JPH09195329A - 非常用給水装置 - Google Patents

非常用給水装置

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JPH09195329A
JPH09195329A JP8023190A JP2319096A JPH09195329A JP H09195329 A JPH09195329 A JP H09195329A JP 8023190 A JP8023190 A JP 8023190A JP 2319096 A JP2319096 A JP 2319096A JP H09195329 A JPH09195329 A JP H09195329A
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water supply
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Cosmo Koki Co Ltd
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Cosmo Koki Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A20/00Water conservation; Efficient water supply; Efficient water use

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 死水域をできるだけ減少させるとともに、極
めて薄型でスペースをとらず、非常時にはこれらの薄型
の貯水部から水を容易に取り出すことのできる非常用給
水装置を得ること。 【解決手段】 水道水の使用によって順次水が流れ、死
水のない状態で、これら管状部材7a〜7cによって構
成される貯水流路に水が常時確保されている。非常時に
は、下方の給水用カラン5を開くことにより、空気弁1
0が開くため、各管状部材7a〜7cの底部近傍から水
が流下し、これら管状部材7a〜7c内に蓄えられた水
を全て使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、災害時あるいは渇
水時でも給水可能な非需用給水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、災害時あるいは渇水時における生
活用水または飲料水の確保手段としては、家庭用ポリタ
ンクに水道水を貯めたり、あるいはペットボトルに入っ
た飲料水を購入することで行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た前者の従来技術のように、家庭用ポリタンクに水道水
を貯める手段にあっては、その作業が面倒であり、保管
場所にもかなりのスペースを有し、また後者のように、
ペットボトルに入った飲料水を購入して貯蔵したとして
も、長期間となると水質が変化するため、逐次取替えな
ければならなかった。
【0004】そこで水道水の途中に設置され、常時使用
される水によってタンク内の水が循環する非常用タンク
が、実開昭53−40673号等で開示されている。し
かし、このシステムはタンクの容量が大きく、地中に埋
設しなければならないため、設置工事が大変なものがあ
る。また、非常時に水を汲み上げるために、ポンプ等を
を利用しなけらばならず、故障率が高いばかりか、電源
の確保も考えなければならなかった。
【0005】さらに、実公昭51−39212号には蛇
口の側部に設置される循環式のタンクが開示されている
が、やはり設置場所としてのスペースを取ってしまう。
【0006】さらに、これら従来技術に共通した問題点
としては、水道使用時、常時水道水がタンク内に流れ込
み、水の流動はあるものの、タンクの径が大きいため死
水域が発生し易く、流動を与えられない水がタンク内に
残存してしまい非常用に供給される水の水質に問題があ
った。
【0007】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、極めて薄型でスペースをとらず、非常時
にはこれらの薄型の貯水部から水を容易に取り出すこと
