JPH09202614A - ゼオライトコ−ティング溶液およびその溶液によるゼオライトコ−ト鋼板の製造方法 - Google Patents
ゼオライトコ−ティング溶液およびその溶液によるゼオライトコ−ト鋼板の製造方法Info
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- JPH09202614A JPH09202614A JP2993596A JP2993596A JPH09202614A JP H09202614 A JPH09202614 A JP H09202614A JP 2993596 A JP2993596 A JP 2993596A JP 2993596 A JP2993596 A JP 2993596A JP H09202614 A JPH09202614 A JP H09202614A
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- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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- C23C2222/20—Use of solutions containing silanes
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ロ−ルコ−ト法で長時間コ−ティングして
も、白濁化やゲル化が起こらず、しかも、ロ−ルコ−ト
法でコ−ティング可能な程度まで粘度を高くしたゼオラ
イトコ−ティング溶液およびその溶液によるゼオライト
コ−ト鋼板の製造方法を提供する。 【解決手段】 (1)アルミニウムアルコキシド、
(2)アルコキシシランおよび(3)アルカリ金属およ
び/またはアルカリ土類金属のアルコキシドあるいは水
酸化物を有機溶媒に溶解した溶液に加水分解抑制剤を添
加して、溶液を安定化させ、また、この溶液に増粘剤を
添加して、溶液粘度を3cP以上にした。さらに、ゼオ
ライトコ−ト鋼板はこのゼオライトコ−ティング溶液を
鋼板に塗布して、200〜800℃で焼成することによ
り製造するようにした。
も、白濁化やゲル化が起こらず、しかも、ロ−ルコ−ト
法でコ−ティング可能な程度まで粘度を高くしたゼオラ
イトコ−ティング溶液およびその溶液によるゼオライト
コ−ト鋼板の製造方法を提供する。 【解決手段】 (1)アルミニウムアルコキシド、
(2)アルコキシシランおよび(3)アルカリ金属およ
び/またはアルカリ土類金属のアルコキシドあるいは水
酸化物を有機溶媒に溶解した溶液に加水分解抑制剤を添
加して、溶液を安定化させ、また、この溶液に増粘剤を
添加して、溶液粘度を3cP以上にした。さらに、ゼオ
ライトコ−ト鋼板はこのゼオライトコ−ティング溶液を
鋼板に塗布して、200〜800℃で焼成することによ
り製造するようにした。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加水分解に対して安定
したゼオライトコ−ティング溶液およびその溶液による
ゼオライトコ−ト鋼板の製造方法に関する。
したゼオライトコ−ティング溶液およびその溶液による
ゼオライトコ−ト鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】アルカリ金属またはアルカリ土類金属の結
晶性アルミノケイ酸塩であるゼオライトは、SiO4四
面体の頂点にある酸素原子が隣接ケイ素原子により共有
された三次元構造の骨格になっているので、分子レベル
の細孔を有することから、従来よりモレキュラ−シ−ブ
として利用されている。また、骨格を構成するケイ素原
子の一部がケイ素原子より酸化数のひとつ低いアルミニ
ウム原子で置換され、負電荷が過剰になっているため、
陽イオンを取り込み、電気的に中性になろうとする性質
があることから、無機イオン交換体としても利用されて
いる。
晶性アルミノケイ酸塩であるゼオライトは、SiO4四
面体の頂点にある酸素原子が隣接ケイ素原子により共有
