JPH09157490A - ポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂組成物

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JPH09157490A
JPH09157490A JP31652495A JP31652495A JPH09157490A JP H09157490 A JPH09157490 A JP H09157490A JP 31652495 A JP31652495 A JP 31652495A JP 31652495 A JP31652495 A JP 31652495A JP H09157490 A JPH09157490 A JP H09157490A
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JP
Japan
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group
resin composition
polyolefin resin
polyolefin
extruder
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JP31652495A
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English (en)
Inventor
Masashi Okabe
優志 岡部
Takamasa Fukuoka
孝政 福岡
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 早期架橋やスコーチ現象を抑制することが出
来ると共に、優れた外観や融着性等を有する成形体を得
ることの出来るポリオレフィン系樹脂組成物を提供する
ことを課題とする。 【解決手段】 ポリオレフィンに対し、下記一般式
(1)で示されるビニルアルコキシシラン化合物、脂肪
族アルコール、遊離ラジカル発生剤及びシラノール縮合
触媒が含有されて成ることを特徴とするポリオレフィン
系樹脂組成物。 R1 2 n Si(OR3 3-n (式1) (式中、R1 は1価のビニルハイドロカーボン基もしく
は1価のビニルハイドロカーボンオキシ基を表し、R2
は脂肪族ハイドロカーボン基もしくは水素基を表し、R
3 は脂肪族ハイドロカーボン基を表し、nは0もしくは
1又は2を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】シラン変性ポリオレフィンは、水分と接
触すると架橋反応を生じ、機械的強度、耐熱性、耐クリ
ープ性、耐環境応力亀裂性、耐薬品性等の諸特性が通常
の未変性ポリオレフィンに比較し飛躍的に向上するた
め、被覆電線、給湯管、難燃材料等の原料として好適に
用いられている。
【0003】上記シラン変性ポリオレフィンを水分と接
触させて架橋させる方法としては、高温熱水処理法、水
中浸漬法等が挙げられるが、これらの水架橋工程は、シ
ラン変性ポリオレフィンを所望の形状に賦形する成形工
程の後に設けられるのが一般的である。
【0004】又、生産性の観点から、上記水架橋工程に
おける架橋時間を出来るだけ短縮するために、シラン変
性ポリオレフィン中に架橋反応促進剤としてシラノール
縮合触媒を予め分散させておくのが好ましく、例えば、
特開昭53−65345号公報では、ポリオレフィンペ
レットにシラン化合物、ラジカル発生剤及びシロキサン
縮合触媒を含んだ液体を添加し、加熱反応させながら押
出成形し、しかる後、得られた押出成形体を水分に接触
させて架橋することを特徴とするポリオレフィンの架橋
方式が提案されている。
【0005】しかし、上記提案による架橋方式では、ポ
リオレフィンに吸着された水分が押出機内に侵入し、ポ
リオレフィンにグラフト結合した不飽和アルコキシシラ
ンの加水分解反応が押出機内の高温下でシロキサン縮合
反応と水分とによって促進され、押出機内で早期架橋が
進行する所謂スコーチ現象が起こりがちであり、得られ
るシラン変性ポリオレフィン系樹脂組成物の外観が損な
われたり、周辺部との融着性が低下して亀裂や破壊等を
惹起し易くなる等の問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するため、早期架橋やスコーチ現象を抑制
することが出来ると共に、優れた外観や融着性等を有す
る成形体を得ることの出来るポリオレフィン系樹脂組成
物を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のポリオレフィン
系樹脂組成物は、ポリオレフィンに対し、下記一般式
(1)で示されるビニルアルコキシシラン化合物、脂肪
族アルコール、遊離ラジカル発生剤及びシラノール縮合
触媒が含有されて成ることを特徴とし、そのことにより
上記課題が達成される。 R1 2 n Si(OR3 3-n (式1) (式中、R1 は1価のビニルハイドロカーボン基もしく
は1価のビニルハイドロカーボンオキシ基を表し、R2
は脂肪族ハイドロカーボン基もしくは水素基を表し、R
3 は脂肪族ハイドロカーボン基を表し、nは0もしくは
1又は2を表す)
【0008】本発明に用いられるポリオレフィンとは、
オレフィン系モノマーの(共)重合体であり、特に限定
されるものではないが、例えば、低密度ポリエチレン、
高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共
