JP3737592B2 - 4値fsk復調回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル無線受信機等に用いられる4値FSK復調回路に係り、特に容易な回路構成で、変調指数の如何にかかわらず適正に復調できる4値FSK復調回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
周波数偏移変調(FSK変調)は、周波数変調方式の一つで、入力信号に応じてキャリア信号の周波数を予め定められた量だけシフトさせて出力波をとする変調方式であって、出力波には位相の不連続が生じないように回路が構成されている。
【0003】
このように変調されたFSK復調の一方法として、FSK変調されたキャリア信号を受信すると、変調前の該キャリア信号の周波数の信号を発振する局部発振器を用いて該キャリア信号を直交検波し、直交ベースバンド信号としてI成分(同相成分)及びQ成分(直交成分)を得て、これにFSK復調を行う方法(いわゆる「零IF検波方式」)がある。
【0004】
ここでは、まず、IF検波方式による従来の2値FSK復調回路を説明し、しかる後に従来の4値FSK復調回路について説明を行うこととする。
従来の2値FSK復調回路について、図7と図8を用いて説明する。図7は、従来の2値FSK復調回路の構成ブロック図であり、図8は、従来の2値FSK復調回路における零IF検波回路の一例の構成ブロック図である。
従来の2値FSK復調回路は、図7に示すように、零IF検波回路1と、コンパレータ2と、位相比較回路5とから主に構成されている。
【0005】
次に、各部を具体的に説明する。
零IF検波回路1は、受信したFSK変調されたキャリア信号を直交検波して直交ベースバンド信号をそのI成分とQ成分とに分けてそれぞれコンパレータ2a、2bに出力するものである。
零IF検波回路1の具体的な構成については、後に説明する。
【0006】
コンパレータ2aは、直交ベースバンド信号のI成分の入力を受けて、これを矩形に変化するデジタル信号を表す波形に整形するものである(以下、この動作を「2値整形」と称する。)
コンパレータ2bは、直交ベースバンド信号のQ成分の入力を受けて、2値整形するものである。
尚、以下でコンパレータ2aの出力する信号を「整形I信号」と、コンパレータ2bの出力する信号を「整形Q信号」と称することとする。
【0007】
位相比較回路5は、コンパレータ2a、2bから整形I信号と整形Q信号との入力を受けて、どちらの信号の位相が先進しているかを表す信号を検波出力として出力するものである。具体的には、この検波出力は、「0」又は「1」の2値信号となっている。
【0008】
つまり、位相比較回路5は、受信したキャリア信号の瞬時周波数が高い場合と低い場合とで整形I信号と整形Q信号とで表現されるベクトルの回転方向が逆になることを利用して、この回転方向を比較判定して瞬時周波数の高低を2値信号として出力するものである。
【0009】
ここで、零IF検波回路1について、より詳細に説明する。
零IF検波回路1は、例えば、図8に示すように、局部発振器11と、90°分配回路12と、第1のミキサー回路13と、第2のミキサー回路14と、第1のLPF15と、第2のLPF16とから構成されているようなものが考えられる。
【0010】
以下、各部を具体的に説明する。
局部発振器11は、変調前のキャリア信号の周波数の信号を局部発振信号として90°分配回路12に出力するものである。
90°分配回路12は、局部発振信号の入力を受けて、これを同相信号としてそのまま第1のミキサー回路13に出力するとともに、局部発振信号の位相を90°シフトさせて直交信号として第2のミキサー回路14に出力するものである。
【0011】
第1のミキサー回路13は、乗算回路であって、同相信号と受信したキャリア信号とを乗算した信号を第1のLPF15に出力するものである。
第2のミキサー回路14は、乗算回路であって、直交信号と受信したキャリア信号とを乗算した信号を第2のLPF16に出力するものである。
【0012】
第1のLPF15は、高周波成分を除去する低域濾波器であり、第1のミキサー回路13から入力される信号の高周波成分を除去して直交ベースバンド信号のI成分として出力するものである。
第2のLPF16は、第1のLPF15と同様のものであって、第2のミキサー回路14から入力される信号の高周波成分を除去して直交ベースバンド信号のQ成分として出力するものである。
【0013】
つまり、局部発振信号の周波数よりも受信したキャリア信号の周波数が高ければ(そのようにFSK変調されていれば)、整形I信号と整形Q信号とで表現されるベクトルは、正の向きに回転し、局部発振信号の周波数よりも受信したキャリア信号の周波数が低ければ(そのようにFSK変調されていれば)、整形I信号と整形Q信号とで表現されるベクトルは、負の向きに回転するようになる。
【0014】
そこで、位相比較回路5がこの回転の方向を判定して、キャリア信号がどのようにFSK変調されているかを検知するようになる。
【0015】
ここで、従来の2値FSK復調回路の動作について説明する。
零IF検波回路1がFSK変調されたキャリア信号を受信して、これを直交検波し、直交ベースバンド信号のI成分とQ成分とに分けて出力する。