された三次元構造の骨格になっているので、分子レベル
の細孔を有することから、従来よりモレキュラ−シ−ブ
として利用されている。また、骨格を構成するケイ素原
子の一部がケイ素原子より酸化数のひとつ低いアルミニ
ウム原子で置換され、負電荷が過剰になっているため、
陽イオンを取り込み、電気的に中性になろうとする性質
があることから、無機イオン交換体としても利用されて
いる。
【0003】このゼオライトは、シリカゾル、アルカリ
金属またはアルカリ土類金属のケイ酸塩およびアルミン
酸塩の混合水溶液をオ−トクレ−ブのような密封容器中
で80〜120℃に加熱して、結晶を析出、熟成させる
方法で工業的に合成されているが、この方法では密封容
器を大きくするのに限界があるため、分離膜のように寸
法の大きなものや連続した長尺のものを製造できないと
いう欠点があった。
金属またはアルカリ土類金属のケイ酸塩およびアルミン
酸塩の混合水溶液をオ−トクレ−ブのような密封容器中
で80〜120℃に加熱して、結晶を析出、熟成させる
方法で工業的に合成されているが、この方法では密封容
器を大きくするのに限界があるため、分離膜のように寸
法の大きなものや連続した長尺のものを製造できないと
いう欠点があった。
【0004】かかる欠点を解決したゼオライト合成法と
して、本発明者らはアルミニウムアルコキシド1mol
に対して、アルコキシシランを2.6〜30molとア
ルカリ金属のアルコキシドあるいは水酸化物を0.6〜
1.8molおよび/またはアルカリ土類金属のアルコ
キシドあるいは水酸化物を1.2〜3.6molの割合で
低級アルコ−ル等の有機溶媒に溶解した溶液をコ−ティ
ングして、焼成する方法を開発した。この方法は通称ゾ
ル−ゲル法と言われているもので、原料のアルコキシド
やアルコキシシランは加水分解されると、シラノ−ルと
なってシロキサン結合で重合して、ゼオライトが合成さ
れる。このため、溶液のコ−ティングにロ−ルコ−ト法
を使用すれば、寸法の大きなものや連続した長尺のもの
を製造できる。
して、本発明者らはアルミニウムアルコキシド1mol
に対して、アルコキシシランを2.6〜30molとア
ルカリ金属のアルコキシドあるいは水酸化物を0.6〜
1.8molおよび/またはアルカリ土類金属のアルコ
キシドあるいは水酸化物を1.2〜3.6molの割合で
低級アルコ−ル等の有機溶媒に溶解した溶液をコ−ティ
ングして、焼成する方法を開発した。この方法は通称ゾ
ル−ゲル法と言われているもので、原料のアルコキシド
やアルコキシシランは加水分解されると、シラノ−ルと
なってシロキサン結合で重合して、ゼオライトが合成さ
れる。このため、溶液のコ−ティングにロ−ルコ−ト法
を使用すれば、寸法の大きなものや連続した長尺のもの
を製造できる。
【0005】この溶液は、鋼板上にコ−ティングした
後、加熱すると、空気中の水分と反応して、加水分解さ
れ、ゼオライト膜が形成されるが、空気中で長時間コ−
ティングすると、ロ−ルコ−タ−で溶液が撹拌されるた
め、空気中の水分を取り込み、シラノ−ル以外の水酸化
物が生成し、白濁化したり、ゲル化したりする。この水
酸化物が生成すると、ゼオライトが生成しなかったり、
生成しても不純物が含有されるようになる。また、ロ−
ルコ−ト法でコ−ティングする場合、水酸化物がコ−テ
ィングロ−ルに付着して、筋状の皮膜ムラを発生させ
る。
後、加熱すると、空気中の水分と反応して、加水分解さ
れ、ゼオライト膜が形成されるが、空気中で長時間コ−
ティングすると、ロ−ルコ−タ−で溶液が撹拌されるた
め、空気中の水分を取り込み、シラノ−ル以外の水酸化
物が生成し、白濁化したり、ゲル化したりする。この水
酸化物が生成すると、ゼオライトが生成しなかったり、
生成しても不純物が含有されるようになる。また、ロ−
ルコ−ト法でコ−ティングする場合、水酸化物がコ−テ
ィングロ−ルに付着して、筋状の皮膜ムラを発生させ
る。
【0006】また、ロ−ルコ−ト法で溶液を鋼板にコ−
ティングする場合、ピックアップロ−ルが溶液を充分汲
み上げて、皮膜厚みを調整できなければならないが、使
用有機溶媒の種類によっては溶液粘度がロ−ルコ−ト法
