JPH09204766A - 防振支持機構を有する装置 - Google Patents

防振支持機構を有する装置

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JPH09204766A
JPH09204766A JP30690896A JP30690896A JPH09204766A JP H09204766 A JPH09204766 A JP H09204766A JP 30690896 A JP30690896 A JP 30690896A JP 30690896 A JP30690896 A JP 30690896A JP H09204766 A JPH09204766 A JP H09204766A
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Toshiki Yamamura
敏記 山村
Toshiyuki Wada
敏之 和田
Makoto Kuwamoto
誠 桑本
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐振性および耐衝撃性を兼ね備えた小型の防
振支持機構を有する装置を提供する。 【解決手段】 記憶部5は、筐体に固定され内蔵されて
いる。その筐体は、保護箱4に内蔵され、保護されてい
る。その筐体と保護箱4との間には、筐体を支持するた
めに、支持部材1が配設されている。本発明の防振支持
機構を有する装置の内部に、保護箱4が支持機構2によ
って支持されている。本発明の防振支持機構を有する装
置では、支持部材1の振動減衰特性が、支持機構2の振
動減衰特性と異なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】信号を記録再生する携帯用機
器に適用され、特に機器本体より着脱して用いる記憶装
置の耐振動性および耐衝撃性を向上をさせるめの防振支
持機構を有する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ディジタル化されたデータ、たと
えば、映像信号および音声信号を記録再生する装置が多
くの用途で使用されている。特に、業務用映像音響分野
では、映像信号および音声信号をディジタル化し、ディ
ジタル化された映像信号および音声信号(ディジタル信
号)を、加工または編集する映像音響機器が急速に普及
している。ディジタル化された映像信号および音声信号
を複製しても、複製された信号は劣化しない。また、デ
ィジタル化された映像信号および音声信号は、コンピュ
ータで、容易に扱うことができる。
【0003】ディジタル信号を記録する記憶装置とし
て、固定磁気ディスク装置(以下、HDDと記載する)
などが使用される。なぜなら、HDDに記憶できるデー
タ量(記憶容量)が増加し、データを記録再生する速度
が増加したからである。現在では、たとえば、3.5イ
ンチサイズのHDD1台当たりで、4×109Byte
の容量を有するHDDが存在する。今後も、年率1.6
倍のペースで、HDDの記憶容量が増加すると予想され
る。
【0004】HDDは、映像音響機器に着脱して使用す
ることが可能である。そのような映像音響機器が急激に
増加している。
【0005】HDDは、磁気ヘッドが記録媒体から数1
0nmという小さな隙間で浮上し、数マイクロメートル
程度の情報トラックに追従して、記録媒体に記録されて
いるデータを記録再生する。つまり、磁気ヘッドと記録
媒体との相対運動によって、データを記録再生する。
【0006】このため、HDDは、振動および衝撃に弱
い。振動および衝撃によって、データを記録媒体に記録
することができなくなったり、記録媒体に記録されてい
るデータを再生することができなくなったりする。具体
的には、振動および衝撃により、磁気ヘッドが記録媒体
に傷を付け、傷が付いた部分に記録されているデータを
再生することができなくなったり、磁気ヘッドが破壊さ
れてしまうことがある。
【0007】HDDを用いた映像音響機器においては、
HDDの信頼性をいかに確保するかが重要な課題であ
る。携帯用映像音響機器の記録再生装置として使用する
場合、HDDの耐振動性および耐衝撃性を向上させるた
めに、防振支持機構を用いることが好ましい。
【0008】以下に、防振支持装置を有するHDDパッ
クの構成を図13および14を用いて説明する。図13
は、従来のHDDパックの分解図であり、図14は、図
13のHDDパックの断面図である。
【0009】HDDパック63は、ヘッドディスクアセ
ンブリ50(以下、HDAと記載する)および保護箱5
2を備えている。ヘッドディスクアセンブリ50は、磁
気記録媒体としてのディスク57を支持し、これを回転
させるスピンドルモータ58と、データを記録媒体に記
録再生を行う磁気ヘッド59と、磁気ヘッド59を支持
するアーム60と、磁気ヘッドの位置決めを行う駆動部
61と、これら各部材を収納する筐体62とを備えてい
る。支持用受け部材51は、HDA50の筐体62の上
面、底面、さらに側面に固定されている。保護箱52
は、上板53、枠54、下板55によって形成され、H
DA50を保護する。支持部材は、支持用受け部材51
と保護箱52との間に配置され、保護箱52内でHDA
50を支持する。
【0010】なお、HDDパックを着脱して使用する装
置を記載した文献として、米国特許第5253129号
がある。
【0011】HDDパック63を携帯した際、支持部材
56が外部から加わる力を低減し、HDDの損傷等を防
ぐことができる。このため、そのような構成のHDDパ
ック63を、HDDパック63を使用する機器から着脱
することは可能である。しかしながら、従来のHDDパ
ック63は、主に静止している機器に組み込まれること
を想定している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】使用者が持ち運ぶ機
器、たとえば、携帯用映像音響機器に装着されるHDD
パックは、障害物等に機器をぶつけた時に加わる大きな
