JPH09195035A - 透明導電性フィルムの製造装置 - Google Patents

透明導電性フィルムの製造装置

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JPH09195035A
JPH09195035A JP8002254A JP225496A JPH09195035A JP H09195035 A JPH09195035 A JP H09195035A JP 8002254 A JP8002254 A JP 8002254A JP 225496 A JP225496 A JP 225496A JP H09195035 A JPH09195035 A JP H09195035A
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transparent conductive
film
chamber
producing
conductive film
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Toru Hikosaka
徹 彦坂
Shigeo Katayama
滋雄 片山
Yuuji Tamura
優次 田村
Sachikazu Koyoku
祥和 小浴
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックフィルムを基板とした透明導電
性フィルムが安定して高速生産でき、大量生産できる透
明導電性フィルムの製造装置。 【解決手段】 長尺のプラスチックフィルムを連続的に
搬送ローラーにより搬送しつつ、その上に透明導電性層
をスパッタ法により連続的に形成するようにした透明導
電性フィルムの製造装置において、該透明導電性層を形
成するスパッタ室の上流に該プラスチックフィルムを蛇
行させて搬送しつつ脱ガス処理をする脱ガス処理室を設
け、両室をその雰囲気を分離する隔離通路で連結し、両
室の各室を独立に排気できる排気手段を設けた透明導電
性フィルムの製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は長尺のプラスチック
フィルムを基板とした透明導電性フィルムを連続的に製
造する透明導電性フィルムの製造装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】液晶デイスプレー等のフラットパネルデ
ィスプレーの透明電極材料として用いられている透明導
電性フィルムは最近スパッタ法での製膜が主流になって
きている。しかし、スパッタ法は製膜速度が遅く生産性
が悪いため、コストの面から製膜速度の向上が要求され
ている。
【0003】従来、プラスチックフィルムに連続的に透
明導電性層を形成して透明導電性フィルムを製造する透
明導電性フィルムの製造装置としては、図3に示したよ
うなものが知られている。
【0004】図から明らかなように、この製造装置は、
スパッタ室101に透明導電性層の形成材からなるター
ゲット102をセットするカソード103と基板のプラ
スチックフィルム105を支持しつつ移送するアノード
の回転ドラム104を対設すると共に、回転ドラム10
4の上流側にプラスチックフィルム105のロール10
6をセットする巻き出し手段を、その下流側に透明導電
性層が積層されたプラスチックフィルム105を巻き取
りロール107に巻き上げる巻き取り手段を設置した構
成となっている。図の108は、膜形成域外のプラスチ
ックフィルム105あるいはスパッタ室の上部壁面等に
スパッタされた透明導電性層の形成材が堆積しないよう
にする遮蔽板である。そして、この従来例の製造装置で
は、プラスチックフィルム105が矢印109の方向に
巻き出し手段のロール106から連続的に巻き出され、
回転ドラム104で移送されつつターゲット102に対
向した膜形成域でプラスチックフィルム105上に透明
導電性層が形成され、巻き取り手段で再びロール107
に巻き上げられことにより透明導電性フィルムが連続的
に製造される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来例で、製膜
速度を速くするには、従来よりカソードの投入電力を上