のできる非常用給水装置を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の非常用給水装置
は、一端部に導入口を、そして他端部に排水口を有する
管状部材を横方向に複数本ほぼ隣接させ、前記単一の管
状部材の導入口と他の管状部材の排水口とを順次連通部
で連結して一体化した流動式の貯水流路を形成するとと
もに、少なくとも前記複数の一体化された管状部材の最
上部付近に空気弁を設置し、最上部の管状部材の導入口
を上水道配管に連通させ、さらに最下部の管状部材の排
水口を給水カランに連通させることを特徴としている。
この特徴により、水道水の使用によって順次水が流れ、
死水のない状態で、これら管状部材によって構成される
貯水流路に水が常時確保されている。非常時には、下方
の給水用カランを開くことにより、水圧で常時閉塞して
いる空気弁が開くため、これら管状部材内に蓄えられた
水を自然落下により大量に使用できる。特にこの給水装
置はそれぞれ別々の細い管状部材の集合体であるため、
強度が高く、また水の流れもスムーズとなる。
【0009】本発明の非常用給水装置は、連通部で連結
される管状部材の排水口が、その管状部材の最下端部近
傍に、さらにその下方の管状部材の導入口が、その管状
部材の最上端部近傍に形成されていることが好ましい。
【0010】本発明の非常用給水装置は、貯水流路を形
成する各管状部材を連通する連通部が管状部材の外部に
延びる連通管であることが好ましい。
【0011】本発明の非常用給水装置は、単一の管状部
材の導入口と他の管状部材の排水口との連通部の位置と
相対するそれぞれの管状部材の端部が、前記連通部の流
水抵抗よりも大きな通路の連通部で連結されていること
が好ましい。
【0012】本発明の非常用給水装置は、上下の管状部
材を連通させる流水抵抗の大きな連通部が、上方の管状
部材の一端の最下端部と下方の管状部材の一端の最上端
部とを繋いでいることが好ましい。
【0013】本発明の非常用給水装置は、前記流水抵抗
の大きな連通部が、管状部材の外部に延びる排水管であ
ることが好ましい。
【0014】本発明の非常用給水装置は、前記複数の管
状部材は、一方向に傾斜させて設置することが好まし
い。
【0015】本発明の非常用給水装置は、前記管状部
材、該管状部材に設けられた導入口および排水口、最上
部に取付けられる空気弁と管状部材とが連通する接続口
および管状部材同士を連通する連通部を、凹部を有する
2枚の板材を互いに液密に張合わせてパネル状に形成す
ることが好ましい。
【0016】本発明の非常用給水装置は、少なくとも前
記管状部材と前記空気弁とが基台から上方に延設された
堅固なフレームにより外力から保護されていることが好
ましい。
【0017】本発明の非常用給水装置は、液密に形成さ
れた箱体の内部を複数の隔壁で横方向に仕切って複数の
部屋を形成し、各部屋内の最上の部屋に導入口を、また
最下の部屋に排水口を形成し、各部屋の端部近傍で各部
屋を順次連通部で連結して流動式の貯水流路を形成する
とともに、前記箱体の上部付近に空気弁を設置し、前記
連通部の位置と相対するそれぞれの部屋の端部を、前記
連通部の流水抵抗よりも大きな通路の連通部で連結さ
せ、最下の部屋の排水口を給水カランに連通させること
を特徴としている。この特徴により、箱体の内部に形成
される各部屋が隔壁に形成された連通穴を介して容易に
内部で連通できるため、複数の管状部材を隣接して一体
化された複数の管状部材の如く連通部および排水管を外
部に露出することがなくなり、このための配管が不要と
なる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を挙げ図面に基
づいて本発明を説明する。
【0019】図1は本発明の一実施形態を示す非常用給
水装置の全体図である。
【0020】図1に示す台所1は、流し台2と、この流
し台2の奥面に位置する壁3とで構成され、流し台2に
はシンク部4が設けられ、シンク部4の上部には給水カ
ラン5が設けられている。
【0021】6は、本発明の実施形態の非常用給水装置
であって、この非常用給水装置6は、横方向に設置され
た複数の管状部材7a〜7cと、連通部としての連通管
8a〜8dと、全ての管状部材の底部とこの管状部材に
隣接する下部管状部材を連通する排水管9a、9bと、
空気弁10とで構成され、この非常用給水装置6は、壁
