JPH09208636A - 押出装置およびシラン変性ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

押出装置およびシラン変性ポリオレフィンの製造方法

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JPH09208636A
JPH09208636A JP8017543A JP1754396A JPH09208636A JP H09208636 A JPH09208636 A JP H09208636A JP 8017543 A JP8017543 A JP 8017543A JP 1754396 A JP1754396 A JP 1754396A JP H09208636 A JPH09208636 A JP H09208636A
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JP
Japan
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extruder
liquid injection
silane
hopper
injection hole
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Application number
JP8017543A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Kurio
浩行 栗尾
Takamasa Fukuoka
孝政 福岡
Masashi Okabe
優志 岡部
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スコーチの発生およびビニルシラン化合物の
単独縮合体の生成を抑制し、外観良好で品質特性に優れ
たシラン変性ポリオレフィン成形体を製造する方法、お
よびこの方法に使用される装置を提供する。 【解決手段】 本発明押出装置は、樹脂組成物投入用の
ホッパー1 と、ホッパー1 の後流に前後2つ設けられた
液体注入孔4,6 とを具備した押出装置において、前段の
液体注入孔4 と後段の液体注入孔6 との間にベント孔5
が設けられたものである。また、本発明シラン変性ポリ
オレフィンの製造方法では、上記押出装置を用い、ホッ
パー1 よりポリオレフィン樹脂組成物を投入して溶融混
練しつつ、生じた溶融物に前段の液体注入孔4 からビニ
ルシラン化合物およびラジカル開始剤を圧入しながら、
ベント孔5 から内部を減圧し、さらに後段の液体注入孔
6 からシラノール縮合触媒を圧入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反応押出装置を使
って、ラジカル反応によりポリオレフィンにシリコーン
誘導体をグラフトするシラン変性ポリオレフィンの製造
方法に関する。
【0002】また、本発明は上記シラン変性ポリオレフ
ィンの製造方法に有効に使用される押出装置に関する。
【0003】
【従来の技術】シラン変性ポリオレフィンは、水分と接
触すると架橋反応を生じ、機械的強度、耐熱性、耐クリ
ープ性、耐環境応力亀裂性、耐薬品性などの諸特性が通
常の未変性ポリオレフィンに比較し飛躍的に向上するた
め、被覆電線、給湯管、難燃材料などの原料として好適
に用いられている。
【0004】高温熱水処理、水中浸漬などの水架橋工程
は、シラン変性ポリオレフィンを所望の形状に成形する
工程の後に設けられるのが一般的であるが、この水架橋
工程時間を短縮するために、通常シラン変性ポリオレフ
ィン中に予め架橋反応促進剤としてのシラノール縮合触
媒を分散させたものが提案されている。例えば特開昭5
3−14750号公報には、樹脂組成物投入用のホッパ
ーと、ホッパーの後流に少なくとも前後2つ設けられた
液体注入孔とを具備した押出押出機を用い、ホッパーよ
りポリオレフィン樹脂組成物を投入して溶融混練しつ
つ、生じた溶融物に前段の液体注入孔からビニルシラン
化合物およびラジカル開始剤を、後段の液体注入孔から
シラノール縮合触媒をそれぞれ圧入し、これら材料から
なる混練物を所定の形状に成形してシラン変性ポリオレ
フィン成形体を製造する方法が開示されている(後述す
る比較例1および図3参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の製
造方法においては、押出機内に存在する微量の水分によ
り、押出機内で架橋反応が起こり、一般にスコーチと呼
ばれる見た目が透明球状のゲル状物が成形体に発生し、
外観の悪化および強度低下などの問題が生じる。さら
に、未反応のビニルシラン化合物が押出機内で単独縮合