で必要な3cP未満であるため、皮膜を厚くすることが
困難な場合があった。かかる対策として、水を溶液に加
え、加水分解により粘度を高めることも考えられるが、
溶液の加水分解は極めて遅く、水を添加しても粘度はほ
とんど変わらないため、塗布前に粘度を高めることは困
難であった。
ティングする場合、ピックアップロ−ルが溶液を充分汲
み上げて、皮膜厚みを調整できなければならないが、使
用有機溶媒の種類によっては溶液粘度がロ−ルコ−ト法
で必要な3cP未満であるため、皮膜を厚くすることが
困難な場合があった。かかる対策として、水を溶液に加
え、加水分解により粘度を高めることも考えられるが、
溶液の加水分解は極めて遅く、水を添加しても粘度はほ
とんど変わらないため、塗布前に粘度を高めることは困
難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、空気中で長
時間コ−ティングしても、白濁化やゲル化せず、しか
も、ロ−ルコ−ト法でコ−ティング可能な程度まで粘度
を高くしたゼオライトコ−ティング溶液およびその溶液
によるゼオライトコ−ト鋼板の製造方法を提供するもの
である。
時間コ−ティングしても、白濁化やゲル化せず、しか
も、ロ−ルコ−ト法でコ−ティング可能な程度まで粘度
を高くしたゼオライトコ−ティング溶液およびその溶液
によるゼオライトコ−ト鋼板の製造方法を提供するもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のゼオライトコ−
ティング溶液は、(1)アルミニウムアルコキシド、
(2)アルコキシシランおよび(3)アルカリ金属およ
び/またはアルカリ土類金属のアルコキシドあるいは水
酸化物を有機溶媒に溶解した溶液に加水分解抑制剤を添
加して、溶液を安定化させ、また、この溶液に増粘剤を
添加して、溶液粘度を3cP以上にした。さらに、ゼオ
ライトコ−ト鋼板はこのゼオライトコ−ティング溶液を
鋼板に塗布して、200〜800℃で焼成することによ
り製造するようにした。
ティング溶液は、(1)アルミニウムアルコキシド、
(2)アルコキシシランおよび(3)アルカリ金属およ
び/またはアルカリ土類金属のアルコキシドあるいは水
酸化物を有機溶媒に溶解した溶液に加水分解抑制剤を添
加して、溶液を安定化させ、また、この溶液に増粘剤を
添加して、溶液粘度を3cP以上にした。さらに、ゼオ
ライトコ−ト鋼板はこのゼオライトコ−ティング溶液を
鋼板に塗布して、200〜800℃で焼成することによ
り製造するようにした。
【0009】
【作用】本発明者らは、(1)アルミニウムアルコキシ
ド、(2)アルコキシシランおよび(3)アルカリ金属
および/またはアルカリ土類金属のアルコキシドあるい
は水酸化物(以下これらの3成分をまとめて原料と称す
る場合もある)を有機溶媒に溶解した溶液のコ−ティン
グ中の白濁化、ゲル化を防止する添加剤について種々検
討した結果、アミン類が優れていることを見いだした。
アミン類が溶液の加水分解抑制に対して有効である理由
は明確ではないが、アミン類は錯体を作り易いため、溶
液が空気中の水分を吸収した場合、水分と錯体を作って
補足してしまい、アルコキシドやシランの加水分解に使
用されず、また、アミン類の錯体は溶液が加熱された場
合、分解して水分を放出するため、焼成の際のアルコキ
シドやシランの加水分解にも極めて有効であると考えら
れる。錯体の加熱分解により生成したアミン類は焼成に
より除去され、ゼオライト皮膜中には残存しない。
ド、(2)アルコキシシランおよび(3)アルカリ金属
および/またはアルカリ土類金属のアルコキシドあるい
は水酸化物(以下これらの3成分をまとめて原料と称す
る場合もある)を有機溶媒に溶解した溶液のコ−ティン
グ中の白濁化、ゲル化を防止する添加剤について種々検
討した結果、アミン類が優れていることを見いだした。
アミン類が溶液の加水分解抑制に対して有効である理由
は明確ではないが、アミン類は錯体を作り易いため、溶
液が空気中の水分を吸収した場合、水分と錯体を作って
補足してしまい、アルコキシドやシランの加水分解に使
用されず、また、アミン類の錯体は溶液が加熱された場