そして、コンパレータ2a、2bがこれらの成分を2値整形して、それぞれ整形I信号と整形Q信号とを出力する。
【0016】
そして、位相比較回路5が、整形I信号と整形Q信号との位相を比較して(整形I信号と整形Q信号とで表現されるベクトルの回転方向を検知して)、それを2値信号の検波出力として出力する。
【0017】
次に、従来の4値FSK復調回路について説明する。
4値FSK復調回路において、上述の2値FSK復調回路と同様の零IF検波方式を採用したものは、「4値FSK信号のダイレクトコンバージョン受信方式」、斎藤、赤岩、電子情報通信学会技術研究報告RCS94-124,pp.43-48に記載されている。
【0018】
そこで、以下この文献に記載されている方法の概略を説明する。
4値FSK復調回路は、受信したキャリア信号を直交検波して2値整形し、整形I信号と整形Q信号とを得るところまでは、上述の2値FSK復調回路と同じであるが、これらの信号で表現されるベクトルの回転方向を検知するとともに、さらに回転速度をも別個に検知し、これらの検知の結果によって4値FSKを復調するものである。
【0019】
4値FSK復調における直交ベースバンド信号では、各信号点は2ビットのシンボル「00」と「01」と「11」と「10」とのいずれかを表すようになっており、図9に示すように各MSBが回転方向に、LSBが回転速度に対応するようになっている。図9は、4値FSK復調回路における直交ベースバンド信号のIQ平面での動きを表す説明図である。
【0020】
すなわち回転方向は、MSBが「0」であるときに負の方向に(図9(a))、「1」であるときに正の方向に(図9(b))、それぞれ回転するようになっており、回転速度は、次に示す[数1]で定義される。
【0021】
【数1】
【0022】
ここでは、Rは変調速度をΔFmax は、最大周波数偏移を表しており、変調指数mはLSBに対応して2つ設定される。尚、回転速度は、mπである。
例えば、m=1,3とした場合、特にLSBが「0」のときに、m=3としたとすると、その際の回転速度はmπ=3πなので、図9(a),(b)の破線のように1.5回転し、また、LSBが「1」のときに、m=1としたとすると、その際の回転速度は、mπ=πなので、図9(a),(b)の実線のように0.5回転する。
【0023】
ここで、4値FSK復調回路について具体的に、「111001」と変化するデジタル信号でFSK変調されたキャリア信号を直交検波したときの直交ベースバンド信号を例にとって、図10と図11とを用いて説明する。図10は、4値FSK復調回路における信号の一例を表す説明図であり、図11は、4値FSK復調回路における信号点配置の一例を表す説明図である。
【0024】
前述したように、シンボル長を2ビットしているので、「111001」は、「11」と、「10」と、「01」とに分けられ、この順に一定時間ごとに受信している。そのため、時間を横軸にとって、受信したキャリア信号を直交検波した直交ベースバンド信号のQ成分は、図10(a)に示すような信号となり、I成分は、図10(b)に示すような信号となる。
【0025】
従って、それぞれを2値整形すると、図10(c)と図10(d)とに示されるような矩形波となる。これらが整形Q信号と整形I信号である。
ここで、これらの信号を図11に示す信号点の動きとして追跡してみると、図10の時刻t1の時点では、整形Q信号と整形I信号とはともに正であり、その状態は、図11の信号点Aで表される。
【0026】
そして、時刻t2になると、整形I信号が負となるので、その状態は図11の信号点Bに移行する。このとき状態の変化を表す軌跡は、sgn(Q)の軸と交わるようになる。つまり、LSBが「1」であるときには、1シンボルあたりの回転速度が0.5回転であるので、状態の変化を表す軌跡がsgn(Q)又はsgn(I)の軸と交差する回数は、1〜3回である。
【0027】
一方、時刻t3〜t9までの間、つまりLSBが「0」であるときには、1シンボル当たりの回転速度が1.5回転あるので、状態の変化を表す軌跡が各軸と交差する回数が5〜7回になる。
【0028】
そこで従来の4値FSK復調回路は、2値FSKと同様にしてMSBを検知した後、1シンボル当たりに、状態の変化の軌跡がsgn(Q)又はsgn(I)の軸と交わる回数をカウントし、予め設定されたしきい値との比較によって行うものであった。例えば、上述の例では、LSBが「1」のときの交差回数が1〜3回であり、「0」のときの交差回数が5〜7回なので、しきい値を「4回」とすればよい。つまり、このときの変調指数を検知する(LSBを決定する)ためのマージンは±1回となっている。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の4値FSK復調回路では、まず、シンボルタイミング抽出回路が、2値整形された信号を用いてシンボルタイミングを検出するため、シンボル変化点検出のタイミングが本来のシンボル変化点より遅れてしまうことがある上、シンボル変化点検出の際のジッターが大きくなり、真のシンボル変化点から多少ずれたシンボルタイミングを出力することがあり、適正なシンボルタイミングを得ることができないという問題点があった。
【0030】
また、従来の4値FSK復調回路では、2値整形された信号を以て回転方向と回転速度とを検知するため、例えば雑音や零IF検波回路における位相歪み、直流オフセット、上記シンボルタイミングの検出のずれ等の影響を受けて、検波出力の品質が劣化して適正に復調できないという問題点があった。