を起こし、ガラス状の着色した固形物を形成して成形体
に析出し、スコーチと同様に外観の悪化および強度低下
などの問題が起こる。
【0006】本発明の目的は、スコーチの発生およびビ
ニルシラン化合物の単独縮合体の生成を抑制し、外観良
好で品質特性に優れたシラン変性ポリオレフィン成形体
を製造する方法、およびこの方法に使用される装置を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明による押出装置は、樹脂組成物投入用のホッ
パー(1) と、ホッパー(1) の後流に前後2つ設けられた
液体注入孔(4) (6) とを具備した押出装置において、前
段の液体注入孔(4) と後段の液体注入孔(6) との間にベ
ント孔(5) が設けられていることを特徴とするものであ
る(添付の図1および図2参照)。
【0008】また、本発明によるシラン変性ポリオレフ
ィンの製造方法は、上記構成の押出装置を用い、ホッパ
ー(1) よりポリオレフィン樹脂組成物を投入して溶融混
練しつつ、生じた溶融物に前段の液体注入孔(4) からビ
ニルシラン化合物およびラジカル開始剤を圧入しなが
ら、ベント孔(5) から内部を減圧し、さらに後段の液体
注入孔(6) からシラノール縮合触媒を圧入することを特
徴とするものである。
【0009】本発明による押出装置では、ホッパーから
押出方法に向かってシリンダーに前段の液体注入孔、ベ
ント孔、および後段の液体注入孔がこの順で設けられて
いる。
【0010】前段の液体注入孔とベント孔との距離は、
その間の溶融樹脂の平均滞留時間が好ましくは15秒〜
15分、より好ましくは30秒〜7分になるような距離
である。ここで言う平均滞留時間とは、滞留時間分布を
測定したとき、得られた分布関数の50%平均をいう。
滞留時間の分布関数は、ベント孔を有するバレル区画の
下面に溶融樹脂吐出口を設けた押出装置を用い、以下の
手順により測定できる。まず、前段の液体注入孔から有
機染料を瞬間的に注入し、その瞬間より前記溶融樹脂吐
出口から吐出する溶融樹脂を連続的に取り出す。次いで
得られた長尺のサンプルを一定間隔で切断し、それぞれ
の染料濃度を吸光分析などにより定量し、それらを連続
的にプロットすることにより滞留時間の分布関数が求ま
る。また、前段の液体注入孔とベント孔との距離が短す
ぎると、反応効率が著しく低下することがあり、逆に長
すぎると、樹脂が熱劣化により着色するなどの不具合が
生じる場合がある。実際には、使用されるポリオレフィ
ン、ビニルシラン化合物、ラジカル開始剤などの種類、
および押出機操作条件により適性値が変化するため、前
段の液体注入孔とベント孔との距離は上記範囲内でその
反応系毎に設計される。
【0011】ベント孔と後段の液体注入孔との距離は限
定されないが、後段の液体注入孔から注入された液体が
前段のベント孔から吸引除去されないように、ベント孔
と後段の液体注入孔との間にシール部を設けることが好
ましい。
【0012】ベント孔における減圧度は、好ましくは2
00mmHg未満、より好ましくは100mmHg未満
である。この減圧度が高すぎると、未反応液物および水
分を十分に吸引除去できないことがある。
【0013】また、本発明の押出装置において、前段の
液体注入孔の前段にもベント孔を設けることがより好ま
しい。これにより、グラフト反応において禁止剤となる
酸素を溶融樹脂から除去できるため、グラフト効率を向
上させることができる。このときベント孔と前段の液体
注入孔との距離は特に限定されないが、前段の液体注入
孔から注入された液体が前段のベント孔から吸引除去さ
れないように、ベント孔と前段の液体注入孔との間にシ
ール部を設けることが好ましい。
【0014】また、本発明に使用される押出機のタイプ
は、一般的に用いられる押出機であって限定されるもの
ではないが、1軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押
出機、3本以上のスクリューを備えた多軸スクリュー押
出機などが挙げられ、いずれも好適に用いられる。特に
混練性能などを考慮すると、噛み合い(セルフワイピン
グ)同方向回転型2軸スクリュー押出機がより好適に用
いられる。同押出機のスクリュー形状は2〜3条タイプ
のフルフライト型を中心として、部分的にニーディング
ディスク、シールリング、逆ネジ、ローターなどのスク
リューエレメントを有しているものが好適に使用され得
る。
【0015】本発明によるシラン変性ポリオレフィンの
製造方法では、上記構成の押出装置を用い、ホッパーよ
りポリオレフィン樹脂組成物を投入し、溶融混練後、予
めラジカル開始剤をビニルシラン化合物に溶解した液状
組成物を前段の液体注入孔より液ポンプを用いて圧入す
る。さらに溶融混練後、ベント孔より水分および未反応