合、分解して水分を放出するため、焼成の際のアルコキ
シドやシランの加水分解にも極めて有効であると考えら
れる。錯体の加熱分解により生成したアミン類は焼成に
より除去され、ゼオライト皮膜中には残存しない。
【0010】表1は、エタノ−ル32.5molにアル
ミニウムイソプロポキシド1.0mol、エトキシシラ
ン1.25molおよびナトリウムメトキシド1.0mo
lを溶解した溶液にアミン類を2mol添加して、その
溶液をビ−カ−に100ml分取して、大気解放下でス
タ−ラ−で120時間撹拌した後の溶液状態を示したも
のであるが、ジエタノ−ルアミンを除き白濁化やゲル化
を抑制できる。しかし、ジエタノ−ルアミンについても
添加量を増大させれば、白濁化やゲル化を抑制できる。
なお、表1の溶液の安定性で記号○は白濁化やゲル化が
認められなかったものであり、記号△はゲル化が認めら
れないものの、白濁化が認められたものである。さら
に、記号×はゲル化が認められたものである。
ミニウムイソプロポキシド1.0mol、エトキシシラ
ン1.25molおよびナトリウムメトキシド1.0mo
lを溶解した溶液にアミン類を2mol添加して、その
溶液をビ−カ−に100ml分取して、大気解放下でス
タ−ラ−で120時間撹拌した後の溶液状態を示したも
のであるが、ジエタノ−ルアミンを除き白濁化やゲル化
を抑制できる。しかし、ジエタノ−ルアミンについても
添加量を増大させれば、白濁化やゲル化を抑制できる。
なお、表1の溶液の安定性で記号○は白濁化やゲル化が
認められなかったものであり、記号△はゲル化が認めら
れないものの、白濁化が認められたものである。さら
に、記号×はゲル化が認められたものである。
【0011】
【表1】
【0012】加水分解抑制剤の溶液への添加は、アルミ
ニウムアルコキシド1molに対して0.2〜12mo
l添加するのが望ましい。0.2mol未満であると、
加水分解抑制効果は不充分であり、12mol超にする
と、アミン類は沸点が200℃前後あるいはそれ以上と
高いため、焼成中に除去されず、ゼオライト皮膜を形成
できない。
ニウムアルコキシド1molに対して0.2〜12mo
l添加するのが望ましい。0.2mol未満であると、
加水分解抑制効果は不充分であり、12mol超にする
と、アミン類は沸点が200℃前後あるいはそれ以上と
高いため、焼成中に除去されず、ゼオライト皮膜を形成
できない。
【0013】ところで、ロ−ルコ−ト法で溶液を鋼板上
にコ−ティングする場合、ピックアップロ−ルで溶液を
汲み上げて、アプリケ−タ−ロ−ルで鋼板などにコ−テ
ィングする必要があるが、この場合の溶液粘度は3cP
以上にする必要がある。しかし、ゾル−ゲル法の有機溶
媒として通常使用されている低級アルコ−ルでも粘度の
高いものを使用すると、アルコ−ルによっては原料が溶
解しない場合がある。表2は種々のアルコ−ル32.5
molにアルミニウムイソプロポキシド1.0mol、
エトキシシラン1.25molおよびナトリウムメトキ
シド1.0molの原料を溶解した場合のアルコ−ル粘
度、原料の溶解性および溶液粘度を示したものである
が、1,3−ブタンジオ−ルは粘度が高くても原料を溶
解しない。また、ブチルセロソルブは粘度が高く、原料
の溶解性も良好であるが、溶液粘度は高い程皮膜厚管理
が容易である。
にコ−ティングする場合、ピックアップロ−ルで溶液を
汲み上げて、アプリケ−タ−ロ−ルで鋼板などにコ−テ
ィングする必要があるが、この場合の溶液粘度は3cP
以上にする必要がある。しかし、ゾル−ゲル法の有機溶
媒として通常使用されている低級アルコ−ルでも粘度の
高いものを使用すると、アルコ−ルによっては原料が溶
解しない場合がある。表2は種々のアルコ−ル32.5
molにアルミニウムイソプロポキシド1.0mol、
エトキシシラン1.25molおよびナトリウムメトキ
シド1.0molの原料を溶解した場合のアルコ−ル粘
度、原料の溶解性および溶液粘度を示したものである
が、1,3−ブタンジオ−ルは粘度が高くても原料を溶
解しない。また、ブチルセロソルブは粘度が高く、原料
の溶解性も良好であるが、溶液粘度は高い程皮膜厚管理
