JPH09198924A - 軽量送電線 - Google Patents

軽量送電線

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JPH09198924A
JPH09198924A JP1007896A JP1007896A JPH09198924A JP H09198924 A JPH09198924 A JP H09198924A JP 1007896 A JP1007896 A JP 1007896A JP 1007896 A JP1007896 A JP 1007896A JP H09198924 A JPH09198924 A JP H09198924A
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JP
Japan
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titanium alloy
power transmission
oxide film
alloy wire
wire
Prior art date
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Pending
Application number
JP1007896A
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English (en)
Inventor
Yosuke Ohata
要介 大畑
Yoshihisa Manabe
佳久 真鍋
Katsuhiro Nakamura
佳津宏 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Chubu Electric Power Co Inc
Original Assignee
Fujikura Ltd
Chubu Electric Power Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼芯アルミニウム撚り線に比して軽量であ
り、疲労特性及び靱性が長期間に亘って良好な軽量送電
線を提供する。 【解決手段】 軽量送電線は、チタン合金線1の集合体
の周囲に複数本のアルミニウム線2が撚り合わされて構
成されている。チタン合金線1には酸化皮膜3が形成さ
れており、この酸化皮膜3により水素がチタン合金線1
に侵透することが防止されているので、チタン合金線1
の水素脆化が防止される。これにより、長期間に亘る使
用においても靱性の劣化が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄塔間に架設される架
空送電線として好適の軽量送電線に関し、特に長時間の
使用における靱性の低下を防止した軽量送電線に関す
る。
【0002】
【従来の技術】鉄塔間に架設される架空送電線として
は、導電性が良好であると共に軽量であることが要求さ
れる。従来、架空送電線としては一般的に複数本の亜鉛
めっき鋼線又はアルミニウムを被覆したアルミニウム被
覆鋼線を中心に配置し、これらの周囲に複数本のアルミ
ニウム又はアルミニウム合金線を撚り合わせてなる鋼線
アルミニウム撚り線(以下、ACSRという)が使用さ
れている(特公昭57−56164号及び特公昭59−
39843号等)。これらのACSRは、強度が高いと
いう鋼線の長所と、軽量であると共に導電性が優れてい
るというアルミニウム線の長所とを兼備している。
【0003】しかしながら、従来のACSRにおいて
は、以下に示す問題点がある。即ち、近年、架空送電線
の電流容量を増大させる要求が益々強くなっており、そ
れに応じて導体断面積を大きくしたり、又は複数本の送
電線を並列接続して架設する等の対策が講じられてい
る。しかし、これにより送電線の重量が増大し、既設の
鉄塔では送電線を支持することができなくなる等の問題
点が生じている。即ち、従来のACSRは、電流容量を
大きくするためには、既設鉄塔を新たに強度が高いもの
に交換する必要があり、設備コストの大幅な増大を招来
する。従って、ACSRに比してより一層軽量であり、
電流容量を大きくしても既設の鉄塔に架設することが可
能な送電線が要望されている。
【0004】このような要望に対し、軽量化を図った送
電線が提案されている(特開平7−6627号公報)。
図2は、この軽量送電線を示す断面図である。図2に示
すように、この軽量送電線は複数本のチタン合金線11
の集合体が中心に配置され、このチタン合金線11の集
合体の周囲に複数本のアルミニウム線12(又は、アル
ミニウム合金線)が撚り合わされて構成されている。チ