重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、
エチレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、塩素化
ポリエチレン等が挙げられ、これらの1種もしくは2種
以上が好適に用いられるが、なかでも低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等
のポリエチレンやポリプロピレン等の1種もしくは2種
以上がより好適に用いられる。尚、ここで言う「(共)
重合体」とは「重合体」又は「共重合体」を意味する。
【0009】本発明に用いられるビニルアルコキシシラ
ン化合物は下記一般式(1)で示される。 R1 2 n Si(OR3 3-n (式1)
【0010】上記一般式(1)中、基R1 は1価のビニ
ルハイドロカーボン基もしくは1価のビニルハイドロカ
ーボンオキシ基を表し、例えば、ビニル基、アリル基、
イソプロペニル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基、
シクロペンタジエニル基等が挙げられ、好適に用いられ
る。
【0011】又、上記一般式(1)中、基R2 は脂肪族
飽和ハイドロカーボン基もしくは水素基を表し、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基等が挙げられ、水素基
も含め、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いら
れる。
【0012】さらに、上記一般式(1)中、基R3 は脂
肪族飽和ハイドロカーボン基を表し、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基、イソブチル基等が挙げられ、好適に用いられる。
【0013】さらに又、上記一般式(1)中、nは0も
しくは1又は2を表す。
【0014】上記一般式(1)で示されるビニルアルコ
キシシラン化合物の具体例としては、特に限定されるも
のではないが、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチ
ルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルメチルジエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシ
シラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチ
ルエトキシシラン等が挙げられ、これらの1種もしくは
2種以上が好適に用いられる。
【0015】本発明において、上記ビニルアルコキシシ
ラン化合物の含有量は、特に限定されるものではない
が、前記ポリオレフィン100重量部に対し、ビニルア
ルコキシシラン化合物0.5〜10重量部であることが
好ましく、なかでも0.7〜5重量部であることがより
好ましい。
【0016】ポリオレフィン100重量部に対するビニ
ルアルコキシシラン化合物の含有量が0.5重量部未満
であると、最終的に得られる水架橋ポリオレフィンのゲ
ル分率が十分高くならないので、機械的強度、耐熱性、
耐クリープ性等の諸特性が十分向上せず、逆に10重量
部を超えると、得られるポリオレフィン系樹脂組成物の
溶融粘度が高くなり過ぎて成形性が著しく阻害された
り、組成物中に未反応物として残留し悪影響を及ぼすこ
とがある。
【0017】本発明に用いられる脂肪族アルコールは下
記一般式(2)で示される。 R4 (OH)m (式2)
【0018】上記脂肪族アルコールは、ポリオレフィン
にグラフト反応したビニルアルコキシシラン化合物の加
水分解を抑制し、ポリオレフィン系樹脂組成物の早期架
橋やスコーチ現象等の発生を防止する機能を発揮する。
【0019】上記一般式(2)中、基R4 は直鎖状もし
くは分岐状飽和ハイドロカーボン基を表し、その炭素数
は、特に限定されるものではないが、1〜10であるこ
とが好ましく、なかでも1〜4であることがより好まし
い。
【0020】上記直鎖状もしくは分岐状飽和ハイドロカ
ーボン基の炭素数が10を超えると、ポリオレフィンに
グラフト反応したビニルアルコキシシラン化合物の加水
分解速度が遅くなり、架橋に要する時間が長くなって生
産性が低下することがある。
【0021】上記直鎖状もしくは分岐状飽和ハイドロカ
ーボン基としては、特に限定されるものではないが、例
えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロ
ピル基、イソブチル基、n−ブチル基、ヘキシル基、オ
クチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基等が挙げら
れ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられ
る。
【0022】又、上記一般式(2)中、mは1以上の正
の整数を表すが、なかでもm=1であることが好まし
い。mが2以上であると、脂肪族アルコール化合物その
ものが架橋剤として働き、早期架橋等の好ましくない現
象を起こすことがある。
【0023】上記脂肪族アルコールの具体例としては、
特に限定されるものではないが、メチルアルコール、エ
チルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピ
ルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアル
コール等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が
好適に用いられる。
【0024】本発明において、上記脂肪族アルコールの
含有量は、特に限定されるものではないが、前記ポリオ
レフィン100重量部に対し、脂肪族アルコール0.0
1〜5重量部であることが好ましく、なかでも0.1〜
1重量部であることがより好ましい。
【0025】ポリオレフィン100重量部に対する脂肪
族アルコールの含有量が0.01重量部未満であると、
ビニルアルコキシシラン化合物の加水分解を抑制する効
果が乏しくなってスコーチ現象が発生し、逆に5重量部
を超えると、ポリオレフィン系樹脂組成物中に気泡を生
じ易くなる。
【0026】本発明に用いられる遊離ラジカル発生剤と
しては、ポリオレフィンのグラフト反応に一般的に用い
られる任意の化合物であれば良く、特に限定されるもの
ではないが、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,
4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパ
ーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエー
ト、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,
5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブ
チルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等の有機過酸化
物、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾジイソ
ブチレート等のアゾ化合物等が挙げられ、これらの1種
もしくは2種以上が好適に用いられるが、なかでもジク
ミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3等の1種もしくは2種以
上がより好適に用いられる。
【0027】本発明において、上記遊離ラジカル発生剤
の含有量は、特に限定されるものではないが、前記ポリ
オレフィン100重量部に対し、遊離ラジカル発生剤
0.01〜5重量部であることが好ましく、なかでも
0.02〜2重量部であることがより好ましい。
【0028】ポリオレフィン100重量部に対する遊離
ラジカル発生剤の含有量が0.01重量部未満である
と、グラフト反応が十分進行しないので最終的に得られ
る水架橋ポリオレフィンのゲル分率が低くなり、逆に5
重量部を超えると、ポリオレフィン中における遊離ラジ
カル部位が多くなり過ぎて所謂過酸化物架橋が進行する
ので、スコーチ現象の発生、表面平滑性の低下、粘度の
異常上昇等が起こり、作業性が悪化する。
【0029】本発明に用いられるシラノール縮合触媒と
しては、シランのシラノール間の脱水縮合を促進する触
媒として一般的に用いられる任意の化合物であれば良
く、特に限定されるものではないが、例えば、ジブチル
錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫
ジオクトエート、ジオクチル錫ジラウレート、酢酸第一
錫、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉛、エチルアミ
ン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、ピリジン等の化
合物、硫酸、塩酸等の無機酸、トルエンスルホン酸、酢
酸、ステアリン酸、マレイン酸等の有機酸等が挙げら
れ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられ
が、なかでもジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジ
ラウレート等がより好適に用いられる。
【0030】本発明において、上記シラノール縮合触媒
の含有量は、特に限定されるものではないが、前記ポリ
オレフィン100重量部に対し、シラノール縮合触媒
0.001〜5重量部てあることが好ましく、なかでも
0.005〜1重量部であることがより好ましい。
【0031】ポリオレフィン100重量部に対するシラ
ノール縮合触媒の含有量が0.001重量部未満である
と、触媒機能が十分に発揮されないので水架橋工程に長
時間を要し、逆に5重量部を超えると、早期架橋が起こ
り成形作業性が悪化する。
【0032】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物に
は、上述した各必須成分以外に、本発明の課題達成を阻
害しない範囲で必要に応じて、酸化防止剤、安定剤、紫
外線吸収剤、有機もしくは無機充填剤、顔料もしくは染
料、加工助剤等の各種添加剤の1種もしくは2種以上が
含有されていても良い。
【0033】次に、本発明のポリオレフィン系樹脂組成
物の製造方法の一例として押出機を用いる製造方法につ
いて説明するが、製造方法は以下の方法に限定されるも
のではないことは勿論である。
【0034】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の製