衝撃や、携帯するときに加わる振動に、耐えなければな
らない。
【0013】一般的に、 HDDが動作していなとき、
300G程度の衝撃加速度に、HDDパックが耐ればよ
い。
【0014】しかしながら、HDDパックが76cmの
高さからタイル張りの床に落下したときに、HDDパッ
クに加わる衝撃は1500G以上である。さらに、携帯
用映像音響機器を移動させながら、データを記録再生し
ている際には、HDDパックに加わる衝撃の大きさは最
大10Gにも達することがある。このような衝撃が携帯
用映像音響機器に加わっても、携帯用映像音響機器に内
蔵されたHDDパックは信頼性の高い記録再生を行わね
ばならない。
【0015】携帯用映像音響機器からHDDパックを取
り出して輸送する際には、数百Hz程度までの周波数で
最大4G程度の力がHDDパックに加わる。データを記
録再生している際に、数百Hz程度までの周波数で最大
2G程度の力がHDDパックに加わる。
【0016】このため、従来のHDDパックでは、映像
音響機器に加わる振動によって、記録再生不良が発生し
たり、磁気ヘッドが記録媒体に傷を付け、傷が付いた部
分に書き込まれたデータが再生されなくなったり、磁気
ヘッドが破壊されてしまう恐れがあるという問題点を有
している。また、映像音響機器からHDDパックを着脱
する際に、HDDパックが地面などに衝突することによ
って、記録再生不良が発生したり、磁気ヘッドが記録媒
体に傷を付け、傷が付いた部分に書き込まれたデータが
再生されなくなったり、磁気ヘッドが破壊されてしまう
恐れがあるという問題点を有している。
【0017】したがって、HDDを着脱可能な記録装置
として使用するためには、たとえ輸送時および/または
交換時に装置を誤って落下させた場合でも、データの消
失や損傷が発生しない耐衝撃性と、携帯用映像音響機器
に内蔵されて記録再生を行っているときに加わる振動に
対しても、記録再生不良、データの消失、および損傷が
発生しない耐振動性とを備えなければならない。
【0018】このように、HDDパックを携帯用映像音
響機器からはずして単独で携帯する場合と、携帯用映像
音響機器に装填して記録再生する場合とでは、HDDに
対して加わる力の種類、レベル、周波数が異なり、HD
Dを支持する防振支持装置はこれらの全てに対して最適
にその力を低減していかなければならない。しかしなが
ら、従来の支持装置では、衝撃力と振動の低減を小型の
支持装置で両立させることは困難であり、また両立させ
るためには大きな防振支持装置が必要となるため、携帯
用映像音響機器として適切なものではなかった。
【0019】本発明は、上記問題を鑑み、記録装置の耐
振動性および耐衝撃性を保証し、振動および衝撃によっ
て、記録再生不良が発生せず、磁気ヘッドが記録媒体に
傷を付けず、磁気ヘッドが破壊されないような、小型の
防振支持機構を有する装置を提供することを目的とす
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の防振支持機構を
有する装置は、記憶部と、前記記憶部を固定し内蔵する
筐体と、前記筐体を保護し内蔵する保護箱と、前記筐体
と前記保護箱との間に配設され、前記筐体を支持する支
持部材と、前記保護箱を支持する支持機構とを備え、前
記支持部材の振動減衰特性が、前記支持機構の振動減衰
特性と異なる、防振支持機構を有し、そのことによって
上記目的が達成される。
【0021】好ましくは、前記支持部材のバネ定数が、
前記支持機構のバネ定数より大きい。
【0022】前記支持機構が、前記装置から前記保護箱
を着脱することが可能なように、前記保護箱を支持して
もよい。
【0023】好ましくは、前記保護箱が破壊される衝撃
加速度Ghと、前記記憶部が動作することが不能となる
衝撃加速度Gfとが、Gh<Gfの関係を有する材質に
よって、前記保護箱が成形される。
【0024】好ましくは、前記保護箱の材質が樹脂部材
である。
【0025】前記記憶部は、データを記録する記憶媒体
と、前記記憶媒体を回転させるスピンドルモータと、前
記データを記憶媒体に記録/再生するヘッドと、前記ヘ
ッドを前記記録媒体上の任意の位置に位置決めすること
が可能な駆動部とを有してもよい。
【0026】好ましくは、前記支持部材のバネ定数と、
前記記憶部、前記筐体、前記支持部材、および前記保護
箱の質量とから求められる1次共振周波数が、前記スピ
ンドルモータの回転周波数より低い。
【0027】前記装置が携帯用映像音響機器であっても
よい。
【0028】前記装置が携帯用コンピュータであっても
よい。
【0029】本発明の他の防振支持機構を有する装置
は、記憶部と、前記記憶部を固定し内蔵する筐体と、前
記筐体を保護し内蔵する保護箱と、前記筐体と前記保護
箱との間に配設され、前記筐体を前記保護箱内に支持す
る支持部材と、前記筐体と前記保護箱との間に配設され
る弾性部材とを備え、前記支持部材のバネ定数k1と前
記弾性部材のバネ定数k2とがk1<k2の関係を有
し、そのことによって上記目的が達成される。
【0030】前記弾性部材は一端と他端とを有し、前記
弾性部材の一端は、前記筐体に固定され、定常状態にお
いて、前記弾性部材の他端と前記保護箱との間に空隙を
有してもよい。
【0031】前記弾性部材は一端と他端とを有し、前記
弾性部材の一端は、前記保護箱に固定され、定常状態に
おいて、前記弾性部材の他端と前記筐体との間に空隙を
有してもよい。
【0032】前記保護箱に受け部材が設けられ、前記支
持部材が変形して、前記弾性部材の他端が受け部材に接
触してもよい。
【0033】前記筐体に受け部材が設けられ、前記支持
部材が変形して、前記弾性部材の他端が受け部材に接触
してもよい。
【0034】前記弾性部材が、金属製の板ばねであって
もよい。
【0035】前記支持部材が、ゲル状部材であってもよ
い。
【0036】本発明のさらに他の防振支持機構を有する
装置は、記憶部と、前記記憶部を固定し内蔵する筺体
と、前記筺体を保護するために、前記筺体を内蔵する保
護箱と、前記筺体を前記保護箱の中に支持する支持部材
