JP2004143186A - 透明シリカ被膜形成用塗布溶液及び透明シリカ被膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機溶媒を使用しないで比較的厚いシリカ被膜を一度塗りで容易に形成でき、溶液としても安定している透明シリカ被膜形成用塗布溶液及び透明シリカ被膜の製造方法を提供する。
【解決手段】シラノール基を有する、酸化珪素、珪酸及び珪酸水和物からなる群から選択される少なくとも1種の珪素化合物と、有機強塩基と、水溶性ポリマーとを含有する水溶液性塗布溶液であって、前記珪素化合物が前記有機強塩基存在下で水溶性塗布溶液に溶解されていることを特徴とする透明シリカ被膜形成用塗布溶液とする。
【選択図】 なし
【解決手段】シラノール基を有する、酸化珪素、珪酸及び珪酸水和物からなる群から選択される少なくとも1種の珪素化合物と、有機強塩基と、水溶性ポリマーとを含有する水溶液性塗布溶液であって、前記珪素化合物が前記有機強塩基存在下で水溶性塗布溶液に溶解されていることを特徴とする透明シリカ被膜形成用塗布溶液とする。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス、セラミックス等の基板あるいは被対象物上に透明シリカ被膜を形成するための透明シリカ被膜形成用塗布溶液及び透明シリカ被膜の製造方法に関し、半導体素子や液晶表示素子などの種々の基材に平坦化膜や保護膜を形成するのに有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリカ系被膜形成用塗布液としては、アルコキシシランを加水分解、重縮合して得られるシロキサンポリマーを有機溶媒に溶解したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した方法では、加水分解のコントロール及び生成される水酸基(シラノール基)の重縮合反応のコントロールが容易ではない。また、塗布液の粘度を一定に保持することが容易ではない。
【0004】
従って、従来、一定の膜厚を有するシリカ系被膜を安定して製造することができないという問題があった。また、原料のアルコキシシランが比較的高価であり、有機溶媒を使用しなければならないなどの問題もあった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑み、有機溶媒を使用しないで比較的厚いシリカ被膜を一度塗りで容易に形成でき、溶液としても安定している透明シリカ被膜形成用塗布溶液及び透明シリカ被膜の製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明の第1の態様は、シラノール基を有する、酸化珪素、珪酸及び珪酸水和物からなる群から選択される少なくとも1種の珪素化合物と、有機強塩基と、水溶性ポリマーとを含有する水溶液性塗布溶液であって、前記珪素化合物が前記有機強塩基存在下で水溶性塗布溶液に溶解されていることを特徴とする透明シリカ被膜形成用塗布溶液にある。
【0007】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記有機強塩基がテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAH)からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする透明シリカ被膜形成用塗布溶液にある。
【0008】
本発明の第3の態様は、第1の態様において、前記有機強塩基がトリエチルアミン、ジブチルアミン及びトリメチルアミンからなる群から選択される少なくとも一種であり、さらに当該有機強塩基と水とを相溶させる有機溶媒を含有することを特徴とする透明シリカ被膜形成用塗布溶液にある。
【0009】
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記珪素化合物が、四塩化珪素を加水分解して得たものであることを特徴とする透明シリカ被膜形成用塗布溶液にある。
【0010】
本発明の第5の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記珪素化合物が、微粒子状の酸化珪素を常温大気中で放置することにより得たものであることを特徴とする透明シリカ被膜形成用塗布溶液にある。
【0011】
本発明の第6の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記珪素化合物が、珪酸又は珪酸n水和物(SiO2・nH2O)を水中に分散して加熱することにより得たものであることを特徴とする透明シリカ被膜形成用塗布溶液にある。
【0012】
本発明の第7の態様は、第1〜6の何れかの態様において、前記水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルアセトアミド(PNVA)、ポリビニルホルムアミド(PNVF)、ポリジメチルアクリルアミド(PDMAA)、ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリアクリロイルモルホリン(PAM)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、及びカルボキシメチルセルロース(CMC)からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする透明シリカ被膜形成用塗布溶液にある。
【0013】
本発明の第8の態様は、シラノール基を有する、酸化珪素、珪酸及び珪酸水和物からなる群から選択される少なくとも1種の珪素化合物と、有機強塩基と、水溶性ポリマーとを含有する水溶液性塗布溶液であって、前記珪素化合物が前記有機強塩基存在下で水溶性塗布溶液に溶解されている透明シリカ被膜形成用塗布溶液を被処理体上に塗布して塗膜を形成する工程と、この塗膜を焼成して透明シリカ被膜とする工程とを具備することを特徴とする透明シリカ被膜の製造方法にある。
【0014】
本発明の第9の態様は、第8の態様において、前記有機強塩基がテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAH)からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする透明シリカ被膜の製造方法にある。
【0015】
本発明の第10の態様は、第8の態様において、前記有機強塩基がトリエチルアミン、ジブチルアミン及びトリメチルアミンからなる群から選択される少なくとも一種であり、さらに当該有機強塩基と水とを相溶させる有機溶媒を含有することを特徴とする透明シリカ被膜の製造方法にある。
【0016】
本発明の第11の態様は、第8〜10の何れかの態様において、前記珪素化合物として、四塩化珪素を加水分解したものを用い、有機強塩基の水溶液に溶解して透明シリカ被膜形成用塗布溶液を得ることを特徴とする透明シリカ被膜の製造方法にある。
【0017】
本発明の第12の態様は、第8〜10の何れかの態様において、前記珪素化合物として、微粒子状の酸化珪素を常温大気中で放置したものを用い、有機強塩基の水溶液に溶解して透明シリカ被膜形成用塗布溶液を得ることを特徴とする透明シリカ被膜の製造方法にある。
【0018】
