JPH09208489A - γ−インターフェロン感受性疾患剤 - Google Patents

γ−インターフェロン感受性疾患剤

Info

Publication number
JPH09208489A
JPH09208489A JP8299887A JP29988796A JPH09208489A JP H09208489 A JPH09208489 A JP H09208489A JP 8299887 A JP8299887 A JP 8299887A JP 29988796 A JP29988796 A JP 29988796A JP H09208489 A JPH09208489 A JP H09208489A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
interferon
cells
human
derived
cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8299887A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2850293B2 (ja
Inventor
Masashi Kurimoto
雅司 栗本
Masakazu Mihashi
正和 三橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
Original Assignee
Hayashibara Biochemical Laboratories Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hayashibara Biochemical Laboratories Co Ltd filed Critical Hayashibara Biochemical Laboratories Co Ltd
Priority to JP8299887A priority Critical patent/JP2850293B2/ja
Publication of JPH09208489A publication Critical patent/JPH09208489A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2850293B2 publication Critical patent/JP2850293B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウイルス病、悪性腫瘍、免疫疾患などの予防
剤、治療剤として著効を示すγ−インターフェロン感受
性疾患剤を提供することを課題とする。 【解決手段】 ヒト由来の骨髄単球系細胞が産生するγ
−インターフェロンを有効成分として含んでなるγ−イ
ンターフェロン感受性疾患剤を提供することによって、
上記の課題を解決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、培養株化されたヒ
ト由来の骨髄単球系細胞(myelomonocyte
−cell)が産生するγ−インターフェロンを有効成
分とするγ‐インターフェロン感受性疾患剤に関する。
【0002】
【従来の技術】インターフェロンは、小林茂保著「イン
ターフェロン」、株式会社講談社発行(1975年)、
D.A.J.Tyrrell著、「インターフェロン・
アンド・イッツ・クリニカル・ポテンシャル(Inte
rferon and itsClinical Po
tential)」、William Heinema
nn Medical Books Ltd.、Lon
don(1976年)、「蛋白質 核酸 酵素」、第2
1巻、第4号(1976年)などにも記載されているよ
うに、ウイルス、細菌、原虫、リケッチャ、核酸、エン
ドトキシン、多糖類などのインターフェロン誘導剤を生
細胞に作用させることによって、その細胞内外に誘導生
成される糖蛋白質であって、その細胞内での各種ウイル
スの増殖を非特異的に抑制する機能を持つ物質に与えら
れた名称である。インターフェロンの持つこのような機
能から、インターフェロンは、その発見の当初よりウイ
ルス性疾患の予防剤、治療剤として期待されてきた。ま
た、近年インターフェロンは、ウイルス性腫瘍のみなら
ず、非ウイルス性腫瘍に対しても抗腫瘍性が認められる
ようになって、医薬品としてのインターフェロンが鶴首
されるに至った。インターフェロンには、α−インター
フェロン(別名、白血球インターフェロン、リンパ芽球
様細胞インターフェロン)、β−インタ一フェロン(別
名、線維芽細胞インターフェロン)およびγ−インター
フェロン(別名、免疫インタ一フェロン、タイプIIイ
ンターフェロン)があり、この内、α−インターフェロ
ンについては白血球やリンパ芽球様細胞などから、β−
インターフェロンについては線維芽細胞などからの製造
方法が確立され、最近、これらを利用した医薬品が市販
されるまでに至った。一方、γ−インターフェロンにつ
いては、多数の製造方法が提案されているものの、未だ
工業的に実施されるには至っていない。
【0003】例えば、特開昭57−58891号公報、
特表昭57−500961号公報、特表昭58−502
032号公報、特開昭59−82092号公報、特開昭
60−70099号公報、特開昭60−87300号公
報、特開昭60−139700号公報、特開昭60−1
49600号公報などで提案されているヒト末梢血から
の白血球やT−リンパ球を用いる方法は、原料の細胞を
安定して大量に供給することが困難であり、また細胞当
りの産生量も不充分である。また、特開昭55−981
18号公報で提案されている方法は、培養株化されたヒ
ト由来の細胞をヒト以外の温血動物の体内へ移植する
か、ヒト以外の温血動物の体内あるいは体外に取付けた
拡散チャンバー内で、その温血動物の体液の供給を受け
ながら増殖させ、得られるヒト由来の細胞を用いてγ−
インターフェロンを製造する方法であり、原料のヒト由
来の細胞を大量に安定して供給できる点で極めて優れて
いる。
【0004】しかしながら、この方法については、培養
株化されたヒト由来の細胞の違いによって、γ−インタ
ーフェロン産生能に変動のあることが判明し、安定して
高活性のγ−インターフェロンを製造するにはなお改良
の必要があり、未だ工業的に実施するまでには至ってい
ない。γ−インターフェロンは、細胞増殖抑制作用、抗
腫瘍作用がα−インターフェロンやβ−インタ一フェロ
ンよりも着しく強く、また、それらインターフェロンな
どと併用することにより、それらの抗ウイルス作用、細
胞増殖抑制作用、抗腫瘍作用などを増強することが知ら
れており、その工業的製造方法の確立が強く望まれてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、工業的
規模で容易に実施し得るγ−インターフェロンの製造方
法を確立することを目的に、培養株化された各種ヒト由
来の細胞、殊に、培養株化された各種ヒト由来リンパ芽
球様細胞のγ−インターフェロン産生能について比較研
究を続け、更に、そのγ−インターフェロンが、γ−イ
ンターフェロン感受性疾患の予防剤および治療剤として
有用であるか否かについて鋭意研究した。
【0006】
【課題を解決するための手段】その結果、意外にも、培
養株化されたヒト由来の骨髄単球系細胞が、公知のリン
パ芽球様細胞とは違って、高いγ−インターフェロン産
生能を有し、γ−インターフェロン製造用細胞として好
適であることを見いだし、更に、その骨髄単球系細胞か
ら得られたγ−インターフェロンがγ−インターフェロ
ン感受性疾患の予防剤、治療剤として優れていることを
確認して本発明を完成した。
【0007】本発明でいう培養株化されたヒト由来の骨
髄単球系細胞とは、岩波書店発行、岸本忠三、渡辺武
編、「岩披講座 免疫科学3 免疫担当細胞」、181
〜204頁(昭和61年)およびMikio Shik