ビニルシラン化合物を吸引除去し、次いで後段の液体注
入孔よりシラノール縮合触媒を液ポンプを用いて圧入す
る。
【0016】本発明によるシラン変性ポリオレフィンの
製造方法に用いられるポリオレフィンは、オレフィン性
モノマーの(共)重合体であり、特に限定されるもので
はないが、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、
エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、エチレン
−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、塩素化
ポリエチレンなどが挙げられ、これらの1種もしくは2
種以上が好適に用いられるが、なかでも低密度ポリエチ
レン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン
などのポリエチレンやポリプロピレンなどの1種もしく
は2種以上がより好適に用いられる。尚、ここで言う
「(共)重合体」とは「重合体」または「共重合体」を
意味する。
【0017】本発明によるシラン変性ポリオレフィンの
製造方法に用いられるビニルシラン化合物は下記一般式
(I) で示される。
【0018】RSiR' n 3-n ……(I)
【0019】式(I) 中、Rはアルケニル基またはアルケ
ニルオキシ基、R' は水素原子またはアルキル基、Yは
加水分解し得る有機基、nは0、1もしくは2をそれぞ
れ表す。
【0020】Rで示されるアルケニル基としては、例え
ば、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、ブテニル
基、シクロヘキセニル基、シクロペンタジエニル基など
が挙げられる。また、Rで示されるアルケニルオキシ基
としては、例えば、ビニルオキシ基、アリルオキシ基な
どが挙げられる。
【0021】加水分解し得る有機基Yとしては、例え
ば、メトキシ基、エトキシ基、ホルミルオキシ基、アセ
トキシ基、プロピオニルオキシ基、アルキルアミノ基、
アリールアミノ基などが挙げられる。nが0または1で
ある場合、Yは同一であっても異なっていてもよい。
【0022】さらに、R' で示されるアルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、デシル基などが
例示される。nが2である場合、R' は同一であっても
異なっていてもよい。
【0023】上記一般式(I) で示されるビニルシラン化
合物の具体例としては、n=0の場合ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセ
トキシシラン、n=1の場合ビニルジメトキシメチルシ
ラン、ビニルジエトキシメチルシラン、n=2の場合ビ
ニルメトキシジメチルシラン、ビニルエトキシジメチル
シランなどが挙げられる。これらは単独でもしくは2以
上の組み合わせで好適に用いられる。
【0024】該ビニルシラン化合物の使用量は、特に限
定されるものではないが、少なすぎると最終的に得られ
る水架橋ポリオレフィンのゲル分率が十分高くならず、
機械的強度、耐熱性、耐クリープ性などの諸特性が十分
向上しない。逆に、この使用量が多すぎると、シラン変
性ポリオレフィンの溶融粘度が高くなりすぎて、押出機
に過負荷がかかり作業性が悪化したり、伸張率や熱融着
性などが低下して成形性を著しく悪化させるばかりか、
ビニルシラン化合物が系中に未反応物として残留する可
能性が高くなる。したがって、ビニルシラン化合物の使
用量は前記ポリオレフィン100重量部に対し、好まし
くは0.5〜10重量部、より好ましくは0.7〜5重
量部である。
【0025】本発明によるシラン変性ポリオレフィンの
製造方法に用いられるラジカル開始剤は、ポリオレフィ
ンのグラフト反応に一般的に用いられる任意の化合物で
あればよく、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,
4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパ
ーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエー
ト、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,
5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブ
チルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などの有機過酸