3内に水平に埋設される。
【0022】複数の管状部材7a〜7cは、内面が防錆
処理された金属、プラスチック又はステンレス等で形成
され、互いに隣接して接着により接続され一体化されて
いる。なお、一体化とは、それぞれが接着もしくは溶接
されていることも含むが、連結管等で接続されているこ
とも一体化の意味である。
【0023】管状部材7a〜7cの両端は閉塞されてお
り、その閉塞された両端には全て導入口11と排水口1
2が形成され、これら導入口11と排水口12には各管
状部材を結ぶほぼ同じ内径の連通管8a〜8dで連結さ
れている。
【0024】図1に基づいてさらに詳しく説明すると、
連通管8aは、複数の管状部材の内、最上段に位置する
管状部材の上端部から水道水を供給するように連結され
ている。
【0025】そして、最上段に位置する管状部材7aの
一端下部と中段の管状部材7bの一端上部は太い連通管
8bで連結され、同様に両管状部材7a、7bの他端下
部と上部は細い連通管としての排水管9aで連結されて
いる。
【0026】また、中段の管状部材7bの一端下部と最
下段の管状部材7cの一端上部は細い排水管9bで連結
され、同様に管状部材7b、7cの他端下部と上部は太
い連通管としての連通管8cで連結されている。
【0027】さらに、最下段の管状部材7cの一端下部
には連通管8dが連結されており、この連通管8dは、
常時使用される給水カラン5に連結されている。
【0028】尚、図示はしないが、給水カラン5とは別
に非常用カランを設けて、この非常用カランに管状部材
7cの他端下部に設けた排水管を連結させるようにして
も良い。
【0029】ここで重要な点は、連通管8a〜8dは排
水管9a、9bよりも管の内径が大きくなっており、従
って、連通管8aから給水される水道水は、そのほとん
どが各連通管8b〜8cを介して隣接する各管状部材7
a〜7c内を順次左右に流動しつつ排水口12に流下
し、排水口12に連結されている連通管8dを介して給
水カラン5から排水される。
【0030】即ち、排水管9a、9bを流れる流水抵抗
は、単一の管状部材の排出口と他の管状部材の導入口と
を連通する連通部である連通管8b、8cの流水抵抗よ
りも大きくなるように設定されているので、通常、連通
管8aから流入する水は、排水管9a、9bを介して短
絡することなく管状部材7a〜7cをジグザグに流れ、
給水カラン5から排出される。
【0031】このように、水道水の使用によって順次水
が流れ、死水のない状態で、これら管状部材によって構
成される貯水流路に水が常時確保されていることにな
る。即ち、非常時、例えば時間断水、地震等による水道
管破裂時、水圧がなくなり、給水が断たれた場合等にあ
っても常時貯水流路に水が存在している。
【0032】ここで、貯水流路内の水が欲しい場合、単
に給水カラン5を開くのみで管状部材内の水をほとんど
全て流出させることができる。その理由は、管内に常時
かかっている水圧により空気弁10は閉塞されている
が、上流からの水圧が解除されることにより、空気弁1
0が大気を貯水流路内に導入すべく自動的に開放され
る。このため、排水管9a、9bを介して連通している
各管状部材7a〜7c内の水道水は、負圧による拘束が
解け、水の重量で上から順次流下し排水口12を介して
給水カラン5から流出していく。
【0033】ここで、排水管9a、9bの口径は、単一
の管状部材の排出口と、他の管状部材の導入口とを連通
する連通部の口径より小径になっており、通常の水の使
用時にはこの排水管には水がほどんど流れないが、非常
時において管状部材7a〜7c等が傾いている場合等に
それぞれの管状部材の他端に水が残留することになる
が、この排水管9a、9bは他端に残留する水を下方の
管状部材に流下させる働きをする。ただし、管状部材が
ほぼ水平に設置され動かないような場合は不要である。
【0034】ここで13は、複数の管状部材7a〜7c
を取付けるための基台であって、この基台13上に堅固
なフレーム14で箱体が構成されており、その内部空間
に複数の管状部材7a〜7cが図示しない取付具により
取付られる。
【0035】すなわち、複数の管状部材7a〜7cおよ
びこの管状部材に連結される各連通管8a〜8c、排水
管9a、9bおよび空気弁10は、フレーム14で形成