が容易である。
【0014】
【表2】
【0015】そこで、本発明者らは増粘剤の添加を検討
し、種々の増粘剤を試験したところ、ポリエチレングリ
コ−ルやジエチレングリコ−ルのようなグリコ−ル類が
溶解性に優れていることを見いだしたのである。表3は
グリコ−ル類の粘度とそれらへの原料の溶解性およびエ
タノ−ル32.5molにアルミニウムイソプロポキシ
ド1.0mol、エトキシシラン1.25molおよびナ
トリウムメトキシド1.0molの混合物を溶解した溶
液にグリコ−ル類を4mol添加した溶液の粘度を示し
たものであるが、粘度が高くてもグリセリンのようなも
のは原料を溶解しない。
し、種々の増粘剤を試験したところ、ポリエチレングリ
コ−ルやジエチレングリコ−ルのようなグリコ−ル類が
溶解性に優れていることを見いだしたのである。表3は
グリコ−ル類の粘度とそれらへの原料の溶解性およびエ
タノ−ル32.5molにアルミニウムイソプロポキシ
ド1.0mol、エトキシシラン1.25molおよびナ
トリウムメトキシド1.0molの混合物を溶解した溶
液にグリコ−ル類を4mol添加した溶液の粘度を示し
たものであるが、粘度が高くてもグリセリンのようなも
のは原料を溶解しない。
【0016】
【表3】
【0017】本発明の溶液は、溶液に水を添加して、コ
−ティング前に原料を予め加水分解しなくとも、焼成の
際に空気中から水分を取り込んで原料は加水分解する
が、加水分解抑制剤を添加してあれば、溶液へは水をア
ルミニウムアルコキシド1molに対して10molま
で添加しても溶液の安定性は損なわれない。表4にアル
ミニウムイソプロポキシド1.0mol、エトキシシラ
ン1.25molおよびナトリウムメトキシド1.0mo
lの混合物をエタノ−ル、エチルセロソルブまたはブチ
ルセロソルブ32.5molに溶解した溶液に種々の加
水分解抑制剤、増粘剤および水を添加した直後の溶液粘
度を示す。
−ティング前に原料を予め加水分解しなくとも、焼成の
際に空気中から水分を取り込んで原料は加水分解する
が、加水分解抑制剤を添加してあれば、溶液へは水をア
ルミニウムアルコキシド1molに対して10molま
で添加しても溶液の安定性は損なわれない。表4にアル
ミニウムイソプロポキシド1.0mol、エトキシシラ
ン1.25molおよびナトリウムメトキシド1.0mo
lの混合物をエタノ−ル、エチルセロソルブまたはブチ
ルセロソルブ32.5molに溶解した溶液に種々の加
水分解抑制剤、増粘剤および水を添加した直後の溶液粘
度を示す。
【0018】
【表4】 (注1)DEGはジエチレングリコ−ル、PEGはポリ
エチレングリコ−ル、TEAはトリエタノ−ルアミンで
ある。 (注2)溶液の安定性で記号○は白濁化やゲル化が認め
られなかったものであり、記号△はゲル化が認められな
いものの、白濁化が認められたものである。さらに、記
号×はゲル化が認められたものである。
エチレングリコ−ル、TEAはトリエタノ−ルアミンで
ある。 (注2)溶液の安定性で記号○は白濁化やゲル化が認め
られなかったものであり、記号△はゲル化が認められな
いものの、白濁化が認められたものである。さらに、記
号×はゲル化が認められたものである。
【0019】溶液は、ロ−ルコ−ト法で鋼板などのよう
な耐熱性金属板にコ−ティングして、200〜800℃
の温度範囲で焼成すると、アルコキシドやアルコキシシ
ランの加水分解、重合が急激に進行して、ゼオライト皮
膜となり、これと平行して溶媒、加水分解抑制剤および
増粘剤も除去される。ここで、焼成温度が200℃より
低いと、加水分解抑制剤が除去されず、逆に800℃よ
り高いと、ゼオライト構造が失われてしまう。
な耐熱性金属板にコ−ティングして、200〜800℃
の温度範囲で焼成すると、アルコキシドやアルコキシシ
ランの加水分解、重合が急激に進行して、ゼオライト皮
膜となり、これと平行して溶媒、加水分解抑制剤および
増粘剤も除去される。ここで、焼成温度が200℃より
低いと、加水分解抑制剤が除去されず、逆に800℃よ
り高いと、ゼオライト構造が失われてしまう。
【0020】
実施例1 アルミニウムイソプロポキシド1.0mol、エトキシシラ
