JPH09202770A - N−クロロこはく酸イミドの製造方法 - Google Patents
N−クロロこはく酸イミドの製造方法Info
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Abstract
N−クロロ化反応させる際に、目的生成物であるN−ク
ロロこはく酸イミドを高収率に、かつ効率よく製造でき
る方法を提供する事を目的とする。 【解決手段】こはく酸イミドを原料として、窒素(N)
についている水素をアルコール存在下で、アルカリと塩
素ガスによってN−クロロ化反応を行い、N−クロロこ
はく酸イミドを製造した。
Description
用なN−クロロこはく酸イミドの製造方法に関するもの
である。
として広く使用されている。このN−クロロこはく酸イ
ミドは、こはく酸イミドを塩素化して製造するが、その
製造方法として塩素化するために次亜塩素酸塩を用いる
方法と、塩素ガスを直接導入する方法が知られている。
つである次亜塩素酸塩を用いる方法には、次亜塩素酸t
−ブチルを用いる方法(J.Am.Chem.Soc.,76,3856,(195
4))があるが、この製造方法では収率が悪いという欠点
があった。そこで、酢酸溶媒中で反応させることにより
N−クロロこはく酸イミドの収得率を高める方法(中国
文献(Huaxue Shiji,(1989)11(1),58)、US特許77−86
1582号参照)や、酢酸の代わりに無機塩を用いて収率よ
くN−クロロこはく酸イミドを得る方法(特開平4-2823
62号公報参照) などが提案されている。
して、次亜塩素酸ナトリウムと水溶化した有機物が反応
して人体に有害なトリハロメタン等が発生する可能性が
見られるため、環境問題の観点から使用されなくなって
きている。従って、N−クロロこはく酸イミドを得るた
めに、直接塩素ガスを導入することにより、こはく酸イ
ミドをN−クロロ化するというもう一つの製造方法を用
いる必要に迫られている。
直接導入させる方法(J.Chem.Soc.,121,2169,(1922))
は、収率が極めて悪い。そこで、pH3以下の水溶液中
で塩素を導入し反応途中で無機塩基を加えるという方法
(特開平6-56772 号公報参照)が提案され、該方法を用
いると高収率でN−クロロこはく酸イミドを得ることが
できるとされている。
スの導入量に対して、高濃度の無機塩基の水溶液を数回
に分けて反応溶液に導入するという形になるため反応の
コントロールが非常に難しい。
と、こはく酸イミドにN−クロロ化反応を起こさせて生
成したN−クロロこはく酸イミドは、アルカリ溶液に溶
解しやすいため、収率が低下してしまう。
め、直接塩素ガスを吹き込んで、こはく酸イミドをN−
クロロ化反応させる際に、目的生成物であるN−クロロ
こはく酸イミドを高収率に、かつ効率よく製造できる方
法を提供することにある。
に、本発明にかかる製造方法は以下の式〔II〕
て、窒素(N)についている水素をアルコール共存下
で、アルカリと塩素ガスによってN−クロロ化反応を行
い、N−クロロこはく酸イミドを製造した。
定はされないが、たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウムなどが例示される。アルコールとしては、特に限
定はされないが、たとえばメタノール、エタノール、プ
ロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブタ
ノール、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタ
ンジオール、グリセリンなどが例示される。
スの使用量は、こはく酸イミドに対して等モル〜極小過
剰量とし、反応終了後、溶液中にアルカリがほとんど残
存しないように仕込むのが好ましい。これは、溶液中に
残存アルカリが多ければ、生成したN−クロロこはく酸
イミドが溶解し易くなり、また、溶液中に残存次亜塩素
酸塩が多ければ、生成したN−クロロこはく酸イミドが
分解しやすくなるという不都合を防ぐためである。な
お、アルカリと比べて塩素のみを大過剰使用しても収率
に大きな影響は出ないが、塩素ガスにより発泡してしま
うため、行わない方が好ましい。
るN−クロロこはく酸イミドは、こはく酸イミドを原料
とし、5〜10℃に冷却下、3〜7wt%のアルコール
を共存させたアルカリ水溶液中に、塩素ガスを導入し
て、N−クロロ化反応させることにより合成されたもの
を水で洗浄・濾過・乾燥することで高収率で得られる。
よって、塩素ガスの導入による溶液の発泡を防止し、そ
の結果、反応が促進され収率が良くなる。
を具体的に説明する。 (実施例1)冷却管、塩素導入管、温度計を付けた100m
l 三口フラスコに、20%水酸化ナトリウム水溶液20.0g
(100mmol)とエタノール2ml を入れ、攪拌した。
えた水溶液を氷浴で5 〜10℃に冷却したものに、塩素ガ