された箱体内に収納されて保護され、これらによって構
成される非常用給水装置が、台所等の壁3内に埋め込ま
れる。
【0036】なお、水道水が再度上流から流れ、管状部
材内に流入した場合は、最上部に存在する空気弁10か
ら前述と逆に空気が効率良く排出され、水道使用時のウ
ォーターハンマー等の問題もなくなる。
【0037】図2には第2の実施形態が示され、この実
施形態は、複数の管状部材15a〜15cを給水カラン
側の出口を下に傾斜させて平行に設置したものである。
【0038】管状部材15a〜15cの両端は閉塞され
ており、その閉塞された両端には全て導入口18と排水
口19が形成され、これら導入口18と排水口19には
各管状部材を結ぶほぼ同じ内径の連通管16a〜16d
が連結されている。
【0039】すなわち、複数の管状部材の内、最上段の
管状部材15aは、その一端下部と中段の管状部材15
bの一端上部が太い連通管16bで連結され、同様に上
・中段管状部材15a、15bの他端下部と上部は細い
排水管17aで連結されている。
【0040】また中段の管状部材15bは、その一端下
部と最下段管状部材15cの一端上部が細い排水管17
bで連結され、同様に中・下段管状部材15b、15c
の他端下部と上部は太い連通管16cで連結されてい
る。
【0041】さらに、最下段管状部材15cの一端下部
には連通管16dが連結されており、この連通管16d
は、常時使用される図示しない給水カランに連結されて
いる。そして、管状部材15の給水側端部の最上部には
空気弁10が設置されている。
【0042】このように第2実施形態においても第1実
施形態と同様に、排水管を流れる流水抵抗が、単一の管
状部材の排出口と、他の管状部材の導入口とを連通する
連通部の流水抵抗よりも大きくなるように設定されてい
るので、通常の水の使用時には排水管により水の流れが
短絡することがなく、各管状部材の内部は、水道水の使
用によって死水のない状態で順次水がジグザグに流れ、
これら管状部材によって構成される貯水流路に水が常時
確保されている。
【0043】また、非常時の場合には、水圧がなくな
り、下方の給水カラン5を開くことにより、空気弁10
が自動的に開き、これにより、水道水は自重により順
次、連通管16b、排水管17bを介して流下し、最後
の排水口19に連結されている給水カラン5から全て排
出することが可能となる。
【0044】本実施形態にあっては、管状部材15〜1
5cを給水カラン5に連結される排水口19の方向に当
初から傾斜させて構成しているため、壁内等にこの非常
用給水装置を設置する時に、格別水平度を考慮する必要
がないばかりか、非常流水後、水道から給水が開始され
た場合に空気が管状部材の片方上部に集中するため、確
実に空気を上方へ送ることができ、空気残留を防止でき
る。
【0045】次に、図3には第3の実施形態が示され、
複数の管状部材を箱体内部を隔壁により複数に仕切って
構成したものである。
【0046】液密に形成された箱体20は、その内部を
複数の隔壁21a、21bで液密に仕切って複数の部屋
22a、22bおよび22cを区画している。
【0047】各部屋22a〜22cの両端には全て導入
口25、連通穴23b、23cおよび排水口26と排水
穴24a、24bが形成され、これら導入口と排水口は
箱体内部の隔壁に形成された連通穴および排水穴により
連通している。
【0048】そして、連通管23aは、複数の部屋の
内、最上部に位置する部屋22aの上端から水道水を供
給するように連結されている。
【0049】ここで、箱体20の最上段の部屋22aと
中段の部屋22bとは隔壁21aで仕切られており、こ
の隔壁21aの連通管23aと反対の一端には連通穴2
3bが形成されている。
【0050】この連通穴23bは、前述した実施形態に
おける連通管8b、16bに相当し、また、中段の部屋
22bと最下段の部屋22cとを仕切る隔壁21bの連
通穴23bの反対の他端にも前述した実施形態における
連通管8c、16cに相当する連通穴23cが形成され
ている。
【0051】さらに、隔壁21a、21bにはそれぞれ
の連通穴23b、23cと反対端部に排水穴24a、2
4bが形成されている。この排水穴24a、24bの開
口面積は、連通部としての連通穴23b、23cの開口
面積より小さく形成されている。