化物、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾジイ
ソブチレートなどのアゾ化合物などが挙げられる。これ
らは単独でもしくは2以上の組み合わせで好適に用いら
れる。なかでもジクミルパーオキサイド、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3など
の1種もしくは2種以上がより好適に用いられる。
【0026】本発明によるシラン変性ポリオレフィンの
製造方法において、上記ラジカル開始剤の使用量は、特
に限定されるものではないが、前記ポリオレフィン10
0重量部に対し、好ましくは0.01〜5重量部、より
好ましくは0.02〜2重量部である。
【0027】ラジカル開始剤の使用量が少なすぎると、
グラフト化反応が十分進行しないので所望のゲル分率が
得られず、逆に多すぎると、ポリオレフィン中における
遊離ラジカル部位が多くなりすぎ、いわゆる過酸化物架
橋が進行するので、スコーチ現象(早期架橋物)の発
生、表面平滑性の低下、粘度の異常上昇などが起こり、
作業性が悪化する。
【0028】本発明によるシラン変性ポリオレフィンの
製造方法に用いられるシラノール縮合触媒は、シラノー
ル間の脱水縮合を促進する触媒として一般的に用いられ
る任意の化合物であればよく、例えば、ジブチル錫ジラ
ウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオク
トエート、酢酸第一錫、ナフテン酸コバルト、ナフテン
酸鉛、エチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミ
ン、ピリジンなどの化合物、硫酸、塩酸などの無機酸、
トルエンスルホン酸、酢酸、ステアリン酸、マレイン酸
などの有機酸などが挙げられ、これらの1種もしくは2
種以上が好適に用いられるが、なかでもジブチル錫ジラ
ウレートがより好適に用いられる。
【0029】上記シラノール縮合触媒の使用量は、ポリ
オレフィン100重量部に対し、好ましくは0.001
〜5重量部、より好ましくは0.005〜1重量部であ
る。
【0030】シラノール縮合触媒の使用量が少なすぎる
と、触媒機能が充分に発揮されないので架橋工程に長時
間を要し、逆に多すぎると、押出機内で早期架橋が起こ
りスコーチ現象が発生する。
【0031】本発明によるシラン変成ポリオレフィンの
製造方法では、上述した各必須成分以外に、本発明の目
的を阻害しない範囲で、必要に応じ、プロセス熱安定
剤、紫外線吸収剤、有機および無機充填剤、顔料、染
料、加工助剤などの各種添加剤の1種もしくは2種以上
が添加されてもよい。
【0032】上記紫外線吸収剤としては、2−(5−メ
チル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−{2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチ
ルベンジル)フェニル}−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,
5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系
化合物が好適に使用される。
【0033】賦型されたシラン変性ポリオレフィンは、
水分と接触させることで水架橋させることができるが、
この方法としては、高温熱水処理法、水中浸漬法などが
挙げられる。
【0034】本発明は次のような作用を示す。
【0035】本発明の押出装置およびシラン変性ポリオ
レフィンの製造方法によれば、前段の液体注入孔(4) と
後段の液体注入孔(6) との間に設けられたベント孔(5)
から、スコーチの発生原因となる水分、およびガラス状
縮合物の生成原因となる未反応ビニルシラン化合物を効
率よく吸引除去できるので、スコーチの発生およびビニ
ルシラン化合物の単独縮合体の生成を抑制し、外観良好
で品質特性に優れたシラン変性ポリオレフィン成形体を
提供できる。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め、以下に実施例を挙げる。尚、実施例中の「部」は、
「重量部」を意味する。
【0037】実施例1 まず、図1に基づいて、押出機の構成を説明する。
【0038】図1に示す押出機(3) は、セルフワイピン
グ型の2条スクリューエレメントとニーディングディス
クエレメントから構成されるスクリュー(直径47m
m、L/D=45)と、12分割されたシリンダーバレ
ルとを備えた噛み合い型同方向回転2軸スクリュー押出
機(型式「TEX−44型」、日本製鋼所製)である。
この押出機の先端には、内径21.5mm、外径16.