を備え、前記支持部材が、第1の空洞部と、第2の空洞
部と、空洞を持つくびれ部と、媒体とを有し、前記媒体
が、前記くびれ部を介して前記第1の空洞部または前記
第2の空洞部に移動できるように、前記第1の空洞部が
前記くびれ部を介して前記第2の空洞部と接続され、前
記媒体が、前記くびれ部を通って、前記第1の空洞部ま
たは前記第2の空洞部に移動することにより、前記筺体
に加わる衝撃を吸収し、そのことによって上記目的が達
成される。
【0037】前記装置が、前記支持部材のくびれ部と係
合する孔を有する受け部材をさらに備え、前記受け部材
が前記筺体に固定されていてもよい。
【0038】前記支持部材の一端が蛇腹状であってもよ
い。
【0039】前記媒体がオイルであってもよい。
【0040】前記装置が、第1および2のコネクタと、
導電ワイヤとをさらに備え、前記第1のコネクタは、前
記筐体に設けられ、前記記憶部に電気的に接続され、前
記第2のコネクタは、前記保護箱に設けられ、前記第2
のコネクタは前記第1のコネクタと前記柔軟な導電ワイ
ヤで接続されてもよい。
【0041】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)以下に、本発明の第1の実施形態の
防振支持機構を有する装置を図1を用いて説明する。図
1は、本発明の第1の実施形態の断面図である。
【0042】本発明の第1の実施形態の防振支持機構を
有する装置は、機器本体3の内部に記憶装置パック7を
内蔵している。記憶装置パック7は、振動を吸収する支
持機構2によって、機器本体3の内部に保持されてい
る。
【0043】記憶装置パック7は、支持部材1、保護箱
4、記憶装置5、および支持用受け部材6を備えてい
る。第1の実施形態では、記憶装置5として、HDAが
用いられる。
【0044】支持部材1は、HDA5を保護する保護箱
4とHDA5との間に配置されている。図1の、防振支
持機構を有する装置では、支持部材1は、HDA5の長
手方向とHDA5の厚さ方向とに配置されている。支持
部材1がHDA5を保護箱内部に保持するには、支持部
材1は、HDA5の長手方向とHDA5の幅方向とに配
置されてもよし、支持部材1は、HDA5の幅方向とH
DA5の厚さ方向とに配置されてもよい。さらに、前記
支持部材1は、 HDA5の厚さ方向と、HDA5の幅
方向と、HDA5の長手方向とに配置されてもよい。
【0045】また、HDA5の筐体の表面に支持用受け
部材6が固定され、保護箱4と支持用受け部材6との間
に支持部材1が配置されてもよい。そのことにより、H
DA5が保護箱4内に固定される。支持用受け部材6を
筐体の上面に固定することにより、筐体の表面を保護す
ることができる。また、支持用受け部材6を筐体の上面
に固定することにより、支持部材1を固定する位置が明
確に指し示される。
【0046】保護箱4を保持する支持機構2が、機器本
体3内に設けられている。後述するように、保護箱4
は、機器本体3から着脱することが可能である。
【0047】HDA5は、図9に示されるような、デー
タを記録する記憶媒体10と、記憶媒体を回転させるス
ピンドルモータ11と、データを記憶媒体に記録再生す
るヘッド12と、ヘッドを支持するアーム13と、アー
ムを移動させ、アームに接続されているヘッドを記録媒
体上の任意の位置に位置決めすることが可能な駆動部1
4と、筺体15とを有している。筺体15には、スピン
ドルモータ11と駆動部14とが接続されている。記録
媒体はディスクであることが好ましい。
【0048】以下に、支持部材1の材質と支持機構2の
材質とを示す。
【0049】記憶装置パック7は、機器本体3から取り
外されて運ばれる。このとき、記憶装置パック7は、非
動作状態である。このため、外部から記憶装置パック7
に加えられる振動よりも、記憶装置パック7が地面など
にぶつかったとき、HDAに加わる衝撃を低く抑える必
要がある。このため、支持部材1の材質としては、でき
るだけ小さな変形量で衝撃を緩和する比較的硬度の高い
部材、具体的にはゲル状部材やブチルゴムが用いられる
ことが好ましい。
【0050】記憶装置パック7は、機器本体3に内蔵さ
れ、データを記録再生する。このため、機器本体3が地
面などにぶつかったとき、記憶装置パック7に加えられ
る衝撃よりも、記憶装置パック7に加えられる振動を低
く抑える必要がある。このため、支持機構2は、機器本
体3を使用する条件に合わせて、最適な減衰特性を持つ
材料、たとえば、ゲル状部材、ゴム、オイルを封入した
ゴム材料等により構成されることが好ましい。また、支
持部材1のバネ定数が、支持機構2のバネ定数より大き
いことが好ましい。
【0051】保護箱4は樹脂部材により成形されること
が好ましい。衝撃加速度Ghが、保護箱4に加えられる
と、保護箱4は破壊される。衝撃加速度Ghは、HDA
5がデータを記録再生することができなくなる衝撃加速
度Gfよりも小さくなるように、保護箱4の耐衝撃性強
度が設定される。
【0052】このため、HDA5がデータを記録再生す
ることができなくなる前に、保護箱4が破壊される。保
護箱4が破壊されることにより、HDA5に加わるはず
であった衝撃を消散することができる。このため、記憶
装置パック7を機器本体3から取り出して携帯する場
合、予測をはるかに超える過剰な衝撃が記憶装置パック
7に加わったとしても、HDA5が破壊されることを防
ぐことができる。
【0053】ヘッドとヘッドを支持するアームとの1次
共振点付近の振動と、スピンドルモータの自励振動とを
低減させるため、記憶装置パック7の質量と、支持機構
2のバネ係数とによって決定される1次共振周波数は、
アームの1次共振周波数およびスピンドルモータの回転
周波数より低いことが好ましい。
【0054】1次共振周波数fは、以下に示す式により
求める。
【0055】f=(k/m)1/2/(2π) 但し、mは記憶装置パック7の質量であり、kは支持機
構2のバネ係数である。記憶装置パック7の質量とは、
支持機構2で支持する支持部材1、保護箱4、およびH