【0031】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、復調結果を適正にすることができる4値FSK復調回路を提供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、4値FSK復調回路において、4値FSK変調された信号を直交検波して同相成分と直交成分とに分離した信号の入力を受けて、前記同相成分の正負が転ずるときの前記直交成分の正負又は前記直交成分の正負が転ずるときの前記同相成分の正負の少なくとも一方を参照して、信号点間の移動の回転方向を検知し、前記検知した回転方向を1シンボル時間に亘って積分して前記1シンボル時間における信号点間の移動の回転方向を検出し、前記積分結果を前記1シンボル時間毎にリセットすることを特徴としており、回転方向を適正に判定することができ、これをもとに復調を行えば、復調の結果を適正にできる。
【0033】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、4値FSK復調回路において、変調4値FSK変調された信号を直交検波して同相成分と直交成分とに分離し2値整形した信号の入力を受けて、前記2値整形された各成分の信号を一定時間遅延して出力する遅延回路と、前記2値整形された各成分の信号と前記遅延回路から入力される各成分の信号との排他的論理和を各成分ごとに演算する排他的論理和回路と、前記排他的論理和回路から入力される各成分ごとの排他的論理和の和を1シンボル時間に亘って積分して出力する積分放電回路と、前記積分放電回路の出力と予め設定されたしきい値とを比較して回転速度を判定する判定回路とを備え、前記積分放電回路が、前記1シンボル時間毎に積分結果をリセットすることを特徴としており、回転速度を適正に判定することができ、これをもとに復調を行えば、復調の結果を適正にできる。
【0034】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、4値FSK変調されたキャリア信号を直交検波する際に、同相成分と直交成分との2軸で形成される平面上に配置される信号点の間の移動の回転方向と回転速度を検知する4値FSK復調回路であって、2値整形された各成分の信号の入力を受けて、前記特定の時間を表すタイミング信号を推定して出力するシンボルタイミング抽出回路を備え、前記移動の回転方向を検出する手段として、前記2値整形された前記各成分の信号の入力を受けて、前記2値整形された同相成分の信号の立ち上がり又は立ち下がりを検出し、当該検出の結果を出力する第1の検出手段と、前記2値整形された直交成分の信号の立ち上がり又は立ち下がりを検出し、当該検出の結果を出力する第2の検出手段と、前記2値整形された同相成分及び直交成分の信号の立ち上がり又は立ち下がりの検出の結果と、前記2値整形された各成分の信号との入力を受けて、信号点間の移動の回転方向を検出し、該回転方向の正負を表す信号を出力するベクトル検出部と、前記ベクトル検出部から入力される信号を特定の時間に亘って積分する第1の積分放電回路を備え、前記移動の回転速度を検出する手段として、前記2値整形された各成分の信号を一定時間遅延して出力する遅延回路と、前記2値整形された各成分の信号と前記遅延回路から入力される各成分の信号との排他的論理和を各成分ごとに演算する排他的論理和回路と、前記排他的論理和回路から入力される各成分ごとの排他的論理和の和を前記特定の時間に亘って積分する第2の積分放電回路とを備え、前記第1の積分放電回路及び前記第2の積分放電回路が、前記タイミング信号の入力を受けて、前記特定の時間毎に積分結果をリセットすることを特徴としており、復調の結果を適正にできる。
【0035】
上記従来例の問題点を解決するための請求項4記載の発明は、請求項3記載の4値FSK復調回路において、ベクトル検出部は、2値整形された同相成分及び直交成分の信号の立ち上がり又は立ち下がりの検出の結果と、前記2値整形された各成分の信号との入力を受けて、前記同相成分の信号が立ち上がったことを示す検出の結果の入力を受けたときに前記直交成分の信号が正であれば回転方向が負であることを表す信号を出力し、前記直交成分の信号が負であれば回転方向が正であることを表す信号を出力し、前記同相成分の信号が立ち下がったことを示す検出の結果の入力を受けたときに前記直交成分の信号が正であれば回転方向が正であることを表す信号を出力し、前記直交成分の信号が負であれば回転方向が負であることを表す信号を出力し、前記直交成分の信号が立ち上がったことを示す検出の結果の入力を受けたときに前記同相成分の信号が正であれば回転方向が正であることを表す信号を出力し、前記同相成分の信号が負であれば回転方向が負であることを表す信号を出力し、前記直交成分の信号が立ち下がったことを示す検出の結果の入力を受けたときに前記同相成分の信号が正であれば回転方向が負であることを表す信号を出力し、前記同相成分の信号が負であれば回転方向が正であることを表す信号を出力するベクトル検出部であることを特徴としており、回転方向を適正に判定することができ、これをもとに復調を行えば、復調の結果を適正にできる。
【0036】