2mmのパイプ用成形ダイ(11)であるコートハンガーダ
イが連結してある。また、上記12分割されたシリンダ
ーバレルは、押出方向に向かって配列された第1バレル
区画〜第12バレル区画からなり、第5バレル区画に前
段の液体注入孔(4) が設けられ、第9バレル区画にベン
ト孔(5) が設けられ、第10バレル区画に後段の液体注
入孔(6) が設けられている。また、各バレル区画および
コートハンガーダイの温度は、第1バレル区画〜第4バ
レル区画で170℃、第5バレル区画〜第12バレル区
画およびコートハンガーダイで150℃に設定してあ
る。
【0039】図1において、(1) はホッパー、(2) はス
クリューフィーダー、(7) は真空ポンプ、(8) (18)は液
送ポンプ、(9) はビニルシラン化合物とラジカル開始剤
との混合液タンク、(10)はシラノール縮合触媒タンク、
(12)はシラン変性ポリオレフィンのパイプ成形体であ
る。
【0040】つぎに、上記構成の押出機を用いたシラン
変性ポリオレフィンの製造方法について、説明を行う。
【0041】まず、ビニルシラン化合物であるビニルト
リメトキシシラン(商品名「サイラエースS210」、
チッソ社製)100部に対し、ラジカル開始剤として
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン(商品名「パーヘキサ25B」、日本油脂
社製)4部を加えて溶解し、液状組成物(A) を用意し
た。
【0042】ホッパー(1) に直鎖状低密度ポリエチレン
(商品名「リニレックスAR4810」、日本石油化学
社製)を投入し、スクリューフィーダーを用いて、30
Kg/時間の供給量で供給口から押出機内部に供給し
た。押出機のスクリュー回転数は80rpmで運転し
た。前段の液体注入孔(4) から液送ポンプ(8) としてマ
イクロポンプ(型式「VC−102 MODEL186
−346」、中央理科社製)を用いて、上記液状組成物
(A) を300g/時間の供給量で圧入した。さらに、後
段の液体注入孔(6) から液送ポンプ(18)としてミニケミ
カルポンプ(型式「NP−FX−1」、日本精密科学社
製)を用いて、シラノール縮合触媒としてジ−n−ブチ
ル錫ジラウレート(和光純薬工業社製)を12g/時間
の供給量で圧入した。また、ベント孔(5) においては真
空ポンプ(7) を用いて減圧度を10mmHgとした。押
出機内での溶融混練後、パイプ用成形ダイ(11)よりシラ
ン変性ポリエチレンのパイプ成形体(12)を吐出して、製
品を得た。
【0043】上記のパイプ成形を連続72時間行い、7
2時間後のスコーチの発生および縮合物の付着を目視で
評価した。この評価結果を表1に示す。尚、スコーチの
発生および縮合物の付着の評価基準については、押出機
から吐出するパリソン表面を目視で観察したとき、透明
球状のゲル物が認められればスコーチの発生有りとし、
着色したガラス状固形物が認められれば縮合物の付着有
りとした。
【0044】また、上記パイプ成形体(12)を水と接触さ
せて得た水架橋シラン変性ポリエチレンパイプを2cm
の長さに切断し、水酸化ナトリウムを5重量%溶解した
メタノール溶液でパイプ切断片を環流、洗浄した後、ル
ツボに入れてマッフル炉にて550℃で約5時間加熱し
た。残存したSiO2 の重量よりグラフトしたビニルシ
ラン化合物の重量部数を算出し、押出機に注入したビニ
ルシラン化合物の重量部数で除してグラフト転化率
(%)を求めた。こうして得られたグラフト転化率を表
1に示す。
【0045】また、ベント孔(5) を設けたバレル区画
を、下面に溶融樹脂吐出口を設けたバレル区画に取り替
え、上記と同じ押出条件にて、前段の液体注入孔(4) か
ら有機染料を瞬間的に注入し、その瞬間より溶融樹脂吐
出口から吐出する溶融樹脂を3分間取り出した。得られ
た長尺のサンプルを18等分し、それぞれの染料濃度を
吸光分析により定量し、これらを連続的にプロットし滞
留時間の分布関数を求めた。こうして得られた分布関数
の50%平均を平均滞留時間として表1に示す。
【0046】実施例2 図2に示すように、第9バレル区画のベント孔(5) の他
に、第4バレル区画にもベント孔(15)を設け、減圧度を
10mmHgにした。その他の点は実施例1と同様にし
て水架橋シラン変性ポリエチレンパイプを得、同様の評
価測定を行った。この評価結果を表1に示す。尚、図2
中、(17)は真空ポンプである。
【0047】実施例3 ベント孔(5) の減圧度を150mmHgにしたこと以外