造方法に用いられる押出機としては、通常一般的に用い
られる押出機で良く、特に限定されるものではないが、
1軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、3本以
上のスクリューを備えた多軸スクリュー押出機等が挙げ
られ、いずれも好適に用いられる。
【0035】上記1軸スクリュー押出機としては、特に
限定されるものではないが、一般的なフルフライト型ス
クリューを有する押出機のみならず、不連続フライト型
スクリュー、ピンバレル、ミキシングヘッド等を有する
押出機等も挙げられ、いずれも好適に用いられる。
【0036】又、上記2軸スクリュー押出機としては、
特に限定されるものではないが、噛み合い同方向回転型
押出機、噛み合い異方向回転型押出機、非噛み合い異方
向回転型押出機等が挙げられ、いずれも好適に用いられ
る。
【0037】上記スクリューの形状は、特に限定される
ものではないが、同方向回転型なら2〜3条タイプ、異
方向回転型なら2〜8条タイプであることが好ましく、
フルフライト型を中心として、部分的にニーディングデ
ィスク、シールリング、逆ネジ、ローター等のスクリュ
ーエレメントを有しているものであっても良く、又、平
行スクリュー型もしくはコニカルスクリュー型のいずれ
であっても良い。
【0038】上記各種スクリュー型押出機のなかでも、
混練性能等を考慮すると、噛み合い(セルフワイピン
グ)同方向回転型2軸スクリュー押出機がより好適に用
いられる。
【0039】又、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物
から成形体を得るには、上記押出機の先端に所望形状の
ダイを設置し、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を
一段階で所望の形状に賦形することにより、混合と成形
を連続的に行って、工程の簡略化を図っても良い。
【0040】本発明において、ビニルアルコキシシラン
化合物、脂肪族アルコール、遊離ラジカル発生剤及びシ
ラノール縮合触媒を押出機に投入する方法は、特に限定
されるものではなく、これらをそれぞれ単独で投入して
も良いし、これらの2種以上を予め攪拌混合した状態で
投入しても良いし、又、これらの1種もしくは2種以上
を予めポリオレフィンに含浸させた状態で投入しても良
い。さらに、押出機中への投入場所も特に限定されるも
のではない。
【0041】上記押出機の操業条件は、特に限定される
ものではなく、例えば、スクリュー回転数、押出量、シ
リンダー設定温度等は、押出機内滞留時間、混練度、成
形体の形状保持性等を考慮して適宜決定されれば良く、
又、残存水分や不純物等を除去するために、例えば、真
空ベント機能が付与されていても良い。
【0042】以下に、本発明のポリオレフィン系樹脂組
成物の製造方法及び該組成物を用いた成形体の成形方法
を図面に基づいて具体的に述べる。
【0043】図1は適正なグラフト反応時間の確保やス
コーチ現象の抑制等を果たし得る押出装置の一例であ
る。
【0044】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の製
造方法は、例えば、予め攪拌混合されたビニルアルコキ
シシラン化合物、脂肪族アルコール及び遊離ラジカル発
生剤を、シラン溶液タンク4から送液ポンプ5を用い
て、ホッパー付スクリューフィーダー3から供給される
ポリオレフィンと同時に供給口2より押出機1内に投入
し、予め150〜220℃の温度に設定された前段のグ
ラフト反応ゾーンaで遊離ラジカル発生剤を分解させ、
ビニルアルコキシシラン化合物をポリオレフィンにグラ
フト反応させる。次に、早期架橋反応の進行を抑制する
ために120〜190℃の低温に設定された後段の触媒
混練ゾーンb中に、シラノール触媒タンク6からプラン
ジャーポンプ7を用いてシラノール縮合触媒を圧入し、
ポリオレフィン系樹脂組成物を製造する。次いで連続的
に、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を所望形状を
有するダイ8から吐出し、賦形、冷却を行うことによ
り、所望のポリオレフィン系樹脂成形体を得ることが出
来る。
【0045】(作用)本発明のポリオレフィン系樹脂組
成物によれば、含有される脂肪族アルコールがビニルア
ルコキシシラン化合物の加水分解を適度に抑制するの
で、シラノール縮合触媒の共存下でも、例えば押出機内
における早期架橋やスコーチ現象等が防止され、優れた
外観や融着性等を有する成形体を生産性良く得ることが
出来る。
【0046】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め、以下に実施例を挙げる。尚、実施例中の「部」は
「重量部」を意味する。
【0047】(実施例1)
【0048】(1)シラン溶液の調整 表1に示すように、ビニルアルコキシシラン化合物とし
てビニルトリメトキシシラン1部、脂肪族アルコールと
してメチルアルコール0.5部、及び、遊離ラジカル発
生剤として2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
パーオキシ)ヘキサン0.08部の割合でタンクに投入
し、均一に攪拌混合してシラン溶液を調整した。
【0049】(2)ポリオレフィン系樹脂組成物の製造 セルフワイピング型の2条スクリューエレメントとニー
ディングディスクエレメントから構成されるスクリュー