げれば比例的に速くできることが知られていたが、投入
電力を上げるとターゲット上で異常放電が発生するため
1カソード当たりの投入電力つまり製膜速度には限界が
生じる。近年、電源技術の進歩及び高充填密度のターゲ
ットにより異常放電が大幅に減少したことにより従来よ
り大幅に投入電力を上げることが可能になった。しか
し、それでも1カソード当たりの製膜速度に限界があっ
た。
【0006】また製膜速度が速くなると基板のプラスチ
ックフィルムの搬送速度が速くなるため、前述の従来の
スパッタ装置ではプラスチックフィルム、特に多層の機
能層をコーテイングした、あるいは機能性を高めるため
別種のフィルムをラミネートしたプラスチックフィルム
を基板に用いる場合にはこのプラスチックフィルムに吸
着している酸素成分を含むガス等がスパッタ室で大量又
は不均一に放出され、反応性スパッタとなる透明導電性
層のスパッタでは酸素成分の多い又は不均一な膜質とな
り、場合により制御不能となる問題があった。
【0007】このように、従来例では、製膜速度に限界
があり、又製膜速度を上げると長時間の安定運転が難し
く、大量生産が困難であるという問題がある。
【0008】本発明は、この問題を解決するためになさ
れたもので、プラスチックフィルムを基板とした透明導
電性フィルムが安定して高速生産でき、大量生産できる
透明導電性フィルムの製造装置を目的としたものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的は以下の本発
明により達成される。すなわち、本発明は、長尺のプラ
スチックフィルムを連続的に搬送ローラーにより搬送し
つつ、その上に透明導電性層をスパッタ法により連続的
に形成するようにした透明導電性フィルムの製造装置に
おいて、該透明導電性層を形成するスパッタ室の上流に
該プラスチックフィルムを蛇行させて搬送しつつ脱ガス
処理をする脱ガス処理室を設け、両室をその雰囲気を分
離する隔離通路で連結し、両室の各室を独立に排気でき
る排気手段を設けたことを特徴とする透明導電性フィル
ムの製造装置である。
【0010】本発明は、上記の通り、脱ガス処理室をプ
ラスチックフィルムを蛇行させる構成とすることにより
コンパクトな構成で処理長を十分に確保する共に独立し
て排気する構成により脱ガスを高速で行うようにしてい
るので、従来例のプラスチックフィルムからのガスの問
題が解消し、最近のスパッタ能力をそのまま発現でき、
高速生産ができ、目的を達することが出来る。
【0011】さらに、本発明において、透明導電性層の
形成を複数のスパッタ室に分けて行うように構成するこ
とにより、電源能力に制約を受けることなく、より一層
の高速製膜が可能となる。
【0012】また、プラスチックフィルムの透明導電性
層の形成面に接する搬送ローラーを自由回転するフリー
ローラーとすることにより、透明導電性層面への傷付き
が防止され、歩留り良く高速生産できる。
【0013】以上の本発明によりプラスチックフィルム
を基板とした透明導電性フィルムを従来例の数十倍以上
の高速で歩留まりよく安定生産できるという効果が得ら
れ、目的が達成される。
【0014】なお、本発明の適用できるプラスチックフ
ィルムは、基板フィルムがプラスチックフィルムである
ものであればよく、表面に必要な機能層が積層された積
層プラスチックフィルム、保護フィルム等をラミネート
したラミネートフィルム等であってもよい。プラスチッ
クフィルムの材料としては、ポリエステル、ポリカーボ
ネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテル
スルホン等の樹脂が挙げられる。
【0015】また、本発明の透明導電性層は、周知の金
属、金属酸化物等の透明な導電性薄膜等スパッタ法で膜
形成できる導電性材料からなるものであれば適用でき
る。中でも、本発明は液晶表示装置等の透明電極として
需要が高まっており、膜形成速度が遅く、コスト低下と
大量生産が要望されているインジウム・錫酸化物(IT
O)を透明導電性層とした透明導電性フィルムにおいて
大きな効果を奏するものである。
【0016】以下、本発明を実施例の図1の透明導電性
層がITO膜からなる透明導電性フィルム(以下、「I
TOフィルム」と略称する)の製造装置に基づいて更に