ita and Isao Yamane著、「ママリ
アン・セル・カルチャー・テクノロジー(Mammal
ian Cell Culture Technolo
gy)」、141〜162頁(1985年)、Soft
Science Publications、Tok
yo、Japanなどに記載されているように、T−細
胞、B−細胞に属さない細胞であって、抗原抗体反応に
より骨髄単球系抗原(myelomonocyte a
ntigen)の存在を示すことで同定される細胞を言
う。
【0008】例えば、本発明者等が新たに樹立したHB
L−38細胞、前述の引用文献に記載されているHL−
60細胞、KG−1細胞、ML−1細胞、ML−2細
胞、ML−3細胞、THP−1細胞、U−937細胞、
更には、「ガン(Gann)」、第75巻、660〜6
64頁(1984年)で報告されているCTV−1細胞
などが適宜利用できるが、とりわけ、HBL−38細胞
のγ−インターフェロン産生能は高く、本発明の実施に
有利に利用できる。
【0009】また、これら細胞のγ−インターフェロン
産生能を持つ遺伝子を、例えば、ポリエチレングリコ一
ルやセンダイウイルスなどを利用する細胞融合の手段や
DNAリガーゼ、制限酵素(ヌクレアーゼ)、DNAポ
リメラーゼなどの酵素を利用する公知の遺伝子組換えの
手段などによって、より容易に継代培養しうる培養株化
された細胞に導入してその増殖速度を更に高めること
も、また、そのγ−インターフェロン産生能を更に高め
ることも有利に実施できる。
【0010】本発明で使用する培養株化されたヒト由来
の骨髄単球系細胞を増殖させる方法は、適宜選択するこ
とができる。例えば、γ−インターフェロン産生能を有
するヒト由来の骨髄単球系細胞を栄養培地に接種して増
殖させる生体外で行なう組織培養法や、γ−インターフ
ェロン産生能を有するヒ卜由来の骨髄単球系細胞をヒト
以外の温血動物の体内に移植するか、または、ヒト以外
の温血動物の体内もしくは体外に取り付けた拡散チャン
バー内に移植して、その体液の供給を受けながら増殖さ
せる生体内で行なう方法などである。
【0011】まず、生体外で増殖させる場合について説
明する。この際使用する栄養培地は、ヒト由来の骨髄単
球系細胞を接種して増殖させ得るものであればよく、例
えば、RPMI 1640培地、イーグル最少基本培地
などがあり、必要に応じて、更に、ビタミン、ミネラ
ル、炭水化物、アミノ酸および哺乳類の血清などを補足
して改良することもできる。培養方法は、単層培養法ま
たは浮遊培養法が適宜選択できる。培養温度は、約20
〜40℃、好ましくは、約35〜38℃、接種量は、接
種後約1週間で最大細胞発育をみることができるような
培地ml当りの細胞数であって、好ましくは培地ml当
り約104〜107個である。細胞を接種した培地を上記
条件で約4〜10日間培養し、この間培地を定期的に新
鮮なものと取り替えて栄養物を充分補給するとともに、
培地中に放出された代謝産物を洗浄または希釈して増殖
させるのが望ましい。
【0012】次に、生体内で細胞を増殖させる方法につ
いて説明する。
【0013】この方法では、γ−インターフェロン産生
能を有するヒト由来の骨髄単球系細胞をヒト以外の温血
動物体内に移植するか、または、その体液の供給を受け
ることのできるチャンバー内に収容し、通常の飼育をす
れば、温血動物の体内から供給される栄養物を含む体液
を利用してその細胞が容易に増殖しうることから、イン
ビトロにおける組織培養のように高価な血清などを含む
栄養培地を使わずして、または大幅に節約しても大量の
γ−インターフェロンを生成させることができる。
【0014】すなわち、ヒト以外の温血動物を利用する
方法は、細胞増殖中の維持管理が容易なことはもとよ
り、インビトロで培養する場合と比較して、細胞の増殖
が安定していること、また細胞当りのγ−インターフェ
ロン産生量が増大すること、とりわけ2〜10倍、また
はそれ以上にも高まるので極めて有利である。この方法
に使用する温血動物は、ヒト由来の骨髄単球系細胞が増
殖し得るものであればよく、例えば、ニワトリ、ハトな
どの鳥類、イヌ、ネコ、サル、ヤギ、ブタ、ウシ、ウ
マ、ウサギ、モルモット、ラット、ハムスター、普通マ
ウス、ヌードマウスなどの哺乳類などが使用できる。こ
れら動物にヒト由来の骨髄単球系細胞を移植すると好ま
しくない免疫反応を起すおそれがあるので、その反応を
できるだけおさえるために、使用する動物は、できるだ
け幼若な状態、即ち卵、胚、胎児、または新生期、幼少
期のものの方が好ましい。
【0015】また、これら動物に、例えば、約200〜
600レム程度のエックス線若しくはガンマ線を照射す
るか、または、抗血清若しくは免疫抑制剤などを注射す
るなどの前処置をほどこして、免疫反応を弱めて移植し
てもよい。使用する動物がヌードマウスの場合には、成
長したものであっても免疫反応が弱いので、これらの前
処置を必要とすることなく、培養株化されたヒト由来の
骨髄単球系細胞が移植でき、急速に増殖できるので特に
好都合である。
【0016】また、培養株化されたヒト由来の骨髄単球
系細胞を、例えば、先ずハムスターに移植して増殖させ
た後、この細胞を更にヌードマウスに移植するなどのよ
うに、ヒト以外の温血動物間で移植して、ヒト由来の骨
髄単球系細胞の増殖をより安定化したり、更にそれらか
ら誘導生成されるγ−インタ一フェロン量を増加させる
ことも自由である。この場合、同種間、同属間は勿論の
こと、同綱間、同門間移植であってもよい。ヒト由来の
骨髄単球系細胞を移植する動物体内の部位は、移植した
細胞が増殖し得る部位であればよく、例えば、尿液腔、
静脈、腹腔、皮下などが自由に選ばれる。
【0017】また、直接動物体内にヒト由来の骨髄単球
系細胞を移植することなく、動物細胞の通過を阻止し得
る多孔性の濾過膜、例えば、孔径約10-7〜10-5mを
有するメンブランフィルター、限外濾過膜またはホロー
ファイバーなどを設けた公知の各種形状、大きさの拡散
チャンバーを動物体内、例えば、腹腔内に埋設して、動
物体からの栄養物を含む体液の供給を受けつつ、そのチ
ャンバー内で前述の培養株化されたヒト由来の骨髄単球
系細胞の何れもを増殖させることができる。
【0018】また、必要に応じて、このチャンバー内の
栄養物を含む溶液を動物体内の体液と接続し潅流させる
ようにしたチャンバーを、例えば、動物体表に取付け、
チャンバー内のヒト由来の骨髄単球系細胞の増殖状態を
透視できるようにすることも、また、このチャンバー部
分のみを着脱交換できるようにして、動物を屠殺せずに
寿命一杯細胞を増殖させ、動物個体当りの細胞生産量を
更に高めることもできる。
【0019】これらの拡散チャンバーを利用する方法
は、ヒ卜由来の骨髄単球系細胞が動物細胞と直接接触し
ないので、ヒト由来の骨髄単球系細胞のみが容易に採取
できるだけではなく、好ましくない免疫反応を起す心配
も少ないので、免疫反応を抑制する前処置の必要もな
く、各種温血動物を自由に利用できる特徴を有してい
る。移植した動物の維持管理は、その動物の通常の飼育
を続ければよく、移植後と雖も特別の取扱いは何ら必要
としないので好都合である。ヒト由来の骨髄単球系細胞
を増殖させるための期間は通常約1〜10週の期間で目
的を達成することができる。
【0020】このようにして得られるヒト由来の骨髄単
球系細胞数は、動物個体当り約107 〜1012個、また
はそれ以上にも達する。換言すれば、ヒト以外の温血動
物を利用する方法により増殖させたヒト由来の骨髄単球
系細胞数は、動物個体当り移植した細胞数の約102
107倍、またはそれ以上にも違し、生体外で栄養培地
に接種して増殖させる場合の約101〜106倍、または
それ以上にも違して、γ−インターフェロンの製造のた
めに極めて好都合である。
【0021】このようにして増殖させたヒト由来の骨髄
単球系生細胞を用いてγ−インターフェロンを産生させ
る方法は自由である。それが増殖した動物体内のまま