本発明の第13の態様は、第8〜10の何れかの態様において、前記珪素化合物として、珪酸又は珪酸n水和物(SiO2・nH2O)を水中に分散して加熱したものを用い、有機強塩基の水溶液に溶解して透明シリカ被膜形成用塗布溶液を得ることを特徴とする透明シリカ被膜の製造方法にある。
【0019】
本発明の第14の態様は、第8〜13の何れかの態様において、前記水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルアセトアミド(PNVA)、ポリビニルホルムアミド(PNVF)、ポリジメチルアクリルアミド(PDMAA)、ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリアクリロイルモルホリン(PAM)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、及びカルボキシメチルセルロース(CMC)からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする透明シリカ被膜の製造方法にある。
【0020】
本発明の第15の態様は、第8〜14の何れかの態様において、一回の塗布で厚さが100nm以上の透明シリカ被膜を形成することを特徴とする透明シリカ被膜の製造方法にある。
【0021】
本発明で提供される透明シリカ被膜は非常に安価で、透明性、膜質も良好で高品質であり、且つ通常の塗布法で簡便に製造できるので低製造コスト化を図ることができ、広範囲に適用され、使用されることができるものである。
【0022】
本発明の透明シリカ被膜形成用塗布溶液は、シラノール基を有する、酸化珪素、珪酸及び珪酸水和物からなる群から選択される少なくとも1種の珪素化合物と、有機強塩基と、水溶性ポリマーとを含有する水溶液性塗布溶液であって、前記珪素化合物が前記有機強塩基存在下で水溶性塗布溶液に溶解されている透明シリカ被膜形成用塗布溶液である。
【0023】
ここで、本発明で用いる珪素化合物は、酸化珪素、珪酸及び珪酸水和物から選択され、且つシラノール基を有するものである。ここでいうシラノール基を有する化合物とは、酸化珪素、珪酸及び珪酸水和物を所定の環境下に置くことにより、網目状に連続する珪素元素の少なくとも一部にシラノール基が存在する構造になったものである。このように酸化珪素、珪酸及び珪酸水和物に所定量以上のシラノール基が存在するようにすることにより、有機強塩基の水溶液に十分な濃度で溶解するようになる。
【0024】
また、本発明で用いる有機強塩基は、シラノール基を有する珪素化合物を溶かすことのできる有機塩基であり、有機塩基の水溶液がpH11以上となるような有機塩基であることが好ましい。
【0025】
このような有機強塩基としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAH)からなる群から選択される少なくとも一種を用いるのが好ましいが、これと同程度の有機強塩基であれば同様に使用できる。
【0026】
また、有機強塩基として、トリエチルアミン、ジブチルアミン及びトリメチルアミンからなる群から選択される少なくとも一種も用いることができる。但し、これらの有機強塩基は水に対する溶解性が小さいので、これらの有機強塩基と水とを相溶させる有機溶媒、例えば、アセトン等を添加するのが好ましい。
【0027】
シリカは、室温において、pH7で0.015%まで水に溶解することが知られている(R.ILER,Kolloid−Chemie des Siliciumdioxids und der Silikate,Cornell University Press Ithaca,New York(1955))が、濃度が小さく、勿論、これから塗布膜を形成したという報告もない。また、シリカは、強塩基下では、珪素化合物が解膠され、珪素酸化物の分散液が得られることが報告されている(USP4576921)が、分散液であるので、これを塗布液として使用して塗布膜を形成するという報告はない。
【0028】
本発明は、シラノール基を有する珪素化合物に有機強塩基を添加することにより、高濃度で溶解させて透明シリカ被膜形成用塗布溶液を得るというものである。このメカニズムは明らかでないが、シラノール基の強塩基による脱プロトンにより、陰イオンが生成することで溶解すると思われる。特に、微粒子のシリカは表面積が非常に大きいので、上述したように形成されたシラノール基の単位重量当たりの数が膨大になると考えられる。そして、このように高密度のシラノール基を有する微粒子シリカは有機強塩基の水溶液に対して5重量%以上という高濃度で溶解され、本発明の透明シリカ被膜形成用塗布溶液を得ることができる。
【0029】
ここで、シロキサン結合における結合角Si−O−Siは、120〜180度の範囲でばらつくが、このうちで歪んだシロキサン結合は水に対して高い反応性を示し、この結果、下記式に示すように、シラノール基が形成される。このSiOHの密度は2.5個SiOH/nm2に達するとの報告もある。
【0030】
【化1】
≡Si−O−Si≡ + H−O−H → 2 ≡Si−OH
【0031】
本発明はこのようなシラノール基を有する珪素化合物に有機強塩基を添加することにより、高濃度で珪素化合物を溶解させた透明シリカ被膜形成用塗布溶液を得るというものである。
【0032】
本発明に係る透明シリカ被膜形成用塗布溶液は、上述したようにシラノール基を有する珪素化合物をテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)などの有機強塩基の水溶液に溶解させればよく、溶解する方法等は特に限定されない。例えば、珪素化合物を微粉末にしてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)に添加して攪拌・放置することにより溶解させてもよいし、必要に応じて加熱して溶解させてもよいし、珪素化合物に水を加えて加熱してゾル状物質とした後これにテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)を加え、必要に応じて加熱して溶解させてもよい。なお、珪素化合物をゾル状物質とする場合には、ゾル状物質の生成と強塩基による溶解とを一連の工程で行ってもよい。
【0033】
ここで、シラノール基を有する酸化珪素は、例えば、四塩化珪素を加水分解することにより得ることができる。
【0034】
また、上述したように、微粒子状の酸化珪素を常温大気中で放置することにより、微粒子の表面にシラノール基が高密度に存在するようになり、TMAHなどの有機強塩基に高濃度で溶解するようになる。
【0035】
シラノール基を有する、珪酸又は珪酸水和物を用いる場合には、ゾル状化合物とした後、TMAHなどの有機強塩基に溶解するのが好ましい。TMAH存在下でのゾル状珪酸水和物の溶解は極めて注目すべき過程で進行する。すなわち、TMAH等の有機アルカリ添加後、数日間の溶解速度は非常に小さい。その後、溶解速度は次第に大きくなり、一週間で完全に溶解して、極めて安定で透明な溶液となる。
【0036】
さらに、これを用いて透明シリカ被膜形成用塗布溶液の粘性を大きくして、基板との密着性を向上させるために、水溶性ポリマーを添加する。ここで、水溶性ポリマーは極性基を有して水に溶解するポリマーである。
【0037】