は実施例1同様にして水架橋シラン変性ポリエチレンパ
イプを得、同様の評価測定を行った。この評価結果を表
1に示す。
【0048】実施例4 ベント孔(5) の減圧度を300mmHgにしたこと以外
は実施例1同様にして水架橋シラン変性ポリエチレンパ
イプを得、同様の評価測定を行った。この評価結果を表
1に示す。
【0049】実施例5 第9バレル区画のベント孔(5) を第7バレル区画に移動
したこと以外は実施例1同様にして水架橋シラン変性ポ
リエチレンパイプを得、同様の評価測定を行った。この
評価結果を表1に示す。
【0050】実施例6 第9バレル区画のベント孔(5) を第6バレル区画に移動
したこと以外は実施例1同様にして水架橋シラン変性ポ
リエチレンパイプを得、同様の評価測定を行った。この
評価結果を表1に示す。
【0051】比較例1 図3に示すように、ベント孔(5) を全く設けないこと以
外は実施例1同様にして水架橋シラン変性ポリエチレン
パイプを得、同様の評価測定を行った。この評価結果を
表1に示す。
【0052】このときの平均滞留時間は、前段の液体注
入孔(4) から第9バレル区画までの平均滞留時間を示し
た。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、ベント孔から、スコー
チの発生原因となる水分、およびガラス状縮合物の生成
原因となる未反応ビニルシラン化合物を効率よく吸引除
去できるので、スコーチの発生およびビニルシラン化合
物の単独縮合体の生成を抑制し、外観良好で品質特性に
優れたシラン変性ポリオレフィン成形体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の押出装置の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の押出装置の一例を示す概略図である。
【図3】従来の押出装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1:ホッパー 2:スクリューフィーダー 3:2軸スクリュー押出機 4:前段の液体注入孔 5,15:ベント孔 6:後段の液体注入孔 7,17:真空ポンプ 8,18:液送ポンプ 9:ビニルシラン化合物とラジカル開始剤との混合液タ
ンク 10:シラノール縮合触媒タンク 11:パイプ用成形ダイ 12:シラン変性ポリオレフィンのパイプ成形体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂組成物投入用のホッパー(1) と、ホ
    ッパー(1) の後流に前後2つ設けられた液体注入孔(4)
    (6) とを具備した押出装置において、前段の液体注入孔
    (4) と後段の液体注入孔(6) との間にベント孔(5) が設
    けられていることを特徴とする押出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の押出装置を用い、ホッパ
    ー(1) よりポリオレフィン樹脂組成物を投入して溶融混
    練しつつ、生じた溶融物に前段の液体注入孔(4) からビ
    ニルシラン化合物およびラジカル開始剤を圧入しなが
    ら、ベント孔(5) から内部を減圧し、さらに後段の液体
    注入孔(6) からシラノール縮合触媒を圧入することを特
    徴とするシラン変性ポリオレフィンの製造方法。
JP8017543A 1995-10-30 1996-02-02 押出装置およびシラン変性ポリオレフィンの製造方法 Pending JPH09208636A (ja)

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EP96117138A EP0771827B1 (en) 1995-10-30 1996-10-25 Process for producing silane-modified polyolefins and extruder apparatus therefor

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109679237A (zh) * 2017-10-18 2019-04-26 日立金属株式会社 树脂成型物及其成型方法以及电缆及其制造方法

Cited By (2)

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