詳細に説明する。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は本発明によるITOフィル
ム製造装置の一実施例の基本構成の説明図、図2はその
カソード部の概略断面図である。
【0018】図示のように、本例は、フイルム巻き出し
室1のフィルムロール2よりプラスチックフィルム(以
下、「フィルム」と略称する)3を巻き戻し、脱ガス処
理室4で効率よく脱ガス処理した後、フィルム3上に2
室のスパッタ室5a、5bでITO膜を堆積し、フィル
ム巻き取り室6で再びロール7に巻き上げることによ
り、長尺具体的には数100m以上、場合により数10
00mの透明導電性フィルムに連続的に製造するように
構成されている。なお、各室は所定の長さのスリット等
公知の雰囲気を分離できる通路8a、8b、8c、8d
により連結され、また各室には室毎に独立してその排気
を調整できる真空排気系の排気調整手段9a、9b、9
c、9d、9eが設けてある。
【0019】フィルム巻き出し室1は、図示省略したが
公知のものと同様な巻き出し軸にセットされたフィルム
ロール2からフィルム3を一定張力で連続的に巻き戻す
巻き出し手段が設けられている。
【0020】このフィルム巻き出し室1より直接スパッ
タ室5aに直接フィルム3を高速で搬送してITO膜を
堆積すると、フィルム3から酸素成分を含む大量又は不
均一なガスが放出され、反応性スパッタであるITO膜
のスパッタでは形成されるITO膜が酸素成分過多又は
不均一な品質のものとなる問題が生じた。この問題は、
フィルム3が機能層が多層コーティングされた積層フィ
ルムや複数のフィルムをラミネートしたラミネートフィ
ルムの場合には、特に顕著であった。そのため、製膜前
にフィルム3を高速搬送しながら上記問題が生じない程
度にまでフィルム3に含まれるガスを脱ガス処理するこ
とが、高速生産には必須であることが判った。
【0021】そのため、本例の脱ガス処理室4は、所定
の間隔で上下交互に軸平行にローラ10a、10b、1
0c、10d、10eを配置してフィルム3を蛇行させ
ることにより、狭いスペースでもフィルム3の脱ガス処
理長が長く取れるコンパクトな構成とする共に、排気手
段の排気調整手段9bを独立して設けることにより独立
した条件で連続真空排気できる構成としており、フィル
ム3の表面が真空中に暴露されて効率よく脱ガス処理が
できる共に高速搬送においても十分な脱ガス処理時間の
確保が可能になり、フィルム3を高速搬送しながら上記
問題の防止に十分な脱ガス処理を行うことができる。な
お、排気手段の真空排気装置は、各室個別に設けても、
全体に共通としてもよい。
【0022】本例の脱ガス処理室4には、又フィルム3
からのガス放出を促進するためにフィルム3を加熱する
加熱装置11a、11bをそのフィルム3の入り口近く
及び中間部に設けてある。これによりフィルム3からの
ガス放出の促進され、脱ガス処理室のより一層のコンパ
クト化が可能となった。
【0023】なお、脱ガス処理室4のローラ数は、用い
るフィルム3に必要な脱ガス量と脱ガス条件に基づいて
決められる。必要な脱ガス量は通常実験により決められ
るが、これを避けるために経験的に十分な脱ガス量とな
る脱ガス条件を設定する便法も時に用いられる。ローラ
数は製造準備等の作業性の向上、設備コスト等の面から
少ない方が好ましい。
【0024】ところで、ITO膜のスパッタにおいて
は、1カソード換言すれば1ターゲット当たりの製膜速
度には限界があるため、製膜速度の向上を図るには図示
のようにカソードをフィルム搬送方向に増設することが
効果的である。そこで、本例では、フィルム3の傷付き
防止、搬送張力の制御性等の面からアノードにドラム1
2a、12bを用いてフィルム3をドラム周面で支持し
つつ搬送するドラム方式とすると共に、アノードのドラ
ム12a、12bの各々の周囲に複数個具体的には2個
のカソード13a、13bと13c、13dとをそれぞ
れ配置した構成としている。これにより製膜速度はカソ
ード数倍だけ増速される。
【0025】ところで、この各カソード13a、13
b、13c、13dは、1カソードでの製膜速度を最高
度にするため以下の構成となっている。すなわち、製膜
速度を速くするためには、大きな投入電力をカソード1
3a、13b、13c、13dに与える必要がある。し