【0052】そして、最下段の部屋22cの一端下部に
は連通管23dが連結されており、この連通管23d
は、常時使用される給水カラン5に連結されている。
【0053】尚、箱体20内を仕切って各部屋を区画す
る隔壁21a、21bおよび底壁21cは、水平状態に
設定した例について述べたが、これを第2の実施形態で
述べたように傾斜状態に設定しても良い。なお、水平状
態で設置する場合は、排水穴24a、24bは必ずしも
必要なものではない。
【0054】このように、箱体20の内部に形成される
各部屋22a、22bおよび22cが隔壁21a、21
bに形成された連通穴23b、23cを介して内部で連
通されるので、前記実施形態のように、複数の管状部材
を隣接して一体化された複数の管状部材の如く、管状部
材の外部に連通部および排水管が露出することがなくな
り、このための配管が省略できる。
【0055】次に、図4には第4の実施形態が示され、
この実施形態は、前述した管状部材と、これに連通接続
される各部材を、対向する2枚の例えば繊維強化プラス
チックから成る板材に対称凹形に成形し、これら板材を
互いに液密に張合わせてパネル状に形成したものであ
る。
【0056】すなわち、これら2枚の板材31a、31
bを互いに張合わせてなるパネル31には、対向する1
組の対称凹部で形成される排水口側を下に傾斜させて複
数の管状部材32a〜32cを成形すると共に、最上段
の管状部材32aに連結されるよう連通管33aが成形
される。
【0057】最上段の管状部材32aは、その一端下部
と中段の管状部材32bの一端上部が連通管33bで連
結され、同様に上・中段管状部材33a、33bの他端
下部と上部は排水管34aで連結されている。
【0058】また中段の管状部材32bは、その一端下
部と最下段管状部材32cの一端上部が排水管34bで
連結され、同様に中・下段管状部材32b、32cの他
端下部と上部は連通管33cで連結されている。
【0059】さらに、最下段管状部材32cの一端下部
には連通管33dが連結されており、この連通管33d
は、常時使用される図示しない給水カランに連結されて
いる。
【0060】そして、最上段の管状部材32aの給水側
端部の上部には、空気弁を連結するための接続口35が
成形されている。
【0061】このように成形された2枚の繊維強化プラ
スチックからなる板材31a、31bを互いに液密に接
合することにより、パネル31が完成される。
【0062】このパネル31は、図示しない薄形の箱体
内に収納設置して、これを例えば台所の壁内に埋設する
ことができる。
【0063】またパネル31が、透明な繊維強化プラス
チックで構成されれば、内部の水の残存状態や流れを監
視することができる。
【0064】このようにパネル31によって構成された
各管状部材の内部は、水道水の使用によって死水のない
状態で順次水が流れ、これら管状部材によって構成され
る貯水流路に水が常時確保される。
【0065】また、非常時には、水圧がなくなり、下方
の給水カランを開くことにより、空気弁が開き、各管状
部材32a〜32c内の水道水は、連通管33b、33
c、排水管34a、34bを介して流下し、順次最下段
の管状部材32cから排水口36、連通管33d、そし
て給水カランへと流れ、貯留水を全て排出することが可
能となる。
【0066】以上、本発明の実施形態を図面によって説
明してきたが、具体的な構成はこれら実施形態に限られ
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におけ
る変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0067】例えば、実施形態では、非常用給水装置を
台所に適用した例を示したが、ユニットバス、洗面台等
に埋め込んでも良く、壁に対して基台やフレームを利用
して固定しても良い。
【0068】また、空気弁10の位置は地震等によって
破損しにくい場所であり、かつ残留する空気を全て排出
することのできる最上部であれば、管状部材、箱体、パ
ネル、または連通管のいずれに取付けてもよい。
【0069】さらに、連通管の内径が排水管の内径より
も大きく形成された実施例を示したが、排水管に所定の
抵抗を与えるような構造にしても同じ機能を有する。