このような極性基を有する水溶性ポリマーを添加することにより、クラック発生の虞のない厚膜を形成することができる。
【0038】
本発明で用いる極性基を有する水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルアセトアミド(PNVA)、ポリビニルホルムアミド(PNVF)、ポリジメチルアクリルアミド(PDMAA)、ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリアクリロイルモルホリン(PAM)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を挙げることができる。
【0039】
極性基を有する水溶性ポリマーとしては、このようなものから最適なものを適宜選択することができるが、アルカリに対してできるだけ安定したものを選択するのが好ましい。すなわち、アルカリで分解したり、変質したりする水溶性ポリマーを用いるのは、塗布液の安定性の面で好ましくないからである。
【0040】
例えば、PVA(本発明では、ポリ酢酸ビニルケン化物及び変性ポリ酢酸ビニルケン化物を含むものである)を用いる場合、一般的に用いられているケン化度86のPVAを用いると、酢酸が脱離してアンモニア又は水溶性アミンが中和され、pHが低下して珪素化合物が析出するという問題がある。
【0041】
この場合、有機強塩基を追加すれば問題ないが、好ましくは、完全ケン化型PVAを用いるのが好ましい。完全ケン化型PVAを用いた場合には、塗布液の安定性が良好で長期保存に耐えることができるものである。
【0042】
このような極性基を有する水溶性ポリマーの添加量は、ポリマーの種類によっても異なるが、一般的には、0.1重量%〜5重量%程度である。なお、水溶性ポリマーは塗布する前までに添加すればよく、例えば、珪素化合物を有機強塩基の水溶液に溶解する前でも後でも同時でもよい。
【0043】
本発明の透明シリカ被膜形成用塗布溶液は、極性基を有する水溶性ポリマーを用いると、これが成膜助剤として作用し、実用的な膜厚を有し、且つ強靱な膜を形成できる。また、水溶性ポリマーの添加量を変化させることにより、従来の塗布法では困難であった、膜厚のコントロールを自由に行うことができ、さらに、1回の塗布で、100nm以上の膜厚を有するシリカ被膜を形成することが可能となった。
【0044】
このように製造される本発明の透明シリカ被膜形成用塗布溶液は、そのまま塗布溶液として使用でき、珪素化合物を、5重量%以上含有し、また、シラノール基を有する珪素化合物がオリゴマーとして存在するためか、十分な厚さを有する透明シリカ被膜が形成できる。
【0045】
本発明の透明シリカ被膜形成用塗布液を用いて透明シリカ被膜を形成するには、この塗布液をディッピングコート法、スピンナー法、スプレー法、スクリーン印刷法、ロールコーター法、剛毛塗り法等の慣用の塗布手段で基板上に塗布し、その後、400〜800℃、好ましくは450〜700℃で焼成して形成することができる。特に、大型基板に塗布する場合は、低速スピンナー法によって塗布することが好ましい。これにより、15インチを超える大型基板上に均一な塗布膜が形成でき、これを焼成することで、100〜500nmの均一な透明シリカ被膜を形成することができる。
【0046】
従って、本発明の透明シリカ被膜形成用塗布溶液によれば、極性基を有する水溶性ポリマーが成膜助剤として作用し、実用的な膜厚を有し、且つ低収縮で、透明性、保存安定性に優れた膜を形成することができる。また、この水溶性ポリマーの添加量を変化させることにより、膜厚のコントロールを自由に行うことができ、さらに、一度塗りで、100〜500nmの膜を形成することができる。
【0047】
従って、従来のゾルゲル法により、厚いゲル膜を焼成すると、膜に亀裂が発生してしまい、膜厚の限界が100nm以下であったのに比べ、大幅に膜厚を厚くすることができる。この知見は実用上、極めて重要であり、製造工程において、膜を厚くするための非効率な繰り返しコーティングを行う必要がないため、製造の手間を軽減でき、大幅にコストダウンをすることができる。
【0048】
一方、本発明の透明シリカ被膜形成用塗布溶液を塗布する対象物は、特に限定されないが、例えば、半導体基板、ガラス基板、セラミックス基板、板ガラス表面をシリカコートしたものや硼珪酸ガラス、石英ガラス板等である。
【0049】
本発明の透明シリカ被膜形成用塗布溶液を用いて形成された透明シリカ被膜は、極性基を有する水溶性ポリマーが成膜助剤として作用するので、強靱で、透明度が良好で、対象物との密着性も良好で、ピンホールやマイクロクラックのない良質なものである。
【0050】
かかる本発明は、比較的厚いシリカ被膜を一度塗りで容易に形成でき、低収縮で、クラック発生の虞もなく、特に、半導体素子や液晶表示素子等における平坦化膜や保護膜の形成に好適である。
【0051】
また、従来のシリカ系塗布溶液は、主にアルコキシシランを加水分解して得られるプレポリマーを有機溶媒に溶解することで得られるので、ゾルの粘性が経時変化することが、実用上問題となっていた。しかしながら、本発明の透明シリカ被膜形成用塗布溶液は、有機溶媒を使用する必要がない完全な水系塗布溶液であるため、ゾルの粘性が経時変化することがなく、また、その使用が限定されず、製造工程において安全に透明シリカ被膜を形成することができるという利点もある。
【0052】
【発明の実施の形態】
次に、実施例および比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、これにより本発明が限定されるものでないことはいうまでもない。
【0053】
(実施例1)
粒径が5〜50nmの微粒子状シリカ1.0gを、10重量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液5ml中に加え、マグネチックスターラーを用いて緩やかに攪拌した。微粒子状シリカは徐々に溶解し、約2時間で完全に溶解して無色透明の溶液が得られた。
【0054】
これに蒸留水5mlを加えて攪拌した後、10重量%のPVA水溶液を1ml加え、十分に攪拌した。得られた弱い粘性を有する透明な溶液を本実施例の塗布溶液とした。
【0055】
この塗布溶液をソーダガラス上に、ディッピングコート法により塗布し、乾燥後、500℃で1時間焼成したところ、膜厚370nmの透明シリカ被膜が形成された。
【0056】
このようにして形成した透明シリカ被膜上に、透明導電性酸化スズ膜を形成して耐アルカリバリア性を評価した。この透明導電性酸化スズ膜は、透明導電性酸化スズ膜形成用塗布液を使用して、ディッピングコート法によって塗布し、550℃で焼成することで形成した。そのシート抵抗値を測定したところ、600Ω・cmであり、市販のシリカコート基板を用いた場合と同等の値であった。従って、ガラス基板のアルカリ溶出による悪影響は認められなかったと確認できた。
【0057】
(実施例2)
7.0gの珪酸n水和物を50mlの蒸留水に混合し、95℃で5時間撹拌することにより、ゾル状物質が得られた。このゾル状物質に、10mlの15重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を加えて30分間撹拌し、この混合物を常温で放置した。その後、約3日間、溶解は認められなかったが、5日目以降、溶解速度が漸増し、7日間で完全に溶解して透明な溶液が得られた。この溶液に、10重量%のPVA水溶液を5ml加え、十分に撹拌することにより、粘性のある溶液が得られた。この溶液を本実施例の塗布溶液とした。