で、γ−インターフェロン誘導剤を作用させることもで
きる。例えば、腹腔内の腹水に浮遊状で増殖したヒト由
来の骨髄単球系細胞に、または皮下に生じた腫瘍細胞
に、γ−インターフェロン誘導剤を直接作用させてγ−
インターフェロンを誘導生成させ、次いで、その腹水ま
たは腫瘍からγ−インターフェロンを精製し採取すれば
よい。
【0022】また、ヒト由来の骨髄単球系細胞を動物体
内から取出し、生体外でγ−インターフェロン誘導剤を
作用させてγ−インターフェロンを誘導生成させること
もで含る。例えば、腹水中で増殖したヒト由来の骨髄単
球系細胞を分取し、または皮下に生じたヒト由来の骨髄
単球系細胞を含む腫瘍を摘出し、分散して得られる細胞
を、約20〜40℃に保った栄養培地に細胞濃度が約1
5〜108個/mlなるように浮遊させ、これにγ−イ
ンターフェロン誘導剤を作用させることによってγ−イ
ンターフェロンを誘導生成させ、これを精製し採取すれ
ばよい。
【0023】更に、ヒト由来の骨髄単球系細胞を拡散チ
ャンバー内で増殖させる場合には、増殖させた細胞をチ
ャンバー内のままで、またはチャンバーから取り出し
て、γ−インターフェロンを誘導生成させることもでき
る。
【0024】また、γ−インターフェロンの誘導生成に
際して、必要ならば、例えば、ヒトに種特異性の高いイ
ンターフェロンを用いてプライミング処理をしたり、代
謝阻害剤を使用するスーパーインダクション法などの公
知の方法を採用することによって、生成するγ−インタ
ーフェロン量を更に高めることも自由である。
【0025】また、例えば、増殖させたヒト由来の骨髄
単球系細胞に、先ず動物体内のままでγ−インターフェ
ロンを誘導生成させた後、次いで同一動物個体の特定の
部位または全体から採取したヒト由来の骨髄単球系細胞
に、動物体外でγ−インターフェロンを誘導生成させる
方法、また、一度γ−インターフェロンの誘導生成に使
用した細胞を、更に2度以上γ−インターフェロンの誘
導生成に使用する方法、または、動物体内に埋設、若し
くは接続するチャンバーを交換して、得られる細胞数を
増加させる方法などの方法によって、使用する動物個体
当りのγ−インターフェロン生成量を更に高めることも
自由である。
【0026】γ−インターフェロン誘導剤としては、通
常、例えばフィトヘマグルチニン、コンカナバリンA、
ポークウィードミトーゲン、リポポリサッカリド、リピ
ドA、エンドトキシン、多糖類、細菌などのミトーゲン
が好適である。また、感作化された細胞にとっては、抗
原もγ−インターフェロン誘導剤である。これらγ−イ
ンターフェロン誘導剤を用いる場合には、通常約0.0
01μg〜10mg/mlの濃度で使用される。必要な
らば、例えば、ウイルス、核酸、ポリヌクレオチドなど
のα−インターフェロン誘導剤を併用して、γ−インタ
ーフェロン産生量を更に増加させることも、α−インタ
ーフェロンとγ−インターフェロンとを同時に生成させ
ることも自由である。
【0027】このようにして誘導生成させたγ−インタ
ーフェロンは、公知の精製分離法、例えば、塩析、透
析、濾過、遠心分離、濃縮、凍結乾燥などを行うことに
よって容易に精製分離し、採取することができる。更
に、高度の精製を必要とする場合には、例えば、イオン
交換体への吸着・溶出、ゲル濾過、アフィニティクロマ
トグラフィー、等電点分画、高速液体クロマトグラフィ
ー、電気泳動などの公知の方法を更に組み合せればよ
く、とりわけ、モノクローナル抗体を利用したクロマト
グラフィーなどにより、最高純度のγ−インターフェロ
ンを採取することも可能である。
【0028】このようにして得られたγ−インターフェ
ロンは、γ−インターフェロン感受性疾患の予防剤、治
療剤などとして有利に利用できる。γ−インターフェロ
ン感受性疾患とは、γ−インターフェロンによって予防
若しくは治療される疾患であり、それがウイルス性疾
患、例えば、流行性血膜炎、ヘルペス性角膜炎、インフ
ルエンザ、風疹、血清肝炎、エイズなどであっても、ま
た、非ウイルス性疾患、例えば、大腸癌、肺癌、肝癌、
骨肉腫などの悪性腫瘍、更には、アトピー性アレルギ
ー、重症筋無力症、膠原病、悪性貧血、関節リウマチ、
全身性エリテマトーデスなどの免疫疾患などであっても
よい。
【0029】また、γ−インターフェロン感受性疾患予
防剤、若しくは治療剤は、その目的に応じてその形状を
自由に選択できる。その一例を挙げれば、噴霧剤、点眼
剤、うがい剤、注射剤などの液剤、軟膏のようなペース
ト剤、粉剤、顆粒剤、錠剤などの固剤などである。これ
ら予防剤、治療剤には、γ−インターフェロンを、通
常、グラム当り、1〜10,000,000単位程度含
有せしめればよく、必要に応じてγ−インターフェロン
とともに他のリンホカイン、例えば、α−インターフェ
ロン、β−インターフェロン、ツモア・ネクロシス・フ
ァクター、リンホトキシン、インターロイキン2、B細
胞分化因子などのγ−インターフェロン以外のリンホカ
イン、更には、他の天然または合成化学治療剤などの1
種または2種以上を含有せしめ、予防、治療効果を更に
高めることも有利に実施できる。
【0030】更に必要ならば、補助剤、増量剤、安定剤
などの1種または2種以上を併用することも随意であ
る。このようにして製造される本発明のγ−インターフ
ェロン感受性疾患の予防剤、治療剤は、例えば、抗ウイ
ルス剤、抗腫瘍剤として、また、抗腫瘍性化学療法剤の
抗腫瘍効果増強剤、悪性腫瘍の転移抑制、再発防止剤、
免疫調節剤、免疫疾患治療剤などとして有利に利用でき
る。
【0031】ヒトに種特異性の高いインターフェロンの
活性は、「蛋白質 核酸 酵素」、第20巻、第6号、
616〜643頁(1975年)に報告されているヒト
羊膜由来のFL細胞を使用する公知のプラーク半減法で
測定した。なお、γ−インターフェロンの活性は、抗α
−インターフェロン抗体及び抗β−インターフェロン抗
体を共存させて、α−インターフェロン及びβ−インタ
ーフェロンを中和後、測定した。
【0032】赤血球凝集価は、J.E.Salk著、
「ザ・ジャーナル・オブ・イムノロジー(The Jo
urnal of Immunology)」、第49
巻、87頁(1944年)の方法に準じて測定した。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明で新たに樹立した骨
髄単球系細胞であるHBL−38細胞について説明す
る。
【0034】急性骨髄性白血病患者(55才の男性)か
らの白血球細胞をin vitroの栄養培地中で培養
した結果、21日後に細胞の増殖が認められた。それを
継代培養し、このうちの1種類を安定して増殖させるこ
とに成功し、これをHBL−38細胞と命名した。
【0035】〈(1)増殖能〉牛胎児血清10v/v%
を加えたRPMI 1640培地での増殖能を測定した
ところ、倍加時間は約30時間であった。
【0036】〈(2)形態〉増殖時に、フラスコの底面
に付着する性質を有していたが、付着性は弱く、すぐ遊
離した。また、増殖時に細胞集塊の形成もみられたが、
強固なものではなく、軽く触れると容易に単一細胞に分
散された。この細胞を、位相差顕微鏡で観察した結果を
図1に示した。細胞の形態は、約15μmの単一なほぼ
円形をしていた。ギムザ染色を行なった結果、核は円形
のものの他に、不規則な切込みや分葉傾向を示すものも
認められた。
【0037】〈(3)染色体数〉染色体の分析には、対
数増殖期の細胞を使用した。染色体数の頻度分布を、表
1に示した。150個の細胞について観察した結果、染
色体数は低2倍体域にあり、その頻度分布は、45本が
最も多く53個であった。また、44本の細胞も42個
認められた。
【0038】
【表1】
【0039】〈(4)核型分析〉核型分析の結果を、図
2に示した。細胞の性染色体はXYであり、細胞由来源
と一致した。染色体のNo.17の片方及びNo.18
の全部が欠落していた。No.5の短腕(p)とNo.
