JPH0920709A - 3−ブロモカテコールの製造方法 - Google Patents

3−ブロモカテコールの製造方法

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JPH0920709A
JPH0920709A JP17484695A JP17484695A JPH0920709A JP H0920709 A JPH0920709 A JP H0920709A JP 17484695 A JP17484695 A JP 17484695A JP 17484695 A JP17484695 A JP 17484695A JP H0920709 A JPH0920709 A JP H0920709A
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JP
Japan
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bromocatechol
methoxyphenol
bromo
acid
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Application number
JP17484695A
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English (en)
Inventor
Mitsuaki Yoshimitsu
満明 吉光
Shinichi Soga
真一 曽我
Hisao Eguchi
久雄 江口
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の方法では工業的に満足できなかった3
−ブロモカテコールの製造方法を提供する。 【構成】 2−アルコキシフェノールを少なくとも1組
のN−Br結合を有する臭素化剤と反応させて2−アル
コキシ−6−ブロモフェノールとした後、続いてプロト
ン酸又はルイス酸を用いてアルコキシ基をOH基へと変
換させる3−ブロモカテコールの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬、農薬、レジスト
材料、染料等の原料として有用な3−ブロモカテコール
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】3−ブロモカテコールの製造方法につい
てはこれまでに2件の報告がある。
【0003】米国文献ジャーナル・オブ・ザ・アメリカ
ン・ケミカル・ソサエティー(J.Am.Chem.S
oc.)第69巻、第2241項、1947年では、
2,3−ジメトキシベンズアルデヒドを出発原料とする
方法が開示されている。しかしながらこの方法は、大量
入手の困難な出発原料を必要とすることに加えて、6工
程もの反応を経由する方法であることから、3−ブロモ
カテコールの製造方法としては満足できるものではな
い。また特開平3−34947号公報では、2−ブロモ
フェノールと過酸化水素との反応により製造する方法が
開示されているが、この方法もまた大量入手の困難な出
発原料を必要とすることに加えて、反応収率が非常に低
い方法であることから3−ブロモカテコールの製造方法
として満足できるものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の課題に
鑑みてなされたものであり、その目的は、従来の方法で
は工業的に満足できなかった3−ブロモカテコールの製
造方法を提供することにある。すなわち、3−ブロモカ
テコールを安価に効率的に製造する方法を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の事
情に鑑み、3−ブロモカテコールを安価に効率的に製造
する方法を提案すべく鋭意検討した結果、2−アルコキ
シフェノールを少なくとも1組のN−Br結合を有する
臭素化剤と反応させて2−アルコキシ−6−ブロモフェ
ノールとした後、続いてプロトン酸又はルイス酸を用い
てアルコキシ基をOH基へと変換させることにより、3
−ブロモカテコールが収率良く得られることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0006】以下に本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明の方法において使用される出発原料
は2−アルコキシフェノールである。本発明の方法では
アルコキシ基の種類は特に限定されないが、通常、入手
の容易さから2−メトキシフェノール又は2−エトキシ
フェノールが選ばれる。
【0008】本発明の方法において使用される臭素化剤
は、少なくとも1組のN−Br結合を有する臭素化剤で
あり、好ましくは下記一般式(I)
【0009】
【化3】
【0010】(R1はアルキル基、R2は水素原子又はア
ルキル基を表わす。)又は下記一般式(II)