ス7.0g(99mmol)を0.5 〜1 時間程度で導入後、1 時間そ
の状態で攪拌した。反応終了後、吸引濾過してその濾過
物を20mlの水で洗浄後、残った濾過物を減圧乾燥して、
N−クロロこはく酸イミドを11.0g(収率85%) 得ること
ができた。
ルの測定、元素分析を行ったところ、以下のような結果
になったため、生成物がN−クロロこはく酸イミドであ
ることを確認した。 m.p.148 〜149 ℃/斜方晶系構造 IR(KBr) 3480,3000,2950,2925,2475,1820,1735,1725,17
10,1425,1310,1240,1200,1163,1000,960,815,570,545,4
80cm-1 元素分析,(計算値)C4H4ClNO2 :C,35.97; H, 3.02; N,26.55. (実測値)C4H4ClNO2 :C,36.00; H, 3.01; N,26.53.
ルコールとしてエタノールを用いて、表1に示すように
加えるアルカリ(20%水酸化ナトリウム水溶液)および
塩素ガスの使用量をどちらか一つ、あるいは両方とも倍
増させた条件で、実施例1と同様の操作を行うとN−ク
ロロこはく酸イミドを 4.4g(36%)〜 9.0g(70%)得る
ことができた。
N−クロロこはく酸イミドの収率を下げることが確認で
きた。
で最も収率の良かった実施例1と同じ割合で、こはく酸
イミド、アルカリ、塩素ガスを使用する条件で、アルコ
ールの種類をエタノールに代えて、表1に示したような
アルコール(メタノール、プロパノール、イソプロパノ
ール、ブタノール、t−ブタノール、、エチレングリコ
ール、プロパンジオール、ブタンジオール、トリエチレ
ングリコール、ポリチレングリコール(分子量:300
と600)、グリセリン)に変更する以外、実施例1と
同様の操作で行うとN−クロロこはく酸イミドを 8.3g
(64%) 〜10.5g(81%) 得ることができた。
〜16においてアルコールを使用しない以外実施例1お
よび実施例5〜16と同様の操作で行うと反応途中に塩
素ガスによる発泡が見られたが、N−クロロこはく酸イ
ミドを5.8g(45%)得ることができた。
く酸イミド、アルカリ、塩素ガスの使用量が同じで、同
じ操作を行うとアルコールが存在することによって、ア
ルコールの種類にかかわらず、収率はかなり増加するだ
けでなく、塩素ガスによる発泡も抑えられるため余分な
手間が掛からずに済む。
よび表2に示した。なお表1において、 TEGはトリエチレングリコール PEG-300はポリエチレングリコール(分子量:30
0) PEG-600はポリエチレングリコール(分子量:60
0)をそれぞれ表す。
しやすいN−クロロこはく酸イミドを溶液中に極力溶解
・残存させずに、アルコールを添加することによって反
応の際、発泡を抑制させることで、簡便高収率に製造す
ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 こはく酸イミドのアルカリ水溶液中、塩
素ガスと反応させN−クロロ化反応を起こさせる際に、
アルコールを介在させることを特徴とした、以下の式
〔I〕 【化1】 で示されるN−クロロこはく酸イミドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01105796A JP3868022B2 (ja) | 1996-01-25 | 1996-01-25 | N−クロロこはく酸イミドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP01105796A JP3868022B2 (ja) | 1996-01-25 | 1996-01-25 | N−クロロこはく酸イミドの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09202770A true JPH09202770A (ja) | 1997-08-05 |
JP3868022B2 JP3868022B2 (ja) | 2007-01-17 |
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JP01105796A Expired - Fee Related JP3868022B2 (ja) | 1996-01-25 | 1996-01-25 | N−クロロこはく酸イミドの製造方法 |
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1996
- 1996-01-25 JP JP01105796A patent/JP3868022B2/ja not_active Expired - Fee Related
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