ン1.25molおよびナトリウムメトキシド1.0molをブ
チルセロソルブ32.5molに溶解した後、トリエタノ−
ルアミン2.0mol、水2.0molを添加して、十分撹拌し
た。この溶液の調製直後の粘度は3.9cPであった。
次に、この溶液をロ−ルコ−ト試験機のロ−ルコ−タ−
にセットして、溶融アルミニウムめっき鋼帯(厚さ0.
5mm、板幅300mm)を25m/minの速度で通
板しながらコ−ティングした後、連設されているオ−ブ
ンで150〜850℃で2分間焼成した。得られたゼオ
ライトコ−ト鋼板のゼオライト皮膜厚さは0.3μm
で、皮膜はクラックのない均一なものであった。
ン1.25molおよびナトリウムメトキシド1.0molをブ
チルセロソルブ32.5molに溶解した後、トリエタノ−
ルアミン2.0mol、水2.0molを添加して、十分撹拌し
た。この溶液の調製直後の粘度は3.9cPであった。
次に、この溶液をロ−ルコ−ト試験機のロ−ルコ−タ−
にセットして、溶融アルミニウムめっき鋼帯(厚さ0.
5mm、板幅300mm)を25m/minの速度で通
板しながらコ−ティングした後、連設されているオ−ブ
ンで150〜850℃で2分間焼成した。得られたゼオ
ライトコ−ト鋼板のゼオライト皮膜厚さは0.3μm
で、皮膜はクラックのない均一なものであった。
【0021】実施例2 実施例1において、溶液にトリイソプロパノ−ルを1.
0mol添加した。この溶液の調製直後の粘度は4.1cP
であった。8時間の連続運転後でも溶液状態に変化はみ
られず、粘度は6.4cPであった。また、ゼオライト
コ−ト鋼板のゼオライト皮膜厚さは0.4μmで、皮膜
にはクラックが認められず、表面は平滑であった。
0mol添加した。この溶液の調製直後の粘度は4.1cP
であった。8時間の連続運転後でも溶液状態に変化はみ
られず、粘度は6.4cPであった。また、ゼオライト
コ−ト鋼板のゼオライト皮膜厚さは0.4μmで、皮膜
にはクラックが認められず、表面は平滑であった。
【0022】実施例3 実施例1において、溶液にメチルジエタノ−ルアミンを
2mol添加した。この溶液の調製直後の粘度は4.4cP
であった。8時間の連続運転後でも溶液状態に変化はみ
られず、粘度は6.7cPであった。また、ゼオライト
コ−ト鋼板のゼオライト皮膜厚さは0.2μmで、皮膜
にはクラックが認められず、表面は平滑であった。
2mol添加した。この溶液の調製直後の粘度は4.4cP
であった。8時間の連続運転後でも溶液状態に変化はみ
られず、粘度は6.7cPであった。また、ゼオライト
コ−ト鋼板のゼオライト皮膜厚さは0.2μmで、皮膜
にはクラックが認められず、表面は平滑であった。
【0023】表4に実施例1〜3で製造したゼオライト
鋼板の焼成温度と密着折り曲げによる皮膜密着性との関
係を示す。密着性評価で記号○は皮膜に剥離の発生しな
いもので、記号×は少しでも剥離が皮膜に発生したもの
である。
鋼板の焼成温度と密着折り曲げによる皮膜密着性との関
係を示す。密着性評価で記号○は皮膜に剥離の発生しな
いもので、記号×は少しでも剥離が皮膜に発生したもの
である。
【0024】
【表5】
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明のゼオライトコ−
ティング溶液は、安定性にも優れているので、コ−ティ
ング中や保管中に溶液が白濁化したり、ゲル化したりす
ることがなく、また、粘度が従来のものより高いので、
ロ−ルコ−ト法で塗装でき、寸法の大きなゼオライトコ
−ト鋼板を製造できる。さらに、溶液は200〜800
℃の温度で焼成すれば、沸点の高い加水分解抑制剤も除
去されるので、純度の高いゼオライト皮膜が得られる。
ティング溶液は、安定性にも優れているので、コ−ティ
ング中や保管中に溶液が白濁化したり、ゲル化したりす
ることがなく、また、粘度が従来のものより高いので、
ロ−ルコ−ト法で塗装でき、寸法の大きなゼオライトコ
−ト鋼板を製造できる。さらに、溶液は200〜800
℃の温度で焼成すれば、沸点の高い加水分解抑制剤も除
去されるので、純度の高いゼオライト皮膜が得られる。