かし、大きな電力を投入すると、大きな熱が発生し、そ
の熱の影響によりターゲット15が割れたり、基板のフ
ィルム3に接着したラミネートフィルムが離脱したりす
る問題が生じ、製膜速度を速くすることは難しい。これ
に対して、ターゲット15の冷却、フィルム3のターゲ
ット15に対面した膜形成域中及びその近傍での冷却が
必要である。
【0026】ターゲット15の冷却については、直接の
冷却は難しく、図3に示す、これを取り付けるバッキン
グプレート16を介しての冷却が一般である。このバッ
キングプレート16の冷却方法としては、バッキングプ
レート中にジャケットを設けてこの中に冷却媒体を流す
ジャケット方式とバッキングプレートの裏側全体に冷却
媒体を流す裏面冷却方式との2つに大別されるが、本例
ではジャケット方式を用いたが、冷却効率が良く、効果
的であった。
【0027】フィルム3の冷却は、以下のようにした。
すなわち、フィルム3を支持するドラム12a、12b
とこれにフィルム3を案内するその前後に設けられたロ
ーラ17a、17b、17c、17dを、その中に熱媒
体を循環させて温度調整する熱媒循環式のドラム、ロー
ラとして、これらによりフィルム3の温度を制御するよ
うにした。このようにすることにより、カソード13
a、13b、13c、13dに高速膜形成に必要な大き
な投入電力を与えても、ターゲット15が割れることも
なく、且つフィルム3に接着したラミネートフィルムが
離脱することもなく、安定したスパッタが可能となっ
た。
【0028】また、カソード13a、13b、13c、
13dは、図2に示すスパッタ用の磁石18を、ターゲ
ット15の全面に亘るようにフィルム搬送方向及びフィ
ルム搬送方向と直角のフィルム幅方向に所定の速度でそ
れぞれ独立に往復移動させるようになっている。この構
成により、ターゲット15全体が可能な限り均一にスパ
ッタされ、ターゲット15の使用効率が良くなり、長時
間の連続スパッタが可能となった。ITOスパッタ装置
の生産性を良くするには、可能な限りスパッタ室を大気
解放せず、且つ長時間スパッタを行い、且つ製膜速度が
速いことを要求されるため、この構成はこの点で非常に
有効であった。
【0029】しかし、このカソードの数の増加には限界
がある。即ち、1つのスパッタ室5aのドラム12aの
直径は製作上及び作業性の問題から2mが限度であるた
め、ドラム12aの周りに複数のカソード13a、13
bを並べたマルチのカソードではカソードの台数つまり
製膜速度が制限される。本例が対象とするITO膜にお
いては、このマルチのカソード方式ではその生産性が十
分でない。そこで、本例では、図示のように同じマルチ
のターゲットのドラム方式のスパッタ装置からなる2個
のスパッタ室5a、5bを反応性ITOスパッタに有害
なガスを防止するため雰囲気を分離できる通路8b、8
c、8dを介して連接した構成とし、評価したところ得
られるITO膜は品質上問題のないものが得られること
を見出した。すなわち、脱ガス処理室4、隣接するスパ
ッタ室5a、5b又はフィルム巻き取り室6から混入す
る反応性ITOスパッタに有害なガスを防止するため雰
囲気を分離できる通路8b、8c、8dにより、複数連
接した構造のスパッタ室で膜作成することにより製膜速
度を速くすることが可能になった。更なる製膜速度の高
速化を図る場合は、同種のスパッタ室5a、5bを更に
同様に増設することにより実現される。
【0030】ところで、生産性向上、コスト低減等の面
からは、上記の構成による製膜速度の向上に加えて、長
期の安定生産が好ましい。この点から、スパッタに用い
るDC電源14a、14b、14c、14dにはITO
膜形成中によく発生する異常放電を防止する異常放電防
止機構を備えた電源装置を用いることが好ましく、本例
ではこのDC電源装置を用いた。異常放電防止機構とし
ては、本発明者らが先に提出した特願平7−12131
4号明細書において提案した、膜の帯電を除電するパル
ス状の電圧を周期的にスパッタ電圧に印加するようにし
たもの、異常放電の発生を検出し、検出後10マイクロ
秒以下の高速で電源を瞬間的に遮断して異常放電の繰り
返し発生を防止して膜質への影響を防止するものなどが
あるが、本例では後者の異常放電防止機構を備えたDC
電源装置を用いた。さらに、ターゲット15には異常放