12の長腕(q)に染色体の挿入が観察された。また、
同定不可能なマーカ一染色体と染色分体がそれぞれ1本
認められた。
【0040】〈(5)細胞表面形質〉各種細胞表面抗体
を用いてHBL−38細胞の同定を行なった結果を表2
に示した。ヒツジ赤血球(E)、抗体感作ウシ赤血球
(EA)、ヒト補体感作ウシ赤血球(EAC)を用いた
分析では、EAに10%のロゼット形成がみられたが、
他のものは認められなかった。ヤギ抗ヒト抗体を使用し
て、細胞表面免疫グロブリンの検出を行なった結果、6
種全てが陰性であった。また、モノクローナル抗体を用
いた表面マーカーの検索の結果、3A1、MCS−2、
B3/25、MY−9は、高い陽性率を示し、NU−T
2、Leu−5、Leu−4、A−50、BA−2、O
KT−1、NU−N1、B2、MO−1、MO−2は、
全て陰性であった。
【0041】
【表2】
【0042】〈(6)EBウイルス特異核抗原(EBN
A)の検索〉EBNAについては、細胞株樹立後、早期
より数回にわたって検索したが、常に陰性であった。
【0043】〈(7)軟寒天培地中でのコロニー形成〉
コロニー形成因子(CSF)を含む0.3%寒天培地中
でのコロニー形成を試験し、培養14日目で倒立顕微鏡
により観察した結果、ミエロイド様のコロニーを形成す
る細胞が認められた。それらの頻度は、1〜2%であっ
た。コロニー形成因子を加えない場合は、全く造られな
かった。
【0044】以上の結果より、HBL−38細胞は、骨
髄単球系細胞に属することが判明した。次に、γ−イン
ターフェロンの産生に関する実験Iを述べる。
【0045】
【実験I】
〈培養株化されたヒト由来の各種リンパ芽球様細胞のγ
−インターフェロン産生能の比較〉
【0046】
【実験I−1】 〈生体外で増殖させた細胞によるインターフェロンの産
生〉牛胎児血清を20v/v%補足したRPMI 16
40培地(pH7.2)に、培養株化されたヒト由来の
各種細胞をそれぞれ接種し、37℃で、常法に従って培
養し、次いで、血清無添加のRPMI 1640培地
(pH7.2 )で洗浄し、同培地に濃度1×106
/mlになるように懸濁した。
【0047】このようにして得たヒト由来の各種細胞懸
濁液それぞれに、リポポリサッカリドをml当り約10
μgを添加し、37℃で、2日間保ってインターフェロ
ンを誘導させ、遠心分離し、上清を用いてそのml当り
のインターフェロン活性及びγ−インターフェロン活性
を測定した。その結果を、表3にまとめた。
【0048】
【表3】
【0049】表3の結果から明らかなように、培養株化
されたヒト由来の各種リンパ芽球様細胞のγ−インター
フェロン産生能を比較したところ、従来、その産生が全
く知られていなかった骨髄単球系細胞からの産生を見い
だし、しかも、その産生量の多いことが判明した。とり
わけ、HBL−38細胞は、γ−インターフェロン産生
能が著しく高く、本発明で有利に利用できる。
【0050】
【実験I−2】 〈生体内で増殖させた細胞によるインターフェロンの産
生〉
【0051】新生児のハムスターに、ウサギから公知の
方法で調製した抗血清を予め注射し、ハムスターの免疫
を弱めた後、その皮下に培養株化されたヒ卜由来の骨髄
単球系細胞をそれぞれ移植して、その後、通常の方法で
3週間飼育した。皮下に生じた腫瘍を摘出して細切した
後、トリプシン含有の生理食塩水に懸濁して細胞を分散
し、分取した。得られたそれぞれの細胞を、実験I−1
と同様に懸濁液とし、同様に活性を測定した。その結果
を、表4にまとめた。
【0052】
【表4】
【0053】表3および表4の結果から明らかなよう
に、培養株化されたヒト由来の骨髄単球系細胞、とりわ
け、HBL−38細胞は、生体外で増殖させた細胞より
も、生体内で増殖させた細胞の方が、顕著に高いγ−イ
ンターフェロン産生量を示すことが判明した。
【0054】以下、γ−インターフェロンの製造例を実
施例Aとして示す。
【0055】
【実施例A−1】HBL−38細胞を仔牛血清を10v
/v%補足したRPMI 1640培地(pH7.2)
に細胞濃度5×105 個/mlになるように接種した。
その後、常法に従って、定期的に新鮮な培地と取り替え
ながら、37℃で培養し、次いで、新鮮な同培地で洗浄
し、同培地に濃度2×106 個/mlになるように懸濁
した。これにリポポリサッカリドをml当り約10μl
添加し、37℃で、2日間保ってインターフェロンを誘
導させた。これを遠心分離し、その上清ml当り、約
5,100単位のγ−インターフェロンを得た。
【0056】
【実施例A−2】新生児のハムスターに、ウサギから公
知の方法で調製した抗血清を予め注射し、ハムスターの
免疫反応を弱めた後、その皮下にHBL−38細胞を移
植し、その後、通常の方法で、4週間飼育した。皮下に
生じた約20gの腫瘍を摘出した後、コラゲナーゼ含有
生理食塩水に懸濁して、細胞を分散し、分取した。この
細胞を、イーグルの最少基本培地で洗浄した後、37℃
に保った同じ組成の培地に、細胞濃度が約2×106
/mlになるように懸濁し、これにml当りフィトヘマ
グルチニン200μgおよびリピドAを5μg加え、3
7℃で、2日間保ってインターフェロンを誘導させた。
これを遠心分離し、上清ml当り約93,000単位の
γ−インターフェロンを得た。ハムスタ−1匹当り約1
83,000,000単位のγ−インターフェロンが得
られた。
【0057】
【実施例A−3】新生児のラットの静脈内へ、KG−1
細胞を移植した後、通常の方法で、4週間飼育した。皮
下に生じた約20gの腫瘍を摘出した後、実施例A−2
と同様にして分散し、細胞懸濁液を得た。これに、ml
当りセンダイウイルスを約100赤血球凝集価およびリ
ポポリサッカリド約5μlを加え、37℃で、2日間保
ってインターフェロンを誘導させた。これを遠心分離
し、上清ml当り、約49,000単位のγ−インター
フェロンを得た。ラット1匹当り約97,000,00
0単位のγ−インターフェロンが得られた。
【0058】
【実施例A−4】孔径約0.5ミクロンのメンブランフ
ィルターを設けた内容量約10mlのプラスチック製円
筒型チャンバー内に、CTV−1細胞を生理食塩水で浮
遊させ、このチャンバーを成長したラットの腹腔内に埋
設した。このラットを通常の方法で、4週間飼育した
後、このチャンバーを取り出した。この細胞を、実施例
A−1と同様に処理してインターフェロンを誘導させ
た。これを遠心分離し、上清ml当り、約41,000
単位のγ−インターフェロンを得た。ラット1匹当り、
約78,000,000単位のγ−インターフェロンが
得られた。
【0059】
【実施例A−5】37℃で、5日間保ったニワトリの受
精卵に、HBL−38細胞を移植した後、37℃で、1
週間保った。この卵を割卵した後、増殖細胞を採取し、
その細胞を実施例A−2と同様に処理してインターフェ
ロンを誘導させた。これを遠心分離し、上清ml当り、
約36,000単位のγ−インターフェロンを得た。受
精卵10個当り約60,000,000単位のγ−イン
ターフェロンが得られた。
【0060】次に、抗γ−インターフェロンモノクロー
ナル抗体の製造方法と、それを利用した高純度γ−イン
ターフェロンの製造例を実施例Bとして示す。
【0061】
【実施例B−1】 〈(1)部分精製したγ−インターフェロンの調製〉実
施例A−2の方法で調製したγ−インターフェロン含有
溶液を、pH8.5、0.01Mトリス塩酸塩緩衝液
で、20時間透析し、更に精密濾過して得た濾液を、抗
