイバーシチに
対しては、受信側で積分放電出力ΣΔθと積分放電出力
Σ|Δθ|を合成又は選択して用いることにより、シン
ボル単位で高いダイバーシチ利得を得ることができる。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、入力キャリア信号IN
を直交検波した同相成分I及び直交成分Qをそれぞれコ
ンパレータ2で2値整形し、以降はクロック発生回路3
から供給されるクロックに従って、ディジタル信号処理
による周波数検波機能を用いてFSK復調を行うので、
面倒な調整を行わずに4値FSKに容易に適用でき、か
つ変調指数の大小にかかわらず復調精度を向上できる効
果がある。また、コンパレータ2で2値整形した同相成
分 sgn(I)及び直交成分 sgn(Q)から移動平均回路
4でディジタル移動平均値をとって平滑化した信号につ
いて、信号点の回転方向及び回転量を判定するので、2
値整形で失われる信号点の微妙な動きを回復することが
でき、検波特性の劣化を防ぎ、良好な検波特性が得ら
れ、復調精度を向上できる効果がある。また、積分放電
回路10−1における位相差分の積分放電出力ΣΔθと
積分放電回路10−2における位相差分絶対値の積分放
電出力Σ|Δθ|の2つの値を用いてシンボル判定する
ことにより、シンボルの一時的な回転方向の変化による
シンボル判定誤りを防ぐことができ、検波特性の劣化を
防ぎ、良好な検波特性が得られ、復調精度を向上できる
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す構成図である。
【図2】本発明の実施例における零IF検波回路の詳細
構成例図である。
【図3】本発明の実施例における移動平均回路の詳細構
成例図である。
【図4】本発明の実施例における位相差分回路の詳細構
成例図である。
【図5】本発明の実施例における積分放電回路の詳細構
成例図である。
【図6】本発明の実施例における判定回路の詳細構成例
図である。
【図7】本発明の実施例における移動平均回路の動作例
説明図である。
【図8】本発明の実施例における移動平均化信号の<I
><Q>平面上の動きを示す説明図である。
【図9】本発明の実施例における積分放電回路10−1
の出力例(1)図である。
【図10】本発明の実施例における積分放電回路10−
2の出力例(2)図である。
【図11】本発明の実施例におけるノイズを含む直交検
波信号例図である。
【図12】本発明の実施例におけるノイズを含む積分放
電回路の出力例図である。
【図13】本発明の実施例における積分放電回路の出力
度数分布図である。
【図14】従来の2値FSK復調回路の構成例図であ
る。
【図15】従来の4値FSK復調回路における直交検波
信号のIQ平面上の動きを示す説明図である。
【図16】従来の4値FSK復調回路における直交検波
信号と2値整形された信号の波形例図である。
【図17】従来の4値FSK復調回路における2値整形
信号のIQ平面上の動きを示す説明図である。
【符号の説明】
1 零IF検波回路 2 コンパレータ 3 クロック発生回路 4 移動平均回路 5 テーブルROM 6 遅延回路 7 位相差分回路 8 絶対値演算回路 9 DPLL 10 積分放電回路 11 判定回路 12 90°分配回路 13 ミキサー回路 14 LPF 15 局部発振回路 20 位相比較回路 41 Mビットシフトレジスタ 42 アップダウンカウンタ 71 加算器 72 モジュロπ演算回路 101 加算器 102 レジスタ 111 レジスタ 112 ディジタルコンパレータ 113 デコーダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉浦 守人 東京都中野区東中野三丁目14番20号 国際 電気株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4値FSK変調された受信信号を直交検
    波しベースバンド信号の同相成分Iと直交成分Qを出力
    する零IF検波回路と、 該零IF検波回路から出力される同相成分Iと直交成分
    Qをそれぞれ2値整形し2値整形信号 sgn(I)と sgn
    (Q)をそれぞれ出力する第1及び第2のコンパレータ
    と、 該第1及び第2のコンパレータから出力される2値整形
    信号 sgn(I)及び sgn(Q)を所定の動作クロックの
    タイミングで特定時間区間の移動平均を求めてディジタ
    ル移動平均値〈I〉及び〈Q〉を出力する第1及び第2
    の移動平均回路と、 予め移動平均値〈I〉と〈Q〉のアークタンゼントから
    求めた位相角をテーブルにして記憶し、前記第1及び第
    2の移動平均回路の出力をアドレスとして該テーブルの
    対応する位相角を出力するテーブルROMと、 前記動作クロックに従って動作し該テーブルROMから
    の位相角をnサンプル(nは自然数)遅延させた遅延位
    相角を出力する遅延回路と、 前記テーブルROMからの位相角と前記遅延位相角との
    位相差分を求めて出力する位相差分回路と、 該位相差分の絶対値を求めて出力する絶対値演算回路
    と、 前記位相差分回路からの位相差分が入力され該位相差分
    が0の値を交差するタイミングに位相同期した受信シン
    ボルタイミングを出力するディジタルPLLと、 前記動作クロックに従って動作し前記位相差分回路から
    の位相差分を前記受信シンボルタイミングによる特定期
    間内で積分放電する第1の積分放電回路と、 前記動作クロックに従って動作し前記絶対値演算回路か
    らの位相差分の絶対値を前記受信シンボルタイミングに
    よる特定期間内で積分放電する第2の積分放電回路と、 前記第1の積分放電回路からの第1の積分放電出力と前
    記第2の積分放電回路からの第2の積分放電出力とが入
    力され、前記受信シンボルタイミングのタイミングで、
    前記第1の積分放電出力の正負を判定するとともに、前
    記第2の積分放電出力と所定のしきい値とを比較して該
    第2の積分放電出力の値域を判定することにより4値F
    SKのシンボル判定を行った復調出力を得る判定回路と
    を備えたことを特徴とする4値FSK復調回路。
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KR100431886B1 (ko) * 1998-02-24 2004-05-17 루센트 테크놀러지스 인크 데이터 수신 장치 및 방법과, 정보 수신 방법 및 시그마 델타 아날로그-디지털 변환기

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KR100431886B1 (ko) * 1998-02-24 2004-05-17 루센트 테크놀러지스 인크 데이터 수신 장치 및 방법과, 정보 수신 방법 및 시그마 델타 아날로그-디지털 변환기

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