上記従来例の問題点を解決するための請求項5記載の発明は、請求項3又は請求項4記載の4値FSK復調回路において、第1の検出手段と第2の検出手段とは、それぞれ入力された成分の信号を一定時間遅延して出力する遅延回路と、前記入力された成分の信号が前記遅延回路から入力される信号よりも大であれば当該成分の信号が立ち上がったことを示す検出の結果を出力する立ち上がり検出部と、前記入力された成分の信号が前記遅延回路から入力される信号よりも小であれば当該成分の信号が立ち下がったことを示す検出の結果を出力する立ち下がり検出部とを有する検出部であることを特徴としており、回転方向を適正に判定することができ、これをもとに復調を行えば、復調の結果を適正にできる。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態に係る4値FSK復調回路(本回路)は、コンパレータが2値整形したI信号とQ信号とを差分と積分とによって緩やかに変化する信号に変換し、これによって回転方向と回転速度とを概略判定して、その結果に基づいて4値FSK復調するものであり、復調時に頻繁に信号が変化するような誤りの影響を低減できる。
【0038】
本回路は図1に示すように零IF検波回路1と、コンパレータ2と、回転方向検出部3と、回転速度検出部4と、判定回路9とから構成されている。図1は、本回路の構成ブロック図である。
また、回転方向検出部3は、遅延回路31と、立ち上がり検出部41と、立ち下がり検出部42と、ベクトル検出部51と、積分放電回路61とから構成されており、回転速度検出部4は、遅延回路31と、XOR回路71と、シンボルタイミング抽出回路81と、第2の積分放電回路62とから構成されている。
【0039】
以下、各部を具体的に説明する。
零IF検波回路1は、従来と同様にFSK変調されているキャリア信号の入力を受けて、これを直交検波し、直交ベースバンド信号の同相成分(I成分)と、直交成分(Q成分)とを出力するものである。
【0040】
コンパレータ2aは、直交ベースバンド信号のI成分の入力を受けて、2値整形して整形I信号を出力するものであり、コンパレータ2bは、同じくQ成分を2値整形して整形Q信号を出力するものである。
【0041】
回転方向検出部3は、直交ベースバンド信号の同相成分と直交成分との入力を受けて、信号点の回転方向を検出して判定回路9に出力するものであり、回転速度検出部4は、直交ベースバンド信号の同相成分と直交成分との入力を受けて、信号点の回転速度を検出して判定回路9に出力するものである。
【0042】
回転方向検出部3及び回転速度検出部4の遅延回路31は、整形I信号と整形Q信号とをそれぞれ予め設定された一定の時間だけ遅延させて、遅延整形I信号と遅延整形Q信号を出力するものである。尚、回転方向検出部3の遅延回路31a,bと、回転速度検出部4の遅延回路31c,dとはそれぞれ遅延時間が異なっているのが一般的である。
【0043】
回転方向検出部3の立ち上がり検出部41aは、整形I信号と遅延整形I信号との入力を受けて、I成分の信号が立ち上がるタイミングを示す信号(以下、「I相立ち上がり信号」と称する)を出力するものである。
立ち下がり検出部42aは、整形I信号と遅延整形I信号との入力を受けて、I成分の信号が立ち下がるタイミングを示す信号(以下、「I相立ち下がり信号」と称する)を出力するものである。
【0044】
立ち上がり検出部41bは、整形Q信号と遅延整形Q信号との入力を受けて、Q成分の信号が立ち上がるタイミングを示す信号(以下、「Q相立ち上がり信号」と称する)を出力するものである。
立ち下がり検出部42bは、整形Q信号と遅延整形Q信号との入力を受けて、Q成分の信号が立ち下がるタイミングを示す信号(以下、「Q相立ち下がり信号」と称する)を出力するものである。
【0045】
尚、請求項において、遅延回路31aと、立ち上がり検出部41aと、立ち下がり検出部42aとをまとめて第1の検出手段と称し、同じく遅延回路31bと、立ち上がり検出部41bと、立ち下がり検出部42bとをまとめて第2の検出手段と称することとする。
【0046】
ベクトル検出部51は、整形I信号と整形Q信号とI相立ち上がり信号とI相立ち下がり信号Q相立ち上がり信号とQ相立ち下がり信号との入力を受けて、ベクトルの回転方向をベクトル信号として出力するものである。
【0047】
具体的には、ベクトル検出部51は、図2に示すように、例えばI相立ち上がり信号が入力された場合には、整形I信号が「0」から「1」に変化した場合であるので、図2(a)のように第2象限から第1象限に変化した場合と、図2(b)のように第3象限から第4象限に変化した場合の2通りが考えられるが、ここで整形Q信号の値を参照すれば、回転方向を特定できる。図2は、ベクトル検出部51の動作を表す説明図である。
【0048】
すなわち、もし、整形Q信号が「0」であれば、図2(b)に示すように第3象限から第4象限への回転であると判定でき、整形Q信号が「1」であれば、図2(a)に示すように第2象限から第1象限への回転であると判定できる。
【0049】
第1の積分放電回路61は、後に説明するシンボルタイミング抽出回路81から1シンボル時間を表す信号(受信シンボルタイミングST信号)の入力を受けて、当該信号に表される時間(1シンボル時間)だけベクトル検出部51から入力されるベクトル信号を積分して判定回路9に出力するものである。
【0050】