α−インターフェロン抗体および抗β−インターフェロ
ン抗体を固定化した抗体カラムに流し、その非吸着画分
を採取し、更に、これをクロマトフォーカッシング法に
より抗ウイルス活性画分を採取し、濃縮し、凍結乾燥し
て、γ−インターフェロンを含有する粉末を、活性収率
約30%で得た。本品の比活性は、約106単位/mg
蛋白質であった。
【0062】〈(2)抗γ−インターフェロンモノクロ
ーナル抗体の調製〉実施例B−1(1)の方法で得た部
分精製γ−インターフェロンを、生理食塩水に蛋白質濃
度として約0.05w/v%になるように溶解し、これ
とフロイント完全アジュバンド乳化液とを、等量混合し
て、この混合液0.2mlをマウスの皮下に注射し、7
日後、再び同様に注射してマウスを免疫した。その抗体
産生能を有する細胞に抗γ−インターフェロン抗体を誘
導生成せしめ、このマウスからひ臓を摘出し、細切分散
して得られるひ臓細胞とマウス骨髄腫細胞P3−X63
Ag8(Flow Laboratories社製)と
を、血清無含有イーグル最少基本培地で調製した50w
/v%ポリエチレングリコール−1000溶液(pH
7.2、温度37℃)に、それぞれ104 個/mlにな
るように浮遊させて5分間保った後、前記基本培地で2
0倍に希釈し、次いでダビソン(Davison)など
が、ソマティック・セル・ジェネティクス(Somat
ic Cell Genetics)、第2巻、175
〜176頁(1976年)に報告している方法に準じ
て、ヒポキサンチン−アミノプテリン−チミジン培養液
で増殖しうる融合細胞を採取し、この融合細胞から抗γ
−インターフェロン抗体産生能を有する融合細胞を選択
した。得られた融合細胞を、マウス腹腔内に1匹当り約
106 個移植して、2週間飼育した後、これを屠殺して
腹水、血液などの体液を集め、遠心分離し、この上清を
硫安塩析して、飽和度30〜50%の沈澱画分を集め、
次いで透析し、更に、この溶液を、実施例B−1(1)
の方法で得たγ−インターフェロンをブロムシアン活性
化セファロースと室温下で反応させて得られる固定化γ
−インターフェロンゲルを用いてアフィニティクロマト
グラフィーを行ない、抗γ−インターフェロン抗体画分
を得、透析した後、濃縮し、凍結乾燥して粉末状のγ−
インターフェロンモノクローナル抗体を採取した。
【0063】本品は、骨髄単球系細胞由来のヒトγ−イ
ンタ一フェロン活性に対して免疫学的に特異的な中和活
性を示した。
【0064】このモノクローナル抗体の水溶液での安定
性を、中和活性の測定により調べた結果、pH7.2で
30分間保持する条件では、60℃で80%以上の活性
が残存し、70℃で90%以上の活性が失なわれた。
【0065】また、4℃で16時間保待する条件で、p
H4.0〜11.0の範囲で安定であり、pH2.0で
は90%以上の活性が失なわれた。更に、このモノクロ
ーナル抗体の性質を調べた結果、2−メルカプトエタノ
一ルに不安定であり、抗マウスイムノグロブリンM抗体
と特異的抗原抗体反応を示すことが判明した。
【0066】従って、このモノクローナル抗体は、イム
ノグロブリンMクラスに分類される抗体である。
【0067】〈(3)高純度に精製したγ−インターフ
ェロンの調製〉実施例B−1(1)の方法で調製した部
分精製γ−インターフェロンを、実施例B−1(2)の
方法で調製したモノクローナル抗体を固定化したゲルを
用いてカラムクロマトグラフィーを行ないγ−インター
フェロンの活性画分を採取し、透析し、濃縮して凍結乾
燥し、活性収率約80%でγ−インターフェロン固体を
得た。本品は、高純度に精製されたγ−インタ一フェロ
ンであって、その比括性は約1.5×107単位/mg
蛋白質であった。
【0068】
【実施例B−2】 〈(1)部分精製したγ−インターフェロンの調製〉実
施例A−3の方法で調製したγ−インターフェロン含有
溶液を、実施例B−1(1)の方法に準じて部分精製
し、比活性約106 単位/mg蛋白質のγ−インターフ
ェロンを収率約20%で得た。
【0069】〈(2)抗γ−インターフェロンモノクロ
ーナル抗体の調製〉実施例B−2(1)の方法で得た部
分精製γ−インターフェロンを抗原に用いた以外は、実
施例B−1(2)と同様にマウスを免疫し、ひ臓細胞を
得た。このひ臓細胞とマウス骨髄腫細胞P3−NS−1
/1−Ag4−1(大日本製薬株式会社製)とを、14
0mM NaCl、54mM KCl、1mM NaH
2P04、2mM CaCl2を含有する塩類溶液に、そ
れぞれ104 個/mlになるように浮遊させ、これに、
予め紫外線で不活化したセンダイウイルスを含有する前
記塩類溶液を氷冷下で混合し、この混合液を5分後に3
7℃のRPMI培地で約20倍に希釈し、次いで、実施
例B−1(2)と同様にして抗γ−インターフェロン抗
体産生能を有する融合細胞を選択した。
【0070】得られた融合細胞を、公知の方法で免疫反
応を弱めた生後7日のハムスターの腹腔内に、1匹当り
約107 個移植し、実施例B−1(2)と同様にしてモ
ノクローナル抗体を採取した。
【0071】本品は、実施例B−1(2)で調製したモ
ノクローナル抗体と同様に、γ−インターフェロン活性
に対し免疫学的に特異的中和活性を示した。このモノク
ローナル抗体の水溶液での安定性を、その中和活性の測
定により調べた結果、pH7.2で30分間保持する条
件では、60℃で80%以上の活性が残存し、70℃で
90%以上の活性が失なわれた。また、4℃で16時間
保持する条件では、pH2.0〜11.0の範囲で安定
であった。
【0072】更に、このモノクローナル抗体の性質を調
べた結果、2−メルカプトエタノールに安定であり、抗
マウスイムノグロブリンG抗体と特異的抗原抗体反応を
示すことが判明した。従って、このモノクローナル抗体
は、イムノグロブリンGクラスに分類される抗体であ
る。
【0073】〈(3)高純度に精製したγ−インターフ
ェロンの調製〉実施例B−2(1)の方法で調製した部
分精製γ−インターフェロンを、実施例B−2(2)の
方法で調製したモノクローナル抗体を固定化したゲルを
用いてカラムクロマトグラフィーを行ない、γ−インタ
ーフェロンの活性画分を採取し、透析し、濃縮して活性
収率約85%でγ−インターフェロン溶液を得た。本品
は、高純度に精製されたγ−インターフェロンであっ
て、その比活性は、約1.5×107単位/mg蛋白質
であった。
【0074】
【実施例B−3】実施例A−1の方法で得られたγ−イ
ンターフェロンを含有する上清を、pH7.2、0.0
1Mリン酸塩緩衝液を含有する生理食塩水で15時間透
析し、更に精密濾過して得られる濾液を、実施例B−1
(3)の方法に準じて抗体カラムを用いて精製し、濃縮
し、凍結乾燥して活性収率約75%でγ−インターフェ
ロン固体を得た。本品は、高純度に精製されたγ−イン
ターフェロンであって、その比活性は、約1.5×10
7単位/mg蛋白質であった。
【0075】
【実施例B−4】実施例A−4の方法で得られたγ−イ
ンターフェロンを含有する上清を、実施例B−3の方法
に準じて透析し、精密濾過して得られる濾液を、実施例
B−2(3)の方法に準じて抗体カラムを用いて精製
し、濃縮して、活性収率約70%てγ−インターフェロ
ン溶液を得た。本品は、高純度に精製されたγ−インタ
ーフェロンであって、その比活性は約1.5×107
位/mg蛋白質であった。
【0076】
【実施例B−5】実施例A−5の方法で得られたγ−イ
ンターフェロンを含有する上清を、実施例B−3の方法
に準じて透析し、精密濾過して得られる濾液を実施例B