電の発生の抑制効果の高い95%以上の高充填密度IT
Oターゲットを用いた。
【0031】以上の構成のスパッタ室により速い製膜速
度で長時間の安定生産が可能となったが、実際長時間ス
パッタを行うと実用面から付随的な種々の問題が生じ
る。
【0032】例えば、スパッタ室には壁面等への堆積物
の除去作業等の合理化等から目的のフィルム3以外の室
内部材にITO膜が付着するのを出来る限り防止する防
着板を設けるのが一般であり、本例でも図示の通り防着
板19a、19b、19c、19dを設けている。ま
た、図2に示すように、カソードのターゲット15の支
持部がスパッタされるのを防止するためのシールド板2
0を設けるのも一般である。ところが、この防着板、シ
ールド板等の遮蔽部材は、速い製膜速度で長時間スパッ
タを行うと、遮蔽部材に堆積して付着したITO膜の膜
厚が次第に増し、遮蔽部材からの剥離が生じ、更には剥
離物がターゲット15上等に落下し、場合により異常放
電が発生する。
【0033】このITO膜の剥離防止について種々検討
の結果、遮蔽部材に付着面の表面粗さが5S以上の無酸
素銅板に用いることにより大きく改善できることを見出
した。具体的には、この付着面を表面粗さ5S以上に荒
らした無酸素銅板の遮蔽部材は、従来の防着板等に使用
されているSUS304のステンレス鋼の遮蔽部材に対
して同じ条件でITO膜を堆積した場合ITO膜の遮蔽
部材からの剥離が生ずるまでの時間で6倍の剥離防止効
果があることを確認した。この理由は無酸素銅の熱膨張
率がITO膜の熱膨張率に近く、温度変化による応力歪
みが小さく、且つ表面を適度に荒らすことにより接触面
積が増え、付着力が増すためと考えられる。
【0034】よって、本例の防着板19a、19b、1
9c、19dとシールド板20には付着面の表面を5S
以上に荒らした無酸素銅板を使用している。更に、図2
に示すように、シールド板20の剥離物がターゲット1
5上に落下しないようにシールド板20の先端がターゲ
ット15の前面のスパッタされる面より後退した構成と
すると共に、又はターゲット15上に異物が落下しない
ようにターゲット15を可能な限り垂直に設置した構成
としている。これら改善により、透明導電性フィルムを
速い製膜速度で異常放電もなく品質の安定した良いIT
O膜を長期安定生産することが可能となった。
【0035】なお、高速搬送されるフィルム3の表面、
特に保護用のフィルムをラミネートすることの出来ない
ITO膜を堆積する膜堆積表面は、スクラッチ状の傷が
入り易い。このスクラッチ状の傷は、傷を発生させるロ
ーラと前後のローラとの周速に差がある場合に発生する
ことが観察された。そこで、本例ではフィルム3のIT
O膜の堆積される面に接触する搬送用のローラ10a、
10c、10e、17a、17b、17c、17d、2
1a、21bは全て自由に回転するフリーローラにして
ある。この構成によりスクラッチ状の傷は解消され、歩
留りのよい生産が可能となった。
【0036】以上の構成の製造装置で以下のように透明
導電性層がITO膜の透明導電性フィルムを製造した。
すなわち、基板に膜厚100μmのポリカーボネートフ
ィルムを用い、その長さが1,500mのロールをセッ
トし、2m/分の搬送速度で移送しつつ、スパッタ室5
a、5bの各室でITO膜をそれぞれ600Åの厚さ堆
積し、次いでロールに巻き上げて、透明導電性層が膜厚
1200ÅのITO膜からなる透明導電性フィルムを製
造した。ITO膜の品質も一定な透明導電性フィルムが
連続10時間以上安定生産できた。従来の本発明の脱ガ
ス処理室を有しない、カソード一個のスパッタ装置によ
る0.1m/分の搬送速度に比べ、約20倍の生産速度
の上昇となった。
【0037】
【発明の効果】本発明の透明導電性フィルム製造装置
は、基板のフィルムの高速脱ガス処理を可能とするフィ
ルムを蛇行させて真空脱ガス処理する脱ガス処理室を設
けることにより、高速スパッタ製膜の性能を発現させ、
更にはこの脱ガス処理室とより一層の高速製膜が可能な
スパッタ装置と組み合わせることにより、より一層の高
速製膜を可能としたもので、透明導電性フィルムの大量
生産、低コスト化に大きな寄与をなすものである。特
に、液晶表示装置、タッチパネル等の透明電極として大
量生産と低価格化が嘱望されている透明導電性層にIT