DA5の質量を足した質量である。
【0056】図2は、支持機構2の加速度伝達率と周波
数との関係を示した図である。1次共振周波数fが、ア
ームの1次共振周波数およびスピンドルモータの回転周
波数より低いため、機器本体3の外部からの振動が作用
した場合であっても、アームの1次共振周波数およびス
ピンドルモータの回転周波数付近の振動を十分に低減す
ることができる。このことにより、データを記録再生す
る際に、外部から振動が加わっても、記録再生不良や記
録媒体は損傷を受けにくい。
【0057】上述したように、保護箱4は、機器本体3
から着脱することが可能である。以下に、保護箱4を着
脱することが可能な機器本体3の構成を図3〜5を用い
て説明する。
【0058】図3は、保護箱4が機器本体3に挿入され
る前の状態を示している。図4は、図3の保護箱4が機
器本体3に挿入された後に、線4−4に沿って切断した
断面図であり、図5は、図3の保護箱4が機器本体3に
挿入された後に、線5−5に沿って切断した断面図であ
る。
【0059】保護箱4を機器本体3から着脱するため
に、第1の実施形態は、図1に示される構成要素の他
に、複数の固定部材8、複数の釣りバネ9と、支持フレ
ーム20とをさらに備えている。
【0060】図4に示すように、保護箱4が機器本体3
に挿入されているとき、支持フレーム20は保護箱4を
支持する。支持フレーム20は、支持機構2を介して、
機器本体3に接続されている。図5に示すように、支持
フレーム20は、釣りバネ9により、機器本体3に釣り
下げられている。釣りバネ9は、支持フレーム20と、
保護箱4すなわち記憶装置パック7との重量を支持する
ことが可能である。
【0061】保護箱4が機器本体3に挿入され、予め決
められた位置に保護箱4が達すると、保護箱4が動かな
いように、固定部材8は保護箱4を固定する。なお、保
護箱4が機器本体3に挿入されている際に、固定部材8
が保護箱4を挟み込んでもよい。
【0062】第1の実施形態では、記憶装置として、H
DAが用いられているが、第1の実施形態の記憶装置と
して、磁気、光、熱、または静電気などによって、記憶
媒体に、物理的変化をもたらし、データを記録再生でき
る記憶装置であれば、どのような記憶装置であってもよ
い。
【0063】(第2の実施形態)以下に、本発明の第2
の実施形態の防振支持機構を有する装置を図6を用いて
説明する。図6は、本発明の第2の実施形態の断面図で
ある。なお、第2の実施形態の構成において、第1の実
施形態の構成と同一の構成には、同一の参照符号を付
し、説明を省略する。
【0064】本発明の第2の実施形態の防振支持機構を
有する装置19は、保護箱4と、HDA5と、弾性部材
17と、支持部材21とを備えている。
【0065】支持部材21は、保護箱4とHDA5との
間に配置され、HDA5に加わる衝撃および振動を吸収
する。図6の防振支持機構を有する装置では、支持部材
21は、HDA5の長手方向とHDA5の厚さ方向とに
配置されている。支持部材21がHDA5を保護箱の内
部に保持するには、支持部材21は、HDA5の長手方
向とHDA5の幅方向とに配置されてもよし、支持部材
21は、HDA5の幅方向とHDA5の厚さ方向とに配
置されてもよい。さらに、前記支持部材21は、HDA
5の厚さ方向と、HDA5の幅方向と、HDA5の長手
方向とに配置されてもよい。
【0066】弾性部材17の一端は、HDA5に接続さ
れている。弾性部材17の他端は、自由端である。つま
り、第2の実施形態を組み立てたときには、図6に示す
ように、定常状態で、保護箱4と弾性部材17の他端と
の間に空間が設けられる。なお、弾性部材17の一端
は、保護箱4に接続されてもよい。その場合、定常状態
で、HDA5の筺体と弾性部材17の他端との間に空間
が設けられる。定常状態とは、図6の装置に振動および
衝撃などの力が加わっていない状態を意味する。
【0067】後述するように、保護箱4に強い衝撃が加
わると、支持部材21が変形し、弾性部材17が保護箱
4に接触し、弾性部材17がHDA5に加わる衝撃を緩
和する。弾性部材17は、HDA5の長手方向とHDA
5の幅方向とに配置されてもよし、弾性部材17は、H
DA5の幅方向とHDA5の厚さ方向とに配置されても
よい。さらに、弾性部材17は、HDA5の厚さ方向
と、HDA5の幅方向と、HDA5の長手方向とに配置
されてもよい。
【0068】支持部材21の材質としては、できるだけ
振動を緩和する比較的硬度の低い部材、具体的には、ゲ
ル状部材(たとえば、シリコン)や柔らかいブチルゴ
ム、内部にシリコーンオイルを封入したブチルゴムが用
いられることが好ましい。
【0069】弾性部材17の材質としては、できるだけ
衝撃を緩和する材料、たとえば、板バネ状の弾性部材
や、ゴム、ブチルゴム、内部にシリコーンオイルを封入
したブチルゴムが用いられることが好ましい。板バネ
は、金属でできていてもよい。
【0070】支持部材21のバネ定数は、弾性部材17
のバネ定数より小さいことが好ましい。支持部材21が
振動を吸収し、弾性部材17が主に衝撃を吸収するから
である。
【0071】HDA5の記録媒体がディスクである場
合、支持部材21は、ディスク10の回転周波数付近、
およびそれ以上の周波数の振動を十分に低減する材料で
あることが好ましい。たとえば、ディスクが80Hzの
周波数で回転しているとする。支持部材21が図7の曲
線101に示すような特性を有する場合、支持部材21
は、ディスク10の回転に起因する振動を抑えることが
できる。支持部材21が図7の曲線102に示すような
特性を有する場合、支持部材21は、ディスク10の回
転に起因する振動を抑えることができない。
【0072】以下に、図6に示す防振支持機構の動作を
図8(a)〜8(d)を用いて説明する。なお、動作説
明を簡単にするために、HDA5の質量を180gと
し、HDA5の厚さ方向に配設された支持部材21のバ
ネ定数を約10kgf/cmとし、支持部材21の厚さ
を10mmとする。さらに、HDA5に固定される弾性
部材17のバネ定数を約110kgf/cmとし、弾性