【0011】
【化4】
【0012】(R3はアルキル基を表わす。)で示され
るアミン誘導体である。
【0013】本発明の方法では、まず2−アルコキシフ
ェノールを前記した臭素化剤を用いて反応させるとOH
基のオルト位が優先的に臭素化された2−アルコキシ−
6−ブロモフェノールが収率良く得られる。本臭素化反
応は、通常、脂肪族炭化水素、ハロゲン化脂肪族炭化水
素、芳香族炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素、エー
テル等の有機溶媒中で実施される。また本臭素化反応に
おける反応温度については格別の限定はないが、通常、
−50〜50℃程度の温和な条件下で実施される。
【0014】続いて本発明の方法では、上記臭素化で得
られた2−アルコキシ−6−ブロモフェノールをプロト
ン酸又はルイス酸を用いてアルコキシ基をOH基に変換
させることにより3−ブロモカテコールを製造する。本
脱アルキル化反応において使用される脱アルキル化剤は
プロトン酸又はルイス酸であり、例えば硫酸、塩酸、臭
化水素酸、ヨウ化水素酸、メタンスルホン酸、トリフル
オロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トル
エンスルホン酸、塩化アルミニウム、臭化アルミニウ
ム、塩化鉄、臭化鉄、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、
三臭化ホウ素、三臭化リン等が選ばれる。本脱アルキル
化反応は、脱アルキル化剤にプロトン酸を用いた場合に
は無溶媒条件でも進行するが、通常は脂肪族炭化水素、
ハロゲン化脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン
化芳香族炭化水素等の有機溶媒中で実施される。また本
脱アルキル化反応における反応温度については格別な限
定はないが、通常、50〜150℃程度の温度範囲で実
施される。
【0015】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0016】実施例1 反応はすべて遮光及び窒素気流下で実施した。温度計、
攪拌翼、滴下ロート及び冷却器を備えた100ml四つ
口フラスコに2−メトキシフェノール2.50g(20
mmol)を仕込み、これにクロロベンゼン30mlを
加えて溶解した。続いて、温度を0℃に保ちながらクロ
ロベンゼン10mlによって希釈したN−ブロモ−t−
ブチルアミン3.67g(24mmol)を滴下ロート
を用いて30分間で滴下した後、更に同温度で30分間
熟成を行った。熟成後、反応液を5重量%硫酸水溶液3
0mlで処理し、副生したt−ブチルアミンを回収し
た。
【0017】処理した反応液をガスクロマトグラフフィ
ーで分析したところ、2−メトキシフェノールの転化率
は95.6%であった。また、該反応における主生成物
は2−ブロモ−6−メトキシフェノールであり、その選
択率は93.7%であった。反応条件及び反応結果を表
1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】実施例2〜実施例6 実施例1に準じ、2−アルコキシフェノールの臭素化を
表1に示した反応条件下で実施した。転化率及び選択率
の結果を表1にあわせて示す。
【0020】比較例1〜比較例2 実施例1に準じ、2−アルコキシフェノールの臭素化を
表1に示した反応条件下で実施した。転化率及び選択率
の結果は表1にあわせて示す。
【0021】実施例7 反応はすべて遮光及び窒素気流下で実施した。温度計、
攪拌翼及び冷却器を備えた200ml四つ口フラスコに
2−ブロモ−6−メトキシフェノール4.07g(20
mmol)を仕込み、これにクロロベンゼン40mlを
加えて溶解した。次に、無水塩化アルミニウム4.00
g(30mmol)を室温下30分間かけて少量づつ添
加した後、還流条件下で4時間熟成を行った。熟成後、
反応液を室温まで冷却し、これに水200mlを加えて
10分間攪拌して分液した。続いて水層をジエチルエー
テル100mlで3回抽出した後、抽出液を有機層(ク
ロロベンゼン層)と合わせ、これを無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。
【0022】以上の操作で得られた処理液をガスクロマ
トグラフフィーで分析したところ、2−ブロモ−6−メ
トキシフェノールの転化率は99.1%であった。また
該反応における主生成物は3−ブロモカテコールであ
り、その選択率は97.4%であった。
【0023】実施例8 反応はすべて遮光及び窒素気流下で実施した。温度計、
攪拌翼及び冷却器を備えた200ml四つ口フラスコに
2−ブロモ−6−エトキシフェノール4.36g(20
mmol)を仕込み、これに酢酸40mlを加えて溶解
した。次に、47%臭化水素酸5.16g(30mmo
l)を室温下30分間かけて少量づつ添加した後、還流
条件下で7時間熟成を行った。熟成後、反応液を室温ま