XOR(排他的論理和)回路71aは、整形I信号と遅延整形I信号との入力を受けて、その値が正又は零ならば「真」として「1」を表す信号とし、その値が負ならば「偽」として「0」を表す信号として、排他的論理和を算出し、第2の積分放電回路62に出力するものである。
XOR回路71bは、整形Q信号と遅延整形Q信号との入力を受けて、上記XOR回路71aと同様に排他的論理和を算出し、第2の積分放電回路62に出力するものである。
【0051】
シンボルタイミング抽出回路81は、整形I信号と整形Q信号との入力を受けて、1シンボル時間を表す受信シンボルタイミングST信号を推定して出力するものであり、図1に示すように第1の積分放電回路61と第2の積分放電回路62とに共通して出力するようにしている。
【0052】
第2の積分放電回路62は、既に述べたようにシンボルタイミング抽出回路81からシンボルタイミングST信号の入力を受けて、この信号に表される1シンボル時間に亘って、XOR回路71aと、XOR回路71bとから入力される排他的論理和の和を積分して、判定回路9に出力するものである。
【0053】
ここで、回転方向検出部3の動作について図3を用いて説明する。図3は本回路の動作を説明するためのタイミングチャート図である。
FSK変調されているキャリア信号の入力を受けて、零IF検波回路1が直交検波し、直交ベースバンド信号の同相成分(I成分)と、直交成分(Q成分)とを出力する。
【0054】
そして、コンパレータ2aが、直交ベースバンド信号のI成分の入力を受けて、2値整形して整形I信号を出力し、コンパレータ2bが、同じくQ成分を2値整形して整形Q信号を出力する。ここで出力される整形I信号は、図3(a)に示すような信号となり、整形Q信号は、図3(b)に示すような信号となる。
【0055】
次に、回転方向検知部3の遅延回路31が、それぞれ入力された整形I信号と整形Q信号とを予め設定された一定の時間だけ遅延させて、遅延整形I信号と遅延整形Q信号として出力する。
【0056】
そして、立ち上がり検出部41aが整形I信号と遅延整形I信号との入力を受けて、I相立ち上がり信号(図3(c))を出力し、立ち下がり検出部42aが整形I信号と遅延整形I信号との入力を受けて、I相立ち下がり信号(図3(d))を出力する。
【0057】
また、立ち上がり検出部41bが整形Q信号と遅延整形Q信号との入力を受けて、Q相立ち上がり信号(図3(e))を出力し、立ち下がり検出部42bが整形Q信号と遅延整形Q信号との入力を受けて、Q相立ち下がり信号(図3(f))を出力する。
【0058】
具体的に回転方向が正である場合と、回転方向が負である場合とに分けて説明すると、まず、回転方向が正である場合には、各信号は、例えば図3の左側に示すようなタイミングチャートとなる。尚、図3の左側では、回転方向が正であり、回転速度が早い場合を示している。
【0059】
つまり、I相立ち上がり信号が、図3(c)のようにベクトル検出部51に入力されるとき(A)、整形Q信号の状態は「0」であるので、回転方向は図2(b)の方向(正の方向)と検出される。
以下、同様にI相立ち下がり信号が図3(d)のように入力されるとき(B)、整形Q信号の状態は「1」であり、Q相立ち上がり信号が図3(e)のように入力されるとき(C)、整形I信号の状態は「0」であり、Q相立ち下がり信号が図3(f)のように入力されるとき(D)、整形I信号の状態は「1」であるので、回転方向は常に図2(b)の方向(正の方向)として検出される。
【0060】
従って、この場合に、第1の積分放電回路61が積分する信号は図3(g)に示されるようになり、その積分の結果は、図3(i)のようになる。
【0061】
一方、回転方向が負である場合には、各信号は、例えば図3の右側に示すようなタイミングチャートとなる。尚、図3の右側は、回転方向が負であり、回転速度が遅い場合を示している。
【0062】
上記の場合と同様に、I相立ち下がり信号が図3(d)のようにベクトル検出部51に入力されるとき(F)、整形Q信号の状態は「0」であるので、回転方向は図2(a)の方向(負の方向)として検出される。
【0063】
同様にして、I相立ち下がり信号が図3(f)のようにベクトル検出部51に入力されるとき(E)、整形I信号の状態は「1」であるので、回転方向は図2(a)の方向(負の方向)として検出される。
【0064】
従って、この場合に、第1の積分放電回路61が積分する信号は図3(h)に示されるようになり、その積分の結果は、図3(i)のようになる。
【0065】
この回転方向検出部3によれば、回転方向を表す信号が遅延回路での遅延時間分の分解能で少しずつ積分されるようにしているため、シンボルタイミングがずれても判定される回転方向への影響が少なく、判定劣化への影響は小さくなっている。
また、雑音の混入や零IF検波回路1における位相ひずみならびに直流オフセット等が存在してベクトル検出回路5が出力するベクトル情報が維持的に頻繁に変化しても、積分回路61において少しずつ積分が行われるため、回転方向の判定への影響は少なくなり、回転方向の判定を適正にできる効果がある。
【0066】
次に、回転速度検出部の動作について図4を用いて説明する。図4は、本回路の動作を説明するためのタイミングチャート図である。尚、図3と図4とは、同じ信号についての場合を示している。
【0067】