Claims (7)
- 【請求項1】 有機溶媒に(1)アルミニウムアルコ
キシド、(2)アルコキシシランおよび(3)アルカリ
金属および/またはアルカリ土類金属のアルコキシドあ
るいは水酸化物を溶解した溶液に加水分解抑制剤を添加
したことを特徴とするゼオライトコ−ティング溶液。 - 【請求項2】 加水分解抑制剤がアミン類であること
を特徴とする請求項1に記載のゼオライトコ−ティング
溶液。 - 【請求項3】 加水分解抑制剤をアルミニウムアルコ
キシド1molに対して0.2〜12mol添加するこ
とを特徴とする請求項1に記載のゼオライトコ−ティン
グ溶液。 - 【請求項4】 請求項1のゼオライトコ−ティング溶
液に増粘剤を添加したことを特徴とするゼオライトコ−
ティング溶液。 - 【請求項5】 増粘剤がグリコ−ルであることを特徴
とするゼオライトコ−ティング溶液。 - 【請求項6】 請求項1〜5に記載のいずれかのゼオ
ライトコ−ティング溶液を鋼板に塗布して、200〜8
00℃で焼成することを特徴とするゼオライトコ−ト鋼
板の製造方法。 - 【請求項7】 ゼオライトコ−ティング溶液の鋼板へ
の塗布をロ−ルコ−ト法で行うことを特徴とする請求項
6に記載のゼオライトコ−ト鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2993596A JPH09202614A (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | ゼオライトコ−ティング溶液およびその溶液によるゼオライトコ−ト鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2993596A JPH09202614A (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | ゼオライトコ−ティング溶液およびその溶液によるゼオライトコ−ト鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09202614A true JPH09202614A (ja) | 1997-08-05 |
Family
ID=12289854
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2993596A Withdrawn JPH09202614A (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | ゼオライトコ−ティング溶液およびその溶液によるゼオライトコ−ト鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09202614A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008517751A (ja) * | 2004-10-29 | 2008-05-29 | ゾルテッヒ アーゲー | ゼオライト層で被覆された基板を生成する方法 |
-
1996
- 1996-01-24 JP JP2993596A patent/JPH09202614A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008517751A (ja) * | 2004-10-29 | 2008-05-29 | ゾルテッヒ アーゲー | ゼオライト層で被覆された基板を生成する方法 |
US8053032B2 (en) | 2004-10-29 | 2011-11-08 | Sortech Ag | Method for production of a substrate coated with a zeolite layer |
JP4939423B2 (ja) * | 2004-10-29 | 2012-05-23 | ゾルテッヒ アーゲー | ゼオライト層で被覆された基板を生成する方法 |
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