部材17の高さ、つまり、HDA5の表面から弾性部材
17の自由端までの垂直距離を、8mmとする。また、
第2の実施形態に加わる振動および衝撃は、HDA5の
厚さ方向にだけ加わるものとする。
【0073】図8(a)は、不規則な振動が外部から第
2の実施形態に加わる状態を示している。不規則な振動
は、第2の実施形態を輸送または使用する際、または第
2の実施形態を使用する機器に取付けたり、はずしたり
する際に発生する。HDA5は支持部材21のみで支持
され、支持部材21が不規則な振動を吸収する。不規則
な振動が吸収されるため、記録再生不良、および記録媒
体に記録されているデータの消失が生じない。
【0074】図8(b)〜8(d)は、第2の実施形態
が地面などに落下した際、落下衝撃が第2の実施形態に
加わる様子を示している。第2の実施形態が地面などに
衝突した直後、支持部材21だけが衝撃力を受ける(図
8(b))。この時点で、加速度はHDA5にほとんど
作用しない。支持部材21のバネ定数が比較的小さいか
らである。
【0075】その後、支持部材21が圧縮されて、支持
部材21の厚さが弾性部材17と同じ長さになる(8m
m)と、弾性部材17が保護箱4に接触する(図8
(c))。HDA5は、支持部材21よりバネ定数が大
きい弾性部材17に接触するため、HDA5に作用する
加速度が急激に増大する。その後、弾性部材17が圧縮
されて、衝撃力を吸収する(図8(d))。このため、
第2の実施形態では、HDA5に作用する最大加速度
が、記録データの消失および記録媒体に恒久的な損傷が
発生しない程度にまで、低減される。なお、支持部材2
1が圧縮される際に、支持部材21は衝撃の一部を吸収
する。
【0076】たとえば、HDA5を地面(コンクリート
など)から80センチ離れた位置から落下させると、1
000G以上の加速度がHDA5に加わる。第2の実施
形態を同様な高さから落下させると、280G程度の加
速度がHDA5に加わる。第2の実施形態は、上述した
ような構成により、HDA5に加わる加速度を低減する
ことができる。
【0077】支持部材21と弾性部材17とを備えた装
置と、防振支持機構として支持部材21だけを備えた装
置とに、振動または衝撃を加え、HDA5が正常に動作
するか否かを実験した。支持部材21だけを備えた装置
では、支持部材21の厚さと、支持部材21のバネ定数
を変化させて、実験を行っている。表1に、実権結果を
示す。
【0078】
【表1】
【0079】以下に、実験条件、実験方法、および判定
方法を示す。
【0080】振動は、以下の方法により、それぞれの装
置に加えられる。振動は、加振機によって、それぞれの
装置に加えられる。振動の方向は、装置の厚さ方向であ
る。振動の種類は、周波数20〜300Hzの不規則振
動で、振動のピーク加速度は4Gである。それぞれの装
置を動作させて、それぞれの装置に30分間振動を加え
る。あるいは、それぞれの装置を動作させずに、それぞ
れの装置に30分間振動を加える。この実験で、装置を
動作させるとは、それぞれの装置のHDA5にデータを
連続して記録再生することを意味する。
【0081】それぞれの装置に振動を加えているとき、
振動を加えられながら記録したデータを再生し、振動に
よるデータの記録または再生不良、データの消失、およ
び記録媒体に恒久的な損傷が発生していないか確認す
る。さらに、それぞれの装置に振動を加え終えた後、振
動を加えられながら記録したデータを再生し、振動によ
るデータの記録または再生不良、データの消失、および
記録媒体に恒久的な損傷が発生していないか確認する。
【0082】装置を動作させずに、振動を加える場合、
装置のHDA5には予めデータが書き込まれている。装
置に振動を加え終えた後、記録されているデータを再生
し、振動によるデータの再生不良、データの消失、およ
び記録媒体に恒久的な損傷が発生していないか確認す
る。
【0083】表中の加振評価結果は、データ記録/再生
不良、データ消失、および恒久的な損傷が一切発生して
いない場合は○、1回(1ヶ所)でもそのような異常が
発生した場合には×とする。
【0084】衝撃は、以下の方法により、それぞれの装
置に加えられる。
【0085】それぞれの装置のHDA5の全データ領域
にデータを書き込む。次に、それぞれの装置を76cm
の高さから落下させる。その後、予め書き込まれた全デ
ータを再生し、記録媒体の全データ領域に対して記録再
生を行い、データの消失、および恒久的な損傷が発生し
ていないかの確認を行う。
【0086】表中の落下評価結果は、データの消失、お
よび恒久的な損傷が一切発生していない場合は○、1ヶ
所でもそのような異常が発生した場合には×としてい
る。
【0087】上記実験結果から、弾性部材17を使用せ
ずに、支持部材21だけでHDA5に加わる衝撃を緩和
することも可能であるが、その場合、支持部材21の厚
さは、第2の実施形態の支持部材21の厚さより厚くな
る。このため、弾性部材17を使用せずに、支持部材2
1だけを備えた装置を小型化することは難しい。なお、
装置の長さ方向、および装置の幅方向に対して同様の評
価を行ったところ、(表1)と同様の結果が得られた。
【0088】第2の実施形態は、図9に示すように、弾
性部材17を受ける受け部材18を備えていていること
が好ましい。衝撃が図2の装置に加えられた場合、受け
部材18が弾性部材17を受けとめるため、保護箱4が
破損しにくい。
【0089】第2の実施形態は、図9に示すように、固
定部材16と支持用受け部材22とを備えていてもよ
い。HDA5は、固定部材16を介して支持用受け部材
22に固定される。この場合、支持部材21および弾性
部材17は、支持用受け部材22に接着され、固定され
る。
【0090】上述した第2の実施形態は、HDA5のス
ピンドルモータおよび駆動部などを制御するコントロー
ル基板(図示されず)と、HDA5にデータを入力し、
HDA5からデータを出力する物理インターフェースと
をさらに備えていてもよい。
【0091】弾性部材17は、HDA5の厚さ方向、H