【0070】また、管状部材等をより多数連結して貯水
量を大量に得られることは言うまでもない。
【0071】また、連通管、排水管に代えて管状部材と
管状部材との当接面に開口を施して水の通過を許す連通
部としてもよい。
【0072】
【発明の効果】本発明は次の効果を奏する。
【0073】(a)請求項1によれば、水道水の使用に
よって順次水が流れ、死水のない状態で、これら管状部
材によって構成される貯水流路に水が常時確保されてい
る。非常時には、下方の給水用カランを開くことによ
り、水圧で常時閉塞している空気弁が開くため、これら
管状部材内に蓄えられた水を自然落下により大量に使用
できる。特にこの給水装置はそれぞれ別々の細い管状部
材の集合体であるため、強度が高く、また水の流れもス
ムーズとなる。
【0074】(b)請求項2によれば、非常時の水の自
然落下時において、管状部材の排出口がその管状部材の
最下端部に存在するため、水がほどんど全て落下し、水
の残留を防止できる。また、非常流水後、これら管状部
材に水道の給水が開始された際、内部の空気を残らず上
方の空気弁から排出できることになる。
【0075】(c)請求項4によれば、常時は水道水が
管状部材の導入口から入った水が管状部材内部を流れ、
その端部の排水口から次の管状部材へと流れ、水はジグ
ザクに効率良く流れ、死水が発生しない。これは導入口
と排水口とを結ぶ連通部がその反対に位置する流通路よ
りも流水抵抗が少ないためである。非常時においては、
この流水抵抗の大きい連通部が、導入口と排水口とを結
ぶ連通路と共働して水を下方に流下させるため、管状部
材内の水の残留を極力防止できる。
【0076】(d)請求項5によれば、この流水抵抗の
大きい連通部が請求項2と同様の働きをし、例え管状部
材が傾いていたとしても、水の流下を促進するととも
に、水道の給水が開始された際、内部の空気を残らず、
上方の空気弁から効果的に排出できることになる。
【0077】(f)請求項8によれば、大量生産が可能
となり、製造原価を低減させることができる。
【0078】(g)請求項9によれば、非常用給水管が
外部からの力により破壊されることがなく、また、非常
用給水管を壁内に埋め込む際にあたっても、空気弁周辺
の空間が確保される。
【0079】(h)請求項10によれば、箱体の内部に
形成される各部屋が隔壁に形成された連通穴を介して内
部で連通されるので、複数の管状部材を隣接して一体化
された複数の管状部材の如く連通部および排水管を外部
に露出することがなくなり、このための配管が不要とな
る。
【0080】(i)請求項11によれば、単に連通部と
して口径の細いものを選択するのみで、非常時に使用さ
れる連通部には水が流れにくく、通常の流体のジグザグ
な流動が阻害されることがない。
【0081】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す非常用給水装置
の全体斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す非常用給水装置
の全体斜視図である。
【図3】本発明の第3の実施形態を示す箱体で構成され
た横形の非常用給水装置の全体斜視図である。
【図4】本発明の第4の実施形態を示すパネルで構成さ
れた非常用給水装置の全体斜視図である。
【符号の説明】
1 台所 2 流し台 3 壁 4 シンク部 5 給水カラン 6 非常用給水装置 7a〜7c 管状部材 8a〜8d 連通管(連通部) 9a〜9b 排水管(流水抵抗の大きな連通部) 10 空気弁 11 導入口 12 排水口 13 基台 14 フレーム 15a〜15c 管状部材 16a〜16c 連通管(連通部) 17a、17b 排水管(流通抵抗の大きな連通部) 18 導入口 19 排水口 20 箱体 21a、21b 隔壁 22a〜22c 部屋 23a 連通管 23b、23c 連通穴(連通部) 24a、24b 排水穴(流水抵抗の大きな連通部) 25 導入口 26 排水口 31 パネル 31a、31b 板材 32a〜32c 管状部材 33a〜33d 連通管(連通部) 34a、34b 排水管(流水抵抗の大きな連通部) 35 接続口 36 排水口

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端部に導入口を、そして他端部に排水