コンパレータ2aから出力される整形I信号は、既に図3において説明したとおり、図3(a)と同じ、図4(a)に示されるような変化となる。
そして、遅延回路31aが当該整形I信号を一定の時間だけ遅延させて、遅延整形I信号として図4(b)に示される信号を出力する。
【0068】
ここで、整形I信号と遅延整形I信号とが相異なる時間では、XOR回路71aが排他的論理和として、「1」を表す信号を出力するようになり、その出力は、図4(c)に示すような時間変化となる。
また、整形Q信号と遅延整形Q信号とは図示していないが、それらの排他的論理和である、XOR回路72bの出力は、図4(d)に示すような時間変化をするようになる。
【0069】
そして、第2の積分放電回路62がこれらの和を積分することによって、図4(e)に示す時間変化で積分を行うようになる。尚、図4(e)で、THとして示した線はしきい値を表しており、設定によって上下できるようになっている。現実の回路では、このしきい値は、判定回路9に設定されていて、判定回路9が該しきい値を以て回転速度を判定するようにしているものである。
【0070】
尚、ここの例では、図4(e)に示す第2の積分放電回路62の出力は、図4の左側ではしきい値に到達しているようになっており、図4の右側では、しきい値に到達しないようになっている。
これは、第2の積分放電回路62が行う積分が信号点の変化が1シンボル当たり何度発生したかを積分する動作に相当し、図4の左側では、信号点の変化が多数あるので、その積分結果が大きくなり、図4の右側では、信号点の変化が少ないのでその積分結果が小さくなっているためである。
【0071】
このような回転速度検出部4によれば、回転方向検出部と同様に回転を表すXOR回路の出力を一定の遅延時間に分散させて少しずつ積分するようにしているので、積分結果の分解能を当該遅延時間の分だけ向上でき、シンボルタイミングのずれによる積分結果への影響を低減でき、回転速度判定を適正に行うことができる効果がある
【0072】
また、雑音や零IF検波回路1における位相歪み並びに直流オフセットが存在して、各整形信号や各遅延整形信号の出力が不規則に、特に信号点の変化の前後で頻繁に排他的論理和回路の出力が変化しても、積分が行われているので、その影響を低減でき回転速度判定を適正に行うことができる効果がある。
【0073】
次に、本回路の動作について説明する。
本回路の零IF検波回路1が、4値FSK変調されたキャリア信号の入力を受けて、これを直交検波し、その同相成分Iと直交成分Qとを出力する。
そして、コンパレータ2a、2bが各成分を2値整形して、それぞれ整形I信号および整形Q信号を出力する。
【0074】
そして、これら整形I信号と整形Q信号とは、それぞれ回転方向検出部3と回転速度検出部4とに入力される。
そして、回転方向検出部3が上記動作によって整形I信号と整形Q信号とを成分とするIQ平面上でのベクトルの位相の変化を検出して、判定回路9に出力する。
【0075】
また、回転速度検出部4が一定時間に発生した信号点の回転量を検出して、判定回路9に出力する。
そして、判定回路9が、回転方向検出部3から回転方向の入力を受け、また、回転速度検出部4から回転速度の入力を受けて、回転方向からシンボルのMSBを、回転速度と予め設定されたしきい値との比較からシンボルのLSBをそれぞれ判定し、それを基にシンボルを復調して出力する。
【0076】
このように本回路によれば、回転方向と回転速度とを適正に判定しているので、これらを元にして適正な復調を行うことができる効果がある。
【0077】
【実施例】
本発明の実施例について図5と図6とを参照しつつ説明する。図5は回転方向検出部が出力する値の概略を表す説明図であり、図6は回転速度検出部が出力する値の概略を表す説明図である。
【0078】
具体的には、図5では回転方向検出部の動作として、各実線が1シンボルを表しておりそれぞれが1シンボル時間毎に0にリセットされている。そして、各実線は0から始まって正の方向に単調増加し、また負の方向に単調減少する階段状の関数となっている。
【0079】
これらの正の方向に変化する関数と負の方向に変化する関数との2種類があるのは、正の方向に単調増加するものが正の方向への回転を、負の方向に単調減少するものが負の方向への回転をそれぞれ意味しているものである。1シンボル時間の終了時点で回転方向検出部3の出力が「0」よりかなり離れているため、適正な判定を行うことができる。
【0080】
回転速度検出部4が出力する信号は図6に示すようになっている。
ここで、各実線は1シンボルを表しており、それぞれが1シンボル時間毎に0にリセットされている。そして、各実線は、0から始まって正の方向にのみ単調増加しているが、到達点が低いものと高いものとの2種類がある。
ここで、到達点の低いものが回転速度の低いもの、到達点が高いものが回転速度の高いものに対応しており、しきい値をこれらの中間に設定することによってシンボルのLSBを適正に判定できるようになっている。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、4値FSK変調された信号の信号点間の移動の回転方向を4値FSK変調された信号を直交検波して得た同相成分と直交成分の正負が転ずるごとに検知し、これを1シンボル時間に亘って積分して上記移動の回転方向を検出し、1シンボル時間毎に積分結果をリセットすることを特徴とする4値FSK復調回路としているので、該積分の結果が1シンボル時間当たりの回転量に相当するため、その正負をもって回転の方向を検知でき、またシンンボルタイミングが多少ずれても、積分の概略の結果には影響が少なく、さらに雑音の混入や回路の特性によって発生する位相ひずみならびに直流オフセット等が存在して短時間に信号点の回転に対する誤りが頻繁に発生しても、積分によってその影響を打ち消しているので、回転方向を適正に判定することができ、これをもとに復調を行えば、復調の結果を適正にできる効果がある。