タン合金線11は、単位面積当たりの引張強さが例えば
ACSRを構成している特強鋼線に比して若干低いもの
の、比重が著しく小さいため、比強度(強度を比重で徐
した値)は鋼線よりも著しく大きい。従って、このチタ
ン合金線をテンションメンバーとして使用することによ
り、強度を維持しつつ送電線の軽量化を果たすことがで
きる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の技術においては、以下に示す問題点がある。即
ち、上述の軽量送電線において、アルミニウム線12の
表面積はチタン合金線11の表面積の約3乃至8倍とな
っている。このため、使用環境下において雨水又は塩水
等がチタン合金線11とアルミニウム線12との隙間等
に侵入したときに、チタン合金線11の水溶液中におけ
る電位、所謂混成電位は、表面積の大きいアルミニウム
線12の自然電極電位に引張られて、卑な方向に移る。
これにより、チタン合金線11とアルミニウム線12と
の間の異種金属接触腐食は軽微になるものの、チタン表
面では、2H++2e-→H2という反応で水素が発生
し、チタン合金線11が発生した水素を吸収して水素脆
化が生じる。
【0006】このように、特願平5−149333号に
記載の軽量送電線においては、チタン合金線11の表面
で水素が発生し、長期間使用した場合に、チタン合金線
11の水素吸収及び水素脆化により靱性及び疲労特性等
が低下するといった問題点がある。
【0007】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、ACSRに比して軽量であり、疲労特性及
び靱性が長期間に亘って良好な軽量送電線を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る軽量送電線
は、チタン合金線と、このチタン合金線の周囲に撚り合
わされて配設された複数本のアルミニウム又はアルミニ
ウム合金線とを有する軽量送電線において、前記チタン
合金線はその表面に0.05乃至5.00μmの酸化皮
膜が設けられていることを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明に係る軽量送電線は、酸化皮膜が形成さ
れたチタン合金線の周囲に複数本のアルミニウム又はア
ルミニウム合金線を撚り合わせて構成されている。この
チタン合金線は、諸特性を損なわない程度の厚さの酸化
皮膜を表面に有するため、水素を吸収し脆化する虞れが
ない。
【0010】即ち、チタン合金線素線又はその撚り線に
対して大気中で短時間の加熱処理を施すことにより、チ
タン合金線素線の表面に緻密で且つ適切な厚さの酸化皮
膜を形成させる。この酸化皮膜における水素の拡散速度
は極めて小さいため、チタン合金線表面で発生する水素
原子が、酸化皮膜層を超えてチタン合金線内部に入り込
むことは極めて困難である。このため、チタン合金線が
水素を吸収し、脆化して靱性が低下する虞れがない。
【0011】本発明におけるチタン合金線の酸化皮膜の
厚さは、0.05乃至5.00μmとする。酸化皮膜の
厚さが、0.05μm未満である場合は、撚線時にチタ
ン合金線の酸化皮膜が疵付き、金属面が露出しやすいと
共に、酸化皮膜が水素に対する十分な障壁とはなり得
ず、長時間の使用に際し、チタン合金線に水素脆化が起
きてしまう。一方、酸化皮膜の厚さが5.00μmを超
えると、緻密な皮膜がチタン合金線表面に形成されにく
いばかりか、使用時の曲げ等により、酸化皮膜に割れが
生じてしまう。この割れから水素が侵入し、チタン合金
線が水素を吸収して脆化してしまう。従って、酸化皮膜
の厚さは、0.05乃至5.00μmであることが必要
である。
【0012】なお、酸化皮膜の形成方法としては、大気
中での加熱による方法が、最もコストが低いが、陽極酸
化法により酸化皮膜を比較的厚く形成しても良い。
【0013】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。図1
は本発明の実施例に係る軽量送電線を示す断面図であ
る。本発明の実施例に係る軽量送電線は、表面に酸化皮
膜3が形成された複数本のチタン合金線1の集合体が中
心に配置され、この酸化皮膜3が形成されたチタン合金
線1の集合体の周囲に複数本のアルミニウム線2(又
は、アルミニウム合金線)が撚り合わされて構成されて
いる。
【0014】本実施例の軽量送電線においては、チタン
合金線1の表面に酸化皮膜3が形成されており、この酸
化皮膜3により水分の侵透が防止されているので、水素
脆化が防止される。従って、本実施例の軽量送電線は、
長期間に亘る使用においても靱性が劣化しない。
【0015】次に、本発明の実施例に係る軽量送電線を