−1(3)の方法に準じて抗体カラムを用いて精製し、
濃縮し、凍結乾燥して、活性収率約70%でγ−インタ
ーフェロン固体を得た。本品は、高純度に精製されたγ
−インターフェロンであって、その比括性は、約1.5
×107 単位/mg蛋白質であった。
【0077】次に、γ−インターフェロンによるγ−イ
ンタ一フェロン感受性疾患の予防、治療に関する実験I
Iについて述べる。
【0078】
【実験II】
〈γ−インターフェロンによるγ−インターフェロン感
受性疾患の予防、治療試験〉
【0079】
【実験II−1】 〈in vitroでのウイルス増殖抑制作用〉直径6
cmのシャーレで単層培養したヒト胎児肺の初代培養細
胞に、実施例B−1(3)の方法で調製したγ−インタ
ーフェロンを0.1、1.0または10.0単位添加
し、37℃で、5%炭酸ガスインキュベータ中に20時
間保った後、これに、γ−インターフェロン無添加の場
合に約100個のプラーク形成能を有する量のバリセラ
ーゾスターウイルス(水痘帯状庖疹ウイルス)、または
ヒトサイトメガロウイルス(死産、早産原因ウイルス)
を添加することにより生成するプラーク数を計数した。
【0080】ウイルス増殖抑制作用は、数1に示したγ
−インターフェロンによるプラーク数減少率(%)の程
度で判定した。
【0081】
【数1】
【0082】計数した結果を、表5に示す。
【0083】
【表5】
【0084】表5の結果から明らかなように、本発明で
使用するγ−インターフェロンは、ウイルス性疾患を引
き起すウイルスの増殖を効果的に抑制していることがわ
かる。
【0085】
【実験II−2】 〈γ−インターフェロンによる悪性腫瘍の治療〉
【0086】
【実験II−2(1)】 〈in vitroでのγ−インターフェロンによる悪
性腫瘍細胞増殖抑制作用〉牛胎児血清を15v/v%含
有するRPMI 1640培地に、実施例B−1(3)
の方法で調製したγ−インターフェロンを最終濃度を
5、50、500単位/mlになるように添加して、さ
らに、これにヒ卜由来の悪性腫瘍細胞を5×105 個/
mlの濃度になるように接種し、37℃に保った5%炭
酸ガスインキュベータ中で3日間培養した。対照として
は、100℃に30分間保って熱失活させたγ−インタ
ーフェロンをそれぞれ等量になるように添加して、同様
に培養した。培養終了後、「アプライド・マイクロバイ
オロジー(Applied Microbio1og
y)」、第22巻、第4号、671〜677頁(197
1年)に記載されている方法に準じて、染色剤ニュート
ラルレッドで生細胞を染色し、続いて、この染色剤をア
シドエタノ一ルで溶出し、溶出液の540nmにおける
吸光度から生細胞量を測定した。細胞増殖抑制率(%)
は、数2により算出した。
【0087】
【数2】
【0088】測定結果を表6に示す。
【0089】
【表6】
【0090】表6の結果から明らかなように、本発明で
使用するγ−インターフェロンは、KB細胞、HEp−
2細胞、KATO−III細胞、P−4788細胞など
の悪性腫瘍細胞の増殖を著しく抑制しており、その活性
濃度も5〜500単位/mlで有効であることがわか
る。
【0091】
【実験II−2(2)】 〈in vitroでのγ−インターフェロンによる他
のリンホカインの悪性腫瘍増殖抑制作用の増強効果〉
【0092】使用したリンホカインとしては、γ−イン
タ一フェロンを5単位/ml、α−インターフェロンを
50単位/ml、およびツモア・ネクロシス・ファクタ
ーを10単位/ml使用した。これらのリンホカイン
は、いずれもリンパ芽球様細胞由来の天然型のものを使
用した。
【0093】実験方法は、実験II−2(1)の方法に
準じて行ない、細胞増殖抑制率(%)を求めた。結果
は、表7に示す。
【0094】
【表7】
【0095】表7の結果から明らかなように、γ−イン
ターフェロンは、他のリンホカインの持つ悪性腫瘍増殖
抑制作用を著しく増強し、その作用は、γ−インターフ
ェロンの持つその抑制作用と相乗効果を示す。
【0096】
【実験II−2(3)】 〈in vitroでのγ−インターフェロンによる化
学療法剤の悪性腫瘍増殖抑制作用の増強効果〉
【0097】実験II−2(1)の方法に準じて調製し
た栄養培地1mlにヒト由来の悪性腫瘍細胞を106
ずつとり、1日間培養した後、これに実施例B−1
(3)の方法で調製したγ−インターフェロンを最終濃
度50単位及び/または化学療法剤を含有する生理食塩
水0.1mlを加え、37℃で、2日間培養した。対照
としては、γ−インターフェロン及び化学療法剤を含ま
ない生理食塩水を用いた。培養終了後、実験II−2
(1)の方法に従って、細胞増殖抑制率(%)を求め
た。
【0098】なお、化学療法剤の濃度は、培養液ml当
り、塩酸ニムスチン(ACNU)1.0×10-6g、フ
ルオロウラシル(5−FU)1.5×10-8g、ドキソ
ルビシン(ADM)1.0×10-10g、マイトマイシ
ンC(MMC)2.5×10-9gおよび硫酸ビンクリス
チン(VCR)1.5×10-10gとした。結果は、表
8に示す。
【0099】
【表8】
【0100】表8の結果から明らかなように、γ−イン
ターフェロンは、各種化学療法剤の持つ悪性腫瘍増殖抑
制作用を著しく増強し、その作用は、γ−インターフェ
ロンの持つその抑制作用と相加効果乃至相乗効果を示
す。
【0101】
【実験II−2(4)】 〈in vivoでの悪性腫瘍増殖抑制作用〉BALB
/c由来のヌードマウスにヒト乳癌組織片を背部皮下に
移植し、その腫瘍体積が約200mm3 になった時期か
ら、実施例B−1(3)の方法で調製したγ−インター
フェロンを単独で、またはこのγ−インターフェロンと
リンパ芽球様細胞由来の他のリンホカインおよび化学療
法剤とを併用して、生理食塩水に溶解した状態で、毎日
1回20日間静脈注射を行った。
【0102】その後、ヌードマウスを屠殺して腫瘍重量
を測定した。なお、対照としては、生理食塩水を使用し
た。結果は、表9に示す。
【0103】
【表9】
【0104】表9の結果から明らかなように、生体内
(in vivo)の試験においても、γ−インターフ
ェロンは、悪性腫瘍の増殖を著しく抑制する。また、そ
の増殖抑制作用は、他のリンホカインや化学療法剤との
併用により著しく増強され、高い抗腫瘍効果を発揮す
る。
【0105】
【実験II−2(5)】 〈急性毒性試験〉生後20日のマウスを使用して、実施
例B−1(3)の方法で得られたγ−インターフェロン
の急性毒性試験をした。その毒性は極めて低く、腹腔内
に注射した時のLD50は、109単位/kgマウス以上
であることが判明した。
【0106】以下、本発明のγ−インターフェロンを有
効成分として含有せしめた薬剤の製造例を、実施例Cと
して示す。
【0107】
【実施例C−1】 〈液剤〉生理食塩水に、実施例B−1(3)の方法で調
製したγ−インターフェロンをml当り500単位の割
合で含有せしめて液剤を製造した。本品は、流行性結膜
炎やインフルエンザなどのウイルス性疾患の予防剤、治
療剤として、噴霧用、点眼用、点鼻用、うがい用に好適
である。
【0108】
【実施例C−2】 〈注射剤〉生理食塩水に、実施例B−2(3)の方法で
調製したγ−インターフェロンをml当り100,00
0単位の割合で含有せしめ、これを無菌的に濾過し、得
られる濾液を滅菌したガラス容器に2mlずつ採り、凍
結乾燥して密栓し、乾燥注射剤を得た。本品は、実施例
C−1の場合と同様にウイルス疾患の予防剤、治療剤と