【0058】
この塗布溶液をソーダガラス上に、ディッピングコート法により塗布し、乾燥後、500℃で1時間焼成したところ、膜厚350nmの透明シリカ被膜が形成された。
【0059】
このようにして形成した透明シリカ被膜上に、実施例1と同様に透明導電性酸化スズ膜を形成し、そのシート抵抗値を測定したところ、590Ω・cmであり、ガラス基板のアルカリ溶出による悪影響は認められなかった。
【0060】
(実施例3)
7.0gのテトラクロロシランを200mlの純水中にマグネチックスターラーで攪拌しながら、ゆっくりと加えた。この加水分解反応は発熱反応で、白色の塩化物が激しく発生した。生成した反応混合物を常温まで冷却した後、冷却しながら1Nの水酸化アンモニウムをゆっくりと加え、pH7.0になるまで添加した。生成して沈殿したゾル状物質を濾別し、蒸留水で3回洗浄した。
【0061】
このようにして得た沈殿物に、15重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を10ml添加し、常温で放置した。ゾル状物質はゆっくりと溶解し、5日間で完全に溶解した。
【0062】
生成した透明溶液にPVAを1.0重量%添加し、十分に攪拌して塗布溶液とした。
【0063】
この塗布溶液をソーダガラス上に、ディッピングコート法により塗布し、乾燥後、500℃で30分焼成したところ、膜厚320nmの透明シリカ被膜が形成された。
【0064】
このようにして形成した透明シリカ被膜上に、実施例1と同様に透明導電性酸化スズ膜を形成し、そのシート抵抗値を測定したところ、570Ω・cmであり、ガラス基板のアルカリ溶出による悪影響は認められなかった。
【0065】
(実施例4)
粒径が5〜50nmの微粒子状シリカ2.0gを、20重量%濃度のテトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液10ml中に加え、マグネチックスターラーを用いて緩やかに攪拌した。微粒子状シリカは徐々に溶解し、約30時間で完全に溶解して無色透明の溶液が得られた。
【0066】
これに蒸留水10mlを加えて攪拌した後、10重量%のPVA水溶液を1.7ml加え、十分に攪拌した。得られた弱い粘性を有する透明な溶液を本実施例の塗布溶液とした。
【0067】
この塗布溶液をソーダガラス上に、ディッピングコート法により塗布し、乾燥後、500℃で1時間焼成したところ、膜厚290nmの透明シリカ被膜が形成された。
【0068】
このようにして形成した透明シリカ被膜上に、実施例1と同様に透明導電性酸化スズ膜を形成し、そのシート抵抗値を測定したところ、670Ω・cmであり、ガラス基板のアルカリ溶出による悪影響は認められなかった。
【0069】
(実施例5)
粒径が5〜50nmの微粒子状シリカ2.0gを、99重量%濃度のトリメチルアミン3.0ml及びアセトン1.0ml中に加え、マグネチックスターラーを用いて緩やかに攪拌した。微粒子状シリカは徐々に溶解し、約1時間で完全に溶解して無色透明の溶液が得られた。
【0070】
これに蒸留水5mlを加えて攪拌した後、10重量%のPVA水溶液を1ml加え、十分に攪拌した。得られた弱い粘性を有する透明な溶液を本実施例の塗布溶液とした。
【0071】
この塗布溶液をソーダガラス上に、ディッピングコート法により塗布し、乾燥後、500℃で1時間焼成したところ、透明シリカ被膜が形成された。
【0072】
このようにして形成した透明シリカ被膜上に、実施例1と同様に透明導電性酸化スズ膜を形成し、そのシート抵抗値を測定したところ、730Ω・cmであり、ガラス基板のアルカリ溶出による悪影響は認められなかった。
【0073】
(比較例)
粒径が5〜50nmの微粒子状シリカ1.0gを、10重量%濃度のトリメチルアミン水溶液5ml中に加え、マグネチックスターラーを用いて緩やかに攪拌した。一部溶解したが、5日間放置してもそれ以上の変化は認められなかった。
【0074】
溶液部分を濾別し、実施例1と同様にPVAを添加して塗布液とした。
【0075】
これを実施例1と同様にソーダガラス上に塗布したが、実質的に使用できるような強靱な透明膜は得られなかった。
【0076】
【発明の効果】
以上の結果より、本発明によると、基板上に、シラノール基を有する、酸化珪素、珪酸又は珪酸水和物をシリカ源として、比較的厚い透明シリカ被膜を一度塗りで容易に形成でき、且つ低収縮で、クラック発生の虞もないという効果を奏する。従って、半導体基板、ガラス、セラミックス等に形成する平坦化膜や保護膜として好適に用いられる透明シリカ被膜に用いて好適である。
【0077】
本発明の透明シリカ被膜形成用塗布溶液は完全な水溶性塗布溶液であり、有機溶媒を使用する必要がないため、製造工程において安全で、その使用が限定されない透明シリカ被膜を形成することができる。また、従来のアルコキシシランを用いた塗布溶液よりはるかに安価なものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス、セラミックス等の基板あるいは被対象物上に透明シリカ被膜を形成するための透明シリカ被膜形成用塗布溶液及び透明シリカ被膜の製造方法に関し、半導体素子や液晶表示素子などの種々の基材に平坦化膜や保護膜を形成するのに有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリカ系被膜形成用塗布液としては、アルコキシシランを加水分解、重縮合して得られるシロキサンポリマーを有機溶媒に溶解したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した方法では、加水分解のコントロール及び生成される水酸基(シラノール基)の重縮合反応のコントロールが容易ではない。また、塗布液の粘度を一定に保持することが容易ではない。
【0004】
従って、従来、一定の膜厚を有するシリカ系被膜を安定して製造することができないという問題があった。また、原料のアルコキシシランが比較的高価であり、有機溶媒を使用しなければならないなどの問題もあった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑み、有機溶媒を使用しないで比較的厚いシリカ被膜を一度塗りで容易に形成でき、溶液としても安定している透明シリカ被膜形成用塗布溶液及び透明シリカ被膜の製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明の第1の態様は、シラノール基を有する、酸化珪素、珪酸及び珪酸水和物からなる群から選択される少なくとも1種の珪素化合物と、有機強塩基と、水溶性ポリマーとを含有する水溶液性塗布溶液であって、前記珪素化合物が前記有機強塩基存在下で水溶性塗布溶液に溶解されていることを特徴とする透明シリカ被膜形成用塗布溶液にある。
【0007】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記有機強塩基がテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAH)からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする透明シリカ被膜形成用塗布溶液にある。