DA5の幅方向、およびHDA5の長さ方向に複数配置
されてもよい。それぞれの方向からの衝撃を適切に消散
する部材であれば、複数の弾性部材17のバネ定数は、
それぞれ異なっていてもよい。
【0092】なお、上述した場合においても、支持部材
21のバネ定数がk1であり、複数の弾性部材のバネ定
数がk2、k3、・・・である場合、k1<k2+k3
+・・・、が成り立つように、支持部材21のバネ定数
および弾性部材17のバネ定数が調整されなければなら
ない。
【0093】第2の実施形態では、記憶装置として、H
DAが用いられているが、第1の実施形態の記憶装置と
して、磁気、光、熱、または静電気などによって、記憶
媒体に、物理的変化をもたらし、データを記録再生でき
る記憶装置であれば、どのような記憶装置であってもよ
い。
【0094】(第3の実施形態)以下に、本発明の第3
の実施形態の防振支持機構を有する装置を図10を用い
て説明する。図10は、本発明の第3の実施形態の断面
斜視図である。なお、第3の実施形態の構成において、
第1および2の実施形態の構成と同一の構成には、同一
の参照符号を付し、説明を省略する。
【0095】本発明の第3の実施形態の防振支持機構を
有する装置は、保護箱4と、HDA5と、複数の支持部
材30と、少なくとも2つの受け部材31とを備えてい
る。
【0096】受け部材31は、X−Y平面に属する2組
の第1側面31aと、X−Z平面に属する2組の第2側
面31bと、Y−Z平面に属する第3側面31cとを有
している。第1側面31aのそれぞれには、支持部材3
0が第1側面31aと係合するための、少なくとも1つ
の孔があいている。一方の第2側面31bには、支持部
材30が第1側面31bと係合するための、少なくとも
1つの孔があいている。一方の第2側面31bと対向す
る、他方の第2側面31bには、孔があいていなくても
よい。第3側面31cは、HDA5を挟んで向き合い、
HDA5に固定される。受け部材31は、ねじ37によ
ってHDA5に固定されてもよい。第3側面31cは、
HDA5の長手方向に取り付けられることが好ましい。
【0097】以下に、支持部材30の構造および動作を
図11(a)および11(b)を用いて説明する。図1
1(a)および11(b)は、図10の装置を線11−
11に沿って切断したときの断面図である。
【0098】支持部材30は、端部33と、第1の空洞
部42と、第2の空洞部43と、くびれ部44とを有い
ている。端部33は、保護箱4と側面部31aまたは3
1bとの間に位置し、保護箱4に固定される。端部33
は、保護箱4に固定部材40、たとえば、ねじによって
固定されてもよい。
【0099】第1の空洞部42は、保護箱4と側面部3
1aまたは31bとの間に位置する。第2の空洞部43
は、側面部31aまたは31bの面32の上に位置す
る。側面部31aまたは31bの面32は、保護箱4と
の直線距離が遠い方の面である。
【0100】と側面部31aまたは31bとが向き合っ
ている面とは反対の面である。第1の空洞部42は、空
洞を有するくびれ部44を介して第2の空洞部43とつ
ながっている。たとえば、第1の空洞部42に満たされ
ている媒体は、くびれ部44を通って、第2の空洞部4
3に移動することが可能である。このとき、第2の空洞
部43の容積が大きくなるために、支持部材30の弾性
膜45が伸びる。なお、第1の空洞部42の容積は小さ
くなる。また、第2の空洞部43に満たされている媒体
は、くびれ部44を通って、第1の空洞部42に移動す
ることが可能である。第1の空洞部42、第2の空洞部
43およびくびれ部44は、密封されており、それらの
部分に密封されている媒体は、それらの部分の外には漏
れない。上記媒体は、液体であってもよいし、気体であ
ってもよい。記録媒体が液体である場合、グリスなどの
粘性流体であることが好ましい。記録媒体が気体である
場合、空気などであってもよい。
【0101】以下に、支持部材30の動作を説明する。
【0102】図11(a)に示すように、定常状態で
は、保護箱4と側面部31aまたは31bと間の距離
は、L1である。保護箱4と側面部31aまたは31b
との間が縮まるような力、たとえば衝撃または振動が加
わると、第1の空洞部42に満たされている媒体の一部
は、くびれ部44を通って、第2の空洞部43に移動す
る。第1の空洞部42は圧縮され、第1の空洞部42の
容積が小さくなり、支持部材30の弾性膜45が伸び、
第2の空洞部43の容積が大きくなる。その結果、保護
箱4と側面部31aまたは31bと間の距離は、L2
なる(図11(b))。
【0103】弾性膜45が伸びて、第2の空洞部43の
容積が、定常状態の第2の空洞部43の容積より大きい
場合、弾性膜45が縮み、第2の空洞部43に満たされ
ている媒体の一部は、くびれ部44を通って、第1の空
洞部42に移動する。このことにより、第1の空洞部4
2の容積が、定常状態の第1の空洞部42の容積とほぼ
同じになる。
【0104】媒体がくびれ部の空洞を通り、つまり、媒
体が断面積の大きい場所から断面積の小さい場所に、あ
るいは媒体が断面積の小さい場所から断面積の大きい場
所に移動すると、オリフィス効果により、媒体の運動エ
ネルギが消費される。媒体が、第1の空洞部42と第2
の空洞部43との間を行き来することにより、第3の実
施形態に加わる衝撃または振動が消費され、HDA5に
加わる衝撃または振動が低減される。
【0105】図12に示すように、弾性膜47が蛇腹の
形状をしていてもよい。弾性膜を蛇腹構造の弾性膜部4
7とすることによって、空洞部分43は、容積の大きな
変化に耐えることができる。
【0106】図10の装置では、Z軸方向およびY軸方
向(長手方向)に支持部材30を配置しているが、X軸
方向、Y軸方向、およびZ軸方向に支持部材30を配置
してもよい。
【0107】また、第3の実施形態によれば、支持用受
け部材31に孔41が設けられているが、保護箱4に複
数の孔を形成し、その孔に支持部材30のくびれ部44
を係合させ、端部33を受け部材31またはHDA5の