して有利に利用できる。また、乳癌、肺癌、肝癌、白血
病などの悪性腫瘍の予防剤、治療剤として、また、アト
ピー性アレルギー、悪性貧血、関節リウマチ、全身性エ
リテマトーデスなどの免疫疾患の予防剤、治療剤として
も好適である。
【0109】更に、メルファラン、メソトレキサート、
ドキソルビシンなどの化学療法剤の抗腫瘍効果増強剤と
して利用することも好都合である。
【0110】
【実施例C−3】 〈注射剤〉生理食塩水に、実施例B−3の方法で調製し
たγ−インターフェロン、リンパ芽球様細胞由来の天然
型α−インターフェロンおよびリンパ芽球様細胞由来の
天然型ツモア・ネクロシス・ファクターを、ml当りそ
れぞれ、10,000単位、100,000単位および
100,000単位の割合で含有せしめ、これを無菌的
に濾過し、実施例C−2と同様に凍結乾燥して乾燥注射
剤を得た。本品は、各種ウイルス性疾患の予防剤、治療
剤として好適である。
【0111】また、乳癌、肺癌、肝癌、胃癌、白血病な
どの各種悪性腫瘍の予防剤、治療剤として、また、アト
ピー性アレルギー、膠原病、関節リウマチ、全身性エリ
テマトーデスなどの免疫疾患の予防剤、治療剤としても
好適である。
【0112】更に、テガフール、マイトマイシンC、硫
酸ビンクリスチンなどの化学療法剤の抗腫瘍効果増強剤
として利用することも好都合である。
【0113】
【実施例C−4】 〈軟膏剤〉実施例B−1(3)の方法で調製したγ−イ
ンターフェロンおよびリンパ芽球様細胞由来の天然型α
−インターフェロンを、常法に従い少量の流動パラフィ
ンに研和した後、製品グラム当りγ−インターフェロン
およびα−インターフェロンがそれぞれ50,000単
位および500,000単位になるようにワセリンを加
えて混合し、軟膏剤を得た。本品は、ヘルペス、皮膚
癌、アトピー性皮膚炎などの各種皮膚疾患の予防剤、治
療剤として好適である。
【0114】
【実施例C−5】 〈腸溶性錠剤〉常法に従って、澱粉とマルトースとを基
材として錠剤を製造するに際し、実施例B−5の方法で
調製したγ−インターフェロンおよびリンパ球様細胞由
来の天然型ツモア・ネクロシス・ファクターを1錠(2
00mg)当り10,000単位ずつ含有せしめて錠剤
を製造し、これにメチルセロース フタレートをコーテ
ィングして腸溶性錠剤を得た。本品は、小腸、大腸など
のウイルス性疾患の予防剤、治療剤として有利に利用で
きる。
【0115】また、大腸癌、結腸癌、肝癌などの予防
剤、治療剤として、また、アトピー性アレルギー、重症
筋無力症、関節リウマチ、全身性エリテマト一デスなど
の免疫疾患の治療剤、予防剤としても有利に利用でき
る。
【0116】更に、ドキソルビシン、フルオロウラシ
ル、マイトマイシンCなどの化学療法剤の抗腫瘍効果増
強剤として利用することも好都合である。
【0117】
【発明の効果】前記したように、従来、γ−インターフ
ェロンは、その産生量が不充分で、工業的に製造するこ
とは極めて困難であった。これに対し、本発明は、培養
株化されたヒト由来の骨髄単球系細胞が、γ−インター
フェロン産生能が著しく高いことを見いだし、また、こ
のγ−インターフェロンが高いウイルス増殖抑制作用お
よび悪性腫瘍増殖抑制作用を有すること、更には、毒性
が極めて低いことを見いだし、このγ−インターフェロ
ンを有効成分として含んでなるγ−インターフェロン感
受性疾患剤を完成したものである。本発明のγ−インタ
ーフェロン感受性疾患剤は、γ−インターフェロン感受
性疾患の予防剤、治療剤として使用でき、従来治療が困
難とされているウイルス病、悪性腫瘍、免疫疾患などの
予防剤、治療剤として著効を示す。このように、本発明
の産業的意義は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】HBL−38細胞の位相差顕微鏡写真である。
【図2】HBL−38細胞の核型分析の結果を示す写真
である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年2月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】HBL−38細胞の核型分析における染色体観
察の結果を示す顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07H 21/04 C12P 21/08 C07K 14/57 A61K 37/66 AAR 16/24 ABB C12N 5/10 ABC // C12N 15/02 ADY C12P 21/02 C12N 5/00 B 21/08 9282−4B 15/00 C (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:91)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒト由来の骨髄単球系細胞が産生するγ
    −インターフェロンを有効成分として含んでなるγ−イ
    ンターフェロン感受性疾患剤。
  2. 【請求項2】 ヒト由来の骨髄単球系細胞が産生するγ
    −インターフェロンが、少なくとも比活性約1.5x1
    7単位/mg蛋白質であることを特徴とする請求項1
    に記載のγ−インターフェロン感受性疾患剤。
  3. 【請求項3】 抗ウイルス剤、抗腫瘍剤、抗腫瘍効果増
    強剤および免疫疾患治療剤としての請求項1または2に
    記載のγ−インターフェロン感受性疾患剤。
  4. 【請求項4】 ヒト由来の骨髄単球系細胞が、γ−イン
    ターフェロン産生能を有する培養株化されたヒト由来の
    骨髄単球系細胞であって、ヒト以外の温血動物体内に移
    植させるか、またはヒト以外の温血動物体内もしくは体
    外に取り付けた拡散チャンバー内に移植してその温血動
    物の体液の供給を受けながら増殖させて得られた細胞で
    あることを特徴とする請求項1、2または3に記載のγ
    −インターフェロン感受性疾患剤。
  5. 【請求項5】 ヒト由来の骨髄単球系細胞が産生するγ
    −インターフェロンが、γ−インターフェロン産生能を
    有する培養株化されたヒト由来の骨髄単球系細胞に誘導
    剤を接触させて得られたものであることを特徴とする請
    求項1、2、3または4に記載のγ−インターフェロン
    感受性疾患剤。
  6. 【請求項6】 ヒト由来の骨髄単球系細胞が、HBL−
    38細胞、HL−60細胞、KG−1細胞、ML−1細
    胞、ML−2細胞、ML−3細胞、THP−1細胞、U
    −937細胞およびCTV−1細胞から選ばれる細胞で
    あることを特徴とする請求項1、2、3、4または5に
    記載のγ−インターフェロン感受性疾患剤。
  7. 【請求項7】 有効成分であるヒト由来の骨髄単球系細
    胞が産生するγ−インターフェロンが、抗γ−インター
    フェロンモノクローナル抗体を用いたカラムクロマトグ
    ラフィーにより精製し採取されたものであることを特徴
    とする請求項1、2、3、4、5または6に記載のγ−
    インターフェロン感受性疾患剤。
  8. 【請求項8】 抗γ−インターフェロンモノクローナル
    抗体が、ヒト由来の骨髄単球系細胞が産生するγ−イン
    ターフェロンを抗原としてヒト以外の温血動物に免疫
    し、該動物から抗体産生細胞を採取し、これと骨髄腫細