で冷却した。続いて反応液をジクロロメタン30mlで
3回抽出した後、抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥
した。
【0024】以上の操作で得られた処理液をガスクロマ
トグラフフィーで分析したところ、2−ブロモ−6−エ
トキシフェノールの転化率は96.7%であった。また
該反応における主生成物は3−ブロモカテコールであ
り、その選択率は75.5%であった。
【0025】実施例9 反応はすべて遮光及び、窒素気流下で行った。温度計、
攪拌翼、滴下ロート及び、冷却器を備えた1リットル四
つ口フラスコに2−メトキシフェノール27.31g
(220mmol)を仕込み、これにクロロベンゼン3
30mlを加えて溶解した。続いて、温度を0℃に保ち
ながらクロロベンゼン100mlによって希釈したN−
ブロモ−t−ブチルアミン39.52g(260mmo
l)を滴下ロートを用いて60分間で滴下した後、更に
同温度で60分間熟成を行った。熟成後、反応液を5重
量%硫酸水溶液300mlで処理し、副生したt−ブチ
ルアミンを回収した。
【0026】処理した反応液の一部をガスクロマトグラ
フフィーで分析したところ、2−メトキシフェノ−ルの
転化率は98.3%であった。また、該反応における主
生成物は2−ブロモ−6−メトキシフェノールであり、
その選択率は93.3%であった。
【0027】この反応液を脱アルキル化するために再
び、温度計、攪拌翼及び、冷却器を備えた1リットル四
つ口フラスコに仕込み、これにクロロベンゼン100m
lを追加した。次に室温下で無水塩化アルミニウム4
4.00g(330mmol)を発熱に注意しながら3
0分間で少量づつ添加した後、還流条件下で4時間熟成
を行った。
【0028】熟成後、反応液に5重量%塩酸水溶液40
0mlを加えて10間攪拌して分液した。続いて、水層
をジエチルエーテル200mlで4回抽出した後、有機
層と合わせ無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後、
硫酸マグネシウムを濾過し、濾液をロータリーエバポレ
ーターで濃縮したところ40.94gの油状物が得られ
た。
【0029】この油状物の一部をガスクロマトグラフフ
ィーで分析したところ、2−ブロモ−6−メトキシフェ
ノールの転化率は99.2%であった。また、該反応に
おける主生成物は3−ブロモカテコールであり、その選
択率は90.5%であった。次に、この油状物から3−
ブロモカテコールを単離するために減圧蒸留を行い、無
色透明な油状物27.10gを回収した。この回収した
無色透明な油状物は室温下において結晶化した。この結
晶をガスクロマトグラフフィーで分析したところ、純度
96.3%の3−ブロモカテコールであった。
【0030】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
方法によれば、3−ブロモカテコールを安価に効率的に
製造することが可能となる。
【0031】本発明の方法において出発原料として使用
される2−アルコキシフェノールはバニリン等の香料の
原料として大量生産されている物質であり、安価に大量
に入手することが容易である。また本発明の方法におい
て使用される臭素化剤はいずれも常法により容易に製造
することができる。例えば、前記した一般式(I)又は
(II)で示されるアミン誘導体は、対応するアミン類
にNaOHと臭素を加えて反応させることにより容易に
調整できる。従って本発明の方法によれば、3−ブロモ
カテコールを安全に安価に大量に工業的規模で製造する
ことが可能となる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2−アルコキシフェノールを少なくとも
    1組のN−Br結合を有する臭素化剤と反応させて2−
    アルコキシ−6−ブロモフェノールとした後、続いてプ
    ロトン酸又はルイス酸を用いてアルコキシ基をOH基へ
    と変換させることを特徴とする3−ブロモカテコールの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 2−アルコキシフェノールが2−メトキ
    シフェノール又は2−エトキシフェノールであることを
    特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも1組のN−Br結合を有する
    臭素化剤が下記一般式(I) 【化1】 (R1はアルキル基、R2は水素原子又はアルキル基を表
    わす。)又は下記一般式(II) 【化2】 (R3はアルキル基を表わす。)で示されるアミン誘導
    体であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    の製造方法。
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