O膜を用いた透明導電性フィルムの製造において大きな
効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例の基本構成の説明図で
ある。
【図2】図2は、図1の実施例のカソード部の構成を示
す概略断面図である。
【図3】図3は、従来装置の代表例の構成の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 巻き出し室 2、106 ロール 3、105 フィルム 4 脱ガス処理室 5a、5b、101 スパッタ室 6 巻き取り室 7、107 ロール 9a〜9e 排気調整手段 10a〜10e ローラ 12a、12b、104 ドラム 13a〜13d、103 カソード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小浴 祥和 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺のプラスチックフィルムを連続的に
    搬送ローラーにより搬送しつつ、その上に透明導電性層
    をスパッタ法により連続的に形成するようにした透明導
    電性フィルムの製造装置において、該透明導電性層を形
    成するスパッタ室の上流に該プラスチックフィルムを蛇
    行させて搬送しつつ脱ガス処理をする脱ガス処理室を設
    け、両室をその雰囲気を分離する隔離通路で連結し、両
    室の各室を独立に排気できる排気手段を設けたことを特
    徴とする透明導電性フィルムの製造装置。
  2. 【請求項2】 脱ガス処理室の上流にプラスチックフィ
    ルムのロールがセットされ、巻き出される巻き出し室が
    設けられ、スパッタ室が複数の室からなり、最下流のス
    パッタ室の下流に透明導電性層が堆積されたプラスチッ
    クフィルムを巻き上げる巻き取り室が設けられ、各室は
    雰囲気を分離できる隔離通路により連結された請求項1
    記載の透明導電性フィルムの製造装置。
  3. 【請求項3】 少なくともプラスチックフィルムの透明
    導電性層の形成面に接する搬送ローラーが自由に回転す
    るフリーローラーである請求項1または請求項2記載の
    透明導電性フィルムの製造装置。
  4. 【請求項4】 透明導電性層がインジュウム錫酸化物
    (ITO)である請求項1〜請求項3記載のいずれかの
    透明導電性フィルムの製造装置。
  5. 【請求項5】 スパッタ室のターゲットが垂直に設置さ
    れた構造である請求項1〜請求項4記載のいずれかの透
    明導電性フィルムの製造装置。
  6. 【請求項6】 スパッタ室に、飛散するスパッタ粒子が
    被処理プラスチックフィルム以外に堆積するのを防止す
    る表面粗さ5S以上の無酸素銅からなる遮蔽部材が設け
    られている請求項1〜請求項5記載のいずれかの透明導
    電性フィルムの製造装置。
  7. 【請求項7】 脱ガス処理室に加熱装置を備えた請求項
    1〜請求項6記載のいずれかの透明導電性フィルムの製
    造装置。
  8. 【請求項8】 スパッタ室のカソードのターゲット以外
    の部品がスパッタされることを防止する遮蔽部材の先端
    がターゲットの前面より後退している請求項1〜請求項
    7記載のいずれかの透明導電性フィルムの製造装置。
  9. 【請求項9】 脱ガス処理室はプラスチックフィルムの
    走行方向に所定間隔で軸平行に複数のローラが配置さ
    れ、該ローラへ懸垂させてプラスチックフィルムを蛇行
    させるようになっている請求項1〜請求項8記載のいず
    れかの透明導電性フィルムの製造装置。
  10. 【請求項10】 前記ローラーが上下方向に所定の間隔
    で上下交互に配置されている請求項9記載の透明導電性
    フィルムの製造装置。
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Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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