実際に製造し、その特性を調べた結果について、特許請
求の範囲から外れる比較例と比較して説明する。冷間伸
線加工後、時効処理して製造した直径が3.1mmの各
チタン合金線を、適切な温度に設定して大気中で加熱
し、その表面に厚さが夫々異なる酸化皮膜を形成させ
た。各チタン合金線の酸化皮膜の厚さを下記表1に示
す。表1に示すように、中村式回転曲げ疲労試験を使用
して、皮膜厚さが異なる各チタン合金線について酸化皮
膜形成直後の疲労限応力を測定した。
【0016】酸化皮膜の厚さが異なる各チタン合金線に
ついて、図2に示すように7本を撚り合わせて集合体と
し、この集合体の周囲に直径が4.0mmのアルミニウ
ム線を30本撚り合わせて送電線を製造した。得られた
各送電線について5000時間の塩水噴霧試験を施した
後に、各送電線の撚線を解いてチタン合金線を取り出
し、チタン合金線の回転曲げ疲労特性を調査した。ま
た、水素脆化によるチタン合金線の疲労限応力の低下の
有無を調べた。その結果を下記表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】なお、比較例No.1においては、格別の
酸化皮膜形成処理を行っていないため、その自然酸化皮
膜の厚さは0.002μm程度と薄いものとなってい
る。
【0019】実施例No.1〜4では、酸化皮膜の厚さ
が0.05乃至5.00μmの範囲であったために、疲
労限応力の低下が極めて微小であり、水素脆化が防止さ
れている。比較例No.1は、従来例、即ち酸化処理を
施さなかった場合、比較例No.2は、酸化皮膜の厚さ
が0.03乃至0.04と本発明にて規定した厚さより
薄い場合のものである。これらの比較例は、いずれも塩
水噴霧試験後のチタン合金線表面に水素吸収によるTi
2層が形成されており、この層に発生した亀裂を起点
に破断、所謂水素脆化が起こっていた。比較例No.3
は、酸化皮膜の厚さが8.50乃至10.0と本発明に
て規定した厚さより厚い場合のものである。酸化皮膜形
成時に緻密な皮膜が形成されにくい上に、撚り線製造時
の曲げにより被覆に亀裂が入りやすく、疲労特性等の諸
特性が劣化した。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る軽量
送電線は、チタン合金線の表面に酸化皮膜が形成されて
いるので、チタン合金線の水素脆化による靱性の低下を
防止できると共に、撚り線中のチタン合金線同士及びチ
タン合金線とアルミニウム線との隙間に発生する腐食を
低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る軽量送電線を示す断面図
である。
【図2】従来の軽量送電線を示す断面図である。
【符号の説明】
1;チタン合金線 2,12;アルミニウム又はアルミニウム合金線 3;酸化皮膜 11;チタン合金線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 真鍋 佳久 愛知県名古屋市緑区大高町字北関山20番地 の1 中部電力株式会社技術開発本部電力 技術研究所内 (72)発明者 中村 佳津宏 愛知県名古屋市緑区大高町字北関山20番地 の1 中部電力株式会社技術開発本部電力 技術研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン合金線と、このチタン合金線の周
    囲に撚り合わされて配設された複数本のアルミニウム又
    はアルミニウム合金線とを有する軽量送電線において、
    前記チタン合金線はその表面に0.05乃至5.00μ
    mの酸化皮膜が設けられていることを特徴とする軽量送
    電線。
JP1007896A 1996-01-24 1996-01-24 軽量送電線 Pending JPH09198924A (ja)

Priority Applications (1)

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JP1007896A JPH09198924A (ja) 1996-01-24 1996-01-24 軽量送電線

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JP1007896A JPH09198924A (ja) 1996-01-24 1996-01-24 軽量送電線

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JPH09198924A true JPH09198924A (ja) 1997-07-31

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