【0008】
本発明の第3の態様は、第1の態様において、前記有機強塩基がトリエチルアミン、ジブチルアミン及びトリメチルアミンからなる群から選択される少なくとも一種であり、さらに当該有機強塩基と水とを相溶させる有機溶媒を含有することを特徴とする透明シリカ被膜形成用塗布溶液にある。
【0009】
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記珪素化合物が、四塩化珪素を加水分解して得たものであることを特徴とする透明シリカ被膜形成用塗布溶液にある。
【0010】
本発明の第5の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記珪素化合物が、微粒子状の酸化珪素を常温大気中で放置することにより得たものであることを特徴とする透明シリカ被膜形成用塗布溶液にある。
【0011】
本発明の第6の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記珪素化合物が、珪酸又は珪酸n水和物(SiO2・nH2O)を水中に分散して加熱することにより得たものであることを特徴とする透明シリカ被膜形成用塗布溶液にある。
【0012】
本発明の第7の態様は、第1〜6の何れかの態様において、前記水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルアセトアミド(PNVA)、ポリビニルホルムアミド(PNVF)、ポリジメチルアクリルアミド(PDMAA)、ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリアクリロイルモルホリン(PAM)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、及びカルボキシメチルセルロース(CMC)からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする透明シリカ被膜形成用塗布溶液にある。
【0013】
本発明の第8の態様は、シラノール基を有する、酸化珪素、珪酸及び珪酸水和物からなる群から選択される少なくとも1種の珪素化合物と、有機強塩基と、水溶性ポリマーとを含有する水溶液性塗布溶液であって、前記珪素化合物が前記有機強塩基存在下で水溶性塗布溶液に溶解されている透明シリカ被膜形成用塗布溶液を被処理体上に塗布して塗膜を形成する工程と、この塗膜を焼成して透明シリカ被膜とする工程とを具備することを特徴とする透明シリカ被膜の製造方法にある。
【0014】
本発明の第9の態様は、第8の態様において、前記有機強塩基がテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAH)からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする透明シリカ被膜の製造方法にある。
【0015】
本発明の第10の態様は、第8の態様において、前記有機強塩基がトリエチルアミン、ジブチルアミン及びトリメチルアミンからなる群から選択される少なくとも一種であり、さらに当該有機強塩基と水とを相溶させる有機溶媒を含有することを特徴とする透明シリカ被膜の製造方法にある。
【0016】
本発明の第11の態様は、第8〜10の何れかの態様において、前記珪素化合物として、四塩化珪素を加水分解したものを用い、有機強塩基の水溶液に溶解して透明シリカ被膜形成用塗布溶液を得ることを特徴とする透明シリカ被膜の製造方法にある。
【0017】
本発明の第12の態様は、第8〜10の何れかの態様において、前記珪素化合物として、微粒子状の酸化珪素を常温大気中で放置したものを用い、有機強塩基の水溶液に溶解して透明シリカ被膜形成用塗布溶液を得ることを特徴とする透明シリカ被膜の製造方法にある。
【0018】
本発明の第13の態様は、第8〜10の何れかの態様において、前記珪素化合物として、珪酸又は珪酸n水和物(SiO2・nH2O)を水中に分散して加熱したものを用い、有機強塩基の水溶液に溶解して透明シリカ被膜形成用塗布溶液を得ることを特徴とする透明シリカ被膜の製造方法にある。
【0019】
本発明の第14の態様は、第8〜13の何れかの態様において、前記水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルアセトアミド(PNVA)、ポリビニルホルムアミド(PNVF)、ポリジメチルアクリルアミド(PDMAA)、ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリアクリロイルモルホリン(PAM)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、及びカルボキシメチルセルロース(CMC)からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする透明シリカ被膜の製造方法にある。
【0020】
本発明の第15の態様は、第8〜14の何れかの態様において、一回の塗布で厚さが100nm以上の透明シリカ被膜を形成することを特徴とする透明シリカ被膜の製造方法にある。
【0021】
本発明で提供される透明シリカ被膜は非常に安価で、透明性、膜質も良好で高品質であり、且つ通常の塗布法で簡便に製造できるので低製造コスト化を図ることができ、広範囲に適用され、使用されることができるものである。
【0022】
本発明の透明シリカ被膜形成用塗布溶液は、シラノール基を有する、酸化珪素、珪酸及び珪酸水和物からなる群から選択される少なくとも1種の珪素化合物と、有機強塩基と、水溶性ポリマーとを含有する水溶液性塗布溶液であって、前記珪素化合物が前記有機強塩基存在下で水溶性塗布溶液に溶解されている透明シリカ被膜形成用塗布溶液である。
【0023】
ここで、本発明で用いる珪素化合物は、酸化珪素、珪酸及び珪酸水和物から選択され、且つシラノール基を有するものである。ここでいうシラノール基を有する化合物とは、酸化珪素、珪酸及び珪酸水和物を所定の環境下に置くことにより、網目状に連続する珪素元素の少なくとも一部にシラノール基が存在する構造になったものである。このように酸化珪素、珪酸及び珪酸水和物に所定量以上のシラノール基が存在するようにすることにより、有機強塩基の水溶液に十分な濃度で溶解するようになる。
【0024】
また、本発明で用いる有機強塩基は、シラノール基を有する珪素化合物を溶かすことのできる有機塩基であり、有機塩基の水溶液がpH11以上となるような有機塩基であることが好ましい。
【0025】
このような有機強塩基としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAH)からなる群から選択される少なくとも一種を用いるのが好ましいが、これと同程度の有機強塩基であれば同様に使用できる。
【0026】
また、有機強塩基として、トリエチルアミン、ジブチルアミン及びトリメチルアミンからなる群から選択される少なくとも一種も用いることができる。但し、これらの有機強塩基は水に対する溶解性が小さいので、これらの有機強塩基と水とを相溶させる有機溶媒、例えば、アセトン等を添加するのが好ましい。