    胞とを融合せしめて得られる融合細胞から抗γ−インタ
    ーフェロン抗体産生能を有する融合細胞を選択し、次い
    で、この選択細胞を増殖させて得られるγ−インターフ
    ェロンに特異性を示すモノクローナル抗体であることを
    特徴とする請求項7に記載のγ−インターフェロン感受
    性疾患剤。
  9. 【請求項9】 モノクローナル抗体が、イムノグロブリ
    ンGクラスまたはイムノグロブリンMクラスであること
    を特徴とする請求項8に記載のγ−インターフェロン感
    受性疾患剤。
  10. 【請求項10】 ヒト由来の骨髄単球系細胞が産生する
    γ−インターフェロンとともに、他のリンホカインを有
    効成分として含んでいることを特徴とする請求項1、
    2、3、4、5、6、7、8または9に記載のγ−イン
    ターフェロン感受性疾患剤。
  11. 【請求項11】 他のリンホカインが、α−インターフ
    ェロン、β−インターフェロン、ツモア・ネクロシス・
    ファクター、リンホトキシン、インターロイキン2、お
    よびB細胞分化因子から選ばれる1種または2種以上の
    リンホカインであることを特徴とする請求項10に記載
    のγ−インターフェロン感受性疾患剤。
JP8299887A 1996-10-25 1996-10-25 γ−インターフェロン感受性疾患剤 Expired - Lifetime JP2850293B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8299887A JP2850293B2 (ja) 1996-10-25 1996-10-25 γ−インターフェロン感受性疾患剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8299887A JP2850293B2 (ja) 1996-10-25 1996-10-25 γ−インターフェロン感受性疾患剤

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62125777A Division JP2632849B2 (ja) 1986-07-25 1987-05-25 γ―インターフェロンの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09208489A true JPH09208489A (ja) 1997-08-12
JP2850293B2 JP2850293B2 (ja) 1999-01-27

Family

ID=17878150

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8299887A Expired - Lifetime JP2850293B2 (ja) 1996-10-25 1996-10-25 γ−インターフェロン感受性疾患剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2850293B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6191135A (ja) * 1984-10-05 1986-05-09 ドクトル レントシュレール ビオテクノロジー ゲー・エム・ベー・ハー γ−インタフエロン(γ−IFN)を含有するリユ−マチ症治療剤
JPS6193130A (ja) * 1984-10-05 1986-05-12 ビオフエロン ビオヒエミシエ サブスタンツエン ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング ウント コムパニー 低投与量にてヒトの各種病気を系統的に処置するためのγ‐インタフエロン含有剤
JPS63152999A (ja) * 1986-09-04 1988-06-25 アグリカルチュラル,ジェネティックス,カンパニー,リミテッド 非放射性核酸ハイブリッド形成プローブ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6191135A (ja) * 1984-10-05 1986-05-09 ドクトル レントシュレール ビオテクノロジー ゲー・エム・ベー・ハー γ−インタフエロン(γ−IFN)を含有するリユ−マチ症治療剤
JPS6193130A (ja) * 1984-10-05 1986-05-12 ビオフエロン ビオヒエミシエ サブスタンツエン ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング ウント コムパニー 低投与量にてヒトの各種病気を系統的に処置するためのγ‐インタフエロン含有剤
JPS63152999A (ja) * 1986-09-04 1988-06-25 アグリカルチュラル,ジェネティックス,カンパニー,リミテッド 非放射性核酸ハイブリッド形成プローブ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2850293B2 (ja) 1999-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5554515A (en) Preparation of a monoclonal antibody specific to human myelomonocyte interferon-gamma
US4621050A (en) Process for the production of human colony-stimulating factor
US4758549A (en) Lymphokine, monoclonal antibody specific to the lymphokine and their production and uses
EP0254593B1 (en) Preparation and uses of interferon-gamma
KR930004596B1 (ko) 신규 림포킨(lymphokine) 및 이에 대해 특이성을 갖는 모노클로날(monoclonal) 항체의 제조 방법
JP2632849B2 (ja) γ―インターフェロンの製造方法
JPH09208489A (ja) γ−インターフェロン感受性疾患剤
JP2926409B2 (ja) 癌転移抑制因子の製造方法
US4994556A (en) Novel lymphokine and its production and uses
JP2566761B2 (ja) 骨髄単球系細胞
JP2532025B2 (ja) 新リンホカインiiiを有効成分とする抗腫瘍作用を有するリンホカインの活性増強剤
KR820001174B1 (ko) 사람 특이성 인터페론의 제조법
JPH0527640B2 (ja)
JPH0446928B2 (ja)
JPS61115026A (ja) 新リンホカイン2の製造方法
JPH0811759B2 (ja) 新リンホカイン▲ii▼とその製法および用途
JPH0532032B2 (ja)
JPS61115028A (ja) 抗腫瘍効果増強剤
JPS61115099A (ja) モノクロ−ナル抗体とその製法
JPH0526468B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071113

Year of fee payment: 9