また、本発明によれば、4値FSK変調された信号を直交検波し2値整形して得た同相成分と直交成分と、各成分を一定時間遅延した信号との排他的論理和を各成分ごとに検知しこれを1シンボル時間に亘って積分して予め設定されたしきい値と比較し、4値FSK変調された信号の信号点間の移動の回転速度を検出し、1シンボル時間毎に積分結果をリセットすることを特徴とする4値FSK復調回路としているので、回転速度を適正に判定することができ、これをもとに復調を行えば、復調の結果を適正にできる効果がある。
【0082】
本発明によれば、4値FSK変調されたキャリア信号を直交検波する際に、同相成分と直交成分との2軸で形成される平面上に配置される信号点の間の移動の回転方向と回転速度を検知する4値FSK復調回路であって、2値整形された各成分の信号の入力を受けて、前記特定の時間を表すタイミング信号を推定して出力するシンボルタイミング抽出回路を備え、該回転方向を検出する手段として、上記同相成分の立ち上がり又は立ち下がりのタイミングを検出する第1の検出手段と、上記直交成分の立ち上がり又は立ち下がりのタイミングを検出する第2の検出手段と、これら2つの検出手段が検出した各成分の立ち上がり又は立ち下がりのタイミングごとに回転方向を検出するベクトル検出部と、上記検出された回転方向を特定の時間に亘って積分する第1の積分放電回路とを備え、回転速度を検知する手段として、遅延回路、排他的論理和回路、第2の積分放電回路を備え、第1の積分放電回路及び第2の積分放電回路が、タイミング信号の入力を受けて、特定の時間毎に積分結果をリセットする4値FSK復調回路としているので、特定の期間を1シンボル時間の近似する時間とすれば、該積分の結果が1シンボル時間当たりの回転量に相当するため、その正負をもって回転の方向を検知でき、またシンンボルタイミングが多少ずれても、積分の概略の結果には影響が少なく、さらに雑音の混入や回路の特性によって発生する位相ひずみならびに直流オフセット等が存在して短時間に信号点の回転に対する誤りが頻繁に発生しても、積分によってその影響を打ち消しているので、回転方向を適正に判定することができ、これをもとに復調を行えば、復調の結果を適正にできる効果がある。
【0083】
請求項4記載の発明によれば、ベクトル検出部が同相成分が立ち上がり又は立ち下がるタイミングごとに上記直交成分の値の如何によって、また、直交成分が立ち上がり又は立ち下がるタイミングごとに上記同相成分の値の如何によって回転方向を検出するベクトル検出部である請求項3記載の4値FSK復調回路としているので、特定の期間を1シンボル時間の近似する時間とすれば、該積分の結果が1シンボル時間当たりの回転量に相当するため、その正負をもって回転の方向を検知でき、またシンンボルタイミングが多少ずれても、積分の概略の結果には影響が少なく、さらに雑音の混入や回路の特性によって発生する位相ひずみならびに直流オフセット等が存在して短時間に信号点の回転に対する誤りが頻繁に発生しても、積分によってその影響を打ち消しているので、回転方向を適正に判定することができ、これをもとに復調を行えば、復調の結果を適正にできる効果がある。
【0084】
請求項5記載の発明によれば、第1の検出手段と第2の検出手段とは、それぞれ入力された成分の信号を一定時間遅延して出力する遅延回路と、入力された成分の信号と遅延回路から入力される信号との大小によって、当該成分の信号が立ち上がったことを検出する立ち上がり検出部と、当該成分の信号が立ち下がったことを検出する立ち下がり検出部とを有する検出手段である請求項3又は請求項4記載の4値FSK復調回路としているので、特定の期間を1シンボル時間の近似する時間とすれば、該積分の結果が1シンボル時間当たりの回転量に相当するため、その正負をもって回転の方向を検知でき、またシンンボルタイミングが多少ずれても、積分の概略の結果には影響が少なく、さらに雑音の混入や回路の特性によって発生する位相ひずみならびに直流オフセット等が存在して短時間に信号点の回転に対する誤りが頻繁に発生しても、積分によってその影響を打ち消しているので、回転方向を適正に判定することができ、これをもとに復調を行えば、復調の結果を適正にできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本回路の構成ブロック図である。
【図2】ベクトル検出部51の動作を表す説明図である。
【図3】回路の動作を説明するためのタイミングチャート図である。
【図4】本回路の動作を説明するためのタイミングチャート図である。
【図5】回転方向検出部が出力する値の概略を表す説明図である。
【図6】回転速度検出部が出力する値の概略を表す説明図である。
【図7】従来の2値FSK復調回路の構成ブロック図である。