【0027】
シリカは、室温において、pH7で0.015%まで水に溶解することが知られている(R.ILER,Kolloid−Chemie des Siliciumdioxids und der Silikate,Cornell University Press Ithaca,New York(1955))が、濃度が小さく、勿論、これから塗布膜を形成したという報告もない。また、シリカは、強塩基下では、珪素化合物が解膠され、珪素酸化物の分散液が得られることが報告されている(USP4576921)が、分散液であるので、これを塗布液として使用して塗布膜を形成するという報告はない。
【0028】
本発明は、シラノール基を有する珪素化合物に有機強塩基を添加することにより、高濃度で溶解させて透明シリカ被膜形成用塗布溶液を得るというものである。このメカニズムは明らかでないが、シラノール基の強塩基による脱プロトンにより、陰イオンが生成することで溶解すると思われる。特に、微粒子のシリカは表面積が非常に大きいので、上述したように形成されたシラノール基の単位重量当たりの数が膨大になると考えられる。そして、このように高密度のシラノール基を有する微粒子シリカは有機強塩基の水溶液に対して5重量%以上という高濃度で溶解され、本発明の透明シリカ被膜形成用塗布溶液を得ることができる。
【0029】
ここで、シロキサン結合における結合角Si−O−Siは、120〜180度の範囲でばらつくが、このうちで歪んだシロキサン結合は水に対して高い反応性を示し、この結果、下記式に示すように、シラノール基が形成される。このSiOHの密度は2.5個SiOH/nm2に達するとの報告もある。
【0030】
【化1】
≡Si−O−Si≡ + H−O−H → 2 ≡Si−OH
【0031】
本発明はこのようなシラノール基を有する珪素化合物に有機強塩基を添加することにより、高濃度で珪素化合物を溶解させた透明シリカ被膜形成用塗布溶液を得るというものである。
【0032】
本発明に係る透明シリカ被膜形成用塗布溶液は、上述したようにシラノール基を有する珪素化合物をテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)などの有機強塩基の水溶液に溶解させればよく、溶解する方法等は特に限定されない。例えば、珪素化合物を微粉末にしてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)に添加して攪拌・放置することにより溶解させてもよいし、必要に応じて加熱して溶解させてもよいし、珪素化合物に水を加えて加熱してゾル状物質とした後これにテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)を加え、必要に応じて加熱して溶解させてもよい。なお、珪素化合物をゾル状物質とする場合には、ゾル状物質の生成と強塩基による溶解とを一連の工程で行ってもよい。
【0033】
ここで、シラノール基を有する酸化珪素は、例えば、四塩化珪素を加水分解することにより得ることができる。
【0034】
また、上述したように、微粒子状の酸化珪素を常温大気中で放置することにより、微粒子の表面にシラノール基が高密度に存在するようになり、TMAHなどの有機強塩基に高濃度で溶解するようになる。
【0035】
シラノール基を有する、珪酸又は珪酸水和物を用いる場合には、ゾル状化合物とした後、TMAHなどの有機強塩基に溶解するのが好ましい。TMAH存在下でのゾル状珪酸水和物の溶解は極めて注目すべき過程で進行する。すなわち、TMAH等の有機アルカリ添加後、数日間の溶解速度は非常に小さい。その後、溶解速度は次第に大きくなり、一週間で完全に溶解して、極めて安定で透明な溶液となる。
【0036】
さらに、これを用いて透明シリカ被膜形成用塗布溶液の粘性を大きくして、基板との密着性を向上させるために、水溶性ポリマーを添加する。ここで、水溶性ポリマーは極性基を有して水に溶解するポリマーである。
【0037】
このような極性基を有する水溶性ポリマーを添加することにより、クラック発生の虞のない厚膜を形成することができる。
【0038】
本発明で用いる極性基を有する水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルアセトアミド(PNVA)、ポリビニルホルムアミド(PNVF)、ポリジメチルアクリルアミド(PDMAA)、ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリアクリロイルモルホリン(PAM)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を挙げることができる。
【0039】
極性基を有する水溶性ポリマーとしては、このようなものから最適なものを適宜選択することができるが、アルカリに対してできるだけ安定したものを選択するのが好ましい。すなわち、アルカリで分解したり、変質したりする水溶性ポリマーを用いるのは、塗布液の安定性の面で好ましくないからである。
【0040】
例えば、PVA(本発明では、ポリ酢酸ビニルケン化物及び変性ポリ酢酸ビニルケン化物を含むものである)を用いる場合、一般的に用いられているケン化度86のPVAを用いると、酢酸が脱離してアンモニア又は水溶性アミンが中和され、pHが低下して珪素化合物が析出するという問題がある。
【0041】
この場合、有機強塩基を追加すれば問題ないが、好ましくは、完全ケン化型PVAを用いるのが好ましい。完全ケン化型PVAを用いた場合には、塗布液の安定性が良好で長期保存に耐えることができるものである。
【0042】
このような極性基を有する水溶性ポリマーの添加量は、ポリマーの種類によっても異なるが、一般的には、0.1重量%〜5重量%程度である。なお、水溶性ポリマーは塗布する前までに添加すればよく、例えば、珪素化合物を有機強塩基の水溶液に溶解する前でも後でも同時でもよい。
【0043】
本発明の透明シリカ被膜形成用塗布溶液は、極性基を有する水溶性ポリマーを用いると、これが成膜助剤として作用し、実用的な膜厚を有し、且つ強靱な膜を形成できる。また、水溶性ポリマーの添加量を変化させることにより、従来の塗布法では困難であった、膜厚のコントロールを自由に行うことができ、さらに、1回の塗布で、100nm以上の膜厚を有するシリカ被膜を形成することが可能となった。
【0044】
このように製造される本発明の透明シリカ被膜形成用塗布溶液は、そのまま塗布溶液として使用でき、珪素化合物を、5重量%以上含有し、また、シラノール基を有する珪素化合物がオリゴマーとして存在するためか、十分な厚さを有する透明シリカ被膜が形成できる。
【0045】
本発明の透明シリカ被膜形成用塗布液を用いて透明シリカ被膜を形成するには、この塗布液をディッピングコート法、スピンナー法、スプレー法、スクリーン印刷法、ロールコーター法、剛毛塗り法等の慣用の塗布手段で基板上に塗布し、その後、400〜800℃、好ましくは450〜700℃で焼成して形成することができる。特に、大型基板に塗布する場合は、低速スピンナー法によって塗布することが好ましい。これにより、15インチを超える大型基板上に均一な塗布膜が形成でき、これを焼成することで、100〜500nmの均一な透明シリカ被膜を形成することができる。
【0046】