筐体15に固定してもよい。
【0108】第3の実施形態は、第1のコネクタ34
と、第2のコネクタ35と、導電性ワイヤ36と物理イ
ンターフェース(図示されず)とをさらに備えていても
よい。
【0109】第1のコネクタ34は、HDA5に固定さ
れている。第3の実施形態の装置が一般の固定磁気ディ
スク装置である場合、第1のコネクタ34は、SCSI
やIDEなどのコネクタである。第1のコネクタは、物
理インターフェースと接続されている。第2のコネクタ
は、保護箱4に固定されている。第1のコネクタ34と
第2のコネクタ35とは柔軟な導電ワイヤ36で接続さ
れている。このような構造によって、強い衝撃が保護箱
4に加わり、HDA5が大きく動いた場合であっても、
導電性ワイヤ36が切断されることがない。このため、
第1のコネクタ34と第2のコネクタ35との間でデー
タを入力/出力することができる。なお、第1および2
の実施形態は、上述した、第1のコネクタと、第2のコ
ネクタと、導電性ワイヤと物理インターフェースとをさ
らに備えていてもよい(図示されず)。
【0110】第3の実施形態では、記憶装置として、H
DAが用いられているが、第1の実施形態の記憶装置と
して、磁気、光、熱、または静電気などによって、記憶
媒体に、物理的変化をもたらし、データを記録再生でき
る記憶装置であれば、どのような記憶装置であってもよ
い。
【0111】
【発明の効果】本発明の防振支持機構を有する装置は、
振動減衰特性が異なる、支持部材と支持機構とを備えて
いる。このため、本発明の装置に、周波数が異なる振動
が加わったとしても、支持部材および支持機構がそれら
の振動を抑制し、本発明の装置が有する記憶部に加わる
振動を低減できる。また、筐体と保護箱との間に配設さ
ている支持部材のバネ係数が支持機構のバネ係数より大
きいため、本発明の装置に取り付けられている保護箱
は、衝撃に強い。このため、記憶部が配置されている保
護箱を本発明の装置から取り外すことができる。使用者
が、保護箱を誤って落としても、記憶部はダメージを受
けない。本発明の装置では、保護箱が破壊する衝撃加速
度Ghと、保護箱に衝撃加速度が加えられた場合に記憶
部が復帰不能となる衝撃加速度GfとがGh<Gfの関
係を有している。保護箱が破壊されることにより、衝撃
エネルギが消費される。このことにより、記憶部はダメ
ージを受けない。本発明の支持部材は、アームの1次共
振点付近、および回転ディスクの1次共振点付近の外乱
振動を十分に低減する。このため、記録再生中に本発明
の装置の外から振動が加わったとしても、記録媒体は損
傷を受けない。
【0112】本発明の他の防振支持機構を有する装置
は、記憶部を固定する筐体と、筐体を保護する保護箱と
の間に、支持部材と弾性部材とを備えている。支持部材
のバネ定数は、弾性部材のバネ定数より小さい。ある重
さのHDDが76cmの高さからタイル張りの床に落下
したとき、HDDに加わる衝撃は1500G以上であ
り、その衝撃により、従来のHDDは動作しなくなる。
しかしながら、本発明の他の装置は、上記構成を有して
いるため、HDDと同じ重さの本発明の保護箱を76c
mの高さからタイル張りの床に落下したとしても、本発
明の記憶部は正常に動作する。
【0113】本発明のさらに他の防振支持機構を有する
装置は、記憶部を固定する筐体と、筐体を保護する保護
箱との間に、第1の空洞部と、第2の空洞部と、空洞を
持つくびれ部と、媒体とを有する支持部材を備えてい
る。その媒体は、くびれ部を介して第1の空洞部と第2
の空洞部との間を行き来することができる。その媒体
が、くびれ部を通って、第1の空洞部または第2の空洞
部に移動することにより、筺体に加わる衝撃を吸収す
る。支持部材が、上述したように構成されているため、
記憶部と保護箱との間隔が小さくても十分な減衰性能を
持たせることができる。筐体と保護箱とが柔軟な導電ワ
イヤで接続されているため、保護箱を通じて外部の振動
が記憶部に伝達されない。
【0114】以上の説明から明らかなように、本発明の
防振支持機構を有する装置によれば、最適な耐振性と耐
衝撃性を備え、さらにその装置を小型にすることができ
る。このため、防振支持機構を有する装置がHDDであ
る場合、その装置は、携帯用映像音響機器に装着し使用
することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における防振支持機構
を有する装置の構成図である。
【図2】第1の実施形態における支持機構2の加速度伝
達率と周波数との関係を示した図である。
【図3】第1の実施形態における保護箱4が機器本体3
に挿入される前の状態を示す図である。
【図4】第1の実施形態における保護箱4が機器本体3
に挿入された後に、線4−4に沿って切断した断面図で
ある。
【図5】第1の実施形態における保護箱4が機器本体3
に挿入された後に、線5−5に沿って切断した断面図で
ある。
【図6】本発明の第2の実施形態における防振支持機構
を有する装置の構成図である。
【図7】支持部材21の加速度伝達率と周波数との関係
を示した図である。
【図8】(a)〜(d)は、第2の実施形態における防
振支持機構の動作を示す図である。
【図9】本発明における防振支持機構を有する装置の一
例を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施形態における防振支持機
構を有する装置の構成図である。
【図11】(a)および(b)は、図10の支持部材3
0を線11−11に沿って切断した断面図である。
【図12】本発明における支持部材30の一例を示す図
である。
【図13】従来のHDD着脱式の防振支持装置の構成を
示す分解斜視図である。
【図14】従来の防振支持装置の内部を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