【図8】従来の2値FSK復調回路における零IF検波回路の一例の構成ブロック図である。
【図9】4値FSK復調回路における直交ベースバンド信号のIQ平面での動きを表す説明図である。
【図10】4値FSK復調回路における信号の一例を表す説明図である。
【図11】4値FSK復調回路における信号点配置の一例を表す説明図である。
【符号の説明】
1…零IF検波回路、 2…コンパレータ、 3…回転方向検出部、 4…回転速度検出部、 5…位相比較回路、 9…判定回路、 11…局部発振器、 12…90°分配回路、 13…第1のミキサー回路、 14…第2のミキサー回路、 15…第1のLPF、 16…第2のLPF、 31…遅延回路、 41…立ち上がり検出部、 42…立ち下がり検出部、 51…ベクトル検出部、61…第1の積分放電回路、 62…第2の積分放電回路、 71…XOR回路、 81…シンボルタイミング抽出回路
Claims (4)
- 4値FSK変調された信号を直交検波して同相成分と直交成分とに分離し2値整形した信号の入力を受けて、前記2値整形された各成分の信号を一定時間遅延して出力する遅延回路と、
前記2値整形された各成分の信号と前記遅延回路から入力される各成分の信号との排他的論理和を各成分ごとに演算する排他的論理和回路と、
前記排他的論理和回路から入力される各成分ごとの排他的論理和の和を1シンボル時間に亘って積分して出力する積分放電回路と、
前記積分放電回路の出力と予め設定されたしきい値とを比較して回転速度を判定する判定回路とを備え、
前記積分放電回路が、前記1シンボル時間毎に積分結果をリセットすることを特徴とする4値FSK復調回路。 - 4値FSK変調されたキャリア信号を直交検波する際に、同相成分と直交成分との2軸で形成される平面上に配置される信号点の間の移動の回転方向と回転速度を検知する4値FSK復調回路であって、
2値整形された各成分の信号の入力を受けて、前記特定の時間を表すタイミング信号を推定して出力するシンボルタイミング抽出回路を備え、
前記移動の回転方向を検出する手段として、
前記2値整形された前記各成分の信号の入力を受けて、前記2値整形された同相成分の信号の立ち上がり又は立ち下がりを検出し、当該検出の結果を出力する第1の検出手段と、
前記2値整形された直交成分の信号の立ち上がり又は立ち下がりを検出し、当該検出の結果を出力する第2の検出手段と、
前記2値整形された同相成分及び直交成分の信号の立ち上がり又は立ち下がりの検出の結果と、前記2値整形された各成分の信号との入力を受けて、信号点間の移動の回転方向を検出し、該回転方向の正負を表す信号を出力するベクトル検出部と、前記ベクトル検出部から入力される信号を特定の時間に亘って積分する第1の積分放電回路とを備え、
前記移動の回転速度を検出する手段として、
前記2値整形された各成分の信号を一定時間遅延して出力する遅延回路と、
前記2値整形された各成分の信号と前記遅延回路から入力される各成分の信号との排他的論理和を各成分ごとに演算する排他的論理和回路と、
前記排他的論理和回路から入力される各成分ごとの排他的論理和の和を前記特定の時間に亘って積分する第2の積分放電回路とを備え、
前記第1の積分放電回路及び前記第2の積分放電回路が、前記タイミング信号の入力を受けて、前記特定の時間毎に積分結果をリセットすることを特徴とする4値FSK復調回路。 - ベクトル検出部は、2値整形された同相成分及び直交成分の信号の立ち上がり又は立ち下がりの検出の結果と、前記2値整形された各成分の信号との入力を受けて、
前記同相成分の信号が立ち上がったことを示す検出の結果の入力を受けたときに前記直交成分の信号が正であれば回転方向が負であることを表す信号を出力し、前記直交成分の信号が負であれば回転方向が正であることを表す信号を出力し、
前記同相成分の信号が立ち下がったことを示す検出の結果の入力を受けたときに前記直交成分の信号が正であれば回転方向が正であることを表す信号を出力し、前記直交成分の信号が負であれば回転方向が負であることを表す信号を出力し、
前記直交成分の信号が立ち上がったことを示す検出の結果の入力を受けたときに前記同相成分の信号が正であれば回転方向が正であることを表す信号を出力し、前記同相成分の信号が負であれば回転方向が負であることを表す信号を出力し、
前記直交成分の信号が立ち下がったことを示す検出の結果の入力を受けたときに前記同相成分の信号が正であれば回転方向が負であることを表す信号を出力し、前記同相成分の信号が負であれば回転方向が正であることを表す信号を出力するベクトル検出部であることを特徴とする請求項2記載の4値FSK復調回路。 - 第1の検出手段と第2の検出手段とは、それぞれ入力された成分の信号を一定時間遅延して出力する遅延回路と、
前記入力された成分の信号が前記遅延回路から入力される信号よりも大であれば当該成分の信号が立ち上がったことを示す検出の結果を出力する立ち上がり検出部と、
前記入力された成分の信号が前記遅延回路から入力される信号よりも小であれば当該成分の信号が立ち下がったことを示す検出の結果を出力する立ち下がり検出部とを有する検出部であることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の4値FSK復調回路。
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