従って、本発明の透明シリカ被膜形成用塗布溶液によれば、極性基を有する水溶性ポリマーが成膜助剤として作用し、実用的な膜厚を有し、且つ低収縮で、透明性、保存安定性に優れた膜を形成することができる。また、この水溶性ポリマーの添加量を変化させることにより、膜厚のコントロールを自由に行うことができ、さらに、一度塗りで、100〜500nmの膜を形成することができる。
【0047】
従って、従来のゾルゲル法により、厚いゲル膜を焼成すると、膜に亀裂が発生してしまい、膜厚の限界が100nm以下であったのに比べ、大幅に膜厚を厚くすることができる。この知見は実用上、極めて重要であり、製造工程において、膜を厚くするための非効率な繰り返しコーティングを行う必要がないため、製造の手間を軽減でき、大幅にコストダウンをすることができる。
【0048】
一方、本発明の透明シリカ被膜形成用塗布溶液を塗布する対象物は、特に限定されないが、例えば、半導体基板、ガラス基板、セラミックス基板、板ガラス表面をシリカコートしたものや硼珪酸ガラス、石英ガラス板等である。
【0049】
本発明の透明シリカ被膜形成用塗布溶液を用いて形成された透明シリカ被膜は、極性基を有する水溶性ポリマーが成膜助剤として作用するので、強靱で、透明度が良好で、対象物との密着性も良好で、ピンホールやマイクロクラックのない良質なものである。
【0050】
かかる本発明は、比較的厚いシリカ被膜を一度塗りで容易に形成でき、低収縮で、クラック発生の虞もなく、特に、半導体素子や液晶表示素子等における平坦化膜や保護膜の形成に好適である。
【0051】
また、従来のシリカ系塗布溶液は、主にアルコキシシランを加水分解して得られるプレポリマーを有機溶媒に溶解することで得られるので、ゾルの粘性が経時変化することが、実用上問題となっていた。しかしながら、本発明の透明シリカ被膜形成用塗布溶液は、有機溶媒を使用する必要がない完全な水系塗布溶液であるため、ゾルの粘性が経時変化することがなく、また、その使用が限定されず、製造工程において安全に透明シリカ被膜を形成することができるという利点もある。
【0052】
【発明の実施の形態】
次に、実施例および比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、これにより本発明が限定されるものでないことはいうまでもない。
【0053】
(実施例1)
粒径が5〜50nmの微粒子状シリカ1.0gを、10重量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液5ml中に加え、マグネチックスターラーを用いて緩やかに攪拌した。微粒子状シリカは徐々に溶解し、約2時間で完全に溶解して無色透明の溶液が得られた。
【0054】
これに蒸留水5mlを加えて攪拌した後、10重量%のPVA水溶液を1ml加え、十分に攪拌した。得られた弱い粘性を有する透明な溶液を本実施例の塗布溶液とした。
【0055】
この塗布溶液をソーダガラス上に、ディッピングコート法により塗布し、乾燥後、500℃で1時間焼成したところ、膜厚370nmの透明シリカ被膜が形成された。
【0056】
このようにして形成した透明シリカ被膜上に、透明導電性酸化スズ膜を形成して耐アルカリバリア性を評価した。この透明導電性酸化スズ膜は、透明導電性酸化スズ膜形成用塗布液を使用して、ディッピングコート法によって塗布し、550℃で焼成することで形成した。そのシート抵抗値を測定したところ、600Ω・cmであり、市販のシリカコート基板を用いた場合と同等の値であった。従って、ガラス基板のアルカリ溶出による悪影響は認められなかったと確認できた。
【0057】
(実施例2)
7.0gの珪酸n水和物を50mlの蒸留水に混合し、95℃で5時間撹拌することにより、ゾル状物質が得られた。このゾル状物質に、10mlの15重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を加えて30分間撹拌し、この混合物を常温で放置した。その後、約3日間、溶解は認められなかったが、5日目以降、溶解速度が漸増し、7日間で完全に溶解して透明な溶液が得られた。この溶液に、10重量%のPVA水溶液を5ml加え、十分に撹拌することにより、粘性のある溶液が得られた。この溶液を本実施例の塗布溶液とした。
【0058】
この塗布溶液をソーダガラス上に、ディッピングコート法により塗布し、乾燥後、500℃で1時間焼成したところ、膜厚350nmの透明シリカ被膜が形成された。
【0059】
このようにして形成した透明シリカ被膜上に、実施例1と同様に透明導電性酸化スズ膜を形成し、そのシート抵抗値を測定したところ、590Ω・cmであり、ガラス基板のアルカリ溶出による悪影響は認められなかった。
【0060】
(実施例3)
7.0gのテトラクロロシランを200mlの純水中にマグネチックスターラーで攪拌しながら、ゆっくりと加えた。この加水分解反応は発熱反応で、白色の塩化物が激しく発生した。生成した反応混合物を常温まで冷却した後、冷却しながら1Nの水酸化アンモニウムをゆっくりと加え、pH7.0になるまで添加した。生成して沈殿したゾル状物質を濾別し、蒸留水で3回洗浄した。
【0061】
このようにして得た沈殿物に、15重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を10ml添加し、常温で放置した。ゾル状物質はゆっくりと溶解し、5日間で完全に溶解した。
【0062】
生成した透明溶液にPVAを1.0重量%添加し、十分に攪拌して塗布溶液とした。
【0063】
この塗布溶液をソーダガラス上に、ディッピングコート法により塗布し、乾燥後、500℃で30分焼成したところ、膜厚320nmの透明シリカ被膜が形成された。
【0064】
このようにして形成した透明シリカ被膜上に、実施例1と同様に透明導電性酸化スズ膜を形成し、そのシート抵抗値を測定したところ、570Ω・cmであり、ガラス基板のアルカリ溶出による悪影響は認められなかった。
【0065】
(実施例4)
粒径が5〜50nmの微粒子状シリカ2.0gを、20重量%濃度のテトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液10ml中に加え、マグネチックスターラーを用いて緩やかに攪拌した。微粒子状シリカは徐々に溶解し、約30時間で完全に溶解して無色透明の溶液が得られた。
【0066】
これに蒸留水10mlを加えて攪拌した後、10重量%のPVA水溶液を1.7ml加え、十分に攪拌した。得られた弱い粘性を有する透明な溶液を本実施例の塗布溶液とした。
【0067】
この塗布溶液をソーダガラス上に、ディッピングコート法により塗布し、乾燥後、500℃で1時間焼成したところ、膜厚290nmの透明シリカ被膜が形成された。
【0068】
このようにして形成した透明シリカ被膜上に、実施例1と同様に透明導電性酸化スズ膜を形成し、そのシート抵抗値を測定したところ、670Ω・cmであり、ガラス基板のアルカリ溶出による悪影響は認められなかった。
【0069】
(実施例5)
粒径が5〜50nmの微粒子状シリカ2.0gを、99重量%濃度のトリメチルアミン3.0ml及びアセトン1.0ml中に加え、マグネチックスターラーを用いて緩やかに攪拌した。微粒子状シリカは徐々に溶解し、約1時間で完全に溶解して無色透明の溶液が得られた。
【0070】