1 支持部材 2 支持機構 3 機器本体 4 保護箱 5 ヘッドディスクアセンブリ(HDA) 6 支持用受け部材 7 記憶装置パック 8 固定部材 9 釣りバネ 10 ディスク 11 スピンドルモータ 12 磁気ヘッド 13 アーム 14 駆動部 15 筐体 16 固定部材 17 弾性部材 18 受け部材

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記憶部と、 該記憶部を固定し内蔵する筐体と、 該筐体を保護し内蔵する保護箱と、 該筐体と該保護箱との間に配設され、該筐体を支持する
    支持部材と、 該保護箱を支持する支持機構とを備え、 該支持部材の振動減衰特性が、該支持機構の振動減衰特
    性と異なる、防振支持機構を有する装置。
  2. 【請求項2】 前記支持部材のバネ定数が、前記支持機
    構のバネ定数より大きい請求項1に記載の防振支持機構
    を有する装置。
  3. 【請求項3】 前記支持機構が、前記装置から前記保護
    箱を着脱することが可能なように、該保護箱を支持する
    請求項1または2に記載の防振支持機構を有する装置。
  4. 【請求項4】 前記保護箱が破壊される衝撃加速度Gh
    と、該記憶部が動作することが不能となる衝撃加速度G
    fとが、 Gh<Gf の関係を有する材質によって、該保護箱が成形される請
    求項1〜3のいずれか1つに記載の防振支持機構を有す
    る装置。
  5. 【請求項5】 前記保護箱の材質が樹脂部材である請求
    項1〜4のいずれか1つに記載の防振支持機構を有する
    装置。
  6. 【請求項6】 前記記憶部は、データを記録する記憶媒
    体と、該記憶媒体を回転させるスピンドルモータと、該
    データを記憶媒体に記録再生するヘッドと、該ヘッドを
    該記録媒体上の任意の位置に位置決めすることが可能な
    駆動部とを有する請求項1〜5のいずれか1つに記載の
    防振支持機構を有する装置。
  7. 【請求項7】 前記支持部材のバネ定数と、前記記憶
    部、前記筐体、前記支持部材、および前記保護箱の質量
    とから求められる1次共振周波数が、前記スピンドルモ
    ータの回転周波数より低い請求項6に記載の防振支持機
    構を有する装置。
  8. 【請求項8】 前記装置が携帯用映像音響機器である請
    求項1〜7のいずれか1つに記載の防振支持機構を有す
    る装置。
  9. 【請求項9】 前記装置が携帯用コンピュータである請
    求項1〜7のいずれか1つに記載の防振支持機構を有す
    る装置。
  10. 【請求項10】 記憶部と、 該記憶部を固定し内蔵する筐体と、 該筐体を保護し内蔵する保護箱と、 該筐体と該保護箱との間に配設され、該筐体を該保護箱
    内に支持する支持部材と、 該筐体と該保護箱との間に配設される弾性部材とを備
    え、 該支持部材のバネ定数k1と前記弾性部材のバネ定数k
    2とが、 k1<k2 の関係を有する、防振支持機構を有する装置。
  11. 【請求項11】 前記弾性部材は一端と他端とを有し、
    該弾性部材の一端は、前記筐体に固定され、定常状態に
    おいて、該弾性部材の他端と前記保護箱との間に空隙を
    有する請求項10に記載の防振支持機構を有する装置。
  12. 【請求項12】 前記弾性部材は一端と他端とを有し、
    該弾性部材の一端は、前記保護箱に固定され、定常状態
    において、該弾性部材の他端と前記筐体との間に空隙を
    有する請求項10に記載の防振支持機構を有する装置。
  13. 【請求項13】 前記保護箱に受け部材が設けられ、前
    記支持部材が変形して、前記弾性部材の他端が受け部材
    に接触する請求項11に記載の防振支持機構を有する装
    置。
  14. 【請求項14】 前記筐体に受け部材が設けられ、前記
    支持部材が変形して、前記弾性部材の他端が受け部材に
    接触する請求項12に記載の防振支持機構を有する装
    置。
  15. 【請求項15】 前記弾性部材が、金属製の板ばねであ
    る請求項10〜14のいずれか1つに記載の防振支持機
    構を有する装置。
  16. 【請求項16】 前記支持部材が、ゲル状部材である請
    求項1〜15のいずれか1つに記載の防振支持機構を有
    する装置。
  17. 【請求項17】 記憶部と、該記憶部を固定し内蔵する
    筺体と、 該筺体を保護するために、該筺体を内蔵する保護箱と、 該筺体を該保護箱の中に支持する支持部材を備え、 該支持部材が、第1の空洞部と、第2の空洞部と、空洞
    を持つくびれ部と、媒体とを有し、 該媒体が、該くびれ部を介して該第1の空洞部または該
    第2の空洞部に移動できるように、該第1の空洞部が該
    くびれ部を介して該第2の空洞部と接続され、 該媒体が、該くびれ部を通って、該第1の空洞部または
    該第2の空洞部に移動することにより、該筺体に加わる
    衝撃を吸収する、防振支持機構を有する装置。
  18. 【請求項18】 前記装置が、前記支持部材のくびれ部
    と係合する孔を有する受け部材をさらに備え、 該受け部材が前記筺体に固定されている請求項17に記
    載の防振支持機構を有する装置。
  19. 【請求項19】 前記支持部材の一端が蛇腹状である請
    求項17に記載の振支持機構を有する装置。
  20. 【請求項20】 前記媒体がオイルである請求項17〜
    19のいずれか1つに記載の防振支持機構を有する装
    置。
  21. 【請求項21】 前記装置が、第1および2のコネクタ
    と、柔軟な導電ワイヤとをさらに備え、 該第1のコネクタは、前記筐体に設けられ、前記記憶部
    に電気的に接続され、 該第2のコネクタは、前記保護箱に設けられ、該第2の
    コネクタは該第1のコネクタと該柔軟な導電ワイヤで接
    続される請求項1〜20のいずれか1つに記載の防振支
    持機構を有する装置。
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