    口を有する管状部材を横方向に複数本ほぼ隣接させ、前
    記単一の管状部材の導入口と他の管状部材の排水口とを
    順次連通部で連結して一体化した流動式の貯水流路を形
    成するとともに、少なくとも前記複数の一体化された管
    状部材の最上部付近に空気弁を設置し、最上部の管状部
    材の導入口を上水道配管に連通させ、さらに最下部の管
    状部材の排水口を給水カランに連通させることを特徴と
    する非常用給水装置。
  2. 【請求項2】 連通部で連結される管状部材の排水口
    が、その管状部材の最下端部近傍に、さらにその下方の
    管状部材の導入口が、その管状部材の最上端部近傍に形
    成されている請求項1記載の非常用給水装置。
  3. 【請求項3】 貯水流路を形成する各管状部材を連通す
    る連通部が管状部材の外部に延びる連通管である請求項
    1または2に記載の非常用給水装置。
  4. 【請求項4】 単一の管状部材の導入口と他の管状部材
    の排水口との連通部の位置と相対するそれぞれの管状部
    材の端部が、前記連通部の流水抵抗よりも大きな通路の
    連通部で連結されている請求項1ないし3のいずれかに
    記載の非常用給水装置。
  5. 【請求項5】 上下の管状部材を連通させる流水抵抗の
    大きな連通部が、上方の管状部材の一端の最下端部と下
    方の管状部材の一端の最上端部とを繋いでいる請求項4
    に記載の非常用給水装置。
  6. 【請求項6】 前記流水抵抗の大きな連通部が、管状部
    材の外部に延びる排水管である請求項4または5に記載
    の非常用給水装置。
  7. 【請求項7】 前記複数の管状部材は、一方向に傾斜さ
    せて設置されることを特徴とする請求項1ないし6のい
    ずれかに記載の非常用給水装置。
  8. 【請求項8】 前記管状部材、該管状部材に設けられた
    導入口および排水口、最上部に取付けられる空気弁と管
    状部材とが連通する接続口および管状部材同士を連通す
    る連通部を、凹部を有する2枚の板材を互いに液密に張
    合わせてパネル状に形成したことを特徴とする請求項
    1、2、4、5、7のいずれかに記載の非常用給水装
    置。
  9. 【請求項9】 少なくとも前記管状部材と前記空気弁と
    が基台から上方に延設された堅固なフレームにより外力
    から保護されていることを特徴とする請求項1ないし8
    のいずれかに記載の非常用給水装置。
  10. 【請求項10】 液密に形成された箱体の内部を複数の
    隔壁で横方向に仕切って複数の部屋を形成し、各部屋内
    の最上の部屋に導入口を、また最下の部屋に排水口を形
    成し、各部屋の端部近傍で各部屋を順次連通部で連結し
    て流動式の貯水流路を形成するとともに、前記箱体の上
    部付近に空気弁を設置し、前記連通部の位置と相対する
    それぞれの部屋の端部を、前記連通部の流水抵抗よりも
    大きな通路の連通部で連結させ、最下の部屋の排水口を
    給水カランに連通させることを特徴とする非常用給水装
    置。
  11. 【請求項11】 前記流水抵抗の大きな連通部の口径
    が、単一の管状部材の排水口と他の管状部材の導入口と
    を連通する連通部の口径より小径になっていることを特
    徴とする請求項4、5、6、10のいずれかに記載の非
    常用給水装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006274767A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Kaiho Giken:Kk 貯水装置
JP2014020099A (ja) * 2012-07-18 2014-02-03 HIRANO Industrial Engineering Development株式会社 送水設備
JP2017089215A (ja) * 2015-11-10 2017-05-25 株式会社ティーズファクトリー 非常用飲料水貯留管

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