これに蒸留水5mlを加えて攪拌した後、10重量%のPVA水溶液を1ml加え、十分に攪拌した。得られた弱い粘性を有する透明な溶液を本実施例の塗布溶液とした。
【0071】
この塗布溶液をソーダガラス上に、ディッピングコート法により塗布し、乾燥後、500℃で1時間焼成したところ、透明シリカ被膜が形成された。
【0072】
このようにして形成した透明シリカ被膜上に、実施例1と同様に透明導電性酸化スズ膜を形成し、そのシート抵抗値を測定したところ、730Ω・cmであり、ガラス基板のアルカリ溶出による悪影響は認められなかった。
【0073】
(比較例)
粒径が5〜50nmの微粒子状シリカ1.0gを、10重量%濃度のトリメチルアミン水溶液5ml中に加え、マグネチックスターラーを用いて緩やかに攪拌した。一部溶解したが、5日間放置してもそれ以上の変化は認められなかった。
【0074】
溶液部分を濾別し、実施例1と同様にPVAを添加して塗布液とした。
【0075】
これを実施例1と同様にソーダガラス上に塗布したが、実質的に使用できるような強靱な透明膜は得られなかった。
【0076】
【発明の効果】
以上の結果より、本発明によると、基板上に、シラノール基を有する、酸化珪素、珪酸又は珪酸水和物をシリカ源として、比較的厚い透明シリカ被膜を一度塗りで容易に形成でき、且つ低収縮で、クラック発生の虞もないという効果を奏する。従って、半導体基板、ガラス、セラミックス等に形成する平坦化膜や保護膜として好適に用いられる透明シリカ被膜に用いて好適である。
【0077】
本発明の透明シリカ被膜形成用塗布溶液は完全な水溶性塗布溶液であり、有機溶媒を使用する必要がないため、製造工程において安全で、その使用が限定されない透明シリカ被膜を形成することができる。また、従来のアルコキシシランを用いた塗布溶液よりはるかに安価なものである。
Claims (15)
- シラノール基を有する、酸化珪素、珪酸及び珪酸水和物からなる群から選択される少なくとも1種の珪素化合物と、有機強塩基と、水溶性ポリマーとを含有する水溶液性塗布溶液であって、前記珪素化合物が前記有機強塩基存在下で水溶性塗布溶液に溶解されていることを特徴とする透明シリカ被膜形成用塗布溶液。
- 請求項1において、前記有機強塩基がテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAH)からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする透明シリカ被膜形成用塗布溶液。
- 請求項1において、前記有機強塩基がトリエチルアミン、ジブチルアミン及びトリメチルアミンからなる群から選択される少なくとも一種であり、さらに当該有機強塩基と水とを相溶させる有機溶媒を含有することを特徴とする透明シリカ被膜形成用塗布溶液。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、前記珪素化合物が、四塩化珪素を加水分解して得たものであることを特徴とする透明シリカ被膜形成用塗布溶液。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、前記珪素化合物が、微粒子状の酸化珪素を常温大気中で放置することにより得たものであることを特徴とする透明シリカ被膜形成用塗布溶液。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、前記珪素化合物が、珪酸又は珪酸n水和物(SiO2・nH2O)を水中に分散して加熱することにより得たものであることを特徴とする透明シリカ被膜形成用塗布溶液。
- 請求項1〜6の何れかにおいて、前記水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルアセトアミド(PNVA)、ポリビニルホルムアミド(PNVF)、ポリジメチルアクリルアミド(PDMAA)、ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリアクリロイルモルホリン(PAM)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、及びカルボキシメチルセルロース(CMC)からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする透明シリカ被膜形成用塗布溶液。
- シラノール基を有する、酸化珪素、珪酸及び珪酸水和物からなる群から選択される少なくとも1種の珪素化合物と、有機強塩基と、水溶性ポリマーとを含有する水溶液性塗布溶液であって、前記珪素化合物が前記有機強塩基存在下で水溶性塗布溶液に溶解されている透明シリカ被膜形成用塗布溶液を被処理体上に塗布して塗膜を形成する工程と、この塗膜を焼成して透明シリカ被膜とする工程とを具備することを特徴とする透明シリカ被膜の製造方法。
- 請求項8において、前記有機強塩基がテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAH)からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする透明シリカ被膜の製造方法。
- 請求項8において、前記有機強塩基がトリエチルアミン、ジブチルアミン及びトリメチルアミンからなる群から選択される少なくとも一種であり、さらに当該有機強塩基と水とを相溶させる有機溶媒を含有することを特徴とする透明シリカ被膜の製造方法。
- 請求項8〜10の何れかにおいて、前記珪素化合物として、四塩化珪素を加水分解したものを用い、有機強塩基の水溶液に溶解して透明シリカ被膜形成用塗布溶液を得ることを特徴とする透明シリカ被膜の製造方法。
- 請求項8〜10の何れかにおいて、前記珪素化合物として、微粒子状の酸化珪素を常温大気中で放置したものを用い、有機強塩基の水溶液に溶解して透明シリカ被膜形成用塗布溶液を得ることを特徴とする透明シリカ被膜の製造方法。
- 請求項8〜10の何れかにおいて、前記珪素化合物として、珪酸又は珪酸n水和物(SiO2・nH2O)を水中に分散して加熱したものを用い、有機強塩基の水溶液に溶解して透明シリカ被膜形成用塗布溶液を得ることを特徴とする透明シリカ被膜の製造方法。
- 請求項8〜13の何れかにおいて、前記水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルアセトアミド(PNVA)、ポリビニルホルムアミド(PNVF)、ポリジメチルアクリルアミド(PDMAA)、ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリアクリロイルモルホリン(PAM)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、及びカルボキシメチルセルロース(CMC)からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする透明シリカ被膜の製造方法。
- 請求項8〜14の何れかにおいて、一回の塗布で厚さが100nm以上の透明シリカ被膜を形成することを特徴とする透明シリカ被膜の製造方法。
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2002
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