(直径47mm、L/D=35)及び10分割のシリン
ダーバレルを備えた噛み合い型同方向回転2軸スクリュ
ー押出機(型式「TEX−44型」、日本製鋼所製)の
先端に、幅200mm、厚さ5mmのシート状の吐出形
状を有するコートハンガーダイを連結した。尚、上記1
0分割のシリンダーバレルの設置は、押出機の上流側か
ら下流側に向かって第1バレル〜第10バレルとし、
又、各バレル及びコートハンガーダイの温度は、第1バ
レル及び第2バレルを40℃、第3バレルを70℃、第
4バレル〜第6バレルを170℃、第7バレルを155
℃、第8バレル〜第10バレル及びコートハンガーダイ
を140℃に設定した。
【0050】ホッパーに直鎖状低密度ポリエチレン(商
品名「リニレックスAR3720」、日本石油化学社
製)を投入し、スクリューフィーダーを用いて、20k
g/時間の供給量で供給口から上記押出機に供給した。
同時に、送液ポンプ(型式「VC−102 MODEL
186−346」、中央理科社製)を用いて、上記で得
られたシラン溶液を316g/時間の供給量で同じ供給
口から押出機に供給した。又、シラノール縮合触媒とし
てジ−n−ブチル錫ジラウレートを、プランジャーポン
プを用いて、8g/時間の供給量で送液し、圧入ノズル
により第9バレルから押出機に供給した。この間、スク
リュー回転数40rpmで押出機を運転し、コートハン
ガーダイ吐出口より吐出して、シラン変性ポリオレフィ
ン系樹脂組成物を得た。
【0051】(3)評価 上記で得られたシラン変性ポリオレフィン系樹脂組成物
の外観、及び、ゲル分率を以下の方法で評価した。
その結果は表1に示すとおりであった。
【0052】外観 得られたシラン変性ポリオレフィン系樹脂組成物の外観
を目視で観察し、下記判定基準で外観を評価した。 〔判定基準〕 ○‥‥外観良好、スコーチなし ×‥‥外観不良、スコーチあり
【0053】ゲル分率 得られたシラン変性ポリオレフィン系樹脂組成物をオー
トクレーブ中に投入し、110℃−3時間の熱水処理を
行って、架橋ポリエチレンを作製した。次いで、得られ
た架橋ポリエチレンを130℃の熱キシレン中に8時間
浸漬した後、不溶分を取り出して真空乾燥を行い、下記
算出式でゲル分率(重量%)を求めた。
【0054】(実施例2)
【0055】表1に示すように、シラン溶液の調整にお
いて、脂肪族アルコールとしてエチルアルコール0.3
部を用い、ポリオレフィン系樹脂組成物の製造におい
て、シラン溶液の供給量を276g/時間としたこと以
外は実施例1と同様にして、シラン溶液及びシラン変性
ポリオレフィン系樹脂組成物を得た。
【0056】(比較例1)
【0057】表1に示すように、シラン溶液の調整にお
いて、脂肪族アルコールを用いず、ポリオレフィン系樹
脂組成物の製造において、シラン溶液の供給量を216
g/時間としたこと以外は実施例1と同様にして、シラ
ン溶液及びシラン変性ポリオレフィン系樹脂組成物を得
た。
【0058】実施例2及び比較例1で得られたシラン変
性ポリオレフィン系樹脂組成物の外観、及び、ゲル
分率を実施例1と同様にして評価した結果は表1に示す
とおりであった。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のポリオレフ
ィン系樹脂組成物によれば、優れた外観や融着性等を有
する成形体を、早期架橋やスコーチ現象等を起こすこと
なく容易に得ることが出来る。
【0061】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる押出装置の一例を示す概略
図である。
【符号の説明】 1 押出機 2 供給口 3 ホッパー付スクリューフィーダー 4 シラン溶液タンク 5 送液ポンプ 6 シラノール縮合触媒タンク 7 プランジャーポンプ 8 ダイ a グラフト反応ゾーン b 触媒混練ゾーン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィンに対し、下記一般式
    (1)で示されるビニルアルコキシシラン化合物、脂肪
    族アルコール、遊離ラジカル発生剤及びシラノール縮合
    触媒が含有されて成ることを特徴とするポリオレフィン
    系樹脂組成物。 R1 2 n Si(OR3 3-n (式1) (式中、R1 は1価のビニルハイドロカーボン基もしく
    は1価のビニルハイドロカーボンオキシ基を表し、R2
    は脂肪族ハイドロカーボン基もしくは水素基を表し、R
    3 は脂肪族ハイドロカーボン基を表し、nは0もしくは
    1又は2を表す)
JP31652495A 1995-12-05 1995-12-05 ポリオレフィン系樹脂組成物 Pending JPH09157490A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10237136A (ja) * 1997-02-28 1998-09-08 Yazaki Corp ポリオレフィン系樹脂組成物及びその製造方法、シラングラフト化ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法、並びに、シラン架橋ポリオレフィン系樹脂成形物の製造方法
JP2008163327A (ja) * 2007-12-07 2008-07-17 Furukawa Electric Co Ltd:The 配管施工方法

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